JP2602766B2 - ウェハーエッジの加工方法とその装置 - Google Patents

ウェハーエッジの加工方法とその装置

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JP2602766B2
JP2602766B2 JP5055028A JP5502893A JP2602766B2 JP 2602766 B2 JP2602766 B2 JP 2602766B2 JP 5055028 A JP5055028 A JP 5055028A JP 5502893 A JP5502893 A JP 5502893A JP 2602766 B2 JP2602766 B2 JP 2602766B2
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隆志 伊藤
博之 斎藤
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エム・セテック株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円板、正方形、多角形
その他各種形状を有するウェハーのエッジのみをエッチ
ング乃至薬液塗布処理するためのウェハーエッジの加工
方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ウェハーは、シリコン単結晶を薄く輪切
りにし、その表面を研削したものである。単結晶シリコ
ンウェハーは各種用途、例えば、太陽電池の原材料や各
種集積回路の原材料として広く使用されており、単結晶
引き上げ技術の向上と共に次第に大口径化して来てい
る。集積回路用ウェハーとしては、最終製品になるまで
に、例えば、表面鏡面研磨、フォトレジストの塗布、パ
ターン焼き付けその他極めて多くの工程が必要であり、
その都度ハンドリングが行われる。処が、ウェハーは薄
い単結晶の板であるため極めて欠け易く、ハンドリング
中に鋭利なエッジに何かが接触するとウェハーエッジが
欠けたり甚だしくはウェハーが割れてしまうという問題
がある。そこで、予め、ウェハー両面のエッジをベベリ
ング加工して角を落とす事が行われている。従来では、
図10に示すベベリング・マシン(BM’)でウェハー
(1’)の両面のエッジを機械的に砥石にて研削してい
るのであるが、機械的研削ではエッジ部分に極めて細か
いクラックが無数に発生し、いわゆるダメージ層
(S’)を形成する。このダメージ層(S’)は、欠け
易いだけでなく、不純物を吸蔵する箇所ともなるので、
後工程での不純物混入の原因ともなり、はなはだやっか
いな存在として問題視されているのが現状である。又、
ベベリング時に大量に発生するダストも取り扱いがやっ
かいで後工程において非常に問題となる。
【0003】一方、太陽電池のような用途では、p型単
結晶シリコンウェハーを気相拡散、塗布拡散、イオン打
ち込み等の方法によってウェハーの表面にn層を形成す
るのであるが、前記方法では、n層の形成がウェハーの
表面のみならず側面、裏面にまで広がってしまう。そこ
で、pn接合形成が終了したあと、ウェハーの片面のエ
ッジを全周にわたって削り取り、ウェハーエッジ全周に
わたってp層を露出させる、いわゆる『ジャンクション
・セパレーション』作業が行われ、然る後、ウェハーの
表裏両面に配線電極を形成するようになっている。この
場合でも、砥石による機械研削では片面エッジの研削時
に前記同様ベベリングよるダメージ層(S’)問題が生
じる。
【0004】そこで、前記ベベリングよる研削ダメージ
層(S’)を除去するために、ベベリング後、ウェハー
全体をエッチング液に浸漬して全面エッチングを行う方
法が提案されたが、前記ダメージ層(S’)は除去でき
るものの、ウェハーの表裏面も同時にエッチングされて
しまい、しかもそれがムラにエッチングされてしまうの
で品質低下の大きな原因となるという問題点があった。
又、全面エッチングでは、ウェハーの表裏両面のように
エッチング不要部分まで同時にエッチングしてしまうた
めに、エッチング液が大量に必要になるという経済的問
題もある。
【0005】又、図11のように、回転しているウェハ
ーのエッジに向けて下方からエッチング液をスプレーし
