JPH1143857A - 生分解性不織布 - Google Patents

生分解性不織布

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JPH1143857A
JPH1143857A JP9195966A JP19596697A JPH1143857A JP H1143857 A JPH1143857 A JP H1143857A JP 9195966 A JP9195966 A JP 9195966A JP 19596697 A JP19596697 A JP 19596697A JP H1143857 A JPH1143857 A JP H1143857A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
long
fiber
sheet
paper sheet
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JP9195966A
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English (en)
Inventor
Kasumi Kin
霞 金
Akitaka Kawano
晃敬 川野
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 嵩高で、吸水性と耐熱性と柔軟性と強度が優
れ、微生物による容易の分解性を有する複合シートを提
供する。 【解決手段】 熱可塑性を有する樹脂を溶融紡糸した長
繊維が積層されてなる長繊維不織布の片面に、パルプ繊
維よりなる紙シートを積層した後、該紙シート側から該
長繊維不織布側に向けて高圧水柱流を施すことにより、
該パルプ繊維と該長繊維を絡合させた複合シートからな
る不織布において、該長繊維不織布が芯鞘複合長繊維に
より構成されて、該芯鞘複合長繊維の鞘成分が、L−乳
酸単位またはD−乳酸単位を80モル%以上を含有する
ポリ乳酸重合体からなり、芯成分が1,4−ブタンジオ
ールとコハク酸から合成されるポリブチレンサクシネー
ト重合体をウレタン結合により高分子量化した重合体か
らなることを特徴とする生分解性不織布である。生分解
性を有する複合不織布に関するものであり、吸水性、耐
熱性、柔軟性と強度に優れ、医療・衛生資材、一般工業
資材、農業資材などの広い分野で使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟で、高吸水性
及び高耐熱性を有し、かつ堆肥中、湿った土中、あるい
は活性汚泥を含む水中、海水中等において微生物により
完全に分解可能で、衛生・医療用品の基材、衣料、家庭
用、産業用品基材、農業用資材等として、幅広い応用が
可能なパルプ繊維と長繊維不織布との複合シートからな
る生分解性不織布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなる多数の長繊維を支
持体上に積層し、次いで該積層シートに規則的かつ断続
的な自己融着部を設けることによって得られる不織布
は、一般的にスパンボンド不織布と呼ばれている。この
不織布は、生産性が他の不織布より優れているばかりで
なく、高いシート強度を有し広い範囲で使用されてい
る。しかしながら、スパンボンド不織布は、シート形態
を維持し、シート強度を付与する目的で、多数の自己融
着部が設けられており、この自己融着部の存在によっ
て、シートの嵩高性は限定されたものになる。そこで、
シート厚を大きくする目的で、シートの坪量を大きくす
ると柔軟性が失われ、結果的に硬いシートとなる。
【0003】また、スパンボンド不織布に使用される熱
可塑性樹脂は一般的に疎水性であり、スパンボンド不織
布の水の吸水力は無い。更に、スパンボンド不織布に使
用される熱可塑性樹脂は、生分解性を有さないため、廃
棄方法としては、一般に埋立や焼却処分が行われてい
る。しかしながら、従来の熱可塑性合成高分子材料から
なる長繊維不織布を埋立処理すると、不織布が微生物に
分解されず、素材が化学的にも安定なために、長期間に
わたって土中にそのまま残り、近年環境上の問題を引き
起こすケースが増加している。
【0004】一方、焼却処理した場合には、燃焼時の発
熱量が高いため、燃焼炉の寿命を短くするばかりでな
く、ナイロン系の長繊維不織布の場合には、シアンガス
のような有害ガスが発生する恐れもある。従ってこのよ
うな問題を解決する方法として、短期間の内に自然に分
解される新しい長繊維不織布が要望されている。
【0005】そこで、近年、長繊維不織布に用いる樹脂
