JP2591203B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

Info

Publication number
JP2591203B2
JP2591203B2 JP33766289A JP33766289A JP2591203B2 JP 2591203 B2 JP2591203 B2 JP 2591203B2 JP 33766289 A JP33766289 A JP 33766289A JP 33766289 A JP33766289 A JP 33766289A JP 2591203 B2 JP2591203 B2 JP 2591203B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
exhaust gas
temperature
fuel ratio
gas temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP33766289A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03199651A (ja
Inventor
幸三 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP33766289A priority Critical patent/JP2591203B2/ja
Publication of JPH03199651A publication Critical patent/JPH03199651A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2591203B2 publication Critical patent/JP2591203B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内燃機関の空燃比制御装置に係り、特に内燃
機関の排気温が所定温度以上のときに空燃比をリッチに
制御する空燃比制御装置に関する。
〔従来の技術〕
内燃機関の排気ガスの浄化を計る触媒装置は、所定の
温度範囲で作動されることにより、排気ガス中の有害成
分を低減することができるものであるが、高速高負荷運
転などにより排気温が所定許容温度範囲を越えるような
高温になると、触媒装置が過熱し、触媒の劣化や損傷に
至る。
そこで、このように許容温度範囲を越えるような高温
の排気温の低下をさせるために、過給機のタービンケー
シングに流入する排気ガス温度を排気温センサにより直
接検出し、その検出排気ガス温度が所定値になるよう空
燃比をリッチに制御することにより、過給機及び排気系
部品の熱破壊を防止する空燃比制御装置が知られている
(特開昭56-81235号公報)。
しかし、この従来装置では、排気ガス温度、すなわち
排気温を検出する排気温を検出する排気温センサが極め
て高温の排気温に直接さらされるため、耐熱性の優れた
高価な材料を使用しなければならず、高価となり、また
耐久性にも問題がある。しかも、流れている排気ガスの
温度計測をするため、排気ガスの排気温センサへの当た
り方により検出温度が変化し、正確な排気温の検出が困
難である。
そこで、排気温を直接検出するのではなく、排気温の
代りに吸入空気量と機関回転数との比やスロットル開度
などを検知し、これに基づいて排気温を測定し、空燃比
制御を行なう空燃比制御装置が提案されている(特開昭
58-51241号公報,特開昭60-53645号公報,特開昭62-876
35号公報)。
しかし、この従来装置では、内燃機関の状態を直接把
握していないため、機関内部の温度(例えば機関冷却水
温)及び機関外部の温度(例えばエンジンルーム内の温
度)の変化に対応した排気温制御が正確にできない。
そこで、従来より機関運転状態から燃焼熱(燃焼によ
って発生した熱量)を概算し、それに基づいて排気温を
推定し、その排気温が所定温以上のときに空燃比をリッ
チに制御する空燃比制御装置が提案されている(特開昭
62-203965号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかるに、排気温は燃焼熱により決まるものではな
く、冷却損失によっても影響を受ける。このため、上記
の概算した燃焼熱から排気温を推定する従来の空燃比制
御装置では、排気温を正確に把握することができず、従
って排気温が所定温度範囲に入るよう空燃比を制御して
も許容温度範囲を越えることがある。
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、機関運転
状態とヘッド部の熱流束とから排気温を推定することに
より、上記の課題を解決した空燃比制御装置を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は本発明になる空燃比制御装置の原理構造図を