てウェハーエッジをエッチングする方法も提案されてい
るが、この方法では、図12のように矩形乃至矩形に近
いウェハーの場合、エッチングが円形に行われるために
辺部分のエッチング量は小さく、角部分は大きくなって
エッチング厚さが場所によって変化することになる。
又、太陽電池の用途では裏面周縁部にも電極を形成する
ためにエッチング面積が大きすぎるとが、電極形成がで
きなくなるという問題もある。エッチング部分を斜線で
示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
ダメージ層のようなものを生じることなくウェハーエッ
ジの周縁部のみにほぼ一定の幅でエッチングできるよう
にする事をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるウェハー
エッジの加工方法の第1方法は、『ウェハー(1)を回
転させると共に薬液(2)を含有する接触アーム(3)
ウェハー(1)の主面と平行な面内での所定角度範囲
及びウェハー(1)の主面と垂直な面内での所定角度範
囲で揺動させてウェハーエッジに常に斜め方向から接触
させ、ウェハーエッジの出隅(1a)薬液(2)を塗布
する』事を特徴とする。これにより、接触アーム(3)
とウェハーエッジとの間で狭い幅で表面張力による水幕
(H)が生じ、ウェハーエッジ全周にわたって薬液
(2)が均一に塗布される事になる。
【0008】 請求項2は、請求項1の薬液塗布
方法に導通テストを付加したもので『ウェハー(1)を
回転させると共に薬液(2)を含有する接触アーム
(3)をウェハーエッジに斜め方向から接触させ、ウェ
ハーエッジの出隅(1a)に薬液(2)を塗布し、然る
後、ウェハー(1)の表裏両面に導通テスト電極(4)
{(4a)(4b)}を接触させてウェハー(1)に通
電し、絶縁されている場合には薬液塗布作業を終了し、
逆に、通電性が残存している場合には薬液塗布作業を再
開する』事を特徴とする。これにより、完全な薬液塗布
を自動的に行うことが出来る。
【0009】請求項3は、請求項1,2におけるウェハ
ー(1)の回転方向と接触アーム(3)のウェハー(1)に対す
る接触アーム(3)の接触位置を規定したもので、『ウェ
ハー(1)を水平面内で回転させ、ウェハーの下面側出隅
(1a)に接触アーム(3)を接触させる』事を特徴とする。
これにより、重力の関係で薬液(2)はウェハー(1)の表面
側に拡がらず、裏面エッジ部分のみに限定して塗布され
る事になる。
【0010】請求項4は、更にその改良で『ウェハー
(1)を水平面内で回転させると共に薬液(2)を含有する接
触アーム(3)をウェハーエッジに斜め方向から接触さ
せ、ウェハーエッジの下面側出隅(1a)に薬液(2)を塗布
すると共にウェハー(1)の上面周縁に向けて気体(5)を流
す事』を特徴とする。これにより、ウェハー(1)の上表
面は気流(5)によって保護され、ウェハー(1)の上表面へ
の薬液(2)の塗布が防止される。
【0011】 請求項5は前記方法を実施するた
めの加工装置(B)に関するもので『ウェハー(1)を
水平面内で回転させるウェハー回転手段(6)と、先端
部に薬液(2)を含浸した回転接触体(7)を有する接
触アーム(3)と、接触アーム(3)を上下・左右のそ
れぞれ所定角度範囲内で揺動可能に軸支して回転接触体
(7)をウェハー(1)の下面側出隅(1a)に斜め方
向から接触するように支持する支持脚(8)とで構成さ
れた』事を特徴とする。これにより、矩形乃至矩形に近
い多角形のウェハー(1)を回転させても、ウェハーエ
ッジに接触している接触アーム(3)はウェハーエッジ
に対する接触点の移動に従って移動することが出来、ウ
ェハー(1)の回転によって過大な力が接触アーム
(3)に加わらず、円滑かつ均一にウェハーエッジに薬
液(2)を塗布する事が出来る。
【0012】請求項6は前記加工装置(B)の回転接触体
(7)のウェハーエッジへの接触方向を規定するもので、
『ウェハー(1)の下面側出隅(1a)に対する回転接触体(7)
の接触方向が、ウェハー(1)の下面と回転接触体(7)の接
触面とのなす角度(α)が鋭角であると同時に回転接触体
(7)の回転中心軸(C)が、ウェハー(1)の回転中心(P)を通
過する方向からウェハー端部の最小円軌跡(MIN)に対す
