JP2592561B2 - 油圧ポンプの制御装置 - Google Patents

油圧ポンプの制御装置

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JP2592561B2
JP2592561B2 JP3515812A JP51581291A JP2592561B2 JP 2592561 B2 JP2592561 B2 JP 2592561B2 JP 3515812 A JP3515812 A JP 3515812A JP 51581291 A JP51581291 A JP 51581291A JP 2592561 B2 JP2592561 B2 JP 2592561B2
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洋 渡邊
康雄 田中
鋭機 和泉
裕 尾上
重孝 中村
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は油圧ショベル、油圧クレーン等の油圧機械に
用いる油圧駆動回路における油圧ポンプの制御装置に係
わり、特に、油圧ポンプの吐出圧力を油圧アクチュエー
タの負荷圧より所定値だけ高く保持するようにポンプ吐
出量を制御するロードセンシング制御油圧駆動回路にお
ける油圧ポンプの制御装置に関する。
背景技術 油圧ショベル、油圧クレーン等の油圧機械に用いる油
圧駆動回路は、少なくとも1台の油圧ポンプと、この油
圧ポンプから吐出される圧油によって駆動される少なく
とも1つの油圧アクチュエータと、油圧ポンプとアクチ
ュエータの間に接続され、アクチュエータに供給される
圧油の流量を制御する流量制御弁とを備えている。この
油圧駆動回路には、油圧ポンプの吐出量の制御にロード
センシング制御(LS制御)と称される方式を採用したも
のが知られている。ロードセンシング制御とは、油圧ポ
ンプの吐出圧力が油圧アクチュエータの負荷圧力よりも
一定値だけ高くなるよう油圧ポンプの吐出量を制御する
ものであり、これにより油圧アクチュエータの負荷圧力
に応じた油圧ポンプの吐出量の制御が行われ、経済的な
運転が可能となる。
ところで、ロードセンシング制御では、吐出圧力と負
荷圧力との差圧(LS差圧)を検出し、そのLS差圧と差圧
目標値との偏差に応答して油圧ポンプの押しのけ容積、
斜板ポンプにあっては斜板の位置(傾転量)を制御する
構成となっている。従来、この差圧の検出と斜板の傾転
量の制御は、例えば特開昭60−11706号公報に記載のよ
うに油圧的に行うのが一般的である。以下、この構成を
簡単に説明する。
特開昭60−11706号公報に記載のポンプ制御装置は、
一端に油圧ポンプの吐出圧力が作用し、他端に複数のア
クチュエータの最高負荷圧力とバネの付勢力が作用する
制御弁と、この制御弁を通過する圧油により駆動が制御
され、油圧ポンプの斜板位置を制御するシリンダ装置と
を備えている。制御弁の一端のバネはLS差圧の目標値を
設定するもので、LS差圧とその目標値との間に偏差が生
じると制御弁が駆動され、シリンダ装置が作動して斜板
位置を制御し、LS差圧が目標値に保持されるようポンプ
吐出量が制御される。シリンダ装置には、圧油の流入に
よる駆動に対向して付勢力を付与するバネが内蔵されて
いる。
しかしながら、この従来の油圧ポンプの制御装置にお
いて以下のような問題点がある。
従来のポンプ制御装置において、油圧ポンプの斜板の
傾転速度はシリンダ装置へ流入する圧油の流量によって
決まるが、その圧油の流量は制御弁の開度、即ち、位置
と、シリンダ装置内のバネの設定とによって決まり、そ
の制御弁の位置はLS差圧の付勢力とその差圧の目標値を
設定するバネとの力関係によって決まる。ここで、制御
弁のバネ及びシリンダ装置のバネはそれぞれ一定のばね
定数を有している。従って、LS差圧とその目標値との偏
差に対する斜板の傾転速度の制御ゲインは一定となる。
この制御ゲイン、即ち、2つのバネの設定は、斜板位置
の変化による吐出量の変化により、ポンプ吐出圧力の変
化がハンチングを起こして制御不能にならない範囲に定
められる。
また、LS制御においては、油圧ポンプと流量制御弁と
の間の管路に流入する流量とその管路から流出する流量
との差と、吐出流量が押し込まれる管路容積とによって
油圧ポンプの吐出圧力が決まる。このため、流量制御弁
の操作量(要求流量)が小さいときは流量制御弁の開度
が小さいので、油圧ポンプと流量制御弁との間の少ない
管路容積が支配的になり、斜板位置の変化による流量変
化が僅かでも、圧力変化が大きくなる。一方、流量制御
弁の操作量が大きくなって開度が大きくなると、ポンプ
からアクチュエータまでの大きな管路容積が圧力変化に
関与するようになり、吐出量の変化による圧力変化が小
さくなる。
従って、流量制御弁の全操作量(開度)範囲に亘って
ハンチングを起こさず、LS制御を確実に行うためには、
流量制御弁の開度が小さいときにハンチングを起こさな
い斜板の傾転速度が得られるよう、上述の制御ゲイン、
即ち、2つのバネのばね定数は比較的小さく設定され
る。
ところで、操作レバーを操作するとき、オペレータは
アクチュエータに要求する速度変化に応じた速度で操作
レバーを操作しようとするが、操作レバーの操作速度が
小さいときには、流量制御弁の要求流量と油圧ポンプの
吐出流量との差が小さいので、ポンプ吐出圧力と最大負
荷圧力の差圧信号とバネによって設定される目標差圧と
の偏差も小さくなる。この場合、操作レバーの操作速度
が小さいのであるから、上記2つのバネの上述した設定
で十分な油圧ポンプの傾転速度、すなわちポンプの吐出
流量の変化を得ることができ、要求されるアクチュエー
タの速度変化を実現できる。
しかしながら、操作レバーの操作速度が大きいとき、
すなわち操作レバーが急激に操作されたときには、流量
制御弁の要求流量と油圧ポンプの吐出流量に大きな差が
でき、ポンプ吐出圧力と最大負荷圧力の差圧信号とバネ
の目標差圧との偏差が大きくなる。この場合、上述した
2つのバネの設定では、斜板の傾転速度、すなわちポン
プの吐出流量の変化は制限されてしまい、不十分とな
る。そのため、要求されるアクチュエータの速度変化が
実現できず、アクチュエータが緩慢な動きをするように
なるという問題がある。
そこで、上記問題を解決するため、本件発明者等は国
際出願番号PCT/JP90/00962(国際出願日:1990年7月27
日;国際公開番号WO91/02167;国際公開日:1991年2月21
日)の出願において、油圧ポンプの吐出圧力と複数のア
クチュエータの最大負荷圧力との差圧に基づき、その差
圧と予め設定した目標差圧との差圧偏差を小さくする油
圧ポンプの目標押しのけ容積(斜板傾転量)を決定する
第1の手段と、前記差圧偏差が増加すると大きくなり、
減少すると小さくなる前記第1の手段の制御ゲインを決
定する第2の手段と、前記油圧ポンプの押しのけ容積が
前記第1の手段で決定した目標押しのけ容積に一致する
ように前記油圧ポンプの押しのけ容積可変手段(斜板)
を制御する第3の手段とを備えることを特徴とする油圧
ポンプの制御装置を提案した。
このように構成することにより、操作レバーの操作速
度が小さく、差圧偏差が小さい範囲では、上記第2の手
段で決定される制御ゲインも小さくなり、斜板の傾転速
度が小さくなって、吐出圧力が急変してハンチングを起
こしてしまうことのない安定した制御が可能となり、操
作レバーの操作速度が大きく、すなわち、操作レバーが
急激に操作され、差圧偏差が大きくなったときには、第
2の手段で決定され得る制御ゲインは大きくなり、斜板
