JP2602276Y2 - 着脱式掘削刃 - Google Patents

着脱式掘削刃

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JP2602276Y2 JP1992018754U JP1875492U JP2602276Y2 JP 2602276 Y2 JP2602276 Y2 JP 2602276Y2 JP 1992018754 U JP1992018754 U JP 1992018754U JP 1875492 U JP1875492 U JP 1875492U JP 2602276 Y2 JP2602276 Y2 JP 2602276Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、掘削機のケーシング
パイプやオーガ等の掘削ヘッドの先端に取り付けられる
着脱式掘削刃に関する。
【0002】
【従来の技術】掘削機の掘削ヘッド先端部に取り付けら
れる着脱式掘削刃の一例として、従来より図14に示す
ものが知られている。この図に示す着脱式掘削刃1は、
ケーシングパイプ2の先端に溶接されるホルダ3と、こ
のホルダ3の切欠溝4にケーシングパイプ2の長手方向
に沿って挿入されるビット5とを備えてなり、ケーシン
グパイプ2の回転に伴ってビット5の先端側に形成され
た刃部6が地中を掘削してゆく構成とされている。な
お、ケーシングパイプ2は中空円筒状をなすもので、そ
の図示せぬ基端部(図において上方)が掘削機の駆動源
と連結されて自身の軸線回りに回転駆動される。
【0003】切欠溝4はホルダ3の幅方向に対向する互
いに平行な一対の側壁4a、4bと、ホルダ3の厚さ方
向(図において紙面と直交する方向)を向く側面3aか
ら陥没してホルダ3の先端面3bに開口する溝底4cと
を有してなるもので、図示の例ではホルダ3の厚さ方向
表裏に1個ずつ対称に設けられている。また、ビット5
の後端側には上記切欠溝4と嵌合する嵌合部7が形成さ
れ、該嵌合部7はホルダ3の切欠溝4の側壁4a、4b
と当接する互いに平行な側面7a、7bと、切欠溝4の
溝底4c間に残された隔壁を受け入れるスリット7cと
を有している。そして、ビット嵌合部7には当該ビット
5を厚さ方向に貫く取付穴8が形成され、この取付穴8
に挿通されるボルト9が上記切欠溝4の溝底4cにねじ
込まれることにより、ホルダ3に挿入されたビット5が
固定されるようになっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の着脱式掘削刃1においては、ビット5の刃部6が摩
耗した場合ビット5をホルダ3から抜き取って交換しな
ければならないが、刃部6によって地中に形成される掘
削面とボルト9の頭部とが擦過して摩耗が過度に進行
し、その操作が困難となることがあった。また、掘削時
の荷重や振動でボルト9のねじ部が損傷して取り外し不
能となることもあった。さらに、ボルト9の操作が可能
であったとしても、ボルト9に相当大きな荷重を加えつ
つ数回以上回転させないと取り外すことができないので
迅速な脱着を行い難い。ここで、ボルト9の操作ができ
ない場合の対策としてガス溶断によってビット5を取り
除くことも行われるが、切欠溝4の溝底4cに形成され
た雌ねじを損傷しないように注意しなければならないた
めに作業性が悪く、ビット5の脱着方法として適当なも
のとは言い難い。
【0005】また、刃部6による掘削面とホルダ3の厚
さ方向の側面3a及びビット5の嵌合部7の表面7dと
が擦過して一体的に摩耗するため、これらホルダ側面3
aやビット表面7dの周縁部のうち特に側壁4a、4b
や側面7a、7bに沿う部分にかえりが生じてこれらが
癒着し、この点でもビット5を取り出すことが困難とな
ることがあった。
【0006】さらに、上述した着脱式掘削刃1では、ビ
