JP2584475B2 - 気相法ダイヤモンドの合成法及びその装置 - Google Patents

気相法ダイヤモンドの合成法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は気相法によるダイヤモンドの合成法及びその
装置に関し、さらに詳しくは金属中に含有した炭素源か
ら気相でダイヤモンドを合成する方法及びその装置に関
する。
従来の技術 気相法によるダイヤモンド合成は炭化水素,アルコー
ル,アセトン等の原料ガスを用い、これに水素ガス等を
混合し、マイクロ波プラズマ,高周波プラズマ,熱フィ
ラメント,直流放電等の励起手段により前記混合ガスを
分解し、基板等の上にダイヤモンドを析出させる方法で
ある。
また原料ガスに水蒸気,酸素,一酸化炭素等を添加す
る方法も知られている。
発明が解決しようとする課題 気相法によるダイヤモンド生成は炭化水素等が先ず励
起,分解し、ラジカルやイオンの生成があり、これから
ダイヤモンドが基板等に析出すると云われている。この
際非ダイヤモンド炭素も析出するが、これはダイヤモン
ドに較べ反応し易いので、原子状水素等励起された水
素、あるいは水素気,酸素等によって除去される。励起
されない炭化水素が分解し、非ダイヤモンド炭素が多量
に生成したり、あるいは非ダイヤモンド炭素の除去が不
十分であったりするとダイヤモンドと非ダイヤモンド炭
素が混在したものが得られる。
従来の方法ではダイヤモンド析出領域に原料ガスが存
在し、これがすべて励起されるわけではないので、非ダ
イヤモンド炭素がかなり存在する場合があった。
本発明の目的はダイヤモンド析出領域には原料ガスを
送入させずにダイヤモンドを生成させることにより、非
ダイヤモンド炭素の析出を極力抑えて、ダイヤモンドを
効率よく製造することにある。
課題を解決するための手段 タングステンやモリブデンの炭化物を高温で水素雰囲
気下におくと脱炭し、この炭素からダイヤモンドが生成
することが知られている。
本発明者はこの現象に着目し、タングステン等の炭化
及びダイヤモンドの生成を連続的に行うことが可能であ
ることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の方法は空間をタングステン,モリブデ
ン等の耐熱性金属材で二つの領域に仕切り、その一方の
領域を炭素高濃度の雰囲気とし、他方の領域を水素高濃
度雰囲気とし、前記金属材を加熱することにより、炭素
高濃度の雰囲気から炭素が金属材に析出し、金属炭化物
等を形成して金属材中に侵入し、反対側に移動し、そこ
で水素との反応等により水素高濃度雰囲気中に放出さ
れ、その雰囲気中に置かれた基材上にダイヤモンドを析
出させるものである。
また装置の発明は上記の金属材として金属パイプを用
い、そのパイプを水素高濃度とされる反応槽内に設置
し、パイプはその中に炭素含有ガスが供給できるように
しかつ加熱手段を備え、パイプの近傍にはダイヤモンド
析出基材を設けた構造からなっている。
以下本発明を詳しく説明する。
本発明は金属材の一方の側から炭素を供給し、炭化物
等を形成させながら、その炭素を金属材の水素リッチの
他方の側に移し原子状の炭素や炭化水素等にして放出す
るようにし、炭素をダイヤモンドとして基材に析出させ
ることを骨子とする。
用いる金属材はタングステン,モリブデン,タンタ
ル,ニオブ,バナジウム,ステンレス等の耐熱性金属で
あり、その中でも炭化物が形成するものが好ましい。
これらの金属によってガス空間を二つの領域に仕切
り、夫々が連通しないようにする。例えば金属製のパイ
プにより内側と外側に、あるいは反応槽内に金属板を設
け二つの室に仕切るなどの方法が用いられる。金属材は
ガスを遮断するに必要な厚みを有するが、あまり厚過ぎ