の傾転速度が大きくなって、緩慢でない俊敏な応答が可
能となる。これにより、操作レバーの操作速度に係わら
ず、常に最適な油圧ポンプの吐出圧力の制御を行える。
本発明は、この先願発明を更に改良し、上記目標差圧
を可変とした場合の問題点を解決するものである。
すなわち、ロードセンシング制御において、ポンプ吐
出圧力と最大負荷圧力の目標差圧は一般に一定である
が、種々の目的からこの目標差圧を可変にすることが検
討されている。この一例が特開平2−76904号公報に記
載されている。この提案技術においては、アクチュエー
タの微速度作動を容易にするために外部からの操作で当
該目標差圧を変更できるようにしたもので、目標差圧を
小さくすることにより、この小さな目標差圧が保たれる
ように油圧ポンプの押しのけ容積が制御され、その結
果、流量制御弁の前後差圧もこの小さな差圧に規制され
て小さくなるので、アクチュエータに供給される流量が
少なくなるよう流量制御弁のメータリング特性が変更さ
れ、アクチュエータの微速度作動を容易に実現できるよ
うになる。
しかしながら、このように目標差圧を可変にした場
合、目標差圧が小さいときには差圧偏差は目標差圧以上
にはなれないので、差圧偏差の最大値も小さな値に制限
され、操作レバーの操作速度が大きいとき、すなわち操
作レバーを急激に操作したときにその制限された小さな
差圧偏差しか得られなくなる。従って、上記先願発明の
ように差圧偏差に応じて制御ゲインを設定するようにし
ても、得られる制御ゲインは小さくなり、斜板の傾転速
度は制限されて、アクチュエータが緩慢な動きをするよ
うになる。
本発明の目的は、ロードセンシング制御の目標差圧を
可変値として設定した場合において、その目標差圧の如
何に係わらず、操作手段の操作速度が小さいときはハン
チングを起こさず、安定した制御が可能であると共に、
操作手段の操作速度が大きいときは緩慢でない俊敏な応
答が可能な油圧ポンプの制御装置を提供することであ
る。
発明の開示 この目的を達成するために、本発明による油圧ポンプ
の制御装置は、可変容量型の少なくとも1台の油圧ポン
プと、この油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動
される少なくとも1つの油圧アクチュエータと、前記油
圧ポンプとアクチュエータの間に接続され、アクチュエ
ータに供給される圧油の流量を制御する流量制御弁とを
備えたロードセンシング制御油圧駆動回路の油圧ポンプ
の制御装置であって、前記油圧ポンプの吐出圧力と前記
アクチュエータの負荷圧力との差圧と目標差圧との差圧
偏差に基づいて目標押しのけ容積を求め、前記吐出圧力
と負荷圧力との差圧が目標差圧に保持されるよう前記油
圧ポンプの押しのけ容積を制御する油圧ポンプの制御装
置において、前記目標差圧を可変値として設定してある
第1の手段と、前記可変値としての目標差圧から求めら
れる前記差圧偏差が増加すると大きくなり、減少すると
小さくなると共に、前記目標差圧が小さくなると比較的
小さな差圧偏差で大きくなる制御係数を決定する第2の
手段と、前記可変値としての目標差圧から求められる前
記差圧偏差と前記制御係数とから前記目標押しのけ容積
を決定する第3の手段とを備えることを特徴とするもの
である。
このように構成した本発明においては、第1の手段で
設定された目標差圧が大きく、かつ操作手段の操作速度
が小さく差圧偏差が小さいときには、第2の手段で小さ
な制御係数が求められるので、押しのけ容積の変化速度
が小さくなる。このため、ポンプ吐出圧力の変化が小さ
くなって、吐出圧力が急変してハンチングを起こしてし
まうことのない安定した制御が可能となる。また、同じ
大きな目標差圧で、操作手段の操作速度が大きく、即
ち、操作手段が急激に操作されて、差圧偏差が大きくな
ったときには、第2の手段で大きな制御係数が求められ
るので、押しのけ容積の変化速度が大きくなり、緩慢で
ない俊敏な応答が可能となる。したがって、操作手段の
操作速度に係わらず、常にハンチングを起こさずかつ緩
慢でない最適な油圧ポンプの吐出圧力の制御が行える。
また、第1の手段で小さな目標差圧が設定されたとき
には、第2の手段において比較的小さな差圧偏差で大き
な制御係数が求められるので、操作手段の操作速度が大
きいときに得られる差圧偏差が目標差圧が小さくなった
ことに対応して小さくなっても、大きな制御係数が求め
られる。このため、目標差圧が大きい場合と同様に押し
のけ容積の変化速度が大きくなって、ポンプの吐出量変
化が緩慢とならない俊敏な制御が行える。したがって、
操作手段の操作速度だけでなく、可変値としての目標差
圧の大きさに係わらず、ハンチングを起こさずかつ緩慢
でない最適なポンプ吐出圧力の制御が行なえる。
好ましくは、前記第2の手段は、前記目標差圧が小さ
くなると前記差圧偏差の変化幅を大きく補正する第4の
手段と、この補正された差圧偏差に基づき前記制御係数
を決定する第5の手段とを備える。前記第4の手段は、
好ましくは、前記目標差圧が小さくなると大きくなる第
1の補正係数を演算する手段と、前記差圧偏差に前記第
1の補正係数を乗じて当該差圧偏差を補正する手段とを
含む。また、前記第5の手段は、好ましくは、前記補正
された差圧偏差からこの差圧偏差が増加すると大きくな
り、減少すると小さくなる第2の補正係数を演算する手
段と、基本制御係数を予め設定してある手段と、この基
本制御係数に前記第2の補正係数を乗じて前記制御係数
を演算する手段とを含む。
また、前記第2の手段は、前記目標差圧が小さくなる
と大きくなる第1の補正係数を演算する手段と、前記差
圧偏差からこの差圧偏差が増加すると大きくなり、減少
すると小さくなる第2の補正係数を演算する手段と、前
記第1の補正係数に前記第2の補正係数を乗じて前記制
御係数を演算する手段とを備えていてもよい。
また、前記第2の手段は、前記差圧偏差が増加すると
大きくなり、減少すると小さくなると共に、前記目標差
圧が小さくなる、比較的小さな差圧偏差で大きな値とな
る第2の補正係数を演算する手段と、基本制御係数を予
め設定してある手段と、この基本制御係数に前記第2の
補正係数を乗じて前記制御係数を演算する手段とを備え
ていてもよい。
また、好ましくは、上記油圧ポンプの制御装置は、前
記油圧ポンプを駆動する原動機の回転数を検出する手段
を更に備え、前記第1の手段は、前記検出した回転数が
大きくなると増加し、小さくなると減少する値として前
記目標差圧を設定している。
このように構成することにより、オペレータがアクチ
ュエータの微速操作を意図して原動機の回転数を下げた
ときには、原動機の回転数が小さくなると目標差圧が小
さくなって、油圧ポンプの吐出圧力とアクチュエータの
負荷圧力との差圧が小さくなり、これに対応して流量制
御弁の前後差圧も小さくなるので、アクチュエータへの
供給流量が減少し、オペレータの意図に対応した微速操
作が容易に行えるようになる。
また、好ましくは、上記油圧ポンプの制御装置は、前
記油圧駆動回路の作動油の温度を検出する手段を更に備
え、前記第1の手段は、前記検出した油温が大きくなる
と減少し、小さくなると増加する値として前記目標差圧
を設定する。
このように構成することにより、低温環境下での作業
では、目標差圧が大きくなるので、アクチュエータへの
供給流量の低下が防止され、作業性が改善される。
更に、好ましくは、上記油圧ポンプの制御装置は、前
記油圧駆動回路が搭載される油圧機械の作業モードを指
定する作業モード信号を出力する手段を更に備え、前記
第1の手段は、複数の作業モードに対応して複数の異な
る目標差圧が記憶されており、前記作業モード信号に応
