JP2591685B2 - 嵩高パルプシート - Google Patents

嵩高パルプシート

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JP2591685B2 JP2062369A JP6236990A JP2591685B2 JP 2591685 B2 JP2591685 B2 JP 2591685B2 JP 2062369 A JP2062369 A JP 2062369A JP 6236990 A JP6236990 A JP 6236990A JP 2591685 B2 JP2591685 B2 JP 2591685B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は親水性、吸液性に優れた嵩高パルプシートに
関する。
<従来の技術> 環式成形法でセルローズパルプを用いてシート化する
方法は不織布技術講習会テキスト(科学ブレーン社、於
大阪,62.2.17)の27頁に述べられている。しかしその本
質的な欠点はセルローズパルプをバインダーと共に積層
せねばならないため、1つにパルプ繊維がバインダーに
よつて濡れ、屈曲したパルプ繊維がヘタリどうしても二
次元的に積層されること。一方では、パルプ繊維は繊維
長が短いため繊維同志の絡み合い少ないためシート重量
に対し10〜40%と大量のバインダーを必要とするためそ
のシートは硬くなり、又バインダーの性質が強くでてく
るためその衛生性に問題がある。
とにかくそのシートの嵩高性には限度があり、2.5g/c
m2荷重下で測定した見掛密度0.04g/cm3以下のシートは
得られていなかつた。又、生産性の面から嵩高性を失な
わないために静かに積層せねばならず、生産速度の向上
は望めないという欠点を有していた。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明は従来のパルプ乾式シート成型法では限度のあ
る嵩高性を更に向上し、バインダー繊維を混合すること
により、有機バインダーを少量又は使用しなくても、そ
のシートの嵩高さ、強度を得、更にはその柔軟性、高吸
水性、そして吸水時のシートの腰の強いものを提供する
こと及びその製造方法を提供するものである。
<課題を解決するための手段> 即ち、本発明は、セルロースパルプ40〜90重量%と捲
縮形態が三次元捲縮であるポリエステル複合繊維5〜60
重量%の熱融着性バインダー繊維5〜50重量%を含み、
2.5g/cm2荷重時の厚さから求めた見掛密度が0.04g/cm2
以下である嵩高パルプシートであって、該ポリエステル
複合繊維は、下記i)〜iii)を満たすポリエステル
(A)及び(B)が偏心芯鞘型又はサイドバイサイド型
に複合された繊維であり、かつ80〜180℃の乾熱処理に
よって25mmあたり30ケ以上の三次元捲縮を発現する複合
繊維であることを特徴とする嵩高パルプシートである。
i)ポリエステル(A)は、金属スルフォネート基を有
するイソフタル酸によって1〜6モル%共重合された固
有粘度0.45〜0.66のエチレンテレフタレート系ポリエス
テル ii)ポリエステル(B)は、固有粘度0.60〜0.70のポリ
エチレンテレフタレート iii)ポリエステル(A)及び(B)の紡出時の溶融粘
度差が、 (A)−(B)=100〜1500poise。
本発明に用いるセルローズパルプは針葉樹、広葉樹か
らの未晒又は晒パルプ、故紙などの繊維状物又は繊維を
粉砕した粉末状のものがよい。それら繊維長は10mm以下
と短かく空気中で均一に分散することができる。その配
合率は40〜90%であるが好ましくは50〜80%である。40
%未満ではパルプ成分が少くなり、吸液速度が劣り好ま
しくなく、90%を越えては嵩高なパルプシートが得られ
ない。その他のセルローズパルプとしてこうぞ、みつま
た、麻、ラミー等の靭皮繊維、コツトンリンター、竹、
麦わらなどの植物繊維を同様に利用することもできる。
