JP2597961Y2 - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JP2597961Y2
JP2597961Y2 JP1993017315U JP1731593U JP2597961Y2 JP 2597961 Y2 JP2597961 Y2 JP 2597961Y2 JP 1993017315 U JP1993017315 U JP 1993017315U JP 1731593 U JP1731593 U JP 1731593U JP 2597961 Y2 JP2597961 Y2 JP 2597961Y2
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rubber
seal lip
seal
oil
sealing device
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利勝 沼
純一 中山
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Nok Corp
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Nok Corp
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  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、たとえば各種装置の軸
封部に用いられるオイルシール等の密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の密封装置としては、たと
えば図5に示すようなものがある。この密封装置100
は、互いに同心的に相対回転自在に組付けられる2部材
としてのハウジング101と回転軸102間の環状の隙
間より漏れる液体としての油をシールするものである。
【0003】密封装置100は、ハウジング101の内
周に嵌合固定される装置本体103と、回転軸102の
外周に取り付けたスリンガー104の半径方向外方に伸
びるフランジ部105のシール相手面106に摺動自在
に密封接触するシールリップ107と、から構成されて
いる。
【0004】シールリップ107は、ゴム状弾性体であ
るシリコンゴムでできている。したがって反撥弾性に優
れスリンガー104のフランジ部105のシール相手面
106の振れ等に対する追随性が非常に良い特性を有し
ている。
【0005】また、図6には他の従来例の密封装置が示
されており、この密封装置200は、上記密封装置10
0において、スリンガー104の外周面108に摺動自
在に密封接触し、大気側Aからのダストの侵入を防止す
るダストリップ109を備えたものである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】ところが、シリコンゴ
ムは、耐油性に劣り、油による膨潤が材料として大き
く、ゴムの膨潤を促進する油中で用いるとシールリップ
107自体の膨潤によるシリコンゴムの伸長により、し
めしろが低下するという欠点があった。
【0007】また、シールリップ107はシリコンゴム
単体で構成されているため、高温時の膨潤によるスリン
ガー104のフランジ部105のシール相手面106と
シールリップ107の接触力(面圧)が低下するという
欠点があった。
【0008】これら欠点によりシール性が劣化するとい
う問題があった。
【0009】本考案は上記した従来技術の課題を解決す
るためになされたもので、その目的とするところは、シ
ール性の向上を図り得る密封装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本考案にあっては、互いに同心的に相対回転自在に組
付けられる2部材間の環状の隙間に配置されて密封対象
流体をシールするもので、前記2部材のうち一方の部材
に取付けられる装置本体と、該装置本体と連続的に設け
られ前記2部材のうち他方の部材に摺動自在に密封接触
するシールリップとを備えた密封装置において、前記シ
ールリップは密封対象流体に対する膨潤特性の異なる異
材質のゴム状弾性体を層状に組み合わせて構成したもの
であり、シールリップの背面側にシール面側のゴム状弾
性体よりも膨潤が大きいゴム状弾性体を円周方向に分割
するように切欠いて貼り付けたことを特徴とする。
【0011】
【作用】上記構成の密封装置にあっては、シールリップ
は液体の膨潤特性の異なる異材質のゴム状弾性体を層状
に組み合わせて構成したことにより、液体中で使用する
と、その密封対象液体に対して膨潤特性の大きいゴム状
弾性体は伸長し、一方膨潤特性の小さいゴム状弾性体は
ほとんど伸びない。このことにより、シールリップ自身
がバイメタルのように作動し、断面が湾曲状になり、シ
ールリップのしめしろの増加およびシールリップの摺動
面における接触力の低下の防止となるので、シール性の
向上を図ることができる。
【0012】
【実施例】以下に本考案を図示の実施例に基づいて説明