ット5の嵌合部7の側面7a、7bがビット5の挿入方
向と平行に延びる平坦面に形成されているため、ボルト
9を取り外すことができたとしても、ビット5を完全に
取り出すには、ビット5をその後端が切欠溝4の先端開
口部に達するまで切欠溝側壁4a、4bに沿って真直ぐ
引き抜く必要があるが、途中でこじれて円滑に引き抜く
ことができないこともある。この点、新たなビット5を
挿入する際にも同様の問題が生じるおそれがある。
【0007】さらにまた、ホルダ3に切欠溝4を形成す
ることによってホルダ3の側壁4a、4bの背後の肉厚
が減少するため、ホルダ3の溶接時に歪が生じ易くな
る。そして、かかる溶接歪を放置すれば切欠溝4の溝幅
が一定でなくなるため、ビット5を挿入することさえ不
可能となるおそれがある。この考案は、このような背景
の下になされたもので、ビットを迅速かつ確実に着脱で
きる着脱式掘削刃を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの考案は、ホルダの切欠溝の幅方向に対向する両方
の側壁を、当該ホルダの後端側へ向かうに従って漸次ホ
ルダの幅方向中心側へ後退する傾斜面に形成する一方
で、ホルダの切欠溝と嵌合するビットの嵌合部の幅方向
に対向する側面を、上記切欠溝の側壁と密着可能な傾斜
面に形成し、かつ、ホルダとビットとを連結する連結部
材を、上記ビット嵌合部から、上記ビット嵌合部に開口
する取付穴及び上記切欠溝に開口する嵌合穴を介して
記ホルダの溝底に向けて打ち込まれるスプリングピンと
、さらに上記嵌合穴の位置を、上記ビット嵌合部を上
記切欠溝に嵌合させた状態で上記取付穴よりもホルダ後
端側へ僅かに偏心するよう定めたものである。この場
合、カッタの着脱を容易とし、かつホルダ寿命の向上を
図るには、上記ビットを上記ホルダに装着させた状態で
上記ビットの刃部の一端部を上記ホルダの厚さ方向を向
く側面から突出させることが好ましい。そして、ビット
を一層確実に拘束するには、上記ホルダの上記切欠溝の
上記側壁間に位置して当該ホルダの先端側を向く正面壁
の上記切欠溝の溝底と交差する側に、当該ホルダの後端
側へ陥没する係止溝を形成し、かつ、上記ビットの上記
嵌合部の上記正面壁と対向する端面に、当該端面から突
出して上記係止溝と嵌合可能な突起を形成すると良い。
【0009】
【作用】上記構成によれば、ビット嵌合部に開口する取
付穴及び切欠溝に開口する嵌合穴を介して上記ホルダの
溝底に打ち込まれたスプリングピンを打ち抜くだけでビ
ットをホルダから抜き取ることができるので、ビットの
取り外しに要する時間が短縮される。また、ホルダ切欠
溝の両側壁及びビット嵌合部の両側面を傾斜面としてい
るので、ビットの着脱の際にビットがこじれて着脱に支
障を来すおそれもない。さらに、ホルダ切欠溝の両側壁
の背後の肉厚がホルダ後端側へ向かうほど増加してホル
ダ後端に十分な肉厚が確保されるので溶接歪も生じにく
くなる。しかも、上記嵌合穴の位置が、ビット嵌合部を
ホルダ切欠溝に嵌合させた状態で上記取付穴よりもホル
ダ後端側へ僅かに偏心しているので、スプリングピンの
打ち込みに伴いビットをホルダの後端側へ押し付ける力
が生じ、その結果、ホルダ切欠溝の両側壁とビット嵌合
部の両側面との密着性が向上する。
【0010】また、刃部の一端部を上記ホルダの厚さ方
向を向く側面から突出させた場合には、刃部による掘削
面よりもホルダの上記側面が後退するので掘削面との擦
過による摩耗が防止され、ホルダとビットとの一体的な
摩耗による癒着を防止してホルダからビットを容易に取
り外すことができる。そして、ホルダの切欠溝の正面壁
に係止溝を形成し、かつ、上記ビットの上記嵌合部の上
記正面壁と対向する端面突起を形成した場合には、これ
ら係止溝と突起とが嵌合することによってビットの嵌合
部が係止溝に係止され、当該嵌合部がホルダの切欠溝の
溝底から離れる方向へ変形できなくなる。
