JP2801333B2 - 繊維構造物 - Google Patents

繊維構造物

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JP2801333B2
JP2801333B2 JP870990A JP870990A JP2801333B2 JP 2801333 B2 JP2801333 B2 JP 2801333B2 JP 870990 A JP870990 A JP 870990A JP 870990 A JP870990 A JP 870990A JP 2801333 B2 JP2801333 B2 JP 2801333B2
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純夫 中田
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、吸湿ないしは吸水(以下まとめて吸水とを
称す)・乾燥によって捲縮形態が可逆的に変化する複合
繊維を、バインダー繊維により熱接着固定してなる繊維
構造物に関する。さらに詳しくは、複合繊維がバインダ
ー繊維により網目状に接着固定されているため、吸水・
乾燥による繊維構造物の嵩及び面積の変化が大きく、か
つ可逆的で再現性も良く、しかもソフトな風合を呈しそ
の力学的特性も良好な繊維構造物に関するものである。
(従来技術) 従来、木綿,羊毛,羽毛等の天然繊維は、湿度変化よ
ってその捲縮率が可逆的に変化することが良く知られて
いる。
一方、合成繊維で同様に湿度変化によって捲縮率が可
逆的に変化するものとしては、特開昭55−93860号公報
にアクリル系合成繊維が、また、特開昭57−66162号公
報、特開昭57−95360号公報にポリエステル系合成繊維
が、さらには特開昭63−44843号公報、特公昭63−44844
号公報にポリエステル・ナイロン系合成繊維が開示され
ている。しかしながら、これらの繊維は、布団,枕等の
詰め綿あるいは防寒衣料,寝袋等の中入れ綿として使用
するときに、 (1) 吸水・乾燥による嵩変化が小さい (2) 繊維構造物の形態安定性に劣る (3) 繰り返し変形に対する嵩回復性に劣る といった欠点があり、実用上未だ満足されるものではな
かった。すなわち、繊維構造物内で繊維間は接着固定
されていないため、複合繊維の捲縮形態変化が繊維構造
物の嵩・面積変化として100%発現してこない。複合
繊維の捲縮形態変化を繰り返す際に繊維同志が滑り合う
ため、初期の繊維配置と繰り返し変形後の繊維配置が異
なってきて形態が変化する。繊維が接着固定されてい
ないので、外力が繰り返し加えられると繊維同志が絡み
あってダンゴ状になり、嵩回復性が不十分となる。等の
欠点を有していた。さらには、着用時、綿の充填密度斑
を生じ、保温性低下,型くずれといった実用上の問題を
も有するものであった。
また、かかる合成繊維からウェブを形成後、ラテック
ス等の液状接着剤をスプレー処置し次いで熱処理する方
法も知られている。しかし、目付の少ないウェブの場合
は比較的良好なものの、5g/m2以上の目付になると液状
接着剤を均一に付与することが困難になるため、前記
(1)〜(3)の問題は依然として解決されない。ま
た、液状接着剤は通常水性のものが用いられるため、洗
濯により接着点が外れてしまうといった致命的な欠陥も
ある。
一方、潜在捲縮性の複合繊維とバインダー繊維とを用
いて繊維構造物を得ることは、特公昭43−920号公報、
特公昭42−21318号公報、特公平1−21257号公報等で良
く知られている。しかしながら、これらの繊維構造物
は、バインダー繊維により繊維間のズレを防止して寸法
安定性を向上させるものであって、嵩はむしろ変化しな
いようにしたものである。したがって、本発明の如く複
合繊維をバインダー繊維により網目状に接着固定するこ
とによって、該複合繊維の捲縮形態変化を極めて効果的
に嵩及び面積変化に応答させるといったことは、従来全
く知られていなかったのである。
(発明の目的) 本発明は、上記従来の吸水・乾燥によって捲縮率変化
を生じる複合繊維からなる繊維構造物が有する諸欠点を
解消し、吸水・乾燥による繊維構造物の嵩・面積変化が
大きく、かつ可逆的で寸法の再現性に優れ、しかもソフ
トな風合を呈し外力によっても破断され難い、新規な繊
維構造物を提供することを目的とするものである。
(発明の構成) 本発明者らは、上記目的を達成せんがため鋭意検討し
た結果、吸水・乾燥によって捲縮形態変化を起す複合繊
維を、バインダー繊維を用いて熱接着固定することによ
り、嵩・面積変化が大きく、かつ可逆性及び寸法の再現
性に優れた繊維構造物が得られることを見い出し、本発
