JP2581338B2 - 高分子固体電解質およびこれを用いた電池 - Google Patents

高分子固体電解質およびこれを用いた電池

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子固体電解質に係
り、電池、電気二重層キャパシタおよびその他の電気化
学デバイス用材料として有用な高分子固体電解質および
これを用いた電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気化学反応を利用した電池や電
気二重層キャパシタ、エレクトロクロミック素子などの
電気化学デバイスの電解質としては、一般的に液体電解
質、特に有機電解液にイオン性化合物を溶解したものが
用いられてきたが、液体電解質は、部品外部への液漏
れ、電極物質の溶出、揮発などが発生しやすいため、長
期信頼性などの問題や、封口工程での電解液の飛散など
が問題となっていた。そのため、これら耐漏液性、長期
保存性を向上させるために、高いイオン伝導性を有する
高分子固体電解質が報告され、上記の問題を解決する手
段の1つとして、さらに研究が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】今後、上記高分子固体
電解質を電池、電気二重層キャパシタおよびその他の電
気化学デバイスに応用していくためには次のような特性
が必要である。すなわち、
【0004】1)良好なイオン伝導性を有すること 2)イオン伝導性の温度依存性が少ないこと 3)保存安定性が高いこと 4)製膜性および加工性に優れること 5)材料の製造が容易なこと
【0005】しかしながら、このような必要性能を総合
的に満足する高分子固体電解質はこれまで開発されてい
なかった。例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)の
有機ポリマー電解質、多官能性ポリエーテル分子構造の
ポリエチレンオキシド部分とプロピレンオキシド部分
が、ランダム共重合した有機ポリマー電解質(特開昭6
2−249361号公報)、イオン化合物を溶解状態で
含有するエチレンオキシド共重合体からなる固体ポリマ
ー電解質(特開昭61−83249号公報)等が知られ
ている。しかしながら、上記直鎖型PEOにおいては、
融点(60℃付近)より低い温度でPEOの結晶化が起
こり、イオン伝導度が急激に低下する。その他のポリマ
ー電解質においても、結晶化は抑制されているために2
5℃付近の室温における伝導度は改善されているもの
の、それ以下での伝導度は、実際に使用できる値ではな
く、5℃以下では極端に低下してしまう。すなわち、イ
オン伝導性を有するエチレンオキシド鎖の結晶化を防ぐ
ことができないことが問題となっていた。
【0006】このようにPEO系高分子固体電解質のイ
オン伝導度は、温度依存性が大きいため、広い温度領域
でも使用できるような汎用性のある電子機器等に組み込
むことは困難である。そこで、通常の分子量のPEO
に、低分子量(分子量1000以下)のPEOを混合し
て用いる方法が提案されている(特開昭62−1392
66号公報)。しかし、この方法においても上記の必要
性能を満足するものではなかった。すなわち、多量に低
分子量のPEOを混合することによって室温以下でのイ
オン伝導度は改良されるものの、製膜性が低下し、薄膜
を作製することが困難になってしまうものであった。
【0007】以上のことから、従来のPEO系高分子固
体電解質では、室温以下でのイオン伝導度の温度依存性
が大きいか、あるいは製膜性や加工性が著しく劣ってし
まうという問題を解決することが不可能であった。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みな
されたものであり、高分子固体電解質を用いた電池、電
気二重層キャパシタおよびその他の電気化学デバイスに
おいて、室温および室温以下でのイオン伝導度が高く、
また製膜性や加工性が従来のPEO系高分子固体電解質
より優れた高分子固体電解質を作製することにより、高
い信頼性をもつ電気化学デバイスを提供することを目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みな
されたものであり、ブロックコポリマーの少なくとも1
種のモノマー単位が、液晶性分子構造を有し、かつ該ブ