【0011】
【実施例】以下、図1〜図4を参照して、本考案の一実
施例を説明する。なお、上述した従来例と同一の構成要
素には同一符号を付し、説明を省略する。
【0012】図1及び図2に示すように、本実施例の着
脱式掘削刃10は、ケーシングパイプ2の先端に設けら
れた凹部2a(図2参照)に嵌合されて当該ケーシング
パイプ2に溶接される直方体状のホルダ11と、このホ
ルダ11に着脱自在に装着されるビット12とから概略
構成され、ビット12の先端側に刃部6が形成される点
では従来例と同様である。しかし、ホルダ11の切欠溝
13及びビット12の嵌合部14は従来と異なる構成と
され、以下これらを詳細に説明する。
【0013】図3及び図4により詳細に示すように、ホ
ルダ11の切欠溝13は、当該ホルダ11の幅方向に対
向する一対の側壁13a、13bと、当該ホルダ11の
厚さ方向を向く側面11a、11bから陥没して側壁1
3a、13bと直交する溝底13cと、側壁13a、1
3b間に位置して当該ホルダ11の先端側を向く正面壁
13dとを有してなるものである。そして、この切欠溝
13は、ホルダ11の上記側面11a、11bにそれぞ
れ1個ずつ対称に形成されかつ溝底13cが側面11
a、11bと平行な平坦面に形成される点で従来例と共
通する。しかし、切欠溝13は、その側壁13a、13
bが、ホルダ11の先端側から後端側へ向かうに従って
漸次ホルダ11の幅方向中心側へ後退する傾斜面状に形
成される点において従来例と相違する。
【0014】また、図1及び図2に示すように、ビット
12の嵌合部14は、当該ビット12の幅方向に対向す
る側面14a、14bと、上記ホルダ11の2つの溝底
13c間に挟まれた隔壁部分を受け入れるスリット14
cとを有してなるもので、側面14a、14bは上記ホ
ルダ11の切欠溝13の側壁13a、13bに対応して
当該ビット12の後端側へ向かうほどビット12の幅方
向中心側へ後退する傾斜面状に形成されている。
【0015】さらに、ビット12の嵌合部14には、ス
リット13cをまたいでビット12の厚さ方向に延び、
両端がビット12の側面12a、12bに開口する取付
穴15が形成されている。この取付穴15は、切欠溝1
4に挿入されたビット12を固定するスプリングピン1
6が挿入されるもので、この取付穴15に対応してホル
ダ11の切欠溝13の溝底13cにもスプリングピン1
6と嵌合可能な嵌合穴17が形成されている。
【0016】なお、この嵌合穴17は、ビット12の嵌
合部14をホルダ11の切欠溝13に嵌合させた状態で
取付穴15よりもホルダ11の後端側へ僅かに偏心する
ようにその位置が定められている。これは、スプリング
ピン16の打ち込みによってビット12をホルダ11の
後端側へ押し付ける力を生じさせ、これにより側壁13
a、13bと側面14a、14bとの密着性を高めるた
めである。
【0017】また、上記スプリングピン16は、一定厚
さの鋼板、特にバネ鋼を円筒状に丸め込んで形成された
周知の連結手段であり、その長さはホルダ11の厚さと
同等か、あるいは僅かに短くなっている。
【0018】そして、ビット嵌合部14はホルダ11の
先端側から切欠溝13内に挿入されて側面14a、14
bが切欠溝側壁13a、13bに密着せしめられ、この
後、取付穴15の一端にはめ込まれるスプリングピン1
6がホルダ11の嵌合穴17を通過して取付穴15の他
端に達するまで打ち込まれることによってビット12が
ホルダ11に着脱自在に連結される。これにより本実施
例の着脱式掘削刃10が構成される。
【0019】ここで、ビット12の嵌合部14の長さ
は、ビット12がホルダ11に装着された状態におい
て、当該嵌合部14の後端面14dと切欠溝13の正面
壁13dとの間に所定の隙間Sがあくように設定されて
いる。また、ビット12の幅方向と直交する方向に対す
る嵌合部14の側面14a、14bの傾斜角θ(切欠溝