じてその指定された作業モードに対応する目標差圧を選
択する。
このように構成することにより、作業モードに応じて
最適の目標差圧が設定されるので、作業内容に応じた最
適のメータリング特性が与えられ、作業性が改善され
る。
また、好ましくは、上記油圧ポンプの制御装置は、前
記油圧ポンプを駆動する原動機の回転数を検出する手段
と、前記油圧駆動回路の作動油の温度を検出する手段
と、前記油圧駆動回路が搭載される油圧機械の作業モー
ドを指定する作業モード信号を出力する手段とを更に備
え、前記第1の手段は、前記検出した回転数が大きくな
ると増加し、小さくなると減少する回転数補正係数を演
算する手段と、前記検出した油温が大きくなると減少
し、小さくなると増加する油温補正係数を演算する手段
と、複数の作業モードに対応して複数の異なる目標差圧
が記憶されており、前記作業モード信号に応じてその指
定された作業モードに対応する目標差圧を選択する手段
と、この作業モード対応の目標差圧と前記回転数補正係
数及び油温補正係数とから前記可変値としての目標差圧
を演算する手段とを備える。
このように構成することにより、上記原動機の回転数
を下げたときの微速操作性の向上、低温環境下での作業
での作業性の改善、作業内容に応じたメータリング特性
の設定の効果が同時に得られる。
更に、好ましくは前記第4の手段は、前記差圧偏差に
前記制御係数を乗じて前記押しのけ容積の目標変化速度
を演算する手段と、前記目標変化速度を前回求めた目標
押しのけ容積に加算して新たな目標押しのけ容積を求め
る手段とを備える。
図面の簡単な説明 第1図は本発明の一実施例による油圧ポンプの制御装
置を備えたロードセンシング制御油圧駆動回路を示す概
略図である。
第2図は斜板位置制御装置の構成を示す概略図であ
る。
第3図は制御ユニットの構成を示す概略図である。
第4図は制御ユニットで行われる制御手順を示すフロ
ーチャートである。
第5図は目標回転数Nrと目標差圧ΔP0との関係を示す
図である。
第6図は第4図に示すフローチャートの制御係数Kiの
演算手順の詳細を示すフローチャートである。
第7図は目標差圧ΔP0と補正係数ΔKΔPとの関係を示
す図である。
第8図は補正差圧偏差Δ(ΔP)*と補正係数Krとの
関係を示す図である。
第9図は第4図のフローチャートにおける油圧ポンプ
の斜板目標位置の演算手順の詳細を示すフローチャート
である。
第10図は第4図のフローチャートにおける油圧ポンプ
の斜板位置の制御手順の詳細を示すフローチャートであ
る。
第11図は上述した実施例の構成をまとめてブロック化
したものを示すブロック図である。
第12図は第11図に示すブロック図の要部の機能をまと
めて示すブロック図である。
第13図は目標差圧が大きいときの流量制御弁開度、LS
差圧、制御係数及び斜板位置の時間変化の関係を示す図
である。
第14図は目標差圧が小さいときの流量制御弁開度、LS
差圧、制御係数及び斜板位置の時間変化の関係を示す図
である。
第15図は本発明の第2の実施例による油圧ポンプの制
御装置を示す第11図と同様なブロック図である。
第16図は第15図に示すブロック図の要部の機能をまと
めて示すブロック図である。
第17図は本発明の第3の実施例による油圧ポンプの制
御装置を示す第11図と同様なブロック図である。
第18図は第17図に示すブロック図の要部の詳細を示す
ブロック図である。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の一実施例を第1図〜第14図により説明
する。
第1図において、本実施例に係わる油圧駆動回路は油
圧機械として油圧ショベルに搭載されるもので、油圧ポ
ンプ1と、この油圧ポンプ1から吐出される圧油によっ
て駆動される複数の油圧アクチュエータ2,2Aと、油圧ポ
ンプ1とアクチュエータ2,2Aの間に接続され、操作レバ
ー3a,3bの操作によりアクチュエータ2,2Aに供給される
圧油の流量をそれぞれ制御する流量制御弁3,3Aと、流量
制御弁3,3Aの上流と下流の差圧、即ち、前後差圧を一定
に保ち、流量制御弁3,3Aの通過流量を流量制御弁3,3Aの
開度に比例した値にそれぞれ制御する圧力補償弁4,4Aと
を備え、流量制御弁3と圧力補償弁4の1組で1つの圧
力補償流量制御弁を構成し、流量制御弁3Aと圧力補償弁
4Aの1組で他の1の圧力補償流量制御弁を構成してい
る。油圧ポンプ1は押しのけ容積可変機構として斜板1a
を有している。
油圧ポンプ1は原動機15によって駆動される。この原
動機15は通常はディーゼルエンジンであり、燃料噴射装
置16で回転数が制御される。燃料噴射装置16は、手動の
ガバナレバー17を有するオールスピードガバナであり、
ガバナレバー17を操作することによりその操作量に応じ
た目標回転数が設定され、燃料噴射が制御される。
また、油圧ポンプ1は、差圧検出器5、斜板位置検出
器6、ガバナ角検出器18、制御ユニット7及び斜板位置
制御装置8とからなる制御装置によりその吐出量が制御
される。差圧検出器5は、シャトル弁9,9Aにより選択さ
れたアクチュエータ2,2Aを含む複数のアクチュエータの
最大負荷圧力PLと油圧ポンプ1の吐出圧力Pdとの差圧
(LS差圧)を検出し、それを電気信号ΔPに変換し、制
御ユニット7へ出力する。斜板位置検出器6は、油圧ポ
ンプ1の斜板1aの位置(傾転量)を検出し、これを電気
信号θに変換して制御ユニット7へ出力する。ガバナ角
検出器18はガバナレバー17の操作量を検出し、それを電
気信号Nrに変換して制御ユニット7に出力する。制御ユ
ニット7は電気信号ΔP.θ,Nrに基づき油圧ポンプ1の
斜板1aの駆動信号を演算し、この駆動信号を斜板位置制
御装置8に出力する。斜板位置制御装置8は、制御ユニ
ット7からの駆動信号により斜板1aを駆動し、ポンプ吐
出量を制御する。
斜板位置制御装置8は、例えば第2図に示すように電
気−油圧サーボ式油圧駆動装置として構成されている。
即ち、斜板位置制御装置8は、油圧ポンプ1の斜板1a
を駆動するサーボピストン8bを有し、サーボピストン8b
はサーボシリンダ8c内に収納されている。サーボシリン
ダ8cのシリンダ室はサーボピストン8bによって左側室8d
及び右側室8eに区分されており、左側室8dの断面積Dは
右側室8eの断面積dよりも大きく形成されている。
サーボシリンダ8cの左側室8dは、パイロットポンプ等
の油圧源10と管路8fを介して連絡され、サーボシリンダ
8cの右側室8eは油圧源10と管路8iを介して連結され、管
路8fは戻り管路8jを介してタンク11に連絡されている。
管路8fには電磁弁8gが介設され、戻り管路8jには電磁弁
8hが介設されている。これらの電磁弁8g,8hはノーマル
クローズ(非通電時、閉止状態に復帰する機能)の電磁
弁であって、制御ユニット7からの駆動信号により切換
えられる。
電磁弁8gが励磁(オン)されて切換位置Bに切り換わ
ると、サーボシリンダ8cの左側室8dが油圧源10と連通
し、左側室8dと右側室8eの面積差によってサーボピスト
ン8bが第2図で見て右方に移動する。これにより油圧ポ
ンプ1の斜板1aの傾転角が増大し、吐出量が増加する。
また、電磁弁8g及び電磁弁8hが消磁(オフ)されて双方
とも切換位置Aに復帰すると、左側室8dの油路が遮断さ
れ、サーボピストン8bはその位置にて静止状態に保持さ
れる。これにより油圧ポンプ1の斜板1aの傾転角が一定
に保持され、吐出量が一定に保持される。電磁弁8hが励
磁(オン)されて切換位置Bに切り換わると、左側室8d
とタンク11とが連通して左側室8dの圧力が低下し、サー