示す。本発明は内燃機関11の排気ガスの温度が所定温度
を越えたとき、空燃比を排気ガス温度に対応してリッチ
側へ変化させる空燃比制御装置において、熱流束検出手
段12,運転状態検出手段13,排気温計算手段14,比較手段1
5及び制御手段16を設けたものである。
上記の熱流束検出手段12は内燃機関11のシリンダヘッ
ド内の一部分を流れるガスの熱流束を計測し、運転状態
検出手段13は内燃機関11の運転状態を検出する。また、
排気温計算手段14は、熱流束検出手段12と運転状態検出
手段13の各検出値に基づいて排気温を計算する。
比較手段15は上記の排気温を予め設定された排気温の
許容値と大小比較し、その比較結果に基づき制御手段16
が少なくとも排気温が上記許容値を越えたとき空燃比を
前回の空燃比制御時よりもリッチ側に制御する。
〔作用〕
本発明は排気ガスの温度、すなわち排気温が冷却損失
により影響され、また冷却損失は熱流束により把握でき
ることに鑑み、運転状態検出手段13で機関運転状態を検
出し、冷却損失を熱流束検出手段12により計測した熱流
束から推定する。すなわち、熱流束検出手段12は内燃機
関11のシリンダヘッド内を流れるガスの熱量を直接測定
し、その熱量から冷却損失を推定させる。
これにより、排気温計算手段14は計算を行なって冷却
損失を考慮した排気温の推定値を算出する。
この結果、比較手段15及び制御手段16により空燃比を
上記算出した排気温に応じて制御する際に、冷却損失を
考慮した空燃比制御ができる。
〔実施例〕
第2図は本発明装置の一実施例の構成図を示す。本実
施例は内燃機関として過給機付6気筒火花点火式内燃機
関(エンジン)に適用した例で、後述するマイクロコン
ピュータ20によって制御される。
第2図において、エアクリーナ21の下流側はエアフロ
ーメータ22,吸気通路23,スロットルバルブ24,サージタ
ンク25,インテークマニホルド26及び吸気弁27を介して
エンジン本体28(前記内燃機関11に相当)の燃焼室29に
連通されている。
エンジン本体28はシリンダブロック30とシリンダヘッ
ド31とからなり、シリンダブロック30内にはピストン32
が収容されており、またシリンダヘッド29には燃焼室29
に一部が突出するように各気筒毎に点火プラグ32が設け
られている。インテークマニホルド26には先端部がイン
テークマニホルド26内に突出するように各気筒毎に燃料
噴射弁33が設けられている。また、イグナイタ34はマイ
クロコンピュータ20からの点火指示信号に基づき高電圧
を発生し、この高電圧をディストリビュータ35を介して
点火プラグ32へ供給する。
また、エンジン本体28の燃焼室29は排気弁36,エキゾ
ーストマニホルド37を介して排気通路38に連通されてい
る。前記したスロットルバルブ24の上流側の吸気通路23
内にはコンプレッサ39が設けられており、かつ、排気通
路38にはタービン40が、コンプレッサ39と同軸上に取り
付けられている。また、タービン40の上流側と下流側と
を連通し、タービン40を迂回するバイパス通路41のエキ
ゾーストマニホルド37側の吸入口には、ウェイストゲー
トバルブ42が設けられ、該吸入口を閉塞又は開口するよ
うリンク機構43を介してアクチュエータ44により制御さ
れる構成とされている。アクチュエータ44は、吸気通路
23と連通する通路45を介して導入される空気圧によって
動作制御される。
ここで、エキゾーストマニホルド37を流れる排気ガス
をタービン40に流入しタービン40を回転させると、それ
に応じてコンプレッサ39も回転し、エアフローメータ22
を通過した吸入空気がコンプレッサ39により圧縮され、
その密度の高い空気がサージタンク25及びインテークマ
ニホルド26を介して燃焼室29に送り込まれて出力を増大
させる。このとき、過給圧が設定値以下の場合はアクチ
ュエータ44は作動せず、ウェイストゲートバルブ42は閉
じているため、排気ガスは全量タービン40へ流入する。
しかし、エンジン高回転によって過給圧が上昇し、設定
値以上になると通路45を介して入力される所定値以上の
空気圧によってアクチュエータ44が作動し、リンク機構
43を介してウェイストゲートバルブ42を図中、左方向へ
移動させ、エキゾーストマニホルド37の吸入口を開放す
る。これにより、タービン40に流入する排気ガスの一部
がバイパス通路41を介してバイパスされるため、タービ
ン40の回転数が低下せしめられる。このようにして、過
給圧が一定になるよう制御される。
本実施例では、また各種のセンサ群が設けられてい
る。すなわち、エアクリーナ21から取り出されてエアフ
ローメータ22へ吸入される空気の温度を計測する吸気温
センサ47,エンジンブロック30を貫通して一部がウェー
タジャケット内に突出するよう設けられ、エンジン冷却
水温を検出する水温センサ48,スロットルバルブ24の開
度が全閉のときオンとなるアイドルスイッチ49,ディス
