JP2573931B2 - Di缶用表面処理鋼板 - Google Patents

Di缶用表面処理鋼板

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JP2573931B2
JP2573931B2 JP24141486A JP24141486A JP2573931B2 JP 2573931 B2 JP2573931 B2 JP 2573931B2 JP 24141486 A JP24141486 A JP 24141486A JP 24141486 A JP24141486 A JP 24141486A JP 2573931 B2 JP2573931 B2 JP 2573931B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、円形状に打ち抜かれた鋼板を、絞り加工
(Drawn)によってカップ状に成形し、次いで、このよ
うに成形されたカップ状成形品の側壁を、しごき加工
(Ironing)により薄く成形することによって製造され
るDI缶(Drawn and ironed can)用表面処理鋼板に関す
るものである。
〔従来技術とその問題点〕
例えば、錫メッキ鋼板やアルミニウム板等の、円形状
に打ち抜かれた金属板を、絞り加工によってカップ状に
成形し、次いで、このように成形されたカップ状成形品
の側壁を、しごき加工により薄く成形する(以下、DI成
形という)ことによって製造されるDI缶は、はんだ付け
された胴に底蓋と上蓋とを巻締めにより一体化した、い
わゆる3ピース缶に比べて肉厚が薄いので軽量であり、
且つ、継目がないので漏れがない等の利点から、その需
要が多く、今後その用途も拡大することが予想される。
DI缶の素材として、従来、錫メッキ鋼板やアルミニウ
ム板が使用されているが、錫メッキ鋼板は、アルミニウ
ム板に比べて安価である点から、その需要の伸びが期待
されている。
しかしながら、錫メッキ鋼板には、次のような問題が
ある。即ち、しごき加工時に、缶体の内面となる面の錫
メッキ皮膜が成形工具と直接接触する結果、錫メッキ皮
膜にクラックが生じ、鋼板が露出する。このように鋼板
が露出すると、缶体内面の塗装後の二次耐食性(アンダ
ーフィルムコロージョン)が劣化して、缶内に充填され
てた飲料等の充填物中に、Feイオンが溶出する。そこ
で、従来、DI成形後に、リン酸系処理液またはリン酸ク
ロム系処理液によって、露出した鋼板面を被覆するシー
リング処理を施していた。このために、製缶コストの増
大を招いており、しかも、このようなシーリング処理に
よっても、鋼板の露出部分を完全に被覆することはでき
なかった。
上述した缶内容物中へのFeイオンの溶出の防止、およ
び、缶体内面の防食のために、製缶後、缶体内面を熱硬
化性塗料により、2回にわたってスプレー塗装し、焼付
け硬化を施している。この結果、熱硬化性塗料中に含有
されている溶剤成分が、缶内に充填された飲料中に溶出
し、飲料の味や芳香(フレーバー)が損なわれる。更
に、上述した焼付け硬化のために多大の熱エネルギーが
必要であり、且つ、塗装および焼付け時に溶剤成分が揮
散するため、公害防止の見地から前記溶剤成分の燃焼排
気が必要であって、これらのために製品コストの増大を
招く。その上、上述したスプレー塗装によっても、缶底
と缶胴との境界部は、塗装が均一に行われにくいため、
この部分からFeイオンの溶出を完全に防止することがで
きない。
上述した問題を解決する手段として、例えば特開昭55
−82797号公報において、金属クロムおよびクロム水和
酸化物の皮膜が形成された表面処理鋼板の表面に、エポ
キシ基、水酸基およびカルボキシル基の官能基の1種ま
たは2種以上を含有する熱硬化性塗料を塗装し、次い
で、焼き付けて、ある程度硬化し、DI成形後に熱硬化性
塗料によるスプレー塗装を行い、完全に硬化させること