ボピストン8dは右側室8eの圧力により、第2図左方に移
動される。これにより油圧ポンプ1の斜板1aの傾転角が
減少し、吐出量も減少する。
制御ユニット7はマイクロコンピュータで構成され、
第3図に示すように、差圧検出器5から出力される差圧
信号ΔPと、斜板位置検出器6から出力される斜板位置
信号θと、ガバナ角検出器18から出力されるガバナレバ
ー17の操作量信号Nrをデジタル信号に変換するA/Dコン
バータ7aと、中央演算装置(CPU)7bと、制御手順のプ
ログラムを格納するリードオンリーメモリ(ROM)7c
と、演算途中の数値を一時記憶するランダムアクセスメ
モリ(RAM)7dと、出力用のI/Oインタフェイス7eと、上
述の電磁弁8g,8hに接続される増幅器7g,7hとを備えてい
る。
制御ユニット7は、差圧検出器5から出力される差圧
信号ΔPとガバナ角検出器18から出力されるガバナレバ
ー操作量信号Nrから、ROM7cに格納された制御手順プロ
グラムに基づいて油圧ポンプ1の斜板目標位置θ0を演
算し、この斜板目標位置θ0と斜板位置検出器6から出
力される斜板位置信号θとから両者の偏差を零にする駆
動信号を作成し、これをI/Oインタフェイス7eを経て増
幅器7g,7hから斜板位置制御装置8の電磁弁8g,8hに出力
する。これにより油圧ポンプ1の斜板1aは、斜板位置信
号θが斜板目標位置θ0に一致するよう制御される。
以下、第4図に示す、ROM7cに格納された制御手順プ
ログラムのフローチャートに従い、本実施例の機能及び
動作を詳細に説明する。
まず、手順100において、差圧検出器5、斜板位置検
出器6及びガバナ角検出器18からの信号ΔP,θ,NrをA/D
コンバータ7aを介して入力し、差圧ΔP、斜板位置θ及
び目標回転数NrとしてRAM7dに記憶する。
次に、手順110において手順100で読み込んだ目標回転
数Nrから目標差圧ΔP0を演算する。その方法は、第5図
に示すようなテーブルデータを予めROM7cに記憶してお
き、目標回転数Nrに対してそのテーブルデータから目標
差圧ΔP0を読み出す。又は、演算式を予めプログラムし
ておき、演算により目標差圧ΔP0を求めてもよい。テー
ブルデータの目標回転数Nrと目標差圧ΔP0の関係は、目
標回転数Nrが高いときに目標差圧ΔP0が大きく、目標回
転数Nrが小さくなるにしたがって目標差圧ΔP0が小さく
なるような特性である。特に本実施例では、目標回転数
Nrが最大Nrmaxのときに得られる最大の目標差圧ΔP0max
が、第1図に示す油圧回路の通常の動作に適した標準の
目標差圧となるように設定されている。
ここで、上記のように目標回転数Nrと目標差圧ΔP0
の関係を設定したのは、原動機回転数を低下して微速操
作を行うというオペレータの意図に対応して目標差圧Δ
P0を小さくし、流量制御弁の前後差圧もこれに対応して
小さくしてアクチュエータに供給される流量が少なくな
るよう流量制御弁のメータリング特性を変更し、微速操
作を容易にするためである。
次に、手順120において、手順110で求めた目標差圧Δ
P0と手順100において読み込んだ差圧ΔP0との偏差Δ
(ΔP)を演算する。
次に、手順130において斜板1aの傾転速度の制御係数K
iを演算する。その詳細を第6図に示す。
第6図において、まず手順131で差圧偏差の補正係
数、即ち、第1の補正係数KΔPを演算する。その方法
は、第7図に示すようなテーブルデータを予めROM7cに
記憶しておき、手順110で求めた目標差圧ΔP0から補正
係数KΔPを読み出す。又は、演算式を予めプログラム
しておき、演算により求めてもよい。テーブルデータの
目標差圧ΔP0と補正係数KΔPの関係は、第7図に示す
ように、目標差圧ΔP0が最大ΔP0maxのときに補正係数
ΔPが小さくなり、目標差圧ΔP0が減少するにしたが
い補正係数KΔPが増加するように設定し、特に本実施
例では、目標差圧ΔP0が最大ΔP0maxのときに補正係数
ΔPが1となるように設定してある。なお、最大目標
差圧ΔPpmaxに対応する補正係数KΔPは1以外の値で
あってもよい。
ここで、上記のように目標差圧ΔP0と補正係数KΔP
の関係を設定したのは、目標差圧ΔP0を上記のように可
変にした結果、目標差圧ΔP0が小さいときには、差圧偏
差Δ(ΔP)も目標差圧以上にはなれずに小さな値に制
限されるので、操作レバーの操作速度が大きいときに
は、その制限された小さな差圧偏差を目標差圧が大きい
ときと同程度の大きな値に補正するためである。
次に、手順132において、手順131で求めた補正係数K
ΔPと第4図の手順120で求めた差圧偏差Δ(ΔP)を
乗じて補正された差圧偏差Δ(ΔP)*を演算する。
次に、手順133において、手順132で求めた補正差圧偏
差Δ(ΔP)*から第2の補正係数Krを求める。その方
法は、第8図に示すようなテーブルデータを予めROM7c
に記憶しておき、手順133で求めた補正差圧偏差Δ(Δ
P)*の絶対値から補正係数Krを読み出す。又は、演算
式を予めプログラムしておき、演算により求めてもよ
い。テーブルデータの補正差圧偏差Δ(ΔP)*の絶対
値と補正係数Krの関係は、第8図に示すように、補正差
圧偏差Δ(ΔP)*の絶対値がA1以下の小さいときには
補正係数Krが最小値Krminとなり、補正差圧偏差Δ(Δ
P)*の絶対値がA2以上に大きくなると、補正係数Krが
最大値Krmaxとなり、補正差圧偏差Δ(ΔP)*の絶対値
がA1からA2の範囲で補正係数Krが、当該絶対値が大きく
なるにしたがって最小値Krminら最大値Krmaxに連続的に
増加する特性となっている。 ここで、補正係数Krの最
小値Krminは、油圧ポンプ1の斜板位置θが小さくかつ
原動機15の目標回転数Nrが最大Nrmaxのときに、油圧ポ
ンプ1の吐出圧力が急変してハンチングを起こしてしま
うことのない安定した制御が行える制御係数Kiが得られ
る値とし、補正係数Krの最大値Krmaxは、ポンプ吐出圧
力の変化が緩慢でない俊敏な制御が行える制御係数Kiが
得られる値とする。そして、特に本実施例では、Krmax
は1に設定してある。なお、この最大値Krmaxは1以外
の値であってもよい。また、補正係数Krは最小値Krmin
から最大値Krmaxの間を不連続に変化する値であっても
よい。
次に、手順134において、予め設定してある制御係数
の基本値Ki0と手順133において求めた補正係数Krを乗じ
て制御係数Kiを求める。ここで、制御係数の基本値Ki0
は補正係数Krの値に対応して最適の制御係数を設定する
もので、本実施例では、補正係数Krが補正差圧偏差Δ
(ΔP)*の絶対値がA2以上に大きいときに1なので、
差圧偏差Δ(ΔP)が大きいときにポンプ吐出圧力の変
化が緩慢でない俊敏な制御が行える制御係数Kiの値に一
致させる。なお、第8図における補正係数Krの最小値Kr
minを1と設定すれば、制御係数の基本値Ki0は、油圧ポ
ンプ1の斜板位置θが小さくかつ原動機15の目標回転数
Nrが最大Nrmaxのときに油圧ポンプ1の吐出圧力が急変
してハンチングを起こしてしまうことのない安定した制
御が行える制御係数Kiに一致させればよく、また、補正
係数の最小値Krminと最大値Krmaxとの中間の値を1とす
れば、基本値Ki0もそのときの差圧偏差Δ(ΔP)に対
して最適の制御が行える制御係数Kiに一致させればよ
い。
次に、第4図に戻って、手順140において積分制御に
より油圧ポンプの斜板目標位置(目標傾転量)を演算す
る。第9図に手順140の詳細を示す。
第9図において、まず手順141にて斜板目標位置の増
分ΔθΔPを演算する。演算は手順130で求めた制御係
