JP2570612Y2 - スクリューグロメット - Google Patents

スクリューグロメット

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JP2570612Y2
JP2570612Y2 JP1992013763U JP1376392U JP2570612Y2 JP 2570612 Y2 JP2570612 Y2 JP 2570612Y2 JP 1992013763 U JP1992013763 U JP 1992013763U JP 1376392 U JP1376392 U JP 1376392U JP 2570612 Y2 JP2570612 Y2 JP 2570612Y2
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screw grommet
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、パネルと物品とを連結
固定する場合などに使用されるスクリューグロメットに
関し、更に詳述すると、いずれの方向のこじり力に対し
ても良好な固着力を発揮し、強固かつ確実に被固定物を
固定することができ、自動車のドアパネルにアームレス
トを固定する場合などに好適に使用されるスクリューグ
ロメットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のアームレストをドアパネ
ルに固定する場合、スクリューグロメットと呼ばれる固
定具が一般に用いられており、このようなドアパネルの
固定に用いられるスクリューグロメットとしては、図1
0に示したようなスクリューグロメットが一般に用いら
れている。
【0003】即ち、四角ブロック状のフランジ部b中央
にスクリュー挿通孔cを穿設すると共に、互いに対向し
た二側面間に亘るスリットdを上記挿通孔cと一体に形
成し、このフランジ部bの下面に中間部が厚肉に形成さ
れた2つの脚部e,eを上記貫通孔cを挟んで対向する
ように突設したスクリューグロメットaが一般に用いら
れている。
【0004】このスクリューグロメットを用いて自動車
のアームレストをドアパネルに固定する場合、図11に
示したように、まずドアパネルfに穿設した四角貫通穴
gにスクリューグロメットaの両脚部e,eを挿入し
て、その厚肉部によりスクリューグロメットaをドアパ
ネルfに仮止めする。このとき、脚部e,eの挿入時に
両脚部e,eの先端側外面が貫通穴gの内周面に当接
し、スクリューグロメットaを押し込むことにより、両
脚部e,eが互いに接近するように押圧される。これに
より、フランジ部bがスリットdが広がるように撓んで
両脚部e,eが互いに接近し、両脚部e,eの厚肉中間
部が貫通穴gを通過するとフランジ部bが弾性復帰して
両脚部e,eの厚肉部が貫通穴gの周縁部に係合し、ス
クリューグロメットaが仮止めされる。
【0005】次いで、図12に示したように、アームレ
ストhの裏面に形成したフランジ部嵌合凹部iでこのス
クリューグロメットaのフランジ部bを覆うようにアー
ムレストhを配置し、アームレストhの表側に形成した
スクリュー挿入凹部jからタッピングスクリューkをス
クリュー挿入凹部jとフランジ部嵌合凹部iとを隔てる
固定壁1に穿設した貫通孔(図示せず)を通してスクリ
ューグロメットaに捩じ込む。このとき、タッピングス
クリューkは、スクリューグロメットaのスクリュー挿
通孔c内面にねじを螺刻しつつ両脚部e,e間に進出
し、両脚部e,eを互いに外側へと広げ、スクリューグ
ロメットaがドアパネルfに固定されると共に、タッピ
ングスクリューjの頭部とスクリューグロメットaのフ
ランジ部bとでアームレストhの固定壁1を挟持固定す
る。
【0006】これにより、アームレストhがスクリュー
グロメットaを介してドアパネルfに固定されるもので
ある。なお、図中mはタッピングスクリューkの頭部と
アームレストhの固定壁lとの間に介装されたワッシャ
ーである。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このス
クリューグロメットaには、仮止め時の安定性やこじり
力に対する強度の点でいくつかの問題点がある。即ち、
このスクリューグロメットaは、仮止め時にドアパネル
fの貫通穴gに両脚部e,eを挿入して仮止めする際、