からなる方法が開示されている。
上述した方法によれば、DI成形後のシーリング処理が
不要となる利点はあるが、一方、熱硬化性塗料を塗装し
た後、DI成形が行われるため、DI成形時に塗膜およびク
ロム皮膜にクラックが生じやすく、且つ、DI成形後に熱
硬化性塗料によるスプレー塗装が必要であるから、前述
した錫メッキ鋼板と同様の問題が生ずる。
〔発明の目的〕
従って、この発明の目的は、DI成形時に皮膜にクラッ
クが生ぜず、製缶後、缶体内面への熱硬化性塗料による
スプレー塗装および焼付け硬化を要しない、優れた潤滑
性および耐食性を有する経済的なDI缶用表面処理鋼板を
提供することにある。
〔発明の概要〕
この発明のDI缶用表面処理鋼板は、缶体の内面となる
べき鋼板の一方の表面上に形成された、金属クロム層と
前記金属クロム層の表面のクロム水和酸化物層とからな
るクロメート皮膜、または、ニッケルメッキ皮膜と、前
記クロメート皮膜または前記ニッケル皮膜の表面上に形
成されたポリエステルフィルム皮膜と、そして、前記缶
体の外面となるべき前記鋼板の他方の表面上に形成され
た、耐食性および潤滑性を有する、錫メッキ皮膜、亜鉛
メッキ皮膜および二硫化モリブデン皮膜のうちの何れか
1つの皮膜とを備えていることに特徴を有するものであ
る。
〔発明の構成〕
この発明において、缶体の内面となるべき鋼板の一方
の表面は、金属クロム層と前記金属クロム層の表面のク
ロム水和酸化物層とからなるクロメート皮膜、または、
ニッケルメッキ皮膜からなる下地皮膜と、前記下地皮膜
の表面上に形成されたポリエステルフィルム皮膜とから
なっている。
下地皮膜としてクロメート皮膜またはニッケルメッキ
皮膜を形成した理由は、クロメート皮膜またはニッケル
メッキ皮膜は、アンダーフィルムコロージョン等の優れ
た二次耐食性を有し、特に、その表面上に形成されたポ
リエステルフィルム皮膜との密着性に優れているからで
ある。
クロメート皮膜またはニッケルメッキ皮膜の表面上に
ポリエステルフィルム皮膜を形成した理由は次の通りで
ある。即ち、ポリエステルフィルム皮膜は、機械的強度
に優れ、摩擦係数が小さく潤滑性が良好でしかもガスや
液体に対する遮蔽効果即ちバリアー性に優れ且つ安価で
ある。従って、DI成形のように、伸び率が300%にもな
る加工度の高い成形にも十分に耐えることができ、皮膜
は成形後も健全である。上述のように下地皮膜としての
クロメート皮膜またはニッケルメッキ皮膜は、ポリエス
テルフィルム皮膜により保護されているので、DI成形時
に工具(ポンチ)と直接には接触しない。従って、DI成
形により下地皮膜が損傷することはないから、従来行っ
ていたDI成形後のシーリング処理は不要となる。
フィルム皮膜には、ポリエステルフィルムのほかにも
ポリオレフィンフィルム(ポリエチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム等)や共重合ポリエステル樹脂フィ
ルムがあるが、ポリオレフィンフィルムは、加工後の耐
食性および耐熱性に問題があり、共重合ポリエステル樹
脂フィルムは、高価であって経済的不利である。
ポリエステルフィルム皮膜の形成手段は、ポリエステ
ルウレタン系、飽和ポリエステル系等の接着剤を使用し
て、ポリエステルフィルム皮膜を下地皮膜上に貼り合わ
せるか、または、ポリエステルフィルム皮膜を下地皮膜
上に熱圧着させる等、任意の手段によって行うことがで
きる。なお、熱圧着によって行うときは、接着剤を必要
としないから、経済的に有利である。
非晶質のポリエステルフィルムを使用して熱圧着し、
DI成形すると、DI成形により生ずるフィルムの延伸によ
って、結晶が一定方向に並ぶ結晶配向性が生じ、加工性
およびバリアー性が良好な皮膜になる。既に、結晶配向
性を有するポリエステルフィルムを使用する場合には、
その溶融点(250℃)以上の温度で熱圧着すると、その
