JPS6234016Y2

JPS6234016Y2 -

Info

Publication number: JPS6234016Y2
Application number: JP1982057329U
Authority: JP
Priority date: 1982-04-19
Filing date: 1982-04-19
Publication date: 1987-08-31
Also published as: JPS58158809U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、例えば自動車等の内装部品の組付
け等に用いられるインサートピンに関するもので
ある。

従来、自動車の内装部品、例えばインストルメ
ントパネル等の組付けに際しては、インサートピ
ンと呼ばれるものが使用されている。そして、該
インサートピンは組付けるべき部材（上記例でい
えばインストルメントパネル）に取付けられた
後、被組付け部材側（同ボデイ側）へ差込まれる
ことによつて簡易に組付けがなされる。また、イ
ンサートピンは組付けへの際の作業の簡易さの要
請から、合成樹脂の単体で形成されるのが通常で
ある。つまり、合成樹脂のもつ弾性を利用して、
被組付け部材に弾性係入するという形式を採つて
いるのである。ところが、合成樹脂製であるがた
めに、熱膨張、熱収縮が著しく、これが原因で抜
脱されるという欠点を指摘されていた。

本考案は、これに鑑みて案出されたものであ
る。そして、本考案が目的とするところは、上記
熱変化に対しても安定した保持力が得られるイン
サートピンを提供することである。

以下、本考案の実施例を図面にしたがつて説明
する。本例インサートピンＰは、第１図に示すよ
うに、ピン本体１と係合帯４との２部材より形成
されている。

まず、ピン本体１から説明する。ピン本体１は
合成樹脂にて成形され、かつその上半分および下
半分には被組付け部材および組付け部材のそれぞ
れに対する第１、第２の差込み部１Ａ，１Ｂが形
成されている。

第１差込み部１Ａはその先端側が先細りテーパ
状に形成された２段の略円錐状に形成されてい
て、その段部には被組付け部材に対する抜け止め
縁２が形成されている。

第２差込み部１Ｂは第１差込み部１Ａより小径
に形成され、第１差込み部１Ａの下方へ一体かつ
同軸に延出形成されている。また、第２差込み部
１Ｂの先端側は、その差込み操作の円滑性を図る
ために先細りテーパ状に形成される一方、第１差
込み部１Ａへ至るまでの間には次述係合帯４が嵌
合される差込み軸部３が形成されている。

係合帯４は金属材にて上端縁にフランジ５を有
する略円筒状に形成されており、その軸方向に沿
つて形成された切れ目６により前記差込み軸部３
に対し弾性的に抱着しうる。また、係合帯４の側
面には１対の係合片７，７がほぼ対称に突出形成
されている。各係合片７，７は係合帯４の側面を
それぞれ上向きかつ外方へ切り起こすことによつ
て形成されている。そして、各係合片７，７は、
インサートピンＰの差込み時には相互に窄まる方
向への弾性変形が許容され、一方インサートピン
Ｐに対し抜け方向の外力が作用されたときには各
係合片７，７における自由端側の端縁にて組付け
部材に係止しうる。

次に、本例インサートピンＰを用いた具体的な
取付け作業例を自動車のインストルメントパネル
８（以下、単にパネルという。）の取付け作業を
例にとつて説明する。

例示する取付け作業においては、インサートピ
ンＰとともに第２図に示すようなクリツプＣが使
用される。取付け作業を説明する前に、まずこの
クリツプＣについて略述する。

該クリツプＣはインサートピンＰの第１差込み
部１Ａに対して使用されるものであつて、合成樹
脂材にて上向きに開口する袋状に形成されてい
る。また、クリツプＣの開口周縁にはボデイ９側
の所定部位に穿孔された差込み孔１０の孔縁に係
止されるフランジ縁１２が形成されている。さら
に、クリツプＣの側面対称部位には一対の切り出
し片１１が対設されている。両切り出し片１１は
開閉両方向への弾性変形が許容されており、差込
み孔１０に対し係脱自在に係合しうるとともに、
ピン本体１の第１差込み部１Ａを押込むことがで
き、さらにその内側には抜け止め縁２と係合しう
る爪縁１３がそれぞれ形成されている。

