JP2565967B2 - 光学式情報記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は光学式情報記録再生装置（以下、光ディス
ク装置という）に関し、より具体的には、光ディスクに
光学的に情報を記録・再生する装置における光ヘッドの
移動制御に関する。

〈従来の技術〉 従来、光ディスク装置は第７図の構成をとっており、
情報担体であるところのディスク１に情報トラック（図
示省略）が同心円状あるいはらせん状に配置されてい
る。このディスク１をモータ２により回転させて、光ヘ
ッド３内に設けられた発光素子による光束を対物レンズ
により集光してディスク面１のトラックに照射する。こ
の照射された光ビーム４の反射光により、情報の再生を
行なう。光ヘッド３の概略的な構造を示す模式図を第２
図に示す。対物レンズ５は上下方向及び左右方向に移動
可能となっている。

対物レンズ５を上下方向に移動させることにより、集
光された光ビーム４の焦点をディスク１の情報トラック
面に維持するための制御（フォーカシングサーボ）が行
なわれる。

また、情報トラックのピッチは通常２μｍ以下であ
り、一方ディスク１の回転中心とトラックの中心との偏
心が通常100μｍ以上であるため、光ビーム４をトラッ
クに正確に追従させるためには、光ビーム４を情報トラ
ックに沿ってディスク１の半径方向に動かす制御（トラ
ッキングサーボ）が必要であり、このために対物レンズ
５を第２図における左右方向に振らせている。

更に、ディスク１の情報トラックがらせん状の場合
は、光ビーム４はトラックに従ってディスク１の半径方
向へ移動するため、光ヘッド３自体を遅いスピードで移
動させる制御が必要である。

この光ヘッド３の移動には、第２図に示すように対物
レンズ５の位置を検出するレンズ位置センサー（変位検
出手段）６を設け、これにより光ビーム４の照射位置の
移動量を検出し、その情報を制御安定器、駆動アンプ等
の補償制御器７（第７図）に入力して、光ヘッド３を移
動させるために必要な信号を出力し、これにより光ヘッ
ド３の移動をするためのリニアモータ８を駆動してい
た。

〈発明が解決しようとする問題点〉 したがって、光ヘッド３の移動を行なう上記制御系の
制御誤差を減少させるため、あるいは外乱に対し制御性
を上げるために、制御系の利得を上げると、光ヘッド３
の移動には無意味なディスク１の偏心に起因する回転周
波数成分がリニアモータ８の駆動信号に大きく作用
し、、ディスク１の偏心に起因する対物レンズ５の振れ
に光ヘッド３自体が追従し、光ヘッド３を振らせるため
の消費電力（無効消費電力）のために光ヘッド３を駆動
するための消費電力が著しく増大するという問題点があ
った。

また、設定する制御帯域によってはトラッキングサー
ボへの偏心外乱を増長する結果となっていた。

本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであ
ってその目的とするところは、制御系の利得を上げるこ
とが可能であり、外乱に対する強い安定性等を得ること
ができる光学式情報記憶再生装置を提供するにある。

〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するために、本発明に係る光学式情報
記憶再生装置は、同心円又はらせん状のトラック形態を
有する盤状情報担体を回転させ、該盤状情報担体に光ビ
ームを照射し情報の記録・再生を行なう光学式情報記録
再生装置において、該光ビームを照射し情報の記録・再
生を行なう光学手段と、該光学手段内に設けられ該光ビ
ームを該トラックに対し略直角に変位する光ビーム変位
手段と、該光ビームの変位量を検出する変位検出手段
と、該盤状情報担体の回転中心と該トラックの中心との
偏りの情報を記憶する記憶手段と、該光学手段を該トラ
ックに対し略直角に移動する移動手段とを有し、該変位
検出手段からの情報と該記憶手段からの情報を該移動手
段に与えて該移動手段の駆動を行なうこととした。

〈作用〉 変位検出手段からの情報と記憶手段からの情報を加え
合わせることにより、ディスクの偏心成分を持たない情
報が得られる。

〈実施例〉 第１図は本発明の一実施例を示す模式図である。

光ディスク装置の基台９にモータ２が固定され、その
モータ２には、同心円状又はらせん状に情報トラックが
配置されたディスク１が軸結されている。ディスク１の
下側には半径方向に摺動部材10が渡してあり、光ヘッド
３がその摺動部材10上を摺動可能となっている。光ヘッ
ド３の移動手段はリニアモータ８であり、これは光ヘッ
ド３に固設されたリニアモータコイル8a,及び摺動部材1
0と平行に配設されリニアモータコイル8aに推力を発生
させるリニアモータ磁石8bにより構成される。

光ヘッド３の内部の概略的な構造を第２図に示す。対
物レンズ５が上下及び左右方向に移動可能に配設されて
おり、対物レンズ５により光ヘッド３内で発生する光ビ
ーム４をディスク１上に集光する。対物レンズ５を上下
方向に動かすことによりフォーカスサーボを行ない、左
右方向に動かすことによりトラッキングサーボを行な
う。光ヘッド３にはレンズ位置センサ６が設けられてお
り、対物レンズ９のトラッキング方向の位置を検出する
ことができるようになっている。

レンズ位置センサ６により検出されたレンズ位置信号
は記憶手段であるメモリ11に入力される。

メモリ11により記憶される情報は、ディスク１の回転
中心とトラックの中心点とのずれ、即ち偏心成分である
ことが望ましく、そのために、マイクロコンピュータ等
の処理でDC分のカットあるいは他の外乱の除去を行う。