として生分解性を有する重合体の研究が多数行われてい
る。この分解性を有する重合体としては、セルロース、
キチンなどの多糖類、再生コラーゲンのような蛋白質、
微生物によって作られるポリ−3−ヒドロキシブチレー
ト、ポリ−3−ヒドロキシバリレート、ポリ−3−ヒド
ロキシカプレートのようなポリエステル等が知られてい
る。
【0006】例えば、特開平4−57951号公報に
は、セルロース系の再生繊維または半合成繊維等をキト
サン等で結合した不織布が開示されている。この不織布
は、生分解性を有するが、現在広範な分野で多量に使用
されており、生分解性を有さない、ポリプロピレン樹脂
からなるスパンボンド不織布や、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂からなるスパンボンド不織布のような長繊維
不織布に比べ、生産性が劣るばかりでなく、強度や耐水
性も劣っている。また、これらの中で、ポリ−3−ヒド
ロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシバリレート、
ポリ−3−ヒドロキシカプレート等は、熱可塑性を有す
るが、長繊維不織布の製造に必要な溶融紡糸性が乏し
く、良好な長繊維不織布を得ることができない。
【0007】生分解性を有する長繊維不織布を得る方法
としては、例えば特開平4−57953号公報に、ポリ
カプロラクトンを3〜30%含むポリエチレンからなる
繊維で構成されている生分解性不織布が開示されてい
る。この場合、微生物による分解を受けるのは、ポリカ
プロラクトンの部分だけであり、樹脂の主成分であるポ
リエチレンは微生物による分解を全く受けず、化学的に
も安定なため、埋立処理を行った場合には長期間土中に
分解されずに残存してしまう。即ち、この不織布は生分
解性ではなく生崩壊性不織布であって、この不織布の使
用は、本質的な環境保護対策とはなり得ない。
【0008】一方、特開平5−214648号公報に
は、ポリ−ε−カプロラクトンおよび/またはポリ−β
−カプロラクトンからなる長繊維不織布が開示されてい
る。しかしながら、カプロラクトン単独での溶融紡糸に
よる長繊維不織布の紡糸は、条件設定が難しく、得られ
た不織布の柔軟性は不十分である。また、ポリ−ε−カ
プロラクトンの融点が60℃前後で、ポリ−β−ポロピ
オラクトンの融点が100℃前後であり、熱安定性が不
良であるので、実用材料に向かない問題点がある。
【0009】このように長繊維不織布の有する優れた柔
軟性とシート強度の特徴を有し、且つ生分解性を有する
長繊維不織布の出現が強く要望されている。これらの要
望に応えて、生分解性を有する不織布が下記のように提
案されている。
【0010】特開平7−48768号公報では溶融粘度
を規定した脂肪族ポリエステル不織布が、さらに特開平
7−34369号公報においてはポリエチレンサクシネ
ートとポリブチレンサクシネートからなる不織布が、さ
らにまた、本発明者らが出願した、特開平8−6051
3号公報においてはグリコールと脂肪族ジカルボン酸ま
たはその誘導体成分を構成単位として含むことを特徴と
する脂肪族ポリエステル樹脂による長繊維不織布などが
提案されている。
【0011】この不織布は前記問題をほぼ解決したが、
しかしながら、前記の生分解性不織布は、スパンボンド
不織布であるためにシートの嵩高性は限定されたものに
なると共に、シート厚を大きくする目的で、坪量を大き
くすると柔軟性が失われ、結果的に硬いシートとなって
しまうという欠点を依然として有している。その上グリ
コールと脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体成分を構
成単位として含む生分解性熱可塑性樹脂が、一般にスパ
ンボンド不織布に使用される熱可塑性樹脂と比較して高
価であることより、結果的にコストの高い生分解性不織
布シートとなる。また、水の吸水力もコットン繊維やパ
ルプ繊維と比較するとかなり低いものである。
【0012】本発明者らは、かかる現状に鑑み、上記欠
点を解決しようとして種々研究を行った。この結果、前
記生分解性スパンボンド不織布と木材パルプ繊維よりな
る紙シートを積層した後、高圧水を用いて両者の繊維同
士を交絡させて複合シートを製造するという公知の高圧
水による交絡方法(特開平5−214654号公報、特
開平5−253160号公報、特開平5−277053
号公報、特開平5−285083号公報、特開平5−2
86100号公報、特開平6−17365号公報等)に
より得られる複合シートが生分解性を有し、嵩高で、優
れた柔軟性と高吸水性を有することを見いだして提案し
