JP2592502B2 - 油圧駆動装置及び油圧建設機械 - Google Patents

油圧駆動装置及び油圧建設機械

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JP2592502B2
JP2592502B2 JP63163647A JP16364788A JP2592502B2 JP 2592502 B2 JP2592502 B2 JP 2592502B2 JP 63163647 A JP63163647 A JP 63163647A JP 16364788 A JP16364788 A JP 16364788A JP 2592502 B2 JP2592502 B2 JP 2592502B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、油圧ショベル、油圧クレーン等、複数の油
圧アクチュエータを備えた油圧建設機械の油圧駆動装置
に係わり、特に、圧力補償機能を備えた流量制御弁によ
り油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を制御す
る油圧駆動装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、油圧ショベル、油圧クレーン等、複数の油圧ア
クチュエータを備えた油圧建設機械の油圧駆動装置は、
一般的に、少なくとも1つの油圧ポンプと、この油圧ポ
ンプにそれぞれ主回路を介して接続され、該油圧ポンプ
から吐出される圧油によって駆動される複数に油圧アク
チュエータと、油圧ポンプと各油圧アクチュエータの間
においてそれぞれの主回路に接続された複数の流量制御
弁とを備えている。
U.S.P.4,617,854には、このような油圧駆動装置にお
いて、各流量制御弁の主回路上流側に補助弁を配置し、
この補助弁の対向する第1の操作部に流量制御弁の入口
圧力と出口圧力を導き、対向する第2の操作部に油圧ポ
ンプの吐出圧力と複数の油圧アクチュエータの最大負荷
圧力を導くと共に、油圧ポンプの吐出圧力を当該最大負
荷圧力よりも所定値だけ高く保持するロードセンシング
型のポンプレギュレータを配置した構成が記載されてい
る。この構成において、補助弁の対向する第1の操作部
に流量制御弁の入口圧力と出口圧力を導くことにより、
周知のごとく流量制御弁の負荷圧力補償を行う。また補
助弁の対向する第2の操作部にポンプレギュレータで制
御された油圧ポンプの吐出圧力と複数の油圧アクチュエ
ータの最大負荷圧力を導くことにより、負荷圧力に差の
ある複数の油圧アクチュエータの複合操作に際して、そ
れぞれの油圧アクチュエータの指令流量(要求流量)の
合計が油圧ポンプの最大吐出流量を越えた場合であって
も、相互の指令流量割合に応じて吐出流量を分流し、高
負荷圧力側の油圧アクチュエータにも確実に圧油を流せ
るようにしている。
一方、U.S.P.4,535,809には、複数ではなく単一の油
圧アクチュエータを対象とした油圧駆動装置において、
油圧ポンプと油圧アクチュエータの間の主回路に接続さ
れる流量制御弁を、該主回路に接続されたシート弁型の
主弁と、主弁の背圧室と出口ポートとの間のパイロット
回路に接続されたパイロット弁との組み合わせで構成す
ると共に、パイロット回路に更に補助弁を配置し、この
補助弁の対向する操作部にパイロット弁の入口圧力と出
口圧力を導き、圧力補償機能を果たすようにしたものが
記載されている。また当該特許には、単一の油圧アクチ
ュエータの動作に関し、自己負荷圧力の影響を取り入
れ、上記圧力補償機能を修正する変形例も開示されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、U.S.P.4,617,854においては、上記流
量弁及び補助弁は共にスプール弁として構成され、しか
も両弁とも主回路に配置されるため比較的大きなスプー
ル弁として構成されている。従って、補助弁が大流量の
流れる主回路に配置されているため、補助弁部分での圧
力損失が大きいという問題があった。
また一般的に、油圧駆動装置においては、各油圧アク
チュエータには自己負荷圧力及び他の油圧アクチュエー
タの負荷圧力の影響を受けることなく流量を供給できる
ことが好ましい。しかしながら、油圧ショベル等の建設
機械の油圧駆動装置においては、油圧アクチュエータが
駆動する作業部材の種類及び作業形態により他の油圧ア
クチュエータの負荷圧力又は自己負荷圧力の影響を受け
た方が好ましい場合がある。
例えば、油圧ショベルにおいて、旋回とブーム上げを
同時に行って土砂をトラックに積み込む時、旋回体は慣
性体であるので旋回初期においては旋回モータの負荷圧
力が高圧となり、回路保護のために設けられたリリーフ
弁の圧力以上に上昇する。一方、ブームの負荷圧力はブ
ーム保持圧力となるので旋回の負荷圧力よりは低い圧力
となる。このような作業形態においては、旋回初期時の
旋回圧力が高圧のときには、油圧をリリーフせずにでき
るだけブームに供給できるようにすれば、エネルギーの
無駄を軽減できると共に、最初はブームの上昇速度を旋
回速度に対して早く上昇させ、ブームがある程度上昇し
たら徐々に旋回速度が速くなるというブームと旋回の速
度調整を自動的に行うことができる。
また旋回の単独操作又は他の油圧アクチュエータとの
複合操作においては、旋回初期時、旋回の負荷圧力は上
述したようにリリーフ弁の圧力以上に上昇するので、旋
回の負荷圧力の上昇と共に旋回モータへの圧油供給量を
減らすことができれば、エネルギーの無駄を少なくする
ことができる。
なお油圧ショベルにおいても、ブームとアームの複合
操作で行う法面形成作業など、負荷圧力のいかんに係わ
らず流量をブーム用操作レバーとアーム用操作レバーの
操作量割合に応じて正確に分流させたい作業形態もあ
る。
従って、油圧ショベル等の建設機械においては、流量
制御弁の特性は圧力補償機能かつ/又は分流機能を果た
すように一義的に定まるものではなく、油圧アクチュエ
ータが駆動する作業部材の種類及び作業形態に応じた諸
機能を与え得るべく修正できることが望ましい。
しかしながら、U.S.P.4,617,854においては、上述し
たように補助弁の設置により圧力補償機能と分流機能は
果たすものの、他の油圧アクチュエータの負荷圧力又は
自己負荷圧力の影響を取り入れこれら機能を修正すると
いう考えはなく、作業部材の種類及び作業形態に応じて
流量制御弁の特性を修正するという上記要望に答え得る
ものではなかった。
一方、U.S.P.4,535,809においては、単一の油圧アク
チュエータを対象とした油圧駆動装置であるので、補助
弁の設置により単一の油圧アクチュエータの動作に関す
る圧力補償機能を果たすか、当該単一の油圧アクチュエ
ータの自己負荷圧力の影響を取り入れて圧力補償機能を
修正するだけであり、複数の油圧アクチュエータの複合
操作に関して諸機能を修正することとは無関係の技術で
あり、特に他の油圧アクチュエータの負荷圧力の影響を
取り入れて圧力補償機能及び分流機能を修正するという
考えは全く無かった。
本発明の目的は、絞り損失が少なく、かつ油圧建設機
械の作業部材の種類及び作業形態に応じて流量制御弁の
特性を修正することのできる油圧駆動装置及び油圧建設
機械を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するために、少なくとも1
つの油圧ポンプと;この油圧ポンプにそれぞれ主回路を
介して接続され、該油圧ポンプから吐出される圧油によ
って駆動される少なくとも第1及び第2の油圧アクチュ
エータと;前記油圧ポンプと前記第1及び第2の油圧ア
クチュエータの間においてそれぞれの主回路に接続され
た第1及び第2の流量制御弁手段と;前記油圧ポンプの
吐出圧力を制御するポンプ制御手段とを有し;前記第1
及び第2の流量制御弁手段は、各々、操作手段の操作量
に応じて開度を変化させる第1の弁手段と、第1の弁手
段に直列に接続され、該弁手段の入口圧力と出口圧力の
差圧を制御する第2の弁手段とを有し;さらに、前記第
1及び第2の流量制御弁手段の各々につき、前第1の弁
手段の入口圧力及び出口圧力、前記油圧ポンプの吐出圧
力及び前記第1及び第2の油圧アクチュエータの最大負
荷圧力に基づいて前記第2の弁手段を制御する制御手段
を有する油圧駆動装置において、前記第1及び第2の流
量制御弁手段は、各々、前記主回路に接続された入口ポ
ート及び出口ポートの連通を制御する弁体、この弁体の
変位に対応して開度を変化させる可変絞り、及び前記出
口ポートに前記可変絞りを介して連通し、前記弁体を開
弁方向に付勢する制御圧力を発生する背圧室を有する主
弁と、前記主弁の入口ポートと背圧室との間に接続され
たパイロット回路とを有すること;前記第1の弁手段
は、前記パイロット回路に接続されパイロット回路を流
れるパイロット流を制御するパイロット弁として構成さ
れると共に、前記第2の弁手段は、前記パイロット回路
に接続され、前記パイロット弁の入口圧力と出口圧力の
差圧を制御する補助弁として構成されていること;前記
制御手段は、前記第1及び第2の流量制御弁手段の各々
につき、前記パイロット弁の入口圧力と出口圧力の差圧
が前記油圧ポンプの吐出圧力と前記第1及び第2の油圧
アクチュエータの最大負荷圧力との差圧、前記最大負荷
圧力とそれぞれ油圧アクチュエータの自己負荷圧力との
差圧、及び自己負荷圧力に対して、以下の式で表される
関係となるように前記補助弁を制御し、 ΔPz=α(Ps−Plmax) +β(Plamx−Pl)+γPl ここでΔPz:前記パイロット弁の入口圧力と出口圧力と
の差圧 Ps:前記油圧ポートの吐出圧力 P1max:前記第1及び第1の油圧アクチュエータの最大負
荷圧力 P1:前記第1及び第2の油圧アクチュエータのそれぞれ
の自己負荷圧力 α,β,γ:第1、第2及び第3の定数 前記第1、第2及び第3の定数α,β,γをそれぞれ所
定の値に設定したことを特徴とする油圧駆動装置を提供
する。
前記背圧室の制御圧力を受ける前記主弁弁体の受圧面
積に対する前記出口ポートを介して関連する油圧アクチ
ュエータの負荷圧力を受ける主弁弁体の受圧面積を比を
Kとすると、前記第1の定数αは、好ましくは、α≦K
の関係にある。この場合、第2及び第3の定数β、γを
それぞれ零に設定することができる。
また、前記第1の定数αは、前記操作手段の操作量と
前記主弁を通る流量の比例ゲインに対応した正の値に設
定され、前記第2の定数βは、関連する油圧アクチュエ
ータと他の油圧アクチュエータとを複合操作した際の両
アクチュエータの動作特性に基づく値に設定され、前記
第3の定数γは、関連する油圧アクチュエータの動作特
性に基づく値に設定される。
前記制御手段は、前記第1及び第2の流量制御弁手段
の各々の前記補助弁に設けられた複数の油圧操作室と、
該複数の油圧操作室に前記油圧ポンプの吐出圧力、前記
最大負荷圧力、前記パイロット弁の入口圧力及び出口圧
力を直接又は間接的に導入する管路手段とを有していて
もよく、この場合、該複数の油圧操作室のそれぞれの受
圧面積を前記第1、第2及び第3の定数α,β,γが前
記所定の値となるように設定する。
上記液圧的制御手段の構成例を列挙する。
(1)前記補助弁は前記主弁の入口ポートと前記パイロ
ット弁との間に配置され、前記複数の油圧操作室は、前
記補助弁を開弁方向に付勢する第1及び第2の油圧操作
室と、該補助弁を閉弁方向に付勢する第3及び第4の油
圧操作室とを有し、前記管路手段は、前記油圧ポンプの
吐出圧力を前記第1の油圧操作室に導く第1の管路と、
前記パイロット弁の出口圧力を前記第2の油圧操作室に
導く第2の管路と、前記最大負荷圧力を前記第3の油圧
操作室に導く第3の管路と、前記パイロット弁の入口圧
力を前記第4の油圧操作室に導く第4の管路とを有して
いる。
(2)前記補助弁は前記主弁の背圧室と前記パイロット
弁との間に配置され、前記複数の油圧操作室は、前記補
助弁を開弁方向に付勢する第1の油圧操作室と、該補助
弁を閉弁方向に付勢する第2、第3及び第4の油圧操作
室とを有し、前記管路手段は、前記パイロット弁の出口
圧力を前記第1の油圧操作室に導く第1の管路と、前記
パイロット弁の入口圧力を前記第2の油圧操作室に導く
第2の管路と、関連する油圧アクチュエータの負荷圧力
を前記第3の油圧操作室に導く第3の管路と、前記前記
最大負荷圧力を前記第4の油圧操作室に導く第4の管路
とを有している。
(3)前記補助弁は前記パイロット弁と前記主弁の背圧
室との間に配置され、前記複数の油圧操作室は、前記補
助弁を開弁方向に付勢する第1及び第2の油圧室と、該
補助弁を閉弁方向に付勢する第3及び第4の油圧操作室
とを有し、前記管路手段は、関連する油圧アクチュエー
