JPH08279170A - トラッキングサーボ装置及び方法 - Google Patents

トラッキングサーボ装置及び方法

Info

Publication number
JPH08279170A
JPH08279170A JP10689395A JP10689395A JPH08279170A JP H08279170 A JPH08279170 A JP H08279170A JP 10689395 A JP10689395 A JP 10689395A JP 10689395 A JP10689395 A JP 10689395A JP H08279170 A JPH08279170 A JP H08279170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
optical
error signal
tracking error
tracking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10689395A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Sano
英樹 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP10689395A priority Critical patent/JPH08279170A/ja
Publication of JPH08279170A publication Critical patent/JPH08279170A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ディスクのトラッキング制御において、ト
ラッキングエラー信号に対するオフセット値を補償する
ためのバイアス値が最適に設定できるようする。 【構成】 光ディスクを回転させると共に、駆動信号発
生回路61により、光学ピックアップをディスクの半径
方向に動かす。この状態で、RFアンプ9からのトラッ
キングエラー信号TEのセンター値をローパスフィルタ5
3で抽出する。トラバース信号の周波数成分に対して、
光学ピックアップを送るときの周波数成分が付加され、
トラバース信号中に直流に近い成分がなくなる。したが
って、トラッキングエラー信号の低域成分からバイアス
値を形成する際のローパスフィルタ53の遮断周波数を
低くしなくても、トラバース信号のセンター値を正確に
取り出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンパクトディスク
等の光ディスクに用いられるトラッキングサーボ回路及
び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスク等の光ディスク再生
装置には、ビームスポットがディスク面で合焦するよう
に制御するためのフォーカスサーボ回路や、ビームがト
ラックに沿ってトレースするように制御するためのトラ
ッキングサーボ回路が設けられている。
【0003】すなわち、光ディスク再生装置の光学ピッ
クアップには、再生RF信号を検出すると共にビームが
円形かどうかを検出してフォーカスサーボエラー信号を
求めるための4分割フォトディテクタ、及びサイドビー
ムを検出してトラッキングエラー信号を求めるためのフ
ォトディテクタが設けられている。これらのフォトディ
テクタの出力が演算され、フォーカスサーボエラー信号
やトラッキングサーボエラー信号が得られる。これらの
サーボエラー信号は、エラーが無い場合には例えば0と
なり、エラー方向とエラー量に応じて、プラス又はマイ
ナスのエラー電圧となる。なお、不平衡の電源を用いた
場合には、エラーが無い場合には例えばVCC/2(VCC
は電源電圧)となり、エラー方向とエラー量に応じて、
CC/2を中心として、それより高い又は低いエラー電
圧となる。
【0004】光学ピックアップの対物レンズは、2軸デ
バイスにより、フォーカス方向とトラッキング方向とに
移動可能とされている。フォトディテクタの出力を演算
して得られたフォーカスサーボエラー信号及びトラッキ
ングエラー信号に基づいて、2軸デバイスのフォーカス
駆動コイル及びトラッキング駆動コイルが制御され、対
物レンズがディスクの接線方向及びディスクと離間する
方向に駆動される。これにより、トラッキングサーボ及
びフォーカスサーボ制御が行われる。
【0005】サーボエラー信号は、上述のように、エラ
ーが無い場合には例えば0となり、エラー方向とエラー
量に応じて、プラス又はマイナスのエラー電圧となる。
ところが、フォトディテクタの感度のばらつきや、フォ
トディテクタの出力を演算する演算増幅器のオフセット
電圧等により、サーボエラー信号にオフセット成分が生
じることがある。このため、エラーが無いときのサーボ
エラー信号を例えば0にするようなオフセット調整が必
要になる。このオフセット調整は、従来、工場出荷時に
手動で行われていたが、手動によるオフセット調整で