明に到達した。
すなわち本発明は、吸水・乾燥の変化に伴なって可逆
的に捲出形態の変化を生ずる、貼合わせ型又は偏芯型に
接合された複合繊維(A)50〜95重量%が、バインダー
繊維(B)50〜5重量%によって熱接着固定された繊維
構造物であって、該構造物の目付5g/m2以上、嵩は10cm3
/g以上であり、かつ下記吸水・乾燥条件下で測定した際
の嵩変化が5%以上であることを特徴とする繊維構造物
である。
本発明で用いる複合繊維は、吸水・乾燥によって捲縮
形態を可逆的に変化させるものである必要があるが、そ
のためには、複合繊維の一方の成分が他方の成分より吸
水・乾燥後の伸長・収縮変化が大であって、貼合なせ型
又は偏芯型の複合形態にする必要がある。
貼合わせ型の場合、通常紡糸延伸後の繊維は立体捲縮
形態をとる。そして、吸水・乾燥によってより大きく伸
長・収縮変化する成分が立体捲縮形態の外側に配置され
るか内側に配置されるかによって、吸水・乾燥による捲
縮形態の変化が異なってくる。なお、この配置関係は、
使用するポリマー成分の組み合わせだけでなく、紡水,
延伸,熱処理等の製糸条件によっても変化するものであ
る。
吸水時により伸長し、乾燥時には収縮する成分が、立
体捲縮形態をとる複合繊維の外側に配置されると、繊維
が吸水したときに立体捲縮数が増大し乾燥によって減少
する。逆に内側に配置されると、吸水したときに立体捲
隙数が減少し、乾燥によって増加する。この繊維の立体
捲縮形態の変化が、繊維構造物の嵩変化となって現れる
のである。
一方偏芯型の場合、立体捲縮形態の変化をより効果的
に発現させるため、吸水・乾燥による伸長・収縮変化が
大きい成分を鞘部に配するのが好ましく、芯部は一部露
出していてもかまわない。
かかる偏芯型複合繊維は、互いに接着性の低いポリマ
ー成分同志を用いても剥離を生じないといった利点を有
する反面、吸水・乾燥による捲縮形態の変化は張合わせ
型に比べて劣っている。したがって、本発明において
は、互いに接着性の良好なポリマーを貼合わせ型に複合
繊維となしたものが、最終的に得られる繊維構造物の嵩
変化が大きいため、より好ましい。
本発明で用いる上記複合繊維(A)を構成する、吸水
してより伸長し、乾燥によってより収縮する成分(A−
m)としては、例えばポリアミド,吸水性ポリエステ
ル,吸水性ポリオレフィン等をあげることができる。な
かでもポリアミドは、吸水による伸長及び乾燥による収
縮の度合が大きく、かつ得られる繊維自体の風合がソフ
トであり嵩のヘタリも少ないので、より好ましい。
かかるポリアミドとしては、従来より公知の下記二種
の一般型を有する繊維形成性ポリアミドをあげることが
でき、これらは二種以上混合して用いても良いし、また
共重合体であっても良い。
第一の一般型を有するポリアミドは、6−アミノカプ
ロン酸,9−アミノノナン酸,11−アミノウンデカン酸等
のアミノカルボン酸又はその誘導体、例えばε−カプロ
ラクタムを重縮合せしめて得られる重合体であり、他方
はジアミンと二塩基酸又はそのアミド形成性誘導体を重
縮合せしめて得られる重合体である。
ジアミンの好適は例としてはエチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、オクタメチレ
ンジアミン、デカメチレンジアミン、m−キシリレンジ
アミン、P−キシリレンジアミン、m−フェニレンジア
ミン、P−フェニレンジアミン、ビス(P−アミノシク
ロヘキシル)メタン及びピペラジンであり、好適な二塩
基酸の例としてはセバシン酸、スベリン酸、アジピン
酸、アゼライン酸、ウンデカンジオン酸、グルタル酸、
ピメリン酸、テトラデカンジオン酸、イソフタル酸及び
テレフタル酸であるが、又アミド形成用誘導体を上記ジ
アミン及び又は二塩基酸に代替することもできる。
例えば、カーバメート及びN−フオルミル誘導体をジ
アミンの代りに使用でき、他方モノ及びジエステル、酸
無水物、酸のモノ及びジアミド及び酸ハイライドを二塩
基酸に代替できる。これらはいずれも単独で使用しても
よいし、二種以上を併用してもよい。これらのポリアミ
ドのうちポリ−ε−カプロアミド及びポリヘキサメチレ
ンアジパミドは工業上特に有用である。
複合繊維(A)を構成する、吸水・乾燥による伸長・
収縮変化の小さい成分(A−S)としては、例えばポリ
エステル、ポリオレフィン等をあげることができるが、
嵩高性,嵩耐久性,耐熱性,ウェブ成形性等の観点から
ポリエステルが特に好ましい。なかでも、前記(A−
m)成分としてポリアミドを用いる場合には、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸をポリエステルを構成する全
