JP4781253B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などの各種基板(以下、単に「基板」という)の表面に形成された液膜を凍結させる凍結処理に適した基板処理装置および基板処理方法に関するものである。
従来より、基板に対する処理のひとつとして基板表面に液膜を付着させた状態で基板を冷却することにより液膜を凍結させる技術が用いられている。特に、このような凍結技術は基板に対する洗浄処理の一環として用いられている。すなわち、半導体装置に代表されるデバイスの微細化、高機能化、高精度化に伴って基板表面に形成されたパターンを倒壊させずに基板表面に付着しているパーティクル等の微小な汚染物質を除去することが益々困難になっている。そこで、上記した凍結技術を用いて次のようにして基板表面に付着している汚染物質を除去している。
先ず、基板表面に液体を供給して基板表面に液膜を形成する。続いて、基板を冷却することにより液膜を凍結させる。これにより、汚染物質が付着している基板表面に凍結膜が形成される。そして、最後に基板表面から凍結膜を除去することにより基板表面から汚染物質を凍結膜とともに除去している。
ここで、基板表面に形成された液膜を凍結させる基板処理方法としては次のようなものがある。例えば特許文献1に記載の装置においては、処理チャンバー内に基板を収容し、該基板をペデスタル(台座)上に支持している。そして、基板表面にスチームまたは超純度水蒸気等の除去流体を供給している。これにより、基板表面上に除去流体による液膜が形成される。続いて、除去流体の凍結温度を下回る温度を有する冷却ガスを処理チャンバー内に射出し、該冷却ガスを処理チャンバー内で循環させている。そうすると、基板表面に形成された液膜が凍結する。
特開平3−145130号公報(図1)
ところで、特許文献1に記載の装置では、処理チャンバー内に冷却ガスを射出するとともに該冷却ガスを処理チャンバー内で循環させて基板表面に形成された液膜を凍結している。このため、基板のみならず、ペデスタル等の基板保持手段を含む、基板の周辺に位置する周辺部材(以下、単に「基板周辺部材」という)も冷却ガスによって凍結温度以下あるいはその近辺の温度にまで冷却されてしまう。その結果、基板周辺部材が冷熱によりダメージを受け、基板周辺部材の耐久性が劣化してしまうという問題が発生していた。
そこで、処理チャンバー内で冷却ガスを循環させるのではなく、基板表面に形成された液膜に直接に冷却ガスを供給することが考えられる。すなわち、基板表面の上方にノズルを配置して、ノズルから冷却ガスを吐出させながら該ノズルを基板表面に沿って基板に対して相対移動させることが考えられる。これにより、基板表面に形成された液膜が局部的に凍結しながら、基板表面の表面領域のうち液膜が凍結した領域(凍結領域)が広げられ、液膜全体が凍結する。このため、冷却ガスの供給部位を基板表面上の一部領域に限定することができ、基板周辺部材の温度低下を必要最小限に止めることができる。
しかしながら、上記のようにノズルから冷却ガスを吐出して液膜を凍結させる場合には以下の点を考慮する必要がある。すなわち、ノズルと該ノズルに冷却ガスを供給する冷却ガス供給源とは、装置の構成上、近接して配置することが難しい。このため、冷却ガス供給源からの冷却ガスをノズルに導入するための配管(ガス導入配管)が必要となるとともに、当該配管の長さは比較的長くなってしまう。その結果、冷却ガス供給源からの冷却ガスをノズルに導入するまでの間に、冷却ガスが配管を介して外部雰囲気からの熱を吸収し、冷却ガスの温度が上昇してしまう。その結果、液膜を凍結させることが困難となる場合がある。
そこで、冷却ガスへの外部雰囲気からの吸熱を抑制するために、冷却ガス供給源からノズルに向けて供給する冷却ガスの流速を高めることが考えられる。しかしながら、この場合には、冷却ガスの温度上昇を抑制することはできても、次のような新たな問題が発生するおそれがある。すなわち、冷却ガスの流速を高めると、ノズルから吐出された冷却ガスによって液膜が凍結する前に液膜が乾燥してしまうおそれがある。
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、液膜が乾燥するのを防止しながら液膜を確実に凍結させることができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、ノズルから冷却ガスを吐出して液膜を凍結させる際に、ノズル内部を冷却ガスが流通する流通空間(以下、単に「流通空間」という)の流路断面積と、ノズルに接続された配管の流路断面積とに関して次のように考察した。すなわち、単に冷却ガス供給源からの冷却ガスを配管を介してノズルに導入し、該ノズルから吐出させることのみを考えると、配管の流路断面積と流通空間の断面積とを同一の大きさに設定することができる。しかしながら、このような寸法関係を採用した場合には、配管内を流通する冷却ガスの流速と、配管から流通空間に導入され、該流通空間を流通する冷却ガスの流速とは、ほぼ同一となってしまう。このため、上述したように冷却ガスへの外部雰囲気からの吸熱を抑制するために配管内を流通する冷却ガスの流速を高めた場合には、このように流速が高められた状態で流通空間を冷却ガスが流通し、ノズルから吐出される。その結果、液膜が乾燥してしまうおそれがある。
そこで、本願にかかる基板処理装置および基板処理方法は、液膜の乾燥を防止する観点から次のように構成されている。
この発明は、基板表面に形成された液膜を凍結させる凍結処理に適した基板処理装置であって、上記目的を達成するため、基板表面に液膜が形成された状態で基板を保持する基板保持手段と、その内部に液膜を構成する液体の凝固点より低い温度を有する冷却ガスを流通させる流通空間を有し、流通空間内の冷却ガスを液膜に向けて吐出させる冷却ガス吐出ノズルと、冷却ガス吐出ノズルに接続され、流通空間に冷却ガスを導入するガス導入配管と、基板表面に対し、冷却ガス吐出ノズルを離間対向させつつ基板表面に沿って相対移動させる駆動機構とを備え、基板表面に向けて吐出される冷却ガス流に対して直交する面内における流通空間の断面積がガス導入配管の流路断面積よりも大きく、冷却ガス吐出ノズルから冷却ガスを基板表面に向けて局部的に吐出させながら、駆動機構が冷却ガス吐出ノズルを基板に対し相対移動させることを特徴としている。