スリットdの作用によってフランジ部bが撓むことによ
り、両脚部e,eが閉じてこの脚部e,eが貫通穴gに
挿入されるようになっているので、フランジ部bの剛性
によりドアパネルfの貫通穴gに両脚部e,eを挿入す
るために大きな挿入力が必要であり、仮止め作業が困難
になる場合もある。また、タッピングスクリューkの捩
じ込み時にスリットdが広がるようにフランジ部bが撓
んでしまい、これに伴って両脚部e,eが閉じてスクリ
ューグロメットaがドアパネルfから脱落してしまう場
合もある。
【0008】また、自動車のドアパネルfに取り付けた
アームレストhにかかる力としては、図13に示したよ
うに、矢印Aで示したドアnを閉める際にかかる力と矢
印Bで示した腕をアームレストhに載せたときにかかる
力とがあり、この場合図12に示したように、ドアを閉
める際にかかる力Aはスクリューグロメットaを引き抜
くように作用し、また腕をアームレストhに載せたとき
にかかる力Bはスクリューグロメツトaをこじるように
作用する。
【0009】ここで、図14に示したように、タッピン
グスクリューkを捩じ込んで2つの脚部e,eを広げる
ことにより、パネルfに固定したスクリューグロメット
aは、両脚部e,eの広がり方向に沿ったこじり力Fに
対しては良好な固定力を示すが、両脚部e,eの広がり
方向と直角のこじり力Eに対しては比較的弱く、こじり
力の方向によりその強度に差が生じる。従って、図12
に示したように、こじり力Bに対して同一方向に両脚部
e,eを広げるようにタッピングスクリューaを取り付
ければよいが、ドアパネルfに設けられた相手穴gが正
方形の場合は、スクリューグロメットaの向きは決定さ
れないので、こじり力に弱い方向でスクリューグロメッ
トaが取り付けられた場合、スクリューグロメットaが
ドアパネルfから脱落するおそれが生じる。
【0010】更に、このスクリューグロメットaは、フ
ランジ部bにスリットdを設けてフランジ部bを撓みや
すくしているが、このためにタッピングスクリューkを
捩じ込んで両脚部e,eを広げたときに、この両脚部
e,eが広がることに伴ってフランジ部bが変形してし
まい、アームレストhの取り付け位置にずれを生じる場
合がある。また、スクリューグロメットaのフランジ部
bを強く押圧する力が加わるとスリットdが広がるよう
にフランジ部bが撓んで、変形してしまう場合もある。
【0011】本考案は、上記事情に鑑みなされたもの
で、タッピングスクリューの捩じ込みの際に脱落してし
まうような不都合を生じることなく、確実に仮止めする
ことができ、かつ固定後はいずれの方向のこじり力に対
しても良好な強度を発揮し、更にフランジ部の変形を生
じることなく、アームレスト等の被固定物を確実に固定
することができるスクリューグロメットを提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記目的を達
成するため、ブロック状のフランジ部に上面中央部から
下面中央部に至るスクリュー挿通孔を穿設すると共に、
このフランジ部下面に四角柱状の脚部を突設し、この脚
部に上記スクリュー挿通孔と連通して基端側から先端側
に向けて漸次小径となるスクリュー進入孔を形成すると
共に、このスクリュー進入孔から4つの各開放先端部が
それぞれ脚部外周面の4つの角部と各側面中央との中間
部に至る十字状のスリットを形成して該脚部を四分割
し、更に上記脚部の外周面に仮止め用係止突起を突設し
てなり、取り付けパネルに形成した四角形の取り付け穴
に上記脚部を挿入して、該脚部外周面に突設した仮止め
用係止突起を取り付け穴の内側周縁部に係合させて仮止
めし、タッピングスクリューをスクリュー挿通孔から捩
じ込んで、該タッピングスクリューの軸部を上記スクリ
ュー進入孔内に該軸部の外周面に形成された雄ねじ部に
相応する雌ねじ部を螺刻させつつ進入させることによ
り、上記スリットにより四分割された脚部を四方向に広
げて、この脚部で取り付け穴の内側周縁部を押圧するこ
とにより、取り付けパネルに固定するように構成したこ
とを特徴とするスクリューグロメットを提供する。
【0013】
【0014】
【作用】本考案のスクリューグロメットは、上述したよ
うに、その脚部を取り付けパネルに形成した四角形の取
り付け穴に挿入し、タッピングスクリューをフランジ部
のスクリュー挿通孔から脚部のスクリュー進入孔内に捩
じ込んで、スリットにより四分割された脚部を四方向に