酸成分に対し2.0〜7.0(モル)%共重合させたものが好
ましい。2.0(モル)%未満では、ポリアミドとの接着
性が不足して次工程での取扱い中に一部剥離をおこすこ
とがある。一方、7.0(モル)%を越えると紡糸性が困
難になる傾向がある。5−ナトリウムスルホイソフタル
酸を共重合するベースポリエステルは、主としてポリエ
チレンテレフタレートあるいはポリブチレンテレフタレ
ートであるが、これらの共重合体、混合体でも差支えな
い。勿論基本性能を損なわない範囲での公知の第3成分
共重合体例えば、イソフタル酸,フタル酸,アジピン
酸,セバシン酸等の酸成分、トリメチレングリコール,
シクロヘキサン−1,4−ジメタノール,ヘキサンジオー
ル,ジエチレングリコール,ネオペンチルグリコール,
プロピレングリコール等のグリコール成分、あるいは、
ポリアルキレングリコール,グリセリン,ペンタエリス
リトール,メトキシポリアルキレングリコール,ビスフ
ェノールA等を全酸成分に対して15モル%未満共重合し
たものも使用可能である。
以上に説明した複合繊維(A)のなかでも、ナイロン
−6と5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分が共重合
されたポリエチレンテレフタレートとからなる複合繊維
は、吸水・乾燥による捲縮形態の変化が可逆的でかつ大
きく、しかも最終的に得られる繊維構造物の嵩ヘタリ
性,羽毛のような風合,ドレープ性等に優れているため
特に好ましい。
なお、複合繊維(A)を構成する前記ポリマーには、
その一方又は両方に、酸化チタン等の艶消剤,蛍光増白
剤,染料,顔料,抗酸化剤,紫外線吸収剤等の添加剤が
含まれていてもよい。
複合繊維(A)は、上述の如く成分(A−m)と成分
(A−S)とが貼合わせ型又は偏芯型に接合されている
ものであれば、その断面形状はいずれであってもよい。
例えば、図面の第1図(a),第4図(a)〜(c),
第5図,第6図に示すようなサイドバイサイド型複合繊
維であっても、第1図(b)に示す中空サイドバイサイ
ド型複合繊維、更には第1図(c)に示す偏芯型複合繊
維であっても良い。
成分(A−m)と成分(A−S)との複合比率は、本
発明の効果を有効に発揮する上で、10:90〜90:10好まし
くは30;70〜70:30の範囲に設定するのが望ましい。この
範囲外にあっては、吸水・乾燥による伸長・収縮変化が
不十分となって捲縮形態の変化が小さくなる傾向があ
る。
複合繊維の断面形状は上述の如く任意であるが、吸水
・乾燥による捲縮形態の変化をより大きくするため、前
記(A−m)成分と(A−S)成分との重心点間距離を
より大きくすることが好ましい。例えば、第1図(a)
と第4図(a)に示す貼合わせ型複合繊維を比較する
と、同一複合比率で断面積も同一であれば、第4図
(a)の重心点間距離l3は第1図(a)の重心点間距離
l0よりも大きくなって、吸水・乾燥による繊維変形のた
めの断面2次モーメントが大きくなる、すなわち、捲縮
形態の変化はより大きくなる。しかも、第4図(a)の
方は繊維表面積が大きく吸水・乾燥速度が速いので、短
時間で捲縮形態の変形を生ずる。このように、第4図
(a)に示す如く重心点間距離を大きくしたものは、繊
維構造物の変形が大きくかつレスポンスが速いといった
点で好ましい。
また、第4図(c)に示す偏平断面形状の複合繊維で
は、重心点間距離が短いため捲縮形態変化の応力は小さ
くなって繊維構造物の変形が小さくなるものの、吸水・
乾燥の速度が極めて速くなるので繊維構造物の変形応答
が速いといった利点を有する。
また、第1図(b)に示す中空貼合わせ型複合繊維で
は、第4図(a)に示すと同様に、重心点間距離が大き
くかつ繊維表面積が大きいので、繊維構造物の変形が大
きくレスポンスも速いといった利点がある。なお、この
場合において、中空部の形状は円形,多角形等いずれで
も良く、また中空部が2〜10個と複数であっても良い
が、中空率は3〜45%とするのが望ましい。
以上の如く、複合繊維の断面形状としては、吸水・乾
燥による捲縮形態変化を大きくするために(A−m)成
分と(A−S)成分との重心点間距離を大きくすること
が好ましいのであるが、特に次式を満足していることが
望ましい。
L/L0>1 本発明で用いられるかかる複合繊維(A)を製造する
には、従来公知の複合紡糸方法をそのまま採用すれば良
い。
例えば、第1図(a)に示す複合繊維は、第3図
(a)に示す如く、(A−m)成分と(A−S)成分と
を貼合わせ型に配置させた後ノズル孔Nから吐出させれ
ば良い。また、第1図(b)に示す複合繊維は、第2図
に示すようなC字型のスリットからなる複合紡糸用口金
を用いれば良いし、第1図(c)に示す偏芯型複合繊維