また、この発明は、基板表面に形成された液膜を凍結させる凍結処理に適した基板処理方法であって、上記目的を達成するため、基板表面に液膜が形成された状態で基板を保持する基板保持工程と、冷却ガス吐出ノズルの内部に設けられ、液膜を構成する液体の凝固点より低い温度を有する冷却ガスを流通させる流通空間に、冷却ガス吐出ノズルに接続されたガス導入配管から冷却ガスを導入するガス導入工程と、流通空間に導入された冷却ガスを、基板表面に対し離間対向させた冷却ガス吐出ノズルから液膜に向けて吐出させながら、冷却ガス吐出ノズルを基板表面に沿って相対移動させるガス吐出工程とを備え、基板表面に向けて吐出される冷却ガス流に対して直交する面内における流通空間の断面積がガス導入配管の流路断面積よりも大きいことを特徴としている。
このように構成された発明(基板処理装置および基板処理方法)では、流路断面積が比較的小さなガス導入配管から、基板表面に向けて吐出される冷却ガス流に対して直交する面内における断面積が比較的大きなノズル内部の流通空間に冷却ガスが導入される。その結果、ガス導入配管から流通空間に導入された冷却ガスは流通空間内で広がり、冷却ガス吐出ノズルから吐出される。このため、流通空間に導入され、該流通空間を流通する冷却ガスの流速は、ガス導入配管の内部を流通する冷却ガスの流速に比較して小さくなる。つまり、冷却ガスの流速をノズル内部で減速させることができる。これにより、冷却ガスへの外部雰囲気からの吸熱を抑制するためにガス導入配管の内部を流通する冷却ガスの流速を高めた場合であっても、ノズル内部で冷却ガスの流速を減速させることができる。したがって、冷却ガスを吐出させながら冷却ガス吐出ノズルを基板表面に沿って相対移動させることで、液膜が乾燥するのを防止しながら液膜を確実に凍結させることができる。
ここで、流通空間内に冷却ガス吐出ノズルとガス導入配管との接続位置において開口された開口部にその表面が対向して配置された板状部材をさらに備え、ガス導入配管は開口部から流通空間に冷却ガスを導入して板状部材の表面に冷却ガスを衝突させ整流するとともに、冷却ガス吐出ノズルは整流された冷却ガスを吐出させるように構成してもよい。この構成によれば、冷却ガスの流速をノズル内部で2段階にわたって減速させることができる。すなわち、開口部から流通空間に導入された冷却ガスは流通空間内で広がることで、流通空間に導入された冷却ガスの流速は、ガス導入配管の内部を流通する冷却ガスの流速に比較して小さくなる。さらに、流通空間に導入された冷却ガスはガス導入配管の開口部に対向して配置された板状部材の表面に衝突し、整流される。このため、液膜に向けて供給される冷却ガスの流速をさらに小さくすることができる。したがって、液膜の乾燥を確実に防止することができる。
ここで、板状部材の表面を基板表面に向けて吐出される冷却ガス流に対して直交する面に略平行となるように配置するのが好ましい。この構成によれば、流通空間に導入された冷却ガスは板状部材に衝突し、基板表面に向けて吐出される冷却ガス流に対して直交する方向に整流される。このため、基板表面に向けて吐出される冷却ガスの流速を効果的に減速させることができ、液膜の乾燥防止に有効である。
また、ガス導入配管は流通空間に冷却ガスを導入して冷却ガス吐出ノズルの内壁面に冷却ガスを衝突させ整流するとともに、冷却ガス吐出ノズルは整流された冷却ガスを吐出させるように構成してもよい。この構成によれば、流通空間に導入された冷却ガスは流通空間内で広がることで、冷却ガスの流速が減速する。さらに、流通空間に導入された冷却ガスは冷却ガス吐出ノズルの内壁面に衝突し、整流される。このため、液膜に向けて供給される冷却ガスの流速をさらに減速させることができ、液膜の乾燥を確実に防止することができる。また、この構成によれば、流通空間に導入された冷却ガスを整流させるための部材を別途追加して設ける必要がないため、装置の構成を簡素化することができる。
ここで、ガス導入配管は流通空間に基板表面の面内での表面方向に略平行な方向から冷却ガスを導入するのが好ましい。この構成によれば、流通空間に導入された冷却ガスは内壁面に対して基板表面の面内での表面方向に略平行な方向から入射して内壁面に衝突し、整流される。このため、基板表面の面内での表面方向に略直交する方向に向かう冷却ガスの流速を効果的に減速させることができ、液膜の乾燥防止に有効である。
また、冷却ガスを吐出する冷却ガス吐出ノズルを基板に対して相対移動させることで液膜の全体を凍結させるようにしてもよい。この構成によれば、冷却ガスを吐出しながら冷却ガス吐出ノズルが基板表面に沿って基板に対して相対移動されることで、基板表面の表面領域のうち液膜が凍結した領域(凍結領域)が広げられて液膜の全体が凍結する。しかも、この発明によれば、ガス導入配管から流通空間に導入された冷却ガスは流通空間内で広がって冷却ガス吐出ノズルから吐出される。このため、ガス導入配管の流路断面積と同一の断面積の開口(吐出口)を有するノズルから冷却ガスを吐出させる場合に比較して液膜に対する冷却ガスの供給範囲が広くなっている。したがって、ノズル開口の断面積がガス導入配管の流路断面積と同一である場合に比較して、液膜全体を速やかに凍結させることができる。その結果、液膜の凍結処理に要する装置のスループットを向上させることができる。
この発明によれば、冷却ガス吐出ノズルの内部に設けられた流通空間の基板表面に向けて吐出される冷却ガス流に対して直交する面内における断面積が冷却ガス吐出ノズルに接続されたガス導入配管の流路断面積よりも大きくなっている。このため、流通空間に導入され、該流通空間を流通する冷却ガスの流速は、ガス導入配管の内部を流通する冷却ガスの流速に比較して小さくなる。これにより、冷却ガスへの外部雰囲気からの吸熱を抑制するためにガス導入配管の内部を流通する冷却ガスの流速を高めた場合であっても、ノズル内部で冷却ガスの流速を減速させることができる。したがって、液膜が乾燥するのを防止しながら液膜を確実に凍結させることができる。