本発明に用いられる捲縮形態が三次元捲縮である偏心
芯鞘型又はサイドバイサイド型ポリエステル複合繊維
(以下、単にポリエステル複合繊維と称す)は、基本的
には収縮率の異なる2種の重合体によつて構成され、例
えば高収縮側の重合体成分(A)として、好適には繰返
しの主たる構成単位がエチレンテレフタレートよりな
り、かつ共重合体成分として金属スルフオネート基を有
するイソフタル酸を1〜6モル%と、イソフタル酸を0
〜80モル%の範囲で有している改質したポリエステルを
用いることができる。イソフタル酸は共重合しなくて
も、ポリエステルの重合反応は適度にすすみ本発明の範
囲内の潜在捲縮能を有するポリエステル複合繊維を生産
することができるが、シートの嵩高性を一層高めるため
にはイソフタル酸を共重合するのが好ましい。また共重
合する金属スルフオネート基を有するイソフタール酸
は、溶融粘度を適度に保ち、潜在捲縮発現能を本発明の
範囲内に顕在化するために用いられる。金属スルフオネ
ート基を有するイソフタル酸としては5−ナトリウムス
ルフオイソフタル酸、5−カリウムスルフオイソフタル
酸、5−リチウムスルフオイソフタル酸が挙げられる。
これらエステル形成誘導体等の金属スルフオネート基を
有するエステル形成性化合物をポリエチレンテレフタレ
ートを重合する際に1〜6モル%の範囲で添加し、また
上記イソフタル酸を必要により添加し共重合させること
により重合体(A)は得られる。これ以外にも、予め金
属スルフオネート基を有するイソフタル酸を高割合で共
重合したポリエチレンテレフタレート重合体を作製して
おき、また必要によりイソフタル酸を高割合で共重合し
たポリエチレンテレフタレート重合体も作製しておき、
これらを共重合割合としてそれぞれ1〜6モル%および
0〜80モル%の範囲となるようにポリエチレンテレフタ
レートと混合するマスターバツチ方式等によつても得る
ことができる。金属スルフオネート基を有するイソフタ
ル酸の共重合割合が1モル%未満では、熱処理時の収縮
応力の発現が弱く、捲縮発現性が劣る。6モル%を越え
ると重合体の溶融粘度が高くなりすぎ縮合反応において
適度の重合度のポリマーを安定に得ることが難かしくな
り、紡出時の結晶性が高くなるために経時変化を起こし
易くなり延伸性の低下をきたし十分な潜在捲縮性を有す
る複合繊維を得られない。好ましくは1〜5モル%で、
更に好適では2〜4モル%である。さらに(A)の重合
体には、収縮性を大きく損わない範囲で上記以外の共重
合成分が導入されていてもよい。また(A)の重合体の
固有粘度は0.45〜0.66が好ましい。
低収縮側の重合体成分(B)としては例えば実質的に
ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルが用
いられる。もちろん、重合体(A)の捲縮発現効果を著
しく減少させない限り重合体(B)は共重合が行なわれ
ていてもよい。また(B)の重合体の固有粘度を0.60〜
0.70となる重合度が好ましい。
必要に応じ無機物質として例えば酸化チタン、酸化ジ
ルコニウム、酸化硅素、アルミナ、その他のセラミツク
スあるいは難燃剤、抗菌剤、消臭剤、芳香剤、ドデシル
ベンゼンスルフオン酸ソーダのような親水化剤を混合し
てもよい。さらに(A)、(B)の重合体には繊維の捲
縮性を大きく損わない範囲で他のポリマーが添加されて
いてもよい。
使用する紡糸口金は、丸型、三角型、+型、∞型、T
型などの孔形を有する複合型口金が考えられるが、勿論
これらに限定されるものではなく、また複合形態も特に
限定されないが、一般に偏心芯鞘型よりもサイドバイサ
イド型の方が捲縮発現力が優れている点で好ましい。
本発明に用いるポリエステル複合繊維は前記(A)、
(B)の2種類の重合体成分を270〜290℃の範囲で前記
の口金を用い、複合比率(A):(B)=40〜60:60〜4
0の範囲で偏心芯鞘型又はサイドバイサイド型、好まし
くは前述したようにサイドバイサイド型の複合繊維とす
るのが特に好ましい。2種類の重合体成分の紡出時の溶