は、生産性が悪く、また、経時変化等に対応できない。
そこで、オフセット調整を自動化するようにしたものが
提案されている。
【0006】例えば、トラッキングサーボの場合には、
ディスクを回転させると、ディスクの偏芯により、トラ
バース信号が得られる。このトラバース信号をローパス
フィルタ介して取り出し、トラバース信号のセンター値
を求めることで、オフセットを補償するためのバイアス
値が得られる。このようにして得られたバイアス値がト
ラッキングエラー信号に与えられる。これにより、トラ
ッキングサーボにおけるオフセット調整が自動的に行え
る。
【0007】つまり、図10は、従来のトラッキングサ
ーボ回路において、オフセットを自動調整するための回
路の一例である。図10において、入力端子101に、
トラッキングエラー信号が供給される。入力端子101
からのトラッキングエラー信号は、ローパスフィルタ1
02に供給されると共に、減算器103に供給される。
ローパスフィルタ102の出力がレジスタ104に供給
される。レジスタ104の出力がスイッチ回路105の
端子105Aに供給される。スイッチ回路105の端子
105Bは接地される。スイッチ回路105の出力が減
算器103に供給される。減算器103の出力が出力端
子106から出力される。
【0008】トラッキングサーボのオフセット調整をす
る場合には、スイッチ回路105が端子105B側に設
定される。ディスクを回転させると、ディスクの偏芯に
より、図11に示すように、トラッキングエラー信号に
は所謂トラバース信号が現れる。このトラバース信号が
ローパスフィルタ102を介され、ローパスフィルタ1
02の出力からトラバース信号のセンター値が取り出さ
れる。このトラバース信号のセンター値がレジスタ10
4に蓄えられる。このトラバース信号のセンター値がオ
フセットを除去するためのバイアス値とされる。
【0009】トラッキングサーボ制御がなされるときに
は、スイッチ回路105が端子105A側に設定され
る。このため、減算器103には、レジスタ104から
トラバース信号のセンター値がバイアス値として供給さ
れる。減算器103により、入力端子101からのトラ
ッキングエラー信号から、このバイアス値が減算され
る。これにより、サーボエラー信号中のオフセット成分
が除去される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来で
は、トラッキングエラー信号に対しては、トラバース信
号をローパスフィルタ通すことで、トラバース信号のセ
ンター値を求め、これをバイアス値としている。ところ
が、ディスクの偏芯により得られるトラバース信号の周
波数は大きく変動するため、このような構成では、ロー
パスフィルタ102の遮断周波数をどのように設定する
かが問題になる。
【0011】つまり、図11に示すように、トラバース
信号の波形には、直流に近い成分が含まれている。すな
わち、図11において、Pで示す部分は、偏芯によりデ
ィスクの半径方向の動きが反転する点であり、この偏芯
によりディスクの半径方向の動きが反転する点では、偏
芯速度は殆ど0になり、トラバース信号は殆ど直流とな
る。このように、トラバース信号中には、殆ど直流の成
分があるため、トラバース信号のセンター値を正確に取
り出すためには、ローパスフィルタ102の遮断周波数
を低くする必要がある。ところが、ローパスフィルタ1
02の遮断周波数を低くすると、ローパスフィルタ10
2の出力からトラバース信号のセンター値を取り出すま
でに要する時間が長くなるという問題が生じる。
【0012】したがって、この発明の目的は、トラッキ
ングエラー信号に対するオフセット値を補償するための
バイアス値が最適に設定できるトラッキングサーボ装置
及び方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、情報信号が
記録された光ディスクと、光ディスクにビームを照射
し、光ディスクから情報を読み出す光学情報読出手段
と、光学情報読出手段の出力からトラッキングエラー信
号を抽出するトラッキングエラー信号抽出手段と、トラ
ッキングエラー信号の低域成分を検出してバイアス値を
形成するバイアス値形成手段と、トラッキングエラー信
号に対してバイアス値を与えるバイアス付与手段と、光
学情報読出手段を光ディスクの半径方向に移動させるピ
ックアップ移動手段と、トラッキングエラー信号に基づ
いて、光学情報読出手段から光ディスクに照射されるビ
ームをトラッキング方向に制御するビーム可変手段とを
備え、光ディスクを回転させると共に光学情報読み取り
手段を光ディスクの半径方向に移動させ、トラッキング
エラー信号の低域成分からバイアス値を形成し、バイア
ス値をトラッキングエラー信号に与えるようにしたこと
を特徴とするトラッキングサーボ装置である。
【0014】
【作用】光ディスクを回転させると共に光学情報読み取
り手段を光ディスクの半径方向に動かした状態で、光学
情報読出手段の出力からトラバース信号のセンター値を