熱で配向した結晶が分解して非晶質フィルムとなるが、
上述したようにDI成形により再び結晶配向性を有するよ
うになる。
缶体の外面となるべき鋼板の他方の表面は、DI成形の
際のしごき加工時にダイスと接触するので、高度な潤滑
性能を有していることが必要であり、且つ、印刷のため
の下塗り塗料(通常ホワイトコーティング)の塗装が可
能でなければならない。従って、この発明においては、
缶体の外面となるべき鋼板の他方の表面は、錫メッキ皮
膜、亜鉛メッキ皮膜または二硫化モリブデン皮膜のよう
な、耐食性および潤滑性を有する皮膜によって形成され
ている。鋼板の他方の表面に、前述したようなポリエス
テルフィルム皮膜を形成すると、塗料をはじいて、下塗
り塗料の塗装を行うことができない。
錫メッキ皮膜、亜鉛メッキ皮膜および二硫化モリブデ
ン皮膜は、防食性に優れていると共に、固体潤滑剤とし
て優れた特性を有している。このような皮膜の形成は、
公知の方法で行えばよく、皮膜の厚さは1〜10μm位が
適当である。
第1図は、この発明のDI缶用表面処理鋼板の一実施態
様を示す拡大断面図である。第1図に示す表面処理鋼板
は、缶体の内面となるべき鋼板1の一方の表面上に、金
属クロム層と前記金属クロム層の表面のクロム水和酸化
物層とからなるクロメート皮膜2が形成され、クロメー
ト皮膜2の表面上にポリエステルフィルム皮膜3が形成
されている。そして、缶体の外面となるべき、鋼板1の
他方の表面上に、錫めっき皮膜4が形成されている。
〔発明の実施例〕
次に、この発明を実施例により更に詳述する。
実施例1 板厚0.3mmの低炭素冷延鋼板の両表面の各々に対し、
通常の電解脱脂および電解酸洗を施した後、鋼板を陰極
とし、CrO3:70g/lと、NH4F:2g/lの水溶液中において、
液温:50℃、電流密度:30A/dm2により2秒間電解し、缶
体の内面となるべき鋼板の一方の表面上に、100mg/m2
金属クロム層と15mg/m2のクロム水和酸化物層とからな
るクロメート皮膜を形成した。
次いで、鋼板を陰極とし、Sn2+:30g/l、遊離酸:硫酸
換算15g/l、ENSA:5g/lからなる通常のフェロスタンメッ
キ浴中において、液温:40℃、電流密度:30A/dm2により
3秒間電解し、缶体の外面となるべき鋼板の他方の表面
上に、5.6g/m2の錫メッキ皮膜を形成した。
次いで、缶体の内面となるべき鋼板の一方の表面のク
ロメート皮膜上に、ポリエステルフィルムである、厚さ
15μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム
を、250℃の温度により、熱ロールを使用して圧着し、
本発明の供試体No.1を調製した。
実施例2 鋼板を陰極とし、硫酸ニッケル:240g/l、塩化ニッケ
ル:45g/l、硼酸:30g/l、酒石酸:30g/l、弗化アンモニウ
ム:15g/lからなるニッケルメッキ浴中において、液温:5
0℃、電流密度:10A/dm2により1秒間電解し、缶体の内
面となるべき鋼板の一方の表面上に、100mg/m2のニッケ
ルメッキ皮膜を形成したほかは実施例1と同様の本発明
の供試体No.2を調製した。
実施例3 鋼板を陰極とし、硫酸亜鉛:30g/l、硫酸ナトリウム:5
g/l、錯酸ソーダ:2g/lからなる亜鉛メッキ浴中におい
て、液温:45℃、電流密度:30A/dm2により3秒間電解
し、缶体の外面となるべき鋼板の他方の表面上に、5g/m
2の亜鉛メッキ皮膜を形成したほかは実施例1と同様の
本発明の供試体No.3を調製した。
実施例4 缶体の外面となるべき鋼板の他方の表面上に、二硫化
モリブデンとポリアクリル酸とグラファイトとからなる
二硫化モリブデン水溶液(クライマックスモリブデン社
製)を、ロールコーターで塗布し、100℃の温度で5分
間焼付け、2g/m2の量の二硫化モリブデンの乾燥皮膜を
