JP2593507B2 - 空気調和機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明は空気調和機本体内に蒸発式凝縮器を備えた
空気調和機の改良に関する。

（従来の技術） 一般に、空気調和機として実公昭58−18595号公報に
示す構成のものが知られている。これは、第７図に示す
ように設置場所を移動可能にした可搬式の空気調和機本
体１内に蒸発式凝縮器２およびこの蒸発式凝縮器２に水
を飛散させる散水器３が装着されたものである。この場
合、空気調和機本体１の内部は区画板４によって上下に
区画されている。そして、上部室５の前面には吹出し口
６、背面には吸込み口７がそれぞれ形成されている。さ
らに、この吸込み口７対向して蒸発器８および補助熱交
換器９が設置されているとともに、吹出し口６に対向し
て室内ファン10のファンケース11が配置されている。こ
の室内ファン10は二軸モータ12の一方の回転軸12aに嵌
着されている。

また、空気調和機本体１の下部室13内には蒸発式凝縮
器２、散水器３、水槽14および排気用ファン15等の各構
成機器が装着されている。この場合、散水器３および排
気用ファン15は二軸モータ12の他方の回転軸12bに嵌着
されており、散水器３は排気用ファン15の下方に配置さ
れている。さらに、排気用ファン15は遠心式送風機によ
って形成されている。また、排気用ファン15の周囲に配
設されたファンケース16の吐出口体16aには空気調和機
本体１の外部に配設されたフレキシブルな排気ホースＨ
が接続されている。さらに、空気調和機本体１の背面に
は排気ホースＨの連結部の下方に凝縮器冷却用空気の導
入口17が形成されている。

また、散水器３は下端部から上端部に向けて直径が徐
々に拡大するテーパ状の円筒体によって形成されてい
る。そして、この散水器３の内周壁には複数のヒレ片が
突設されている。これらのヒレ片の内端部は回転軸12b
側への嵌着用のボス部に連結されている。

さらに、散水器３の周囲にはコイル状に巻回される蒸
発式凝縮器２が配置されており、この蒸発式凝縮器２の
周囲には円筒状カバー18が配設されている。この蒸発式
凝縮器２は蒸発器８、補助熱交換器９、図示しない圧縮
機、減圧装置、切換え弁等の各構成機器と冷媒管を介し
て順次連通されており、これらの各構成機器とともに冷
凍サイクルが構成されている。この場合、切換え弁は補
助熱交換器９を冷房運転時には蒸発器として機能させ、
除湿運転時には凝縮器として機能させるように冷凍サイ
クルを切換えるものである。

また、散水器３の下端部は下部室13の底部に配設され
た水槽14内に浸漬されている。この水槽14は仕切り板に
よって２分されている。そして、この水槽14の一方側に
散水器３の下端部、他方側に図示しない給水タンクの給
水部が浸漬されている。さらに、この水槽14にはドレン
ホースの一端が連結されている。このドレンホースの他
端は蒸発器８および補助熱交換器９に付着するドレン水
を溜めるドレンタンクに連結されており、ドレンタンク
内のドレン水はこのドレンホースを介して水槽14内に導
かれるようになっている。なお、19は水槽14内の水位検
出用のフロートスイッチである。

そして、冷房運転時には補助熱交換器９が蒸発器とし
て機能するとともに、圧縮機および二軸モータ12が駆動
される。そのため、室内ファン10の駆動にともない吸込
み口７から上部室５内に吸込まれた室内空気が蒸発器８
および補助熱交換器９によって冷却されて吹出し口６か
ら室内に噴出される。さらに、排気用ファン15の駆動に
ともない導入口17から下部室13内に室内空気が吸込まれ
ると同時に、散水器３の駆動にともない水槽14内の水が
散水器３の上端部から外周方向に向けて霧状に飛散さ
れ、蒸発式凝縮器２に水が降り掛けられてこの蒸発式凝
縮器２が冷却される。また、蒸発式凝縮器２に降り掛け
られた水は水槽14内に流下する。さらに、熱交換後の空
気は排気用ファン15のファンケース16の吐出口体16aか
ら排気ホースＨを介して室外に排出される。

