JP2007205464A - 可変容量ポンプの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エンジンで駆動され、外部からポンプ吐出量の調整可能な可変容量ポンプ2に、複数のクローズドセンター型方向制御弁に、それぞれアクチュエータ1を接続した油圧回路において、クローズドセンター型方向制御弁が、センターバイパス型の方向制御弁の代わりとなるように、電気的演算により前記可変容量ポンプの制御を、電磁比例弁を介して行う。電磁比例弁への信号が得られない非常時に、可変容量ポンプの吐出圧を所定値とすることにより前記アクチュエータを動作できるようにしたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
しかしながら、実際にクローズドセンターの制御バルブを介して複数のアクチュエータを接続した場合に、下記の点において問題が生じていた。
しかしながら、吐出圧の算出には、下記式を使用するために、(Xa/Xb)2という演算を行う必要があり、結果が最高圧となるところ等、然るべき条件で打ち切るとしても限度があり、0に近い数値を0に近い数値で割ることがあり、演算誤差が大きくなるという問題があった。
Pidea={(Qmax-Qa)/(Kq×Ab)}2
尚、式中、Qmaxはポンプの最大吐出量であり、Kqは流量係数であり、Abはブリードオフ通路の開口面積である。
即ち、本発明の可変容量ポンプの制御方法は、請求項1に記載の通り、エンジンで駆動され、且つ、外部からポンプ吐出量の調整可能な可変容量ポンプに、複数のクローズドセンター型方向制御弁に、それぞれアクチュエータを接続した油圧回路において、前記クローズドセンター型方向制御弁が、センターバイパス型の方向制御弁の代わりとなるように、電気的演算により前記可変容量ポンプを制御する方法であって、前記可変容量ポンプの吐出圧の制御を、電磁比例弁を介して行い、前記電磁比例弁への信号が得られない非常時に、前記可変容量ポンプの吐出圧を所定値とすることにより前記アクチュエータを動作できるようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の可変容量ポンプの制御方法において、前記非常時において、前記可変容量ポンプの傾転駆動系をネガティブ型としたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の可変容量ポンプの制御方法において、前記可変容量ポンプの傾転駆動系をネガティブ型とするために、前記電磁比例弁をネガティブ型としたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の本発明は、エンジンで駆動され、且つ、外部からポンプ吐出量の調整可能な可変容量ポンプに、複数のクローズドセンター型方向制御弁に、それぞれアクチュエータを接続した油圧回路において、前記クローズドセンター型方向制御弁が、センターバイパス型の方向制御弁の代わりとなるように、電気的演算により前記可変容量ポンプを制御する方法であって、前記可変容量ポンプの実ポンプ吐出量と、前記各方向制御弁の操作量とを検出し、前記実ポンプ吐出量を前記アクチュエータ流量とし、前記操作量に基づいてブリードオフ流量を算出し、前記可変容量ポンプの仮想ポンプ吐出量から、前記アクチュエータ流量及び前記ブリードオフ流量を減算した流量値を算出し、前記流量値に基づいて、前記可変容量ポンプの制御指令量を決定することを特徴とする。
また、請求項5に記載の本発明は、請求項4に記載の可変容量ポンプの制御方法において、前記可変容量ポンプは、斜板式可変容量ポンプであり、前記実ポンプ吐出量の検出を、傾転センサにより行うことを特徴とする。