数Kiに差圧偏差Δ(ΔP)を乗ずることにより行なう。
この斜板目標位置の増分ΔθΔPは、プログラムが手順
100から150までに掛る時間(サイクルタイム)をtcとす
れば、tc時間内における斜板目標位置の増分となるの
で、ΔθΔP/tcが斜板の目標傾転速度となる。
次に手順142において、前回演算した斜板目標位置θ
0-1に増分ΔθΔPを加算し、今回の(新しい)斜板目
標位置θ0を演算する。
次に第4図に戻って、手順150において油圧ポンプの
斜板位置(傾転量)の制御を行なう。その詳細を第10図
に示す。
第10図において、まず手順151にて、手順140で演算し
た斜板目標位置θ0と手順100で読み込んだ斜板位置θと
の偏差Zを演算する。 次に手順152において、偏差Z
の絶対値が斜板位置制御の不感帯Δ以内に入っているか
を判定する。ここで|Z|が不感帯Δより小さい(|Z|<
Δ)と判定されると手順154へ行き、電磁弁8g,8hにOFF
信号を出力し、斜板位置を固定する。手順152において|
Z|が不感帯Δより大きい(|Z|≧Δ)を判定されると手
順153へ行く。手順153ではZの正負を判定する。Zが正
(Z>0)と判定した場合、手順155へ行く。手順155で
は斜板位置を大方向へ動かすために電磁弁8gにON、電磁
弁8hにOFF信号を出力する。
手順153においてZが負(Z≦0)と判定された場合
は手順156へ行き、斜板位置を小方向へ動かすために電
磁弁8gへOFF、電磁弁8hにON信号を出力する。
以上の手順151〜156により斜板位置は目標位置に一致
するように制御される。また、これら手順100〜150はサ
イクルタイムtc間に一回行なわれることで、結果的に斜
板1aの傾転速度を先に述べた目標速度ΔθΔP/tcに制
御する。
以上の構成をまとめてブロック図化したのが第11図で
ある。図中、全体の制御ブロックを200で示す。また、
ブロック202が手順110に対応し、ブロック201が手順120
に対応し、ブロック210〜213及びブロック203が手順130
に対応し、そのうちブロック210が手順131に、ブロック
211が手順132に、ブロック212が手順133に、ブロック20
3,213が手順134にそれぞれ対応する。また、ブロック20
5,206が手順140に対応し、ブロック207〜209が手順150
に対応する。
また、以上のブロック図において、ブロック210〜213
及び203の機能をまとめて示すと第12図にブロック214で
示すようである。即ち、ブロック210〜213及び203は、
可変値としての目標差圧ΔP0から求められる差圧偏差Δ
(ΔP)が増加すると大きくなり、減少すると小さくな
ると共に、目標差圧ΔP0が小さくなると比較的小さな差
圧偏差Δ(ΔP)で大きくなる制御係数Kiを決定する。
したがって、第11図において、ブロック202は目標差圧
ΔP0を可変値として設定してある第1の手段を構成し、
ブロック201〜213及び203は、可変値としての目標差圧
ΔP0から求められる差圧偏差Δ(ΔP)が増加すると大
きくなり、減少すると小さくなると共に、目標差圧ΔP0
が小さくなると比較的小さな差圧偏差Δ(ΔP)で大き
くなる制御係数Kiを決定する第2の手段を構成し、ブロ
ック205及び206は可変値としての目標差圧ΔP0から求め
られる差圧偏差Δ(ΔP)と前記制御係数Kiとから目標
押しのけ容積θ0を決定する第3の手段を構成する。
次に、以上のように構成した本実施例の動作を説明す
る。
アクチュエータ2の操作レバー3aを操作して流量制御
弁3を任意の開度で開けると、ポンプ吐出圧力Pdとアク
チュエータ2の負荷圧力PLとの差圧、即ち、LS差圧ΔP
が低下する。このLS差圧ΔPの低下は差圧検出器5で検
出され、制御ユニット7内で可変値として設定された目
標差圧ΔP0との偏差Δ(ΔP)が演算され、この差圧偏
差Δ(ΔP)に制御係数Kiを乗じて斜板目標位置(傾転
量)の増分、即ち、斜板の目標傾転速度ΔθΔPを求め
る。そして、前回の斜板目標位置θ0-1にこの増分を加
算し、新たな斜板目標位置θ0を演算し、その斜板目標
位置θ0に実際の斜板位置を一致させるようΔθΔP
傾転速度で斜板を駆動し、LS差圧ΔPを制御する。これ
により、LS差圧ΔPが目標差圧ΔP0に保持されるよう油
圧ポンプ1の吐出量が制御される。
また、以上の制御過程において、制御係数Kiが次のよ
うに求められる。今、ガバナレバー17の操作量を最大に
して原動機15の目標回転数Nrを最大Nrmaxに設定したと
すると、これに対応して第11図のブロック202では目標
差圧として大きな値、即ち、最大目標差圧ΔP0maxが設
定され、ブロック210で求める第1の補正係数KΔP
1となる。この補正係数KΔP(=1)はブロック211
において差圧偏差Δ(ΔP)と乗算され、この場合は、
ΔP=1であるので、差圧偏差Δ(ΔP)と同じ補正
差圧偏差Δ(ΔP)*が求められる。ブロック212におい
ては、この補正差圧偏差Δ(ΔP)*に基づいて対応す
る第2の補正係数Krを求め、ブロック213において基本
値Ki0と乗算され、制御係数Kiが求められる。
したがって、今、操作レバー3aの操作速度が小さいと
すると、ポンプ吐出圧力の低下が小さく、差圧偏差Δ
(ΔP)も小さいので、第11図のブロック212で演算さ
れる補正係数Krも小さな値(<1)となり、制御係数Ki
も小さな値となる。このため、斜板の目標傾転速度Δθ
ΔPも小さくなり、斜板1aは小さな傾転速度で駆動され
る。従って、即ち、流量制御弁3の開度が小さくても、
吐出圧力が急変してハンチングを起こしてしまうことの
ない安定した制御が行える。
また、操作レバー3aを大きな速度で操作して、流量制
御弁3の開度を急に大きくしたときには、ポンプ吐出圧
力の低下が大きくなり、差圧偏差Δ(ΔP)も大きくな
るので、補正係数Krも大きな値(≒1)が求められ、制
御係数Krも大きな値となる。このため、斜板の目標傾転
速度ΔθΔPは大きくなり、斜板1aは大きな傾転速度で
駆動される。即ち、ポンプ吐出圧力の変化が緩慢でない
俊敏な制御が行える。ポンプ吐出量が要求流量に近づ
き、差圧偏差Δ(ΔP)が小さくなると、操作レバー3
の操作速度が小さい場合の上述した説明と同様に、制御
係数Krは小さくなり、斜板1aの傾転速度は小さくなっ
て、ハンチングのない安定した状態で制御が収束する。
第13図に、このときの流量制御弁3の操作量(開度)
X、LS差圧ΔP、制御係数Ki及び斜板1aの傾転量θの時
間変化の関係を示す。図中、一点鎖線は、流量制御弁開
度Xが小さい領域で安定した制御を行えるように制御係
数Kiを小さい一定の値に設定した場合のLS差圧ΔP、制
御係数Ki及び斜板傾転量θの時間変化である。この場
合、流量制御弁開度Xを急に大きくすると、制御係数Ki
は一定の小さい値なので斜板傾転速度が小さく、差圧Δ
Pが目標差圧ΔP0に復帰する時間が長くなって、動作の
緩慢な機械に感じられてしまう。
一方、本実施例では、図中実線で示すように、流量制
御弁3の開度Xを急に大きくすると、ポンプ吐出圧力の
低下が大きくなるので、差圧偏差Δ(ΔP)も大きくな
る。このため、制御係数Kiも大きな値となって、斜板1a
の傾転速度が大きくなった状態で傾転量が増加して行
く。流量制御弁3の要求流量とポンプ吐出量が一致して
くると、差圧ΔPが徐々に回復してきて、差圧偏差Δ
(ΔP)は小さくなってくる。このため、制御係数Kiも
徐々に小さくなり、差圧偏差Δ(ΔP)がほぼ0になる
ところでは制御係数Kiが小さな値となっているので、安
定した状態で目標差圧ΔP0に収束する。その結果、制御