融粘度は常に(A)>(B)であり、溶融時粘度差が10
0〜1500poise、好ましくは、300〜1000poiseの範囲であ
ることが優れた潜在捲縮能を有する複合紡糸繊維を得る
上で好ましい。複合比率が50:50から外れるに従い口金
吐出部でニーイング現象を起こしやすくなるので
(A):(B)=45〜55:55〜45の範囲が最も好まし
い。
次に、シートに嵩高性、柔軟性、伸縮性、伸長回復性
を与えるためにはポリエステル複合繊維を熱処理して三
次元捲縮、特にスパイラル捲縮を発現させることが重要
である。更に、スパイラル捲縮数とその時の捲縮の形状
(曲率)がシヤープであることが重要であり、具体的に
は80〜180℃の乾熱処理により捲縮数は30ケ/25mm以上で
スパイラル捲縮を発現することが好ましい。捲縮数が30
ケ/25mm未満では嵩高性、柔軟性および伸縮性が著しく
低下し、嵩密度の高いシートになつてしまう。また熱処
理時の収縮率はシートの風合、嵩高性および伸縮性に重
要な関係をもち、一般的な加工条件であるプレセツト温
度及び最終乾燥熱処理温度は80〜180℃を満足する温度
を選ぶのがよい。
このような潜在捲縮能と熱収縮性とを有するポリエス
テル複合繊維は、高収縮側の重合体(A)と低収縮側の
重合体(B)との溶融粘度差および、重合体(A)にお
ける共重合割合、(A)と(B)の複合比率、そして紡
糸後延伸工程における延伸条件および緊張熱処理条件な
どを適切に選定することにより得られる。延伸条件は紡
糸後繊維の最大延伸倍率の60〜75%で延伸することによ
り潜在捲縮能を最大限に発生させることができ、この状
態で緊張熱処理を130〜180℃の範囲で処理することによ
り、高い結晶性を維持することができ、高い潜在捲縮力
が養われる。
また、ポリエステル複合繊維は乾式成形用に未捲縮の
繊維を用いてもよいが、捲縮性と分散性を更に向上させ
るために一般的な方法である押込み式捲縮機により分散
時に未分散が発生しない程度の機械捲縮、捲縮数3〜20
ケ/25mmを付与した原綿としてもよい。捲縮数が20ケ/25
mmを越えると、ミキサーや分散機で分散が充分されない
ため好ましくない。ポリエステル複合繊維の繊度は0.5
〜15デニールが良く、更に好ましくは2〜6デニールで
ある。0.5デニール未満ではスパイラル捲縮の発現性は
よいものの捲縮の発現力が弱く、嵩高性が得られにく
い。また15デニールを越えた領域ではゴワゴワしたシー
トとなり柔軟性に欠け、さらに、シートの強度が弱くな
るため好ましくない。繊維長は3〜30mmで、繊維長が3m
m未満では繊維が短かすぎ繊維同志のからみ合いが少く
好ましくない。一方、30mmを越えては分散時の繊維同志
の絡み合いが強くなりすぎ毛玉となり均一に分散した綿
状物を得ることはできない。かかるポリエステル複合繊
維の配合率は5〜60%、好ましくは15〜60%が必要であ
る。5%未満ではシート内での嵩高性発現効果は少く好
ましくない。又60%を越えては吸水速度が劣ること、及
び経済性に欠ける等の問題から好ましくない。
本発明で使用される熱融着性バインダー繊維は、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン
系繊維、共重合により低融点または低軟化点化した変性
ポリエステルやポリアミド、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−ビニルアルコール
共重合体等のポリビニルアルコール系共重合体から選ば
れる単一成分よりなる合成繊維又は鞘成分が上記重合体
から選ばれる成分よりなり、芯成分が未変性のポリエス
テル系、ポリプロピレン系、ポリアミド系等の重合体よ
りなる芯鞘型の複合繊維を用いることができる。
又、熱融着性バインダー繊維の繊度は1〜6デニール
が好ましく、1デニール以下では分散性が悪くなり好ま
しくなく、6デニールを越えるとバインダー効果が少な
くなること及びシートの風合が悪化することから好まし