また、請求項6に記載の本発明は、請求項4又は5に記載の可変容量ポンプの制御方法において、前記可変容量ポンプの制御指令量を、規範モデルとなる仮想配管系に基づいて算出された仮想ポンプ吐出圧指令とすることを特徴とする。
また、請求項7に記載の本発明は、請求項4乃至6の何れかに記載の可変容量ポンプの制御方法において、前記ブリードオフ流量を、前記吐出圧の平方根にオリフィスの流量係数を乗算することにより得ることを特徴とする。
また、請求項8に記載の本発明は、請求項6又は7に記載の可変容量ポンプの制御方法において、前記仮想吐出量は、前記エンジンの馬力を前記仮想吐出圧指令により除した値を上限として制限されることを特徴とする。
また、請求項9に記載の本発明は、エンジンで駆動され、且つ、外部からポンプ吐出量の調整可能な可変容量ポンプに、複数のクローズドセンター型方向制御弁に、それぞれアクチュエータを接続した油圧回路において、前記クローズドセンター型方向制御弁が、センターバイパス型の方向制御弁の代わりとなるように、電気的演算により前記可変容量ポンプを制御する方法であって、前記各方向制御弁の操作量に基づく操作量信号(Sk)に対する個別のブリードオフ特性に基づき、前記各方向制御弁の開口面積(Abk)を算出し、合計ブリードオフ面積値(Ab)を下記式に基づき算出し、前記合計ブリードオフ面積値(Ab)に基づいて、前記クローズドセンター型方向制御弁の仮想ブリードオフ流量を決定し、前記可変容量ポンプの仮想吐出量から前記仮想ブリードオフ流量を減算した値に基づいて、前記可変容量ポンプの制御量を決定することを特徴とする。
また、可変容量ポンプの制御量を決定するための演算過程において、0に近い数値を0に近い数値で割り算することがなくなる。従って、たとえ、操作量が増大して、仮想吐出量に対して制限付きポンプ吐出量も増加してゆき、その差(即ち、仮想ブリードオフ流量)も最終的には0になっても、負荷圧に見合った吐出圧を出力できるので計算を途中で打ち切る等の追加演算の必要性がなくなる。即ち、実際に近い状態で油圧制御系を演算によりシミュレートするため、ブリードオフ制御状態から操作量が増大してブリードオフ制御状態が終了した後までをシームレスに演算し、ポンプの制御をすることができる。
更に、個別のアクチュエータの要求特性に合わせた操作性を得ることができる。
図1は、複数の油圧アクチュエータ1、1の作動を制御する油圧ショベル等に適用される油圧回路を示し、これらのアクチュエータ1は駆動モータPMにより駆動される可変容量ポンプ2の吐出回路3にクローズドセンターの制御バルブ4、4を介して接続されている。
尚、可変容量ポンプ2は斜板等のポンプ容量制御機構を備えたアキシャルピストンポンプ等の公知のものである。
ポンプ圧力制御装置6は、コントロールバルブ6bと、ネガティブ型電磁比例弁6cとを備え、コントロールバルブ6bのスプールの両端にはポンプ2の実ポンプ吐出圧Prealと、バネ6dの弾性力と、ネガティブ型電磁比例弁6cにより制御される圧力信号P'cがかかるが、スプールの両端には適当なる面積差が与えられており、コントロールバルブ6bは然るべく、それらのバランスにより制御されている。
ネガティブ型電磁比例弁6cは、バネとこれに対向する入力側の圧力信号P'c、及びコントローラ12において、信号P'idea基いて入力される制御電流に比例して可変される比例ソレノイド6aが発生する力とのバランスで制御される。
尚、本実施の形態では、図2にブロック図を示すようにブリードオフ特性演算から得られた仮想ポンプ吐出圧指令Pideaは、ネガティブ型の制御をするために、ポンプの最大吐出圧から減算して反転させた信号P'ideaとしてネガティブ型電磁比例弁の比例ソレノイド6cに伝達するようにしている。