た(特開平8−134763号公報)。
【0013】しかしながら、前記複合不織布シートは生
分解性を有し、嵩高で、優れた柔軟性と高吸水性を有す
るが、樹脂の融点が115℃以下で、製造中の乾燥工程
で高温にできないので、乾燥速度、ひいてはライン速度
を速くする妨げになり、生産コストの上昇につながる。
また、用途によっては、特に産業資材用では耐熱性が不
十分という難点がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、優れた柔軟性と耐熱性とシート強度を有し、し
かも微生物により完全に分解される、嵩高で高吸水性を
有する生分解性不織布シートを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点を解決すべく鋭意研究を重ね、前記生分解性スパン
ボンド不織布と木材パルプ繊維よりなる紙シートを積層
してなる複合不織布シートにおいて、グリコールと脂肪
族ジカルボン酸またはその誘導体成分を構成単位として
含むことを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂で構成す
る長繊維の表面に融点の高い生分解性熱可塑性樹脂で覆
うことに着目し、即ち、芯鞘型複合長繊維にすること
で、芯成分に柔軟性と紡糸性の優れるグリコールと脂肪
族ジカルボン酸またはその誘導体成分を構成単位として
含むことを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂であるポ
リブチレンサクシネート樹脂を用い、鞘成分に融点が高
くて耐熱性に優れるポリ乳酸樹脂を用いることによっ
て、得られる複合不織布は、耐熱性、柔軟性、地合い、
生分解性及び強度に優れることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
【0016】即ち、本発明は、熱可塑性を有する樹脂を
溶融紡糸した長繊維が積層されてなる長繊維不織布の片
面に、パルプ繊維よりなる紙シートを積層した後、該紙
シート側から該長繊維不織布側に向けて高圧水柱流を施
すことにより、該パルプ繊維と該長繊維を絡合させた複
合シートからなる不織布において、該長繊維不織布が芯
鞘複合長繊維により構成されて、該芯鞘複合長繊維の鞘
成分が、L−乳酸単位またはD−乳酸単位を80モル%
以上含有するポリ乳酸重合体からなり、芯成分が1,4
−ブタンジオールとコハク酸から合成されるポリブチレ
ンサクシネート重合体をウレタン結合により高分子量化
した重合体からなることを特徴とする生分解性不織布で
ある。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の芯樹脂として用いる脂肪
族ポリエステル樹脂としては、グリコールと脂肪族ジカ
ルボン酸またはその誘導体成分を構成単位として含むこ
とを特徴とする脂肪族ポリエステル樹脂の中でも、溶融
紡糸性の極めて優れるものを選択した。
【0018】即ち、1,4−ブタンジオールとコハク酸
から合成されるポリブチレンサクシネート重合体にさら
にイソシアネートを添加し、ポリブチレンサクシネート
重合体の間をポリウレタン結合させたもので、数平均分
子量が10,000以上で融点110〜120℃の範囲
にあり、且つ、JIS K 7210に記載された方法
(190℃;2160g荷重)で測定したメルトフロー
レート(MFR)が10〜70g/10分程度のものが
好ましい。
【0019】つまり、MFRが10g/10分未満のポ
リブチレンサクシネートをウレタン結合させたものは溶
融粘度が高すぎて得られる不織布が硬い風合いのものと
なるので好ましくないことになる。逆にMFRが70g
/10分を超えると、糸切れが発生しやすくなり、得ら
れる複合長繊維不織布の風合いが低下するだけではな
く、強度も低くなるので好ましくない。
【0020】なお、芯成分の上述したところの樹脂に、
必要に応じて、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸
収剤等の他、滑剤、ワックス類、着色剤、結晶化促進剤
等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添
加することができる。
【0021】本発明において、鞘成分に使用されるポリ
乳酸重合体は、L−乳酸単位またはD−乳酸単位を80
モル%以上含有するポリ乳酸重合体が好適である。乳酸
モノマーは光学活性の炭素を有しており、そのため、ポ
リ乳酸には、光学異性体である、D体とL体とのあるこ
とが知られているが、両者を共重合すると融点は低下
し、光学純度があまり低くなると融点が低すぎて、本発