は、第3図(b)に示す如く、ノズル孔Nに対して偏芯
した位置から芯成分を流下させるようにした、偏芯型複
合紡糸用口金を用いれば良い。
紡糸された未延伸糸はさらに延伸処理されるが、この
処理条件によって、立体捲縮形態の外側に配置される成
分を前述の(A−m)成分とするか(A−S)成分とす
るかを任意に設定できる。例えば、(A−m)成分とし
てナイロン−6を、(A−S)成分として5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレー
トを用いる場合には、未延伸糸を50〜70℃の温水中最大
延伸倍率の75〜98%の延伸倍率で第1段延伸した後、75
〜95℃の温水中0.75〜0.98倍で制限収縮処理すれば、ナ
イロン6(A−m)を立体捲縮形態の内側に配すること
ができる。一方、この延伸糸を、さらに140〜200℃下緊
張状態で熱処理すると、逆にナイロン6を立体捲縮形態
の外側に配置させることができる。なお、前者では、繊
維が吸水したとき捲縮数が低下するのに対して、後者で
は吸水したときの捲縮数が増加し乾燥すると減少する。
したがって、使用目的にあわせて、複合繊維の配置をい
ずれにも設定できるのである。
次に、かくして得られた延伸繊維は処理剤が付与さ
れ、さらに必要に応じて機械捲縮が付与され、熱処理が
施された後、所定の繊維長に切断される。
本発明においては、得られる繊維構造物に種々の特性
を付与するために、上記処理剤として種々のものが用い
られる。例えば、親水性を付与するためには、ポリビニ
ルアルコール系処理剤、ポリエーテル・エステルブロッ
ク共重合系処理剤、ノニオン,アニオン,カチオン系の
各種親水性処理剤、あるいはこれらを組み合わせた処理
剤が用いられ、得られる繊維構造物は、スポーツ・防寒
衣料の中綿、布団・寝具の詰綿、衛生材料の表面材・タ
オル・ティッシュ等の家庭用品その他に適している。
また、撥水性を付与するためには、フッ素系化合物,
有機シリコーン系化合物,鉱物油,ろう,脂肪酸エステ
ル,炭化水素,高級アルコール,高級脂肪酸等の各種撥
水処理剤もしくはこれらを組み合わせた処理剤が用いら
れる。そして、得られる繊維構造物は、アウトウェア・
特殊作業用ワーキングウェアの中綿、テーブルクロス・
インテリア用品、産業用資材等の水を嫌う用途に適して
いる。
なお、複合繊維の繊度は、不織布・詰め綿等製造時の
カード通過性、抄紙性、吸水・乾燥による繊維構造部の
嵩変化・面積変化の容易さ等の観点から0.5〜60デニー
ルであることが好ましく、嵩変化・面積変化の効果をよ
り発揮させるためには、特に2〜45デニールとするのが
望ましい。
一方、繊維長及び捲縮数は、用途により若干異なる。
例えば、抄紙等の湿式不織布の用途では、繊維長2〜30
mm、特に3〜20mmにするのが望ましく、捲縮数は抄紙性
等に大きく影響を与えるので、吸水時に少ないものが望
ましく、30℃相対湿度90%(RH90%)下2時間放置後の
捲縮数を0〜20個/25mm、特に0〜10個/25mmと少なくす
るのが望ましい。一方、乾燥時には不織布の嵩変化・面
積変化を大きくするために捲縮数の増加が大きい程望ま
しく、60℃1時間乾燥後の捲縮数が5〜50個/25mmであ
って、上記吸水時の捲縮数よりも2個/25mm以上、特に
5個/25mm以上増加するのが望ましい。
また、乾式不織布・詰め綿・衣料用紡績糸等の用途で
は、繊維長は20〜150mm、特に30〜70mmがカーディング
性の点から望ましく、また乾燥時の捲縮数も、カーディ
ング性の点から、60℃下1時間乾燥した後で6〜30個/2
5mm、特に8〜25個/25mmとするのが適している。この捲
縮数は、吸水によって繊維構造物の変形を発現させるた
めに、前記吸水条件下における捲縮数よりも2個/25mm
以上、特に5個/25mm以上異なり、かつ吸水後の捲縮数
が0〜100個/25mmの範囲内にあることが望ましい。
次に本発明で用いるバインダー繊維(B)は、熱接着
性成分単独からなる繊維であっても、また他の繊維形成
性成分との複合繊維であっても良い。なかでも前者のバ
インダー繊維は、熱接着処理時に熱溶融して繊維の形態
をとどめず、適状になって複合繊維(A)を網目状に熱
接着固定するため、複合繊維(A)の吸水・乾燥による
捲縮形態変化の妨げにならず、繊維構造物の嵩変化・面
積変化が大きくなるので好ましい。
一方、バインダー繊維(B)として複合繊維を用いる
場合には、上述の如く吸水・乾燥時の複合繊維(A)の
捲縮形態変化が妨げられる傾向があるので、その繊維長
を短くする、特に複合繊維(A)よりも5%以上短くす
るのが望ましい。例えば、抄紙用には1〜25mm、特に1.