抽出している。このため、トラバース信号の周波数成分
に対して、光学情報読み取り手段を送るときの周波数成
分が付加され、トラバース信号中に直流に近い成分がな
くなる。したがって、トラッキングエラー信号の低域成
分からバイアス値を形成する際のローパスフィルタの遮
断周波数を低くしなくても、トラバース信号のセンター
値を正確に取り出すことができる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して説明する。図1は、この発明が適用できる光ディ
スク再生装置の一例である。図1において、1は光ディ
スクである。光ディスク1は、例えば、ディジタルオー
ディオ信号がピット列として記録されているコンパクト
ディスクである。光ディスク1は、スピンドルモータ2
により回転される。
【0016】光ディスク1に対して、光学ピックアップ
3が設けられる。光学ピックアップ3は、レーザービー
ムを照射するレーザーダイオード、偏光ビームスプリッ
タや対物レンズ4等の光学系、反射光を受光するための
フォトディテクタ等からなる。光学ピックアップ3の対
物レンズ4は、2軸デバイス5により、ディスクの接線
方向(トラッキング方向)と、ディスクと離間する方向
(フォーカス方向)に制御可能とされている。2軸デバ
イス5には、対物レンズをトラッキング方向に動かすた
めのTRKコイル6と、対物レンズをフォーカス方向に
動かすためのFCコイル7とが設けられている。光学ピ
ックアップ3全体は、スレッドモータ8により、光ディ
スク1の半径方向に移動可能とされている。
【0017】光学ピックアップ3の出力がRFアンプ9
に供給される。RFアンプ9は、光学ピックアップ3の
出力から、RF信号RF、トラッキングエラー信号TE、フ
ォーカスエラー信号FEを形成する。
【0018】つまり、光学ピックアップ5のフォトディ
テクタは、図2に示すように、フォトディテクタ21
A、21B、21C、21D、及び21E及び21Fか
らなる。シリンドリカルレンズを介してフォトディテク
タ21A〜21Dに集光されるビームスポットは、ジャ
ストフォーカスでは円形となり、それより前後に離れる
と、楕円形になる。このため、フォトディテクタ21
A、21B、21C、21Dの出力を夫々SA 、SB
C 、SD とすると、フォーカスエラー信号は、(SA
+SC )−(SB +SD )で求めることができる。ま
た、再生RF信号は、(SA +SC +SB +SD )で求
めることができる。更に、ビームスポットがトラックセ
ンターをトレースしているときには、フォトディテクタ
21Eの出力をSE 、フォトディテクタ21Fの出力を
F とすると、トラッキングエラー信号は、(SF −S
E )で求められる。
【0019】RFアンプ9には、図2に示すように、再
生RF信号を求めるための加算器25、フォーカスエラ
ー信号を求めるための加算器22、23及び減算器2
4、トラッキングエラー信号を求めるための減算器26
が設けられる。
【0020】フォトディテクタ21A、21B、21
C、21Dの出力は、加算器25で加算され、これによ
り(SA +SC +SB +SD )なる演算がなされ、RF
信号RFが得られる。このRF信号RFは、出力端子27か
ら出力される。
【0021】フォトディテクタ21Aの出力とフォトデ
ィテクタ21Cの出力とが加算器22で加算され、フォ
トディテクタ21Bの出力とフォトディテクタ21Dの
出力とが加算器23で加算され、加算器22の出力と加
算器23の出力とが減算器24で減算される。これによ
り、(SA +SC )−(SB +SD )なる演算がなさ
れ、フォーカスエラー信号FEが得られる。このフォーカ
スエラー信号FEは、出力端子28から出力される。
【0022】フォトディテクタ21E及び21Fの出力
は、減算器26で減算され、これにより(SF −SE
なる演算がなされ、トラッキングエラー信号TEが得られ
る。このトラッキングエラー信号TEは、出力端子29か
ら出力される。
【0023】図1において、RFアンプ9からのRF信
号RF、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラー信
号TEは、ディジタルサーボ回路10に供給される。ま
た、ディジタルサーボ回路10には、信号処理回路15
から、PLLにより再生されたビットクロックPCK が供
給される。更に、ディジタルサーボ回路10には、シス
テムコントローラ14から、トラックジャンプ、アクセ
ス指令等の指令が与えられる。
【0024】ディジタルサーボ回路10は、これらのエ
ラー信号や指令に基づいて、PWM信号の形態とされた
トラッキングサーボ信号STRK 及びフォーカスサーボ信
号SFCK を形成する。このトラッキングサーボ信号S
TRK 及びフォーカスサーボ信号SFCK は、ドライバ11
及び12を夫々介して、光学ピックアップ3の2軸デバ
イス5のTRKコイル6及びFCKコイル7に夫々供給
される。また、このトラッキングエラー信号TEを基に、
