JP2574573B2 - 換気扇 - Google Patents

換気扇

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JP2574573B2 JP3270756A JP27075691A JP2574573B2 JP 2574573 B2 JP2574573 B2 JP 2574573B2 JP 3270756 A JP3270756 A JP 3270756A JP 27075691 A JP27075691 A JP 27075691A JP 2574573 B2 JP2574573 B2 JP 2574573B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、送風機などが発する騒
音の空内に伝播する量をを減少させるための防音構造を
施した換気扇に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】近年、送風機を内蔵する換気扇は、室内
の快適環境を創造する一製品として重要視されてきてお
り、そのため機器自体から発生する騒音は、できるだけ
低くすることが望まれていた。
【０００３】このようなことから従来の換気扇はたとえ
ば実開昭５５−６１２５３号公報に示すように構成され
ていた。
【０００４】以下、その構成について図５を参照しなが
ら説明する。図に示すように、ファン吸込口１０２を設
けた通風ケーシング１０３を有する送風機１０４を内蔵
し、ファン吸込口１０２が臨む下面に本体吸込口１０５
を設けた本体１０１には、本体吸込口１０５の全面にわ
たって、多数の通気孔１０６を有する平板状の吸音材１
０７が配設されている。
【０００５】上記構成において、送風機１０４によって
発生する騒音は、吸音材１０７によって吸音され、室内
への伝播が減衰されていた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の換気
扇では、多数の通気孔１０６を有する平板状の吸音材１
０７を本体吸込口１０５の全面に配設してあり、吸音効
果を高めるためには吸音材１０７の体積をかなり大きく
する必要があり、その結果通気孔１０６の開口面積を小
さくせざるを得なくなり、通気抵抗の増加を招き換気効
率が低下するという課題があった。
【０００７】本発明は上記課題を解決するもので、送風
機からの発生騒音を低下させても、通気抵抗がほとんど
増加しなく、換気効率が低下しない換気扇を提供するこ
とを目的とする。
【０００８】第２の目的は、送風機からの発生騒音の低
下の効果を大きくするために、防音効果を高めることに
ある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明の第１の目的を達
成するための第１の手段は、室内側の面を開口して本体
吸込口とした本体に、前記本体吸込口に臨むファン吸込
口を設けた通風ケーシングを有する送風機を内蔵し、前
記ファン吸込口と前記本体吸込口との間の空間に、前記
ファン吸込口より大きい通風面積の内側通風路を有し、
この内側通風路から前記送風機の回転軸方向に対して交
差する方向に複数の空気層を形成する積層板からなる筒
状の防音ユニットを配設した換気扇の構成としたもので
ある。
【００１０】また、第１の目的を達成するための第２の
手段は、防音ユニットをその外周部と本体内側面との間
に空間ができるように配設し、前記防音ユニットの空気
層を内側通風路と前記空間とで連通させた構成としたも
のである。
【００１１】また、第２の目的を達成するための第３の
手段は、複数の空気層の幅をほぼ一定の割合で変化させ
た構成としたものである。
【００１２】また、第２の目的を達成するための第４の
手段は、空気層を仕切板によって多数の空間に仕切った
構成としたものである。
【００１３】また、第２の目的を達成するための第５の
手段は、仕切板によって形成される空間が内側通風路か
ら外方向にほぼ放射状に配置される構成としたものであ
る。
【００１４】また、第２の目的を達成するための第６の
手段は、防音ユニットの少なくとも一部を吸音材で構成
したものである。
【００１５】また、第２の目的を達成するための第７の
手段は、積層板の少なくとも一部を遮音材で構成したも
のである。
【００１６】
【作用】本発明は上記した第１の手段の構成により、本
体吸込口とファン吸込口との間の空間に配設した防音ユ
ニットには、ファン吸込口より大きい通風面積の内側通
風路が設けてあり、送風機によってファン吸込口から吸
引される空気は、この内側通風路を通過できるので、通
気抵抗はきわめて少なく、また送風機による発生騒音
は、ファン吸込口から全方位に向かって放出され、その
多くが積層板によって形成される空気層に入り、空気層
内で減音される。
【００１７】また、第２の手段の構成により、防音ユニ
ットの外周側の外側通風路と内周側の内側通風路とが空
気層を介して連通しているので、送風機によってファン
吸込口から吸引される空気は、外側通風路からも空気層
を通って内側通風路に誘引されるので、通気抵抗をさら
に低減できることとなる。
【００１８】また、第３の手段の構成により、一定の割
合で変化する複数の幅の空気層が形成されて、送風機に
よる発生騒音の中で特定の周波数のもののみならず、複
数の周波数の騒音が減衰されることとなる。
【００１９】また、第４の手段の構成により、空気層が
仕切板によって多数の空間部に仕切られ、その空間部に
