JP2577612Y2 - ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はノズルに関し、詳しくは
注出ポンプ等のノズルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

【考案が解決しようとする課題】従来、押し下げヘッド
を上下動させることにより液を汲み上げノズル先端より
注出する如く構成した液体注出ポンプ等のノズルは、ヘ
ッド前面より前方へ突出させた筒状のものが一般的であ
る。従来のこの種のノズルでは、注出後ノズル内に存在
する液が固まって液の注出不良を来す場合があり、特に
比較的粘度の高い液を扱う場合にはその傾向が顕著であ
る。

【０００３】また、粘度の高い液は、それの低い液と比
較して同じ液圧で吐出されても分散し難く、広範囲に液
を吐出したい場合には不便である。

【０００４】本考案は上記した点に鑑み、注出筒内に残
存する液の固化を防止、しかも比較的粘度の高い液であ
っても広範囲にわたる吐出の行えるノズルを提案するこ
とを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案ノズルは上記課題
を解決するため、注出筒２内先端に弁部材３を嵌着固定
するとともに、液噴出のために上下動させる押し下げヘ
ッド前面より前方へ突出させた液体注出ポンプのノズル
であって、上記弁部材３は全体を柔軟性の有る弾性材質
で形成し、外周縁を注出筒２内面と間隙を設けて位置さ
せた基板５周縁より前方へ円錐板状に広がる薄肉の可動
壁部６を延設して、その先端外周を注出筒２内面に液密
に当接させるとともに、基板５後面周縁から突設した複
数の係合足７後端部を注出筒２内面に凹凸係合手段を介
して抜け出し不能に嵌合固定させ、上記可動壁部６内面
に周方向所定間隔をもって放射状に多数のリブ１１を突
設して各リブ１１間の薄肉可動壁部を注出弁部６ａとし
て構成した。

【０００６】

【作用】注出筒２内部より注出される液は、各係合足７
間より基板５と注出筒２内面との間隙を通って可動壁部
６先端の注出筒２との当接部分に至る。ここで注出筒２
内面に気密に当接している可動壁部６先端は、液圧によ
り弾性的に変形してその隙間より注出されるが、可動壁
部６内面に設けた複数のリブ11により該壁６はリブ11間
の薄肉の注出弁部6a部分のみが内方へ弯曲変形し、可動
壁部６先端周囲に複数の小注出孔が開口し、各孔より各
々液が注出される。この際、液は注出筒２内面の複数部
分から注出されるめ、粘度の高い液であっても広範囲に
注出することが出来る。

【０００７】液の注出が停止すれば、可動壁部６は弾性
で元の状態に戻り、注出筒２内を気密に閉塞するため、
内部の残液が酸化或いは乾燥により固化する等の不都合
を防止できる。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。

【０００９】図１〜図３は本考案の一実施例を示すもの
で、図中１はノズルを示す。該ノズル１は、円筒状の注
出筒２と、該筒２内先端に嵌着固定させた弁部材３とか
ら構成しており、上記注出筒２は注出ポンプの押し下げ
ヘッド４前面より突設して構成している。

【００１０】上記弁部材３は、全体をゴム，軟質合成樹
脂等の柔軟で弾力性のある材質により形成したもので、
円板状の基板５前面周縁より前方へ行くに従って広がる
円錐板状で薄肉に形成した可動壁部６を突設し、後面周
縁より後方へ、周方向所定間隔をもって複数の係合足７
を突設している。各足７は、後方へ行くに従って若干外
方へ傾斜するとともに、外面後端部に注出筒２の筒壁内
面所定位置に周設した突条８と係合可能な突条９を突設
している。また、基板５裏面中央部には、円錐状の突部
１０を後方へ突設している。更に、上記可動壁部６内面
には、周方向所定間隔をもって多数の半円柱状リブ１１
を放射状に突設させ、各リブ１１間の薄肉の可動壁部部
分を注出弁部６ａとして構成している。