<第1実施形態>
図1はこの発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の基板処理装置の制御構成を示すブロック図である。この装置は半導体ウエハ等の基板Wの表面Wfに付着しているパーティクル等の汚染物質を除去するための洗浄処理に用いられる枚葉式の基板処理装置である。より具体的には、微細パターンが形成された基板表面Wfに液膜を形成した後、該液膜を凍結させてから凍結後の液膜(凍結膜)を基板表面Wfから除去することにより、基板Wに対して一連の洗浄処理(液膜形成+液膜凍結+膜除去)を施す装置である。
この基板処理装置は、基板Wに対して洗浄処理を施す処理空間をその内部に有する処理チャンバー1を備え、処理チャンバー1内に基板表面Wfを上方に向けた状態で基板Wを略水平姿勢に保持して回転させるスピンチャック2(本発明の「基板保持手段」に相当)と、スピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfに向けて液膜を凍結させるための冷却ガスを吐出する冷却ガス吐出ノズル3と、スピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfに対向配置された遮断部材5が設けられている。
スピンチャック2は、回転支軸21がモータを含むチャック回転機構22の回転軸に連結されており、チャック回転機構22の駆動により回転中心A0を中心に回転可能となっている。回転支軸21の上端部には、円盤状のスピンベース23が一体的にネジなどの締結部品によって連結されている。したがって、装置全体を制御する制御ユニット4(図2)からの動作指令に応じてチャック回転機構22を駆動させることによりスピンベース23が回転中心A0を中心に回転する。
スピンベース23の周縁部付近には、基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン24が立設されている。チャックピン24は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、スピンベース23の周縁部に沿って等角度間隔で配置されている。チャックピン24のそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持部と、基板支持部に支持された基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持部とを備えている。各チャックピン24は、基板保持部が基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板保持部が基板Wの外周端面から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。
そして、スピンベース23に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個のチャックピン24を解放状態とし、基板Wに対して洗浄処理を行う際には、複数個のチャックピン24を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個のチャックピン24は基板Wの周縁部を把持してその基板Wをスピンベース23から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持することができる。これにより、基板Wはその表面(パターン形成面)Wfを上方に向け、裏面Wbを下方に向けた状態で保持される。
冷却ガス吐出ノズル3には、ノズル移動機構31が接続されている。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じてノズル移動機構31が作動することで冷却ガス吐出ノズル3が所定の回動軸回りに揺動する。これにより、冷却ガス吐出ノズル3を基板表面Wfと対向させながら基板表面Wfに沿って移動させることができる。
図3は図1の基板処理装置に装備された冷却ガス吐出ノズルの動作を示す図である。ここで、同図(a)は側面図、同図(b)は平面図である。ノズル移動機構31を作動させると、冷却ガス吐出ノズル3は基板表面Wfに対向しながら同図(b)の移動軌跡T、つまり基板Wの回転中心位置Pcから基板Wの端縁位置Peに向かう軌跡Tに沿って移動する。ここで、基板Wの回転中心位置Pcは基板表面Wfの上方で、かつ基板Wの回転中心A0上に設定されている。また、冷却ガス吐出ノズル3は基板Wの側方に退避した待機位置Psに移動可能となっている。このように、この実施形態では、ノズル移動機構31が冷却ガス吐出ノズル3を基板表面Wfに沿って基板Wに対して相対移動させる「駆動機構」として機能する。
冷却ガス吐出ノズル3はガス導入配管33と接続され、ガス導入配管33を介して冷却ガス供給部15(図2)と連通している。このため、制御ユニット4からの動作指令に応じて冷却ガス供給部15から冷却ガスが圧送されると、ガス導入配管33から冷却ガス吐出ノズル3に冷却ガスが導入される。その結果、冷却ガス吐出ノズル3から冷却ガスが吐出される。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じて冷却ガス吐出ノズル3が基板表面Wfに近接して対向配置されるとともに冷却ガス吐出ノズル3から冷却ガスが吐出されると、基板表面Wfに向けて冷却ガスが局部的に供給される。ここで、基板表面Wfと冷却ガス吐出ノズル3との間の距離は、例えば6〜7mmに設定される。したがって、冷却ガス吐出ノズル3から冷却ガスを吐出させた状態で、制御ユニット4が基板Wを回転させながら該冷却ガス吐出ノズル3を移動軌跡Tに沿って移動させることで、冷却ガスを基板表面Wfの全面にわたって供給することができる。これにより、後述するように基板表面Wfに液膜11fが形成されていると、該液膜11fの全体を凍結させて基板表面Wfの全面に凍結膜13fを形成可能となっている。