入った騒音は反射と吸音が頻繁になされ、それによって
騒音の減衰効果を向上させることができる。
【００２０】また、第５の手段の構成により、仕切板に
よって形成される空間部が、内側通風路から外方向にほ
ぼ放射状に配置してあることからファン吸込口から全方
位に向かって放出される送風機の発生騒音を効率よく空
間部に誘引することとなる。
【００２１】また、第６の手段の構成により、少なくと
も一部を吸音材で構成した防音ユニットが、空気層に入
った騒音を効果的に減衰させる。
【００２２】また、第７の手段の構成により、積層板の
少なくとも一部を遮音材で構成した防音ユニットが、空
気層に入った騒音を室内側に洩れることを防ぎ、効果的
に騒音を低下させる。
【００２３】
【実施例】以下、本発明の第１実施例について、図１を
参照しながら説明する。
【００２４】図に示すように、天井面２に設置される本
体１には、下方の居室側に開放された本体吸込口３に臨
むファン吸込口４を設けた通風ケーシング５を有する送
風機６を内蔵しており、一側面に吐出口７を形成し、こ
の吐出口７をダクト８を介して屋外に連通させている。
そして本体１内のファン吸込口４と本体吸込口３との間
の空間には、ファン吸込口４より大きい通風面積の内側
通風路１０を有し、この内側通風路１０から送風機６の
回転軸１３方向に対して交差する方向に、一定の割合で
変化する幅１４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１４ｄ，１４ｅの
複数の空気層１４を形成する積層板１５からなる防音ユ
ニット９が配設されている。また防音ユニットは、その
外周部と本体１の内側面１１との間に空間ができるよう
に配設されており、この空間は、内側通風路１０と空気
層１４を介して連通し、外側通風路１２となっている。
【００２５】なお図中１６は化粧グリルである。上記構
成により、送風機６によって発生する騒音は、ファン吸
込口４から全方位に向かって放出されるが、その多くが
空気層１４に入り減音されることになる。同時に、送風
機６によってファン吸込口４から吸引される室内の空気
は、防音ユニット９に設けられたファン吸込口４より大
きい通風面積の内側通風路１０を通過するので、通気抵
抗はきわめて小さいものとなる。
【００２６】また、ファン吸込口４から吸引される室内
の空気は、防音ユニット９に設けられた内側通風路１０
の他に、外側通風路１２から空気層１４を通って内側通
風路１０に誘引されるので、さらに通気抵抗が小さくな
る。
【００２７】また、空気層１４に入った騒音は、空気層
１４の幅１４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１４ｄ，１４ｅが一
定の割合で変化しているので、減音効果の高い周波数に
対応する幅の空気層によって複数の周波数における騒音
が減衰し、全体として大きな減音効果を発揮することと
なる。
【００２８】このように第１実施例によれば、送風機６
から発生する騒音を防音ユニットで低減しても、通気抵
抗はきわめて小さいので、換気効率の低下をなくすこと
ができる。また、騒音低減も大きな効果を得ることがで
きる。
【００２９】つぎに、本発明の第２実施例について、図
２を参照しながら説明する。なお、上記第１実施例と同
じ構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【００３０】本実施例は、１つの空気層１４を波形の仕
切板１７によって、さらに多数個の空間に仕切った点に
特徴がある。
【００３１】上記構成により、送風機６によって発生す
る騒音は、ファン吸込口４から全方位に向かって放出さ
れ、その多くが多数個の空間部１８に入り、空間部１８
内で減音されるが、仕切板１７で細分されているので、
空間部１８内に入った騒音は、反射，吸音をいきおいよ
く繰り返すことで、その減音効果は高いものとなる。
【００３２】このように、本発明の第２実施例の換気扇
によれば、防音効果がより高い防音ユニットを有したも
のとなる。
【００３３】つぎに本発明の第３実施例について、図３
を参照しながら説明する。なお、上記第１および第２実
施例と同じ構成要素には同一符号を付し、その説明は省
略する。
【００３４】本実施例は図に示すように、上記第１およ
び第２実施例に対し、仕切板１７によって仕切った空間
部２８を、内側通風路１０から外方向にほぼ放射状に配
置した点に特徴がある。
【００３５】上記構成により、送風機６によって発生す
る騒音は、ファン吸込口４から全方位に向かって放出さ
れ、その多くが、空間部２８に入り減音されるが、空間
部２８が内側通風路１０から外方向にほぼ放射状に配置
されているので、空間部２８の内側端面がファン吸込口
４から放出される騒音の方向に対して、そのほとんとが
ほぼ均等に開放されているので、効率よく発生騒音が筒
状空間部１８ａ内に入り、減音効果を高めることができ
る。
【００３６】このように、本発明の第３実施例の換気扇
によれば、防音ユニット９の防音効果を、その体積を大
きくすることなく、より高めることができる。
【００３７】なお、第２および第３実施例では、仕切板
１７を波形に成形しているが、その他の形状であっても
空気層１４を多数個の空間部に仕切るものであればその
作用効果に差異はない。
【００３８】つぎに、本発明の第４実施例について、図
４を参照しながら説明する。なお、上記第１実施例と同