くない。捲縮は分散性を得るために未捲縮のものを用い
るのが好ましいが、熱処理時の嵩高性を向上させるため
に分散性を損わない範囲の20ケ/25mm以下の捲縮を与え
てもよい。20ケ/25mmを越える捲縮では分散時の糸のか
らまりが起こりやすい。又繊維長は2〜60mmがよく、2m
m未満ではバインダー効果が得にくく、60mmを越えては
毛玉となり分散が悪化する。
熱融着性バインダー繊維の配合率は5〜50重量%が必
要であり、好ましくは10〜40重量%である。5重量%未
満ではポリエステル複合繊維及びセルローズパルプと混
合した時のシート強力及び伸縮回復性及びシート表面に
出る毛羽の発生防止等に効果を示さない。
次に得られるシートの強度向上効果、及び硬さ賦与効
果として、熱可塑性又は熱硬化性、水溶性等のエマルジ
ヨン又は水溶液を有機バインダーとして付着して使用す
ることができる。
熱可塑性エマルジヨンとしては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフイン系、ポリ酢酸ビニル系、
ポリ塩化ビニルが好ましく、その他ポリ塩化ビニリデン
系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系の
ものも利用できる。
又、熱硬化性エマルジヨンとしてはアクリル系、フエ
ノール系、エポキシ系のものが好ましいが、アミノ系と
しての尿素、エチレン尿素、メラミン、ベンゾグアノミ
ン等ホルマリンとの反応によつて生成する樹脂や、レゾ
ール系、ノボラツク系、フラン系、ポリイソシアネート
系等及びそれらの共重合体を利用することもできる。
シートの親水性を付加するために水溶性樹脂としては
天然物ではデンプン系があり、その加工デンプンとして
デキストリン、酸変性デンプン、酸化デンプンその他デ
ンプン誘導体がよい。
セルローズ系として複合多糖類のアラビアゴム、トラ
ガントゴム、グアーガム、アルギン酸がよく、その他タ
ンパク質系のカゼイン、大豆タンパク、アルブミン、に
かわ、ゼラチンを利用することができる。一方、合成物
としてポリビニルアルコール及びその共重合体が好まし
く、その他イソブテン−無水マレイン酸共重合体、ポリ
アクリルアミド系、ポリエチレンオキサイド、ポリビニ
ルピロリドン、ポリ酢酸ビニル共重合体、アクリル系共
重合体などを用いることができる。
このような有機バインダーを繊維に付与する方法は、
例えば、積層工程前の空中に分散した繊維質に均一に噴
霧状態で有機バインダーを噴霧する方法や繊維を積層し
た後に噴霧又は含浸する方法があげられる。有機バイン
ダーの付着量はシート重量に対し5重量%以下が好まし
い。風合及び嵩高性の点から考慮して有機バインダーは
必ずしも使用しなくてもよい。5%を越えてバインダー
を使用するとその嵩高性が得られないばかりか、バイン
ダーの有する性質が強くなるため好ましくない。
嵩高パルプシートの製造するに当り、セルローズパル
プは乾燥状態を保持し、パルプが繊維状物でシート化し
ているものや、パルプ繊維を粉末状態にクラツシユさせ
ているものでも、その分散性を極力高めるために空気中
で高速に粉砕又は離解分散可能な羽根付のパルパー又は
ミキサーに投入し、単繊維状又は各粒子状となる迄離
解、分散する。未分散、又は不純物をとり除くために空
気サイクロン又は振動メツシユで分別する。
これら得られたセルローズパルプに、水分率0〜10%
の乾燥状態のポリエステル複合繊維を所定量投入混合す
る。その投入量はシート重量に対して15〜60%とし、セ
ルローズパルプと同様10000〜20000rpmで混合撹拌す
る。又は混打綿で解繊してもよい。
更に、本発明で規定した熱融着バインダー繊維を混合
繊維に投入し同様に混合撹拌し、混合繊維綿状物を得
る。かかる混合綿状物中に未解繊物、塊が混入しないよ
うに、更に混合性の均一性を向上するためにローラーガ
ードを通してもよく、又はカードローラのような針布の
ついたローラ間にて解砕スライバーとしてもよいし、混
合綿としてもよい。これら混合綿を一定量排出するロー