冷却ガス供給部15は、例えば冷却用のガスの温度を液体窒素などの冷却源により冷却することで調整する。このような冷却ガス供給部15は、装置の構成上、冷却ガス吐出ノズル3と近接して配置することが困難なため、ガス導入配管33はその長さ(配管長)が比較的長いものが必要とされる。なお、ガス導入配管33としては、例えば内径がφ10mmのものが使用される。
冷却ガスとしては、基板表面Wfに形成された液膜11を構成する液体の凝固点より低い温度に調整されたガス、例えば窒素ガス、酸素ガスおよび清浄なエア等を用いることができる。この実施形態では、後述するように基板表面Wfに形成される液膜11はDIW(deionized Water)で構成されることから、冷却ガスの温度をDIWの凝固点(氷点)よりも低い温度に調整することができる。また、このように冷却ガスを用いた場合には次の作用効果を得ることができる。すなわち、冷媒としてガスを用いる場合、基板表面Wfへのガス供給前にフィルタ等を介挿することで冷却ガスに含まれる汚染物質を容易に、高効率で除去することができる。そして、こうして清浄化された冷却ガスを用いることで凍結処理において基板表面Wfに汚染物質が付着するのを確実に防止することができる。
図4は図1の基板処理装置に装備された冷却ガス吐出ノズルの構成を示す透視図である。冷却ガス吐出ノズル3は、有蓋円筒形状に形成され、その内底面が下方に向けられている。冷却ガス吐出ノズル3は、その下面が有蓋円筒体の内底面となっている略円盤状の蓋部301と、蓋部301の端縁部に下方に向けて延設された円筒状の側壁部302とを備えている。冷却ガス吐出ノズル3はその内部に冷却ガスを流通させることが可能な流通空間S1を有している。この流通空間S1は、蓋部301と側壁部302とに囲まれた円筒状の内部空間を構成する。冷却ガス吐出ノズル3の先端部(下端部)には、流通空間S1を流通する冷却ガスを吐出する吐出口303が鉛直方向下向きに開口している。
また、蓋部301の略中央部はガス導入配管33と接続されており、ガス導入配管33から流通空間S1に鉛直方向下向きに冷却ガスを導入可能となっている。すなわち、冷却ガス吐出ノズル3(蓋部301の略中央部)とガス導入配管33との接続位置において開口部304が開口しており、開口部304を介してガス導入配管33を流通する冷却ガスが流通空間S1に鉛直方向下向きに導入される。ここで、基板表面Wfの面内での表面方向(水平方向)における流通空間S1の断面CS1の面積がガス導入配管33の流路断面CS2の面積よりも大きくなっている。この実施形態では、例えば流通空間S1の断面CS1の面積がガス導入配管33の流路断面CS2の面積に対して15〜20倍の大きさとなるように設定されている。したがって、ガス導入配管33から流通空間S1に導入された冷却ガスは流通空間S1内で広がり、吐出口303から吐出される。
図1に戻って説明を続ける。スピンチャック2の回転支軸21は中空軸からなる。回転支軸21の内部には、基板Wの裏面WbにDIWを供給するための処理液供給管25が挿通されている。処理液供給管25は、スピンチャック2に保持された基板Wの下面(裏面Wb)に近接する位置まで延びており、その先端には基板Wの下面中央部に向けてDIWを吐出する処理液ノズル27が設けられている。処理液供給管25はDIW供給部16(図2)と接続されており、DIW供給部16からDIWが供給される。
回転支軸21の内壁面と処理液供給管25の外壁面の隙間は、円筒状のガス供給路29を形成している。このガス供給路29は乾燥ガス供給部17(図2)と接続されており、スピンベース23と基板裏面Wbとの間に形成される空間に乾燥ガスとして窒素ガスを供給することができる。なお、この実施形態では、乾燥ガス供給部17から乾燥ガスとして窒素ガスを供給しているが、窒素ガスに替えて空気や他の不活性ガスなどを吐出してもよい。
また、スピンチャック2の上方には、中心部に開口を有する円盤状の遮断部材5が設けられている。遮断部材5は、その下面(底面)が基板表面Wfと略平行に対向する基板対向面となっており、その平面サイズは基板Wの直径と同等以上の大きさに形成されている。遮断部材5は略円筒形状を有する支持軸51の下端部に略水平に取り付けられ、支持軸51は水平方向に延びるアーム52により基板Wの中心を通る鉛直軸回りに回転可能に保持されている。また、アーム52には、遮断部材回転機構53と遮断部材昇降機構54が接続されている。
遮断部材回転機構53は、制御ユニット4からの動作指令に応じて支持軸51を基板Wの中心を通る鉛直軸回りに回転させる。また、遮断部材回転機構53は、スピンチャック2に保持された基板Wの回転に応じて基板Wと同じ回転方向でかつ略同じ回転速度で遮断部材5を回転させるように構成されている。また、遮断部材昇降機構54は、制御ユニット4からの動作指令に応じて、遮断部材5をスピンベース23に近接して対向させたり、逆に離間させることが可能となっている。具体的には、制御ユニット4は遮断部材昇降機構54を作動させることで、装置に対して基板Wを搬入出させる際には、スピンチャック2の上方の離間位置(図1に示す位置)に遮断部材5を上昇させる。その一方で、基板Wに対して所定の処理を施す際には、スピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfのごく近傍に設定された対向位置まで遮断部材5を下降させる。