係数Kiを一定にした場合より要求される流量までの到達
時間が短縮され、アクチュエータ2の加速感を損なうこ
となく、俊敏で安定した制御を行うことができる。
次に、微速操作を意図して、オペレータがガバナレバ
ー17の操作量を小さくし、原動機15の目標回転数Nrを小
さく設定した場合を考える。この場合には、第11図のブ
ロック202において目標回転数Nrに対応して小さな目標
差圧ΔP0が求められ、ブロック210ではこれに対応して
大きな補正係数KΔPが求められる。このため、ブロッ
ク211では差圧偏差Δ(ΔP)が大きくなるように補正
され、ブロック212ではこの大きく補正された差圧偏差
Δ(ΔP)*に対応して補正係数Krが求められ、ブロッ
ク213において基本値Ki0と乗算されて制御係数Kiが求め
られる。
ところで、差圧偏差Δ(ΔP)は目標差圧ΔP0以上に
はなれないので、目標差圧ΔP0が小さくなるとそれに対
応して差圧偏差の変化幅も小さくなる。したがって、操
作レバーを大きな速度で操作して、流量制御弁3の開度
を急に大きくしたとき、ポンプ吐出圧力の低下が大きく
なり、差圧偏差Δ(ΔP)も大きくなるが、その値は目
標差圧ΔP0が大きいとき、例えは前述のΔP0maxのとき
の差圧偏差Δ(ΔP)に比べて小さい。このため、もし
その小さい差圧偏差をそのまま用いて補正係数Krを演算
すると、最大値Krmax(=1)が求められず、それより
も小さな値(<1)が求められてしまい、差圧偏差Δ
(ΔP)自体が小さくなることに加えて制御係数Kiも小
さくなるのでブロック205で演算される目標傾転速度Δ
θΔPは小さくなり、ポンプ吐出圧力の変化が緩慢とな
って、俊敏な制御が得られなくなってしまう。
これに対して、本実施例では、上述したようにブロッ
ク211において差圧偏差Δ(ΔP)が大きくなるように
補正され、この大きくなった補正差圧偏差Δ(ΔP)*
を用いて補正係数Krを求めるので、補正係数Krも大きな
値、即ち、最大値Krmax(=1)が求められる。このた
め、制御係数Kiも大きな値となって、斜板の目標傾転速
度ΔθΔPは大きくなり、斜板1aは目標差圧ΔP0が大き
い場合と同様に、大きな傾転速度で駆動される。したが
って、ポンプ吐出圧力の変化が緩慢でない俊敏な制御が
行える、また、ポンプ吐出量が要求流量に近づき、差圧
偏差Δ(ΔP)が小さくなると、制御係数Kiは小さくな
り、斜板1aの傾転速度は小さくなって、ハンチングのな
い安定した状態で制御が収束する。
第14図に、このときの流量制御弁3の操作量(開度)
X,LS差圧ΔP、制御係数Ki及び斜板1aの傾転量θの時間
変化の関係を示す。図中、一点鎖線は、差圧偏差Δ(Δ
P)を補正せず、これから直接補正係数Krを求めた場合
のLS差圧ΔP、制御係数Ki及び斜板傾転量θの時間変化
である。この場合、流量制御弁開度Xを急に大きくする
と、差圧偏差Δ(ΔP)の変化が小さいので、制御係数
Kiも小さくなり、板傾転速度は小さくなって、差圧ΔP
が目標差圧ΔP0に復帰する時間が長くなって、動作の緩
慢な機械に感じられてしまう。
一方、本実施例では、差圧偏差Δ(ΔP)が大きくな
るよう補正され、その大きな補正差圧偏差Δ(ΔP)*
から補正係数Krを求めるので、図中実線で示すように、
制御係数Kiも大きな値となって、斜板1aの傾転速度が大
きくなった状態で傾転量が増加して行く。流量制御弁3
の要求流量とポンプ吐出量が一致してくると、差圧ΔP
が徐々に回復してきて、差圧偏差Δ(ΔP)は小さくな
ってくる。このため、制御係数Kiも徐々に小さくなり、
差圧偏差Δ(ΔP)がほぼ0になるところでは制御係数
Kiが小さな値となっているので、安定した状態で目標差
圧ΔP0に収束する。即ち、目標差圧ΔP0が大きい場合と
ほぼ同じ時間変化で制御が行える。したがって、差圧偏
差Δ(ΔP)を補正しない場合に比べ要求される流量ま
での到達時間が短縮され、アクチュエータ2の加速感を
損なうことなく、俊敏で安定した制御を行うことができ
る。
また、以上のように目標差圧ΔP0を小さく設定した場
合、ポンプ吐出圧力とアクチュエータ2の負荷圧力との
差圧がその小さな目標差圧に一致するよう制御されるの
で、流量制御弁3の前後差圧もこの小さな差圧に規制さ
れて小さくなり、流量制御弁3の通過流量も小さくな
る。したがって、原動機回転数を低下して微速操作を行
うというオペレータの意図に対応して、アクチュエータ
の駆動速度が小さくなるので、微速操作が容易となり、
操作性が向上する。
以上のように、本実施例によれば、流量制御弁の操作
速度が小さく、開度が小さいときには、吐出圧力が急変
してハンチングを起こしてしまうことのない安定した制
御が行え、操作レバーを大きな速度で操作して、流量制
御弁の開度を急に大きくしたときには、油圧ポンプ1の
吐出圧力の変化が緩慢でない俊敏な応答を得ることがで
き、しかもその効果を、目標差圧ΔP0の如何に係わらず
得ることができる。
また、本実施例によれば、原動機の回転数の低下に応
じて目標差圧ΔP0を小さくなるようにしたので、原動機
回転数を低下して微速操作を行うというオペレータの意
図に対応してアクチュエータの駆動速度が小さくなって
微速操作が容易となり、操作性が向上するという効果も
ある。
なお、以上の実施例では、原動機の目標回転数Nrの関
数として目標差圧ΔP0を設定し、目標回転数Nrを用いて
目標差圧ΔP0を決定したが、第1図に想像線で示すよう
にエンジン15の出力軸の回転数Neを検出する回転数検出
器19を設置し、これで検出されたエンジン15の実際の回
転数(出力回転数)を用いて目標差圧ΔP0を決定しても
よく、この場合も同様の制御を行える。また、エンジン
15の回転は減速機20で減速されて油圧ポンプ1に伝達さ
れるが、この減速された油圧ポンプ1の回転数Npを直接
検出する回転数検出器21を設置し、この検出した回転数
を用いてもよい。
本発明の第2の実施例を第15図及び第16図により説明
する。図中、全体の制御ブロックは符号200Aで示し、ブ
ロック200A中、第11図に示すのと同じ機能のブロックに
は同じ符号を付している。
本実施例は、差圧偏差Δ(ΔP)から制御係数Kiを算
出するときに行う補正係数KΔPによる補正の手順が上
記実施例と異なっている。すなわち、本実施例では、ブ
ロック212にはブロック201で求めた差圧偏差Δ(ΔP)
を直接入力して補正係数Krを求め、その後ブロック300
でその補正係数Krにブロック210で求めた補正係数K
ΔPを乗じ、補正された補正係数Kr*を求める。その補
正係数Kr*から制御係数Kiを求める以後の手順は前述の
実施例と同じである。
以上の実施例において、ブロック210,212,213,300の
機能をまとめて示すと第16図にブロック301で示すよう
である。即ち、ブロック301も、第12図に示すブロック2
14と同様、可変値としての目標差圧ΔP0から求められる
差圧偏差Δ(ΔP)が増加すると大きくなり、減少する
と小さくなると共に、目標差圧ΔP0が小さくなると比較
的小さな差圧偏差Δ(ΔP)で大きくなる制御係数Kiを
決定する。これにより、第15図に示す実施例において
も、目標差圧ΔP0の変化に対して第1の実施例と同様に
制御係数Kiは補正される。すなわち、目標差圧ΔP0が小
さくなり、それに応じて操作レバーを大きな速度で操作
したときの差圧偏差Δ(ΔP)が例えばΔ(ΔP)max1
と小さくなっても、得られる制御係数KiはKimax2から目
標差圧が大きいときの最大値Kimax1と同程度の大きな値
に補正される。したがって、本実施例においても、第1
の実施例と同様に目標差圧が小さいときの応答性を改善