トリビュータ35のシャフトの回転に同期して所定クラン
ク角度毎にパルスを出力する回転角センサ(第4図に50
で示す),ディストリピュータ35の回転からクランク位
置検出信号を出力する気筒判別センサ(対4図に51で示
す)、排気通路38に一部が突出されて設けられ、触媒装
置46に入力される前の排気ガス中の酸素濃度を検出する
酵素温度検出センサ(O2センサ)52などが設けられて
いる。
かかる構成において、本実施例は前記した熱流束検出
手段12に相当する熱流束センサ19をエンジン本体28の所
定位置に設けたものであり、つぎに熱流束センサ19の配
置や構成について第3図と共に説明する。第3図(A)
は点火プラグ32側から燃焼室29方向を見た概略図で、吸
気弁27a,27bと排気弁36a,36b(第2図の吸気弁27と排気
弁36は27aと36a、又は27bと36bである)を介してインテ
ークマニホルド26とエキゾーストマニホルド37に連通す
る燃焼室29の所望の部分に、そこに流れる熱量を計測す
るための熱流束センサ19が設けられている。
熱流束センサ19は第3図(B)に示す如く、センサ本
体55の長手方向に沿って、第1の感温素子56aと第2の
感温素子56bとが設けられ、それら第1及び第2の感温
素子56a及び56bにより検出されたガスの温度の差(すな
わち、感温素子56a,56bの2点間の温度差)を示す熱流
束信号を生成する構成である。これにより、経時変化や
固体差により燃焼室29の壁面にカーボンが付着するた
め、壁面の熱伝達係数が低下し、ヘッド壁温が比較的低
いにも拘らず排気温が上昇する現象が発生しても、上記
の熱流束センサ19によって排気温に対応した熱流束信号
を得ることができる。
次に本実施例装置を制御するマイクロコンピュータ20
のハードウェア構成について第4図と共に説明する。第
4図中、第2図と同一構成部分には同一符号を付し、そ
の説明を省略する。第4図において、マイクロコンピュ
ータ20は中央処理装置(CPU)60,処理プログラムを格納
したリード・オンリ・メモリ(ROM)61,作業領域として
使用されるランダム・アクセス・メモリ(RAM)62,エン
ジン停止後もデータを保持するバックアップRAM63,CPU6
0へそのマスタークロックを供給するクロック発生器64
を有し、これらを双方向のバスライン65を介して互いに
接続すると共に、入出力ポート66,入力ポート67,出力イ
ンタフェース回路68に夫々接続した構成とされている。
また、マイクロコンピュータ20はバッファ69を介して
取り出したエアフローメータ22からの検出信号と、バッ
ファ70を介して取り出した吸気温センサ47からの吸気温
検出信号と、バッファ71を介して取り出した水温センサ
48からの水温センサ信号(THW)と、バッファ72を介し
て取り出した熱流束センサ19からの熱流束信号とをマル
チプレクサ73で選択する構成とされている。
これにより、マルチプレクサ73の各入力検出信号はCP
U60の制御の下に順次マルチプレクサ73より選択出力さ
れた後、A/D変換器74でディジタル信号に変換された
後、入出力ポート66を介してRAM62に記憶される。
また、マイクロコンピュータ20はO2センサ52からの
酸素温度検出信号をバッファ75を介してコンパレータ76
に入力し、ここで波形整形して入力ポート67に供給する
と共に、波形整形回路77により回転角センサ50及び気筒
判別センサ51からの各検出信号を波形整形した信号と、
バッファ(図示せず)を経たアイドルスイッチ49の出力
信号とを夫々入力ポート67に供給する。
更に、マイクロコンピュータ20は、CPU60の出力デー
タに基づいて出力インタフェース回路68を介して燃料噴
射弁33,イグナイタ34を制御する各制御信号を出力す
る。
かかるハードウェア構成のマイクロコンピュータ20
は、第1図に示した排気温計算手段14,比較手段15及び
制御手段16を構成している。また、本発明は、第5図に
示す如く燃焼により発生した熱量(燃焼熱)71は有効仕
事72と冷却損失73と排気損失74との総和であることに着
目し、排気温を算出するものである。ここに、燃焼熱71
は吸入空気の内部エネルギーと発熱量の総和と見做し、
吸入空気の内部エネルギーは空気の比熱と吸入空気量と
吸気温の積であるからエアフローメータ22と吸気温セン
サ47とから検出し、発熱量は第6図に示す如く、空燃比
(A/F)に対する発熱量のマップから算出する。空燃比
はO2センサ52の出力検出信号に基づいて算出される。
また、有効仕事72は、本実施例では回転角センサ50の
出力回転数信号とエアフローメータ22からの吸入空気量
との二次元マップにより検出する。ただし、ノックによ
り点火進角が遅角しているときは、マップ値を補正す
る。なお、有効仕事72は、クランク軸に対して設けられ
た軸トルク計測装置(歪を利用したもの)や燃焼圧(筒
内圧)センサを用いてもよい。
