JP2604025B2 - 絵画用支持体 - Google Patents

絵画用支持体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この出願の発明は、油絵や日本画等を描くときに使用
する銅箔を基底材とした絵画用支持体に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
通常油絵を描く場合、木枠に張った麻製のキャンバス
(画布)が使用されている。このキャンバスの材料は木
綿製のものもあるし、また板や石などにも描いてはいけ
ないという制約があるわけでもないので、ベニヤ板に描
き上げて展覧会等に出品する例も多く見かけられる。
しかしながら、多くは布製のキャンバスが用いられて
いる。それは布には生地目があり、絵具ののりが良く、
比較的書いた時の絵具の置き具合が良いという長所があ
るためと考えられる。
油絵は明治時代に西洋から導入されたものであるが、
簡単に言えばヤニ分で絵具を固めたものと言える。
画用液として、水彩画は水で日本画はニカワで溶くよ
うに、油絵(油彩画)は油が非常に大切な役割をもって
いる。
この油は大きく分けると油絵具をそれぞれの技法に合
わせて溶く役目の溶き油と、絵そのものに油絵本来のつ
やを与える役目の油と、また絵を大切に保存するための
油とがある。
通常、市販されている油絵具自体はすでに使いやすい
ように練り上げられてる。
油絵を簡単に紹介すると上記のようなことであるが、
他方日本画の方は従来、麻紙に顔料をしみ込ませ、多く
は巻き物として保存しておくことが多かった。このため
巻回することのできないほど絵具を厚くぬることはでき
なかった。
しかしながら、上記の油絵が普及するに従い、日本画
も額に入れるようになり、絵具を厚くする傾向に変って
きている。すなわち、麻紙の上に「どうさ」(ニカワ)
を塗って絵具がしみ込まないようにし、その上に絵具を
厚く盛り上げるように変ってきたのでる。このため日本
画独自の画法と並行して油絵的な日本画も発生した。
このように油絵や日本画から出発した種々の技法を発
達せしめ、すぐれた絵画が数多く生れることとなった
が、作成された絵画に非常に大きな問題を有している。
それは、絵画のひび割れ(クラック)であり、場合に
よっては剥落の危険すらある。特に乾湿のはげしい日本
では気候の変動でよりもろくなり、破損し易すい状況に
あると言える。
乾燥し安定した気候である西欧においてすらも過去の
有名絵画に、近づいて観察すると無数のひび割れが見ら
れる。ひび割れにごみがたまって製作時における鮮烈な
絵画が維持できず長年のうちに絵画が変質してくるのみ
ならず、剥落による絵画の消失になるおそれもあり、無
念の情を禁じ得ない人も多いと思われる。
このような絵画ひび割れは絵具や地塗りにも原因する
ところもあるが、キャンバスなどの基底材の乾湿の変化
や温度変化による伸縮が原因となるところが大きい。
上記のような絵画におけるひび割れは、厚塗りをする
絵画のみならず、油絵的傾向をもつ日本画などにもみら
れている。
このような問題をかかえながら、高級絵画においては
それを保有するために、修復のための研究すら行われて
いるのが実情である。また、古い絵画においては金属
板、特に腐食に強い銅板が基底材として用いられたこと
がある。
これは主として宗教改革後、カトリック側が新世界へ
の布教の地を求めて宣教師たちを送り出すと同時に、聖
像を銅板に描いた油彩画を携帯させたものである。
これは板より軽く、かさがなく、布よりもはるかに剥
落やひび割れの心配がなく、また多少の雨や、熱にも強
いという特徴があったためと考えられる。
しかしながら、銅そのものが高価であり、平面さを得
ることができず、また絵具ののりが悪く、非常に特殊な
技法でのみ製作が可能であったために、18世紀以降殆ど
姿をみせなくなり現在に至っている。
〔課題を解決するための手段〕
以上のような絵画用支持体の問題を解決するために開
発された本発明は、電解用陰極ドラムに接する側の平滑
なシャイニング面を非描画面とし、めっき液中に露出す
る該陰極ドラム非接触側の微細凹凸を有するマット面を
描画面として構成された、10μm〜0.5mm厚の銅・銅合
金箔を基底材とし、 この基底材のマット面には、銅もしくは銅合金、イン
ジウムもしくはインジウム合金、亜鉛もしくは亜鉛合
金、クロムもしくはクロム合金、ニッケルもしくはニッ