次に、メモリ11に蓄えられた情報はレンズ位置センサ
６からのリアルタイムの情報12と加え合せ点13で加え合
せられ、補償制御器７へ入力される。そして、光ヘッド
３を移動させるために必要な信号をリニアモータコイル
8aに与え、光ヘッド３を移動させる。

以上の構成よりなる本実施例の動作を次に説明する。

ディスク１をモータ２により回転させ、前述のフォー
カスサーボ、トラッキングサーボをかける。このとき、
レンズ位置センサ６により検出されるレンズ位置信号は
第３図のような波形となる。ディスク１の回転中心とト
ラッキングの中心点との偏心により、ディスクの回転周
期に同期した略正弦波となる。

このレンズ位置信号より、マイクロコンピュータ等の
処理でDC分のカット、他の外乱の除去等を行ない、ディ
スク１の偏心成分を抽出し、メモリ11に記憶しておく。

次にレンズ位置センサ６により検出される、対物レン
ズ５のトラッキングサーボに基づく現時点（リアルタイ
ム）のレンズ位置信号12に、メモリ11に記憶された情報
を加え合せ点13で加え合せて、その差をとり、その情報
を補償制御器７へ入力するが、メモリ11の出力とレンズ
位置信号との合成信号である補正信号は、ディスク１の
偏心成分を持たない信号となる。

そして、補償制御器７からの情報をリニアモータコイ
ル8aに与え、光ヘッド３を移動させる。

以上のように補償制御器７へ入力される補正信号はデ
ィスク１の偏心成分を持たない信号となるため、この制
御系の利得を上げても偏心成分による無効な駆動力を発
生しないで済み、偏心による影響をなくし、安定な制御
系を構成できる。

第４図は本発明の他の実施例を示す模式図である。

14はトラックコントロールであり、トラッキング機構
に接続され、トラッキングサーボあるいはトラックアク
セス時の数＋トラックの移動の際にトラックジャンプの
コントロールを行う。

15はトラックコントロール14からの信号を入力し、そ
の信号に応じた対物レンズ５の動きを模倣した信号を出
力する変位補正装置である。

他は第１図に示す実施例と同様であるため説明を省略
する。

以上の構成よりなる本実施例において、光ビームの照
射位置を現在位置のトラックから数＋トラック離れたト
ラックへアクセスする場合、トラッキング機構（光ビー
ム変位手段）に第５図の信号が印加される。

この信号がトラッキング機構に印加されることによ
り、対物レンズ５の位置は第６図のように移動する。

変位補正装置15は、第５図の信号を入力し、２次の積
分器あるいはマイクロコンピュータ等により、模擬的に
第６図のような模擬レンズ位置信号を出力する。

この模擬レンズ位置信号は加え合せ点13において、対
物レンズ５のリアルタイムのレンズ位置信号12及びメモ
リ11から出力された信号と加え合わせられ、それらの合
成信号（補正信号）が補償制御器７に入力され、補償制
御器７より出力された信号によりリニアモータ８が駆動
される。

従ってトラックジャンプ時も、リニアモータには、レ
ンズ位置信号による駆動力が加わらず、リニアモータの
応答に関係なく安定なトラックジャンプが行なえる。

〈発明の効果〉 本発明に係る光学式情報記録再生装置は、ディスクの
偏心成分をメモリに記憶し、リアルタイムのレンズ位置
信号と加え合わせ、この信号（補正信号）を駆動信号と
するため、制御系の利得を上げても無効消費電力が発生
せず、従って制御系の利得の設定が容易であり、また、
制御利得を上げることにより外部振動等の外乱に強くな
る。

また、トラックジャンプ時に、トラッキングサーボ系
に外乱を与えない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す模式図、第２図は光ヘ
ッドの構造を示す模式図、第３図は横軸に時間、縦軸に
レンズ位置をとった、レンズ位置センサにより検出され
たレンズ位置信号のグラフ、第４図は本発明の他の実施
例を示す模式図、第５図は数＋トラック離れたトラック
へアクセスする場合に印加される信号、第６図は横軸に
時間、縦軸にレンズ位置をとった、第５図の信号が印加
された場合の対物レンズの移動を表わすグラフ、第７図
は従来の光学式情報記録再生装置の一例を示す模式図で
ある。 １……ディスク、２……モータ、３……光ヘッド、４…
…光ビーム、５……対物レンズ、６……レンズ位置セン
サ、７……補償制御器、8a……リニアモータコイル、8b
……リニアモータ磁石、９……基台、11……メモリ、12
……レンズ位置信号、13……加え合せ点、14……トラッ
クコントロール、15……変位補正装置。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】同心円又はらせん状のトラック形態を有す
   る盤状情報担体を回転させ、該盤状情報担体に光ビーム
   を照射し情報の記録・再生を行なう光学式情報記録再生
   装置において、該光ビームを照射し情報の記録・再生を
   行なう光学手段と、該光学手段内に設けられ該光ビーム
   を該トラックに対し略直角に変位する光ビーム変位手段
   と、該光ビームの変位量を検出する変位検出手段と、該
   盤状情報担体の回転中心と該トラックの中心との偏りの
   情報を記憶する記憶手段と、該光学手段を該トラックに
   対し略直角に移動する移動手段とを有し、該変位検出手
   段からの情報と該記憶手段からの情報を該移動手段に与
   えて該移動手段の駆動を行なうことを特徴とする光学式
   情報記録再生装置。
2. 【請求項２】上記光ビーム変位手段の駆動信号に応じた
   光ビーム変位量の情報を出力する変位補正手段を設け、
   上記変位検出手段からの情報と上記記憶手段からの情報
   に該変位補正手段からの情報を加えて上記移動手段に与
   えることを特徴とする請求項１記載の光学式情報記録再
   生装置。