る接線(T)に一致する方向間での範囲(θ)内に向けられ
ている』事を特徴とする。これにより、より円滑且つ均
一な薬液塗布作業が可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に従って説明す
る。図1は本発明にかかるウェハーエッジの加工装置
(A)の平断面図、図2は同装置(A)の概略構成図、図3が
同詳細平面図、図4が同詳細断面図である。図1におい
て、ベース(10)の中央にウェハー(1)のハンドリングを
行うロボットハンド(11)が設置されており、その周囲に
エッジ加工装置(B)が5基(勿論、設置数は限定されな
い。)されており、エッジ加工装置(B)の設置されてい
ない箇所にウェハーローダ(12)とウェハーアンローダ(1
3)とが設置されている。
【0014】図3,4おいて、ウェハー回転手段(6)を詳
述する。ベース(10)の下面にモータ(14)が設置されてお
り、中心にウェハー回転軸(15)が立設されている。ベー
ス(10)の上面には固定マウント(16)が設置されており、
固定マウント(16)の上に回転マウント(17)が載置されて
いる。回転マウント(17)はウェハー回転軸(15)に設置さ
れており、固定マウント(16)の上面に接触する事なく回
転できるようになっている。回転速度は、本実施例では
1〜5rpmある。最大では20rpmを越える事はな
い。固定マウント(16)にはベース(10)を貫通してベース
下面に固定されているモータ取付台(18)からウェハー吸
着用排気路(19)が接続されており、固定マウント(16)の
軸挿入孔の内周凹溝(20)に開口している。前記内周凹溝
(20)は固定マウント(16)の軸挿入孔の内周全周に形成さ
れている。
【0015】ウェハー回転軸(15)にはウェハー吸着用排
気孔(19a)が穿設されており、下部開口(19b)は前記固定
マウント(16)の内周凹溝(20)に一致し、上部開口(19c)
もウェハー回転軸(15)の側面に開口しており、回転マウ
ント(17)の内周回転凹溝(22)に一致する。固定マウント
(16)の上面にはリング溝(23)が形成されており、回転マ
ウント(17)の下面に形成されたリング突起(24)が互いに
接触することなく嵌まり込んでいる。ここに図4に示す
ようにバックエアが送り込まれてリング溝(23)とリング
突起(24)との間からバックエアが流出するようにして回
転マウント(17)と固定マウント(16)との間に薬液(2)や
洗浄液が流入しないようにしている。前記リング溝(23)
にはベース(10)並びにモータ取付台(18)を貫通する溝部
給気路(25)が形成されている。(26)は固定マウント(16)
の上面中央に設置されているセバレート円板である。回
転マウント(17)の上面にはリング状且つ放射状に適宜細
いウェハー吸着用溝(27)が刻設されており、前記吸着用
細溝(27)に前記ウェハー吸着用排気孔(19a)が回転側排
気孔(19d)を介して接続されている。
【0016】(D)は回転マウント(17)の直上に設置され
た上部機構で、送風機能、ウェハーセンタリング機構並
びに上部電極(4a)を具備している。上部機構(D)の下面
には送風リング溝(28)が刻設されていて、この送風リン
グ溝(28)に送風路(29)が接続されている。上部機構(D)
の中心には上部電極(4a)が昇降自在に収納されており、
更に、上部機構(D)の側面には蟹足状のセンタリングア
ーム(37)が4本(勿論、本数はこれに限定されない。)
が設置されており、上部機構(D)の側面部分を構成する
アーム駆動シリンダ(38)によってセンタリングアーム(3
7)が拡縮するようになっている。即ち、センタリングア
ーム(37)は軸に設置された例えば捩りコイルバネ(図示
せず)によって常時拡大する方向に付勢されており、図4
左半分に示すようにアーム駆動シリンダ(38)が上方向に
移動した時にバネ力で閉じ、周囲方向からウェハー(1)
を回転マウント(17)の回転中心とウェハー(1)の中心と
を合致させるようになっている。
【0017】図5,6はエッチングアーム機構(E)で、構
成部品である接触アーム(3)の先端には円筒状の回転接
触体(7)が回転自在に挿入されている。(30)は回転接触
体(7)を保持するテフロン座、(31)はテフロン座(30)の