タリーパルプにより所定量を空気にて集合ボツクス内に
輸送する。
ボツクス内には、有機バインダーの噴霧装置を備え、
下方にはシート積層用の移動可能なネツトを備え、一定
量の空気抜きを備えていることが好ましい。
所定の米坪量又は厚さに積層した混合綿状物はネツト
コンベアーから外に出され、80〜250℃の輻射タイプの
空気浴中に入れ実質的に繊維温度80〜180℃で乾燥熱処
理を行うことにより本発明の嵩高パルプシートを得るこ
とができる。得られたパルプ嵩高シートの強力賦与、又
は表面の硬みづけ、毛羽の発生防止を得るために有機バ
インダーをスプレーで処理を行なうこともできる。
このようにして得られた嵩高パルプシートの特長はま
ず2.5g/cm2の荷重で厚さを測定した時の見掛密度が0.04
g/cm3以下という大変嵩の高いシートである。
又柔軟性についてはセルローズパルプが40〜90%と多
いにもかかわらず、スパイラル捲縮が発生する偏心芯鞘
型又はサイドバイサイド型のポリエステル複合繊維がシ
ートの厚さ方向、即ち三次元方向にスプリング状をな
し、シート構造上柔軟性を与えることと、かかるポリエ
ステル複合繊維及び熱融着性のバインダー繊維はセルロ
ーズパルプに比し弾性率が小さいという合成繊維の品質
とがマツチして柔軟化しているものと思われる。
更に、高吸水性については見掛の密度が0.04g/cm3
下という嵩高性に帰因している。吸水時の腰の強さはセ
ルローズパルプは湿潤時のヤング率が極端に低下する
が、ポリエステル複合繊維や熱融着性バインダー繊維が
疎水性であるため水分の影響を受けず、そのヤング率を
保持するために腰がつよく、よい風合を示すものであ
る。
このように本発明の嵩高シートは親水性が高く吸液量
及び吸液速度が優れているので、その風合の点からも使
い捨て材料分野で広く用いられるものであり、例えば、
衛生材料の生理ナプキン吸収材、紙オムツ、更には家庭
用、工業用ワイパー、調理用油吸収材、鮮度保持のドリ
ツプ吸収体、生鮮野菜の水分吸収材、衣料用としては芯
地、スリツパ、靴などに用いられ、包装材料、クツシヨ
ン材、農業用播種シート等広範囲に利用できるものであ
る。
<実施例> 以下、本発明を具体的に実施例で説明するが本発明は
何らこれらに限定されるものではない。
実施例1〜4、及び比較例1〜2 晒した針葉樹パルプシート(カナデイアンフリーネス
760ml)を16000rpmのミキサーで離解分散したパルプ綿
状物、潜在スパイラル捲縮性能を有し、変性PETとPETを
サイドバイサイド型に配したポリエステル複合繊維
((株)クラレ社製ソフイツトN− 790 2.5デニール
繊維長5mm捲縮数16ケ/インチ)及び熱融着性バインダ
ー繊維として、鞘部110℃融着性の変性ポリエステルと
芯部は通常のポリエステルである(株)クラレ製ソフイ
ツトN720 (2デニルで繊維長5mm)及び鞘部ポリエス
テルで芯部がポリプロピレンの複合繊維である(株)チ
ツソ製EAチヨツプ(3デニールの繊維長5mm)各々用い
て、これらを第1表に示した配合率で、16000rpmで2分
間混合撹拌し、均一な混合綿状物を得た。
これら混合物をカードタイプの針状ロール間から一定
量排出しながら空気にて一定量排出し、一定速度で移動
するテフロンメツシユを備えた集合ボツクス中へ送り、
空気のみテフロンメツシユより排気させながら積層し
た。又、一部(実施例2〜4、比較例1,2)は噴霧状で
有機バインダーを所定量付着するようにスプレーし、15
0℃で2分間乾燥と同時に熱処理を行い第1表のような
嵩高シートを得た。
尚、有機バインダーはアクリルラテツクス(日本−カ
ーバイド社製ニカゾール−A02)を用いた。
実施例5〜8及び比較例3〜5 セルローズパルプとして粉末パルプ(クラツシユパル
プ)を16000rpmのミキサーで分散したもの、更に実施例
1〜4と同じスパイラル捲縮性能を有するサイドバイサ
イド型ポリエステル複合繊維(クラレ製ソフイツトN−
790 2.5デニール繊維長5mm)および熱融着バインダー