さて、パネル８の取付け作業に先立つて、上記
したクリツプＣをボデイ９側の差込み孔１０に差
込んでおく。この下で、インサートピンＰをパネ
ル８側に差込む。すなわち、パネル８の内側面の
所定部位に突出された差込みボス部１４に対しイ
ンサートピンＰの第２差込み部１Ｂを差込み、第
１差込み部１Ａ側を露出させる。なお、この差込
みの際には、前述したように係合帯４の両係合片
７，７は窄小変形されながら、第２差込み部１Ｂ
とともに差込みボス部１４内に押し込められる。
こうしてパネル８側へのインサートピンＰの装着
がそれぞれ完了した下で、パネル８のボデイ９側
への装着作業がなされる。すなわち、パネル８を
把持して各インサートピンＰの第１差込み部１Ａ
をボデイ９側のクリツプＣにそれぞれ適合させな
がらパネル８全体を強く押し込む。これにより、
第１差込み部１Ａは各クリツプＣの両切り出し片
１１，１１を押し拡げながら差込まれ、この結果
抜け止め縁２と爪縁１３とが係合される。かくし
て、パネル８がボデイ９に対して強固にがた付き
なく取付けられる。

また本例では、パネル８に対して抜け方向の外
力が作用された場合において、係合帯４の両係合
片７，７が差込みボス部１４の内壁へ食い込むた
め、確実に抜け止めをなすことができる（第３図
参照）。さらに、第２差込み部１Ｂと差込みボス
部１４との嵌合において、合成樹脂の弾性を利用
した嵌合力（密着による嵌合力）による従来形式
と異なり、金属製の係合片７，７の食い込みによ
つて抜け止めをなすようにしたため、周囲の熱変
化によつてもその係止力が低下することがなく、
正規の状態に保持される。

なお、第１、第２の両差込み部１Ａ，１Ｂは、
何れも図示の形状に限定されるべき性質のもので
はなく、インサートピンＰの差込み相手形状によ
つて種々変化する性質のものである。例えば、第
１差込み部１Ａにあつては、第４図に示すように
円柱状に形成される場合もある。この場合には、
対応するクリツプC′の形式を、例えば拡開変形
可能な一対の係合脚片１５，１５を備える場合が
考えられる。すなわち、第１差込み部１Ａの差込
み操作により両係合脚片１５，１５を押し拡げ、
これによりボデイ８側への係止を行うものであ
る。さらに、クリツプＣ，C′は本考案の必須の
構成要件でないことはいうまでもなく、これを省
略することも可能である。例えば、図示はしない
が第１差込み部１Ａをねじ軸となすとともに、該
ねじ軸に螺合されるナツト（樹脂製としてもよ
い）を用いて組付け作業をなすことも可能であ
る。さらにまた、第１、第２の両差込み部１Ａ，
１Ｂのそれぞれに係合帯４を嵌合してもよい。

以上の説明から明らかなように、本考案は車両
のボデイに組付けるべき装着部材を同ボデイに固
定するためのインサートピンであつて、合成樹脂
製のピン本体と金属製の係合帯とからなり、ピン
本体は装着部材から突設された中空のボス部に差
込み可能でかつ前記係合帯を嵌着可能な第２差込
み部が形成され、他側には第１差込み部が同軸で
形成され、前記係合帯には前記ボス部の内壁に食
込みうる係合片が外向きに切り起し形成されてな
り、さらに前記ピン本体の第１差込み部側は、ボ
デイの適所に穿孔された差込み孔に対し係脱自在
に弾性係合可能でかつ第１差込み部と係合可能な
クリツプに対し嵌込み可能としたものである。

したがつて、本考案によれば、金属製係合帯の
係止片によつて装着部材に係止させるようにした
ため、従来と異なり、熱変化による係止力の低下
を防ぐことができる。また、取外し可能なクリツ
プを介して装着部材を止め付けるようにしたた
め、装着部材に取外しの必要が生じた場合に、そ
の作業が簡単である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すものであつて、第
１図は本例インサートピンの分解斜視図、第２図
は本例インサートピンを用いたインストルメント
パネルの取付け状態を示す断面図、第３図は係合
片の食い込み状況を拡大して示す断面図、第４図
はインサートピンの別例によるインストルメント
パネルの取付け状態を示す断面図である。１……ピン本体、３……差込み軸部、４……係
合帯、７……係合片、８……インストルメントパ
ネル、９……ボデイ、Ｃ，C′……クリツプ、Ｐ
……インサートピン。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

車両のボデイに組付けるべき装着部材を同ボデ
イに固定するためのインサートピンであつて、合
成樹脂製のピン本体と金属製の係合帯とからな
り、ピン本体は装着部材から突設された中空のボ
ス部に差込み可能でかつ前記係合帯を嵌着可能な
第２差込み部が形成され、他側には第１差込み部
が同軸で形成され、前記係合帯には前記ボス部の
内壁に食込みうる係合片が外向きに切り起し形成
されてなり、さらに前記ピン本体の第１差込み部
側は、ボデイの適所に穿孔された差込み孔に対し
係脱自在に弾性係合可能でかつ第１差込み部と係
合可能なクリツプに対し嵌込み可能とされている
ことを特徴とするインサートピン。