スレッドサーボ信号SSMが形成され、このスレードサー
ボ信号SSMがドライバ13を介してスレッドモータ8に
供給される。更に、信号処理回路15からの再生ビット
クロックPCK を基に、スピンドルサーボ信号SSPDLが形
成される。このスピンドルサーボ信号SSPDLは、ドライ
バ14を介してスピンドルモータ2に供給される。これ
により、光ディスク1が線速度一定で以て回転制御され
る。
【0025】信号処理回路15は、再生RF信号のビッ
トクロックを抽出し、再生信号をEFM復調し、更に、
CIRCによるエラー訂正処理等を行う。また、エラー
訂正不能な場合には、補間処理等を行う。更に、信号処
理回路11は、サブコードデータの抽出処理を行う。抽
出されたサブコードデータは、システムコントローラ1
4に送られる。
【0026】信号処理回路15の出力は、D/Aコンバ
ータ16に供給される。D/Aコンバータ16で、ディ
ジタル音声信号がアナログ音声信号に変換される。そし
て、このアナログ音声信号が出力端子17から出力され
る。
【0027】システムコントローラ14には、キー入力
部18から、再生、停止、一時停止等の入力が与えられ
る。また、システムコントローラ14の出力が表示部1
9に供給される。表示部19には、再生、停止、一時停
止等の動作状態や再生時間や再生曲番等の表示がなされ
る。
【0028】図3は、上述の光ディスク再生装置におけ
るトラッキングサーボ回路の詳細を示すものである。こ
の発明は、上述のような光ディスク再生装置において、
トラッキングサーボのオフセットを自動調整するのに用
いることができる。
【0029】図3において、RFアンプ9からは、前述
したように、RF信号RF、フォーカスエラー信号FE、ト
ラッキングエラー信号TEが出力される。RFアンプ9か
らのトラッキングエラー信号TEは、ディジタルサーボ回
路10のA/Dコンバータ51に供給される。A/Dコ
ンバータ51で、トラッキングエラー信号TEがディジタ
ル化される。A/Dコンバータ51の出力が減算器52
に供給されると共に、ローパスフィルタ53に供給され
る。
【0030】ローパスフィルタ53は、ディスクの偏芯
によるトラバース信号のセンター値を求めるものであ
る。このようにトラバース信号のセンター値を求めるこ
とで、オフセットを補償するためのバイアス値が設定さ
れる。このローパスフィルタ53の出力がレジスタ54
に供給される。
【0031】レジスタ54の出力がスイッチ回路55の
端子55Aに供給される。スイッチ回路55の端子55
Bが接地される。スイッチ回路55の出力が減算器52
に供給される。
【0032】減算器52の出力がレジスタ56及び57
に供給される。レジスタ56の出力が位相補償回路5
8、ドライバー11を介して、TRKコイル6に供給さ
れる。
【0033】レジスタ57の出力が位相補償回路59に
供給される。位相補償回路59の出力がスイッチ回路6
0の端子60Aに供給される。スイッチ回路60の端子
60Bには、駆動信号発生回路61の出力が供給され
る。スイッチ回路60の出力がドライバー13を介して
スレッドモータ8に供給される。
【0034】オフセット自動調整を行う際には、先ず、
フォーカスサーボをオン状態で、光ディスク1が回転さ
れる。そして、スイッチ回路55が端子55B側に設定
されると共に、スイッチ回路60が端子60B側に設定
される。スイッチ回路60が端子60B側に設定される
と、駆動信号発生回路61からの駆動信号によりスレッ
ドモータ8が駆動され、光学ピックアップ3が送られて
いく。このように、光ディスク1を回転すると共に、光
学ピックアップ3を送っている状態で、ローパスフィル
タ53からトラバース信号のセンター値が取り出され
る。このローパスフィルタ53の出力がレジスタ54に
供給される。
【0035】トラッキングサーボを行うときには、スイ
ッチ回路55が端子55A側に設定され、スイッチ回路
60が端子60A側に設定される。このため、トラッキ
ングエラー信号TEから、レジスタ54の出力が減算され
る。レジスタ54には、光ディスク1を送りながら、ロ
ーパスフィルタ53を介して得られたトラバース信号の
センター値がバイアス値として蓄えられている。減算器
52で、トラッキングエラー信号TEから、このようにし
て求められたバイアス値が減算され、これにより、サー
ボエラー信号中のオフセット成分が除かれる。
【0036】このように、この発明の一実施例では、光
学ピックアップ3を送りながら、トラバース信号のセン
ター値をバイアス値として検出している。このため、ト
ラバース信号のセンター値を取り出すためのローパスフ
ィルタ53の遮断周波数を下げることなく、精度良くト
ラバース信号のセンター値を取り出すことができる。
【0037】つまり、従来では、トラバース信号のセン
ター値を検出する際、光学ピックアアップ3を止めてい
た。光ディスク1を回転させると、ディスクの偏芯によ
り、トラバース信号が得られるが、光学ピックアップ3
