JP2578562Y2 - フロントフォーク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は自動二輪車等の車両における車体と車軸間に
介装して路面からの振動を減衰する緩衝器とフォークを
兼ねたフロントフォークに関する。

［従来の技術］ この種のフロントフォークとして、例えば、特開昭64
−21236号公報に開示されたものが知られている。

このフロントフォークは車体側チューブ内に車輪側チ
ューブが摺動自在に挿入され、車輪側チューブの中央に
ダンパーシリンダを起立し、ダンパーシリンダ内にピス
トンを介して移動自在に挿入されたピストンロッドが車
体側チューブと連結している。又、ダンパーシリンダの
外側に懸架スプリングを配設し、この懸架スプリングは
スペーサとスプリングシートを介して車体側チューブの
上部と連結したものである。

［考案が解決しようとする課題］ 一般に、フロントフォークは、車体側チューブとイン
ナーチューブとによる剛性と、ダンパーシリンダとピス
トンロッドとによる剛性との間には剛性差があり、外力
で曲げ力が働くとピストンロッドとダンパーシリンダと
の曲がり量が大きくなる。

この為、上記のようなフロントフォークでは、モトク
ロス走行のように車両がジャンプするとピストンロッド
とダンパーシリンダが曲げを受け、ガイドたるスプリン
グシリンダ部がダンパーシリンダの外周やシリンダヘッ
ドに当り、両者の間に傷が発生する不具合がある。この
傷のために部品の耐久性が低下するのみならず、傷より
発生した切粉がフロントフォーク内のバルブに噛み込
み、減衰力を所望通り発生できなくなるという問題があ
る。

そこで、本考案の目的は、懸架スプリングに結合して
いるスペーサやガイドがダンパーシリンダの外周やオイ
ルロックケースに当らないようにしたフロントフォーク
を提供することである。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するため、本考案の構成は、車体側
チューブと車輪側チューブとが摺動自在に嵌合し、車輪
側チューブ内にダンパーシリンダが起立し、ダンパーシ
リンダ内にピストンを介してピストンロッドが移動自在
に挿入され、ダンパーシリンダの外周と車輪側チューブ
の内周との間に懸架スプリングを配設させ、懸架スプリ
ングの上部は車輪側チューブの内周に摺接するスプリン
グガイドとスプリングガイドに結合したスペーサとを介
して車体側チューブの上部に連結し、ダンパーシリンダ
の上部には上記スペーサ内に起立するオイルロックケー
スが設けられているフロントフォークにおいて、オイル
ロックケースの外周にスペーサの内周と任意のクリアラ
ンスを設けて対向するリングを設け、スプリングガイド
の内周にダンパーシリンダの外周と任意のクリアランス
を設けて対向するガイドを浮動自在に設け、更にピスト
ンロッドの外周上部にオイルロックケースと対向するオ
イルロックピースを設けたことを特徴とするものであ
る。

［作用］ 圧縮作動時にオイルロックピースがオイルロックケー
ス内に嵌合してオイルロック圧によるクッションを効か
せ、外力でピストンロッドとダンパーシリンダが曲がっ
ても、リングがスペーサの内周に当接し、ガイドがダン
パーシリンダの外周に当接し、オイルロックケースやダ
ンパーシリンダの外周を傷つけない。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面にもとづいて説明する。

車体側チューブ１たるアウターチューブ内に車輪側チ
ューブ２たるインナーチューブを摺動自在に挿入し、車
輪側チューブ２内に下方からダンパーシリンダ３を起立
させ、ダンパーシリンダ３内にピストンを介してピスト
ンロッド７を上下移動自在に挿入させ、ピストンロッド
７の上部は車体側チューブ１に上方キャップ部材８を介
して連結させている。

車輪側チューブ２とダンパーシリンダ３間には軸方向
に沿って懸架スプリング９を介在させ、懸架スプリング
９とキャップ部材８間には直列に中空スペーサ10を介装
し、懸架スプリング９はスペーサ10とキャップ部材８を
介して車体側チューブ１とピストンロッド７を伸び方向
に常時付勢している。

スペーサ10の下部にはスプリングガイド11とシート５
とを設け、このスプリングガイド11の外周に設けたベア
リング12は車輪側チューブ２の内周に摺接させている。
更にスペーサ10には油孔19が設けられて内外の油室20,2
1を連通させている。

ダンパーシリンダ３の上端部には中空なオイルロック
ケース13を起立させ、このオイルロックケース13には油
孔14を形成している。

スプリングガイド11の上部内周には、テーパ面15が形
成され、このテーパ面15を介してスペーサ10の下端が嵌
合して両者が結合されている。

オイルロックケースの上部外周には、金属、樹脂等か
らなるリング６が設けられ、このリング６は任意のクリ
アランスを設けてスペーサ10の内周と対向している。

スプリングガイド11の内周には、金属、樹脂等からな
るガイド17を浮動自在に設け、このガイド17は任意のク
リアランスを介してオイルロックケース13とダンパーシ
リンダ３の外周に対向させている。

リング６とスプリングガイド11との距離が近い設計の
場合にはガイド17は無くても使用可能である。

ピストンロッド７の上部外周にはオイルロックピース
18がオイルロックケース13と対向して設けられている。

フロントフォークの伸縮時にはスペーサ10とスプリン
グガイド４はピストンロッド７に連動して上下動する。
外力でピストンロッド７やダンパーシリンダ３が曲がる
とリング６がスペーサ10に摺接し、ガイド17がダンパー
シリンダ３の外周に摺接のみで、オイルロックケース13
やダンパーシリンダ３はスプリングガイド４で損傷され
ない。

圧縮作動時にはオイルロックケース18がピストンロッ
ド７と連動して下降し、最圧縮時近くでは徐々にオイル
ロックケース13内に嵌合してオイルロッド圧によるクッ
ションを効かせる。

［考案の効果］ 本考案によれば、オイルロックケースの外周にリング
を設け、スプリングガイドの内周にガイドを設けたか
ら、外力でピストンロッドやダンパーシリンダが曲がっ
ても、これらのリングとガイドとでスプリングガイドの
位置を規制してオイルロックケースやダンパーシリンダ
と干渉させないから、オイルロックケースとダンパーシ
リンダ外周に傷がつかず切粉も発生させない、という著
しい効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るフロントフォークの一部切欠き縦
断正面図である。 ［符号の説明］ １…車体側チューブ ２…車輪側チューブ ３…ダンパーシリンダ ６…リング ７…ピストンロッド ９…懸架スプリング 10…スペーサ 11…スプリングガイド 13…オイルロックケース 17…ガイド

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体側チューブと車輪側チューブとが摺動
   自在に嵌合し、車輪側チューブ内にダンパーシリンダが
   起立し、ダンパーシリンダ内にピストンを介してピスト
   ンロッドが移動自在に挿入され、ダンパーシリンダの外
   周と車輪側チューブの内周との間に懸架スプリングを配
   設させ、懸架スプリングの上部は車輪側チューブの内周
   に摺接するスプリングガイドとスプリングガイドに結合
   したスペーサとを介して車体側チューブの上部に連結
   し、ダンパーシリンダの上部には上記スペーサ内に起立
   するオイルロックケースが設けられているフロントフォ
   ークにおいて、オイルロックケースの外周にスペーサの
   内周と任意のクリアランスを設けて対向するリングを設
   け、スプリングガイドの内周にダンパーシリンダの外周
   と任意のクリアランスを設けて対向するガイドを浮動自
   在に設け、更にピストンロッドの外周上部にオイルロッ
   クケースと対向するオイルロックピースを設けたことを
   特徴とするフロントフォーク。