繊維としてクラレ製ソフイツトN−720 2デニール繊
維長5mm)を第2表に示した配合率で16000rpmで2分間
混合撹拌し、均一な混合綿状物を得た。
その他は実施例1〜4と同一な方法で嵩高パルプシー
トを得た。比較のためにセルローズパルプのみで実施例
5〜8と同様にシート成形し、一部(実施例6,8、比較
例4)は有機バインダーを所定量付着するようにスプレ
ーし、160℃で2分間乾燥と同時に熱処理を行なつた。
その結果を第2表に示した。
尚、本発明に於ける各特性値等の測定法は次の通りで
ある。
(1) 固有粘度:フエノールと四塩化エタンの等量重
量混合溶液中30℃で測定。
(2) 繊度:JISL−1015−7−5−1Aの方法により測
定。
(3) 捲縮数:JISL−1015−7−12−1の方法により
測定。
(4) 自由収縮率:JISL−1015−7−15の方法に準
じ、170℃の雰囲気中に30分間処理、デニール当たり300
mgの荷重をかけて測定。
(5) シート物性の測定 坪量:JISP8124 嵩密度:シートを4枚重ね合せ、2.5g/cm2となるように
プラスチツク板を当て、マイクロメーターで厚さを測定
し、一枚当りの平均値の厚さから求めた。
強度及び伸度:JISP8113 吸液量:液体物質として水を用いた。
10cm×10cmの大きさに切り取つた試料の重量(W0)を
測定する。水に15分間浸漬放置し、試料中の空気が置換
されたことを確認する。試料を空気中にひき上げ液滴の
落下がなくなる時の試料重量(W1)を測定する。
より求めた値である。
(6) 風合:感応判定とし下記の通りとした。
◎兎の毛のような感触(ぬめり感のある柔らかさ) ○ 〃 (柔らかい感じ) △布のような感触(ザラザラしている) ×紙のような感触(バリバリしている) (7) 乾燥時弾性回復性はシートそのままを10cm角の
シートに切りとり約10cmの厚さに重ね、荷重をこの表面
にプラスチツクを置き総計500gの荷重をかけたまま、60
分放置し、荷重を除いて60分后にもとの厚さまでの回復
性を観察した。
◎……80%以上回復 ○……60〜80%回復 △……40〜60%〃 ×……20〜40%〃 ××……20%以下〃 (8) 湿潤時弾性回復性は充分水が含まれる状態とし
て乾燥時弾性回復性と同様の方法で観察した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沖藤 昭次 岡山県倉敷市玉島乙島7471番地 株式会 社クラレ内 審査官 松縄 正登 (56)参考文献 特開 平2−6652(JP,A) 特公 昭57−13661(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロースパルプ40〜90重量%と捲縮形態
    が三次元捲縮であるポリエステル複合繊維5〜60重量%
    の熱融着性バインダー繊維5〜50重量%を含み、2.5g/c
    m2荷重時の厚さから求めた見掛密度が0.04g/cm2以下で
    ある嵩高パルプシートであって、該ポリエステル複合繊
    維は、下記i)〜iii)を満たすポリエステル(A)及
    び(B)が偏心芯鞘型又はサイドバイサイド型に複合さ
    れた繊維であり、かつ80〜180℃の乾熱処理によって25m
    mあたり30ケ以上の三次元捲縮を発現する複合繊維であ
    ることを特徴とする嵩高パルプシート。 i)ポリエステル(A)は、金属スルフォネート基を有
    するイソフタル酸によって1〜6モル%共重合された固
    有粘度0.45〜0.66のエチレンテレフタレート系ポリエス
    テル ii)ポリエステル(B)は、固有粘度0.60〜0.70のポリ
    エチレンテレフタレート iii)ポリエステル(A)及び(B)の紡出時の溶融粘
    度差が、 (A)−(B)=100〜1500poise
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