タの負荷圧力を前記第1の油圧操作室に導く第1の管路
と、前記パイロット弁の出口圧力を前記第2の油圧操作
室に導く第2の管路と、前記最大負荷圧力を前記第3の
油圧操作室に導く第3の管路と、前記背圧室の制御圧力
を前記第4の油圧操作室に導く第4の管路とを有してい
る。
(4)前記補助弁は前記主弁の入口ポートと前記パイロ
ット弁との間に配置され、前記複数の油圧操作室は、前
記補助弁を開弁方向に付勢する第1及び第2の油圧操作
室と、該補助弁を閉弁方向に付勢する第3及び第4の油
圧操作室とを有し、前記管路手段は、関連する油圧アク
チュエータの負荷圧力を前記第1の油圧操作室に導く第
1の管路と、前記前記油圧ポンプの吐出圧力を前記第2
の油圧操作室に導く第2の管路と、前記最大負荷圧力を
前記第3の油圧操作室に導く第3の管路と、前記パイロ
ット弁の入口圧力を前記第4の油圧操作室に導く第4の
管路とを有している。
(5)前記補助弁は前記パイロット弁と前記主弁の背圧
室との間に配置され、前記複数の油圧操作室は、前記補
助弁を開弁方向に付勢する第1の油圧操作室と、該補助
弁を閉弁方向に付勢する第2及び第3の油圧操作室とを
有し、前記管路手段は、前記パイロット弁の出口圧力を
前記第1の油圧操作室に導く第1の管路と、前記油圧ポ
ンプの吐出圧力を前記第2の油圧操作室に導く第2の管
路と、前記最大負荷圧力を前記第3の油圧操作室に導く
第3の管路とを有している。
前記ポンプ制御手段は、好ましくは、油圧ポンプの吐
出圧力を前記第1及び第2の油圧アクチュエータの最大
負荷圧力よりも所定値だけ高く保持するロードセンシン
グ型のポンプレギュレータである。
また本発明は、上記目的を達成するため、複数の油圧
アクチュエータによってそれぞれ駆動される、旋回体、
ブーム、アーム及びバケットを含む複数の作業部材を有
する油圧建設機械に上記油圧駆動装置を適用したものを
提供する。
上記油圧建設機械において、前記制御手段は、好まし
くは、前記ブーム用油圧アクチュエータのボトム側に係
わる流量制御弁手段につき、前記第2の定数をβを正の
値に設定する。
また好ましくは、前記制御手段は、前記アーム用油圧
アクチュエータのボトム側に係わる流量制御弁手段につ
き、前記第2の定数βを正の値に設定する。
また好ましくは、前記制御手段は、前記バケット用油
圧アクチュエータのボトム側に係わる流量制御弁手段に
つき、前記第2の定数βを負の値に設定する。
また好ましくは、前記制御手段は、前記旋回体用油圧
アクチュエータに係わる流量制御弁手段につき、前記第
3の定数γを負の値に設定する。
また好ましくは、前記制御手段は、前記バケット用油
圧アクチュエータのボトム側に係わる流量制御弁手段に
つき、前記第3の定数γを正の値に設定する。
また好ましくは、前記制御手段は、前記ブーム及びア
ーム用油圧アクチュエータのロッド側に係わる流量制御
弁につき、それぞれ前記第2及び第3の定数β,γを零
に設定する。
〔作用〕
本発明者らは、パイロット回路に配置された補助弁と
パイロット弁の前後差圧との関係を種々検討した結果、
補助弁によって制御されるパイロット弁前後差圧ΔPz
は、一般的に、以下に再掲する上記の式で表わされるこ
とを見出だした。
ΔPz=α(Ps−Plmax) +β(Plamx−Pl)+γPl 上記式の意味は次の通りである。この式において、右
辺第1項のPs−Plmaxは全ての流量制御弁について共通
なので複合操作における分流機能を司どり、第2項のPl
max−Plは他アクチュエータの最大負荷圧力に依存いて
変化するので複合操作における調和機能を司どり、第3
項のγPlは自己負荷圧力に応じて変化するので自己圧力
補償機能と司どる。これら3機能は、定数α,β,γの
値に応じてそれぞれの要否及び程度が定められる。ここ
で第1項の分流機能は複合操作の基本的機能である。従
って定数αは関連する作業部材の如何に係わらず所定の
正の値に設定される。一方、第2項の調和機能と第3項
の自己圧力補償機能は関連する作業部材の種類及び作業
形態に応じて付加される機能である。従って、定数β,
γはそれぞれ零を含む所定の値に設定される。このよう
にα,β,γを設定することにより、分流機能、又は分
流機能をベースとした調和機能かつ/又は自己圧力補償
機能の付与が可能となり、油圧建設機械の作業部材の種
類及び作業形態に応じて流量制御弁の特性を修正するこ
とができる。
また上記本発明の構成において、補助弁は主回路では
なくパイロット回路に設置されているので、主回路に大
流量を流しても補助弁部での絞り損失を少なくすること
ができる。
前記背圧室の制御圧力を受ける受圧面積に対する前記
油圧アクチュエータの負荷圧力を受ける受圧面積に比K
に対して、前記第1の定数αがα≦Kの関係にある場合
に、上記式右辺第1項のα(Ps−Plmax)によって得ら
れる差圧が高負荷圧力側のパイロット弁で取り得る最大
前後差圧の範囲内となり、第1及び第2の流量制御弁の
両方において上記式第1項の差圧が実質的に同じにな
り、上記分流機能において操作手段の操作量(パイロッ
ト弁開度)に比例して流量を正確に分流することができ
る。
また前記第1の定数αは、前記操作手段の操作量(パ
イロット弁の開度)とパイロット流量との比例ゲイン、
従って当該操作量と前記主弁を通る主流量の比例ゲイン
の意味を持ち、従って、第1の定数αはその比例ゲイン
に対応して任意の正の値に設定される。ここで、α=K
と設定した場合には、流量を操作量に応じて比例分配す
る分流機能を得ながら最大の比例ゲインを付与できる。
前記第2の定数βは、上述した説明から明らかなよう
に、関連する油圧アクチュエータと他の油圧アクチュエ
ータとの複合操作の調和を考慮し、任意の値に設定され
る。ここで、特に他の油圧アクチュエータの負荷圧力の
影響を受けない方が好ましい場合は、βは零に設定され
る。
前記第3の定数γは、上述した説明から明らかなよう
に、関連する油圧アクチュエータの動作特性を考慮し、
任意の値に設定される。これも、特に自己負荷圧力の影
響を受ない方が好ましい場合には、零に設定される。
前記ポンプ制御手段をロードセンシング型のポンプレ
ギュレータとした場合には、上述した式の右辺第1項に
係わる油圧ポンプの吐出圧力と複数の油圧アクチュエー
タの最大負荷圧力との差圧Ps−Plmaxは一定となる。従
って、パイロット弁の入口圧力と出口圧力の差圧を一定
に制御でき、主弁の入口ポートと出口ポートの差圧の変
化に係わらず流量を一定に保持する圧力補償機能が果た
される。
上記油圧駆動装置を油圧建設機械、例えば油圧ショベ
ルに適用した本発明においては、旋回体、ブーム、アー
ム及びバケットの少なくとも2つの作業部材に係わる流
量制御弁の特性を作業部材の種類及び作業形態に応じて
設定、修正することができ、前述いた分流機能、又は分
流機能をベースとして調和機能かつ/又は自己圧力補償
機能を付加することができる。
前記ブーム用油圧アクチュエータのボトム側に関する
流量制御弁手段について前記第2の定数βに比較的大き
な正の値に設定した場合には、旋回とブームの複合操作
での旋回初期加速時、低負荷側であるブーム用油圧アク
チュエータのボトム側の流量制御弁には最大負荷圧力
(旋回圧力)と自己負荷圧力(ブーム圧力)との差圧の
増加に応じた流量が流れ、ブームの上昇速度を速くする
ことができる。これにより、旋回とブーム上げの操作レ
バーをフルストロークまで同時に操作しても、最初はブ
ームの上昇速度が旋回速度に対して速く上昇し、ブーム
がある程度上昇したら徐々に旋回速度が速くなり、旋回
が最大速度に達すると旋回速度がほぼ一定となるという
複合操作が自動的に行われる。
また前記アーム用油圧アクチュエータのボトム側に関
する流量制御弁手段につき、前記第2の定数βを比較的
小さな正の値に設定した場合には、アームを使用した複
合操作で掘削を行なうとき、アームは確実に駆動される
と共に、アーム用油圧アクチュエータが低圧側にあると
き、最大負荷圧力(他油圧アクチュエータ圧力)と自己
負荷圧力(アーム圧力)との差圧の増加に応じて当該流
量制御弁の開度は開き、流量の絞り程度を小さくする。
その結果、燃費及びヒートバランスの悪化が防止され
る。
前記バケット用油圧アクチュエータのボトム側に関す
る流量制御弁につき、前記第2の定数βを比較的小さな
負の値に設定した場合には、バケットを使用した複合操
作による溝掘作業時、バケットが掘削負荷から解放さ
れ、地表に出た瞬間、最大負荷圧力(他油圧アクチュエ
ータ圧力)と自己負荷圧力(バケット圧力)との差圧の
増加により当該流量制御弁の通過流量を減少させ、ショ
ックを軽減することができる。
また前記旋回体用油圧アクチュエータに関する流量制
御弁につき、前記第3の定数γを比較的小さな負の値に
設定した場合には、旋回加速時、旋回圧力(自己負荷圧
力)の増加に応じて旋回に係わる流量制御弁の通過流量
を減少させ、リリーフ弁より流出する流量を少なくし、
エネルギー消費の無駄を少なくできる。
前記バケット用油圧アクチュエータのボトム側に関す
る流量制御弁につき、前記第3の定数γを比較的小さな
正の値に設定した場合には、バケットを使用した掘削作
業時、バケット圧力(自己負荷圧力)の増加に応じて当
該流量制御弁の通過流量を増加させ、力強い掘削動作フ
ィーリングを得ることができる。
前記ブーム用及びアーム用油圧アクチュエータのロッ
ド側に係わる流量制御弁につき、前記第2及び第3の定
数β,γを零に設定した場合には、ブーム及びアームを
使用した傾斜面の法面形成作業時、他の油圧アクチュエ
ータの負荷圧力及び自己負荷圧力の影響を完全に排除
し、ブーム用操作レバー及びアーム用操作レバーの操作
量に応じて正確に流量を比例配分し、正確な法面形成を
行うことができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
基本実施例 第1図において、本発明の一実施例による油圧駆動装
置は、例えば斜板式の可変容量型油圧ポンプ1と、油圧
ポンプ1に主回路2,3を介してそれぞれ接続され、油圧
ポンプ1から吐出される圧油によって駆動される複数例
えば2つの油圧アクチュエータ6,7と、油圧ポンプ1と
油圧アクチュエータ6,7の間においてそれぞれの主回路
2,3に接続され、油圧アクチュエータ6,7の駆動を制御す
る方向切換弁8,9とを有し、油圧ポンプ1には、油圧ポ
ンプ1の吐出圧力を複数の油圧アクチュエータ6,7の最
大負荷圧力よりも所定値だけ高く保持するロードセンシ
ング型のポンプレギュレータ10が設けられている。
方向制御弁8は4つの流量制御弁11,12,13,14からな
っている。第1の流量制御弁11は油圧アクチュエータ6
が伸長するように作動するときのメータイン(入口側)
回路15に接続され、第2の流量制御弁12は油圧アクチュ
エータ6が収縮するように作動するときのメータイン回
路16に接続され、第3の流量制御弁13は、油圧アクチュ
エータ6と第2の流量制御弁12の間で油圧アクチュエー
タ6伸長するように作動するときのメータアウト(出口
側)回路17に接続され、第4の流量制御弁14は、油圧ア
クチュエータ6と第1の流量制御弁11の間で油圧アクチ
ュエータ6が収縮するように作動するときのメータアウ
ト回路18に接続されている。第1の流量制御弁11と第4
の流量制御弁14との間には油圧アクチュエータ6から第
1の流量制御弁11への圧油の逆流を防止するチェック弁
19が接続されており、第2の流量制御弁12と第3の流量
制御弁13との間には油圧アクチュエータ6から第2の流
量制御弁12への圧油の逆流を防止するチェック弁20が接
続されている。
第1〜第4の流量制御弁11〜14はそれぞれ主弁21,22,
23,24と、主弁を制御するパイロット回路25,26,27,28
と、パイロット回路に接続されたパイロット弁29,30,3
1,32とを有し、第1及び第2の流量制御弁11,12はさら
にパイロット回路にパイロット弁と直列に接続された圧
力補償弁33,34を備えている。
第1の流量制御弁11の主弁21は、第2図に示すよう
に、メータイン回路15の油圧ポンプ1側の管路に接続さ
れた入口ポート31及び油圧アクチュエータ6側の管路に
接続された出口ポート32を有する弁ハウジング33と、弁
ハウジング33内に配置され、制御オリフィス34を有する
弁体35とを有し、弁体35の変位に応じて制御オリフィス
34の開度を調整し、入口ポート31と出口ポート32の連通
を制御する。弁体35の反制御オリフィス側には弁体35を
開弁方向に付勢する制御圧力Pcを生成する背圧室36が形
成されている。また背圧室36に面する弁体35の端部には
背圧室36に連通しかつ制御ピストン37を収容する室38が
形成され、室38はまた通路39を介して出口ポート32に連
通している。制御ピストン37は、一端が弁体35内の圧力