【００１１】上記の如く構成した弁部材３を、注出筒２
先端開口より挿入して、その各係合足７後端の突条９を
注出筒２の筒壁内面の突条８と係合させるとともに、可
動壁部６先端周縁を注出筒２内面に液密に当接させて抜
け出し不能に嵌着させている。この際、基板５はその周
縁を注出筒２内面と隙間をあけて位置させ、注出筒２内
より各係合足７間及び基板５と注出筒２との間隙を介し
て可動壁部６先端に連通させている。

【００１２】図４及び図５は本考案の他の実施例を示す
もので、本実施例では、注出筒２先端を拡径した拡径部
2aを設け、また、この拡径部2a内に嵌着可能な円筒状の
弁装着部材12を設けて注出筒先端部を構成し、該装着部
材12内に上記弁部材３を同様に嵌着固定させた後、装着
部材12を上記拡径部2aに嵌着する如く構成している。こ
の様に構成することにより、柔軟な弁部材３を良好に注
出筒２に装着出来る様構成している。即ち、弁部材３は
柔軟であるため、装着の際に、例えば筒壁に対して所定
の向きよりズレた位置に嵌合させる場合もあり、その様
な場合に適正位置への補正が行い易い利点がある。

【００１３】又、図６及び図７は本考案の更に他の実施
例を示すもので、本実施例では、上記第３図及び第４図
の如き実施例において注出筒２内の弁部材３嵌着位置後
部中央に、円柱状の芯部13を設けて、該芯部外周に流路
を形成することにより、液圧を高める様構成した例であ
る。

【００１４】又、図８及び図９は本考案の更に他の実施
例を示すもので、本実施例では、上記図５及び図６の如
き実施例に於いて、装着部材12を二重筒状に形成した例
である。

【００１５】尚、上記弁部材以外は全て合成樹脂により
形成する。

【００１６】

【考案の効果】以上説明した如く本考案ノズルは、既述
構成としたことにより、非使用時には栓部材の可動壁部
により注出筒内が外部と気密に遮断され、注出筒内の残
液の酸化や乾燥を防止し、その結果液の固化がなく、目
詰まりのない円滑な液の注出を行えるものである。

【００１７】また、液注出に当たり、可動壁部先端周縁
の多数の注出弁部から何条もの液が注出されるため、比
較的粘度の高い液であっても同じ液圧で広範囲に液の注
出を行えるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案ノズルの一実施例を示す縦断面図であ
る。

【図２】同実施例のノズル先端部分の拡大断面図であ
る。

【図３】同実施例の拡大正面図である。

【図４】本考案の他の実施例を示す縦断面図である。

【図５】同実施例の正面図である。

【図６】本考案の更に他の実施例を示す縦断面図であ
る。

【図７】同実施例の正面図である。

【図８】本考案の更に他の実施例を示す縦断面図であ
る。

【図９】同実施例の正面図である。

【符号の説明】

２ 注出筒 ３ 弁部材 ５ 基板 ６ 可動壁部 6a 注出弁部 ７ 係合足 11 リブ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】注出筒２内先端に弁部材３を嵌着固定する
   とともに、液噴出のために上下動させる押し下げヘッド
   前面より前方へ突出させた液体注出ポンプのノズルであ
   って、上記弁部材３は全体を柔軟性の有る弾性材質で形
   成し、外周縁を注出筒２内面と間隙を設けて位置させた
   基板５周縁より前方へ円錐板状に広がる薄肉の可動壁部
   ６を延設して、その先端外周を注出筒２内面に液密に当
   接させるとともに、基板５後面周縁から突設した複数の
   係合足７後端部を注出筒２内面に凹凸係合手段を介して
   抜け出し不能に嵌合固定させ、上記可動壁部６内面に周
   方向所定間隔をもって放射状に多数のリブ１１を突設し
   て各リブ１１間の薄肉可動壁部を注出弁部６ａとして構
   成してなることを特徴とするノズル。