更に冷却損失73は熱流束センサ19により検出し、排気
損失74中のガス流量はエアフローメータ22により検出す
る。また、排気損失74中の比熱は予め所定値に設定して
ある。従って、前記した運転状態検出手段13はエアフロ
ーメータ22,吸気温センサ47,回転角センサ50,O2センサ5
2などにより構成される。
次に、本発明の要部をなすマイクロコンピュータ20に
よる空燃比制御の作用動作について第7図及び第8図と
共に説明する。第7図は本発明の要部の一実施例の動作
説明用フローチャートで、上記の空燃比制御ルーチンを
示す。所定タイミングでこの制御ルーチンが割込み起動
されると、またステップ81により排気温の計算が行なわ
れる。すなわち、このステップ81は前記した排気温計算
手段14を実現する手段で、熱流束センサ19からの熱流束
検出信号,エアフローメータ22,吸気温センサ47,回転角
センサ50などの各検出信号に基づいて以下の如くにして
排気温を、燃焼により発生した熱量(燃焼熱)71と排気
損失74とから計算する。ここで、 燃焼熱=(有効仕事)+(冷却損失)+(排気損失) ……(1) ただし、燃焼熱は吸入空気の内部エネルギーと発熱量の
総和であるものとする。
また、第5図に74で示した排気損失は次式で表わされ
る。
排気損失=(比熱)×(ガス流量)×(排気温) ……(2) 従って、(1)式及び(2)式を整理すると、排気温は
次式で表わされる。
排気温={(燃焼熱)−(有効仕事)−(冷却損
失)}}/{(比熱)×(ガス流量)} ……(3) これにより、ステップ81において前記(3)式に基づ
く計算を行なって排気温を算出する。ステップ81におけ
る排気温の演算は以上の通りであるが、改めて演算の概
要をまとめて説明する。
上記(3)式中(燃焼熱)は、14頁4行目〜12行目に
記載する手法により演算される。具体的には、エアフ
ロメータ22により検出された吸入空気量と、吸気温セ
ンサ47により検出された吸気温と、予め記憶されてい
る空気の比熱とを乗算することで得られる(a)吸入空
気の内部エネルギーと、O2センサ47により検出され
た空燃比(A/F)に基づいて図6に示すマップを参照す
ることで得られる単位空気量あたりの発熱量と、エア
フロメータ22により検出された吸入空気量とを乗算する
ことで得られる(b)発熱量との和(a)+(b)とし
て演算される。
上記(3)式中(有効仕事)は、14頁13行目〜20行目
に記載する手法により算出される。具体的には、回転
角センサ50により検出された出力回転数と、エアフロ
メータ22により検出された吸入空気量とに基づいて、有
効仕事に関する二次元マップを参照することで演算され
る。尚、有効仕事は、前記の通り他の手法により求めて
も良い。
上記(3)式中(冷却損失)および(ガス流量)は、
15頁1行目〜3行目に記載する如く、それぞれ熱流束セ
ンサ19により検出された移動熱量に基づいて、または、
エアフロメータ22の検出値に基づいて求められる。ま
た、上記(3)式中(比熱)は、15頁3行目〜4行目に
記載する如く、予め所定値に設定されている。上記ステ
ップ81では、上述した演算値および検出値等を上記
(3)式に代入することで、排気温が演算される。
ここで、第8図に示すエンジン定常状態におけるヒー
トバランス関係図において、同図(A)の時間当りのヒ
ートバランス関係図中の冷却損失bがヘッド温を代表し
ており、同図(B)の単位空気量当りのヒートバランス
関係図中の排気損失fが排気温を代表している。また、
第8図(A)中、aは単位時間当りの排気損失、cは全
仕事、dは全発熱量で各スロットル開度に応じて大とな
る。e及び第8図(B)のjは空燃比で、ここではスロ
ットル開度が70%に達したときに、排気温が許容値に達
するために、スロットル開度が70%〜100%の間は空燃
比をチッチに制御して、排気温を許容値内に保つ例を示
している。
また、第8図(B)中、gは単位空気量当りの冷却損
失でスロットル開度に略比例して小となる。hは単位空
気量当りの仕事でスメットル開度に関係なく一定であ
り、またiは単位空気量当りの発生熱量で、空燃比に対
応して変化する。
このように、第8図(B)の単位空気量当りの排気損
失fで代表される排気温の計算が第7図のステップ81で
計算されると、次にステップ82に進み上記の計算で求め
た排気温と予め設定した排気温の許容値と大小比較が行
なわれる。すなわち、このステップ82は前記した比較手
段15を実現する処理ステップである。このステップ82に
おいて、排気温が許容値より大であるときは、ステップ
83へ進んで、空燃比(A/F)を前回よりリッチ側にする
よう、燃料噴射弁33による燃料噴射時間を前回より長い
値に算出した後、ステップ84でその算出燃料噴射時間、
燃料噴射を行なう。なお、この燃料噴射による空燃比
は、O2センサ52の検出信号に基づいて算出されてRAM62
に格納される。
他方、上記ステップ82において、排気温が許容値以下