広げ、この脚部で上記取り付け穴の内側周縁部を押圧す
ることにより、取り付けパネルに固定するものである。
この場合、このスクリューグロメットのフランジ部上に
被固定物を配置し、この被固定物を通して上記タッピン
グスクリューを捩じ込み、このタッピングスクリューの
頭部とフランジ部との間に被固定物を挟持固定すること
により、被固定物を取り付けパネルに本スクリューグロ
メットを介して固定することができるものである。
【0015】このとき、本考案のスクリューグロメット
にあっては、その脚部を取り付けパネルに形成した四角
形の取り付け穴に挿入する際、脚部外周面に突設した仮
止め用係止突起が取り付け穴の内周縁部に当接し、この
状態でグロメットを押圧することにより、この係止突起
を介して脚部が取り付け穴の内周縁部で内側に押圧され
て、該脚部がスリットを閉塞するように撓み、係止突起
が取り付け穴を通過すると、脚部が弾性復帰して係止突
起が取り付け穴の内側周縁部に係合して仮止めされる。
【0016】この場合、本考案のスクリューグロメット
は、フランジ部を撓ませることにより脚部を取り付け穴
に挿入するのではなく、脚部自体をその基端部から撓ま
せることにより取り付け穴に挿入し、しかも撓ませる量
も小さな係止突起を通過させるだけの量でよいので、非
常に簡単に脚部を取り付け穴に挿入することができる。
【0017】この状態で、フランジ部のスクリュー挿通
孔からタッピングスクリューを捩じ込み、該タッピング
スクリューの軸部を脚部のスクリュー進入孔内に該軸部
の外周面に形成された雄ねじ部に相応する雌ねじ部を螺
刻させつつ進入させて、該タッピングスクリューをスク
リューグロメットに螺着固定させると共に、上記スリッ
トにより四分割された脚部をタッピングスクリューの軸
部で四方向に広げ、この脚部で上記取り付け穴の内側周
縁部を押圧することにより、スクリューグロメットを取
り付けパネルに固定するものである。
【0018】このとき、本考案のスクリューグロメット
にあっては、脚部自体がその基端部より撓んで広がるよ
うになっており、フランジ部に変形を生じることがない
ので、タッピングスクリューの捩じ込み時にフランジ部
が変形して脚部を閉じさせ、スクリューグロメットが取
り付け穴から脱落してしまうような不都合を生じること
なく、スクリューグロメットが取り付け穴に確実に仮止
めされた状態でタッピングスクリューの捩じ込み作業を
行うことができる。
【0019】また、タッピングスクリュー捩じ込み後
は、脚部が十字状スリットの作用により四方向に広がっ
て固定されるのて、軸方向に対しての引っ張り力に対し
ては勿論のこと、いずれの方向のこじり力に対しても等
しく良好な強度を発揮するものであり、自動車のドアパ
ネルにアームレストを固定する場合にも、取り付け方向
等に注意を払う必要なく、好適に使用することができる
ものである。しかも、フランジ部にこれを撓ませるため
のスリット等が形成されていないので、脚部が撓むこと
やフランジ部にかかる圧力等によって、フランジ部が変
形するようなことがなく、従って位置ずれ等を生じるこ
となく確実にアームレスト等の被固定物をドアパネル等
の取り付けパネルに固定することができる。
【0020】更に、脚部の十字状スリットをその脚部外
周面に開放する4つの先端部がそれぞれ脚部外周面の各
角部と各側面中央との中間部に位置するように形成した
ことにより、後述する実施例で詳述するように、脚部の
4つの角部が厚肉に残された状態となり、この角部が取
り付け穴の4つの角部にしっかりと当接してタッピング
スクリューの捩じ込み時にスクリューグロメットが共回
りするのを確実に防止することができる。その上、十字
状スリットの4つの先端部が脚部四側面の中央に位置す
るように形成した場合より脚部の開き量を大きくするこ
とができ、より強固に固定することができるものであ
る。
【0021】
【実施例】以下、本考案の一実施例について図面を参照
して説明する。図1乃至図5は、本考案の一実施例にか
かるスクリューグロメット1を示すもので、このスクリ
ューグロメット1は、四角ブロック状のフランジ部2
と、このフランジ部2下面に一体に突設された四角柱状
の脚部3とを具備してなる。
【0022】上記フランジ部2には、その上面中央部か
ら下面中央部に至るスクリュー挿通孔4が穿設されてい
る。このスクリュー挿通孔4は、図4に示したように、
大径の上部4aと小径の下部4bとを有し、上部4aと