形成したほかは実施例1と同様の本発明の供試体No.4を
調製した。
実施例5 缶体の内面となるべき鋼板の一方の表面のクロメート
皮膜上に、厚さ15μmのPETフィルムを、ウレタン系接
着剤(東洋インキ(株)製、AD−5065/AD−RT)4〜5
μmを介して100℃の温度で圧着し、40℃の温度で3日
間エージングさせることによりポリエステルフィルム皮
膜を形成したほかは実施例1と同様の本発明の供試体N
o.5を調製した。
比較例1 缶体の内面となるべき鋼板の一方の表面上に、クロメ
ート皮膜を形成することなく直接ポリエステルフィルム
皮膜を形成したほかは実施例1と同様の比較用供試体N
o.1を調製した。
比較例2 鋼板の両表面の各々にクロメート皮膜を形成すること
なく、鋼板の一方の表面上に直接ポリエステルフィルム
皮膜を形成し、そして、鋼板の他方の表面上に直接熱硬
化性塗料による塗膜を形成した比較用供試体No.2を調製
した。
比較例3 缶体の内面となるべき鋼板の一方の表面のクロメート
皮膜上に、前記鋼板の他方の表面と同様な熱硬化性塗料
による塗膜を形成し、缶体の外面となるべき鋼板の他方
の表面のクロメート皮膜上に熱硬化性塗料を塗布し焼付
けた塗膜を形成した比較用供試体No.3を調製した。
上述のようにして調製された本発明の供試体No.1〜5
および比較用供試体No.1〜3の各々について、DI成形性
(成形エネルギー)、ストリッピング性、耐食性(耐U.
C.C性、耐F.F.C性及びI.P.V値)を、以下に述べる性能
試験によって評価し、その結果を第1表に示した。
(1)DI成形性試験 DI成形は、まず123mmφのブランクを打ち抜き、市販
のカッピングプレスで、内径72mmφ、高さ:36mmのカッ
プを成形し、次いでこのカップを市販のDIマシンに装入
して、ポンチスピード:30mm/分、ストローク:600mmで、
リドロウ加工及び3段階でアイアニング加工(それぞれ
のリダクション30%、28%、24%)を行い、最終的に缶
内径52.0mm、缶高さ130mmの缶を成形した。なお、DI成
形中には、市販のクーラント(5%)を40〜100℃の温
度で循環的に塗布した。
また、DI成形性の評価については、DIマシンのポンチ
部に取り付けられたロードセルから成形荷重を検出し、
ポンチストロークから、成形エネルギーを算出した。次
に成形エネルギーの計算式を示す。
E=∫sP.g.ds(E:成形エネルギー、s:ストローク、P:
成形荷重g:重力加速度) 評価は各段階のトータル成形エネルギーとし成形エネ
ルギーが小さいものを、DI成形性が優れていると評価し
た。
(2)ストリッピング性 上記(1)のDI成形性試験において、成形された缶体
からポンチが引抜かれる際に、缶体の頭部がストリッパ
ーにひっかかり、缶の高さが低くなる現象を缶の高さで
評価した。
(3)耐食性試験 前述した成形方法で作られた試験片に対し、市販の脱
脂液(pH:8.5、濃度:2%)を液温50℃で2分間スプレー
し、DI成形時に、缶に塗布されたクーラント除去した
上、下記の試験を行った。
a.U.C.C試験 缶体内面を50×70mmのサイズに切り出し、素地まで達
するクロスカットを入れ、裏面部およびエッジ部をシー
ルして、38℃に維持された腐食液(1.5%クエン酸、1.5
%塩化ナトリウム)中に96時間浸漬した後、テープを張
りつけ次いでこれを剥離し、このときの腐食幅および塗
膜剥離状況で評価した。評価基準は次の通りである。
◎:非常に優れる ○:優れる △:やや劣る ×:劣
る b.F.F.C試験 予め缶外面に、ロールコータによってホワイトコーテ
ィング用塗料(東洋インキ(株)製)を、乾燥塗膜で5
μm塗布し、温度180℃で10分間焼付ける。
次に、缶体外面を50×70mmサイズに切り出し、素地ま
で達するクロスカットを入れ、裏面部およびエッジ部を
シールして、35℃の塩水噴霧試験を1時間行い、次い