じ構成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【００３９】図に示すように、防音ユニット９を構成す
る部品である積層板１５の一部が吸音材１９で形成され
ており、また積層板１５の他の一部が遮音材２０で形成
されている。
【００４０】上記構成により、空気層１４に入った送風
機６による発生騒音は、吸音材１９によってより吸音さ
れ、防音ユニット９の防音効果を高めることができる。
【００４１】また、同様に空気層１４に入った送風機６
による発生騒音は、遮音材２０によって遮音されるの
で、室内側伝播する騒音をより減衰させることができ
る。
【００４２】このように、本発明の第４実施例の換気扇
によれば防音ユニット９の防音効果を体積を大きくする
ことなくさらに高めることができる。
【００４３】なお、実施例では、吸音材１９と遮音材２
０を交互に積層した構成としたが、防音ユニット９を構
成する全部品を吸音材で形成しても、また積層板１５が
すべて遮音材で形成しても、若干の程度の差はあれ防音
ユニット９の防音効果を高める点において基本的な作用
効果に差異はない。
【００４４】なお、上記第１〜第４実施例では、本発明
を天井埋込形の換気扇に実施した場合について説明した
が、垂直壁の開口部に挿入して設置する換気扇等に適用
しても、同じ効果の得られることはいうまでもない。
【００４５】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明
によれば、ファン吸込口と本体吸込口との間の空間部
に、送風機の発生騒音を低減させるための防音ユニット
を配設しても、防音ユニットによる減音効果を損なわず
通気抵抗の増加を防ぎ、換気効率がよく低騒音運転が可
能となる換気扇が提供できる。
【００４６】また、防音ユニットの減音効果を損なうこ
となく、これを配設するために生じる通気抵抗の増加を
より一層低減して換気効率をさらに高めることができ
る。
【００４７】また、防音ユニットの体積を増加させるこ
となく、複数の周波数の騒音を減音しやすくすること
で、送風機による発生騒音の防音ユニットによる防音効
果をより高めることが可能となる。
【００４８】また、同様に防音ユニットの体積を増加さ
せることなく、騒音を減衰させる空気層を多数個の空間
部に仕切ることで、その減衰能力を高め、より防音効果
を高くすることができる。
【００４９】また、同様に防音ユニットの体積を増加さ
せることなく、ファン吸込口から全方位に放出される送
風機による発生騒音を効率よく防音ユニットの空間部へ
誘引することで、その防音効果をより高めることができ
る。
【００５０】また、同様に防音ユニットの体積を増加さ
せることなく、減音効果のある空気層を形成する積層板
などの防音ユニット部品に吸音材を使用することで、吸
音効果が高まり、さらに減音効果を高めることができ
る。
【００５１】また、同様に防音ユニットの体積を増加さ
せることなく、減音効果のある空気層を形成する積層板
を遮音材で構成することで、空気層に入った騒音を室内
側に洩らさないようにして防音効果の高い防音ユニット
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例の換気扇の取付断面図
【図２】同第２実施例の防音ユニットの斜視図
【図３】同第３実施例の防音ユニットの斜視図
【図４】同第４実施例の換気扇の取付断面図
【図５】従来の換気扇の取付断面図
【符号の説明】
１ 本体 ３ 本体吸込口 ４ ファン吸込口 ５ 通風ケーシング ６ 送風機 ９ 防音ユニット １０ 内側通風路 １１ 内側面 １２ 外側通風路 １３ 回転軸 １４ 空気層 １４ａ 幅 １４ｂ 幅 １４ｃ 幅 １４ｄ 幅 １４ｅ 幅 １５ 積層板 １７ 仕切板 １８ 空間部 １９ 吸音材 ２０ 遮音材 ２８ 空間部

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 室内側の面を開口して本体吸込口とした
    本体に、前記本体吸込口に臨むファン吸込口を設けた通
    風ケーシングを有する送風機を内蔵し、前記ファン吸込
    口と前記本体吸込口との間の空間に、前記ファン吸込口
    より大きい通風面積の内側通風路を有し、この内側通風
    路から送風機の回転軸方向に対して交差する方向に複数
    の空気層を形成する積層板からなる筒状の防音ユニット
    を配設した換気扇。
  2. 【請求項２】 防音ユニットをその外周部と本体内側面
    との間に空間ができるように配設し、前記防音ユニット
    の空気層を内側通風路と前記空間とで連通させた請求項
    １記載の換気扇。
  3. 【請求項３】 複数の空気層の幅をほぼ一定の割合で変
    化させた請求項１または２記載の換気扇。
  4. 【請求項４】 空気層を仕切板によって多数の空間部に
    仕切った請求項１，２または３記載の換気扇。
  5. 【請求項５】 仕切板によって形成される空間部が内側
    通風路から外方向にほぼ放射状に配置される請求項１，
    ２，３または４記載の換気扇。
  6. 【請求項６】 防音ユニットの少なくとも一部を吸音材
    で構成した請求項１，２，３，４または５記載の換気
    扇。
  7. 【請求項７】 積層板の少なくとも一部を遮音材で構成
    した請求項１，２，３，４または５記載の換気扇。
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