JP2557939B2 - エレベータの呼び登録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明は、エレベータの呼び登録装置に関する。

（従来の技術） 従来、エレベータホールには一般に、昇り方向の呼び
登録ボタンと、降り方向の呼び登録ボタンとが設置され
ており、目的とする階床が現在いる階床より上であれば
昇り方向呼び登録ボタンを押し、下であれば降り方向呼
び登録ボタンを押さなければならなかった。従って、荷
物等を両手で持っているような場合には、一旦持ってい
る荷物を下ろしてから呼び登録ボタンを操作しなければ
ならず、またエレベータかご内に入っても同様に行先階
ボタンを一旦荷物も下ろしてから押さねばならない不便
さがあった。

このような問題点に鑑みて、近年では、不特定話者の
音声を認識する音声認識技術が向上し、エレベータホー
ルにマイクロホンを設置しておき、音声認識によって昇
り方向、降り方向、行先階の呼び登録を可能とするエレ
ベータの呼び登録装置が提案されるようになってきてい
る。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、このような音声認識によるエレベータ
の呼び登録装置にあっても、エレベータホールの環境は
必ずしも音声を入力するのに良好な環境ということがで
きず、エレベータ待ち客の会話やエレベータホール以外
からの音声や雑音をマイクロホンが拾ってしまい、認識
率を低下させ、誤った呼び登録をしてしまって、エレベ
ータに無駄な運転を行なわせ、運転効率を悪化させてサ
ービスを悪くする問題点があった。

この発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされた
ものであって、雑音による音声認識率の低下を防ぎ、誤
った呼び登録を減少させ、運転効率の向上が可能なエレ
ベータの呼び登録装置を提供することを目的とする。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） この発明のエレベータの呼び登録装置は、エレベータ
ホールに設置されたマイクロホンと、このマイクロホン
の前にエレベータ利用者が立っているかどうかを検出す
る人検出手段と、この人検出手段からの人検出信号があ
る時にのみ前記マイクロホンに入力される音声信号を予
め登録されている音声と比較し、音声信号が登録音声と
一致した場合に呼び登録信号を発する音声認識手段とを
備えたものである。

（作用） この発明のエレベータの呼び登録装置では、エレベー
タホールに設置されているマイクロホンによって呼び登
録する場合に、人検出手段がマイクロホンの前にエレベ
ータ利用者が立っているかどうかを検出し、この人検出
手段によりマイクロホンの前にエレベータ利用者が立っ
ていることが検出された時にのみ音声認識手段を動作可
能とし、マイクロホンを通して入力される音声信号を予
め登録されている音声と比較し、両音声信号が一致した
時にエレベータの呼び登録信号を発することができる。

（実施例） 以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説する。

第２図はエレベータホール１の外観を示すものであ
り、エレベータドア２、ポジションインジケータ３、乗
場呼び登録ボタン４、音声入力を与えるためのマイクロ
ホン５、超音波センサにより構成される人検出装置６、
エレベータ利用者に対して音声呼び登録が可能であるか
どうかを表示する音声呼び登録可能表示灯７が備えられ
ている。

第１図はこのようなエレベータの呼び登録装置の回路
構成を示すブロック図であり、マイクロホン５、人検出
装置６、音声呼び登録可能表示灯７に加えて、マイクロ
ホン５からの音声入力信号5aを入力とする音声認識装置
８、この音声認識装置８からの出力により呼び登録を行
なう呼び登録装置９、この呼び登録装置９の信号により
エレベータの動作制御を行なうエレベータ制御用計算機
10を備えている。そして、このエレベータ制御用計算機
10によりエレベータ駆動用モータ11が駆動され、エレベ
ータかご12とカウンタウェイト13との昇降動作が行なわ
れるようになっている。

上記の構成のエレベータの呼び登録装置の動作につい
て、次に説明する。

第１図において、マイクロホン５により入力される音
声入力信号5aは、音声認識装置８に入力される。また、
人検出装置６によって人検出した時には、人検出信号6
a,6bそれぞれが人検出装置６より出力され、音声認識装
置８、音声呼び登録可能表示灯７に入力される。

音声呼び登録可能表示灯７は、人検出装置６からの人
検出信号6bが入力された時に点灯する。

音声認識装置８は、人検出信号6aが入力されている時
に音声入力信号5aが入力されると、既に登録されている
登録音声との比較動作を実行するが、人検出装置６から
人検出信号6aが入力されていない時には比較動作を行な
わない。

この音声認識装置８に対し、人検出装置６から人検出
信号6aが入力され、マイクロホン５から音声入力信号5a
が入力された時には、予め登録されている音声との比較
が行なわれ、登録音声と入力音声とが一致した場合に
は、その一致した音声入力信号5aに対応した呼び登録許
可信号8aが呼び登録装置９に出力される。

呼び登録装置９では、この呼び登録許可信号8aを受け
て、呼び登録信号9aを乗場呼び登録ボタン４に出力し、
呼び登録信号9bをエレベータ制御用計算機10に出力す
る。

乗場呼び登録ボタン４は、呼び登録信号9aが入力され
ると、その呼び登録信号9aに応じて昇り方向または降り
方向の呼び登録灯を点灯させる。

またエレベータ制御用計算機10は、呼び登録信号9bを
設けて、エレベータ駆動用モータ11を制御し、エレベー
タかご12を従来と同様に呼び登録のなされた乗場呼びに
応答させる。そして、乗場呼びエレベータかご12が応答
すると、エレベータ制御用計算機10は、呼び登録消去信
号10aを呼び登録装置９に出力する。