13の側壁13a、13bの傾斜角に等しい。)は、ビ
ット12の大きさ等に応じて適宜定められるが、なるべ
くは3゜ 〜15゜ の範囲に設定することが望ましい。3
゜ を下回った場合には、掘削時の荷重で嵌合部14が切
欠溝13に食い込んでビット12を容易に取り出せなく
なるおそれがあり、他方、15゜ を越えた場合には切欠
溝側壁13a、13bとビット側面14a、14bとの
間に生じる掘削荷重の反力が、ビット12を切欠溝13
から押し出す方向に作用してビット12の安定性が損な
われるおそれがあるからである。
【0020】しかして、以上の構成からなる着脱式掘削
刃10においては、ホルダ11とビット12とをスプリ
ングピン16で連結したので、ビット12の嵌合部14
をホルダ11の切欠溝13から抜き取るには、スプリン
グピン16を一層打ち込んでホルダ11の嵌合穴17か
ら抜き取った後、ビット12をケーシングパイプ2の先
端側へ引き抜くだけで良い。従って、ボルトを使用して
ビットを取り付ける従来例に比して迅速にビット12の
取り外しを行い得る。
【0021】しかも、ホルダ切欠溝13の両側壁13
a、13b及びビット嵌合部14の両側面14a、14
bをともに傾斜面に形成したため、ビット12をホルダ
11の先端側へ僅かに引き抜くだけでもこれらの側壁1
3a、13bと側面14a、14bとが離間し、しかも
その離間量はビット12を引き抜くに連れて次第に増加
してゆく。従ってビット12を抜き取る際にビット12
がこじれるおそれもなく、新たなビット12を挿入する
際にもこじれが生じることがない。従って、ビット12
の着脱を常に円滑に行うことができる。
【0022】さらに、ホルダ11の側壁13a、13b
の背後の肉厚B(図2参照)がホルダ11の後端側へ向
かうほど増加するので、これら側壁13a、13bをケ
ーシングパイプ2の軸方向へ真直ぐ延びる平坦面に形成
した場合(図2に2点鎖線Lで示す。)に比して遥かに
溶接歪が生じにくくなる。従って、溶接歪に伴う切欠溝
13の変形によってビット嵌合部14の着脱に支障が生
じることもない。
【0023】加えて、本実施例ではホルダ11の切欠溝
13の正面壁13dとビット12の嵌合部14の後端面
14dとの間に隙間Sを設けたので、ビット12を抜き
取る際には、かかる隙間Sにマイナスドライバー等の作
業工具を押し込んでビット12をホルダ11の先端側へ
押し出すことができ、ビット12の抜取りが一層容易と
なる。
【0024】次に、本考案の他の実施例を図5〜図9を
参照して説明する。なお、これらの図において図1〜図
4に示す実施例と共通する構成要素には同一符号を付
し、説明を省略する。図5〜図9に示すように、本実施
例の着脱式掘削刃20はホルダ21とビット22とを備
え、ホルダ21の切欠溝23とビット22の嵌合部24
とを嵌合させた状態でスプリングピン16を打ち込んで
両者を着脱自在に連結した概略構成とされている。そし
て、ホルダ21の切欠溝23の側壁23a、23bと、
ビット22の嵌合部24の側面24a、24bは、ホル
ダ21の後端側へ向かうほど幅方向中心線mへ接近する
傾斜面とされ、これにより上述したビットの着脱の容易
化が図られている。
【0025】ここまでは上述した図1〜図4に示す着脱
式掘削刃10と同様であって、本実施例の着脱式掘削刃
20は以下の点に特徴を有する。
【0026】すなわち、図5、図7及び図9により詳細
に示すように、本実施例の着脱式掘削刃20では、ホル
ダ21の厚さT1よりもビット22の厚さT2が若干大
きく定められることにより、これらホルダ21とビット
22とを連結した状態でビット22の厚さ方向の側面2
2a、22bがホルダ21の厚さ方向側面21a、21
bよりも突出し、これに伴ってビット22の先端に設け
られた刃部25の長手方向両端25a、25b(図9参
照)がホルダ側面21a、21bよりも突出せしめられ