ケル合金、鉄もしくは鉄合金、コバルトもしくはコバル
ト合金、及び上記各金属の酸化物又は上記各金属と前記
酸化物との複合物のうちから選ばれる少なくとも一種以
上のものからなる表面被覆層を有し、 かつ、かかる基底材のシャイニング面には、ポリプロ
ピレン不織布または樹脂の裏材を有することを特徴とす
る絵画用支持体である。
上記の絵画用支持体は、それが油彩画用支持体である
こと、日本画用支持体であること、キャンバスであるこ
と、そして壁面用支持体であることを特徴とし、 また、この絵画用支持体は、上記基底材の表面被覆層
がさらに防錆処理をされている他、最外表面には使用の
ときに引剥しが可能な保護樹脂シートを備えていること
を特徴とし、そして該基底材はエンボス加工を施した銅
・銅合金箔であることを特徴とするものである。
これによって絵画がひび割れや剥離することも抑制
し、絵画製作当時に鮮烈さを維持するとともに、絵具の
のりを良好にし、密着性を高め安定した品質の保持可能
とするものである。
〔発明の具体的説明〕
銅箔を使用することは、乾湿や温度変化によるひび割
れや剥落を防止する大きな役割をになうのであるが、金
属製の基底材をしようしようとする場合の大きな欠点で
ある絵具の密着性、のりの良さを改善することは極めて
重要なことであり、このような改善は、本発明において
電解銅・銅合金箔のマット面を描画面とすることによっ
て初めて達成されるものである。
なお、この銅箔・銅合金箔の厚さは、10μm〜0.5mm
電解銅・銅合金箔を使用する。
電解銅箔は第1図aの銅箔製造工程概念図に示すよう
に一般に銅原料1を電解液(硫酸銅水溶液)2とし、回
転する陰極ドラムに銅を析出させ、さらにこれを引剥し
て連続的に銅箔を製造する。このようにして得られた銅
箔は一般に生箔3と称されているが、ドラムに接した面
は平滑でこれをS面(シャイニング面)と称し、反対側
の面は第2図に示すように電気的に析出した多数の凹凸
を有する目これをM面(マット面)と称している。
次にこの銅箔(生箔)は第1図bに示すように1段階
又は多段階(図では3段階)で各種の1層又は多層の表
面被覆層を形成する。一例を示すと第1段階4では銅箔
と絵具及び又は裏材との接着強度を増加させるために銅
又は酸化銅の微細粒子を銅箔に付与する。第2段階5で
は長期内の耐食性をもたせるために黄銅又は亜鉛の被覆
層を形成する。第3段階6でさらに銅箔の酸化若しくは
切断時の緑部酸化を防止するための防錆処理を施すこと
ができる。第2図aは電解銅箔(生箔)マット面の顕微
鏡写真であり、第2図bは前記生箔に銅及び又は酸化銅
の微細粒子を電気的に付着(電気めっき)させた後、黄
銅の被覆層(電気めっきにより)を形成した銅箔であ
る。写真に見られるこのような、多数の凹凸により絵具
の密着性は著しく向上している。もちろん電解銅箔のマ
ット面にも同様の被覆層を形成することができる。
さらにこれらの工程の後、キャンバス等の絵画用支持
体の使用時に、手で引剥しできる保護シートを被覆する
ことができる。この保護シートは手の脂等が銅箔につか
ないように汚染防止の役目をもっている。
以上の表面被覆層を形成することにより絵具の密着性
を著しく高め、かつ耐食性に優れた絵画用基底材とする
ことができる。
このようにして得られた銅箔基底材は在来の木や布と
比較するとさらにいくつかの長所をもっている。それ
は、絵具の密着性を保有していると同時に平坦性に優
れ、なめらかであり、気孔や表面の起伏を地塗りで充填
する必要もないことである(もちろん地塗りをすること
はさしつかえなく、本願発明はこれを包含してい
る。)。そして主として銅の色調は同時に下塗りとして
使用することもできるからである。赤色など銅色を強く
出そうと思えば銅被覆層(めっき層)を施すことで達成
でき、赤、白、シルバー色、さらに黄銅色から黄金色ま
でも色調をそろえることができる。また、銅−ニッケル
合金層は黒色から茶褐色まで、多種多様に変えることが
できる。
さらにクロム若しくはクロム合金(クロメート、ジン
ククロメート処理を含む)、ニッケル若しくはニッケル
合金、鉄若しくは鉄合金、コバルト若しくはゴバルト合
金、インジウム若しくはインジウム合金、亜鉛若しくは
亜鉛合金又はこれらの酸化物の被覆層を形成することに
より耐食性を高めたり、それぞれの特有の色調をそろえ
ることができる。さらにまた、これらの金属、合金、又
はこれらの酸化物上にさらに貴金属等の他の金属メッキ