5〜15mmが、また不織布,詰綿用には、15〜140mm、特に
15〜65mmが適している。
バインダー繊維(B)を構成する熱接着性成分ポリマ
ーは、その融点(非晶性ポリマーの場合にあってはその
軟化点)を80〜230℃、好ましくは100〜200℃とする。8
0℃未満の場合には紡糸時に繊維間の膠着が発生しやす
く、一方230℃を越える場合には、通常の熱接着加工機
では接着処理できなくなる傾向がある。
かかる熱接着成分としては、例えば、ポリエチレン,
ポリプロピレン,ポリブテン−1,ポリペンテン−1,アイ
オノマー樹脂,エチレン酢酸ビニル共重合体,ポリ酢酸
ビニル,ポリアクリル酸エステル,あるいはそれらの共
重合体;ポリスチレン;ナイロン6,ナイロン10,ナイロ
ン12の如きポリアミド,あるいはそれらの共重合体;ポ
リ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリ尿素;ポリウ
レタン,あるいはその共重合体;テレフタル酸,イソフ
タル酸の如き酸成分と、エチレングリコール,ブチレン
グリコール,ペンタメチレングリコール,ヘキサメチレ
ングリコール等のグリコール、及び/又はジメチレング
リコール,ポリエチレングリコール等のポリオキシアル
キレングリコール、及び/又はグリセリン,ペンタエリ
スリトール等の多価アルコールとを組合わせたポリエス
テル共重合体またはこれらの混合物を挙げることができ
る。これらの中でも、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸成分を全酸成分に対して2〜7モル%、テトラメチレ
ングリコール及び/又はヘキサンジオールをグリコール
成分に対して50モル%以上共重合させた変性ポリエステ
ルは、複合繊維(A)としてポリアミドとポリエステル
とからなるものを用いた場合両者に良好な接着性を示す
ので好ましい。しかも、この変性ポリエステルは柔軟性
に富んでいるため、繊維構造物を構成する複合繊維
(A)の、吸水・乾燥に伴なう捲縮形態変化を抑制しな
いといった利点をも有する。
また、上記ポリエステル共重合体のうち、平均分子量
が500〜10,000のポリエチレングリコール,ポリブチレ
ングリコール等のポリアルキレングリコール成分を5〜
50重量%共重合した変性ポリエステルは弾性性能を有す
るため、吸水・乾燥による複合繊維(A)の捲縮形態変
化を抑制せず好ましい。
本発明におけるバインダー繊維(B)は、かかる熱接
着成分単独からなる繊維の他に、前述した通り、他の繊
維形成性成分とが接合した芯鞘型又は貼合せ型複合繊維
であっても良い。この場合、偏芯芯鞘型又は貼合せ型の
ものは、熱接着時の熱処理によって捲縮を発現してスパ
イラル捲縮となり、バネ状弾性が生ずる。その結果、複
合繊維(A)の繊維構造物内での動きが容易となって、
吸水・乾燥時の捲縮形態変化、云いかえると繊維構造物
の嵩変化・面積変化が容易となる利点がある。
かかる複合バインダー繊維を構成する繊維形成性成分
は、前記熱接着成分の融点より少なくとも20℃高い融点
を有していれば特に限定されないが、通常はポリエステ
ル,ポリアミド,ポリオレフィン等が用いられ、その複
合比率は熱接着性成分が20〜70%の範囲内となるように
設定される。
また、複合バインダー繊維の断面形状は前述の通り芯
鞘型,貼合せ型いずれであっても良く、例えば、第1図
(b)の如き中空芯鞘型複合繊維、第1図(a)の如き
サイドバイサイド型複合繊維、第1図(c)の如き偏芯
型複合繊維、第7図の如き中空サイドバイサイド型複合
繊維、さらには中実芯鞘型複合繊維、異型中空複合繊維
等任意の形態をとることができる。
なお、中空芯鞘型複合バインダー繊維は、中空部を有
するので嵩高性も向上し、この点からは中空部の割合は
3〜30%とするのが好ましい。また中空部の形状は円
形,多角形状の異形等任意であり、中空部が2〜4個と
複数であっても良い。
上述したバインダー繊維(B)は、溶融紡糸して得ら
れる未延伸糸を延伸し、後加工に必要な処理剤を付与
し、必要に応じて捲縮を付与した後熱処理を施し、次い
で前述の如き所定の繊維長に切断することにより得られ
る。
かかるバインダー繊維(B)の繊度は、不織布製造時
のカード通過性,抄紙性等の点から0.5〜20デニールで
あることが好ましい。捲縮数は、用途により若干異な
り、例えば、抄紙用には、捲縮数0〜20ケ/25mmのもの
が、また乾式不織布、衣料用には、捲縮数6〜40ケ/25m
mのものが適している。
なお、バインダー繊維(B)の各成分には、本発明の
目的を阻害しない範囲で、艶消剤,防炎剤,消臭剤,紫