支持軸51は中空に仕上げられ、その内部に遮断部材5の開口に連通したガス供給路55が挿通されている。ガス供給路55は、乾燥ガス供給部17と接続されており、乾燥ガス供給部17から窒素ガスが供給される。この実施形態では、基板Wに対する洗浄処理後の乾燥処理時に、ガス供給路55から遮断部材5と基板表面Wfとの間に形成される空間に窒素ガスを供給する。また、ガス供給路55の内部には、遮断部材5の開口に連通した液供給管56が挿通されており、液供給管56の下端にノズル57が結合されている。液供給管56はDIW供給部16に接続されており、DIW供給部16からDIWが供給されることで、ノズル57からDIWを基板表面Wfに向けて吐出可能となっている。
次に、上記のように構成された基板処理装置における洗浄処理動作について図5を参照しつつ説明する。図5は図1の基板処理装置の動作を示すフローチャートである。この装置では、未処理の基板Wが処理チャンバー1内に搬入されると、制御ユニット4が装置各部を制御して基板Wの表面Wfに対して一連の洗浄処理(液膜形成+液膜凍結+膜除去)を実行する。ここで、基板表面Wfに微細パターンが形成されることがある。つまり、基板表面Wfがパターン形成面になっている。そこで、この実施形態では、基板表面Wfを上方に向けた状態で基板Wが処理チャンバー1内に搬入され、スピンチャック2に保持される(ステップS1)。なお、遮断部材5は離間位置にあり、基板Wとの干渉を防止している。
スピンチャック2に未処理の基板Wが保持されると、遮断部材5が対向位置まで降下され、基板表面Wfに近接配置される。これにより、基板表面Wfが遮断部材5の基板対向面に近接した状態で覆われ、基板Wの周辺雰囲気から遮断される。そして、制御ユニット4はチャック回転機構22を駆動させてスピンチャック2を回転させるとともに、ノズル57からDIWを基板表面Wfに供給する。そして、基板Wを所定の回転速度で回転させることで基板表面に供給されたDIWを基板Wの径方向外向きに均一に広げるとともに、その一部を基板外に振り切る。これによって、基板表面Wfの全面にわたって液膜の厚みを均一にコントロールして、基板表面Wfの全体に所定の厚みを有する液膜(水膜)11fが形成される(ステップS2)。
液膜形成処理が終了すると、基板表面Wfに液膜11fが形成された状態でスピンチャック2に保持された基板Wに対して凍結処理を実行する。すなわち、制御ユニット4は遮断部材5を離間位置に配置させるとともに、冷却ガス吐出ノズル3を待機位置Psから冷却ガス供給開始位置、つまり基板Wの回転中心位置Pcに移動させる。続いて、回転駆動されている基板Wの表面Wfに向けて冷却ガス吐出ノズル3から冷却ガスを吐出させる。これにより、基板表面Wfに形成された液膜11fが局部的に凍結する。そして、冷却ガスを吐出させながら冷却ガス吐出ノズル3を徐々に基板Wの端縁位置Peに向けて移動させていく。これにより、図3に示すように基板表面Wfの表面領域のうち液膜11fが凍結した領域(凍結領域)が基板表面Wfの中央部から周縁部へと広げられる。その結果、基板表面Wfに形成された液膜11fの全体が凍結し、基板表面Wfの全面に凍結膜(氷膜)13fが形成される(ステップS3)。
ここで、冷却ガス供給部15からの冷却ガスは、ガス導入配管33を介して冷却ガス吐出ノズル3に供給される。このため、冷却ガスがガス導入配管33を流通している間に外部雰囲気からの熱を吸収し、冷却ガスの温度が上昇してしまう。その結果、液膜11fを凍結させることが困難な場合がある。そこで、この実施形態では、基板Wに到達する冷却ガスの温度が液膜11fの凍結に必要な温度(少なくとも氷点以下)にまで低下するのを防止するために、冷却ガス供給部15から冷却ガス吐出ノズル3に向けて供給する冷却ガスの流速を高めている。
ここで、仮にガス導入配管の流路断面積と流通空間の流路断面積とを同一の大きさに設定した場合には、ガス導入配管から流通空間に導入され、該流通空間を流通する冷却ガスの流速とは、ほぼ同一となってしまう。その結果、ガス導入配管内を流通する冷却ガスの流速を高めた場合には、流速が高められた状態で冷却ガスがノズルから吐出され、液膜が乾燥してしまうおそれがある。
これに対して、この実施形態によれば、ガス導入配管33の流路断面CS2の面積に対して基板表面Wfの面内での表面方向(水平方向)における流通空間S1の断面CS1の面積が大きくなるように設定されている。その結果、ガス導入配管33から流通空間S1に導入された冷却ガスは流通空間S1内で広がり、液膜11fに向けて吐出口303から吐出される。このため、流通空間S1に導入され、該流通空間S1を流通する冷却ガスの流速は、ガス導入配管33の内部を流通する冷却ガスの流速に比較して小さくなる。これにより、ガス導入配管33の内部を流通する冷却ガスの流速を高めても、ノズル内部で冷却ガスの流速を減速させることができる。したがって、液膜11fが乾燥するのを防止しながら液膜11fを確実に凍結させることができる。
このようにして液膜凍結処理が実行されると、基板表面Wfと該基板表面Wfに付着する汚染物質の間に入り込んでいる液膜の体積が増加し、汚染物質が微小距離だけ基板表面Wfから離れる。その結果、基板表面Wfと汚染物質との間の付着力が低下し、さらには汚染物質が基板表面Wfから脱離することとなる。
液膜凍結処理が終了すると、制御ユニット4は冷却ガス吐出ノズル3を待機位置Psに移動させる。続いて、基板Wに対して膜除去処理を実行する。すなわち、遮断部材5を対向位置に配置させるとともに、スピンチャック2とともに遮断部材5を回転させる。また、基板Wとスピンベース23および基板Wと遮断部材5との間の空間に窒素ガスを供給する。そして、基板Wの周辺雰囲気を不活性ガス雰囲気にした後、ノズル57および処理液ノズル27から膜除去液としてDIWをそれぞれ、回転駆動されている基板Wの表裏面Wf,Wbに供給する。これにより、回転駆動されている基板Wの表裏面Wf,WbへのDIWの供給が開始され、DIWによる膜除去処理が実行される。その結果、汚染物質を含む凍結膜13fが融解されるとともに基板表面Wfから除去される(ステップS4)。つまり、汚染物質は基板表面Wfに対する付着力が低下した状態あるいは基板表面Wfから脱離した状態にあることから凍結膜13fを基板表面Wfから除去することによって基板表面Wfから汚染物質が容易に除去される。