を施すことも可能である。
本願発明はこれらを包含している。
上記の銅箔基底材は機械的な接着強度を高めるために
エンボス加工を施すこともできる。
上記の銅箔表面被覆層は、絵具が施されるマット面に
施す。
このようにして形成された銅箔基底材は切断され所定
の寸法とされる。
裏材としては、ポリプロピレン不織布または樹脂を使用
する。これらは折り曲げて木枠に固定することでキャン
バスに仕上げるときなどに有利に作用する。
これは絵画人の好みによって選択できるが、銅箔を用
いた特徴は失われることがない。
また、銅箔基底材はカッター等で簡単に切断できるの
で、キャンバス・ボード、ピンナップ、さらには壁画用
支持体とすることができる。またこれらは、一般建造物
への接着が可能であるから内装、外装品、ドア、棚など
のインテリア品として使用できるとともに、交換や保管
も容易にできるという特徴を有している。
キャンバスとする場合には、適度な強度と弾力性を保
有しているので、布などの裏材を張り合わせて木枠に緊
張させ、絵筆をキャンバス地にあてたときに感じられる
心地より弾力を感じとることができる。
また、本願発明の銅箔は純銅のみならずAg,Sn、In、F
e、Ni、Cr、P、Zn、などの元素を添加して強度、耐食
性等を向上せしめた銅合金箔を対象とするもので、これ
らを全て包含するものである。
絵としての手法は油彩画(油絵)、アクリルペイント
画、日本画、パステル画、水墨画などに適しているが、
他の画法に適用することはなんらさしつかえない。
いずれも絵具との密着性に優れており、また、ひび割
れの発生、剥離は大きく改善され、絵画の鮮烈さの維持
と保存性に優れており、さらに絵筆のタッチに快感を強
く与えるものである。
〔発明の効果〕
以上で述べたように、本願発明の表面被覆層を形成し
た銅箔を基底材とすることにより、銅箔特有の色感を
得、平坦性に優れ、軽便でしかも得筆のタッチに優れた
快感を得ることができ、さらに銅のもつ大きな欠点であ
った絵具との密着性を著しく改善したものであり、従来
の絵画用支持体として極めて優れたものである。
しかも従来の絵画特にキャンバス使用において著しか
ったひび割れの発生を防ぐことができる著しい特性を有
するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、銅箔製造工程を示す概念図であり、第2図
は、電解銅箔とその上に本願発明の被覆層を形成し、密
着性を高めた銅箔表面の粒子構造(表面状態)を示す顕
微鏡写真である。 (a:生箔M面(×3000)SEM写真 b:被覆箔M面(×3000)SEM写真)である。 1:銅原料、2:電解液(硫酸銅水溶液) 3:生箔、4:第1段階 5:第2段階、6:第3段階 7:表面被覆層を形成した箔

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解用陰極ドラムに接する側の平滑なシャ
    イニング面を非描画面とし、該陰極ドラム非接触側の微
    細凹凸を有するマット面を描画面として構成された、10
    μm〜0.5mm厚の銅・銅合金箔を基底材とし、 この基底材のマット面には、銅もしくは銅合金、インジ
    ウムもしくはインジウム合金、亜鉛もしくは亜鉛合金、
    クロムもしくはクロム合金、ニッケルもしくはニッケル
    合金、鉄もしくは鉄合金、コバルトもしくはコバルト合
    金、及び上記各金属の酸化物又は上記各金属と前記酸化
    物との複合物のうちから選ばれる少なくとも一種以上の
    ものからなる表面被覆層を有し、 かつ、かかる基底材のシャイニング面には、ポリプロピ
    レン不織布または樹脂の裏材を有することを特徴とする
    絵画用支持体。
  2. 【請求項2】上記表面被覆層の表面が防錆処理されたも
    のであることを特徴とする特許請求の範囲(1)に記載
    の絵画用支持体。
  3. 【請求項3】最外表面に、使用時において引剥し可能な
    保護樹脂シートを備えていることを特徴とする特許請求
    の範囲(1),または(2)に記載の絵画用支持体。
  4. 【請求項4】上記基底材がエンボス加工されていること
    を特徴とする特許請求の範囲(1)に記載の絵画用支持
    体。
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