明の目的の一つである耐熱性が得られなくなる。鞘成分
に使用されるポリ乳酸重合体における乳酸単位の光学純
度(L体またはD体の比率)は好ましくは80モル%以
上、より好ましくは95モル%以上、更に好ましくは9
8モル%以上である。
【0022】一般には乳酸を発酵法で生産するとL体が
生産されるので、工業的にはL−乳酸の方が大量且つ安
価に入手し易く、本発明に係わるポリ乳酸重合体は通常
L−乳酸を主体とするものである。しかしながら、D−
乳酸を主体とする重合体であっても、L−乳酸の場合と
同様の物性のものを得ることができる。複合長繊維の鞘
成分に使用されるポリ乳酸重合体の光学純度は80%未
満になると、融点が低くなり、十分な耐熱性が得られず
採用できない。
【0023】上述した本発明の鞘樹脂として用いるポリ
乳酸重合体も芯樹脂と同様に、JIS K 7210に
記載された方法(200℃;2160g荷重)で測定し
たメルトフローレート(MFR)が10〜70g/10
分程度のものが好ましい。つまり、MFRが10g/1
0分未満のポリ乳酸は溶融粘度が高すぎて得られる不織
布が硬い風合いのものとなるので好ましくないことにな
る。逆にMFRが70g/10分を超えると、糸切れが
発生しやすくなり、得られる複合長繊維不織布の風合い
が低下するだけではなく、強度も低くなるので好ましく
ない。
【0024】更に、鞘成分に用いられるポリ乳酸のMF
Rと芯成分に用いられるポリブチレンサクシネートをウ
レタン結合させたもののMFRとの差を0〜30以内に
することが望ましい。この差が30を超えると、溶融伸
長特性が違いすぎることによって生ずる歪みで、紡糸性
が悪くなる。
【0025】また、ポリ乳酸樹脂には、芯成分のポリブ
チレンサクシネートをウレタン結合させたものと同様に
本発明においては、必要に応じて、例えば酸化防止剤、
熱安定剤、紫外線吸収剤等の他、滑剤、ワックス類、着
色剤、結晶化促進剤等の各種添加剤を本発明の効果を損
なわない範囲内で添加することができる。
【0026】本発明における生分解性複合長繊維よりな
る不織布において、繊維軸に直交する繊維断面積に占め
る鞘成分の重量比率は20%以上80%以下であること
が望ましい。鞘の重量比率が20%未満の場合は、耐熱
性の効果が十分に発揮できず、また、鞘の重量比率が8
0%を超える場合は、柔軟性と紡糸性が劣るので、好ま
しくない。
【0027】本発明に用いられる複合長繊維の繊度が1
0デニール以下であることが望ましい。長繊維の繊度が
10デニールを超えると、繊維径が太くなりすぎ、得ら
れる不織布が硬くなり風合いが低下するという不都合を
生ずることがある。次に、複合長繊維の断面形状として
は、円形断面の他に異形あるいは扁平とすることもでき
る。
【0028】本発明の複合長繊維は従来公知の複合繊維
用の溶融紡糸装置を用いて得ることができる。口金から
押し出され、エジェクターにより高圧エアーで延伸され
て形成された多数の長繊維は、衝突板に当てて摩擦帯電
させ、電荷による反発力で開繊させる。この場合、帯電
方法として、コロナ放電処理を行うことも可能である。
均一に開繊された多数の長繊維は、次いで支持体上に堆
積される。
【0029】本発明においては、支持体上に集積された
多数の長繊維は、規則的な間隔で繊維同士の自己融着区
域を設けることによって熱接着される。この自己融着区
域は、支持体上に集積した多数の長繊維を、加熱した凹
凸ロールと平滑ロールの間に導入し、加熱および加圧処
理を施すことにより、凹凸ロールの凸部に対応したシー
ト部分が融着することによって形成される。この場合、
ロールの温度は鞘樹脂の融点より5℃〜35℃の範囲で
低いことが好適である。ロール温度と樹脂の融点の差が
5℃未満であると、ロールによる熱圧着処理時に繊維が
ロールに付着し、製造トラブルの原因となるため好まし
くない。逆にロール温度と樹脂の融点の差が35℃を越
えると、自己融着部分の形成が不十分となり、シートの
強度が著しく低下するばかりでなく、毛羽立ちが激しく
好ましくない。凹凸ロールと平滑ロールで熱圧着処理を
施す場合の圧力は、10〜80kg/cm、好ましくは
20〜60kg/cmである。圧力が10kg/cm未
満では、熱圧着処理による自己融着区域の形成が不十分
となることがあり、80kg/cmを越えると、自己融
着区域がフィルム状になり、不織布の風合いが損なわれ
ることがある。
【0030】自己融着区域を形成する方法としては、集
積された連続長繊維フィラメント群からなるウェブを、
凹凸ロールと超音波ホーンの間に導入し、超音波処理を
施すことにより、凸部に対応した点融着部分を形成する
ことも可能である。