脱落を防止する固定座である。接触アーム(3)の他端に
はスライド自在にバランスウェート(32)が取り付けられ
ており、バランスウェート(32)を前後させる事により先
端の回転接触体(7)とのバランスを取るようにしてい
る。回転接触体(7)の材質は特に限定されないが、エッ
チング液に腐食されにくく且つ液体をある程度含浸でき
るようなものが望ましく、本実施例では『竹』が使用さ
れている。勿論、ポーラスな耐食性金属材料(例えば、
ステンレス粉末冶金材料)や繊維状テフロンなども使用
する事ができる。接触アーム(3)のアーム部材(3a)は、
先端が閉塞された中空耐食性金属パイプで構成されてお
り、先端部分に保護用テフロンチューブ(33)が被せてあ
る。前記回転接触体(7)の通孔にはこのテフロンチュー
ブ(33)の被嵌部分が挿入されており、テフロンチューブ
(33)は回転接触体(7)に対して軸受けとしての役目も果
たしている。薬液(2)の供給は、回転接触体(7)に近接し
て配置された薬液ノズル(39)から回転接触体(7)に滴下
してもよいし、アーム部材の中を通して供給するように
してもよい。
【0018】(34)は接触アーム(3)を保持する回転ヒン
ジで、支持脚(8)の上端に挿通されている支持軸(35)に
固定されており、前記支持軸(35)は例えばロータリ・ア
クチュエータのような回転装置(36)に接続されている。
支持脚(8)はベース(10)上に固定されており、回転装置
(36)で接触アーム(3)を上下方向に軽く動くようになっ
ている。尚、アーム部分(3a)の固定位置は、ネジを緩め
ることにより回転ヒンジ(34)の通孔内をスライドさせる
事が出来、自由に変更する事が出来る。
【0019】エッチングアーム機構(E)の設置方向は、
図8,9に従って説明する。本実施例では、ウェハー(1)
の下面側出隅(1a)に対する回転接触体(7)の接触方向
が、ウェハー(1)の下面と回転接触体(7)の接触面とのな
す角度(α1)〜(α2)が鋭角(通常、15°〜45°の範
囲で選定されるが、これに限られない。)であると同時に
回転接触体(7)の回転中心軸(C)が、ウェハー(1)の回転
中心(P)を通過する方向からウェハー端部の最小円軌跡
(MIN)に対する接線(T)に一致する方向間での範囲(θ)内
に向けられている。通常は、(1/2)θが選定される。
又、回転接触体(7)の長さ(L)は、例えば、矩形ウェハー
(1)のエッジ加工の場合には最大円軌跡(MAX)と最小円軌
跡(MIN)とをカバー出来るような長さが選定される。エ
ッチングアーム機構(E)は、1つでもよいが、図1のよ
うに複数設置する事も可能である。これにより、薬液塗
布作業をより高速に行う事が出来る。
【0020】ウェハーは、シリコン単結晶棒を輪切りに
したものが使用され、薄い円板状のものから正方形、角
部分が円弧状になった略矩形状のものなど各種のものが
ある。太陽電池用としては、敷設面積を稼ぐために正方
形乃至略矩形のものが使用される。エッチング用薬液と
しては、例えば、弗化水素、硝酸等が使用され、エッジ
のマスキング用薬液としては例えば水ガラスのようなも
のが使用される。
【0021】まず、太陽電池用ウェハー(1)の場合に付
いて説明する。太陽電池用ウェハー(1)は、従来例で述
べたように、拡散処理によりpn接合が行われると、ウ
ェハー(1)の表裏両面並びに側面全体ににn層が形成さ
れる。従って、表裏両面の絶縁を行うためにエッジの片
面エッチングが行われる。まず、ロボットハンド(11)で
拡散処理工程の終了したエッジ未処理ウェハー(1)を回
転マウント(17)上に移送し、アーム駆動シリンダ(38)を
上昇させてセンタリングアーム(37)の先端を回転マウン
ト(17)の中心方向に移動させてウェハー(1)の中心を回
転マウント(16)の回転中心に一致させる。センタリング
が終了した後、アーム駆動シリンダ(38)を押し下げると
センタリングアーム(37)の基部が押されてセンタリング
アーム(37)は開く方向に移動する。
【0022】続いて、排気動作を開始して回転マウント
(17)の上面の吸着用細溝(27)にてウェハー(1)を吸着固
定する。このように固定した後、モータ(14)を駆動さ
せ、ウェハー(1)を保持したままで回転マウント(17)を