ロックコポリマーが、イオン性化合物を含有することを
特徴とする高分子固体電解質およびこれを用いた電池で
ある。また、上記ブロックコポリマーが、下記の一般式
: A−L−B … (ただし、Lは液晶性分子構造分子鎖、Aは化17、B
は化18である。
【化17】 なお、R1 ,R2 は水素原子あるいは炭素数1以上のア
ルキル基、nは5から1500の整数である。
【化18】 なお、R3 ,R4 は水素原子あるいは炭素数1以上のア
ルキル基、mは0から1500の整数を表す)で示され
る骨格を有するブロックコポリマーであって、液晶性分
子構造分子鎖とイオン伝導性分子鎖から形成されること
を特徴とする。
【0011】さらに、上記液晶性分子構造分子鎖が、化
19〜化32
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】 (ただし、R,R’は炭素数1から10のアルキル基、
kは1から20の整数、hは1から6の整数を表す。)
の中より少なくとも1種以上から選ばれることを特徴と
する。
【0012】また、上記高分子固体電解質が、イオン性
化合物を溶解することができる物質を含んでいることを
特徴とするもので、上記高分子固体電解質により作製し
た電解質薄膜を提供することにより、上記の目的を達成
したものである。すなわち、本発明の高分子固体電解質
は、イオン伝導性を示すアルキレンオキシド鎖の結晶化
を防ぐために、液晶性のモノマー分子鎖をブロック状に
入れた構造としたため、液晶性分子鎖により、柔軟性を
有するアルキレンオキシド鎖の分子間の結晶化または配
向化を防ぎ、アルキレンオキシド鎖の分子運動を最大限
に発揮させることが可能となった。したがって、室温で
のアルキレンオキシド鎖の分子運動が妨げられることな
く、さらに幅広い温度域で良好なイオン伝導性を示すこ
とが可能となった。
【0013】また、本発明の高分子固体電解質は、エチ
レンオキシド鎖あるいはプロピレンオキシド鎖を有する
ことから、誘電率が高く、かつイオン性化合物を溶解、
解離する能力に優れている。また、本発明の高分子固体
電解質は、液晶性分子鎖のhard部と、イオン性高分
子鎖のsoft部にミクロ相分離した構造(海島構造)
を有している。したがって、液晶性分子鎖のhard部
の存在により、後述する結果の通り、有機ポリマーの機
械的強度および製膜性が格段に向上した。
【0014】なお、液晶分子構造分子鎖は上記に示した
通りであるが、他にも例えば、化33、化34
【化33】
【化34】 (ただし、R、R’は炭素数1から10のアルキル基、
kは1から20の整数)などがあるが、特に限定される
ものではない。本発明の高分子固体電解質は、例えば、
化35
【化35】 (式中のR、R’は上記と同じ、Xはハロゲン原子)で
表される少なくとも1種の液晶性分子とMeOH(Me
は、ナトリウム、カリウムまたはセシウム原子を表
す。)をモル比で2:1になるように水に溶解して縮合
重合を行い、化36を合成し、
【化36】 (式中のR、R’、Xは上記と同じ、kは1から20ま
での整数を表す。)次にこれに化37
【化37】 (式中のR1 、R2 、nは上記と同じ)で表されるポリ
アルキルキレンオキシドを等モル加えて、脱塩酸反応に
より化38
【化38】 (式中のR1 、R2 、n、R、R’、kは上記と同じ)
を合成し、これに化39
【化39】 (式中のR3 、R4 は上記と同じ)で表されるアルキレ
ンオキシドを加えてブロックコポリマーを製造すること
ができる。
【0015】ここで、液晶性分子構造分子鎖とエーテル
分子鎖の分子量比は特に限定されるものではないが、
5:95〜40:60の範囲、さらに好ましくは、1
0:90〜25:75の範囲が理想的である。
【0016】この際、液晶性分子の出発原料を選択する
ことにより、請求項4記載の液晶性分子鎖を製造するこ
とができる。また、アルキレンオキシドを加えてブロッ
クコポリマーを製造する重合反応において用いられる触
媒としては、ソジウムメチラート、カセイソーダ、カセ
イカリ、炭酸リチウム等の塩基性触媒が一般的である
が、ボロントリフルオライドのような酸性触媒やトリメ
チルアミン、トリエチルアミンのようなアミン系触媒も
有用である。尚、触媒の使用量は、任意である。
【0017】次に、このようにして得られた有機ポリマ
ーに含有するイオン性化合物としては、例えばLiCl