【0031】本発明においては、個々の自己融着区域の
面積は、0.03〜4mm2の範囲であることが好まし
い。自己融着区域の面積が0.03mm2未満では、シ
ート強度が不足するため好ましくない。逆に、自己融着
面積が4mm2を越えると、シートが硬くなり好ましく
ない。自己融着区域の面積の総和は、長繊維不織布の全
表面積の2〜30%であることが好ましい。自己融着区
域の面積の総和が2%未満では、不織布シート強度が不
足するため好ましくない。逆に、自己融着面積が30%
を越えると、不織布シートが硬くなり好ましくない。
【0032】長繊維不織布シートの坪量は、5〜100
g/m2、好ましくは、5〜80g/m2である。長繊維
不織布シートの坪量が100g/m2を超えて大きくな
ると、長繊維不織布シートの片面にパルプ繊維からなる
紙シートを積層して、該紙シートから長繊維不織布シー
ト側に向けて高圧水柱流を施しても、高圧水柱流が長繊
維不織布シートを通過しずらくなり、長繊維不織布シー
トを構成する長繊維と紙シートを構成するパルプ繊維と
の絡合が阻害される。
【0033】また、支持網の下に位置するサクションノ
ズルから、長繊維不織布シートを通して、長繊維不織布
シートと紙シートとの積層体表面の水を吸引除去する能
力が低下するために、高圧水柱流を施した積層体表面に
水溜まりが発生し、高圧水柱流のエネルギーが表面の水
をはね飛ばすために使用されるため、エネルギーのロス
が発生するばかりでなく、シートの地合も低下する。
【0034】逆に、長繊維不織布シートの坪量が5g/
2未満になると、得られる生分解性不織布のシート強
度が低い。更に、長繊維相互間の間隙が大きくなって、
高圧水柱流を施した時に、その間隙からパルプ繊維が流
失し、無駄になる上、使用済みの排水を回収した場合、
その中にパルプ繊維が大量に混入するので、その処理に
も困るようになる。
【0035】前記のようにして準備した長繊維不織布シ
ートの片面に、多数のパルプ繊維よりなる紙シートを積
層する。この紙シートとしては、従来公知の種々の任意
のものを使用することができる。紙シートの坪量も、任
意に決定しうる事項であるが、特にJIS P 812
4による方法で測定した坪量が10〜200g/m2
ある紙シートが好適に用いられる。紙シートの坪量が1
0g/m2未満では、パルプ繊維の絶対量が少なくな
り、得られる生分解性不織布シートの嵩高性が十分なも
のとならない。逆に、紙シートの坪量が200g/m2
を超えると、パルプ繊維の絶対量が多すぎて、紙シート
に高圧水柱流を施しても、1本1本のパルプ繊維に長繊
維不織布シートを構成する長繊維と絡合し得る程度の運
動量を与え難くなるので適さない。更に、絡合後の生分
解性不織布シートの柔軟性が低下する。
【0036】紙シートを構成するパルプ繊維としては、
針葉樹及び広葉樹木材をクラフト法、サルファイト法、
ソーダ法、ポリサルファイト法等で蒸解して、必要に応
じて得られる未晒パルプ繊維或いは晒パルプ繊維、また
は前記針葉樹木材からのグランドパルプ繊維、サーモメ
カニカルパルプ繊維等の機械パルプ繊維を、単独で、ま
たは混合して使用することができる。針葉樹パルプ繊維
と広葉樹パルプ繊維の重量配合比は、針葉樹パルプ繊
維:広葉樹パルプ繊維=100:0〜20:80、好ま
しくは100:0〜40:60の範囲である。広葉樹パ
ルプ繊維が全パルプ繊維の80%を超えると、高圧水柱
流を紙シートに施した際に、パルプの消失量が増加する
ばかりでなく、絡合後の生分解性不織布の柔軟性が低下
する。
【0037】本発明に用いられる前記紙シートのJIS
P 8118の方法による密度は、0.65g/cm
3以下である。紙シートの密度が0.65g/cm3を超
えると、紙シートの上から高圧水柱流を施した場合に、
パルプ繊維の運動が抑制されるので、長繊維とパルプ繊
維の絡合が不十分になり、絡合後のシートの柔軟性が低
下する。しかしながら、紙シートの密度を小さくしよう
としても限度があり、その下限はティッシュペーパーの
ように柔らかい状態の0.20g/cm3程度である。
【0038】前記紙シートは、通常パルプ繊維を含有す
るスラリーを用いて公知の湿式抄紙機において抄紙し
て、ドライヤーで乾燥した後得られるが、抄紙の際、生
分解性の損なわれない程度に、例えば、ポリアミド・エ
ピクロルヒドリン樹脂或いはその変成物、ポリアミン・
エピクロルヒドリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の
湿潤紙力増強剤をスラリー中に添加しても良い。
【0039】以上のようにして得られた紙シートは、予
め準備した長繊維不織布シートの片面に積層され、積層