こうして、膜除去処理が終了して基板Wの洗浄処理(液膜形成+液膜凍結+膜除去)が完了すれば(ステップS5でYES)、続いて基板Wの乾燥処理が実行される。その一方で、被処理面である基板表面Wfの表面状態あるいは除去対象である汚染物質のサイズ、種類によっては、一度の洗浄処理では基板表面Wfから十分に汚染物質を除去しきれない場合がある。この場合(ステップS5でNO)には、膜除去処理が終了した後に液膜凍結処理と膜除去処理とが繰り返し実行される。すなわち、膜除去処理後には基板表面WfにDIWが残留付着している。このため、新たに基板表面Wfに液膜を形成しなくとも、残留付着している液膜で基板表面Wfが覆われている。したがって、膜除去処理後に液膜凍結処理が実行されると、DIWで構成された凍結膜が形成される。そして、膜除去処理において凍結膜が除去されることによって基板表面Wfに付着する汚染物質が凍結膜とともに基板表面Wfから除去される。こうして、膜除去処理と液膜凍結処理とが所定回数だけ繰り返し実行されることにより、基板表面Wfから汚染物質が除去されていく。
基板Wの洗浄が完了すると、制御ユニット4はチャック回転機構22および遮断部材回転機構53のモータの回転速度を高めて基板Wおよび遮断部材5を高速回転させる。これにより、基板Wの乾燥処理(スピンドライ)が実行される(ステップS6)。基板Wの乾燥処理後は基板Wおよび遮断部材5の回転を停止するとともに基板Wへの窒素ガスの供給を停止する。その後、処理チャンバー1から処理済の基板Wが搬出される(ステップS7)。
以上のように、この実施形態によれば、基板表面に形成された液膜を凍結させる際に、流路断面積(流路断面CS2の面積)が小さなガス導入配管33から基板表面Wfの面内での表面方向における断面積(断面CS1の面積)が大きなノズル内部の流通空間S1に冷却ガスを導入している。その結果、ガス導入配管33から流通空間S1に導入された冷却ガスは流通空間S1内で広がって吐出口303から吐出される。このため、ガス導入配管33を流通する冷却ガスの流速に対して流通空間S1を流通する冷却ガスの流速を小さくすることができる。これにより、冷却ガスへの外部雰囲気からの吸熱を抑制するためにガス導入配管33の内部を流通する冷却ガスの流速を高めた場合であっても、ノズル内部で冷却ガスの流速を減速させることができる。したがって、液膜が乾燥するのを防止しながら液膜を確実に凍結させることができる。
また、この実施形態によれば、冷却ガス吐出ノズル3から冷却ガスを基板表面Wfに向けて局部的に吐出させながら冷却ガス吐出ノズル3を基板表面Wfに沿って基板Wに対して相対移動させている。このため、冷却ガスの供給部位を基板表面上の一部領域に限定しながらも基板表面Wfに形成された液膜11fの全体を凍結させることができ、冷却ガスの消費量を抑制することができる。しかも、この実施形態によれば、ガス導入配管33から流通空間S1に導入された冷却ガスは流通空間S1内で広がって吐出口303から吐出される。このため、ガス導入配管の流路断面積と同一の断面積の開口(吐出口)を有するノズルから冷却ガスを吐出させる場合に比較して液膜11fに対する冷却ガスの供給範囲が広くなっている。したがって、ノズル開口の断面積がガス導入配管の流路断面積と同一である場合に比較して、液膜全体を速やかに凍結させることができる。その結果、液膜凍結処理に要する処理時間を短縮して装置のスループットを向上させることができる。
<第2実施形態>
図6はこの発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す図である。具体的には、同図(a)は基板処理装置の部分側面図であり、同図(b)はその平面図である。この第2実施形態にかかる基板処理装置が第1実施形態と大きく相違する点は、冷却ガス吐出ノズルとガス導入配管との接続位置における開口部に対向して整流板7(本発明の「板状部材」に相当)がノズル内部に配設されている点である。なお、その他の構成および動作は基本的に第1実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、冷却ガス吐出ノズル3Aは角板状の蓋部311と、蓋部311の端縁部に下方に向けて延設された角形状の側壁部312とを備えている。蓋部311の略中央部はガス導入配管35と接続されており、ガス導入配管35から冷却ガス吐出ノズル3Aの内部に設けられた流通空間S2に冷却ガスを導入可能となっている。すなわち、冷却ガス吐出ノズル3A(蓋部311の略中央部)とガス導入配管35との接続位置において開口部314が形成されており、開口部314を介してガス導入配管35を流通する冷却ガスが流通空間S2に導入される。ここで、基板表面Wfの面内での表面方向における流通空間S2の断面積がガス導入配管35の流路断面積よりも大きくなっている。
整流板7は、その表面7aが開口部314と対向しながら水平姿勢で流通空間S2に配置されている。つまり、整流板7の表面7aは基板表面Wfの面内での表面方向に略平行となるように配置されている。整流板7の表面7aの平面サイズは開口部314の開口面積(ガス導入配管35の流路断面積)と同等または若干大きめに構成されている。また、整流板7は開口部314と近接して配置されており、整流板7と開口部314の間の距離Gは例えば5mm程度に設定される。
上記した構成によれば、流路断面積が小さなガス導入配管35から開口部314を介して基板表面Wfの面内での表面方向における断面積が大きなノズル内部の流通空間S2に鉛直方向下向きに冷却ガスが導入される。このため、開口部314から流通空間S2に導入された冷却ガスは流通空間S2内で広がり、第1実施形態と同様にして流通空間S2に導入された冷却ガスの流速は、ガス導入配管35の内部を流通する冷却ガスの流速に比較して小さくなる。さらに、流通空間S2に導入された冷却ガスは開口部314に対向して配置された整流板7の表面7aに衝突し、基板表面Wfの表面方向に略平行な方向に整流される。このため、整流板7の側方に位置する流路315を介して基板表面Wfの面内での表面方向に略直交する方向に向かう冷却ガスの流速を効果的に減速させることができる。