し、操作レバーを大きな速度で操作したときに、油圧ポ
ンプ1の吐出圧力の変化が緩慢でない俊敏な応答を得る
ことができ、同様の効果を得ることができる。
なお、目標差圧の変化に対する制御係数Kiの補正手順
は種々の方法が考えられ、上記以外の方法であっても良
い。例えば、目標差圧ΔP0で直接的に差圧偏差Δ(Δ
P)を補正してもよく、また差圧偏差Δ(ΔP)と補正
係数Krとの関係を設定しておき、この関係を補正係数K
ΔPで補正してもよい。また、補正係数Krと制御係数の
基本値Ki0とか制御係数Kiを求めたが、直接制御係数Ki
を求めてもよい。
本発明の第3の実施例を第17図及び第18図により説明
する。全体の制御ブロックは符号200Bで示し、ブロック
200B中、第11図に示すのと同じ機能のブロックには同じ
符号を付している。
本実施例は、目標差圧ΔP0を可変値として設定する内
容が第1の実施例とは異なっている。すなわち、第17図
において、ブロック400には、ガバナ角検出器18から出
力されるエンジン目標回転数に対応するガバナレバー操
作量信号Nrが入力されると共に、油圧回路の油温を検出
する温度検出器401からの油温信号T0とオペレータによ
り操作される作業モード選択スイッチ402からの作業モ
ード信号Mとが入力され、これ等の値から可変値として
も目標差圧ΔP0が求められる。なお、本実施例の油圧駆
動回路は油圧ショベルに搭載されることから、選択スイ
ッチ402が指定する作業モードとしては、標準作業、溝
掘削、水平引き、クレーン作業を考えている。
第18図にブロック400の詳細を示す。第18図におい
て、ブロック403は、予め記憶したテーブルデータより
目標回転数Nrに対応する回転数補正係数Knrを求めるブ
ロックであり、テーブルデータの目標回転数Nrと回転数
補正係数KNrの関係は、第11図の目標回転数Nrと目標差
圧ΔP0の関係と同様に、Nrが高いときにKNrが大きく、N
rが小さくなるにしたがてKNrが小さくなるような特性で
ある。特に本実施例では、Nrが最大Nrmaxのときに得ら
れる最大のKNrが1になるように設定されている。
ここで、このように目標回転数Nrと回転数補正係数KN
rの関係を設定したのは、目標回転数Nrと目標差圧ΔP0
との場合と同様に、原動機回転数を低下して微速操作を
行うというオペレータの意図に対応してNrが小さいとき
にアクチュエータに供給される流量が少なくなるよう流
量制御弁のメータリング特性を変更して、微速操作を容
易にするためである。
また、ブロック404は、予め記憶したテーブルデータ
より油温T0に対応する油温補正係数KT0を求めるブロッ
クであり、テーブルデータの油温T0と油温補正係数KT0
との関係は、T0が高いときにKT0が小さく、T0が小さく
なるにしたがってKT0が大きくなるような特性である。
特に本実施例では、T0が油温としての常温40℃付近にあ
るときに得られる最小のKT0が1になるように設定され
ている。
ここで、このように油温T0と油温補正係数KT0の関係
を設定したのは、環境温度が低下し、油圧回路の作動油
の粘性が増大すると、粘性抵抗に起因して同じ目標差圧
ΔP0でのポンプ吐出流量が減少するので、その粘性の影
響をキャンセルするためである。
また、ブロック405は、予め記憶したテーブルデータ
より作業モード信号Mに対応する目標差圧ΔP00を求め
るブロックであり、目標差圧ΔP00として、作業モード
信号Mが油圧ショベルの標準作業を指定するときの目標
差圧ΔP01、溝掘削を指定するするときの目標差圧ΔP0
2、水平引きを指定するときの目標差圧ΔP03、クレー
ン作業を指定するときの目標差圧ΔP04がそれぞれ記憶
されている。これ等目標差圧は、ΔP02>P01>P03>
P04の関係にある。
ここで、このように作業内容に応じて目標差圧を違え
たのは、作業内容によってアクチュエータに要求される
駆動量及び動作速度が異なるからであり、例えば、微操
作が必要なクレーン作業では、その微操作を容易にする
ために、目標差圧ΔP04は最も小さくし、ブーム上げの
速度が要求される溝掘削では、素早くブームを上げるた
めに目標差圧ΔP01は最も大きくする。このように作業
内容に応じて目標差圧を変えることにより作業性が著し
く向上する。
そして、ブロック405で求めた目標差圧ΔP00はブロッ
ク406に入力され、ここで目標差圧ΔP00にブロック403
で求めた回転数補正係数KNrを乗じて目標差圧ΔP00 *
求め、更にブロック407でこの目標差圧ΔP00 *にブロッ
ク404で求めた油温補正係数KT0を乗じて目標差圧ΔP0
求める。
目標差圧ΔP0を求めた後の制御係数Kiを求める手順は
第1の実施例と同じである。
したがって、本実施例においても第1の実施例と同様
に、目標差圧ΔP0の如何に係わらず油圧ポンプ1の吐出
圧力の変化が緩慢でない俊敏な応答を得ることができ
る。
また、本実施例によれば、原動機の回転数のみではな
く、作動油の温度及び作業モードに応じて目標差圧ΔP0
を変えるようにしたので、第1の実施例と同様に原動機
回転数を低下して微速操作を行うというオペレータの意
図に対応して微速操作を容易にすると共に冬期又は寒冷
地等での低温環境下での作業に際しても作動油の粘性に
対する油温の影響をキャンセルしてアクチュエータの駆
動速度の低下を防止し、更に作業内容に応じた最適のメ
ータリング特性を与え、操作性及び作業性を著しく改善
することができる。
産業上の利用可能性 本発明によれば、目標差圧を可変値として設定して
も、操作手段の操作速度及び可変値としての目標差圧の
大きさに係わらず、ハンチングを起こさずかつ緩慢でな
い最適なポンプ吐出圧力の制御が行なえる。
また、オペレータがアクチュエータの微速操作を意図
して原動機の回転数を下げると、原動機の回転数が小さ
くなって、目標差圧が小さくなるので、アクチュエータ
への供給流量が減少し、オペレータの意図に対応した微
速操作が容易に行え、操作性が向上する。
また、低温環境下での作業では、目標差圧が大きくな
るので、アクチュエータへの供給流量の低下が防止さ
れ、作業性が改善される。
更に、作業モードに応じて最適の目標差圧が設定され
るので、作業内容に応じた最適のメータリング特性が与
えられ、作業性が改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−88002(JP,A) 特開 昭60−11706(JP,A) 特開 昭62−220701(JP,A) 特開 平1−178624(JP,A) 特開 平2−190601(JP,A) 特開 昭58−37302(JP,A)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可変容量型の少なくとも1台の油圧ポンプ
    (1)と、この油圧ポンプから吐出される圧油によって
    駆動される少なくとも1つの油圧アクチュエータ(2)
    と、前記油圧ポンプとアクチュエータの間に接続され、
    アクチュエータに供給される圧油の流量を制御する流量
    制御弁(3)とを備えたロードセンシング制御油圧駆動
    回路の油圧ポンプの制御装置であって、前記油圧ポンプ
    の吐出圧力と前記アクチュエータの負荷圧力との差圧と
    目標差圧との差圧偏差に基づいて目標押しのけ容積を求
    め、前記吐出圧力と負荷圧力との差圧が目標差圧に保持
    されるよう前記油圧ポンプの押しのけ容積を制御する油
    圧ポンプの制御装置において、 (a)前記目標差圧を可変値として設定してある第1の