ると炭素の放出に時間がかかるので、パイプや金属板の
場合0.05〜2mm程度が適当である。
二つの領域は一方が炭素の高濃度雰囲気とする。それ
には炭素水素,CO2,アルコール,ケトン等の炭素化合物
を供給する等の方法が採用される。本発明はこの炭素が
金属材の表面に析出させるものであるから、本発明おけ
る炭素の高濃度の雰囲気とはその雰囲気から炭素が加熱
された金属材上に析出可能な雰囲気を意味する。過剰に
炭素を析出させると金属材表面が炭素固形物で覆われて
しまい金属材への連続的な炭素の拡散が阻害される。
金属材を境にして他方は水素の高濃度雰囲気とする。
この雰囲気は水素20容量%以上が好ましく、その他アル
ゴン,窒素,少量の酸素,一酸化炭素,二酸化炭素,水
蒸気などを含んでいてもよい。圧力は減圧から常圧付近
まで特に限定なく使用できる。また炭素の高濃度雰囲気
のガス圧よりこの水素雰囲気の圧力を低くすることも可
能である。
金属材は加熱して気相から炭素に析出させる。析出し
た炭素は固溶等で金属材に侵入するものもあると思われ
るが、金属と炭化物を形成させるのが望ましい。従って
加熱温度の好ましい範囲は金属の種類によって変るが、
一般的には800〜3000℃、前記した金属では1000〜2600
℃が好ましい。
金属材に析出した炭素は高温で多くは炭化物が生成し
ていると考えられる。その他固溶等で金属材に含有する
ものもあると思われる。この炭化物は他方の表面にまで
達する。その表面は水素が多い脱炭素雰囲気であるの
で、炭素は脱炭される。その機構は定かでないが高温で
原子状炭素が放出されたり、雰囲気中の水素と反応し、
炭化水素やそのラジカル等となって放出されるものと考
えられる。水素は高温の金属材付近で原子状水素となる
ものも存在していると考えられ、活性なので炭素との反
応が容易に起る。
本発明はこの水素雰囲気中の炭素をその雰囲気中に置
かた基材上にダイヤモンドとして析出させるものであ
る。使用される基材はシリコン,モリブデン,タングス
テン,タンタル,チタン等の金属板、SiC,WC,TiC,立方
晶のBN,ダイヤモンド,BeO,Si3N4,AlN等の焼結体、ある
いはダイヤモンド,SiC,Si,SiO2,Al2O3,立方晶BN,ZrO2,3
Al2O3・2SiO2等の粒状物を用い、その表面にダイヤモン
ドを析出させることもできる。得られるダイヤモンドは
基材として板状のものを用いた場合その上に析出した粒
状物、あるいはこの粒状物が連なった膜状である。基材
として粒状物を用いたた場合、その表面がダイヤモンド
で被覆されたもの、表面に微粒のダイヤモンドが分散析
出したもの、さらにはダイヤモンドで被覆された粒状物
が連なって膜状となるものなど基材の形状、ダイヤモン
ドの析出時間等により、種々の形態のものが得られる。
本発明の方法は上記のように金属材の一方の側から炭
素を供給し、他方の側から炭素が放出し、ダイヤモンド
として析出するので、両側で炭素の濃度勾配が生じ、反
応は連続的に持続される。そしてダイヤモンド析出帯域
には、従来の方法のように原料の炭化水素は存在しない
ので、炭化水素ラジカルや原子状水素が有効に働き、非
ダイヤモンド炭素の析出が少ない。
次に本発明の装置について説明する。第1図はその1
例を示す断面図である。図1で1は周囲を囲む金属製等
の反応槽である。その中に耐熱性金属パイプ2及びこれ
に接続されている炭素含有ガス導入パイプ3、ガス排出
パイプ4が設置されている。3′,4′は夫々のガスの導
入口及び排出口である。
金属パイプ2にはそれを加熱するための電源5が接続
され、抵抗熱によりパイプは所定の温度に加熱される。
ダイヤモンドを析出させる基材7は金属パイプ2の近傍
に置かれる。6は基材の支持台である。図では基材7は
金属パイプの直下に置かれているが、これは金属パイプ