室40に収納され、他端は背圧室36を閉じる栓体41に当接
支持されている。圧力室40は通路42を介して入口ポート
31に連通し、制御ピストン37を栓体41との当接位置に保
持している。制御ピストン37はまたその中間分にテーパ
部43を有し、このテーパ部43は室38の開口部の壁部と協
働して弁体35の変位に応じて開度を変化させる可変絞44
を形成している。このように背圧室36は可変絞44を介し
て出口ポート32と連通している。
弁体35において、入口ポート31に面する図示上側の環
状端面は、油圧ポンプ1の吐出圧力Psを受け弁体35を上
方即ち開弁方向に付勢する環状の受圧面積Asを規定し、
出口ポート32に面する底部壁面は油圧アクチュエータ6
の負圧圧力Plを受け弁体35を同様に開弁方向に付勢する
受圧面積Alを規定し、背圧室36に面する頂部端面は制御
圧力Pcを受け弁体35を図示下方即ち開弁方向に付勢する
受圧面積Acを規定している。これら受圧面積は、Ac=As
+Alの関係にある。
弁体35の下方には前述したチェック弁33が配置され、
弁ハウジング33はチェック弁19の出口ポート45を更に有
している。
パイロット回路25は主弁21と入口ポート31と背圧室36
の間に接続されている。
パイロット弁29は、入口ポート40及び出口ポート41の
連通を制御するポペット型の弁体42と、弁体42を閉弁方
向に付勢するばね43と、弁体42を開弁方向に付勢する油
圧操作室44とを有し、油圧操作室44は図示しない操作レ
バーの操作量に応じたパイロット圧力を生成するパイロ
ット回路に接続され、弁体42を該操作量に応じた開度に
開けるようになっている。
圧力補償弁33は、入口ポート50及び出口ポート51間の
連通を制御するシート型の弁体52と、弁体52を開弁方向
に付勢する第1及び第2の油圧操作室53,54と、第1及
び第2の油圧操作室53,54に対向して位置し、弁体52を
閉弁方向に付勢する第3及び第4の油圧操作室55,56と
からなっている。第1の油圧操作室53は上記入口ポート
50に連通する圧力補償弁33の入口部57により形成され、
第2の油圧操作室54ははパイロット管路58を介してパイ
ロット回路25のパイロット弁29出口側に接続され、第3
の油圧操作室55はパイロット管路59を介して後述する最
大負荷圧力管路61に接続され、第4の油圧操作室56はパ
イロット管路60を介してパイロット回路25のパイロット
弁29入口側に接続されている。これにより第1の油圧操
作室53には油圧ポンプ1の吐出圧力Psが導入され、第2
の油圧操作室54にはパイロット弁29の出口圧力が導か
れ、この出口圧力は背圧室36の制御圧力Pcに等しく、第
3の油圧操作室55には油圧アクチュエータ6、7の高圧
側の負荷圧力即ち最大負荷圧力Plmaxが導入され、第4
の油圧操作室56にはパイロット弁29の入口圧力Pz′が導
入される。そして弁体52の第1の油圧操作室53に面する
端面は油圧ポンプ1の吐出圧力Psを受ける受圧面積asを
規定し、第2の油圧操作室54に面する環状端面はパイロ
ット弁29の出口圧力Pcを受ける受圧面積acを規定し、第
3の油圧操作室55に面する端面は油圧アクチュエータ6,
7の最大負荷圧力Plmaxを受ける受圧面積amを規定し、第
4の油圧操作室56に面する環状端面はパイロット弁29の
入口圧力Pzを受ける受圧面積azを規定しいている。
以上の構成において、圧力補償弁33の第1〜第4の油
圧操作室53〜56及びパイロット管路57〜60並びに主弁21
の弁体35の受圧面積Ac,Asを規定する部分は、パイロッ
ト弁29の入口圧力と出口圧力の差圧ΔPz=(Pz−Pc)が
油圧ポンプ1の吐出圧力と2つの油圧アクチュエータ6,
7の最大負荷圧力との差圧Ps−Plmax、最大負荷圧力とそ
れぞれの油圧アクチュエータの自己負圧力との差圧Plax
−Pl、及び自己負荷圧力Plに対して、以下の式で表わさ
れる関係となるように圧力補償弁33を制御する制御手段
を構成している; ΔPz=α(Ps−Plmax +β(Plmax−Pl)+γPl (1) ここで、α,β,γはそれぞれ第1、第2及び第3の定
数であり、それぞれ所定の値に設定されている。そして
本実施例では、この第1、第2及び第3の定数α,β,
γの所定の値の設定は圧力補償弁33の第1〜第4の油圧
操作室53〜56の上記受圧面積as,ac,am,azの選定によっ
て行われている。即ち、第1〜第4の油圧操作室53〜56
の受圧面積as,ac,am,azは、この第1、第2及び第3の
定数α,β,γの所定の値が得られるように選定されて
いる。また第1〜第4の油圧操作室43〜46の受圧面積a
s,ac,am,azは、主弁21及びパイロット弁29が閉じている
ときに弁体52を開位置に保持するように設定されてい
る。
このように構成された第1の流量制御弁11の主弁21と
パイロット弁29の組み合わせにおいて、パイロット弁29
が図示しない操作レバーの操作により開けられると、そ
の瞬間、油圧ポンプ1の圧油がパイロット回路25を介し
て主弁21の背圧室36に導かれる。そして、背圧室36内の
圧力即ち制御圧力がパイロット弁29の開度に応じて高く
なり、室38及び通路39を介して背圧室36に連通する出口
ポート32の圧力も高くなり、チェック弁19が開けられ
る。これによりパイロット回路25から背圧室36を通って
出口ポート32に至るパイロット流が形成され、可変絞り
44の作用により背圧室36の制御圧力もパイロット流量
(パイロット弁29の開度)に応じて増圧される。パイロ
ット弁29の開度が可変絞り44の開度より大きくなると、
制御圧力Pcもそれに対応して増圧され、弁体35は出口ポ
ート32に向けて移動し始める。即ち主弁21は開弁する。
このように弁体35が開弁方向に移動すると、栓体41に押
圧保持された制御ピストン37の周囲に形成される可変絞
り44の開度が大きくなり、可変絞り44の絞り作用が小さ
くなる。従って背圧室36の制御圧力の増圧が制御され
る。その結果、パイロット弁29の開度と可変絞り44の開
度が一致した点で弁体35は静定する。
このように、可変絞り44と背圧室36の作用により主弁
弁体35はパイロット流量に比例した開度に開き、操作レ
バーの操作量(パイロット弁31の開度)に応じた流量が
主弁21の制御オリフィス34を通して入口ポート31から出
口ポート32へと流出する。
そして、このようなパイロット弁29による主弁21の制
御において、パイロット回路25には更に圧力補償弁33が
配置されているので、圧力補償弁33により主弁21の流量
は更に制御される。この圧力補償弁33の制御機能は本実
施例の本質部分であるので、動作原理して一項を設け後
述する。
第2の流量制御弁12の主弁22の、パイロット回路26、
パイロット弁30及び圧力補償弁34は、第1の流量制御弁
11の上述した主弁21、パイロット回路25、パイロット弁
29及び圧力補償弁33とそれぞれ同様に構成されている。
第3の流量制御弁13の主弁23は、第3図に示すよう
に、メータアウト回路17の油圧アクチュエータ6側の管
路に接続された入口ポート70及びタンク側の管路に接続
された出口ポート71を有する弁ハウジング72と、弁ハウ
ジング72内に配置され、弁座73と係合する弁体74とを有
し、弁体74の変位(開度)に応じて入口ポート70と出口
ポート71の連通を制御する。弁体74の外周には軸線方向
に複数のスリット75が形成され、スリット75は弁ハウジ
ング72の内壁と協働して弁体74の変位に応じて開度を変
化させる可変絞り76を形成している。弁ハウジング72内
の弁体74の背後には、可変絞り76を介して入口ポート70
と連通し、制御圧力P3cを発生する背圧室77が形成され
ている。
弁体74の入口ポート70に面する図示上側の環状端面
は、油圧アクチュエータ6の負荷圧力Plを受け弁体74を
図示上方の開弁方向に付勢する環状の受圧面積A3lを規
定し、出口ポート71に面する底部壁面はタンク圧力Prを
受け弁体74を開弁方向に付勢する受圧面積A3rを規定
し、背圧室77に面する頂部端面は制御圧力P3cを受け弁
体74を図示下方の閉弁方向に付勢する受圧面積A3cを規
定している。これら受圧面積は、A3c=A3l+A3rの関係
にある。
パイロット回路27は、主弁23の背圧室77と出口ポート
71の間に接続されている。
パイロット弁31は、第1の流量制御弁11のパイロット
弁29と同様に構成されている。
このように構成された第3の流量制御弁13の主弁23と
パイロット弁31の組み合わせは、U.S.P.4,535,809より
公知であり、パイロット弁31が図示しない操作レバーの
操作により開けられると、パイロット回路27にはパイロ
ット弁31の開度に応じたパイロット流が形成され、可変
絞り76の背圧室77の作用により主弁弁体74はパイロット
流量に比例した開度に開き、操作レバーの操作量(パイ
ロット弁31の開度)に応じた流量が主弁23を通して入口
ポート70から出口ポート71へと流出する。
第4の流量制御弁14の主弁24、パイロット回路28、パ
イロット弁32は第3の流量制御弁13の上述した主弁23、
パイロット回路27、パイロット弁31と同様に構成されて
いる。
方向切換弁9は方向切換弁8と同様に構成されてい
る。以下において、方向切換弁9の方向切換弁8の構成
要素と同等の部材には、方向切換弁8の構成要素に付さ
れた番号に字Aを付して表わす。
方向切換弁8の第1及び第2の流量制御弁11,12の出
口ポート32はそれぞれチェック弁80,81を介して前述し
た管路61に接続され、方向切換弁9の第1及び第2の流
量制御弁11A,12Aの出口ポートも同様にチェック弁80A,8
1Aを介して管路61Aに接続され、管路61,61Aは管路82を
介して相互に接続され、管路82は絞り83を介してタンク
に至っている。これにより、油圧アクチュエータ6,7の
複合操作時、両者の高圧側の負荷圧力即ち最大負荷圧力
がチェック弁80,81及び80A,81Aにより選択され、管路6
1,61A,82に導かれる。このように、管路61,61A,82は最
大負荷圧力回路を構成する。
ポンプレギュレータ10は、油圧シリンダ型の斜板傾転
装置90と制御弁91とからなり、斜板傾転装置90はロッド
側シリンダ室に管路92を介して油圧ポンプ1の吐出圧力
が導入され、ヘッド側シリンダ室が制御弁91を介してタ
ンク及びロッド側シリンダ室に接続されている。斜板傾
転装置のロッド側シリンダ室に導かれた吐出圧力は制御
弁91の位置に応じて減圧され、ロッド側シリンダ室とヘ
ッド側シリンダ室との面積差によりピストンを駆動し、
制御弁91の位置に対応して油圧ポンプ1の吐出量を制御
する。
制御弁91は対向する油圧操作部93,94とばね95を有
し、油圧操作部93はパイロット管路96を介して油圧ポン
プ1の吐出管路に接続され、油圧操作部94はパイロット
管路97を介して最大負荷圧回路82に接続されている。こ
れにより制御弁91には油圧ポンプ1の吐出圧力と最大負
荷圧力及びばね65の設定力とが対向して作用し、最大負
荷圧力の変化に応じて制御弁91の位置を調整し、斜板傾
転装置141を制御し、油圧ポンプ1の吐出圧力を最大負
荷圧力に対してばね65の強さに相当する圧力だけ高い圧
力に保持する。
動作原理 次に、圧力補償弁33,34,33A,34Aの動作原理を説明す
る。なお以下において、全ての圧力補償弁33,34,33A,34
Aに共通の事項は圧力補償弁33で代表して説明する。圧
力補償弁33の弁体52の圧力の釣り合い式は以下の式で表
わされる。
asPs+acPc=amPlmax+azPz また主弁21の弁体35の圧力釣り合い式は以下の式で表
わされる。
AcPc=AsPs+AlPl 上記2式によりパイロット弁29の前後差圧に関する式を
導き、Ac=As+Alを用いて変形すると 従って、 と置けば、 Pz−Pc=α(Ps−Plmax) +β(Plmax−Pl)+γPl と表現できる。ここでPz−Pc=ΔPzである。
従って、前述した(1)式と同じ式が得られる。この式
を以下に再掲する。
ΔPz=α(Ps−Plmax) +β(Plmax−Pl)+γPl (1) そこで上記(1)式について考察する。(1)式にお
いて、左辺ΔPzはパイロット弁29の入口圧力Pzと出口圧
力Pcの差圧である。右辺第1項は油圧ポンプ1の吐出圧
力Psと最大負荷圧力Plmaxとの差圧に関する項であり、
αは比例定数である。第2項は最大負荷圧力Plmaxと油
圧アクチュエータ6又は7の負荷圧力即ち自己負荷圧力
Plとの差圧に関する項であり、βは比例定数である。第
3項は自己負荷圧力Plによって決まり、比例定数はγで
ある。ここで主弁21の弁体35の圧力釣り合い式はAcPc=
AsPs+AlPlであることより、油圧アクチュエータ6の負