以上のように、この実施形態によれば、冷却ガスの流速を冷却ガス吐出ノズル3Aのノズル内部で2段階にわたって減速させることができる。このため、液膜11fに向けて供給される冷却ガスの流速をさらに小さくすることができ、液膜11fの乾燥を確実に防止することができる。
<第3実施形態>
図7はこの発明にかかる基板処理装置の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態にかかる基板処理装置が第1および第2実施形態と大きく相違する点は、ガス導入配管から冷却ガス吐出ノズルの内部に導入した冷却ガスを冷却ガス吐出ノズルの内壁面に衝突させ整流している点である。なお、その他の構成および動作は基本的に第1および第2実施形態と同様であるため、ここでは同一符号を付して説明を省略する。
この実施形態では、冷却ガス吐出ノズル3Bは、その下面が有蓋筒状体の内底面となっている蓋部321と、蓋部321の端縁部に下方(鉛直方向)に向けて延設された筒状の側壁部322とを備えている。そして、側壁部322の上部位置にガス導入配管37が接続されており、ガス導入配管37から冷却ガス吐出ノズル3Bの内部に設けられた流通空間S3に冷却ガスを導入可能となっている。ガス導入配管37は基板表面Wfの面内での表面方向に略平行な方向(水平方向)に延設されている。また、基板表面Wfに向けて吐出される冷却ガス流に対して直交する面内における流通空間S3の断面積がガス導入配管37の流路断面積よりも大きくなっている。
上記した構成によれば、ガス導入配管37を通して基板表面Wfの面内での表面方向に略平行な方向から流通空間S3に冷却ガスが導入される。そして、流通空間S3に導入された冷却ガスは流通空間S3内で広がることで、冷却ガスの流速が減速する。さらに、流通空間S3に導入された冷却ガスは側壁部322の内壁面322aに対して基板表面Wfの面内での表面方向に略平行な方向から入射して322aに衝突し、整流される。このため、基板表面Wfの面内での表面方向に略直交する方向に向かう冷却ガスの流速を効果的に減速させることができる。
以上のように、この実施形態によれば、冷却ガスの流速を冷却ガス吐出ノズル3Bのノズル内部で2段階にわたって減速させることができる。このため、液膜11fに向けて供給される冷却ガスの流速をさらに小さくすることができ、液膜11fの乾燥を確実に防止することができる。また、この構成によれば、流通空間S3に導入された冷却ガスを整流させるための部材を別途追加して設ける必要がないため、装置の構成を簡素化することができる。
<その他>
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、基板表面Wfに形成された液膜11fに冷却ガスを供給して基板表面Wfに凍結膜13fを形成しているが、基板表面Wfのみならず、基板裏面Wbにも凍結膜(裏面側凍結膜)を形成してもよい(図8)。
図8はこの発明にかかる基板処理装置の変形形態を示す図である。この実施形態では、基板Wの表裏面Wf,Wbに液膜11f,11bが形成される。そして、第1実施形態と同様にして、基板Wを回転させながら冷却ガスを冷却ガス吐出ノズル3から基板表面Wfに向けて局部的に吐出させるとともに冷却ガス吐出ノズル3を揺動させる。このとき、基板表面Wf側に供給された冷却ガスが有する冷熱が基板Wを介して裏面側液膜11bに伝導する。これにより、基板裏面Wbの表面領域のうち裏面側液膜11bが凍結した領域(凍結領域)が、基板表面Wf側の凍結領域と同時に広げられて基板裏面Wbの全面に凍結膜(裏面側凍結膜)13bが形成される。しかも、この実施形態では、ガス導入配管33から流通空間S1に導入された冷却ガスは流通空間S1内で広がって冷却ガス吐出ノズル3から吐出される。このため、基板Wの表裏面Wf,Wbにそれぞれ表面側凍結膜13f、裏面側凍結膜13bを速やかに形成することができる。その後、これら凍結膜13f、凍結膜13bを基板Wから除去することにより、基板Wの反転等を行うことなく、基板Wの表裏面Wf,Wbを洗浄することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、流通空間S1,S2に基板表面Wfの面内での表面方向に直交する方向(基板表面Wfの法線方向)に沿って冷却ガスを導入しているが、流通空間S1,S2への冷却ガスの導入方向はこれに限定されない。例えば冷却ガス吐出ノズル3,3Aを基板表面Wfの法線方向に対して傾斜した姿勢で配置することで、ガス導入配管33,35からの冷却ガスを基板表面Wfの法線方向に対して傾斜した方向から流通空間S1,S2に導入するようにしてもよい。この場合であっても、基板表面Wfに向けて吐出される冷却ガス流に対して直交する面内における流通空間S1,S2の断面積がガス導入配管33,35の流路断面積よりも大きくなっていることから、流通空間S1,S2に導入され、該流通空間S1,S2を流通する冷却ガスの流速は、ガス導入配管33,35の内部を流通する冷却ガスの流速に比較して小さくなる。これにより、冷却ガスへの外部雰囲気からの吸熱を抑制するためにガス導入配管の内部を流通する冷却ガスの流速を高めた場合であっても、ノズル内部で冷却ガスの流速を減速させることができる。したがって、液膜が乾燥するのを防止しながら液膜を確実に凍結させることができる。