外線吸収剤等の任意の添加剤を添加することができる。
本発明の繊維構造物は、上記複合繊維(A)50〜95重
量%が、バインダー繊維(B)50〜5重量%によって熱
接着固定されていることが大切である。バインダー繊維
(B)の量が50重量%を越える場合には、複合繊維
(A)の熱接着固定点が多くなって、繊維構造物の吸水
・乾燥による嵩・面積変化が小さくなるので好ましくな
い。一方、5重量%未満の場合には、熱接着点の数が少
なくなりすぎて、吸水・乾燥による繊維構造物の嵩・面
積変化が小さくなると共に、外力によって繊維構造物が
切断したり、ダンゴ状になったりするため好ましくな
い。
また、繊維構造物の目付は5g/m2以上、好ましくは10g
/m2以上とする必要がある。この範囲未満の場合には、
用いられる複合繊維(A)の使用量が少なくなって、吸
水・乾燥に伴なう繊維構造物の嵩及び面積変化が小さく
なって好ましくない。
さらに、複合繊維(A)の吸水・乾燥による捲縮形態
変化を容易にして繊維構造物の嵩及び面積変化を大きく
するために、繊維構造物の嵩を10cm3/g以上とする必要
がある。嵩がこの範囲未満の場合には、複合繊維(A)
の抱束が強くなるため、繊維構造物の嵩及び面積変化が
小さくなって好ましくない。
また、本発明の繊維構造物は、下記吸水条件及び乾燥
条件にて処理した後の嵩変化が、実用上5%以上である
必要がある。
乾燥条件:60℃下1時間乾燥 吸水条件:30℃相対湿度90%下2時間吸湿 この嵩変化が5%未満の場合には、繊維構造物の吸水
・乾燥による嵩及び面積変化が不十分なため、通気性,
保温性,フィルター性,風合等の変化が実用上不十分と
なる。5%以上ではこれらの特性は良好となるが、特に
20%以上であると上記特性の変化が顕著となってより好
ましい。
なお、本発明の繊維構造物は、本発明の目的を損わな
い範囲であれば他の繊維、例えば、木綿・羊毛・木材パ
ルプ等の天然繊維、ポリエステル・ナイロン・ポリプロ
ピレン等の通常の合成繊維等を併用しても良い。その量
は、併用する繊維の種類によっても変わるが、繊維構造
物を構成する前記複合繊維(A)の量が、少なくとも該
繊維構造物の重量に対して50重量%以上を占めるように
するのが好ましい。
以上に詳述した本発明の繊維構造物は、バインダー繊
維により部分的に熱接着固定されているが、複合繊維
(A)が自由に形態変化を起し得る余裕の空間を有して
いる。したがって、吸水・乾燥により複合繊維(A)の
捲縮形態が変化することによって、繊維構造物の形態が
可逆的に変化するのである。
例えば、(ケース1)乾燥状態で捲縮数が20個/25m
m、吸水状態で7個/25mmと変化する複合繊維(A)を用
いた場合、吸水状態での見かけの繊維長は伸びるため、
繊維構造物の嵩が大きくなり、同時に面積も大きくな
る。また、捲縮が少なくなるので通気性が増し、風合も
ソフトになる。
一方、(ケース2)乾燥状態で捲縮数が14個/25mm、
吸水状態で60個/25mmの複合繊維(A)を用いると、吸
水状態での見かけの繊維長は短くなり、繊維構造物の嵩
密度が高くなり、同時に面積も小さくなる。また、捲縮
が多くなるため通気性が減少して保温性及びフィルター
性が向上する反面、風合はより硬目となる。
(ケース1)と(ケース2)の繊維構造物は夫々上述
の特性を有するため、使用目的にあわせて適宜選択して
使用すれば良く、例えば、前者の繊維構造物はスポーツ
衣料,夏用肌かけふとん,医療用又は衛生材料用の被覆
材,夏用肌着等の用途に好適であり、一方後者は、防寒
着の中綿,冬用ふとん等の用途に好適である。
(発明の効果) 本発明の繊維構造物は、従来の繊維構造物に比べて吸
水・乾燥に伴う嵩性・面積変化が大きく、吸水・乾燥を
繰り返しても繊維構造物の形態は殆んど変わらず、形態
安定性が良好である。また、激しい外力がかかっても、
ちぎれたり、ダンゴになったりせず、外力に対する耐久
性が良いという優れた特性している。
さらには、熱接着固定されているので毛羽ぬけが少な
く破断強力も高く、かつ複合繊維(A)がスパイラル捲
縮を有するためソフトで弾力性を有するといった特徴を
有している。
本発明の繊維構造物は、これらの利点を生かして、お
むつ,ナプキンの表面材・クッション材,土木資材,油
吸着材,各種フェルト,ふとん硬わた,フィルター,湿
布剤の基布等に単独または積層した形(他素材との積層
も含む)で用いられる。また、湿式不織布の分野では、
抄紙機のヤンキードライヤーの温度(100〜120℃)で熱
接着させた繊維構造物が用いられる。不織布のフィルタ
ー性向上を狙って、抄紙上にフイルム又は不織布を積層
した複合商品として利用しても良い。