荷圧力Plは油圧ポンプ1の吐出圧力Psとパイロット弁29
の出口圧力Pcとで表わすことができる。従って(1)式
は、圧力補償弁33は4つの圧力Ps,Plmax,Pl,Pzに基づい
てパイロット弁29の入口圧力Pzと出口圧力Pcの差圧ΔPz
を制御できること;そのとき差圧ΔPzを、油圧ポンプ1
の吐出圧力Psと最大負荷圧力Plmaxとの差圧Ps−Plmax、
最大負荷圧力Plmaxと自己負荷圧力Plとの差圧Plmax−P
l、自己負荷圧力Plの3つの要素にそれぞれ比例して制
御できること;そしてその3つの要素Ps−Plmax、Plmax
−Pl、Plに比例する度合を、比例定数α、β、γの値を
選択することにより任意に設定できることを意味する。
ここで圧力補償弁33がパイロット弁29の前後差圧ΔPz
を制御することは、パイロット弁29を通るパイロット流
量を制御することであり、結果として上述した主弁21と
パイロット弁29との組み合わせの機能から主弁21を通る
主流量を制御することである。
また右辺第1項において差圧Ps−Plmaxは、ポンプ制
御手段としてロードセンシング型のポンプレギュレータ
10を備えている本実施例においては、当該ポンプレギュ
レータ10が有効に機能している限り、一定であり、しか
も全ての圧力補償弁33(34),33A(34A)に対して共通
である。
従って、右辺第1項において、パイロット弁29の前後
差圧ΔPzを差圧Ps−Plmaxに対して比例関係となるよう
制御することは、ポンプレギュレータ10が有効に機能し
ている運転状態においては差圧ΔPzを一定に制御するこ
とであり、パイロット弁29の開度を一定とすれば主弁入
口圧力Ps又は出口圧力Plに変動があっても主弁21を通る
主流量を一定に制御することである。即ち圧力補償機能
を果たすことである。
また油圧アクチュエータ6,7の複合操作時に消費流量
の合計が油圧ポンプ1の最大吐出流量よりも大きくな
り、油圧ポンプ1の吐出圧力が低下する場合のように、
ポンプレギュレータ10が有効に機能しない運転状態にお
いては、差圧ΔPzは差圧Ps−Plmaxの減少に応じて小さ
くなり、主弁21を通る主流量も減少するが、差圧Ps−Pl
maxは2つの圧力補償弁33(34),33A(34A)に対して共
通であるので、主弁21(22),21A(22A)を通る主流量
は同じ割合で減少する。従って、主弁21(22),21A(22
A)を通る主流量は、操作レバーの操作量(パイロット
弁29(30),29A(30A)の開度)に応じて比例配分さ
れ、油圧ポンプ1の吐出流量を高圧側の油圧アクチュエ
ータにも確実に供給される。即ち、分流機能が得られ
る。
また右辺第2項において、パイロット弁29の前後差圧
ΔPzを差圧Plmax−Plに対して比例関係となるよう制御
することは、他の油圧アクチュエータの負荷圧力Plmax
が自己負荷圧力Plより大きい場合に、その他の油圧アク
チュエータの最大負荷圧力Plmaxに依存してパイロット
弁29の前後差圧ΔPzを変化させることであり、パイロッ
ト弁29の開度を一定とすれば、最大負荷圧力Plmaxに依
存して主弁21を通る主流量を変化させることである。
流量制御弁の流量制御は一般的には他の油圧アクチュ
エータの影響を受けないことが好ましいが、油圧ショベ
ル等の油圧建設機械においては、他の油圧アクチュエー
タの負荷圧力の影響で流量を変化させることが好ましい
作業形態もある。このような場合に、右辺第2項は、他
の油圧アクチュエータとの調和で流量を変化させる調和
機能を果たす。
さらに上記右辺第3項において、パイロット弁29の前
後差圧ΔPzを自己負荷圧力Plに対して比例関係となるよ
う制御することは自己負荷圧力Plの変化に応じてパイロ
ット弁29の前後差圧ΔPzを変化させることであり、パイ
ロット弁29の開度を一定とすれば、自己負荷圧力Plに依
存して主弁21を通る主流量を変化させることである。こ
れにより自己負荷圧力の変化に応じて流量を変化させる
自己圧力補償機能が得られる。
以上のように、上記(1)式において右辺第1項は圧
力補償及び分流機能を司どり、第2項は他アクチュエー
タとの調和機能を司どり、第3項は自己圧力補償機能を
司どる。そしてこれら3機能はその要否及び程度につき
比例定数α、β、γを選択することにより任意に設定で
きる。
ところでこれら3機能のうち、第1項に係わる圧力補
償及び分流機能は、油圧ショベル等の油圧建設機械にお
いては基本的な機能であり、油圧アクチュエータの種類
及び作業形態に係わらず常にあることが好ましい。従っ
て比例定数αは任意の正の値に設定される。ここでパイ
ロット弁29の前後差圧ΔPzは操作レバーの操作量によっ
て定まるパイロット弁29の開度に対するパイロット流量
を規定するものであるので、第1項の差圧Plmax−Plに
かかる比例定数αは、パイロット弁29の操作レバーの操
作量(パイロット弁開度)に対するパイロット流量の比
例ゲイン、従って当該操作量に対する主弁21を通る主流
量の比例ゲインの意味を持つ。従って、比例定数αはそ
の比例ゲインに対応して定める。
また、主弁弁体35の背圧室36の制御圧力Pcを受ける受
圧面積Acに対する弁体35の油圧アクチュエータ6の負荷
圧力Plを受ける受圧面積Alとの比をKとすると、弁体35
の圧力釣り合い式は、 Pc=(1−K)Ps+KPl となる。一方、ポンプ1の吐出圧力Psとパイロット弁29
の入口圧力Pzとは、Ps≧Pzの関係にあり、圧力補償弁33
が完全に開いている状態ではPs=Pzとなる。従って、パ
イロット弁29の前後差圧Pz−Pc(ΔPz)は、 Pz−Pc≦Ps−Pc ≦K(Ps−Pl) (2) となる。即ち、パイロット弁29が取り得る最大差圧はK
(Ps−Pl)である。また上記(1)式においてβ=0、
γ=0とし、最大負荷圧力側(Plmax=Pl)を考えた場
合、 Pz−Pc=α(Ps−Plmax) ≦K(Ps−Plmax) (3) となる。即ち、α>Kのαの値を設定した場合には、最
大負荷圧力側のパイロット弁ではK(Ps−Pl)以上の差
圧を得ることができず、一方、低圧側のパイロット弁で
はα(Ps−Pl)>K(Ps−Pl)の差圧が得られるので、
両者のパイロット弁開度を同じにしてもパイロット弁の
前後差圧が同じにならず、パイロット流量は異なる。従
って、操作量に応じて流量を比例配分できなくなる。た
だし、比例配分はできなくても、高圧側の油圧アクチュ
エータに圧油を確実に供給することはできる。
従って、圧力補償弁33の分流機能に関し、パイロット
弁の操作量(開度)に比例して流量を配分する分流機能
を得る場合には、比例定数αはα≦Kに設定する。そし
て特に、α=Kと設定した場合には、同じパイロット弁
開度に対して最大流量を与えることができ、最も効率的
な弁構造を提供できる。
また前述したようにα>Kのαの値を設定した場合
は、低負荷圧力側のパイロット弁ではα(Ps−Plmax)
>K((Ps−Plmax)の差圧が得られるが、複合操作か
ら低負荷圧力側の油圧アクチュエータの単独操作に切換
えた場合、低負荷圧力側のパイロット弁においてもK
(Ps−Pl)以上の差圧を得ることができなくなり、当該
パイロット弁の前後差圧はα(Ps−Plmax)からK(Ps
−Pl)に減少し、パイロット流量もこれに対応して減少
する。その結果、油圧アクチュエータに供給される流量
も減少し、作業部材が減速され、円滑な作業が行い難く
なる。これに対して、αをα≦Kに設定した場合には、
複合操作においても低負荷圧力側のパイロット弁前後差
圧はK(Ps−Plmax)に制限され、複合操作から単独操
作に切換えた場合でも差圧の変動は発生せず、安定した
作業を行うことができる。従って、このような意味にお
いても、αをα≦Kに設定することが好ましい。
以上から分かるように、複数の油圧アクチュエータの
操作レバーの操作量に応じて流量を正確に比例配分する
場合は、α≦Kに設定することが必須の条件である。
また、第2項に係わる調和機能は、油圧アクチュエー
タ6,7が駆動する作業部材の種類及び作業形態に応じて
必要度が異なり、場合によっては他のアクチュエータの
負荷圧力影響をまったく受けない方が好ましい作業部材
及び作業形態もある。従って比例定数βは、関連する油
圧アクチュエータと他の油圧アクチュエータとの複合操
作の調和に基づき零を含む任意の値に設定される。
第3項に係わる自己圧力補償機能は、油圧アクチュエ
ータ6,7が駆動する作業部材の種類に応じて必要度が異
なり、これも場合によっては自己負荷圧力影響をまった
く受けない方が好ましい作業部材もある。従って比例定
数γは、関連する油圧アクチュエータが駆動する作業部
材の種類に応じて零を含む任意の値に設定される。
以上のように定数α,β,γを所定の値に設定するこ
とにより、分流機能、又は分流機能をベースとした調和
機能かつ/又は自己圧力補償機能を得ることができ、油
圧建設機械の作業部材の種類及び作業形態に応じて流量
制御弁の特性を修正することができる。
そして、前述したように比例定数α,β,γは圧力補
償弁33の第1〜第4の操作室53〜56における受圧面積a
s,ac,am,az及び主弁21の弁体35の受圧面積Ac,Asによっ
て表わされる。ここで主弁弁体35の受圧面積Ac,Asは主
弁21側の条件によって定められる。従って、比例定数
α,β,γが定まれば、受圧面積as,ac,am,azは当該比
例定数α,β,γが得られるように設定される。ここで
特殊な場合として、as+ac=am+azと構成すれば、γ=
0に設定でき、ac=az及びas=amと構成すればβ=0に
設定できる。またas=ac=am=azと構成すれば、β=γ
=0に設定できる。
次に、本実施例の油圧駆動装置をバックホウ型の油圧
ショベルに適用した場合における上記比例定数α,β,
γの具体的設定例を説明する。
油圧ショベルは、一般的に第4図及び第5図に示すよ
うに、1対の走行体100、走行体100上に旋回可能に搭載
された旋回体101、及び旋回体101に垂直平面内を回動自
在に装架されたフロントアッタチメント102を有し、フ
ロントアタッチメント102は、ブーム103、アーム104、
バケット105からなっている。走行体100、旋回体101、
ブーム103、アーム104、バケット105はそれぞれ走行モ
ータ106(複数)、旋回モータ107、ブーム用シリンダ10
8、アーム用シリンダ109、バケット用シリンダ110によ
って駆動される。ここで、旋回モータ107、ブーム用シ
リンダ108、アーム用シリンダ109、バケット用シリンダ
110が第1図に示す油圧アクチュエータ6,7に相当する。
このような油圧ショベルの油圧駆動装置において、旋
回モータ107、ブーム用シリンダ108、アーム用シリンダ
109及びバケット用シリンダ110の全ての流量制御弁に係
わる比例定数αは、第6図に示すように、前述した比例
ゲインを考慮した同じ任意の正の値に設定される。旋回
モータ107に係わる流量制御弁においては、比例定数β
は第7図(A)に示すようにβ=0に設定され、比例定
数γは第8図(A)に示すように小さな負の値に設定さ
れる。ブーム用シリンダ108のボトム側に係わる流量制
御弁においては、比例定数βは第7図(B)に示すよう
に任意の正の値に設定され、比例定数γは第8図(B)
に示すようにγ=0に設定される。アーム用シリンダ10
9のボトム側に関する流量制御弁においては比例定数β
は第7図(C)に示すように小さな正の値に設定され、
比例定数γは第8図(B)に示すようにγ=0に設定さ
れる。バケット用シリンダ110のボトム側に関する流量
制御弁においては、比例定数βは第7図(D)に示すよ
うに小さな負の値に設定され、比例定数γは第8図
(C)に示すように小さな正の値に設定される。またブ
ーム用シリンダ108のロッド側に係わる流量制御弁、ア
ーム用シリンダ109のロッド側に係わる流量制御弁及び
バケット用シリンダ110のロッド側に係わる流量制御弁
においては、比例定数β,γは全て第7図(A)及び第
8図(B)に示すように零に設定される。
実施例の動作 次にこのように構成された油圧駆動装置の動作を説明
する。
まず方向切換弁8,9のいずれの操作レバーも操作され
ていないときは、第1及び第2の流量制御弁11,12,11A,
12Aのパイロット弁29,30,29A,30Aは閉じられ、パイロッ
ト回路25,26,25A,16Aにはパイロット流量が流れない。
従って主弁21,22,21A,22Aの各可変絞り44にも圧油は流
れず、背圧室36の制御圧力Pcは出口ポート32の圧力(油
圧アクチュエータ6又は7の負荷圧力)Plと同じになっ
ている。またロードセンシング型ポンプレギュレータ10
の上述した作用により、油圧ポンプ1の吐出圧力Psは油