回転させる。この時、送風路(29)を通って供給されたピ
ュアな圧縮空気が送風リング溝(28)からウェハー(1)の
上面側に噴出され、ウェハー(1)のエッジ方向に流れる
ようになっている。このシールドエアにより、後述する
エッジ加工時に薬液(2)がウェハー(1)の上面側に流れ込
まないようにしているものである。尚、図2に示すよう
に回転マウント(17)のエッジからもバックエアを噴出さ
せ、薬液(2)がウェハー(1)の裏面側にも回り込まないよ
うにする事も可能である。
【0023】然る後、回転装置(36)を作動させ、接触ア
ーム(3)をウェハー(1)のエッジ方向に移動させ、軽くウ
ェハー(1)の下面側出隅(1a)に回転接触体(7)が接触する
ようにする。接触圧はバランスウェート(32)により設定
される。回転接触体(7)の下面側出隅(1a)に対する接触
方向は、前述の通りであり、前記範囲の中で最も適した
条件を選定する。これにより、円形のウェハー(1)は言
うまでもなく、矩形乃至矩形に近い多角形のウェハー
(1)でも容易にエッジ処理を行う事が出来る。
【0024】ここで、図7,8を参照しながら矩形ウェ
ハー(1)の場合を詳述すると、被処理矩形ウェハー(1)の
回転中心(O)からウェハー(1)のエッジまでの距離(M)が
回転と共に常時サインカーブを描いて変化し、これに合
わせて接触アーム(3)が上下に移動する事になる。前述
のように回転接触体(7)の回転軸(C)がウェハー(1)の回
転中心軸(O)から外れて(θ)の範囲内にある場合にはエ
ッジに合わせて接触アーム(3)が上下運動しやすくなる
と共に回転接触体(7)の回転も円滑に行われ(換言すれ
ば、回転しているウェハー(1)のエッジに回転接触体(7)
が引っ掛かる事なく)、薬液(2)をほぼ一定の幅でウェ
ハー(1)の下面エッジに塗布して行く事になる。
【0025】薬液(2)は常時、回転接触体(7)に供給され
ており、ウェハー(1)のエッジにほぼ一定の幅で塗布さ
れて行く。塗布されたエッチング用薬液(2)によってウ
ェハー(1)の裏面側エッジは次第に溶かされてウェハー
(1)の地であるp層が露出する。ウェハー(1)が円板の場
合、接触アーム(3)は殆ど上下運動する事なく回転接触
体(7)をウェハー(1)の下面側エッジに接触させる事が出
来且つウェハー(1)の回転と共に回転接触体(7)も回転す
るが、ウェハー(1)が円板状でない場合は、ウェハー(1)
の回転と共に接触アーム(3)も上下し且つウェハー(1)の
回転と共に回転接触体(3)も回転することになる。この
場合、ウェハー(1)の下面と回転接触体(7)とのなす角度
(α)は、若干変化してエッチング幅(N1)〜(N2)にばらつ
きが発生するが、従来例のように大きくなく、ウェハー
(1)の裏面に配線電極を形成するのに差し支えない程度
である。尚、配線電極の形成は一般的にエッジから2m
m程度内側に作られる。
【0026】このようにしてエッジの片面エッチングが
終了すると、送風路(29)を通って洗浄・送風リング溝(2
8)から純水を散布してウェハー(1)の上面から薬液(2)を
洗い落とし、続いて前記送風路(29)を通って洗浄・送風
リング溝(28)から乾燥空気を噴出させて乾燥を行い、然
る後、上部電極(4a)を下げて回転マウント(17)とでウェ
ハー(1)を挟み、通電して表裏両面間の絶縁状態をテス
トする。この時、回転マウント(17)は下部電極(4b)の役
割をしている。エッジ・エッチングが不十分で極く一部
でも導通部分が残留しているとエッチング不良として再
度エッジ・エッチングを再開し、所定時間再エッチング
した後、再チェックを行う。テストの結果、十分絶縁が
とれておればエッチング完了となり、回転マウント(17)
を停止させ、然る後、真空吸着を解いて回転マウント(1
7)からウェハーを解放し、続いてロボットハンド(11)を
作動させてウェハー(1)を回転マウント(17)から取り出
し、アンローダ(13)に設置されたウェハー収納箱(図示
せず)に収納する。
【0027】ウェハー収納箱内に処理済みウェハーが一
杯になるとアンローダから取り外されて新しい空のウェ
ハー収納箱に取り替えられる。処理済みウェハーが収納
されたウェハー収納箱は洗浄装置に移送され、純水によ
ってエッジに付着しているエッチング薬液が洗い落とさ