が止まっている場合には、図4Aに示すように、偏芯に
よりディスクの半径方向の動きが反転する付近P、P、
P、…では、トラバース信号が直流に近い成分となる。
このため、トラバース信号のセンター値を正確に得るた
めには、ローパスフィルタ53の遮断周波数を低く設定
しなけばならない。
【0038】これに対して、この発明の一実施例では、
光学ピックアップ3を送りながらトラバース信号のセン
ター値を検出している。光学ピックアップ3を送りなが
ら、トラバース信号を検出すると、光学ピックアップ3
を送る際に生じる周波数成分がトラバース信号の周波数
成分に加わり、図4Bに示すように、トラバース信号に
直流に近い成分がなくなる。このため、ローパスフィル
タ53の遮断周波数を低く設定せずに、トラバース信号
のセンター値を正確に得ることが可能になる。
【0039】このことについて、更に、考察する。今、
図5に示すように、回転軸の中心L1に対して、ディス
クの中心L2が偏芯しているとする。このように回転軸
の中心L1とディスクの中心L2とが偏芯していると、
ディスクを回転させた場合に、ビームスポットLBが当
たるトラックの接線に対して垂直な半径方向XD に、図
6A〜図6Eに示すように、ディスクの位置が動いてい
く。
【0040】すなわち、先ず、図6Aに示すように、デ
ィスクの中心L2が回転軸の中心L1からdだけずれた
ような位置にあるとする。この位置から、ディスクを1
/4回転させると、半径方向XD では、図6Bに示すよ
うに矢印A1で示す方向にディスクが動いていく。ディ
スクを1/2回転させると、図6Cに示すようにディス
クの中心L2が回転軸の中心L1から−dだけずれたよ
うな位置(図5においてディスク1′で示す位置)とな
る。ディスクを更に回転させると、半径方向XD でのデ
ィスクの動く方向が矢印B1で示す方向に反転し、ディ
スクを3/4回転させると図6Dに示す位置となり、デ
ィスクを1回転させると、図6Eに示すようにディスク
の中心L2が回転軸の中心L1からdだけずれたような
状態に戻り、半径方向XD でのディスクの動く方向が反
転する。
【0041】したがって、ディスクの半径方向XD に沿
った動き量xは、ディスクの回転角速度をω、偏芯量を
dとすると、 x=dcos ωt … (1) で表される。そして、ディスクの半径方向XD に沿った
動きの速度vは、(1)式より、 v=−dωsin ωt =2πdfsin ωt … (2) として求められる。
【0042】ディスクを1/2回転させた位置(図6C
の位置)とディスクを1回転させた位置(図6E、図6
Aの位置)で、半径方向XD でのディスクの動く方向が
反転するので、ディスクの半径方向XD に沿った動きの
速度vは最小になる。そして、半径方向XD でのディス
クの動く方向が反転する所の中間の位置で、ディスクの
半径方向XD に沿った動きの速度vが最大となる。すな
わち、ディスクを1/4回転させた位置(図6Bの位
置)と、ディスクを3/4回転させた位置(図6Dの位
置)で、半径方向XD でのディスクの動く方向が反転す
る最大となる。
【0043】ディスクの半径方向XD に沿った動きの速
度vが最大となる、ディスクを1/4回転させた位置で
のディスクの半径方向XD に沿った動きの速度をva
すると、ディスクの回転周期をTとすると、 sin 2πfT=sin ((2π/T)・T/4) =sin(π/2) =1 であるから、速度をva は、 va =−2πfd … (3) となる。同様に、ディスクを3/4回転させた位置での
ディスクの半径方向XDに沿った動きの速度をvb とす
ると、ディスクの回転周期をTとすると、 sin 2πfT=sin ((2π/T)・3T/4) =sin(3π/2) =−1 であるから、速度をvb は、 vb =−2πfd … (4) となる。
【0044】(3) 式より、ディスクのトラックピッチを
pとすると、ディスクを1/4回転させた位置での偏芯
によるトラバース信号の周波数fa は、 fa =2πfd/p … (5) となる。同様に、ディスクを3/4回転させた位置での
偏芯によるトラバース信号の周波数fb は、 fb =2πfd/p … (6) となる。(5) 式(6) 式から、光学ピックアップ3を送ら
ない場合のディスクの偏芯によりトラバース信号の最大
周波数が求められる。
【0045】この発明の一実施例では、光学ピックアア
ップ3を送りながら、トラバース信号を検出している。
したがって、(3) 式で求められた速度に、光学ピックア
ップ3の送り速度Vを加えたものが、ディスクを1/4
回転させた位置でのディスクの半径方向XD に沿った動
きと、光学ピックアップ3の動きとの相対速度となる。
このディスクを1/4回転させた位置でのディスクの半
径方向XD に沿った動きと光学ピックアップ3の動きと
の相対速度をva ′とすると、va ′は va ′=V−va =V+2πfd …(7) として求められる。同様に、(4) 式で求められた速度
に、光学ピックアップ3の送り速度Vを加えたものが、