圧アクチュエータ6,7の最大負荷圧力Plmaxよりもばね95
の設定値に相当した圧力だけ高い圧力に保持されてい
る。従って、弁体35の各受圧面積がAc=As+Alの関係に
あり、Ps>Plなので、弁体35は油圧ポンプ1の吐出圧力
Psにより閉弁方向に付勢され、主弁21,22,21A,22Aは閉
位置に保持される。また圧力補償弁33,34,33A,34Aは前
述した受圧面積as,ac,am,azの設定により開位置に保持
されている。
また第3及び第4の流量制御弁13,14,13A,14Aにおい
ても同様に、パイロット弁31,32,31A,32Aは閉じられ、
パイロット回路27,28,27A,28Aにはパイロット流量が流
れない。従って主弁23,24,23A,24Aの各可変絞り76にも
圧油は流れず、背圧室77の制御圧力P3cは入口ポート70
の圧力(油圧アクチュエータ6又は7の負荷圧力)Plと
同じになっている。ここで負荷圧力Plはタンク圧力Prよ
り大きい。従って、弁体74の各受圧面積がA3c=A3l+A3
rの関係にあり、Pl>Plなので、弁体71は制御圧力P3cに
より閉弁方向に付勢され、主弁23,24,23A,24Aは閉位置
に保持される。
従って、油圧アクチュエータ6,7に対するメータイン
回路及びメータアウト回路のいずれにも圧油は流れず、
油圧アクチュエータ6,7は停止位置に保持されている。
次に方向切換弁8の操作レバーを単独で操作した場合
には、その操作量に応じて例えば第1の流量制御弁11の
パイロット弁29が開き、パイロット回路25にパイロット
流が形成され、パイロット弁29の開度に応じたパイロッ
ト流量が流れる。これにより前述したように、可変絞り
44と背圧室36の作用により、主弁弁体35はパイロット流
量に比例した開度に開き、操作レバーの操作量(パイロ
ット弁29の開度)に応じた流量が主弁21を通して入口ポ
ート31から出口ポート32,45へと流出する。
また第3の流量制御弁13においても同様に、操作レバ
ーの操作量に応じてパイロット弁31が開き、パイロット
回路27にパイロット流が形成され、パイロット弁31の開
度に応じたパイロット流量が流れる。これにより前述し
たように、可変絞り76と背圧室77の作用により、主弁弁
体74はパイロット流量に比例した開度に開き、操作レバ
ーの操作量(パイロット弁31の開度)に応じた流量が主
弁23を通して入口ポート70から出口ポート71へと流出す
る。
従って油圧アクチュエータ6に対するメータイン回路
15及びメータアウト回路17には操作レバーの操作量に応
じて流量が流れ、油圧アクチュエータ6は操作レバーの
操作量に応じた速度で駆動される。
そして、このように第1及び第3の流量制御弁11,13
のパイロット弁29,31が一定量開き、一定の主流量が流
れている状態において、例えば第1の流量制御弁11の出
口ポート32の圧力が上昇し、入口ポート31と出口ポート
32の差圧が減少しようとした場合には、ロードセンシン
グ型のポンプレギュレータ10の作用により油圧ポンプ1
の吐出圧力が増圧され、入口ポート31の圧力(油圧ポン
プ1の吐出圧力)と出口ポート32の圧力(油圧アクチュ
エータ6の負荷圧力;最大負荷圧力)との差圧が一定に
保持される。従って主弁21を通って操作レバーの操作量
に応じた一定の流量が流れ続ける。
またこのような油圧アクチュエータ6の単独操作にお
いて、圧力補償弁33の受圧面積as,ac,am,azを前記
(1)式におけ自己圧力補償特性に関する比例定数γが
零以外の任意の値になるように設定してある場合は、油
圧アクチュエータ6の負荷圧力(自己負荷圧力)の変化
に応じてパイロット弁29の前後差圧ΔPzが制御され、自
己負荷圧力補償がなされる。
例えば、第4図〜第8図を参照して説明した油圧ショ
ベルの例では、旋回モータ107に係わる流量制御弁にお
いては比例定数γは第8図(A)に示すように比較的小
さな負の値に設定されている。従って、旋回体101の駆
動時、旋回体は慣性体であるので負荷圧力が高くなり、
回路保護のために設けられたリリーフ弁の圧力以上に上
昇し、エネルギーの無駄を生じるが、比例定数γを負の
値とすることにより、旋回の負荷圧力が上昇するにした
がって差圧ΔPzが減少するように制御され流量制御弁を
通る流量が減少する。このため負荷圧力が上昇してもリ
リーフ弁より余剰流量として捨てられる分が少なくな
り、エネルギーの無駄を少なくできる。
またバケット用シリンダ110のボトム側に関する流量
制御弁においては、比例定数γは第8図(C)に示すよ
うに比較的小さな正の値に設定されている。従って、掘
削作業において自己負荷圧力が上昇するにしたがって差
圧ΔPzが増加し、流量制御弁を通る流量が増加する。即
ちバケットの掘削速度が上昇する。これにより力強い掘
削動作フィーリングを得ることができ、作業性が向上す
る。
次に方向切換弁8,9の操作レバーの双方を操作した場
合には、次の動作が行われる。まず方向切換弁8の例え
ば第1及び第3の流量制御弁11,13と方向切換弁9の例
えば第1及び第3の流量制御弁11A,13Aとの双方におい
て油圧アクチュエータを単独操作した場合と同様に、操
作量に応じたパイロット流量が流れ、可変絞り44,76と
背圧室36,77の作用により操作レバーの操作量(パイロ
ット弁29,31及び39A,39Aの開度)に応じた流量が主弁2
1,22及び21A,22Aを通して流れる。従って油圧アクチュ
エータ6,7が同時に駆動される。
そしてこのような油圧アクチュエータ6,7の複合操作
においては、第1の流量制御弁11,11Aの圧力補償弁33,3
3Aの受圧面積as,ac,am,azを前記(1)式の右辺第1項
における比例定数αが第6図に示すように任意の正の値
となるように設定してあることにより、圧力補償及び分
流機能が果たされる。
従って、例えば、第4図〜第8図を参照して説明した
油圧ショベルにおいては、ロードセンシング型のポンプ
レギュレータ10が有効に機能している運転状態では、各
作業部材を操作レバーの操作量に応じた一定の流量で駆
動し、安定した複合操作を行なうことができる。また油
圧アクチュエータ6,7の消費流量の合計が油圧ポンプ1
の最大吐出流量よりも大きくなり、ポンプレギュレータ
10が有効に機能しなくなるような運転状態になったとき
には、低圧側の油圧アクチュエータのみに圧油が供給さ
れるのではなく、高圧側の油圧アクチュエータにも確実
に圧油を供給でき、全ての作業部材を確実に駆動するこ
とができる。そして特にα≦Kと設定した場合には、複
合操作から単独操作に切換えられたときにも、油圧アク
チュエータに供給される流量に変動が生じず、安定して
作業を継続できる。
またα≦Kと設定した場合には、それぞれの油圧アク
チュエータに操作レバーの操作量に応じて正確に比例配
分された流量を供給できる。これにより、特に、圧力補
償弁33,33Aの受圧面積as,ac,am,azを、前記(1)式に
おけ比例定数β、γが零に設定してある場合は、作業部
材の移動軌跡を操作レバーの操作量に応じて正確に制御
することができる。例えば、ブーム用シリンダ108のロ
ッド側に係わる流量制御弁及びアーム用シリンダ109の
ロッド側に係わる流量制御弁においては、第7図(A)
及び第8図(B)に示すように、β=0,γ=0に設定さ
れている。これにより、ブーム及びアームを使用した下
り斜面の法面形成作業時、他の油圧アクチュエータの負
荷圧力及び自己負荷圧力の影響を完全に排除し、ブーム
用操作レバー及びアーム用操作レバーの操作量に応じて
正確にブーム用シリンダ108及びアーム用シリンダ109に
供給される流量を比例配分し、正確な法面形成を行うこ
とができる。
また上記本発明の構成において、補助弁は主回路では
なくパイロット回路に設置されている。従って、油圧回
路を高圧化しても液漏れが少なく、また主回路に大流量
を流しても絞り損失はほとんど生じない。
また圧力補償弁33,33Aの受圧面積as,ac,am,azを、前
記(1)式におけ比例定数βかつ/又は比例定数γが零
以外の任意の値になるように設定してある場合は、上記
圧力補償及び分流機能をベースとした、他の油圧アクチ
ュエータの最大負荷圧力Plmaxに依存して主弁21又は21A
を通る主流量を変化させる調和機能かつ/又は自己負荷
圧力補償が果たされる。
例えば、第4図〜第8図を参照して説明した油圧ショ
ベルの例では、旋回モータ107に係わる流量制御弁にお
いては、比例定数βは第7図(A)に示すようにβ=0
に設定され、ブーム用シリンダ108のボトム側に係わる
流量制御弁においては比例定数βは第7図(B)に示す
ように任意の正の値に設定される。一般的に、旋回とブ
ーム上げを同時に操作したときには、旋回体81は慣性体
であるので旋回初期においては旋回モータの負荷圧力が
高圧となる。しかしながら、旋回が最大速度に達すると
負荷圧力は減少してしまう。一方、ブームの負荷圧力は
ブーム保持圧力となるので、旋回初期時においては旋回
の負荷圧力よりは低い圧力となる。また、例えばバック
ホウショベルでの溝掘り作業において旋回とブーム上げ
を行うとき、オペレータは操作の簡便さから旋回とブー
ム上げの操作レバーを同時にフルストロークまで操作し
ても、最初はブームの上昇速度が旋回速度に対して速く
上昇し、ブームがある程度上昇したら徐々に旋回速度が
速くなるようにブームと旋回の速度を自動的に調節でき
るのが好ましい。比例定数βを上述のように設定するこ
とにより、ブーム側の流量制御弁においては、旋回初期
時旋回の負荷圧力が高く、差圧Plmax−Plが大きいとき
にはパイロット弁の前後差圧ΔPzが大きくなりブーム用
シリンダに供給される流量が増加し、差圧Plmax−Plの
減少と共に差圧ΔPzも徐々に減少する。従って、ブーム
と旋回の速度調整を自動的に行うことができ、オペレー
タの負担を軽減することができる。
またアーム用シリンダ109のボトム側に関する流量制
御弁においては、比例定数βは第7図(C)に示すよう
に比較的小さな正の値に設定される。アームを使用した
複合操作で掘削作業をするとき、各油圧アクチュエータ
は必ず動かなければならないが、このとき圧油は低圧側
のアクチュエータに多く流れようとする。このため、圧
油が流量制御弁を流れる際に絞られ、エネルギー損失が
大きくなる。従って、燃費も悪くなり、圧油のヒートバ
ランスも悪くなる。上記のように、複合操作のバランス
が阻害されない範囲で比例定数βを設定することによ
り、アーム側の流量制御弁においては、差圧Plmax−Pl
の増加に応じて主弁の開度が開き、油の絞りの程度が小
さくなる。これにより燃費及びヒートバランスの悪化を
低減できる。
さらに、バケット用シリンダ110のボトム側に関する
流量制御弁においては、比例定数βは第7図(D)に示
すように比較的小さな負の値に設定される。例えば、ブ
ームとバケットの複合操作によりブームの最大圧力でバ
ケットの動きを制限しながら溝を掘削しているとき、バ
ケットが地表に出た瞬間、バケットの負荷が急激に減少
し、ショックが発生する。上記のように比例定数βを設
定することにより、差圧Plmax−Plの増加に応じて差圧
ΔPzが負の要素として作用し、パイロット流量を減少さ
せ、バケットの速度を減速する。これにより負荷が急激
に減少したときのショックの発生を軽減し、作業の安全
性及び作業フィーリングが向上する。
自己負荷圧力補償については、油圧アクチュエータの
単独操作で説明したことと実質的に同じことが、複合操
作においても、各アクチュエータにおいて行われる。
このように本実施例の油圧駆動装置においては、圧力
補償弁の受圧面積を適宜設定し、定数α,β,γを所定
の値に設定することにより、分流機能、または分流機能
をベースとした調和機能かつ/又は自己圧力補償機能を
得ることができ、油圧建設機械の作業部材の種類及び作
業形態に応じて流量制御弁の特性を修正することができ
る。
また本実施例の油圧駆動装置においては、補助弁とし
ての圧力補償弁は主回路ではなくパイロット回路に配置
されている。従って、液漏れが少なく、高圧化に適した
油圧回路を提供でき、かつ主回路に大流量を流しても補
助弁部での絞り損失が少なく、経済的にも優れている。
なお以上の実施例では、第6図〜第8図を参照して、
油圧ショベルの旋回体、ブーム、アーム、バケットのそ
れぞれに係わる流量制御弁の特定のものにつき、上記
(1)式の定数β,γを零以外の所定の値に設定した例
を示した。しかしながら、本発明はこれに限られるもの
ではなく、全ての流量制御弁につき定数β,γを零に設
定することもでき、この場合でも、上記(1)式の定数
αを正の値、特にα≦Kの正の値に設定することによ
り、液漏れが少なく圧力損失が少ない回路構成において
上述した圧力補償及び分流機能を得ることができる。