4 、LiSCN、LiBF4 、LiAsF6 、LiC
3 SO3 、LiCF3 CO2 、NaI、NaSCN、
NaBr、KSCN、などのLi、Na、またはKの1
種を含む無機イオン塩、(CH3 4 NBF4 、(CH
3 4 NBr、(C2 5 4 NClO4 、(C
2 5 4 NI、(C3 7 4 NBr、(n−C4
9 4 NClO4 、(n−C4 9 4 NI、(C2
5 4 N−maleate、(C2 54 N−ben
zoate、(C2 5 4 N−phtalate等の
四級アンモニウム塩、ステアリルスルホン酸リチウム、
オクチルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスル
ホン酸リチウム等の有機イオン塩が挙げられる。これら
のイオン性化合物は、2種以上を併用してもよい。
【0018】このようなイオン性化合物の配合割合は、
前述の有機ポリマーのエーテル結合酸素数に対して、イ
オン性化合物が0.0001〜5.0モルの割合であ
り、中でも0.005〜2.0モルであるのが好まし
い。このイオン性化合物の使用量があまり多すぎると、
過剰のイオン性化合物、例えば無機イオン塩が解離せ
ず、単に混在するのみとなり、イオン伝導度を逆に低下
させる結果となる。このイオン性化合物の含有方法等に
ついては特に制限はないが、例えば、メチルエチルケト
ン(MEK)やテトラハイドロフラン(THF)等の有
機溶剤に溶解して、有機化合物に均一に混合した後、有
機溶媒を真空減圧により除去する方法等が挙げられる。
【0019】次に、本発明では高分子固体電解質に、有
機ポリマー中にイオン性化合物を溶解できる物質を含ま
せてもよく、この種の物質を含ませることによって、高
分子固体電解質の基本骨格を変えることなく、伝導度を
著しく向上できる。イオン性化合物を溶解できる物質と
しては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
トなどの環状炭酸エステル、γ−ブチロラクトンなどの
環状エステル、テトラヒドロフランまたはその誘導体、
1,3−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどの
エーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニ
トリル類、ジオキソランまたはその誘導体、スルホラン
またはその誘導体などの単独またはそれら2種以上の混
合物などが挙げられる。しかしこれらに限定されるもの
ではない。またその配合割合及び配合方法は任意であ
る。なお、本発明の高分子固体電解質の塗布方法につい
ては、例えばアプリケータロールなどのローラコーティ
ング、スクリーンコーティング、ドクターブレード法、
スピンコーティング、バーコーダーなどの手段を用いて
均一な厚みに塗布することが望ましいが、これらに限定
されるものではない。
【0020】本発明の高分子固体電解質を用いて電池を
構成する電極としては、以下の電池電極材料が挙げられ
る。正極活物質としては、CuO、Cu2 O、Ag
2 O、CuS、CuSO4 などのI族金属化合物、Ti
2 、SiO2 、SnOなどのIV族金属化合物、V2
5 、V6 12、VOx、Nb2 5 、Bi2 3 、Sb
2 3 などのV族金属化合物、CrO3 、Cr2 3
MoO3 、MoS2 、WO3 、SeO2 などのVI族金属
化合物、MnO2 、Mn2 3 などのVII 族金属化合
物、Fe2 3 、FeO、Fe3 4 、Ni2 3 、N
iO、CoO3 、CoOなどのVIII族金属化合物、また
は一般式LixMXy、LixMNyX2 (M、NはI
〜VIII族の金属、X は酸素、硫黄などのカルコゲン化合
物を示す。) などの金属化合物、ポリピロール、ポリア
ニリン、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、ポリア
セン系材料などの導電性高分子化合物、擬グラファイト
構造炭素質材料などであるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0021】また、負極活物質としては、リチウム金
属、リチウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム
−スズ、リチウム−アルミニウム−スズ、リチウム−ガ
リウム、およびウッド合金などのリチウム合金、カーボ
ンなどの炭素質材料などであるが、これらに限定される
ものではない。または上記正極活物質として使用するも
のを用いることもできる。
【0022】電池の正極は、上記活物質を結着剤で結合
してシート状あるいはペレット状としたものが一般的に
用いられるが、この場合、必要に応じて、アセチレンブ
ラックなどがカーボンまたは金属粉末などの導電材料を
正極内に混合して、電子伝導の向上を図ることができ
る。上記のようないわゆる正極コンポジットを製造する
とき、均一な混合分散系を得るために、数種の分散剤と
分散媒を加えることができる。
【0023】一方、負極はリチウム金属、リチウム合金
シートなどを用いる場合が多いが、カーボンなどの炭素
質材料を負極活物質に用いる場合は、正極を製造する上
記の方法と同様の方法を用いることができる。
【0024】セパレータは、上記高分子固体電解質を単
独でシート状にして正極と負極の間に配置するか、正極
または負極に上記高分子固体電解質組成液を塗布して硬
化し、複合化することも可能である。
【0025】また、本発明の高分子固体電解質を用いて
電気二重層コンデンサを構成する電気二重層コンデンサ
の電極材料としては、電解コンデンサにおける酸化膜誘
電体の容量が関与しないような電極材料、例えば比表面
積が大きく、かつ電気化学的に不活性な活性炭または炭
素繊維などが挙げられる。これらのカーボン材料のバイ
ンダーとして高分子固体電解質を用いることが好ましい
が高分子固体電解質以外の物質(例えばポリテトラフル
オロエチレンなど)を用いる方法があり、この場合、高
分子固体電解質を併用することが可能である。
【0026】
【作 用】本発明の高分子固体電解質は、イオン伝導性
を示すアルキレンオキシド鎖の結晶化を防ぐために、液
晶性のモノマー分子鎖をブロック状に入れた構造とした
ため、液晶性分子鎖により、アルキレンオキシド鎖の分
子間の結晶化または配向化を防ぎ、アルキレンオキシド
鎖の分子運動を最大限に発揮させることが可能となり、
室温でのアルキレンオキシド鎖の分子運動が妨げられる
ことなく、さらに幅広い温度域で良好なイオン伝導性を
示すことが可能である。
【0027】また、液晶性分子鎖を有することにより、
均一な高分子固体電解質薄膜が得られるだけでなく、薄
膜化による電極の微短絡が生じることなく、さらに薄膜
の大面積化を図った際にも微短絡が生じることがない高
分子固体電解質薄膜を提供することが可能である。した
がって、イオン伝導性、信頼性および作業性を改良し
た、非常に優れた実用的な高分子固体電解質およびこれ
を用いた電池を提供することが可能である。
【0028】
【実施例】以下、本発明の詳細について、実施例により
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】(実施例1)本発明の高分子固体電解質を
以下のような方法で合成した。すなわち、液晶性分子と
して、化40の構造を用い、
【化40】 R : C2 4 R’: C2 4 X : Cl NaOHをモル比で2:1になるように水に溶解して、
60℃、2時間反応して化41の構造の有機化合物を合
成し、
【化41】 R : C2 4 R’: C2 4 X : Cl k : 12 これに、化42の構造の
【化42】 1 : H R2 : H n : 300 ポリエチレンオキシドを等モル加えて、脱塩酸反応によ
り化43の構造の
【化43】 (式中のR1 、R2 、n、R、R’、kは上記と同じ)
有機化合物を合成して、これに化44の構造の
【化44】 3 : H R4 : H エチレンオキシドと少量の炭酸リチウムを加えてブロッ
ク重合することにより、最終的に本発明の有機ポリマー
化45を作製した。
【化45】 (式中のR1 、R2 、R、R’、k、R3 、R4 は上記
と同じ、n’:400,m:100)
【0030】次に上記有機ポリマー化45に、イオン性
化合物として過塩素酸リチウムを溶解させるべく、以下
の操作を行った。すなわち、上記有機ポリマー中のエチ
レンオキシドユニットとLiとの比が、(エチレンオキ
シドユニット)/Li=10/1となるように上記有機
ポリマーに、過塩素酸リチウム/メチルエチルケトン溶
液を混合して、その溶液をガラス板上にキャストした。