下部4bとの間には、略ロート状に形成された中間部4
cが形成されている。なお、図中5は、このフランジ部
2の互いに対向する2側面に形成された肉抜き凹部であ
り、これにより材料費の削減が図られている。
【0023】上記四角柱状の脚部3は、このフランジ部
2下面に一体に突設したもので、図2及び図4に示され
ているように、その外周面先端側が漸次小径となるテー
パー状に形成されている。この脚部3には、図4に示し
たように、その中央部に基端側から先端側にかけて漸次
小径となるスクリュー進入孔6が上記スクリュー挿通孔
4と連通して形成されている。
【0024】また、この脚部3には、図3に示したよう
に、上記スクリュー進入孔6から脚部3外周面に至る十
字状のスリット7が、脚部3外周面に開放する4つの先
端部がそれぞれ脚部3外周面の4つの角部と各側面中央
との中間部に位置するように形成されており、このスリ
ット7により脚部3が四分割されている。更に、このス
リット7の中心側(スクリュー進入孔6側)の一側壁に
は、切欠き状の凹部8が各分割部分に重複することなく
形成されており、この凹部8の外側に位置する脚部3外
周面にフランジ部2近傍に存して仮止め用係止突起9が
それぞれ形成されている。なお、この係止突起9は脚部
外面より一体に突設したもので、その下端面がテーパー
面になっている。
【0025】次に、このスクリューグロメット1の使用
法及び動作について、図6及び図7を参照して説明す
る。このスクリューグロメット1は、自動車のドアパネ
ルにアームレストを固定する際に好適に使用されるもの
で、この場合図6に示したように、まずスクリューグロ
メット1の脚部3をドアパネル10に形成した四角形の
取り付け穴11に挿入する。このとき、脚部3外周面に
突設した仮止め用係止突起9の下端テーパー面が取り付
け穴11の内周縁部に当接し、この状態でグロメットを
押圧することにより、この係止突起9を介して脚部3が
取り付け穴11の内周縁部で内側に押圧され、該脚部3
がスリット7を閉塞するように撓むと同時に、スリット
7に形成した切欠き凹部8の作用により脚部3の係止突
起9形成部分が部分的に内側に撓み、係止突起9が取り
付け穴11を通過すると、脚部3が弾性復帰して係止突
起9が取り付け穴11の内側周縁部に係合して、この係
止突起9とフランジ部2下面とでドアパネル10の取り
付け穴11周縁部を挟持した状態にスクリューグロメッ
ト1がドアパネル10に仮止めされる。
【0026】この場合、このスクリューグロメット1
は、フランジ部2を撓ませることにより脚部3を取り付
け穴11に挿入するのではなく、脚部3自体をその基端
部から撓ませると共に、スリット7に形成した切欠き凹
部8の作用により脚部3の係止突起9形成部分を部分的
に内側に撓ませることにより取り付け穴11に挿入し、
しかも撓ませる量も小さな係止突起9を通過させるだけ
の量でよいので、非常に簡単に脚部3を取り付け穴11
に挿入して仮止めすることができる。その上、仮止め後
は4つの係止突起9によりしっかりと取り付け穴11に
固定することができるものである。
【0027】次いで、図7に示したように、アームレス
ト12の裏面に形成したフランジ部嵌合凹部13でこの
スクリューグロメット1のフランジ部2を覆うようにア
ームレスト12を配置し、アームレスト12の表側に形
成したスクリュー挿入凹部14からタッピングスクリュ
ー15の軸部15aをスクリュー挿入凹部14とフラン
ジ部嵌合凹部13とを隔てる固定壁16に穿設した貫通
孔16aを通してスクリューグロメット1のスクリュー
挿通孔4に挿入し、これを捩じ込むことにより、タッピ
ングスクリュー15の軸部15aをスクリュー進入孔6
内に捩じ込む。
【0028】これにより、タッピングスクリュー15の
軸部15aが脚部3のスクリュー進入孔6内に該軸部1
5aの外周面に形成された雄ねじ部に相応する雌ねじ部
を螺刻しつつ進入し、該タッピングスクリュー15がス
クリューグロメット1に螺着固定されると共に、上記ス
リット7により四分割された脚部3がタッピングスクリ
ュー15の軸部15aにより四方向に広げられ、この脚
部3が上記取り付け穴11の内側周縁部を押圧して、ス
クリューグロメット1がパネル10に固定される。そし
て、タッピングスクリュー15の頭部15bとフランジ
部2上面との間にアームレスト12の固定壁16が挟持
固定され、これによりスクリューグロメット1を介して