する。本考案の一実施例に係る密封装置を示す図1及び
図2において、この密封装置1は互いに同心的に相対回
転自在に組付けられた2部材としてのハウジング2と回
転軸3間の環状の隙間より漏れる液体としての油をシー
ルするものである。
【0013】密封装置1の概略構成は、ハウジング2の
内周に嵌合固定される装置本体としての金属環4と、回
転軸3の外周に取付けたスリンガー5の半径方向外方に
伸びるスリンガーフランジ部51のシール相手面52に
摺動自在に密封接触するもので、液体としての油の膨潤
特性の異なる異材質のゴム状弾性体を層状に組み合わせ
て構成したシールリップ6と、から成っている。
【0014】金属環4は、断面略L字状で、ハウジング
2の内周面に嵌合固定される円筒部41と、円筒部41
の大気側A端部から半径方向内方に伸び、中途部から軸
方向油側Oに平行にズレる内向きフランジ部42と、か
ら構成されており、内向きフランジ部42の内端に、ゴ
ム状弾性体7を一体的に焼付け固定している。
【0015】そして、金属環4の内向きフランジ部42
に固定されているゴム状弾性体7の油側O端部にシール
リップ6を設けている。このシールリップ6は、層状に
油の膨潤特性が異なる異材質のゴム状弾性体の組み合わ
せと成っており、その組み合わせは、シールリップ6の
背面側が、油を吸収しやすい、すなわち膨潤が大きいゴ
ム状弾性体であって、弾性に優れるシリコンゴム61
で、その反対側であるシール面側が、油を吸収しにく
い、すなわち耐膨潤である耐油性に優れるふっ素ゴム6
2で、これらを加硫あるいは貼り付けて成形している。
【0016】シールリップ6のシリコンゴム61は、ゴ
ム状弾性体7の油側O端部より連続して油側Oに逆円す
い形に軸方向に伸びており、フィンガースプリング状に
シールリップ6の円周方向に切欠かれている。また、シ
リコンゴム61のつけ根部分には、軸方向油側Oに伸び
る段部63を有している。
【0017】そして、シリコンゴム61の油側O端面お
よび段部63の外周面に、全周にわたってふっ素ゴム6
2を張り付けている。
【0018】一方、回転軸3の外周面に取り付けるスリ
ンガー5は、断面略L字状で、回転軸3の外周面に取り
付けるスリンガー円筒部53と、スリンガー円筒部53
の油側O端部から半径方向外方に伸び、中途部から軸方
向大気側Aに平行にズレるスリンガーフランジ部51と
から成っている。
【0019】そして、シールリップ6の先端、すなわち
ふっ素ゴム62の先端が、スリンガー5のスリンガーフ
ランジ部51のシール相手面52に対して摺動自在に密
封接触し、ハウジング2と回転軸3間の環状の隙間より
漏れる油をシールするものである。
【0020】上記構成の密封装置にあっては、油の中で
使用すると、シリコンゴムは膨潤しやすいため、シール
リップ6の背面側に貼り付けられたシリコンゴム61
が、リップ長方向に伸長する。一方シール相手面52側
のふっ素ゴム62は膨潤の影響を受けにくいことから、
ほとんど伸びないため、シールリップ6自身がバイメタ
ルの様に作動し、図3に示すように湾曲する。補足的に
説明すると、図2(b)に示される通り、シリコンゴム
61はフィンガースプリング状にシールリップ6の円周
方向に切欠かれていることから円周方向に複数に分割さ
れており、円周方向の伸長量は切欠きにより抑えられ、
リップ長方向の伸長がよりシールリップ6の背面に作用
することになる。尚、シールリップ6の背面側は、シリ
コンゴム61であるため、従来のシール同様シールリッ
プ6の反撥弾性は損なわれない。したがって、シールリ
ップ6のしめしろが増加するので、シール性の向上が図
れる。
【0021】図4には、参考例が示されている。本参考
例は、上記実施例において、金属環4の円筒部41の大
気側A寄りが径方向内側に平行にズレて、その外周面お
よび内向きフランジ部42の大気側A端面にゴム状弾性
体8が一体的に焼き付け固定され、そのゴム状弾性体8
の回転軸3側に、スリンガー5のスリンガー円筒部53
の外周面に摺動自在に密封接触し、大気側Aからのダス
トの侵入を防ぐダストリップ9を設けているものであ
る。
【0022】そして、上記実施例では、シールリップ6
は、シールリップ6の背面側をシリコンゴム61とし、
シールリップ相手面52側をふっ素ゴム62とする組み
合わせから成るものとしたが、本参考例では図4(b)
に示すようにシールリップ6Aは油側Oに逆円すい形に
軸方向に伸びたゴム状弾性体で、その背面側に油に対し
て膨潤が小さい耐膨潤材64を入れて層状に油の膨潤特
性の異なる異材質のゴムの組み合わせとしたものであ
る。図4(c)はその他の組み合わせの態様でシールリ
ップ6A内部に耐膨潤材64を入れたものである。
【0023】このような構成のシールリップ6Aとする
ことにより、上記実施例で示したバイメタル状の作用に
よって高温時の膨潤によるシールリップ6Aとスリンガ
ー5のスリンガーフランジ部51の相手面52との接触
力(面圧)の低下を防ぐことができる。したがって、初
期のシールリップ6Aのしめしろを保つことができ、高
温時におけるシール性の向上を図ることができる。