れ、続いて乾燥させられたから電極形成工程に移送され
る。
【0028】次に、図8に従って前述の下面側エッジの
エッチングに付いて更に詳述する。水平面内で回転して
いるウェハー(1)に対して回転接触体(7)は斜めに接触し
ている。回転接触体(7)には絶えずエッチング用薬液(2)
が徐々に供給されて表面は湿潤状態となっている。従っ
て、ウェハー(1)の裏面と回転接触体(7)との間には表面
張力によって或る一定の幅で薬液の水幕(H)が出来る。
そしてこの水幕(H)によってエッジの片面エッチングが
行われて行くのである。ウェハー(1)に対して回転接触
体(7)の角度(α)を立てると水幕(H)の形成は小さくなっ
てエッチング幅(N)が小さくなり、逆に傾きを大きくと
ると水幕(H)が大きくなり、幅の広いエッチングなされ
る事になる。
【0029】本発明で重要なのは、ウェハー(1)を水平
面内で回転させ、下面側のエッジに回転接触体(7)を接
している点である。これにより、大部分の水幕(H)は重
力の関係でウェハー(1)の下面と回転接触体(7)との間で
形成され、ウェハー(1)の側面と回転接触体(7)との間に
は極く小さい水幕(H)のみが発生し、ウェハー(1)の上面
側に薬液(2)が流れ込まないことである。これにより、
ウェハー(1)の上面はエッチングされない状態が確保さ
れる事になる。
【0030】尚、ウェハー(1)の上面保護のため、上部
電極(4a)を収納している上部機構(D)から圧縮空気(5)を
噴出し、ウェハー(1)の上面を中心部から周縁部に向か
って風が流れるようにしてある。これにより、薬液(2)
がウェハー(1)の表面に付着する事がない。
【0031】ウェハー(1)の両面のエッジを処理する場
合は、反転させて前記と同様の作業を行えばよい。ウェ
ハー(1)の両面のエッジ処理の場合は、太陽電池用の用
途ではないので、通電チェックは必ずしも必要でない。
【0032】その他の用途として、次のような例が挙げ
られる。ウェハー(1)に予め前記の方法でエッジに水ガ
ラスのような保護材料を薬液(2)としそ塗布し、然る
後、拡散処理してウェハー(1)の全面にn層を形成し、
最後に保護材料(2)を前記本発明方法で溶解除去し、エ
ッジ処理を行う事も可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明は、ウェハーを回転させると共に
薬液を含有する接触アームをウェハーエッジに斜め方向
から接触させ、ウェハーエッジの出隅に薬液を塗布する
ので、ウェハーのエッジに回転接触体が接してウェハー
エッジと回転接触体との間で表面張力により極く小さい
幅で水幕が形成されることになる。その結果、ウェハー
の回転に従って水幕がウェハーのエッジをほぼ一定の幅
を保って移動して行くことになり、エッジにほぼ均一な
幅で薬液が塗布される事になる。
【0034】更に、ウェハーエッジの出隅に薬液を塗布
し、然る後、ウェハーの表裏両面に電極を接触させてウ
ェハーの電気的特性を測定し、電気的特性をが満足する
場合には薬液塗布作業を終了し、逆に、電気的特性が満
足していない場合には薬液塗布作業を再開する場合に
は、完全な薬液塗布作業を自動的に行う事が出来る。
【0035】また、ウェハーを水平面内で回転させ、ウ
ェハーの下面側出隅に接触アームを接触させる場合に
は、重力の関係で大部分の水幕はウェハーの下面と回転
接触体との間で形成され、ウェハーの側面と回転接触体
との間には極く小さい水幕のみが発生するだけで、ウェ
ハーの上面側に薬液が流れ込まず、ウェハーの上面はエ
ッチングされない状態が確保される事になる。
【0036】また、ウェハーの上面周縁に向けて気体を
流す場合には、薬液ミストなども排除する事が出来、よ
りウェハー上面の清浄度が保たれるものである。
【0037】ウェハーエッジの加工装置は、ウェハーを
水平面内で回転させるウェハー回転手段と、先端部に薬
液を含浸した回転接触体を有する接触アームと、接触ア
ームがウェハーの下面側出隅に斜め方向から接触するよ
うに支持する支持脚とで構成されているので、前述のよ
うにエッジにほぼ均一な幅で薬液が塗布される事にな
る。
【0038】更に、ウェハーの下面側出隅に対する回転
接触体の接触方向が、ウェハーの下面と回転接触体の接