アームレスト12がドアパネル10に固定される。な
お、図中17は、タッピングスクリュー15の頭部15
bとアームレスト12の固定壁16との間に介装された
ワッシャーである。
【0029】このとき、このスクリューグロメット1に
あっては、脚部3自体がその基端部より撓んで広がるよ
うになっており、フランジ部2に変形を生じることがな
いので、タッピングスクリュー1の捩じ込み時にフラン
ジ部2が変形して脚部3を閉じさせ、スクリューグロメ
ット1が取り付け穴11から脱落してしまうような不都
合を生じることなく、スクリューグロメット1が取り付
け穴11に確実に仮止めされた状態でタッピングスクリ
ュー15の捩じ込み作業を行うことができる。
【0030】また、タッピングスクリュー15捩じ込み
後は、脚部3が十字状スリット7の作用により四方向に
広がって固定されるので、タッピングスクリュー15の
軸方向に沿った引っ張り力に対しては勿論、いずれの方
向のこじり力に対しても等しく良好な強度を発揮するも
のである。
【0031】ここで、本実施例のスクリューグロメット
1は、脚部3の十字状スリット7をその脚部3外周面に
開放する4つの先端部が脚部3外周面の4つの角部と各
側面中央との中間部に位置するように形成してあるの
で、タッピングスクリュー15の捩じ込み時にスクリュ
ーグロメット1が共回りするのを確実に防止することが
できる共に、脚部3の開き量を大きくすることができ、
このため極めて作業性よくしかも強固に固定することが
できるものである。
【0032】この点について詳述すると、図8に示した
ように、十字状スリット7はその脚部3外周面に開放す
る4つの先端部がそれぞれ脚部3外周面の4つの角部に
位置するように形成した方(図A)が、脚部3外周面に
開放する4つの先端部が脚部3の各側面の中央にそれぞ
れ位置するように形成する(図B)よりも、タッピング
スクリューの軸部による脚部3の広がり量が大きくなり
強固に固定する点では好ましいが、このような十字状ス
リット7を形成したスクリューグロメット1a(図A)
は、取り付けパネルの取り付け穴に脚部3を挿入してタ
ッピングスクリューを捩じ込む際に、共回りが生じ易
い。即ち、図9に示したように、タッピングスクリュー
を捩じ込む際には脚部3の4つの角部が取り付け穴11
の内周面角部近傍に強く押しつけられるが、この場合に
図8(A)のスクリューグロメット1aでは、脚部3の
角部の肉厚が薄く、この部分(図9中、斜線で示した部
分)がパネルのエッジで剪断され易い。このため、タッ
ピングスクリュー捩じ込み時に共回りが生じやすくな
る。
【0033】そこで、本実施例のスクリューグロメット
1では、図3に明確に示されているように、十字状スリ
ット7をその脚部3外周面に開放する4つの先端部がそ
れぞれ脚部3外周面の4つの角部と各側面中央との中間
部に位置するように形成し、これにより角部の肉を残し
て共回りを防止すると共に、十分な脚部の開き量をも確
保したものである。
【0034】このように、本実施例のスクリューグロメ
ット1によれば、簡単に取り付けパネル10に仮止めす
ることができ、しかもタッピングスクリュー15の捩じ
込みの際に脱落や共回りなどの不都合を生じることな
く、確実に仮止めすることができる。また、固定後はい
ずれの方向のこじり力に対しても等しく十分な強度を発
揮するものである。その上、フランジ部2にこれを撓ま
せるためのスリット等が形成されていないので、脚部3
が撓むことやフランジ部2にかかる圧力等によって、フ
ランジ部2が変形するようなことがなく、このため位置
ずれ等を生じることなく、確実にアームレスト12等の
被固定物をドアパネル10等の取り付けパネルに固定す
ることができる。
【0035】なお、本考案のスクリューグロメットは、
上記実施例に限定されるものではなく、例えば十字状ス
リット7に形成した切り込み状凹部8は必ずしも必須で
はなく、省略することも可能である。更にフランジ部2
や脚部3の形状等も適宜変更することができ、その他の
構成についても本考案の要旨を逸脱しないかぎり種々変
更して差し支えない。また、本考案のスクリューグロメ
ットは、自動車のドアパネルにアームレストを取り付け
る場合に好適に使用されるものであるが、その用途はこ
れに限定されるものではなく、パネルと物品やパネル同
士を相互に連結するための用途であればいずれの用途に
も使用することができる。
【0036】