であると判定されたときは、ステップ85へ進んで前回の
空燃比がストイキ(理論空燃比)であるか否かをRAM62
に記憶されている前回の空燃比データに基づいて判定
し、ストイキであるときはステップ86で燃料噴射時間を
前回の値と同一にして、ステップ84で燃料噴射を行な
う。
また、ステップ85において、前記の空燃比がストイキ
でないと判定された時は、ステップ87へ進んで空燃比を
前回よりリーン側にするよう、燃料噴射時間を前回より
短い値に算出した後、ステップ84でその燃料噴射時間、
燃料噴射弁33により燃料噴射を行なわせる。このよう
に、上記のステップ83〜87は前記した制御手段16を実現
する処理である。
次に、本実施例の更に具体的な動作作用について、第
7図及び第9図と共に説明する。一例として、第9図
(G)に示す如くスロットルバルブ24の開度を時刻t1
〜t2にかけて10%〜100%に急開し、開度100%の状態
を時刻t5まで保持し、その後時刻t6までに開度を100
%から10%まで急閉し、時刻t6以降開度10%の定常状
態に戻る場合について説明する。
時刻t1までは第9図(A)に示す如く排気温は許容
値(排気温許容限界)より小であり、かつ、空燃比は同
図(F)に示す如くストイキ(理論空燃比)であるもの
とする。従って、この場合、時刻t1までは第7図のス
テップ81,82,85,86を経て前回と同じ時間燃料噴射が行
なわれる。
次に時刻t1からt2に到る時間では、スロットル開度
の急開により、燃焼室29からシリンダヘッド31へ流れる
単位時間当りの熱量が第9図(C)に示す如く急上昇
し、トルク及び単位時間当りの発生熱量も同図(D)及
び(E)に示す如く急上昇する。しかし、第9図(B)
に示す如くヘッド温が低いため、燃焼室29からシリンダ
ブロック31へ流れる熱量(冷却損失)が多く、そのため
同図(A)に実線Iで示す如く排気温が上がらない。従
って、本実施例では排気温が許容値より低く、かつ、空
燃比が理論空燃比であるから、空燃比は第9図(F)に
実線IIIで示す如く理論空燃比に保持される。
これに対し、従来の空燃比制御装置では第8図に示し
た定常条件より作成したマップにより、スロットル開度
が所定値(例えば70%)に達した時点で第9図(F)に
破線IVで示す如くリッチ制御を行なうため、排気温は第
9図(A)に破線IIで示す如く本実施例の排気温の変化
Iよりも緩やかに上昇し、かつ、ヘッド温も第9図
(B)に破線VIで示す如く本実施例の実線Vで示す変化
よりも温度上昇が遅くなる。
そして、本実施例では時刻t3で排気温が第9図
(A)に実線Iで示す如く許容値に達するため、同図
(F)に実線IIIで示す如く第7図のステップ82,83の処
理により空燃比がリッチ側に制御される。次の燃料噴射
時に排気温がまだ許容値を越えている場合は前回よりも
更にリッチ側に制御するが、前回のリッチ制御により排
気温が許容値以下となったときは、第7図のステップ8
2,85,87の制御により、前回の燃料噴射時よりも空燃比
をリーン側に(理論空燃比よりもリーンという意味では
ない)制御する。このように、制御が行なわれるが、全
体的にはリーン制御よりもリッチ制御が多くなり、空燃
比は徐々にリッチになっていく。この結果、スロットル
開度が100%である時刻t5までは排気温は第9図(A)
に実線で示す如く許容値以内に制御される。
なお、前記した従来装置では時刻t3よりも遅い時刻
4で、排気温が第9図(A)に破線IIで示す如く許容
値に達する。このように、本実施例では排気温を計算に
より推定し、排気温が許容値を越えたとき始めてリッチ
制御を行なうのに対し、従来装置では第9図(F)に破
線IVで示したように所定のスロットル開度になるとリッ
チ制御を行なってしまうため、本実施例の方が同図
(F)にaで示した部分燃費が向上する。しかも、上記
の計算により求めた排気温は冷却損失も考慮しているた
め、より正確な空燃比制御できる。
次に、時刻t5からt6にかけてスロットル開度を100
%から10%へ急閉すると、本実施例では常に計算により
求めた排気温と許容値との大小比較により空燃比制御が
行なわれ、またこのときは理論空燃比ではないので燃料
噴射時毎に徐々にリーン化されていきついには第9図
(F)に示す如く理論空燃比に到る、従って、本実施例
によれば、第9図(A)に実線VIIで示す如く排気温が
許容値を越えてしまうことは殆どない。
これに対し、従来装置では冷却損失を考慮していない
ため、時刻t5後にスロットル開度の急閉により空燃比
を理論空燃比になるようリーン側に制御すると、ヘッド
温が定常適合時よりも高いので冷却損失が少なくなり、
排気損失が増え、第9図(A)に破線VIII及びで示す
如く排気温が許容値を越えてしまう。
時刻t6以降は空燃比が理論空燃比で、かつ、排気温
も許容値以下の定常状態に戻る。本実施例によれば、直
接検出された熱流束に基づき冷却損失を求めているの