ここに挙げた用途は、主なものを例示したものであっ
て、本発明の繊維構造物の用途がこれらに限定されるも
のでないことは、言うまでもない。
(実施例) 以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明する。
実施例1〜4,比較例1〜4 (A−m)成分として極限粘度[η]が1.1(30℃の
m−クレゾール溶液で測定)で融点が215℃のナイロン
6と、(A−s)成分として極限粘度[η]が0.45(25
℃の0−クロロフェノール溶液で測定)で融点が254℃
の5−ナトリウムスルホイソフタル酸成分3.5モル%共
重合ポリエチレンテレフタレートとを貼合わせ型で50:5
0の重量比で複合し、第2図に示すノズルを1200ホール
有する紡糸口金から275℃で溶融押出しし、紡糸速度100
0m/minで引き取り、繊維横断形状が第1図(B)に示す
ような中空率10%の未延伸複合繊維を得た。次いで、こ
の未延伸複合繊維を65℃の温水浴で3倍に延伸し、95℃
の温水浴で10%制限収縮熱処理した後、押込捲縮装置で
8個/25mmの捲縮を付与し、140℃で30分間弛緩熱処理し
て潜在捲縮を発現させ、次いで51mmの繊維長に切断し
た。得られた複合繊維の繊度は3デニール、60℃1時間
乾燥後の捲縮数は20個/25mm、30℃相対温度90%の雰囲
気に2時間放置した後の捲縮数は7個/25mmであった。
一方、極限粘度[η]が0.85(25℃のO−クロロフェ
ノール溶液で測定)、融点が120℃である、3モル%の
5−ナトリウムスルホイソフタル酸、15モル%のイソフ
タル酸を共重合させたポリヘキサメチレンテレフタレー
トを、孔径0.3mmφ孔数、3500ホールを有する口金から2
00℃で溶融押出しし、紡糸速度1000m/minで引き取り、
繊維横断形状が円形の未延伸繊維を得た。
次いで、この未延伸繊維を65℃の温水浴で3.8倍に延
伸し、押込捲縮装置で弛緩熱処理後の捲縮数が13個/25m
mとなるように捲縮を付与し、100℃で30分間弛緩熱処理
し、次いで32mmの繊維長に切断した。得られたバインダ
ー繊維の繊度は3デニールであった。
前記の複合繊維を調湿して、捲縮数を16個/25mmとな
し、これにバインダー繊維を第2表に示す割合で混綿し
て解繊後、カーディングしてウェブとなし、熱風循環型
熱処理機で140℃2分間熱処理し、第2表記載の目付及
び嵩高性を有する接着ウェブ(不織布)を作成し、その
吸水・乾燥における嵩変化及び風合を評価した。
なお、嵩高性は、不織布を10枚重ね、5g/cm2の荷重に
より1分間隔で50回繰り返し圧縮した前後において、吸
水時(不織布を30℃相対湿度90%の雰囲気下2時間放置
した後)、及び乾燥時(60℃下1時間乾燥した後)の無
加重時の不織布厚さから算出したもので、嵩変化率は、
次式より算出した。
結果は第1表及び第2表に示す。
実施例5 実施例1において、未延伸複合繊維を65℃の温水浴で
3倍に延伸し、95℃の温水浴で10%制限収縮熱処理した
後、180℃で8秒間緊張熱処理し、次いで押込捲縮機に
より捲縮を付与した後140℃で30分間弛緩熱処理し、捲
縮数14個/25mmの潜在捲縮を発現させ、次いで51mmの繊
維長に切断した以外は実施例1と同様にして、ウェブを
作成し実施例1と同様に評価した。その結果を第2表に
合わせて示す。
実施例6,比較例5 実施例1において、複合繊維の(A−s)成分として
極限粘度[η]が0.40で融点が252℃である、5モル%
の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合させたポ
リエチレンテレフタレートを用いる場合(実施例6)
と、極限粘度[η]が0.50で融点が257℃である、1モ
ル%の5−ナトリウムスルホイソフタル酸を共重合させ
たポリエチレンテレフタレートを用いる場合(比較例
5)について、それ以外は実施例1と同様にしてウェブ
を作成し、実施例1と同様にして評価した。その結果を
第2表に合わせて示す。
実施例6の不織布は、乾燥・吸水による嵩変化が大き
く風合もソフトで形態保持性(耐ヘタリ性)は良好であ
ったが、比較例5の不織布は、複合繊維を延伸する際に
ナイロン6(A−m)と共重合ポリエチレンテレフタレ
ート(A−s)とが一部剥離して、乾燥吸水による捲縮
形態変化が小さく、得られるウェブの嵩変化も小さかっ
たので評価は中止した。
実施例7 実施例1において、バインダー繊維(B)として
[η]0.64のポリエチレンテレフタレートと実施例1の
バインダー繊維に用いたと同じ共重合ポリヘキサメチレ
ンテレフタレート系ポリエステルとを複合比50/50(重