【0024】また、初期のシール接触力を低く設計でき
るため、シールリップ6A,スリンガー5のシール相手
面52の摩耗が低減され、シール寿命の延長が図れる。
さらにフリクションも低下する。その他の構成および作
用については上記第1実施例と同一なので、同一の構成
部分については同一の符号を付して、その説明は省略す
る。
【0025】尚、上記実施例及び参考例では、シールリ
ップが摺動自在に密封接触するシール面をスリンガー5
のシール相手面52としたものを例にとって説明した
が、直接回転軸3の外周面をシール面とした場合につい
ても同様に適用するものである。
【0026】また、シールリップにおける油に対して膨
潤特性の大きいゴム状弾性体の材質は、シリコンゴムに
限定されるものでなく、ゴム状弾性体製のものであれば
よく、また油に対して膨潤特性の小さい耐膨潤性である
耐油性のゴム状弾性体の材質もふっ素ゴムに限定される
ものでなく、アクリルゴム等の耐油性を有する材質であ
ればよい。
【0027】そして、上記実施例及び参考例では、密封
対象液体としては油を用いたものを例にとって説明した
が、油に限定されるものではなく、溶剤や水等に用いた
ものでも同様に適用するものである。この場合、ゴム状
弾性体の材質は各密封対象液体に対する膨潤特性に対応
して決められるべきである。
【0028】
【考案の効果】本考案は、以上の構成および作用を有す
るもので、シールリップは液体の膨潤特性の異なる異材
質のゴム状弾性体を層状に組み合わせて構成したことに
より、液体中で使用すると、その密封対象液体に対して
膨潤特性の大きいゴム状弾性体は伸長し、一方膨潤特性
の小さいゴム状弾性体はほとんど伸びない。このことに
より、シールリッップ自身がバイメタルのように作動
し、断面が湾曲状になり、シールリップのしめしろの増
加およびシールリップの摺動面における接触力の低下の
防止となるので、シール性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案の一実施例に係る密封装置の縦断
面図である。
【図2】図2(a)は図1の密封装置の一部破断要部斜
視図であり、同図(b)は同図(a)のZ矢視図であ
る。
【図3】図3はシールリップの膨潤状態を表わす模式図
である。
【図4】図4(a)は参考例に係わる密封装置の縦断面
図であり、同図(b)は同図(a)のシールリップ部拡
大縦断面図であり、同図(c)はその他の態様のシール
リップ部拡大縦断面図である。
【図5】図5は従来の密封装置の縦断面図である。
【図6】図6は他の従来の密封装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 密封装置 2 ハウジング 3 回転軸 4 金属環(装置本体) 41 円筒部 42 内向きフランジ部 5 スリンガー 51 スリンガーフランジ部 52 シール相手面 53 スリンガー円筒部 6,6A シールリップ 61 シリコンゴム 62 ふっ素ゴム 63 段部 64 耐膨潤材 7,8 ゴム状弾性体 9 ダストリップ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに同心的に相対回転自在に組付けら
    れる2部材間の環状の隙間に配置されて密封対象流体を
    シールするもので、 前記2部材のうち一方の部材に取付けられる装置本体
    と、該装置本体と連続的に設けられ前記2部材のうち他
    方の部材に摺動自在に密封接触するシールリップとを備
    えた密封装置において、 前記シールリップは密封対象流体に対する膨潤特性の異
    なる異材質のゴム状弾性体を層状に組み合わせて構成し
    たものであり、シールリップの背面側にシール面側のゴ
    ム状弾性体よりも膨潤が大きいゴム状弾性体を円周方向
    に分割するように切欠いて貼り付けたことを特徴とする
    密封装置。
JP1993017315U 1993-03-16 1993-03-16 密封装置 Expired - Lifetime JP2597961Y2 (ja)

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JPH0669531U JPH0669531U (ja) 1994-09-30
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JP4816162B2 (ja) * 2006-03-10 2011-11-16 トヨタ自動車株式会社 オイルシール
JP5310377B2 (ja) * 2009-08-20 2013-10-09 株式会社ジェイテクト 密封装置および転がり軸受
JP6455209B2 (ja) * 2015-02-17 2019-01-23 株式会社デンソー 軸封装置

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JPH0669531U (ja) 1994-09-30

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