その他の実施例 次に、第9図及び第10図を参照して本発明の他の実施
例を説明する。なおこれら図面において、第1図及び第
2図に示した実施例と同等の部材には同じ符号を付して
いる。
前述した実施例では、圧力補償弁の制御のため、油圧
ポンプの吐出圧力Ps、最大負荷圧力Plmax、パイロット
弁の入口圧力Pz及び出口圧力Pcを直接用いている。しか
しながら、これら4つの圧力は主弁背圧室の制御圧力を
媒体として互いに相関関係を持っており、これら4つの
圧力を直接用いなくても圧力補償弁を制御でき、圧力補
償弁に上述した特性を与えることができる。第9図及び
第10図は、このような観点から圧力補償弁の制御に上記
4つの圧力を直接使用しない実施例を示すものである。
即ち第9図及び第10図において、流量制御弁120のパ
イロット回路25に配置された圧力補償弁121は、入口ポ
ート122及び出口ポート123間の連通を制御するスプール
型の弁体124と、弁体124を開弁方向に付勢する第1の油
圧操作室125と、第1の油圧操作室125に対向して位置
し、弁体124を閉弁方向に付勢する第2、第3及び第4
の油圧操作室126、127、128とからなっている。第1の
油圧操作室125はパイロット管路129を介してパイロット
回路25のパイロット弁29出口側に接続され、第2の油圧
操作室126はパイロット回路25のパイロット弁29入口側
にパイロット管路130を介して接続され、第3の油圧操
作室127はパイロット管路131を介して主弁21の出口ポー
ト32に接続され、第4の油圧操作室128はパイロット管
路132を介して最大負荷圧力管路61に接続されている。
これにより第1の油圧操作室125にはパイロット弁29の
出口圧力(主弁背圧室36の制御圧力)Pcが導かれ、第2
の油圧操作室126にはパイロット弁29の入口圧力Pzが導
かれ、第3の油圧操作室127には油圧アクチュエータ6
又は7の負荷圧力Plが導かれ、第4の油圧操作室128に
は油圧アクチュエータ6,7の最大負荷圧力Plmaxが導かれ
る。
そして弁体124の第1の油圧操作室125に面する端面は
パイロット弁29の出口圧力Pcを受ける受圧面積acを規定
し、第2の油圧操作室126に面する弁体124の環状端面は
パイロット弁129の入口圧力Pzを受ける受圧面積azを規
定し、第3の油圧操作室127に面する弁体124の環状端面
は油圧アクチュエータ6又は7の負荷圧力Plを受ける受
圧面積alを規定し、第4の油圧操作室128に面する弁体1
24の端面は最大負荷圧力Plmaxを受ける受圧面積amを規
定している。これら受圧面積ac,az,al,amは、第1の実
施例と同様、以下に説明する比例定数α,β,γが得ら
れるように設定されている。
圧力補償弁121における弁体124の圧力釣り合い式は以
下の式で表わされる。
acPc=azPz+alPl+amPlmax また主弁21における弁体35の圧力釣り合い式は以下の式
で表わされる。
AcPc=AsPs+AlPl 上記2式よりパイロット弁29の前後差圧を求める式を導
き、Ac=As+Alを用いて変形すると 従って、 と置けば、 Pz−Pc=α(Ps−Plmax) +β(Plmax−Pl)+γPl (4) と表現できる。ここでパイロット弁29の前後差圧をΔPz
とすると、Pz−Pc=ΔPzである。従って、第1図に示し
た実施例における(1)式と同じ式が得られる。
従って、本実施例においても、比例定数α,β,γを
所定の値に設定することにより、パイロット弁29の前後
差圧ΔPzを、油圧ポンプ1の吐出圧力Psと最大負荷圧力
Plmaxとの差圧Ps−Plmax、最大負荷圧力Plmaxと自己負
荷圧力Plとの差圧Plmax−Pl、自己負荷圧力Plの3つの
要素にそれぞれに比例して制御でき、前述した圧力補償
及び分流機能(右辺第1項)、この圧力補償及び分流機
能をベースとした、複合操作における調和機能(右辺第
2項)、自己圧力補償機能(右辺第3項)を得ることが
できる。即ち、本実施例では、パイロット弁29の入口圧
力Pz及び出口圧力Pc、油圧ポンプ1の吐出圧力Ps、最大
負荷圧力Plmaxを直接用いる代わりに、入口圧力Pz、出
口圧力Pc、自己負荷圧力Pl及び最大負荷圧力Pmaxを用い
て上記4つの圧力Pz,Pc,Ps,Plmaxを用いたのと同様の効
果を得るものである。
第11図及び第12図を参照して本発明の更に他の実施例
を説明する。以上の実施例は圧力補償弁をパイロット回
路のパイロット弁29入口側に配置した。しかしながら圧
力補償弁はパイロット回路のパイロット弁出口側即ちパ
イロット弁と主弁背圧室の間に配置することもできる。
第11図及び第12図はそのような実施例を示すものであ
る。
即ち第11図及び第12図において、流量制御弁140はパ
イロット弁29と主弁21の背圧室36との間においてパイロ
ット回路25に接続された圧力補償弁141を有し、圧力補
償弁141は、入口ポート142及び出口ポート143の連通を
制御するシート弁型の弁体144と、弁体144を開弁方向に
付勢する第1及び第2の油圧操作室145,146と、弁体144
を閉弁方向に付勢する第3及び第4の油圧操作室147,14
8とを有し、第1の油圧操作室145は主弁21の出口ポート
32にパイロット管路149を介して接続され、第2の油圧
操作室146は圧力補償弁141の入口ポート142に連通する
入口部150内に形成され、第3の油圧操作室147は最大負
荷圧力管路61にパイロット管路151を介して接続され、
第4の油圧操作室148は主弁21の背圧室36にパイロット
管路152を介して接続されている。これにより第1の油
圧操作室145には油圧アクチュエータ6又は7の負荷圧
力Plが導かれ、第2の油圧操作室146にはパイロット弁2
9の出口圧力Pzが導かれ、第3の油圧操作室147には最大
負荷圧力Plmaxが導かれ、第4の油圧操作しつ148には主
弁背圧室36の制御圧力Pcが導かれる。
そして弁体144の第1の油圧操作室145に面する環状端
面は油圧アクチュエータ6又は7の負荷圧力Plを受ける
受圧面積alを規定し、第2の油圧操作室146に面する弁
体144の端面はパイロット弁29の出口圧力Pzを受ける受
圧面積azを規定し、第3の油圧操作室147に面する弁体1
44の環状端面は最大負荷圧力Plmaxを受ける受圧面積am
を規定し、第4の油圧操作室148に面する弁体144の端面
は背圧室36の制御圧力Pcを受ける受圧面積acを規定して
いる。これら受圧面積al,az,am,acは、上記実施例と同
様、以下に説明する比例定数α,β,γが得られるよう
に設定されている。
圧力補償弁141における弁体144の圧力釣り合い式は以
下の式で表わされる。
acPc+amPlmax=alPl+azPz また主弁21における弁体35の圧力釣り合い式は以下の式
で表わされる。
AcPc=AsPs+AlPl 上記2式よりパイロット弁29の前後差圧を求める式を導
き、Ac=As+Alを用いて変形すると 従って、 と置けば、 Ps−Pz=α(Ps−Plmax) +β(Plmax−Pl)+γPl (5) と表現できる。ここでパイロット弁29の前後差圧をΔPz
とすると、Ps−Pz=ΔPzである。従って、第1図に示し
た実施例における(1)式と同じ式が得られる。
従って、本実施例においても、比例定数α,β,γを
所定の値に設定することにより、パイロット弁29の前後
差圧ΔPzを、油圧ポンプ1の吐出圧力Psと最大負荷圧力
Plmaxとの差圧Ps−Plmax、最大負荷圧力Plmaxと自己負
荷圧力Plとの差圧Plmax−Pl、自己負荷圧力Plの3つの
要素にそれぞれ比例して制御でき、前述した圧力補償及
び分流機能(右辺第1項)、この圧力補償及び分流機能
をベースとした、複合操作における調和機能(右辺第2
項)、自己圧力補償機能(右辺第3項)を得ることがで
きる。即ち、本実施例では、圧力補償弁141をパイロッ
ト弁29の出口側に配置することにより、入口側に配置し
たのと同様の効果を得るものである。
第13図及び第14図は、圧力補償弁をパイロット弁出口
側に配置し、その制御にパイロット弁の入口圧力及び出
口圧力、油圧ポンプの吐出圧力及び最大負荷圧力を直接
用いない他の実施例を示す。
第13図及び第14図において、流量制御弁160のパイロ
ット回路25に配置された圧力補償弁161は、入口ポート1
62及び出口ポート163間の連通を制御するシート型の弁
体164と、弁体164を開弁方向に付勢する第1及び第2の
油圧操作室165,166と、第1及び第2の油圧操作室165,1
66に対向して位置し、弁体164を閉弁方向に付勢する第
3及び第4の油圧操作室167,168とからなっている。第
1の油圧操作室165はパイロット管路169を介して主弁21
の出口ポート32に接続され、第2の油圧操作室166は圧
力補償弁161の入口ポート162に連通する入口部179内に
形成され、第3の油圧操作室167はパイロット管路171を
介して最大負荷圧力管路61に接続され、第4の油圧操作
室168はパイロット管路172を介してパイロット回路25の
パイロット弁29入口側に接続されている。これにより第
1の油圧操作室165には油圧アクチュエータ6又は7の
負荷圧力Plが導かれ、第2の油圧操作室166には油圧ポ
ンプ1の吐出圧力Psが導かれ、第3の油圧操作室167に
は油圧アクチュエータ6,7の最大負荷圧力Plmaxが導か
れ、第4の油圧操作室168にはパイロット弁29の入口圧
力Pzが導かれる。
そして弁体164の第1の油圧操作室165に面する環状端
面は油圧アクチュエータ6又は7の負荷圧力Plを受ける
受圧面積alを規定し、第2の油圧操作室166に面する弁
体164の端面は油圧ポンプ1の吐出圧力Psを受ける受圧
面積asを規定し、第3の油圧操作室167に面する弁体164
の環状端面は最大負荷圧力Plmaxを受ける受圧面積amを
規定し、第4の油圧操作室168に面する端面はパイロッ
ト弁29の入口圧力Pzを受ける受圧面積azを規定してい
る。これら受圧面積al,as,am,azは、上記した実施例と
同様、以下に説明する比例定数α,β,γが得られるよ
うに設定されている。
圧力補償弁161における弁体164の圧力釣り合い式は以
下の式で表わされる。
azPz+amPlmax=alPl+asPs また主弁21における弁体35の圧力釣り合い式は以下の式
で表わされる。
AcPc=AsPs+AlPl 上記2式よりパイロット弁29の前後差圧を求める式を導
き、Ac=As+Alを用いて変形すると 従って、 と置けば、 Pz−Pc=α(Ps−Plmax) +β(Plmax−Pl)+γPl (6) と表現できる。ここでパイロット弁29の前後差圧をΔPz
とすると、Pz−Pc=ΔPzである。従って、第1図に示し
た実施例における(1)式と同じ式が得られる。
従って、本実施例においても、比例定数α,β,γを
所定の値に設定することにより、パイロット弁29の前後
差圧ΔPzを、油圧ポンプ1の吐出圧力Psと最大負荷圧力
Plmaxとの差圧Ps−Plmax、最大負荷圧力Plmaxと自己負
荷圧力Plとの差圧Plmax−Pl、自己負荷圧力Plの3つの
要素にそれぞれに比例して制御でき、前述した圧力補償
及び分流機能(右辺第1項)、この圧力補償及び分流機
能をベースとした、複合操作における調和機能(右辺第
2項)、自己圧力補償機能(右辺第3項)を得ることが
できる。
第15図及び第16図を参照して本発明の更に他の実施例
を説明する。以上の実施例は全て、圧力補償弁のため4
つの圧力を用いている。しかしながら、油圧ポンプの吐
出圧力、最大負荷圧力、パイロット弁の入口圧力及び出
口圧力の4つの圧力は主弁背圧室の制御圧力を媒体とし
て互いに相関関係を持っており、4つの圧力を用いなく
ても圧力補償弁を制御でき、圧力補償弁に上述した特性
を与えることができる。第15図及び第16図はこのような
実施例を示すものである。
即ち第15図及び第16図にいおて、流量制御弁180はパ
イロット弁29と主弁背圧室36の間においてパイロット回
路25に配置された圧力補償弁181を有し、圧力補償弁181
は、入口ポート182及び出口ポート183間の連通を制御す
るシート型の弁体184と、弁体184を開弁方向に付勢する
第1油圧操作室185と、第1の油圧操作室185に対向して
位置し、弁体184を閉弁方向に付勢する第2及び第3の
油圧操作室186、187とからなっている。第1の油圧操作
室185は圧力補償弁181の入口ポート182に連通する入口
部188内に形成され、第2の油圧操作室186はパイロット
管路189を介してパイロット回路25のパイロット弁29入
口側又はメータイン回路15の主弁21入口側に接続され、
第3の油圧操作室187はパイロット管路190を介して最大
負荷圧力管路61に接続されている。これにより第1の油