ている。なお、これらホルダ21とビット22の厚さT
1、T2の差(T2−T1)は適宜定めて良いが、図示
の例では、ビット22がホルダ21の厚さ方向を向く側
面21a、21bから等しく1mmずつ突出するようにT
2−T1=2mmとされている。
【0027】このように、本実施例では刃部25の両端
25a、25bがホルダ側面21a、21bよりも突出
しているので、掘削時に刃部25によって形成される掘
削面からホルダ側面21a、21bが離間し、この結果
ホルダ21の側面21a、21bが掘削面に擦られるこ
とがない。従って、ホルダ21の側面21a、21bの
摩耗が防止されてこれらホルダ21とビット22との癒
着が発生せず、このためビット22を図1〜図4に示す
例よりも一層容易かつ確実にホルダ21から抜き取るこ
とができる。また、ホルダ21の摩耗が抑制されるので
ホルダ21の寿命が大きく向上するという効果も得られ
る。
【0028】なお、図5〜図9では、特にビット22の
側面22a、22bの全体をホルダ21の側面21a、
21bから突出させているが、本考案はこれに限るもの
ではなく、例えば図10及び図11に示すようにビット
22の先端側のみの厚さを大きくして嵌合部24をホル
ダ側面21a、21bと面一にしても良い。要は、ホル
ダ側面21a、21bが刃部25による掘削面に接触し
ないように刃部25の端部25a、25bがホルダ側面
21a、21bよりも突出していれば、摩耗による癒着
を防ぐに十分である。
【0029】また、着脱式掘削刃20では、図5〜図7
に示すようにホルダ21の切欠溝23に挟まれた隔壁2
6が当該ホルダ21の先端面21cから切欠溝23の奥
側へ幾らか後退せしめられて空隙部27が形成されてい
る。また、図5、図8及び図9に示すように、ビット2
2の側においても、嵌合部24の基端側にスリット28
のない基部29が形成され、この基部29がホルダ21
の空隙部27と嵌合するようになっている。そして、こ
のような構成とすることにより、ビット22の首折れ強
度の向上が図られている。
【0030】すなわち、掘削時において、ビット22は
掘削ヘッドの回転に伴ってホルダ21の幅方向に沿う荷
重を受けるが、ビット22の嵌合部24はホルダ21の
切欠溝23と嵌合してホルダ21の幅方向に支持されて
いるため、かかる荷重によってビット22にはホルダ2
1の先端面21cに沿う位置に最大剪断応力が発生し、
その大きさによってはビット22が耐えきれずに切断す
なわち首折れすることがある。ここで、上記剪断応力に
対する許容値はビット22のホルダ先端面21cに沿う
位置の断面積に左右され、この点、図5〜図9に示す着
脱式掘削刃20では、ビット22の基部29によって断
面積が増加するために許容剪断応力が大きくなって首折
れ強度が向上するのである。
【0031】なお、このような首折れ強度の向上は、特
に図5〜図9に示すように、ビット22の先端部に凹部
30を設けて異種材料からなる切刃体31をろう付けす
る構成の着脱式掘削刃20において特に顕著である。な
ぜならば、切刃体31をろう付けする際にビット22の
凹部30の周囲は局部的に加熱され徐々に冷却されるの
で、硬化軟化層が出現して強度が落ちる傾向がある。そ
して、かかる硬化軟化層はビット22の寸法上、最大剪
断応力が生じる位置に極めて接近して出現することが多
く、このためかかる部分の肉厚を確保して首折れ強度を
予め大きく設定しておくことが重要となるのである。
【0032】図12及び図13は、図5〜図9に示す着
脱式掘削刃20と基本構成を同じくするものにおいて、
ホルダ21の切欠溝23の側壁23a、23b間に位置
してホルダ21の先端側を向く正面壁23cの溝底23
dと交差する側に、ホルダ21の後端側へ陥没する係止
溝40を形成し、かつ、ビット22の嵌合部24の正面
壁23cと対向する端面24cに、端面24cから突出