上記構成により、仮想ポンプ吐出圧指令Pideaは、ネガティブ型に反転された後、ソレノイド駆動アンプ5介してポンプ圧力制御装置6の比例ソレノイド6aを励磁し、ネガティブ型電磁比例弁を介してその励磁の大きさに反比例して(従って、仮想ポンプ吐出圧指令Pideaに比例的に)コントロールバルブ6bを操作し、その結果、コントロールピストン7がポンプ容量制御機構を動かし、ポンプ容量、即ち、ポンプ吐出量を大小に制御する。
そして、電気系が不調となり、例えば、可変容量ポンプ2への指令が入力されなくなった場合でも、ネガティブ型の圧力の閉ループ制御ができるため、ポンプ2は最大圧等の所定の圧力で可動することになるので、アクチュエータ1、1側で要求される吐出流量を確保することが可能となる。また、負荷側に設置されている制御バルブ4、4によって要求流量を調節すれば、原動機PMのエンストも回避することができる。
尚、本明細書において、「ネガティブ型」とは、入力値に対して出力値が漸次減少するものをいう。
このアクチュエータ流量Qaを、本実施の形態では、可変容量ポンプ2に、吐出量検出センサ11を設け、吐出量検出センサ11で検出した傾転量にポンプ2の回転数を乗ずることにより、前記アクチュエータ流量Qaを算出するようにしている。
尚、前記吐出量検出センサとしては、例えば、可変容量ポンプ2が斜板式可変容量ポンプやラジアルポンプである場合には、ポテンショメータ等を使用することができる。
Pidea={(Qmax-Qa)/(Kq×Ab)}2
により算出する。 尚、式中、Qmaxはポンプの最大吐出量であり、Kqは流量係数であり、Abはブリードオフ通路の開口面積である。
まず、図4(a)に示すように、複数の制御バルブ4の操作量Skの入力を受け付け、それらの総和S1+S2+・・・Snをとり、その合計の操作量信号Sとする。この際、個々の入力に重み付けを行ったり、適当な計算処理も行っても良い。次いで操作量信号Sより予定のブリードオフ特性に相当する制御バルブのブリードオフ通路の開口面積Abを求めると共にこれにKq(流量係数)を乗じてブリードオフ特性値Xbを求める。勿論、実際の制御バルブ4はブリードオフ通路のないクローズドセンターのものであり、この開口面積Abは演算上の値である。ブリードオフ特性は、開口面積Abと操作量Sとの関係を予め決定しておくことにより定められる。
この際、可変容量ポンプ2の最大吐出量は既知数であるので、この値を使用することもできる。
より好ましくは、図4(b)に示すように、馬力演算を行い、エンジンの馬力Heを仮想ポンプ吐出圧指令Pideaでもって除した値を使用するようにすれば、可変容量ポンプ2の吸収馬力がエンジンの馬力を超えてもエンストを回避することができる。
本実施の形態では、図1と同じ油圧回路の構成で、コントローラ12における演算を、図5の点線で囲まれた範囲内に示すブロック図にしたがって行うものである。
尚、仮想ポンプ吐出圧指令Pideaは、上記例に制限されるものではなく、規範として実現すべき配管系をモデルとした制御演算関数を使用し、前記流量値ΔQをその関数に入力して、出力として得られるものであればよく、制御演算関数のモデルとしては、例えば、実際のポンプ配管系にフィードバック要素として働くコントロールバルブ、アクチュエータ、及び負荷系を考慮した高次のモデルや、安定化補償器を挿入したモデル等を適用することがあげられる。
また、上記例では、説明の便宜上、配管系に漏れがないことを前提に演算するようにしているが、漏れがあっても当然使用することは可能である。
本実施の形態では、図1と同じ油圧回路の構成で、コントローラ12における演算を、図6に示すブロック図にしたがって行うものである。
図示されるものでは、複数のクローズドセンター型方向制御弁4の操作量S1,S2,・・・,Sk,・・・,Snの入力を受け付ける。それらについて、予定のブリードオフ特性に相当する制御バルブのブリードオフ通路の開口面積Abを下記式により求める。尚、式中Abkは、Skに対応する。