呼び登録装置９は、このエレベータ制御用計算機10か
らの呼び登録消去信号10aを受けて、呼び登録信号9a,9b
の出力を停止し、乗場呼び登録ボタン４を消灯させ、乗
場呼び登録を消去する。

なお、乗場呼び登録ボタン４は、その押しボタンが何
時押されても直接ボタン呼び登録信号4aを呼び登録装置
９に入力し、呼び登録を成立させることができる。

さらにエレベータの呼び登録装置の動作について、第
４図に示すフローチャートを基に説明すると、エレベー
タホール１にエレベータ利用者が来て、マイクロホン５
の前の検出エリアＡに立つと、超音波センサで構成され
る人検出装置６が人検出信号6a,6bをそれぞれ音声認識
装置８、音声呼び登録可能表示灯７に出力する（ステッ
プS1）。

音声呼び登録可能表示灯７は、この人検出信号6bを受
けて、第３図に示すような音声呼び登録可能表示を行な
う（ステップS2）。

また音声認識装置８は、人検出信号6aを受け、比較動
作可能となり、マイクロホン５からの音声入力信号5aが
入力されるのを待ち（ステップS3）、マイクロホン５か
らの音声入力信号5aが入力されると、既に登録されてい
る音声と比較し、音声の一致があった場合には入力され
た音声入力信号5aに対応した音声呼び登録許可信号8aを
呼び登録装置９に出力する（ステップS4,S5）。

つまり、マイクロホン５が１階のエレベータホール１
に設置されている場合に、１階の人検出装置６の検出範
囲に人が立ちマイクロホン５から音声認識装置８に既に
登録されている音声（上）が入力されると、１階昇り方
向呼び登録の許可信号8aが呼び登録装置９に入力され、
呼び登録装置９は、１階昇り方向呼び登録信号9aを呼び
登録ボタン４に与え、昇り方向呼び登録灯を点灯させ
る。それと同時に、呼び登録装置９は、１階昇り方向呼
び登録信号9bをエレベータ制御用計算機10に与え、エレ
ベータかご12を１階呼びに応答させる。

そして、エレベータかご12が１階に応答すると、エレ
ベータ制御用計算機10は、１階の昇り方向呼び登録消去
信号10aを呼び登録装置９に出力し、呼び登録装置９は
この呼び登録消去信号10aを受けて、それまで出力して
いた１階昇り方向呼び登録信号9a,9bの出力を停止し、
１階の昇り方向呼び登録灯を消灯させ、１階昇り方向呼
び登録を消去する。

前記ステップS1において、人検出装置６からの人検出
信号6aが音声認識装置８に入力されない時には、この音
声認識装置８はその比較動作を禁止され、マイクロホン
５から音声入力信号5aが与えられても、比較動作を行な
わない（ステップS6）。

また、上記ステップS3において、マイクロホン５から
の音声入力信号5aが入力されない場合、またステップS4
においてマイクロホン５からの音声入力信号5aが予め登
録された音声と一致しない場合にも、音声による呼び登
録は行われない。

このようにして、エレベータホール１の音声入力用の
マイマロホン５の前に人が立っているかどうかを人検出
装置６により検出し、マイクロホン５の前に人が立って
いる時にだけ音声による呼び登録を可能とすることによ
り、音声認識装置８がマイクロホン５からの音声入力信
号だけで呼び登録動作を行なうことを禁止し、エレベー
タの無駄な運転をさけることができるのである。

なお、上記実施例では人検出装置６として超音波セン
サによるものを提示したが、この人検出装置は実施例の
ものに限定されることはなく、次のような方式のものを
使用することもできる。

赤外線、遠赤外線を検出する装置により人検出装置
を構成し、人体の発する赤外線、遠赤外線を検出する方
式。

光電管の発光器と受光器を設置し、マイクロホン５
の前に立った人を検出する方式。

マットスイッチにより人検出装置６を構成し、人が
マットスイッチ上に立った時にその荷重を検出して人を
検出する方式。

［発明の効果］ 以上のようにこの発明によれば、エレベータホールに
設置されたマイクロホンの前に人が立っているかどうか
を検出する人検出手段を設け、この人検出手段が人を検
出した時にのみマイクロホンからの音声入力を予め登録
されている音声と比較し、呼び登録動作を行なうように
しているため、マイクロホンが雑音を拾ったりエレベー
タを利用しようとしていない人の会話を拾ったりするこ
とにより誤って呼び登録を行なうことを避けることがで
き、エレベータの無駄な運転を防止し、乗客へのサービ
スの向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の回路ブロック図、第２図
は上記実施例の実施されているエレベータホールの全体
図、第３図は上記実施例で使用される音声呼び登録可能
表示灯の表示例を示す正面図、第４図は上記実施例の動
作を説明するフローチャートである。 １……エレベータホール ４……乗場呼び登録ボタン ５……マイクロホン、６……人検出装置 ７……音声呼び登録可能表示灯 ８……音声認識装置、９……呼び登録装置 10……エレベータ制御用計算機 11……エレベータ駆動用モータ 12……エレベータかご

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】エレベータホールに設置されたマイクロホ
   ンと、このマイクロホンの前にエレベータ利用者が立っ
   ているかどうかを検出する人検出手段と、この人検出手
   段からの人検出信号がある時にのみ前記マイクロホンに
   入力される音声信号を予め登録されている音声と比較
   し、音声信号が登録音声と一致した場合に呼び登録信号
   を発する音声認識手段とを備えて成るエレベータの呼び
   登録装置。