量比)で複合紡糸した第7図に示す中空サイドバイサイ
ド型断面を有し、繊度3デニール、捲縮数23個/25mm
(立体捲縮)、繊維長32mmの複合バインダー繊維を用
い、複合繊維(A)としては実施例1の複合繊維を用い
てその混合比80/20(A/B)とする以外は実施例1と同様
にして不織布を得た。結果は第1表及び第2表にあわせ
て示す。
実施例1に比較して、嵩変化率は若干劣るが、良好な
結果が得られた。
実施例8 実施例7において、バインダー繊維(B)の熱接着性
成分としてテレフタル酸成分に対して5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸を5モル%、イソフタル酸を40モル
%、テトラメチレングリコールを40モル%共重合した、
極限粘度0.50融点155℃の共重合ポリエチレンテレフタ
レートを用いた以外は実施例7と同様にして不織布を得
た。結果は第1表,第2表に示す。
バインダー繊維(B)に用いた熱接着成分がやや硬い
ので、得られた不織布は実施例7に比較して若干硬目で
あるが、実用上は全く問題のないものであった。
実施例9 実施例8において、複合繊維(A)として繊維断面形
状が第1図(a)に示す複合繊維を用いる以外は実施例
8と同様にして不織布を得、評価した。結果は第1表,
第2表に示す。
なお、第1表中用いた重合体は次の通りである。
(ア):5−ナトリウムスルホイソフタル酸3.5モル%共
重合ポリエチレンテレフタレート (イ):同5モル%共重合ポリエチレンテレフタレート (ウ):同1モル%共重合ポリエチレンテレフタレート (エ):同3モル%及びイソフタル酸15モル%共重合ポ
リヘキサメチレンテレフタレート (オ):5−ナトリウムスルホイソフタル酸3モル%、イ
ソフタル酸40モル%、及びテトラメチレングリコール40
モル%共重合ポリエチレンテレフタレート (カ):ポリエチレンテレフタレート 但し、共重合量はテレフタル酸成分に対するモル%。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第4〜第7図は、本発明で用いられる複合繊
維(A)の横断面図を示す一例であり、第2図は第1図
(b)の複合繊維(A)を得るための紡孔の一例を示す
ものである。また、第3図は、夫々第1図(a),
(c)に示す複合繊維(A)を製造する際の紡糸用口金
ポリマー導入口部分の一例を示す断面図である。 A−s:吸水・乾燥による伸縮変化の小さい成分 A−m:吸水・乾燥による伸縮変化の大きい成分 GA:A−s成分の重心点 GB:A−m成分の重心点 l0〜8:重心点間距離 N:紡孔 S:スリット H:中空部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 誠 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人 株式会社大阪研究センター内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D04H 1/42 D04H 1/54

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水・乾燥の変化に伴なって可逆的に捲縮
    形態の変化を生ずる、貼合わせ型又は偏芯型に接合され
    た複合繊維(A)50〜95重量%が、バインダー繊維
    (B)50〜5重量%によって熱接着固定された繊維構造
    物であって、該構造物の目付は5g/m2以上、嵩は10cm3/g
    以上であり、かつ下記吸水・乾燥条件下で測定した際の
    嵩変化が5%以上であることを特徴とする繊維構造物。
  2. 【請求項2】複合繊維(A)が、ポリアミドと、5−ナ
    トリウムスルホイソフタル酸成分を酸成分に対して2〜
    7モル%共重合させた変性ポリエステルとからなる複合
    繊維である請求項1記載の繊維構造物。
  3. 【請求項3】バインダー繊維(B)の熱接着成分が、5
    −ナトリウムスルホイソフタル酸成分を酸成分に対して
    2〜7モル%、テトラメチレングリコール及び/又はヘ
    キサンジオールを全グリコール成分に対して50モル%以
    上共重合させた融点が80〜230℃の変性ポリエステルで
    ある請求項1記載の繊維構造物。
  4. 【請求項4】複合繊維(A)の断面形状が中空断面であ
    る請求項1又は2記載の繊維構造物。
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