して係止溝40と嵌合可能な突起41を形成した例を示
すものである。このような例によれば、ビット22をホ
ルダ21に装着する際に、係止溝40と突起41とが嵌
合して嵌合部24の後端側(図中上側)がホルダ21の
切欠溝23の溝底23dから離れる方向へ変形できなく
なる。このため、ビット22を一層確実に保持すること
ができる。
【0033】すなわち、嵌合部24をスプリングピン4
2によって取り付けただけでは、ボルトで締め付ける場
合と異なってビット22の嵌合部24をホルダ21の厚
さ方向(図13における左右方向)に締め付けることが
できないので、嵌合部24が特にその後端側において溝
底23dから離れるように変形してビット22ががたつ
くおそれがある。この点、図12及び図13の例では、
嵌合部24の後端側が係止溝40に係止されるので、嵌
合部24が上述のように変形するおそれがなく、ビット
22が確実に保持されることになる。また、このように
嵌合部24が拘束される場合、ビット22の側面22
a、22bがホルダ21の側面21a、21bよりも突
出することがないので、ホルダ21とビット22の厚さ
を異なるものとした効果が損なわれるおそれもない。
【0034】なお、図12及び図13に示す例では、ス
プリングピン42が他の例と異なる構成とされ、具体的
には、取付穴15と嵌合する第1のピン43の内周側
に、小径の第2のピン44を、スリット43a、44a
の位置を周方向にずらして嵌合させることによって一の
スプリングピン42が構成されている。これは、スプリ
ングピン42の断面積を増加させて許容剪断応力を増大
させるとともに、スプリングピン42を打ち抜く際の作
業工具との接触面積を増大させて、スプリングピン42
を容易に打ち抜くことができるようにしたものである。
【0035】以上の実施例ではホルダをケーシングパイ
プに取り付ける例を説明したが、本考案はこれに限ら
ず、アースオーガ等の種々の掘削ヘッドに取り付けられ
ることは勿論である。
【0036】
【考案の効果】以上説明したように、この考案によれ
ば、ビット嵌合部に開口する取付穴及び切欠溝に開口す
る嵌合穴を介してホルダの溝底に打ち込まれたスプリン
グピンを打ち抜くだけでビットをホルダから抜き取るこ
とができ、ビットの着脱の際にビットがこじれて動かな
くなるおそれもなく、さらには、ホルダの切欠溝側壁の
背後の肉厚が増加してホルダの溶接歪も抑制されるので
ビット着脱自体が困難となるおそれもなく、従って、ビ
ットを常に迅速かつ確実に交換できるという優れた効果
を奏する。しかも、嵌合穴の位置が、ビット嵌合部を切
欠溝に嵌合させた状態で取付穴よりもホルダ後端側へ僅
かに偏心しているので、スプリングピンの打ち込みに伴
いビットをホルダの後端側へ押し付ける力が生じ、その
結果、切欠溝の両側壁とビット嵌合部の両側面との密着
性が向上するという効果が得られる。
【0037】また、特に刃部の一端部をホルダの厚さ方
向を向く側面よりも突出させた場合には、該側面と刃部
で形成される掘削面との摩擦がなくなってホルダとビッ
トとの癒着が防止されるので、ビットの着脱を一層容易
かつ確実になし得るという効果が得られる。
【0038】さらに、ホルダの切欠溝に係止溝を設ける
一方で、ビットの嵌合部に突起を形成した場合には、こ
れらが嵌合することによってビットの嵌合部が係止溝に
係止されるので、ビットをスプリングピンで取り付ける
構成であっても、ホルダ切欠溝の溝底から離れる方向へ
のビット嵌合部の変形を防止してビットを一層確実に保
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の全体構成を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示す実施例の正面図である。
【図3】図1に示すホルダの正面図である。
【図4】図3のIV方向からの矢視図である。
