JP2567559B2 - プレキャスト桁による橋梁の施工方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、橋梁を施工する工法の
内、桁をプレキャスト部材で行う場合の施工方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、同工法で施工する場合、施工すべ
き橋脚間に予めワイヤを張り渡しておき、プレキャスト
桁を順次ワイヤに吊り送り出すか、手延べ式で梁を順次
既設部分から送り出し、所要の橋脚間に予め掛け渡した
状態で、その仮設梁から吊るあるいは載せる等の適当な
方法でプレキャスト桁を順次送り出す施工方法によって
いた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、張った
ワイヤから吊り下げる方法では、ワイヤのたわみ等が問
題となり、また手延べ式の仮設梁では、梁そのものを仮
設するのに時間がかかった。

【０００４】本発明は、形式としては仮設梁によってプ
レキャスト桁を仮設するものであって、所要の橋脚間の
仮設梁の掛け渡し時間を短縮することを目的としてなさ
れたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、仮設梁を橋脚間で仮設梁に設けたピンを
介して着脱可能に、かつピンを支点として垂直方向に旋
回可能に支持し、仮設梁の移設の際には、仮設梁を掛け
渡した橋脚の内、施工順位で後方に位置する橋脚におけ
るピンを支点として仮設梁を垂直方向に旋回させ、旋回
支点となったピンの橋脚とその橋脚の施工順位でさらに
後方に位置する橋脚とで橋脚とで仮設梁を支持し、その
仮設梁を用いてプレキャスト桁の架設を行うものとす
る。

【０００６】本発明を実施するに際し、仮設梁を掛け渡
すのは、橋脚近くに立設した柱間であってもよい。ま
た、旋回力をできるだけ小さいもので足りるようにする
ために、仮設梁の旋回側支点端にカウンターウエイトを
取り付けるようにするとよい。また、仮設梁は橋脚の両
側に１つずつ計２つ設けるものであり、移設の際には２
つの仮設梁を連結しておいて同時に旋回を行うようにす
るとよい。また、仮設梁は移設の時は自重及び移設に際
して作用する必要最小限の荷重に対して強度をもつだけ
のものにして、後で適当に補強する方法をとってもよ
い。

【０００７】

【作用】旋回による移設であるので、短時間に仮設梁の
移設を行うことができる。仮設梁を用いてプレキャスト
桁を搬送するには、荷を昇降させる機能をもつもの、例
えば走行式の門型クレーンを仮設梁上のガイドレール上
を走行し、門型クレーンでプレキャスト桁を吊って目的
の位置まで搬送し、プレキャスト桁を吊り降ろして仮設
梁に直接あるいは仮設梁に取付けたブラケット等で支持
する。

【０００８】

【実施例】施工中の全体図を図１及び図２に示す。各橋
脚１Ａ、１Ｂ、１Ｃには予め仮設梁４を受けるブラケッ
ト２を設けておく。仮設梁４の両端部付近にピン５が設
けてあり、図では仮設梁４が橋脚１Ａと１Ｂの間に掛け
渡されている。仮設梁４のピン５の各ブラケット２の上
が欠けた形状のＵ字型の受け３にはめ合い支持されてい
る。ただし、荷重条件によっては別に固定点を増す等の
対策を採る。

【０００９】橋脚１Ａと１Ｂの間に掛け渡されている仮
設梁４を橋脚１Ｂと１Ｃの間に掛けかえる方法を図４及
び図５に模式的に示す。まず、図４に示すように、仮設
梁４の橋脚１Ｂ側にカウンタウエイト６を取付ける。次
いで、図５に示すように、施工順位で後方の橋脚１Ｂの
ピン回りに仮設梁４を旋回させる。施工順位で前方の橋
脚１Ａ側のピン５が仮設梁４の回転に伴って施工順位で
さらに後方の橋脚１Ｃのブラケット２のＵ字型の受け３
にはめ合った状態で、カウンタウエイト６を外す。

【００１０】ピン５とブラケット２のＵ地型の受け３
は、ピン回りに仮設梁４を回転させるはめ合い部におい
て外れ止め等を施すのがよく、作業終了時に全てのピン
部に同様の処置をするのが望ましい。また、ピン回りで
仮設梁４を回転する回転装置の能力その他の条件によっ
てはカウンタウエイト６を取り付けてなくてもよい場合
がある。

【００１１】仮設梁４は図２に示すように橋脚１の両側
に１つずつ計２つ設けるものであり、各々を前記の方法
により移設するが、２つの仮設梁４を連結しておいて同
時に作業を行ってもよい。この場合、連結の強度によっ
て図３に示すブラケット２の形状でよい。また、ブラケ
ット２は橋脚１とは独立に自立していてもよい。また、
仮設梁は、移設の時に自重及び移設に際して作用する必
要最小限の荷重に対して強度をもつだけのものにして、
後で適当に補強する方法をとってもよい。

【００１２】図６及び図７に仮設梁によりプレキャスト
桁を搬送する方法を示す。仮設梁４の上面にガイドレー
ル７が敷設してあり、そのレール７上を転動する車輪９
を有する門型クレーン８のウインチ１０でプレキャスト
桁６を吊り下げ、目的の位置まで運び、吊り降ろす。吊
り降ろしたプレキャスト桁６は、仮設梁４に取付けたブ
ラケット等で支持する。プレキャスト桁を搬送する搬送
装置は、図示は省略するが荷を昇降させる機能を持つ台
車なら所期の目的を果す。

【００１３】

【発明の効果】本発明は、プレキャスト桁による橋梁の
施工法において、橋脚間に掛け渡してプレキャスト桁の
搬送を行う仮設梁の移設を、橋脚または別に設けた柱に
おける仮設梁のピンを支点として旋回により行うもので
あるので、仮設梁の掛け替え時間を大巾に短縮すること
ができる。また、プレキャスト桁の搬送は仮設梁上を走
行する台車によって行われるので、橋脚間に張り渡した
ワイヤによる場合のようにワイヤのたるみ等による不都
合を生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】プレキャスト桁による橋梁の施工を示す側面
図。

【図２】図１のＡ矢視図。

【図３】ブラケットの他の例を示す正面図。

【図４】仮設梁の移設方法を示し、移設前の側面図。

【図５】図４の仮設梁の移設中の側面図。

【図６】仮設梁を用いてプレキャスト桁を搬送する方法
を示す正面図。

【図７】図６の側面図。

【符号の説明】

１・・・橋脚 ２・・・ブラケット ３・・・Ｕ字型の受け ４・・・仮設梁 ５・・・ピン ６・・・カウンタウエイト ７・・・ガイドレール ８・・・門型クレーン ９・・・車輪 １０・・・ウインチ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 橋脚間に仮設梁を掛け渡し、その仮設梁
   上を移動させてプレキャスト桁を橋脚間に架設するプレ
   キャスト桁による橋梁の施工方法において、上記仮設梁
   を橋脚間または橋脚近くに立設した柱間で仮設梁に設け
   たピンを介して着脱可能に、かつピンを支点として垂直
   方向に旋回可能に支持し、仮設梁の移設の際には、仮設
   梁を掛け渡した橋脚または柱の内、施工順位で後方に位
   置する橋脚または柱におけるピンを支点として仮設梁を
   垂直方向に旋回させ、旋回支点となったピンの橋脚また
   は柱とその橋脚または柱の施工順位でさらに後方に位置
   する橋脚または柱として仮設梁を支持し、その仮設梁を
   用いてプレキャスト桁の架設を行うことを特徴とするプ
   レキャスト桁による橋梁の施工方法。