    手段(202)と; (b)前記可変値としての目標差圧から求められる前記
    差圧偏差が増加すると大きくなり、減少すると小さくな
    ると共に、前記目標差圧が小さくなると比較的小さな差
    圧偏差で大きくなる制御係数を決定する第2の手段(20
    3,210−213)と; (c)前記可変値としての目標差圧から求められる前記
    差圧偏差と前記制御係数とから前記目標押しのけ容積を
    決定する第3の手段(205,206)と; を備えることを特徴とする油圧ポンプの制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の油圧ポンプの制御装置にお
    いて、前記第2の手段は、前記目標差圧が小さくなると
    前記差圧偏差の変化幅を大きく補正する第4の手段(21
    0,211)と、この補正された差圧偏差に基づき前記制御
    係数を決定する第5の手段(203,212,213)とを備える
    ことを特徴とする油圧ポンプの制御装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の油圧ポンプの制御装置にお
    いて、前記第4の手段は、前記目標差圧が小さくなると
    大きくなる第1の補正係数を演算する手段(210)と、
    前記差圧偏差に前記第1の補正係数を乗じて当該差圧偏
    差を補正する手段(211)とを含むことを特徴とする油
    圧ポンプの制御装置。
  4. 【請求項4】請求項2記載の油圧ポンプの制御装置にお
    いて、前記第5の手段は、前記補正された差圧偏差から
    この差圧偏差が増加すると大きくなり、減少すると小さ
    くなる第2の補正係数を演算する手段(212)と、基本
    制御係数を予め設定してある手段(203)と、この基本
    制御係数に前記第2の補正係数を乗じて前記制御係数を
    演算する手段(213)とを含むことを特徴とする油圧ポ
    ンプの制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1記載の油圧ポンプの制御装置にお
    いて、前記第2の手段は、前記目標差圧が小さくなると
    大きくなる第1の補正係数を演算する手段(210)と、
    前記差圧偏差からこの差圧偏差が増加すると大きくな
    り、減少すると小さくなる第2の補正係数を演算する手
    段(212)と、前記第1の補正係数に前記第2の補正係
    数を乗じて前記制御係数を演算する手段(300)とを備
    えることを特徴とする油圧ポンプの制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1記載の油圧ポンプの制御装置にお
    いて、前記第2の手段は、前記差圧偏差が増加すると大
    きくなり、減少すると小さくなると共に、前記目標差圧
    が小さくなると、比較的小さな差圧偏差で大きな値とな
    る第2の補正係数を演算する手段(210−212;210,212,3
    00)と、基本制御係数を予め設定してある手段(203)
    と、この基本制御係数に前記第2の補正係数を乗じて前
    記制御係数を演算する手段(213)とを備えることを特
    徴とする油圧ポンプの制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1記載の油圧ポンプの制御装置にお
    いて、前記油圧ポンプを駆動する原動機の回転数を検出
    する手段(18)を更に備え、前記第1の手段(202)
    は、前記検出した回転数が大きくなると増加し、小さく
    なると減少する値として前記目標差圧を設定しているこ
    とを特徴とする油圧ポンプの制御装置。
  8. 【請求項8】請求項1記載の油圧ポンプの制御装置にお
    いて、前記油圧駆動回路の作動油の温度を検出する手段
    (401)を更に備え、前記第1の手段(404,407)は、前
    記検出した油温が大きくなると減少し、小さくなると増
    加する値として前記目標差圧を設定していることを特徴
    とする油圧ポンプの制御装置。
  9. 【請求項9】請求項1記載の油圧ポンプの制御装置にお
    いて、前記油圧駆動回路が搭載される油圧機械の作業モ
    ードを指定する作業モード信号を出力する手段(40
    2))を更に備え、前記第1の手段(405)は、複数の作
    業モードに対応して複数の異なる目標差圧が記憶されて
    おり、前記作業モード信号に応じてその指定された作業
    モードに対応する目標差圧を選択することを特徴とする
    油圧ポンプの制御装置。
  10. 【請求項10】請求項1記載の油圧ポンプの制御装置に
    おいて、前記油圧ポンプを駆動する原動機の回転数を検
    出する手段(18)と、前記油圧駆動回路の作動油の温度
    を検出する手段(401)と、前記油圧駆動回路が搭載さ
    れる油圧機械の作業モードを指定する作業モード信号を
    出力する手段(402)とを更に備え、前記第1の手段
    は、前記検出した回転数が大きくなると増加し、小さく
    なると減少する回転数補正係数を演算する手段(403)
    と、前記検出した油温が大きくなると減少し、小さくな
    ると増加する油温補正係数を演算する手段(404)と、
    複数の作業モードに対応して複数の異なる目標差圧が記
    憶されており、前記作業モード信号に応じてその指定さ
    れた作業モードに対応する目標差圧を選択する手段(40
    5)と、この作業モード対応の目標差圧と前記回転数補
    正係数及び油温補正係数とから前記可変値としての目標
    差圧を演算する手段(406,407)とを備えることを特徴
    とする油圧ポンプの制御装置。
  11. 【請求項11】請求項1記載の油圧ポンプの制御装置に
    おいて、前記第4の手段は、前記差圧偏差に前記制御係
    数を乗じて前記押しのけ容積の目標変化速度を演算する
    手段(205)と、前記目標変化速度を前回求めた目標押
    しのけ容積に加算して新たな目標押しのけ容積を求める
    手段(206)とを備えることを特徴とする油圧ポンプの
    制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007506921A (ja) * 2003-07-15 2007-03-22 ボッシュ レックスロート アクチエンゲゼルシャフト 少なくとも2つの液圧コンシューマを制御するための方法および配置
JP2007205464A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Bosch Rexroth Corp 可変容量ポンプの制御方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007506921A (ja) * 2003-07-15 2007-03-22 ボッシュ レックスロート アクチエンゲゼルシャフト 少なくとも2つの液圧コンシューマを制御するための方法および配置
JP2007205464A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Bosch Rexroth Corp 可変容量ポンプの制御方法

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