この薄膜を25℃で24時間放置して過剰のメチルエチ
ルケトンを除去した後、さらに80℃で24時間減圧乾
燥して均一な高分子固体電解質薄膜を得た。この薄膜の
厚みは100μmで、この電解質のイオン伝導度は複素
インピーダンス法で測定した結果、25℃で1.0×1
-4Scm-1であった。−20℃でのイオン伝導度は、
3.6×10-5Scm-1であった。
【0031】また、この高分子固体電解質の柔軟性につ
いては、90°折り曲げと180°折り曲げ試験を実施
した結果、いずれの場合も割れを生じなかった。次に、
本発明の高分子固体電解質を用いてシート状電池を試作
した。以下、a)〜c)の順にシート状電池の作製方法
を示す。
【0032】a)電池の正極活物質として五酸化バナジ
ウムを、導電剤としてアセチレンブラックを用い、そし
てエチレンオキシドのジメタクリル酸エステル(分子
量:4000)とメトキシ化ポリエチレングリコールの
モノメタクリル酸エステル(分子量:400)を7:3
に混合した有機ポリマーとを混合したものを正極コンポ
ジットとして使用した。この正極コンポジットの作製方
法は以下の通りである。すなわち五酸化バナジウムとア
セチレンブラックを85:15の比率で混合したもの
に、上記有機ポリマー10重量部に過塩素酸リチウム1
重量部およびアゾビスイソブチロニトリル0.05重量
部を溶解させたものを、乾燥不活性ガス雰囲気中、1:
1の割合で混合した。これらの混合物を、ステンレス鋼
からなる正極集電板の表面に導電性カーボン被膜を形成
した集電体の上にキャストして、不活性ガス雰囲気中で
100℃で1時間放置することにより硬化させた。ステ
ンレス集電体上に形成した正極コンポジット被膜の厚さ
は、60μmであった。
【0033】b)電池の負極活物質としてリチウム金属
を用い、これをステンレス鋼からなる負極集電板に圧着
した。次に上記リチウム金属上に本発明の高分子固体電
解質層を形成させるべく、化45の有機ポリマーに過塩
素酸リチウム1重量部を溶解させたものを上記リチウム
金属上にキャストし、不活性ガス雰囲気中で100℃で
1時間放電することにより硬化させた。これによって得
られた電解質層の厚みは、20μmであった。
【0034】c)b)で得られた電解質/リチウム/負
極集電体と、a)で得られた正極集電体/正極コンポジ
ットを接触させることにより、シート状電池を作製し
た。
【0035】図1は、本発明の高分子固体電解質を用い
たシート状電池の断面である。図中1はステンレス鋼か
らなる正極集電板で、2は正極コンポジットであり、正
極活物質に五酸化バナジウムを、導電剤としてアセチレ
ンブラックを、結着剤としてエチレンオキシドのジメタ
クリル酸エステルとメトキシ化ポリエチレングリコール
のモノメタクリル酸エステルを混合した有機ポリマーを
用いた。また、3は、本発明の高分子固体電解質からな
る電解質層である。4は、金属リチウムであり、5は、
ステンレス鋼からなる負極集電板で、外装も兼ねてい
る。6は、変性ポリプロピレンからなる封口材である。
【0036】本発明の高分子固体電解質を用いたシート
状電池の電極面積は、作製工程によって種々変更するこ
とが可能であるが、本実施例では、その電極面積を10
0cm2 としたものを作製した。このシート状電池を用
いて、25℃で100μA定電流の充放電サイクル試験
を行った。なお、充電終止電圧3.2V、放電終止電圧
2.0Vとして充放電サイクル試験を行った。図2に充
放電サイクル数と電池容量の関係を示す。なお、図2に
おいて、(1)は実施例1の電池を、(2)は比較例の
電池をそれぞれ表わす。
【0037】(比較例)実施例1の有機ポリマー化45
の代わりに、主鎖直鎖型のエチレンオキシド(分子量2
500)をもつ有機化合物を用い、実施例1と同様の方
法でシート状電池を試作した。図2からわかるように、
本発明の高分子固体電解質を用いたシート状電池(1)
は、比較例のシート状電池(2)と比較して、優れた充
放電サイクル特性を示すことがわかる。
【0038】(実施例2)実施例1の液晶性分子構造分
子鎖(化3)の代わりに、化4、化5、化7、化8、化
9、化11の液晶性分子構造分子鎖で有機ポリマーを実
施例1と同様の方法により作製し、それらの25℃およ
び−20℃でのイオン伝導度を複素インピーダンス法で
測定した。その結果を表1に示す。なお、各一般式中の
R、R’、kは実施例1と同様、R1 、R2 、R3 、R