また、上記実施形態では、基板Wを回転させながら冷却ガス吐出ノズル3,3Aおよび3Bを基板Wの回転中心位置Pcと基板Wの端縁位置Peとの間で移動させることで、冷却ガス吐出ノズル3,3Aおよび3Bを基板Wに対して相対移動させているが、冷却ガス吐出ノズル3,3Aおよび3Bを基板Wに対して相対移動させるための構成はこれに限定されない。例えば冷却ガス吐出ノズルを固定配置した状態で基板Wを所定の方向に移動させながら凍結処理を実行してもよい。また、冷却ガス吐出ノズルおよび基板の双方を移動させながら凍結処理を実行してもよい。さらに、冷却ガス吐出ノズルを基板Wに対して相対移動させることは必須ではなく、基板Wのサイズによっては、冷却ガス吐出ノズルおよび基板の双方を固定配置した状態で凍結処理を実行してもよい。
また、上記実施形態では、DIWを用いて基板Wに液膜を形成しているが、DIWの他に炭酸水、水素水、希薄濃度(例えば1ppm程度)のアンモニア水、希薄濃度の塩酸などのリンス液を用いて液膜を形成してもよい。さらに、リンス液の他、薬液を用いて液膜を形成してもよい。
また、上記実施形態では、膜除去処理においてDIWを用いて凍結膜を基板Wから除去しているが、DIWの他に炭酸水、水素水、希薄濃度(例えば1ppm程度)のアンモニア水、希薄濃度の塩酸などのリンス液を用いてもよい。さらに、リンス液によるリンス処理を実行する前に膜除去処理としてSC1溶液(アンモニア水と過酸化水素水との混合水溶液)等の薬液を用いて薬液処理を実行してもよい。このような薬液を用いることで基板Wから汚染物質を効果的に除去することができる。
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などを含む基板全般の表面に形成された液膜を凍結させる基板処理装置および基板処理方法に適用することができる。
この発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。 図1の基板処理装置の制御構成を示すブロック図である。 図1の基板処理装置に装備された冷却ガス吐出ノズルの動作を示す図である。 図1の基板処理装置に装備された冷却ガス吐出ノズルの構成を示す透視図である。 図1の基板処理装置の動作を示すフローチャートである。 この発明にかかる基板処理装置の第2実施形態を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置の第3実施形態を示す図である。 この発明にかかる基板処理装置の変形形態を示す図である。
符号の説明
2…スピンチャック(基板保持手段)
3,3A,3B…冷却ガス吐出ノズル
7…整流板(板状部材)
7a…(整流板の)表面
31…ノズル移動機構(駆動機構)
33,35,37…ガス導入配管
304,314…開口部
322a…(冷却ガス吐出ノズルの)内壁面
11b…(裏面側)液膜
11f…(表面側)液膜
CS1…(流通空間の)流路断面
CS2…(ガス導入配管の)流路断面
S1,S2,S3…流通空間
W…基板
Wf…基板表面

Claims (7)

  1. 基板表面に形成された液膜を凍結させる凍結処理に適した基板処理装置において、
    基板表面に液膜が形成された状態で基板を保持する基板保持手段と、
    その内部に前記液膜を構成する液体の凝固点より低い温度を有する冷却ガスを流通させる流通空間を有し、前記流通空間内の冷却ガスを前記液膜に向けて吐出させる冷却ガス吐出ノズルと、
    前記冷却ガス吐出ノズルに接続され、前記流通空間に冷却ガスを導入するガス導入配管と
    前記基板表面に対し、前記冷却ガス吐出ノズルを離間対向させつつ前記基板表面に沿って相対移動させる駆動機構と
    を備え、
    前記基板表面に向けて吐出される冷却ガス流に対して直交する面内における前記流通空間の断面積が前記ガス導入配管の流路断面積よりも大きく、
    前記冷却ガス吐出ノズルから前記冷却ガスを前記基板表面に向けて局部的に吐出させながら、前記駆動機構が前記冷却ガス吐出ノズルを前記基板に対し相対移動させる
    ことを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記流通空間内に前記冷却ガス吐出ノズルと前記ガス導入配管との接続位置において開口された開口部にその表面が対向して配置された板状部材をさらに備え、
    前記ガス導入配管は前記開口部から前記流通空間に冷却ガスを導入して前記板状部材の表面に冷却ガスを衝突させ整流するとともに、前記冷却ガス吐出ノズルは整流された冷却ガスを吐出させる請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記板状部材の表面は前記基板表面に向けて吐出される冷却ガス流に対して直交する面に略平行となるように配置される請求項2記載の基板処理装置。
  4. 前記ガス導入配管は前記流通空間に冷却ガスを導入して前記冷却ガス吐出ノズルの内壁面に冷却ガスを衝突させ整流するとともに、前記冷却ガス吐出ノズルは整流された冷却ガスを吐出させる請求項1記載の基板処理装置。
  5. 前記ガス導入配管は前記流通空間に前記基板表面の面内での表面方向に略平行な方向から冷却ガスを導入する請求項4記載の基板処理装置。
  6. 基板表面に形成された液膜を凍結させる凍結処理に適した基板処理方法において、
    基板表面に液膜が形成された状態で基板を保持する基板保持工程と、
    冷却ガス吐出ノズルの内部に設けられ、前記液膜を構成する液体の凝固点より低い温度を有する冷却ガスを流通させる流通空間に、前記冷却ガス吐出ノズルに接続されたガス導入配管から冷却ガスを導入するガス導入工程と、
    前記流通空間に導入された冷却ガスを、前記基板表面に対し離間対向させた前記冷却ガス吐出ノズルから前記液膜に向けて吐出させながら、前記冷却ガス吐出ノズルを前記基板表面に沿って相対移動させるガス吐出工程と
    を備え、
    前記基板表面に向けて吐出される冷却ガス流に対して直交する面内における前記流通空間の断面積が前記ガス導入配管の流路断面積よりも大きいことを特徴とする基板処理方法。
  7. 前記ガス吐出工程では、前記基板表面の液膜の全体を凍結させる請求項6に記載の基板処理方法。
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