シートとされるが、この時にJIS P 8124の方
法による長繊維不織布シートの坪量と紙シートの絶乾坪
量比は、長繊維不織布:紙シート=1:1〜1:19と
なるように調整する。長繊維不織布:紙シートが1:1
を超える、即ち紙シートの比が1未満に減少すると、長
繊維の量に対して、相対的にパルプ繊維の量が少なくな
り、得られる生分解性不織布シートの嵩高性が低下す
る。また、長繊維に対して、廉価なパルプ繊維の量が少
なくなることによって、得られる生分解性不織布自体の
製造コストが高くなるので適さない。
【0040】逆に、長繊維不織布:紙シートが1:19
未満、即ち紙シートの比が19を越えて増加すると、紙
シートを構成するパルプ繊維の全てが強固に絡合し難く
なり、その結果得られる生分解性不織布シートを湿潤さ
せて使用した場合に、パルプ繊維が脱落しやすくなるの
で適さない。更に生分解性不織布シートの柔軟性が低下
する。
【0041】長繊維不織布シートの片面に紙シートを積
層した後、紙シートの表面から長繊維不織布シート側に
向けて高圧水柱流を施す際には、公知の水ジェットによ
る水交絡の方法がそのまま応用できる。即ち、前記のよ
うにして得られた積層物の紙シート側から長繊維不織布
シート側へ高圧水柱流が貫通するようにして、高圧水柱
流を施すのである。
【0042】この高圧水柱流は、微細な孔径、例えば直
径が0.01〜0.3mmのノズル孔を通して高い水
圧、例えば、20〜180kg/cm3の圧力で水を噴
出させて得られるものである。この高圧水柱流を前記積
層物に施すと、高圧水柱流は、まず紙シートに衝突して
紙シートを長繊維不織布上に密着させ、次いでこの密着
した状態で、紙シートの部分的な破壊が生じ、その部分
の紙シートを構成するパルプ繊維を単離させ、パルプ繊
維に曲げや捩れ等の変形を起こさせると共に、パルプ繊
維に運動エネルギーを十分に与え、ランダムな運動を生
じさせる。その結果、これらの複合作用によって、パル
プ繊維と長繊維不織布中の長繊維とが絡み合い、更に、
このパルプ繊維によって長繊維同士も絡合することにな
るのである。
【0043】以上のようにして得られた積層シートから
なる生分解性複合シートは、優れた柔軟性、耐熱性、強
度および高吸水性を有するので、必要に応じて種々加工
されて、衛生材料、医療用基材、衣料用基材、家庭用基
材、産業用基材、農業用基材等に使用される。この複合
シートは、堆肥中、湿った土中、活性汚泥を含む水中、
海水中等で微生物により完全に分解可能であり、使用済
みの前記各種材料は、形状を残すことなく消失してしま
うので環境を汚染することもない。
【0044】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものでは
ない。尚、以下の実施例において、部および%は、全て
重量部および重量%である。
【0045】実施例1 芯成分としてメルトフローレート30、融点114℃の
ポリブチレンサクシネートをウレタン結合させたものの
樹脂(昭和高分子製、商品名:ビオノーレ)を準備し、
鞘成分としてL−乳酸単位を98モル%を含有し、メル
トフローレート20のポリ乳酸樹脂を準備した。次に芯
鞘複合紡糸用口金を用いて、上記の樹脂を芯成分が70
%、鞘成分が30%の比率で加熱して溶融し、多数の微
細孔から押し出した後、エジェクターにより高速エアー
で延伸して長繊維を形成し、移動するワイヤー上に堆積
した。長繊維の繊度は2.4dであった。
【0046】次いで、この長繊維の堆積体を155℃に
加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間に導入し、凹凸ロ
ールの凸部に対応する部分を融着することにより、目付
10g/m2の長繊維不織布シートを得た。ロールの線
圧は40kg/cmであり、得られた個々の自己融着区
域の面積は0.12mm2であり、自己融着区域の面積
の総和は4%であった。
【0047】この長繊維不織布の表面に、針葉樹晒クラ
フトパルプ繊維を用いて湿式抄紙して得られた紙シート
を積層した。この紙シートは、JIS P 8124に
示された方法で測定した坪量が35g/m2であり、密
度は0.52g/cm3であった。次いで、積層シート
を、その紙シート側が上に位置し、長繊維不織布側が下
に位置するようにして、金網で形成された移送コンベア
上に載置した。次いで、この積層物を20m/分の速度
で移送させながら、孔径0.12mmのノズル孔が0.
64mm間隔で千鳥状に並んでいる高圧水柱流噴出装置
を用いて、40kg/cm3の水圧で高圧水柱流を噴出
させ、紙シートの表面に高圧水柱流処理を施してから、