ディスクを3/4回転させた位置でのディスクの半径方
向XD に沿った動きと光学ピックアップ3の動きとの相
対速度となり、この相対速度をvb ′とすると、vb
は、 vb ′=V−vb =V−2πfd … (8) として求められる。
【0046】(7) 式(8) 式より、光学ピックアップ3を
速度Vで送りながらトラバース信号を検出した場合、こ
のトラバース信号の周波数は、ディスクの偏芯により、
(V−2πfd)/pから(V+2πfd)/pまで変
動することが分かる。
【0047】このように、光学ピックアップ4を速度V
で送ると、トラバース信号の周波数は、(V−2πf
d)/pから(V+2πfd)/pまで変動することに
なり、直流に近い成分がなくなる。そして、トラバース
信号からトラバース信号のセンター値を取り出すための
ローパスフィルタ53としては、これらの周波数範囲の
信号成分を十分に減衰できる特性があれば良いことにな
る。
【0048】したがって、測定に必要な最低周波数がf
min であり、最低周波数fmin 以上の成分をローパスス
ィルタ53で減衰させることにした場合、 fmin =(Vmin −2πfd)/p となるため、光学ピックアップ3の送りの最低速度V
min は、 Vmin =fmin ・p+2πfd … (9) となる。このとき、トラバース信号に含まれる信号の最
大周波数fmax は fmax =(Vmin +2πfd)/p となる。
【0049】光学ピックアップ3の送りの速度をVmin
とすると、ローパスフィルタ53に入力するトラッキン
グエラーのトラバース周波数は、ディスクの偏芯によ
り、fmin からfmax まで変動する。これを遮断周波数
がfC のローパスフィルタ53で減衰させるとすると、
最小周波数fmin のときのローパスフィルタ53の減衰
量Gmin は、 Gmin =20n・log (fc /fmin )=20n・log
(fc ・p/(Vmin −2πfd))dB となる。また、最大周波数fmax のときのローパスフィ
ルタ53の減衰量Gmaxは、Gmax =20n・log (f
c /fmax )=20n・log (fc ・p/(Vmax +2
πfd))dB となる。よって、ローパスフィルタ53の遮断周波数f
c が低い程、又は光学ピックアップ3の送り速度が速い
程、ローパスフィルタ53による減衰量が大きくなり、
トラバースセンター値の測定精度が上がることが分か
る。また、ディスクの偏芯による項(2πfd)を無視
できるくらい送り速度Vmin が大きければ、測定値の変
動が少ない。つまり、ローパスフィルタ53の遮断周波
数が固定であれば、光学ピックアップ3の送り速度を上
げることによりディスクの偏芯の影響を受けず、トラバ
ースセンター値の抜き出しの精度を高めることができ
る。
【0050】このように、光学ピックアップ3の送りな
がらトラバース信号のセンター値を検出することで、ロ
ーパスフィルタ53の遮断周波数を下げずに、トラバー
ス信号のセンター値を正確に求めることができる。図7
〜図9は、このことを検証したものである。
【0051】図7は、ディスクの偏芯が小さい場合に、
光学ピックアップ3を送らずにトラバース信号のセンタ
ー値を検出した場合と、光学ピックアップ3を送りなが
らセンター値を検出した場合とで、ローパスフィルタ5
3の出力を比較したものである。図7Aは光学ピックア
ップ3を送らないときのローパスフィルタ53の出力を
示し、図7Bは光学ピックアップ3を送ったときのロー
パスフィルタ53の出力を示している。ディスクの偏芯
が小さいと、トラバース信号の偏芯による周波数成分に
直流に近い成分が多く含まれるようになり、ローパスフ
ィルタ53の出力は、その影響により、図7Aに示すよ
うに、変動する。これに対して、光学ピックアップ3を
送りながらセンター値を検出すると、図7Bに示すよう
に、安定したトラバース信号のセンター値が得られる。
【0052】図8は、ディスクの偏芯が中程度の場合
に、光学ピックアップ3を送らずにトラバース信号のセ
ンター値を検出した場合と、光学ピックアップ3を送り
ながらセンター値を検出した場合とで、ローパスフィル
タ53の出力を比較したものである。図8Aは光学ピッ
クアップ3を送らないときのローパスフィルタ53の出
力を示し、図8Bは光学ピックアップ3を送ったときの
ローパスフィルタ53の出力を示している。ディスクの
偏芯がやや大きくなると、トラバース信号の偏芯による
周波数成分が上がるため、ローパスフィルタ53の出力
は安定してくるが、図8Aに示すように、未だに直流に
近い成分の影響により変動する。これに対して、光学ピ
ックアップ3を送りながらセンター値を検出すると、図
8Bに示すように、安定したトラバース信号のセンター
値が得られる。
【0053】図9は、ディスクの偏芯が大きい場合に、
光学ピックアップ3を送らずにトラバース信号のセンタ
ー値を検出した場合と、光学ピックアップ3を送りなが
らセンター値を検出した場合とで、ローパスフィルタ5