触面とのなす角度が鋭角であると同時に回転接触体の回
転中心軸が、ウェハーの回転中心を通過する方向からウ
ェハー端部の最小円軌跡に対する接線に一致する方向間
での範囲内に向けられている場合には、ウェハーの形状
に拘わらず、エッジにほぼ均一な幅で薬液が円滑に塗布
される事になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるウェハーエッジ処理装置の一実
施例の平面図
【図2】本発明にかかるウェハーエッジ処理装置の概略
構成正面図
【図3】本発明にかかるエッジ加工機構の平面図
【図4】本発明にかかるエッジ加工機構の断面図
【図5】本発明にかかるエッチングアーム機構の一実施
例の正面図
【図6】本発明にかかるエッチングアーム機構の一実施
例の断面図
【図7】本発明にかかるエッジ加工の原理説明用平面図
【図8】本発明にかかるエッジ加工の原理説明用縦断面
【図9】本発明の作業手順を示すフローチャート
【図10】従来のベベリング作業の概略正面図
【図11】他の従来のエッジエッチング処理を示す原理
正面図
【図12】図11により形成されたエッジエッチングを
示すウェハーの平面正面図
【符号の説明】
(A)…ウェハーエッジ加工装置 (B)…エッジ加工
機構 (1)…ウェハー (2)…薬液 (3)…接触アーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村井 剛 東京都台東区谷中3丁目6番16号 エ ム・セテック株式会社 内 (56)参考文献 特開 平2−303759(JP,A) 特開 平1−316936(JP,A) 特開 平2−130922(JP,A) 特開 平3−220723(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェハーを回転させると共に薬液
    を含有する接触アームをウェハーの主面と平行な面内で
    の所定角度範囲及びウェハーの主面と垂直な面内での所
    定角度範囲で揺動させてウェハーエッジに常に斜め方向
    から接触させ、ウェハーエッジの出隅に薬液を塗布する
    事を特徴とするウェハーエッジの加工方法。
  2. 【請求項2】 ウェハーを回転させると共に薬液
    を含有する接触アームをウェハーエッジに斜め方向から
    接触させ、ウェハーエッジの出隅に薬液を塗布し、然る
    後、ウェハーの表裏両面に電極を接触させてウェハーに
    通電し、絶縁されている場合には薬液塗布作業を終了
    し、逆に、通電性が残存している場合には薬液塗布作業
    を再開する事を特徴とするウェハーエッジの加工方法。
  3. 【請求項3】ウェハーを水平面内で回転させ、ウェハー
    の下面側出隅に接触アームを接触させる事を特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載のウェハーエッジの加工方
    法。
  4. 【請求項4】ウェハーを水平面内で回転させると共に薬
    液を含有する接触アームをウェハーエッジに斜め方向か
    ら接触させ、ウェハーエッジの下面側出隅に薬液を塗布
    すると共にウェハーの上面周縁に向けて気体を流す事を
    特徴とするウェハーエッジの加工方法。
  5. 【請求項5】 ウェハーを水平面内で回転させる
    ウェハー回転手段と、先端部に薬液を含浸した回転接触
    体を有する接触アームと、接触アームを上下・左右のそ
    れぞれ所定角度範囲内で揺動可能に軸支して回転接触体
    ウェハーの下面側出隅に斜め方向から接触するように
    支持する支持脚とで構成されたことを特徴とするウェハ
    ーエッジの加工装置。
  6. 【請求項6】ウェハーの下面側出隅に対する回転接触体
    の接触方向が、ウェハーの下面と回転接触体の接触面と
    のなす角度が鋭角であると同時に回転接触体の回転中心
    軸が、ウェハーの回転中心を通過する方向からウェハー
    端部の最小円軌跡に対する接線に一致する方向間での範
    囲内に向けられている事を特徴とする請求項5に記載の
    ウェハーエッジの加工装置。
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