の周囲の任意の位置に置くことができる。金属パイプの
外表面と基材の位置は2〜10mm程度が好ましい。
反応槽1には水素ガス導入口8、反応後のガス排出口
9が設けられている。
金属パイプの材質、基材の材質、形状等は前記のもの
が使用される。
実 施 例 次に実施例により本発明を説明する。
実施例 1 直径70mm、長さ1000mmの石英製反応槽、金属パイプに
外径2mm、肉厚0.1mm、長さ300mmのモリブデンパイプを
用いて実験を行った。ダイヤモンド析出基材はSiウェハ
ーの鏡面研摩面を1μmのダイヤモンドを用いたダイヤ
モンドペーストで面粗しを行ない、金属パイプの直下3m
mに置いた。金属パイプに80V,20Aの交流を加えて1900℃
に保ち、金属パイプの内部にガス化したエタノールを10
0cc/分で流し、反応槽には水素を100cc/分で流し脱炭雰
囲気とした。圧力は金属管内部、反応槽共に100Torrに
保った。
実験開始後約15分で金属パイプの電気抵抗変化から炭
化の完了を確認し、その直後から析出基材表面がくもり
出した。その後1時間反応させ析出基材上の析出物を走
査型電子顕微鏡による観察及び顕微レーザーラマン分光
で測定を行った。析出物は膜状のダイヤモンドで自形の
出現した結晶性の高いもので、レーザーラマン分光によ
りダイヤモンドのみのピークを得た。又析出物の厚みは
15μmであり、析出速度は約15μm/hrと測定された。
実施例 2 実施例1で炭化の完了しているモリブデンパイプを用
い、同一の装置で実験を行った。原料ガスにはガス化し
たベンゼンを100cc/分で流し、その他の条件は実施例1
と同様にした。
実験開始後約2分で析出基材表面がくもり出した。1
時間の実験後、実施例1と同様に観察,測定を行ったと
ころ析出物はダイヤモンドで析出速度は約17μm/hrであ
った。
比 較 例 実施例1,2と同一の装置で、金属パイプの内部と反応
槽に同濃度のエタノールと水素ガスの混合原料を流して
実験を行った。エタノールの流量は5cc/分、水素の流量
は100cc/分で、その他の条件は同一にした。
1時間の合成後、実施例と同一の観察と分析を行った
が析出物はダイヤモンド及びアモルファスカーボンで析
出速度は約8μm/hrであった。
効果 本発明により合成されたダイヤモンドは従来法に比べ
て、アモルファスカーボン等の非ダイヤモンド炭素の析
出が無く、良質であった。またダイヤモンドの収得量も
著しく増大している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の装置の1例を示す断面図である。 図中1は反応槽、2は金属パイプ、5は電源、7はダイ
ヤモンド析出基材。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空間を耐熱性金属材で二つの領域に仕切
    り、一方の領域を炭素高濃度雰囲気、他方の領域を水素
    高濃度雰囲気とし、前記金属材を加熱することにより、
    炭素高濃度雰囲気から炭素が金属材に析出し、その炭素
    が金属材に侵入して水素高濃度雰囲気側に移動し、水素
    との反応等により該雰囲気に放出され、その雰囲気中に
    置かれた基材上にダイヤモンドを析出させることを特徴
    とする気相法ダイヤモンドの合成法。
  2. 【請求項2】水素高濃度雰囲気とするための反応槽とそ
    の槽内の耐熱性金属パイプ及び該パイプの近傍のダイヤ
    モンド析出基材とよりなり、該パイプは加熱手段、炭素
    含有ガス供給口及びガス排出口を備えてなる気相法ダイ
    ヤモンド合成装置。
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