3の出力を比較したものである。図9Aは光学ピックア
ップ3を送らないときのローパスフィルタ53の出力を
示し、図9Bは光学ピックアップ3を送ったときのロー
パスフィルタ53の出力を示している。ディスクの偏芯
が大きくなると、トラバース信号の偏芯による周波数成
分が更に上がるため、ローパスフィルタ53の出力は安
定してくるが、図9Aに示すように、未だに直流に近い
成分の影響により変動する。これに対して、光学ピック
アップ3を送りながらセンター値を検出すると、図9B
に示すように、安定したトラバース信号のセンター値が
得られる。
【0054】なお、上述の一実施例では、コンパクトデ
ィスク再生装置のような光ディスク再生装置に適用した
例について説明したが、この発明は、光磁気ディスク等
の他のディスクを用いる場合にも、同様に適用すること
ができる。
【0055】
【発明の効果】この発明によれば、光ディスクを回転さ
せると共に光学情報読み取り手段をディスクの半径方向
に移動させた状態で、光学情報読出手段の出力からトラ
バース信号のセンター値を抽出している。このため、ト
ラバース信号に光学情報読み取り手段を送るときの周波
数成分が付加され、トラバース信号中に直流に近い成分
がなくなる。したがって、トラッキングエラー信号の低
域成分からバイアス値を形成する際のローパスフィルタ
の遮断周波数を低くしなくても、トラバース信号のセン
ター値を正確に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用できる光ディスク再生装置の一
例のブロック図である。
【図2】この発明が適用できる光ディスク再生装置の説
明に用いるブロック図である。
【図3】この発明の一実施例のブロック図である。
【図4】この発明の一実施例の説明に用いる波形図であ
る。
【図5】この発明の一実施例の説明に用いる略線図であ
る。
【図6】この発明の一実施例の説明に用いる略線図であ
る。
【図7】この発明の一実施例の説明に用いる波形図であ
る。
【図8】この発明の一実施例の説明に用いる波形図であ
る。
【図9】この発明の一実施例の説明に用いる波形図であ
る。
【図10】従来のトラッキングサーボ回路の一例のブロ
ック図である。
【図11】従来のトラッキングサーボ回路の説明に用い
る波形図である。
【符号の説明】
1 光ディスク 2 スピンドルモータ 6 TRKコイル 7 FCKコイル 8 スレッドモータ 10 ディジタルサーボ回路 53 ローパスフィルタ 61 駆動信号発生回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報信号が記録された光ディスクと、 上記光ディスクにビームを照射し、上記光ディスクから
    情報を読み出す光学情報読出手段と、 上記光学情報読出手段の出力からトラッキングエラー信
    号を抽出するトラッキングエラー信号抽出手段と、 上記トラッキングエラー信号の低域成分を検出してバイ
    アス値を形成するバイアス値形成手段と、 上記トラッキングエラー信号に対して上記バイアス値を
    与えるバイアス付与手段と、 上記光学情報読出手段を上記光ディスクの半径方向に移
    動させるピックアップ移動手段と、 上記トラッキングエラー信号に基づいて、上記光学情報
    読出手段から上記光ディスクに照射されるビームをトラ
    ッキング方向に制御するビーム可変手段とを備え、上記
    光ディスクを回転させると共に上記光学情報読み取り手
    段を光ディスクの半径方向に移動させ、上記トラッキン
    グエラー信号の低域成分からバイアス値を形成し、上記
    バイアス値を上記トラッキングエラー信号に与えるよう
    にしたことを特徴とするトラッキングサーボ装置。
  2. 【請求項2】 上記光学読み取り手段の移動速度は、上
    記バイアス値を形成するのに必要な最低周波数を
    min 、トラックピッチをp、光ディスクの回転による
    周波数をf、光ディスクの偏芯量をdとすると、 fmin ・p+2πfd 以上に設定するようにした請求項1記載のトラッキング
    サーボ装置。
  3. 【請求項3】 光ディスクを回転させると共に光学情報
    読み取り手段を光ディスクの半径方向に移動させた状態
    で、上記光学情報読出手段の出力からトラッキングエラ
    ー信号を抽出し、上記トラッキングエラー信号の低域成
    分からバイアス値を形成するステップと、 上記光学情報読出手段の出力からトラッキングエラー信
    号に、上記バイアス値を付加してトラッキング制御を行
    うステップとからなるトラッキングサーボ方法。
  4. 【請求項4】 上記光学読み取り手段の移動速度は、上
    記バイアス値を形成するのに必要な最低周波数を
    min 、トラックピッチをp、光ディスクの回転による
    周波数をf、光ディスクの偏芯量をdとすると、 fmin ・p+2πfd 以上に設定するようにした請求項3記載のトラッキング
    サーボ方法。