交絡、一体化済みの積層体をスルードライヤーを用い1
20℃で乾燥した。以上のようにして、紙シートを構成
しているパルプ繊維と、長繊維不織布を構成している長
繊維とが絡合して、両者が一体化された生分解性不織布
シートを得た。
【0048】実施例2 芯成分としてメルトフローレート30、融点114℃の
ポリブチレンサクシネートをウレタン結合させたものの
樹脂(昭和高分子製、商品名:ビオノーレ)を準備し、
鞘成分としてL−乳酸単位を95モル%を含有し、メル
トフローレート20のポリ乳酸樹脂を準備した。次に芯
鞘複合紡糸用口金を用いて、上記の樹脂を芯成分が50
%、鞘成分が50%の比率で加熱して溶融し、多数の微
細孔から押し出した後、エジェクターにより高速エアー
で延伸して長繊維を形成し、移動するワイヤー上に堆積
した。長繊維の繊度は1.7dであった。
【0049】次いで、この長繊維の堆積体を142℃に
加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間に導入し、凹凸ロ
ールの凸部に対応する部分を融着することにより、目付
30g/m2の長繊維不織布シートを得た。ロールの線
圧は20kg/cmであり、得られた個々の自己融着区
域の面積は1.0mm2であり、自己融着区域の面積の総
和は15%であった。
【0050】この長繊維不織布の表面に、針葉樹晒クラ
フトパルプ繊維を用いて湿式抄紙して得られた紙シート
を積層した。この紙シートは、JIS P 8124に
示された方法で測定した坪量が80g/m2であり、密
度は0.48g/cm3であった。次いで、紙シートが
上に位置し、長繊維不織布が下に位置するようにして、
金網で形成された移送コンベア上に載置した。次いで、
この積層物を30m/分の速度で移送させながら、孔径
0.15mmのノズル孔が1mm間隔で並んでいる高圧
水柱流噴出装置を用いて、100kg/cm2の水圧で
高圧水柱流を噴出させ、紙シートの表面に高圧水柱流処
理を施してから、交絡、一体化済みの積層体をスルード
ライヤーで120℃で乾燥した。以上のようにして、紙
シートを構成しているパルプ繊維と、長繊維不織布を構
成している長繊維とが絡合して、両者が一体化された生
分解性不織布シートを得た。
【0051】実施例3 芯成分としてメルトフローレート30、融点114℃の
ポリブチレンサクシネートをウレタン結合させたものの
樹脂(昭和高分子製、商品名:ビオノーレ)を準備し、
鞘成分としてL−乳酸単位を85モル%を含有し、メル
トフローレート20のポリ乳酸樹脂を準備した。次に芯
鞘複合紡糸用口金を用いて、上記の樹脂を芯成分が30
%、鞘成分が70%の比率で加熱して溶融し、多数の微
細孔から押し出した後、エジェクターにより高速エアー
で延伸して長繊維を形成し、移動するワイヤー上に堆積
した。長繊維の繊度は4.4dであった。次いで、この
長繊維の堆積体を125℃に加熱した凹凸ロールと平滑
ロールの間に導入し、凹凸ロールの凸部に対応する部分
を融着することにより、目付20g/m2の長繊維不織
布シートを得た。ロールの線圧は60kg/cmであ
り、得られた個々の自己融着区域の面積は2.0mm2
あり、自己融着区域の面積の総和は10%であったこと
と、紙シートの坪量が90g/m2であること以外、実
施例2と同様にして生分解性不織布を得た。
【0052】比較例1 メルトフローレート30、融点114℃のポリブチレン
サクシネートをウレタン結合させたものの樹脂(昭和高
分子製、商品名:ビオノーレ)を準備し、単成分で加熱
して溶融し、多数の微細孔から押し出した後、エジェク
ターにより高速エアーで延伸して長繊維を形成し、移動
するワイヤー上に堆積した。長繊維の繊度は2.7dで
あった。
【0053】次いで、この長繊維の堆積体を95℃に加
熱した凹凸ロールと平滑ロールの間に導入し、凹凸ロー
ルの凸部に対応する部分を融着することにより、目付1
0g/m2の長繊維不織布シートを得た。ロールの線圧
は40kg/cmであり、得られた個々の自己融着区域
の面積は0.12mm2であり、自己融着区域の面積の総
和は4%であった。
【0054】この長繊維不織布の表面に、針葉樹晒クラ
フトパルプ繊維を用いて湿式抄紙して得られた紙シート
を積層した。この紙シートは、JIS P 8124に
示された方法で測定した坪量が35g/m2であり、密
度は0.52g/cm3であった。次いで、積層シート
を、その紙シート側が上に位置し、長繊維不織布側が下
に位置するようにして、金網で形成された移送コンベア
上に載置した。次いで、この積層物を20m/分の速度
で移送させながら、孔径0.12mmのノズル孔が0.