ところで、この種のものにあっては空気調和機本体１
の運転中、高温状態に加熱される蒸発式凝縮器２に降り
掛けられた水は蒸発し易いので、水槽14内の水位が低下
し易い問題があった。そこで、従来から空気調和機本体
１内に給水タンクが装着されており、蒸発式凝縮器２に
降り掛けられた水の一部が蒸発して水槽14内の水位が低
下すると給水タンクから自動的に補給されるようになっ
ている。しかしながら、上記従来構成のものにあっては
空気調和機本体１の大きさに応じて給水タンクの設置ス
ペースが制御されるので、大型の給水タンクを空気調和
機本体１内に配設することができない問題があった。そ
のため、蒸発式凝縮器２を確実に冷却することができる
程度に水槽14内の水位を保持できる時間が例えば４時間
程度となり、比較的短いので、空気調和機本体１の運転
中に給水タンク内への水の補給を高頻度で繰り返さなけ
ればならず、その作業が面倒なものとなる問題があっ
た。また、大型の給水タンクを空気調和機本体１内に配
設した場合には空気調和機本体１全体の小形化を図るこ
とができない問題があった。

（発明が解決しようとする課題） 従来構成のものにあっては空気調和機本体１内に給水
タンクが装着されていたので、大型の給水タンクを空気
調和機本体１内に配設することができず、空気調和機本
体１の運転中に給水タンク内への補給を高頻度で繰り返
す面倒な作業が必要になる問題あるとともに、大型の給
水タンクを空気調和機本体１内に配設した場合には空気
調和機本体１全体の小形化を図ることができない問題が
あった。

この発明は上記事情に着目してなされたもので、空気
調和機本体運転中の給水タンク内への水の補給頻度を低
下させることができ、空気調和機本体の安定運転時間を
延長させることができるとともに、空気調和機本体全体
の小形化を図ることができる空気調和機を提供すること
を目的とするものである。

（課題を解決するための手段） この発明は空気調和機本体の外部に散水器に水を供給
する別体の給水タンクを設けたものである。

（作用） 空気調和機本体の外部に別体の給水タンクを設けるこ
とにより、空気調和機本体の大きさに制限されることな
く給水タンクを大型化して空気調和機本体運転中の給水
タンク内への水の補給頻度を低下させ、空気調和機本体
の安定運転時間を延長させるとともに、空気調和機本体
全体の小形化を図るようにしたものである。

（実施例） 以下、この発明の第１の実施例を第１図および第２図
を参照して説明する。なお、第１図および第２図中で第
７図と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略
する。

第１図および第２図で、21は空気調和機本体１の外部
に配設された別体の給水タンクである。この給水タンク
21は空気調和機本体１の一側部に上部取付け板22および
下部取付け板23をそれぞれ介して固定ねじ24…によって
ねじ止めされている。この場合、空気調和機本体１の一
側部には上部取付け板22及び下部取付け板23の固定ねじ
24…を挿入するねじ穴32…がそれぞれ形成されている。
なお、空気調和機本体１の背面およびその他の面にも同
様のねじ穴32…が形成されており、給水タンク21は空気
調和機本体１の一側部の他に、背面およびその他の面に
も上部取付け板22および下部取付け板23をそれぞれ介し
て適宜、選択的に取付け可能になっている。

また、この給水タンク21は上面が開口されたタンクケ
ース25内に比較的大容量のタンク本体26が配設されてい
る。このタンク本体26はタンクケース25の内底部に配設
された受け皿27上に装着されている。さらに、タンクケ
ース25の上面開口部は蓋28によって着脱可能に閉塞され
ている。また、このタンクケース25の底板25aには複数
のキャスター29が取付けられており、これらのキャスタ
ー29によって給水タンク21の設置場所を簡単に移動可能
になっている。

一方、この給水タンク21のタンク本体26の底部には第
２図に示すように給水パイプ30の一端が連結されてい
る。この給水パイプ30の他端は空気調和機本体１の下部
室13内の水槽14に連結されている。そして、空気調和機
本体１の運転中、散水器３によって蒸発式凝縮器２に降
り掛けられた水の一部が蒸発して水槽14内の水位が低下
するとこの給水タンク21から給水パイプ30を介して自動
的に補給されるようになっている。なお、第２図中で、
31は空気調和器本体１の内部に配設された内部給水タン
クで、この内部給水タンク31は必ずしも空気調和機本体
１内に設ける必要はない。

そこで、上記構成のものにあっては空気調和機本体１
の外部に散水器３に水を供給する別体の給水タンク21を
設けたので、空気調和機本体１の大きさに制限されるこ
となく給水タンク21を大型化することができる。そのた
め、空気調和機本体１運転中の給水タンク21内への水の
補給を一日一回程度に抑えることができ、従来に比べて
給水タンク21内への水の補給頻度を低下させることがで
きる。さらに、給水タンク21内への一回の水補給による
空気調和機本体１の安定運転時間を例えば８時間程度に
延長させることができるので、例えば運転タイマ（切タ
イマ）の使用時間の延長にともない就寝時から朝までの
連続運転を行なうことができる。また、空気調和機本体
１内に格別に大型の内部給水タンクを設置する必要がな
いので、空気調和機本体１全体の小形化を図ることがで
きる。さらに、給水タンク21のタンクケース25の底板25
aに複数のキャスター29を取付けたので、これらのキャ
スター29によって給水タンク21の設置場所を空気調和機
本体１の移動とともに簡単に移動させることができる。