JP10689395A 1995-04-06 1995-04-06 トラッキングサーボ装置及び方法 Pending JPH08279170A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10689395A JPH08279170A (ja) 1995-04-06 1995-04-06 トラッキングサーボ装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10689395A JPH08279170A (ja) 1995-04-06 1995-04-06 トラッキングサーボ装置及び方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08279170A true JPH08279170A (ja) 1996-10-22

Family

ID=14445159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10689395A Pending JPH08279170A (ja) 1995-04-06 1995-04-06 トラッキングサーボ装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08279170A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11161979A (ja) * 1997-11-27 1999-06-18 Pioneer Electron Corp トラッキングエラー信号補正装置及び情報再生装置
JP2000251294A (ja) * 1999-03-02 2000-09-14 Clarion Co Ltd トラッキングバランス調整装置及び方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11161979A (ja) * 1997-11-27 1999-06-18 Pioneer Electron Corp トラッキングエラー信号補正装置及び情報再生装置
JP2000251294A (ja) * 1999-03-02 2000-09-14 Clarion Co Ltd トラッキングバランス調整装置及び方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100680657B1 (ko) 광디스크 재생장치 및 방법
JPH1083615A (ja) デ−タ再生方法及び装置
JPH06243496A (ja) ディスク再生装置及びそのフォーカスバランス自動調整方法及び信号処理装置
JP3074877B2 (ja) 光ディスクプレーヤ
US6751171B2 (en) Method and apparatus for controlling servo loop amplification according to wobble signals formed in a guide groove of an optical disc
JP2002117534A (ja) 光ディスク再生装置およびディスク種別判別方法
US6424606B1 (en) Method for detecting vibration in a disc drive and apparatus therefor
EP0375266A2 (en) Optical disc recording and/or reproduction apparatus
US6785205B2 (en) Apparatus for controlling eccentricity in photo-record player and control method thereof
JP2003346369A (ja) 光学式記録再生装置及びチルト制御方法
KR100477501B1 (ko) 디스크드라이브장치
JPH08279170A (ja) トラッキングサーボ装置及び方法
US6816445B2 (en) Device and method
JP2633196B2 (ja) 光情報処理装置
JP3216418B2 (ja) 円盤状記録媒体用の記録再生装置
JP2000276743A (ja) 光磁気ディスクの記録再生方法及び記録再生装置
JP3404072B2 (ja) 光ディスクドライブ装置のトラッキングサーボ装置
JPH06103540B2 (ja) ピックアップの傾き制御装置
JPH11288548A (ja) ディスクドライブ装置及びディスク回転制御方法
JPH0676312A (ja) トラッキングサーボ回路
JP4003345B2 (ja) ディスクドライブ装置
KR20020010387A (ko) 광디스크의 최적 재생방법
JP2633194B2 (ja) 光情報処理装置
JPH08339550A (ja) 光ディスクドライブ装置用制御回路の調整方法
JP2633195B2 (ja) 光情報処理装置