64mm間隔で千鳥状に並んでいる高圧水柱流噴出装置
を用いて、40kg/cm2の水圧で高圧水柱流を噴出
させ、紙シートの表面に高圧水柱流を施してから、交
絡、一体化済みの積層体をスルードライヤーを用いて1
20℃で乾燥したところ、長繊維不織布を構成している
長繊維部分に融着が起こり、複合生分解性不織布シート
が得られなかった。
【0055】比較例2 芯成分としてメルトフローレート30、融点114℃の
ポリブチレンサクシネートをウレタン結合させたものの
樹脂(昭和高分子製、商品名:ビオノーレ)を準備し、
鞘成分としてL−乳酸単位を98モル%を含有し、メル
トフローレート20のポリ乳酸樹脂を準備した。次に芯
鞘複合紡糸用口金を用いて、上記の樹脂を芯成分が70
%、鞘成分が30%の比率で加熱して溶融し、多数の微
細孔から押し出した後、エジェクターにより高速エアー
で延伸して長繊維を形成し、移動するワイヤー上に堆積
した。長繊維の繊度は2.1dであった。
【0056】次いで、この長繊維の堆積体を160℃に
加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間に導入し、凹凸ロ
ールの凸部に対応する部分を融着することにより、目付
100g/m2の長繊維不織布シートを得た。ロールの
線圧は40kg/cmであり、得られた個々の自己融着
区域の面積は0.28mm2であり、自己融着区域の面積
の総和は8%であった。
【0057】比較例3 鞘成分としてL−乳酸単位を75モル%を含有し、メル
トフローレート20のポリ乳酸樹脂を使用した以外は、
実施例1と同様にして長繊維不織布シートを得たが、実
施例1と同様に紙シートと交絡、一体化済みの積層体を
スルードライヤーを用いて120℃で乾燥したところ、
長繊維不織布を構成している長繊維部分に融着が起こ
り、複合生分解性不織布シートが得られなかった。
【0058】
【表1】
【0059】試験方法 (1)柔軟性 得られた生分解性不織布の柔軟性を、官能で評価した。
評価は以下の5段階で行った。 5・・・極めて柔軟である。 4・・・柔軟である。 3・・・柔軟性は普通である。 2・・・柔軟性がやや劣る。 1・・・シートが硬い。
【0060】(2)吸水性 吸水性としてはJIS L 1096の6.26.1滴下法に
示された方法で測定した吸水速度にて評価した。吸水速
度が15秒未満であれば優れていると判断した。
【0061】(3)微生物分解性 不織布シートを、大きさ10cm×25cmにカット
し、東京都江東区の野外(東京都江東区東雲1丁目10
番6号、王子製紙株式会社、東雲研究センター内)に、
土中25cmの深さに埋設し、6ヶ月後の不織布の形態
変化を目視で評価した。評価は、以下の2段階で行っ
た。 ×・・・シートのパルプ繊維の分解は認められるが、長繊
維不織布部分の分解は認められない。 ○・・・シートのパルプ繊維および長繊維不織布いずれの
部分とも分解が認められる。
【0062】(4)シート地合 得られた生分解性不織布の地合を、官能で評価した。評
価は以下の5段階で行った。 5・・・地合が極めて良好でる。 4・・・地合が良好である。 3・・・地合が普通である。 2・・・地合がやや悪い。 1・・・地合が極めて悪い。
【0063】(5)紡糸性:樹脂の紡糸性を、溶融紡糸
時の糸切れの多少で評価した。評価は以下の5段階で行
った。 5・・・糸切れはなく、紡糸性は極めて良好である。 4・・・糸切れは殆どなく、紡糸性は良好である。 3・・・糸切れは少しあるが、問題にならなく、紡糸性は普通である。 2・・・糸切れがかなりあり、紡糸性は悪い。 1・・・糸切れが非常に多く、紡糸性は極めて悪い。
【0064】(6)不織布製造の可否:不織布製造の可
否を、以下の3段で評価した。 ×・・・不織布の製造は不可能である。 △・・・不織布の製造は難しく、良好なシートは得られない。 ○・・・不織布の製造は容易であり、良好なシートが得られる。
【0065】表1から明らかなように、本発明の不織布
シートは、耐熱性、柔軟性、吸水性、地合及び微生物分
解性にきわめて優れている(実施例1〜3)が、これに
対して、長繊維不織布が単成分のポリブチレンサクシネ
ート樹脂からの長繊維で構成されていると、融点が低い
ため、耐熱性が不十分で、乾燥過程での融着発生によっ
て製造不可能であったので、本発明の目的には適さない
(比較例1)。また、紙シートとの複合を行わない、長
繊維不織布では吸水性がないので適さない(比較例
2)。一方、複合長繊維の鞘成分に使用されるポリ乳酸
重合体の光学純度は80%以下になると、融点が低くな
り、十分な耐熱性が得られず、製造不可能であった(比
較例3)。
【0066】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
耐熱性、柔軟性、吸水性および地合に極めて優れ、且つ
微生物により容易に分解される性質を備えた生分解性不
織布シートを提供するという効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性を有する樹脂を溶融紡糸した長
    繊維が積層されてなる長繊維不織布の片面に、パルプ繊
    維よりなる紙シートを積層した後、該紙シート側から該
    長繊維不織布側に向けて高圧水柱流を施すことにより、
    該パルプ繊維と該長繊維を絡合させた複合シートからな
    る不織布において、該長繊維不織布が芯鞘複合長繊維に
    より構成されて、該芯鞘複合長繊維の鞘成分が、L−乳
    酸単位またはD−乳酸単位を80モル%以上含有するポ
    リ乳酸重合体からなり、芯成分が1,4−ブタンジオー
    ルとコハク酸から合成されるポリブチレンサクシネート
    重合体をウレタン結合により高分子量化した重合体から
    なることを特徴とする生分解性不織布。
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