次に、第３図乃至第６図に示すこの発明の第２の実施
例について説明する。これは、空気調和機本体１の背面
下部に取付けたタンク取付け板41に略Ｌ字状に屈曲され
た給水タンク21の支軸部42を設けるとともに、給水タン
ク21にこの支軸部42の鉛直部42aを回動自在に挿入する
管状態の受部43を設け、給水タンク21の受部43内に空気
調和機本体１側の支軸部42の鉛直部42aを回動自在に挿
入することにより、給水タンク21を空気調和機本体１の
背面に設置された背面設置状態（第５図および第６図中
に実線で示す）と空気調和機本体１の側面に設置された
側面設置状態（第５図および第６図中に仮想線で示す）
との間で移動可能に取付けたものである。この場合、給
水タンク21の受部43の内底部と支軸部42の鉛直部42a下
端部との間のクリアランスｌは０＜ｌ＜10mm程度に設定
されている。

そこで、上記構成のものにあっては給水タンク21を空
気調和機本体１の背面に設置された背面設置状態と空気
調和機本体１の側面に設置された側面設置状態との間で
移動可能に取付けたので、例えば給水タンク21を空気調
和機本体１の背面左端部に固定状態で設置した場合のよ
うに排気ホースＨを空気調和機本体１の左側の壁面に取
付けることができなくなるおそれがなく、据付け場所を
比較的自由に選ぶことができる。さらに、空気調和機本
体１の移動時には給水タンク21を空気調和機本体１の側
面に設置させることができるので、給水タンク21を空気
調和機本体１の背面に設置させた場合に比べて空気調和
機本体１の移動に要する最小通過可能間口の幅寸法を小
さくすることができる。また、給水タンク21を空気調和
機本体１の背面に設置させた場合には空気調和機本体１
の正面側から給水タンク21が直接的に目視されることを
防止することができ、外観の向上を図ることができる。
さらに、給水タンク21を空気調和機本体１の背面または
側面に設置させる場合に使用する専用の取付け板をそれ
ぞれの場合毎に設ける必要がないので、コスト低下を図
ることができる。また、給水タンク21の受部43の内底部
と支軸部42の鉛直部42a下端部との間のクリアランスｌ
を０＜ｌ≦10mm程度に設定したので、空気調和機本体１
内の水槽14の水位と給水タンク21のタンク本体26内の水
位との間の水位調整を容易化することができ、空気調和
機本体１内の水槽14側から給水タンク21のタンク本体26
内への水のオーバーフローを防止することができる。

なお、この発明は上記各実施例に限定されるものでは
なく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々実施でき
ることは勿論である。

［発明の効果］ この発明によれば空気調和機本体の外部に散水器に水
を供給する別体の給水タンクを設けたので、空気調和機
本体運転中の給水タンク内への水の補給頻度を低下させ
ることができ、空気調和機本体の安定運転時間を延長さ
せることができるとともに、空気調和機本体全体の小形
化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの発明の第１の実施例を示すも
ので、第１図は給水タンクの取付け状態を示す空気調和
機全体の分解斜視図、第２図は空気調和機本体の内部構
成を示す概略構成図、第３図乃至第６図はこの発明の第
２の実施例を示すもので、第３図は給水タンクの取付け
状態を示す空気調和機全体の分解斜視図、第４図は給水
タンクの支持構造を示す要部の側面図、第５図は給水タ
ンクの移動状態を示す平面図、第６図は同背面図、第７
図は空気調和機本体全体の内部構成を示す概略構成図で
ある。 １……空気調和機本体、２……蒸発式凝縮器、３……散
水器、21……給水タンク。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】空気調和機本体内に蒸発式凝縮器およびこ
   の蒸発式凝縮器に水を飛散させる散水器を備えた可搬式
   の空気調和機において、前記空気調和機本体の外部に前
   記散水器に水を供給する別体の給水タンクを設けたこと
   を特徴とする空気調和機。
2. 【請求項２】給水タンクは空気調和機本体の背面に設置
   された背面設置状態または前記空気調和機本体の側面に
   設置された側面設置状態の何れかに選択的に取付け可能
   にしたものであることを特徴とする請求項第（１）項記
   載の空気調和機。