で、流水で軽く洗浄後、温度25℃、相対湿度85%の恒温
室中で5週間暴露し、発生した糸状腐食の幅および長さ
で評価した。評価基準は次の通りである。
◎:非常に優れる ○:優れる △:やや劣る ×:劣
る c.I.P.V試験 缶サンプル内部に、ペプシコーラ(日本ペプシコー
ラ)を1缶当り250cc充填し、液温38℃で6カ月間保持
し、内容物中に溶出したFeイオンの量を原子吸光法を用
いて定量し、Feイオン溶出量(ppm)の多少で評価し
た。
第1表から明らかなように、缶体の内面となるべき鋼
板の一方の表面上に、クロメート皮膜を形成することな
く直接ポリエステルフィルム皮膜を形成した比較用供試
体No.1は、缶体内面の耐食性を表す耐U.C.C性および缶
体外面の耐食性を表す耐F.F.C性が何れも劣っていた。
鋼板の両表面の各々にクロメート皮膜を形成すること
なく、鋼板の一方の表面上に直接ポリエステルフィルム
皮膜を形成し、鋼板の他方の表面上に直接熱硬化性塗料
による塗膜を形成した比較用供試体No.2は、同じく缶体
内面の耐食性を表す耐U.C.C性および缶体外面の耐食性
を表す耐F.C.C性が何れも劣っていた。また、鋼板の両
面の各々のクロメート皮膜上に熱硬化性塗料による塗膜
を形成した比較用供試体No.3は、缶体内面の耐食性を表
す耐U.C.C性が劣っていた。
これに対して、本発明供試体No.1〜5は、DI成形性、
ストリッピング性、耐食性(耐U.C.C性、耐F.F.C性およ
びI.P.V値)のすべてにおいて優れていた。
〔発明の効果〕
以上述べたように、この発明によれば、DI成形時に缶
体内面の皮膜にクラックが生ぜず、優れた潤滑性を有
し、製缶後、缶体内面への熱硬化性塗料によるスプレー
塗装および焼付け硬化を要せずに、缶体の内外面とも優
れた耐食性が得られる。また、缶体の内面となる部分の
皮膜は、クロメート皮膜またはニッケルメッキ皮膜を下
地としたポリエステルフィルムによって形成されている
から、バリアー性およびフレーバー性が良好である。こ
のように、この発明によれば、幾多の工業上優れた効果
がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明のDI缶用表面処理鋼板の一実施態様
を示す拡大断面図である。図面において、 1……鋼板 2……クロメート皮膜 3……ポリエステルフィルム皮膜 4……錫メッキ皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 裕吉 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−166595(JP,A) 特開 昭50−25471(JP,A) 特開 昭61−117263(JP,A) 特表 昭57−500739(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】缶体の内面となるべき鋼板の一方の表面上
    に形成された、金属クロム層と前記金属クロム層の表面
    のクロム水和酸化物層とからなるクロメート皮膜、また
    は、ニッケルメッキ皮膜と、前記クロメート皮膜または
    前記ニッケル皮膜の表面上に形成されたポリエステルフ
    ィルム皮膜と、そして、前記缶体の外面となるべき前記
    鋼板の他方の表面上に形成された、耐食性および潤滑性
    を有する、錫メッキ皮膜、亜鉛メッキ皮膜および二硫化
    モリブデン皮膜のうちの何れか1つの皮膜とを備えてい
    ることを特徴とする、DI缶用表面処理鋼板。
JP24141486A 1986-10-13 1986-10-13 Di缶用表面処理鋼板 Expired - Lifetime JP2573931B2 (ja)

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