【図5】本考案の他の実施例の構成を示す斜視図であ
る。
【図6】図5に示すホルダの正面図である。
【図7】図6のVII方向からの矢視図である。
【図8】図5に示すビットの正面図である。
【図9】図8のIX方向からの矢視図である。
【図10】図5〜図9の着脱式掘削刃の変形例を示すビ
ットの正面図である。
【図11】図10のXI方向からの矢視図である。
【図12】図5〜図9に示す着脱式掘削刃の他の変形例
を示す正面図である。
【図13】図12に示す着脱式掘削刃を同図のXIII方向
からみた状態を一部断面視して示す図である。
【図14】従来例を示す正面図である。
【符号の説明】
6,25 刃部 10,20 着脱式掘削刃 11,21 ホルダ 12,22 ビット 13,23 切欠溝 13a,13b,23a,23b 切欠溝の側壁 14,24 嵌合部 14a,14b,24a,24b 嵌合部側面 16,42 スプリングピン 40 ホルダの係止溝 41 ビットの突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭64−14293(JP,U) 実開 平4−22583(JP,U) 実開 昭58−115592(JP,U) 実公 昭45−33843(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21B 10/02 E21B 10/62

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削機の掘削ヘッドの先端部に取り付け
    られるホルダと、先端側に刃部が形成されたビットとを
    備えてなり、上記ホルダに、当該ホルダの厚さ方向を向
    く側面から陥没しかつ当該ホルダの先端面に開口する切
    欠溝が形成される一方で、上記ビットの後端側に上記切
    欠溝と嵌合する嵌合部が形成され、この嵌合部が上記ホ
    ルダの先端側から上記切欠溝に挿入された状態で、該嵌
    合部側から上記切欠溝の溝底側へ向けて上記ビットのホ
    ルダ先端側への脱落を防止する連結部材が取り付けられ
    ることにより、上記ビットが上記ホルダに着脱自在に連
    結されてなる着脱式掘削刃において、 上記ホルダの上記切欠溝の幅方向に対向する両方の側壁
    を、当該ホルダの後端側へ向かうに従って漸次ホルダの
    幅方向中心側へ後退する傾斜面に形成する一方で、上記
    ビット嵌合部の幅方向に対向する側面を、上記切欠溝の
    側壁と密着可能な傾斜面に形成し、かつ、上記連結部材
    を、上記ビット嵌合部から、上記ビット嵌合部に開口す
    る取付穴及び上記切欠溝に開口する嵌合穴を介して上記
    ホルダの溝底に向けて打ち込まれるスプリングピンと
    、さらに上記嵌合穴は、上記ビット嵌合部を上記切欠
    溝に嵌合させた状態で上記取付穴よりもホルダ後端側へ
    僅かに偏心するようにその位置が定められていることを
    特徴とする着脱式掘削刃。
  2. 【請求項2】 上記ビットが上記ホルダに装着された状
    態で、上記ビットの上記刃部の一端部が、上記ホルダの
    厚さ方向を向く側面から突出していることを特徴とする
    請求項記載の着脱式掘削刃。
  3. 【請求項3】 上記ホルダの上記切欠溝の上記側壁間に
    位置して当該ホルダの先端側を向く正面壁の上記切欠溝
    の溝底と交差する側に、当該ホルダの後端側へ陥没する
    係止溝を形成し、かつ、上記ビットの上記嵌合部の上記
    正面壁と対向する端面に、当該端面から突出して上記係
    止溝と嵌合可能な突起を形成したことを特徴とする請求
    1または2記載の着脱式掘削刃。
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