上記構成により可変容量ポンプの制御を行えば、個別のアクチュエータの要求特性に合わせた操作性を得ることができる。
2 可変容量ポンプ
3 吐出回路
4 制御バルブ
7 コントロールバルブ
11 圧力センサー
12 コントローラ、
Claims (9)
- エンジンで駆動され、且つ、外部からポンプ吐出量の調整可能な可変容量ポンプに、複数のクローズドセンター型方向制御弁に、それぞれアクチュエータを接続した油圧回路において、前記クローズドセンター型方向制御弁が、センターバイパス型の方向制御弁の代わりとなるように、電気的演算により前記可変容量ポンプを制御する方法であって、前記可変容量ポンプの吐出圧の制御を、電磁比例弁を介して行い、前記電磁比例弁への信号が得られない非常時に、前記可変容量ポンプの吐出圧を所定値とすることにより前記アクチュエータを動作できるようにしたことを特徴とする可変容量ポンプの制御方法。
- 前記非常時において、前記可変容量ポンプの傾転駆動系をネガティブ型としたことを特徴とする請求項1に記載の可変容量ポンプの制御方法。
- 前記可変容量ポンプの傾転駆動系をネガティブ型とするために、前記電磁比例弁をネガティブ型としたことを特徴とする請求項2に記載の可変容量ポンプの制御方法。
- エンジンで駆動され、且つ、外部からポンプ吐出量の調整可能な可変容量ポンプに、複数のクローズドセンター型方向制御弁に、それぞれアクチュエータを接続した油圧回路において、前記クローズドセンター型方向制御弁が、センターバイパス型の方向制御弁の代わりとなるように、電気的演算により前記可変容量ポンプを制御する方法であって、前記可変容量ポンプの実ポンプ吐出量と、前記各方向制御弁の操作量とを検出し、前記実ポンプ吐出量を前記アクチュエータ流量とし、前記操作量に基づいてブリードオフ流量を算出し、前記可変容量ポンプの仮想ポンプ吐出量から、前記アクチュエータ流量及び前記ブリードオフ流量を減算した流量値を算出し、前記流量値に基づいて、前記可変容量ポンプの制御指令量を決定することを特徴とする可変容量ポンプの制御方法。
- 前記可変容量ポンプは、斜板式可変容量ポンプであり、前記実ポンプ吐出量の検出を、傾転センサにより行うことを特徴とする請求項4に記載の可変容量ポンプの制御方法。
- 前記可変容量ポンプへの制御指令量を、規範モデルとなる仮想配管系に基づいて算出された仮想ポンプ吐出圧指令とすることを特徴とする請求項4又は5に記載の可変容量ポンプの制御方法。
- 前記ブリードオフ流量を、前記仮想吐出圧指令の平方根にオリフィスの流量係数を乗算することにより得ることを特徴とする請求項4乃至7の何れかに記載の可変容量ポンプの制御方法。
- 前記仮想吐出量は、前記エンジンの馬力を前記仮想吐出圧指令により除した値を上限として制限されることを特徴とする請求項6又は7に記載の可変容量ポンプの制御方法。
- エンジンで駆動され、且つ、外部からポンプ吐出量の調整可能な可変容量ポンプに、複数のクローズドセンター型方向制御弁に、それぞれアクチュエータを接続した油圧回路において、前記クローズドセンター型方向制御弁が、センターバイパス型の方向制御弁の代わりとなるように、電気的演算により前記可変容量ポンプを制御する方法であって、前記各方向制御弁の操作量に基づく操作量信号(Sk)に対する個別のブリードオフ特性に基づき、前記各方向制御弁の開口面積(Abk)を算出し、合計ブリードオフ面積値(Ab)を下記式に基づき算出し、前記合計ブリードオフ面積値(Ab)に基づいて、前記クローズドセンター型方向制御弁の仮想ブリードオフ流量を決定し、前記可変容量ポンプの仮想吐出量から前記仮想ブリードオフ流量を減算した値に基づいて、前記可変容量ポンプの制御量を決定することを特徴とする可変容量ポンプの制御方法。
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