で、経時変化や固体差による冷却損失の差も補正するこ
とができる。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではな
く、熱流束センサ19は2つ以上設けるようにしてもよ
い。また、本発明は熱負荷の高い第2図に示した過給機
付内燃機関に適用して好適であるが、自然吸気の内燃機
関にも適用できることは勿論である。
〔発明の効果〕
上述の如く、本発明によれば、熱流束を検出すること
によって冷却損失を把握し、その冷却損失を考慮して排
気温を推定しているので、排気温に基づく空燃比制御を
従来よりも正確に行なうことができ、よって排気温が許
容値を越えることがなくなる等の特長を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理構成図、第2図は本発明装置の一
実施例の構成図、第3図は本発明の要部の一実施例の配
置と構成の説明図、第4図は第2図中のマイクロコンピ
ュータのハードウェア構成説明図、第5図は燃焼による
熱量の説明図、第6図は本発明における発熱量算出用マ
ップ説明図、第7図は本発明の要部の一実施例の動作説
明用フローチャート、第8図はヒートバランス関係説明
図、第9図は本発明の一実施例における過度時の挙動を
示す図である。 11……内燃機関、12……熱流束検出手段、13……運転状
態検出手段、14……排気温計算手段、15……比較手段、
16……制御手段、19……熱流束センサ、20……マイクロ
コンピュータ、56a,56b……感温素子。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の排気ガスの温度が所定温度以上
    のときに空燃比を該排気ガス温度に対応してリッチ側に
    変化させる内燃機関の空燃比制御装置において、 前記内燃機関のシリンダヘッド内の一部分を流れるガス
    の熱流束を検出する熱流束検出手段と、 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段
    と、 該運転状態検出手段と前記熱流束検出手段の各検出値に
    基づいて排気温を計算する排気温計算手段と、 該排気温計算手段により求められた該排気温を、予め設
    定された排気温の許容値と大小比較する比較手段と、 該比較手段の比較結果に基づき、少なくとも該排気温が
    該許容値を越えたとき空燃比を前回の空燃比制御時より
    もリッチ側に制御する制御手段と、 を具備したことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装
    置。
JP33766289A 1989-12-26 1989-12-26 内燃機関の空燃比制御装置 Expired - Lifetime JP2591203B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33766289A JP2591203B2 (ja) 1989-12-26 1989-12-26 内燃機関の空燃比制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33766289A JP2591203B2 (ja) 1989-12-26 1989-12-26 内燃機関の空燃比制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03199651A JPH03199651A (ja) 1991-08-30
JP2591203B2 true JP2591203B2 (ja) 1997-03-19

Family

ID=18310769

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33766289A Expired - Lifetime JP2591203B2 (ja) 1989-12-26 1989-12-26 内燃機関の空燃比制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2591203B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011117394A (ja) * 2009-12-04 2011-06-16 Mitsubishi Motors Corp エンジン制御装置
US20160115888A1 (en) * 2013-06-05 2016-04-28 Toyota Jidsha Kabushiki Kaisha Control Device for Internal Combustion Engine

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2978964B2 (ja) * 1996-08-30 1999-11-15 本田技研工業株式会社 内燃機関の制御装置