【考案の効果】以上説明したように、本考案のスクリュ
ーグロメットによれば、簡単に取り付けパネルに仮止め
することができ、しかもタッピングスクリューの捩じ込
みの際に取り付けパネルから脱落してしまうような不都
合を生じることなく、確実に仮止めすることができる。
また、固定後はいずれの方向のこじり力に対しても等し
く十分な強度を発揮し、しかもフランジ部にこれを撓ま
せるためのスリット等が形成されていないので、脚部が
撓むことやフランジ部にかかる圧力等によってフランジ
部が変形して位置ずれ等を生じることなく、また脚部を
四分割する十字状スリットをその脚部外周面に開放する
4つの先端部がそれぞれ脚部外周面の角部と側面中央と
の中間部に位置するように形成し、脚部角部に十分な肉
厚を保持すると共に、十分な脚部の開き量を確保されて
いるので、タッピングスクリューの捩じ込み時にスクリ
ューグロメットが共回りするのを確実に防止して、極め
て作業性よくかつ強固に被固定物を取り付けパネルに固
定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例にかかるスクリューグロメッ
トを示す平面図である。
【図2】同スクリューグロメットを示す正面図である。
【図3】同スクリューグロメットを示す底面図である。
【図4】同スクリューグロメットを示す図1のIV−I
V線に沿った断面図である。
【図5】同スクリューグロメットを示す図2のV−V線
に沿った断面図である。
【図6】同スクリューグロメットを取り付けパネルに仮
止めした状態を示す一部を断面とした側面図である。
【図7】同スクリューグロメットを用いて自動車のドア
パネルにアームレストを固定して状態を示す断面図であ
る。
【図8】(A),(B)はそれぞれ十字状スリットの形
成態様が本発明の範囲を逸脱したスクリューグロメット
を示す概略図である。
【図9】スクリューグロメットを取り付けパネルに仮止
めした後、タッピングスクリューを捩じ込む際に生じる
共回り現象を説明する概略図である。
【図10】従来のスクリューグロメットを示す斜視図で
ある。
【図11】従来のスクリューグロメットを取り付けパネ
ルに仮止めした状態を示す一部を断面とした側面図であ
る。
【図12】従来のスクリューグロメットを用いて自動車
のドアパネルにアームレストを固定して状態を示す断面
図である。
【図13】自動車のドアに取り付けられたアームレスト
を示す斜視図である。
【図14】従来のスクリューグロメットを取り付けパネ
ルに固定した際こじり力に対する強度を説明する斜視図
である。
【符号の説明】
1 スクリューグロメット 2 フランジ部 3 脚部 4 スクリュー挿通孔 6 スクリュー進入孔 7 十字状スリット 9 仮止め用係止突起 10 ドアパネル(取り付けパネル) 11 取り付け穴 12 アームレスト(被固定物) 15 タッピングスクリュー

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロック状のフランジ部に上面中央部か
    ら下面中央部に至るスクリュー挿通孔を穿設すると共
    に、このフランジ部下面に四角柱状の脚部を突設し、こ
    の脚部に上記スクリュー挿通孔と連通して基端側から先
    端側に向けて漸次小径となるスクリュー進入孔を形成す
    ると共に、このスクリュー進入孔から4つの各開放先端
    部かそれぞれ脚部外周面の4つの角部と各側面中央との
    中間部に至る十字状のスリットを形成して該脚部を四分
    割し、更に上記脚部の外周面に仮止め用係止突起を突設
    してなり、取り付けパネルに形成した四角形の取り付け
    穴に上記脚部を挿入して、該脚部外周面に突設した仮止
    め用係止突起を取り付け穴の内側周縁部に係合させて仮
    止めし、タッピングスクリューをスクリュー挿通孔から
    捩じ込んで、該タッピングスクリューの軸部を上記スク
    リュー進入孔内に該軸部の外周面に形成された雄ねじ部
    に相応する雌ねじ部を螺刻させつつ進入させることによ
    り、上記スリットにより四分割された脚部を四方向に広
    げて、この脚部で取り付け穴の内側周縁部を押圧するこ
    とにより、取り付けパネルに固定するように構成したこ
    とを特徴とするスクリューグロメット。
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