4 、n’、mについても実施例1と同様である。
【0039】
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】
【化7】
【0043】
【化8】
【0044】
【化9】
【0045】
【化11】
【0046】また、これらの高分子固体電解質の柔軟性
については、90°折り曲げと180°折り曲げ試験を
実施した結果、いずれの場合も割れを生じなかった。
【0047】(実施例3)実施例1の液晶性分子構造分
子鎖(化3)の代わりに、化13、化14、化15、化
16の液晶性分子構造分子鎖で有機ポリマーを実施例1
と同様の方法により作製し、それらの25℃および−2
0℃でのイオン伝導度を複素インピーダンス法で測定し
た。その結果を表2に示す。なお、各一般式中のR、
R’、kは実施例1と同様、R1 、R2 、R3 、R4
n’、mについても実施例1と同様である。
【0048】
【0049】
【化13】
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
【0053】また、これらの高分子固体電解質の柔軟性
については、90°折り曲げと180°折り曲げ試験を
実施した結果、いずれの場合も割れを生じなかった。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の高分子固体電解質は、イオン伝導性を示すアルキレン
オキシド鎖の結晶化を防ぐために、液晶性のモノマー分
子鎖をブロック状に入れた構造としたため、液晶性分子
鎖により、アルキレンオキシド鎖の分子間の結晶化また
は配向化を防ぎ、アルキレンオキシド鎖の分子運動を最
大限に発揮させることが可能となり、室温でのアルキレ
ンオキシド鎖の分子運動が妨げられることなく、さらに
幅広い温度域で良好なイオン伝導性を示すことが可能で
ある。
【0055】また、液晶性分子鎖を有することにより、
均一な高分子固体電解質薄膜が得られるだけでなく、薄
膜化による電極の微短絡が生じることなく、さらに薄膜
の大面積化を図った際にも微短絡が生じることがない高
分子固体電解質薄膜を提供することが可能である。これ
らのことから、高分子固体電解質の性能を向上させるこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明電池の断面図である。
【図2】充放電サイクル数と電池容量との関係図であ
る。
【符号の説明】
(1) 実施例1の電池 (2) 比較例の電池
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/06 H01B 1/06 A H01M 10/40 H01M 10/40 B // C08G 65/28 C08G 65/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン性化合物を含有するブロックコポ
    リマーからなる高分子固体電解質において、該ブロック
    コポリマーが、下記の一般式: A−L−B ・・・ で示される骨格を有することを特徴とする高分子固体電
    解質。 ただし、Aは化1、Bは化2、Lは化3から化1
    6の中から選ばれた少なくとも1種以上である。 【化1】 (R 1 ,R 2 は水素原子あるいは炭素数1以上のアルキ
    ル基、nは5から1500の整数である。) 【化2】 (R 3 ,R 4 は水素原子あるいは炭素数1以上のアルキ
    ル基、mは0から1500の整数である。) 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 【化9】 【化10】 【化11】 【化12】 【化13】 【化14】 【化15】 【化16】 (R,R’は炭素数1から10のアルキル基、kは1か
    ら20の整数、hは1から6の整数である。)
  2. 【請求項2】 上記高分子固体電解質が、イオン性化合
    物を溶解することができる物質を含んでいる請求項1記
    載の高分子固体電解質。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の高分子固体電解質
    を用いた電池。
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