圧操作室185にはパイロット弁29の出口圧力Pzが導か
れ、第2の油圧操作室186には油圧ポンプ1の吐出圧力P
sが導かれ、第3の油圧操作室187には最大負荷圧力Plma
xが導かれる。
そして弁体184の第1の油圧操作室185に面する端面は
パイロット弁29の出口圧力Pzを受ける受圧面積Azを規定
し、第2の油圧操作室186に面する弁体184の環状端面は
油圧ポンプ1の吐出圧力Psを受ける受圧面積asを規定
し、第3の油圧操作室187に面する弁体184の端面は最大
負荷圧力Plmaxを受ける受圧面積amを規定している。こ
れら受圧面積az,as,amは、上記した実施例と同様、以下
に説明する比例定数α,β,γが得られるように設定さ
れている。
圧力補償弁181における弁体184の圧力釣り合い式は以
下の式で表わされる。
azPz=asPs+amPlmax また主弁21における弁体35の圧力釣り合い式は以下の式
で表わされる。
AcPc=AsPs+AlPl 上記2式よりパイロット弁29の前後差圧を求める式を導
き、Ac=Ac+Alを用いて変形すると az(Ps−Pz)=(az−as)(Ps−Plmax) +(az−as−am)(Plmax−Pl) +(az−as−am)Pl 従って、 と置けば、 Ps−Pz=α(Ps−Plmax) +β(Plmax−Pl)+γPl (7) と表現できる。ここでパイロット弁29の前後差圧をΔPz
とすると、Pz−Pc=ΔPzである。従って、第1図に示し
た実施例における(1)式と同じ式が得られる。ただし
本実施例では、βとγが同じ値になるため、両者を独立
して定めることはできない。
従って、本実施例においても、比例定数α,β,γを
所定の値に設定することにより、パイロット弁29の前後
差圧ΔPzを、油圧ポンプ1の吐出圧力Psと最大負荷圧力
Plmaxとの差圧Ps−Plmax、最大負荷圧力Plmaxと自己負
荷圧力Plとの差圧Plmax−Pl、自己負荷圧力Plの3つの
要素にそれぞれに比例して制御でき、前述した圧力補償
及び分流機能(右辺第1項)、この圧力補償及び分流機
能をベースとした、複合操作における調和機能(右辺第
2項)及び自己圧力補償機能(右辺第3項)を得ること
ができる。
以上説明したように、本発明は、パイロット弁の入口
圧力及び出口圧力、油圧ポンプ1の吐出圧力、最大負荷
圧力の4つの圧力に基づいて圧力補償弁を制御し、圧力
補償及び分流機能、又は圧力補償及び分流機能をベース
とした調和機能かつ/又は自己圧力補償機能を選択的に
達成可能とするものである。当該4つの圧力は主弁背圧
室の制御圧力を媒体として互いに相関関係を持っている
ので、これら4つの圧力を直接用いなくても、また圧力
補償弁をパイロット弁の入口側及び出口側のいずれに配
置しても、圧力補償弁の制御が行える。また4以外の数
の圧力を用いても圧力補償弁を制御できる。
次に、ポンプ制御手段に関する本発明の他の実施例を
説明する。まず、以上の実施例では、本発明の油圧駆動
装置をロードセンシング型のポンプレギュレータとの組
み合わせで説明し、かつそのロードセンシング型ポンプ
レギュレータを可変容量型油圧ポンプの吐出圧力を制御
するものとして説明したが、油圧ポンプは固定容量型で
あってもよい。この場合、ロードセンシングレギュレー
タ型のポンプレギュレータは第17図に示すように構成さ
れる。即ち、第17図において、ポンプレギュレータ380
は対向するパイロット室381,382を有するリリーフ弁383
を有し、パイロット室381にはパイロット管路348を介し
て固定容量型の油圧ポンプ385の吐出圧力を導き、パイ
ロット室382にはパイロット管路386を介して最大負荷圧
力を導き、パイロット室382の側にばね387を配置する。
これにより油圧ポンプ385の吐出圧力は複数の油圧アク
チュエータの最大負荷圧力よりもばね387の強さに対応
する圧力だけ高く保持できる。
また本発明の油圧駆動装置は、ロードセンシング型以
外のポンプレギュレータとの組み合わせでも構成するこ
とができる。このような実施例を第18図に示す。即ち、
第18図において、油圧ポンプ390は上述した主弁とパイ
ロット弁と圧力補償弁との組み合わせからなる流量制御
弁391に接続され、またその吐出量はポンプ流量制御装
置392によって調整される。油圧ポンプ390と流量制御弁
391の間にはアンロード弁393が接続され、流量制御弁39
1に対しては操作装置394が設けられている。操作装置39
4の操作信号は制御装置395に送られ、ここからさらに制
御信号として流量制御弁391のパイロット弁駆動部396に
送られ、パイロット弁の開度を制御する。制御装置395
に送られた操作信号はまた演算装置397に送られ、演算
装置397は記憶装置398に予め記憶してあるマップから流
量制御弁391の必要流量を算出し、ポンプ流量制御装置3
92に信号を送る。これと同時に、演算装置397は、予め
記憶装置398に記憶してあるもう1つのマップからアン
ロード弁393の設定圧力を算出し、その信号をアンロー
ド弁393に出力する。これにより油圧ポンプ390の吐出圧
力は操作信号の関数として記憶装置398に予め記憶して
あるマップから得られる圧力に制御される。
このようなポンプ制御手段と組み合わせた本発明の油
圧駆動装置においては、前述した(1)式の右辺第1項
において、差圧Ps−Plmaxは一定に制御できない。従っ
て、右辺第1項の機能のうち圧力補償機能は得られな
い。しかしながら、複合操作において、当該差圧が複数
の油圧アクチュエータに係わる流量制御弁に共通である
ことには変わりがないので、分流機能は果たすことがで
きる。また、(1)式右辺第2項及び第3項はポンプ吐
出圧力Psには係わりがないので、β,γを零以外の値に
設定した場合には、分流機能をベースとした調和機能か
つ/または自己圧力補償機能を果たすことができる。
以上本発明の実施例を図面を参照して説明したが、本
発明は上述した特定の実施例に限られず、本発明の精神
の範囲内で種々の修正、変更ができるものである。
例えば、以上の実施例では、油圧ポンプにより2つの
油圧アクチュエータを駆動する例を示したが、本発明は
当然油圧アクチュエータが3個以上の場合にも適用でき
るものである。またポンプ制御手段は、油圧ポンプ吐出
圧力を一定に保持する単なるリリーフ弁を備えたもので
あってもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、定数α,β,γを所定の値に適宜設
定することにより、圧力補償及び分流機能、又は圧力補
償及び分流機能をベースとした調和機能かつ/又は自己
圧力補償機能を選択的に付与することができ、油圧建設
機械の作業部材の種類及び作業形態に応じて流量制御弁
の特性を最適の状態に設定することができる。
従って、例えば油圧ショベルへの適用例においては、
旋回とブーム上げの操作レバーをフルストロークまで同
時に操作しても、最初はブームの上昇速度が旋回速度に
対して速く上昇し、ブームがある程度上昇したら徐々に
旋回速度が速くなり、旋回が最大速度に達すると旋回速
度がほぼ一定となるという複合操作が自動的に行われる
ような流量制御弁特性、アームを使用した複合操作で掘
削を行なうとき、アームは確実に駆動されると共に、ア
ーム用油圧アクチュエータが低圧側にあるとき、燃費及
びヒートバランスの悪化を防止する流量制御弁特性、バ
ケットを使用した複合操作による溝堀作業時、バスケッ
トが掘削負荷から解放され、地表に出た瞬間、流量制御
弁の通過流量を減少させ、ショックを軽減させる流量制
御弁特性、旋回加速時、リリーフ弁より流出する流量を
少なくし、エネルギー消費の無駄を少なくする流量制御
弁特性、バケットを使用した掘削作業時、力強い掘削動
作フィーリングを得る流量制御弁特性、ブーム及びアー
ムを使用した傾斜面の法面形成作業時、正確な法面形成
を行う流量制御弁特性等を得ることができる。
また補助弁がパイロット回路に配置されているので、
絞り損失が少なく省エネ構造の油圧回路を提供すること
ができる。
また、シート型主弁背圧室の制御圧力を受ける受圧面
積に対する油圧アクチュエータの負荷圧力を受ける受圧
面積の比Kに対して、前記第1の定数αをα≦Kの関係
に設定した場合には、上記分流機能において操作手段の
操作量(パイロット弁開度)に比例した流量を正確に分
流することができる。ここで、α=Kと設定した場合に
は、流量を操作量に応じて比例配分する分流機能を得な
がら最大の比例ゲインを付与できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による油圧駆動装置の全体構
成を示す概略図であり、第2図はその油圧駆動装置のメ
ータイン回路に接続された流量制御弁の構造を示す断面
図であり、第3図は同油圧駆動装置のメータアウト回路
に接続された流量制御弁の構造を示す断面図であり、第
4図は本発明の油圧駆動装置の適用の対象となる油圧シ
ョベルの側面図であり、第5図は同油圧ショベルの上面
図であり、第6図は上記油圧駆動装置の1つの流量制御
弁に含まれる圧力補償弁の比例定数αの設定例を示す特
性図であり、第7図(A)〜(D)は同油圧駆動装置の
1つの流量制御弁に含まれる圧力補償弁の比例定数βの
設定例を示す特性図であり、第8図(A)〜(C)は同
油圧駆動装置の1つの流量制御弁に含まれる圧力補償弁
の比例定数γの設定例を示す特性図であり、第9図は本
発明の他の実施例による油圧駆動装置のメータイン回路
に接続された流量制御弁の概略図であり、第10図はその
流量制御弁の構造を示す断面図であり、第11図は本発明
のさらに他の実施例による油圧駆動装置のメータイン回
路に接続された流量制御弁の概略図であり、第12図はそ
の流量制御弁の構造を示す断面図であり、第13図は本発
明のなおさらに他の実施例による油圧駆動装置のメータ
イン回路に接続された流量制御弁の概略図であり、第14
図はその流量制御弁の構造を示す断面図であり、第15図
は本発明のまた更に他の実施例による油圧駆動装置のメ
ータイン回路に接続された流量制御弁の概略図であり、
第16図はその流量制御弁の構造を示す断面図であり、第
17図は本発明の油圧駆動装置に定容量型油圧ポンプを使
用した場合のロードセンシング型ポンプレギュレータの
実施例を示す回路図であり、第18図は本発明の油圧駆動
装置に使用されるロードセンシング型でないポンプ制御
手段の実施例を示す回路図である。 符号の説明 1;385;389…油圧ポンプ 2,3…主回路 6,7;107−110…油圧アクチュエータ 8,9,11,12,11A,12A;120;140;160;180…流量制御弁手段 10;380;392…ポンプ制御手段 21,22,21A,22A…主弁 25,26,25A,26A…パイロット回路 29,30,29A,30A…パイロット弁 31…入口ポート、32…出口ポート 33,34,33A,34A;121;141;161;181…補助弁 36…背圧室、44…可変絞り 53−60;125−132;145−152;165−172;185−190…制御手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願昭62−249902 (32)優先日 昭62(1987)10月5日 (33)優先権主張国 日本(JP) (56)参考文献 特開 昭60−11706(JP,A) 特開 昭60−172707(JP,A) 特開 昭61−165428(JP,A) 特開 平2−31003(JP,A) 特公 昭59−8684(JP,B2)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1つの油圧ポンプと;この油圧
    ポンプにそれぞれ主回路を介して接続され、該油圧ポン
    プから吐出される圧油によって駆動される少なくとも第
    1及び第2の油圧アクチュエータと;前記油圧ポンプと
    前記第1及び第2の油圧アクチュエータの間においてそ
    れぞれの主回路に接続された第1及び第2の流量制御弁
    手段と;前記油圧ポンプの吐出圧力を制御するポンプ制
    御手段とを有し;前記第1及び第2の流量制御弁手段
    は、各々、操作手段の操作量に応じて開度を変化させる
    第1の弁手段と、第1の弁手段に直列に接続され、該弁
    手段の入口圧力と出口圧力の差圧を制御する第2の弁手
    段とを有し;さらに、前記第1及び第2の流量制御弁手
    段の各々につき、前第1の弁手段の入口圧力及び出口圧
    力、前記油圧ポンプの吐出圧力及び前記第1及び第2の
    油圧アクチュエータの最大負荷圧力に基づいて前記第2
    の弁手段を制御する制御手段を有する油圧駆動装置にお