JP5182139B2 (ja) * 2009-02-19 2013-04-10 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2012180817A (ja) * 2011-03-03 2012-09-20 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比算出装置
EP3006705A4 (en) * 2013-06-05 2016-06-08 Toyota Motor Co Ltd CONTROL DEVICE FOR A COMBUSTION ENGINE
GB2526856B (en) * 2014-06-05 2018-11-21 Lappeenranta Univ Of Technology Thermal power measurement

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011117394A (ja) * 2009-12-04 2011-06-16 Mitsubishi Motors Corp エンジン制御装置
US20160115888A1 (en) * 2013-06-05 2016-04-28 Toyota Jidsha Kabushiki Kaisha Control Device for Internal Combustion Engine
US9989000B2 (en) * 2013-06-05 2018-06-05 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for internal combustion engine

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03199651A (ja) 1991-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3632424B2 (ja) 内燃機関のバルブ開閉特性制御装置
EP0130382B1 (en) Method of fuel injection into engine
US20100154523A1 (en) Throttle upstream pressure estimating apparatus and cylinder charged air quantity calculating apparatus for internal combustion engine
JP2008525696A (ja) 内燃機関を運転するための方法
JPS6232334B2 (ja)
JPH045455A (ja) 内燃機関の冷却装置
JPH02163443A (ja) 過給機付エンジンの制御装置
US5664544A (en) Apparatus and method for control of an internal combustion engine
JP2591203B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
US4866620A (en) Control system and method for an internal combustion engine, obtaining air pressure after bottom dead center
JP2009007940A (ja) 内燃機関の筒内充填空気量演算装置
JP2019060311A (ja) 内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法
JPH0316498B2 (ja)
JP4115677B2 (ja) 内燃機関の大気圧検出装置
JP2591116B2 (ja) 内燃機関の空燃比制御による排気温度制御装置
JP3627462B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2847910B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JP2615561B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御装置
JPH05248908A (ja) 熱式吸入空気量検出装置
JPH10122057A (ja) エンジンのegr制御装置
JP3078008B2 (ja) エンジンの燃料制御装置
JPS6361735A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH0326855A (ja) エンジンの制御装置
JPH09151806A (ja) 内燃機関の排気還流装置の診断装置
JPH0868348A (ja) 完全暖機後の燃料噴射量補正方法