    いて、 前記第1及び第2の流量制御弁手段は、各々、前記主回
    路に接続された入口ポート及び出口ポートの連通を制御
    する弁体、この弁体の変位に対応して開度を変化させる
    可変絞り、及び前記出口ポートに前記可変絞りを介して
    連通し、前記弁体を開弁方向に付勢する制御圧力を発生
    する背圧室を有する主弁と、前記主弁の入口ポートと背
    圧室との間に接続されたパイロット回路とを有するこ
    と; 前記第1の弁手段は、前記パイロット回路に接続されパ
    イロット回路を流れるパイロット流を制御するパイロッ
    ト弁として構成されると共に、前記第2の弁手段は、前
    記パイロット回路に接続され、前記パイロット弁の入口
    圧力と出口圧力の差圧を制御する補助弁として構成され
    ていること; 前記制御手段は、前記第1及び第2の流量制御弁手段の
    各々につき、前記パイロット弁の入口圧力と出口圧力の
    差圧が前記油圧ポンプの吐出圧力と前記第1及び第2の
    油圧アクチュエータの最大負荷圧力との差圧、前記最大
    負荷圧力とそれぞれの油圧アクチュエータの自己負荷圧
    力との差圧、及び自己負荷圧力に対して、以下の式で表
    わされる関係となるように前記補助弁を制御し、 ΔPz=α(Ps−P1max)+β(P1max−P1)+γP1 ここでΔPz:前記パイロット弁の入口圧力と出口圧力と
    の差圧 Ps:前記油圧ポンプの吐出圧力 P1max:前記第1及び第1の油圧アクチュエータの最大負
    荷圧力 P1:前記第1及び第2の油圧アクチュエータのそれぞれ
    の自己負荷圧力 α,β,γ:第1、第2及び第3の定数 前記第1、第2及び第3の定数α,β,γをそれぞれ所
    定の値に設定したことを特徴とする油圧駆動装置。
  2. 【請求項2】前記背圧室の制御圧力を受ける前記主弁弁
    体の受圧面積に対する前記出口ポートを介して関連する
    油圧アクチュエータの負荷圧力を受ける主弁弁体の受圧
    面積の比をKとすると、前記第1の定数αはα≦Kの関
    係にあることを特徴とする請求項1記載の油圧駆動装
    置。
  3. 【請求項3】前記第2及び第3の定数β、γをそれぞれ
    零に設定したことを特徴とする請求項2記載の油圧駆動
    装置。
  4. 【請求項4】前記第1の定数α、前記操作手段の操作量
    と前記主弁を通る主流量の比例ゲインに対応した正の値
    に設定したことを特徴とする請求項1記載の油圧駆動装
    置。
  5. 【請求項5】前記第2の定数βを、関連する油圧アクチ
    ュエータと他の油圧アクチュエータとを複合操作した際
    の両アクチュエータの動作特性に基づく値に設定したこ
    とを特徴とする請求項1記載の油圧駆動装置。
  6. 【請求項6】前記第3の定数γを、関連する油圧アクチ
    ュエータの動作特性に基づく値に設定したことを特徴と
    する請求項1記載の油圧駆動装置。
  7. 【請求項7】前記制御手段は、前記第1及び第2の流量
    制御弁手段の各々の前記補助弁に設けられた複数の油圧
    操作室と、該複数の油圧操作室に前記油圧ポンプの吐出
    圧力、前記最大負荷圧力、前記パイロット弁の入口圧力
    及び出口圧力を直接又は間接的に導入する管路手段とを
    有し、該複数の油圧操作室のそれぞれの受圧面積を前記
    第1、第2及び第3の定数α,β,γが前記所定の値と
    なるように設定したことを特徴とする請求項1記載の油
    圧駆動装置。
  8. 【請求項8】前記補助弁は前記主弁の入口ポートと前記
    パイロット弁との間に配置され、前記複数の油圧操作室
    は、前記補助弁を開弁方向に付勢する第1及び第2の油
    圧操作室と、該補助弁を閉弁方向に付勢する第3及び第
    4の油圧操作室とを有し、前記管路手段は、前記油圧ポ
    ンプの吐出圧力を前記第1の油圧操作室に導く第1の管
    路と、前記パイロット弁の出口圧力を前記第2の油圧操
    作室に導く第2の管路と、前記最大負荷圧力を前記第3
    の油圧操作室に導く第3の管路と、前記パイロット弁の
    入口圧力を前記第4の油圧操作室に導く第4の管路とを
    有することを特徴とする請求項7記載の油圧駆動装置。
  9. 【請求項9】前記補助弁は前記主弁の背圧室と前記パイ
    ロット弁との間に配置され、前記複数の油圧操作室は、
    前記補助弁を開弁方向に付勢する第1の油圧操作室と、
    該補助弁を閉弁方向に付勢する第2、第3及び第4の油
    圧操作室とを有し、前記管路手段は、前記パイロット弁
    の出口圧力を前記第1の油圧操作室に導く第1の管路
    と、前記パイロット弁の入口圧力を前記第2の油圧操作
    室に導く第2の管路と、関連する油圧アクチュエータの
    負荷圧力を前記第3の油圧操作室に導く第3の管路と、
    前記前記最大負荷圧力を前記第4の油圧操作室に導く第
    4の管路とを有することを特徴とする請求項7記載の油
    圧駆動装置。
  10. 【請求項10】前記補助弁は前記パイロット弁と前記主
    弁の背圧室との間に配置され、前記複数の油圧操作室
    は、前記補助弁を開弁方向に付勢する第1及び第2の油
    圧操作室と、該補助弁を閉弁方向に付勢する第3及び第
    4の油圧操作室とを有し、前記管路手段は、関連する油
    圧アクチュエータの負荷圧力を前記第1の油圧操作室に
    導く第1の管路と、前記パイロット弁の出口圧力を前記
    第2の油圧操作室に導く第2の管路と、前記最大負荷圧
    力を前記第3の油圧操作室に導く第3の管路と、前記背
    圧室の制御圧力を前記第4の油圧操作室に導く第4の管
    路とを有することを特徴とする請求項7記載の油圧駆動
    装置。
  11. 【請求項11】前記補助弁は前記主弁の入口ポートと前
    記パイロット弁との間に配置され、前記複数の油圧操作
    室は、前記補助弁を開弁方向に付勢する第1及び第2の
    油圧操作室と、該補助弁を閉弁方向に付勢する第3及び
    第4の油圧操作室とを有し、前記管路手段は、関連する
    油圧アクチュエータの負荷圧力を前記第1の油圧操作室
    に導く第1の管路と、前記前記油圧ポンプの吐出圧力を
    前記第2の油圧操作室に導く第2の管路と、前記最大負
    荷圧力を前記第3の油圧操作室に導く第3の管路と、前
    記パイロット弁の入口圧力を前記第4の油圧操作室に導
    く第4の管路とを有することを特徴とする請求項7記載
    の油圧駆動装置。
  12. 【請求項12】前記補助弁は前記パイロット弁と前記主
    弁の背圧室との間に配置され、前記複数の油圧操作室
    は、前記補助弁を開弁方向に付勢する第1の油圧操作室
    と、該補助弁を閉弁方向に付勢する第2及び第3の油圧
    操作室とを有し、前記管路手段は、前記パイロット弁の
    出口圧力を前記第1の油圧操作室に導く第1の管路と、
    前記油圧ポンプの吐出圧力を前記第2の油圧操作室に導
    く第2の管路と、前記最大負荷圧力を前記第3の油圧操
    作室に導く第3の管路とを有することを特徴とする請求
    項7記載の油圧駆動装置。
  13. 【請求項13】前記ポンプ制御手段は、油圧ポンプの吐
    出圧力を前記第1及び第2の油圧アクチュエータの最大
    負荷圧力よりも所定値だけ高く保持するロードセンシン
    グ型のポンプレギュレータであることを特徴とする請求
    項1記載の油圧駆動装置。
  14. 【請求項14】少なくとも1つの油圧ポンプと;この油
    圧ポンプにそれぞれ主回路を介して接続され、該油圧ポ
    ンプから吐出される圧油によって駆動される複数の油圧
    アクチュエータと;前記複数の油圧アクチュエータによ
    ってそれぞれ駆動される、旋回体、ブーム、アーム及び
    バケットを含む複数の作業部材と;前記油圧ポンプと前
    記複数の油圧アクチュエータの間においてそれぞれの主
    回路に接続された複数の流量制御弁手段と;前記油圧ポ
    ンプの吐出圧力を制御するポンプ制御手段とを有し;前
    記複数の流量制御弁手段は、各々、操作手段の操作量に
    応じて開度を変化させる第1の弁手段と、第1の弁手段
    に直列に接続され、該弁手段の入口圧力と出口圧力の差
    圧を制御する第2の弁手段とを有し;さらに、前記複数
    の流量制御弁手段の各々につき、前第1の弁手段の入口
    圧力及び出口圧力、前記油圧ポンプの吐出圧力及び前記
    第1及び第2の油圧アクチュエータの最大負荷圧力に基
    づいて前記第2の弁手段を制御する制御手段を有する油
    圧建設機械において、 前記複数の流量制御弁手段は、各々、前記主回路に接続
    された入口ポート及び出口ポートの連通を制御する弁
    体、この弁体の変位に対応して開度を変化させる可変絞
    り、及び前記出口ポートに前記可変絞りを介して連通
    し、前記弁体を開弁方向に付勢する制御圧力を発生する
    背圧室を有する主弁と、前記主弁の入口ポートと背圧室
    との間に接続されたパイロット回路とを有すること; 前記第1の弁手段は、前記パイロット回路に接続されパ
    イロット回路を流れるパイロット流を制御するパイロッ
    ト弁として構成されると共に、前記第2の弁手段は、前
    記パイロット回路に接続され、前記パイロット弁の入口
    圧力と出口圧力の差圧を制御する補助弁として構成され
    ていること; 前記制御手段は、前記旋回体、ブーム、アーム及びバケ
    ットの少なくとも2つの作業部材に関する流量制御弁手
    段の各々につき、前記パイロット弁の入口圧力と出口圧
    力の差圧が前記油圧ポンプの吐出圧力と前記複数の油圧
    アクチュエータの最大負荷圧力との差圧、前記最大負荷
    圧力とそれぞれの油圧アクチュエータの自己負荷圧力と
    の差圧、及び自己負荷圧力に対して、以下の式で表わさ
    れる関係となるように前記補助弁を制御し、 ΔPz=α(Ps−P1max)+β(P1amx−P1)+γP1 ここでΔPz:前記パイロット弁の入口圧力と出口圧力と
    の差圧 Ps:前記油圧ポンプの吐出圧力 P1max:前記複数の油圧アクチュエータの最大負荷圧力 P1:前記複数の油圧アクチュエータのそれぞれの自己負
    荷圧力 α,β,γ:第1、第2及び第3の定数 第1、第2及び第3の定数α,β,γをそれぞれ所定の
    値に設定したことを特徴とする油圧建設機械。
  15. 【請求項15】前記背圧室の制御圧力を受ける前記主弁
    弁体の受圧面積に対する前記出口ポートを介して関連す
    る油圧アクチュエータの負荷圧力を受ける主弁弁体の受
    圧面積の比をKとすると、前記第1の定数αはα≦Kの
    関係にあることを特徴とする請求項14記載の油圧建設機
    械。
  16. 【請求項16】前記制御手段は、前記ブーム用油圧アク
    チュエータのボトム側に関する流量制御弁手段につき、
    前記第2の定数βを正の値に設定したことを特徴とする
    請求項14記載の油圧建設機械。
  17. 【請求項17】前記制御手段は、前記アーム用油圧アク
    チュエータのボトム側に関する流量制御弁手段につき、
    前記第2の定数βを正の値に設定したことを特徴とする
    請求項14記載の油圧建設機械。
  18. 【請求項18】前記制御手段は、前記バケット用油圧ア
    クチュエータのボトム側に関する流量制御弁につき、前
    記第2の定数βを負の値に設定したことを特徴とする請
    求項14記載の油圧建設機械。
  19. 【請求項19】前記制御手段は、前記旋回体用油圧アク
    チュエータに関する流量制御弁につき、前記第3の定数
    γを負の値に設定したことを特徴とする請求項14記載の
    油圧建設機械。
  20. 【請求項20】前記制御手段は、前記バケット用油圧ア
    クチュエータのボトム側に関する流量制御弁につき、前
    記第3の定数γを正の値に設定したことを特徴とする請
    求項14記載の油圧建設機械。
  21. 【請求項21】前記制御手段は、前記ブーム及びアーム
    用油圧アクチュエータのロッド側に関する流量制御弁に
    つき、それぞれ前記第2及び第3の定数β,γを零に設
    定したことを特徴とする請求項14又は15記載の油圧建設
    機械。
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