JP2557240B2 - 皮膚老化予防剤 - Google Patents

皮膚老化予防剤

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、皮膚老化予防剤(皮膚の老化予防に用い
る)に関する。詳しくは、皮膚老化予防効果(荒肌改善
効果、角質改善効果、皮膚のターンオーバー速度を速く
する効果、皮膚のくすみ、たるみ、はり、つや、硬化等
の改善効果、皮膚賦活効果、保湿効果等)を有する皮膚
老化予防剤に関する。
〔従来の技術〕
加齢に伴う皮膚の老化現象(老人に多く見られる現
象)については、一般に肉眼的にくすみ、シワ、シミが
増加し乾燥した状態になり、それに伴い、いわゆる皮膚
の潤い、ツヤ、滑らかさ、柔らかさ、はり等の減少とい
う機能的な変化を生じることが知られている。又、老人
に高頻度でみられる皮膚疾患(老人に多くみられる病
気)として、老人性色素斑、老人性乾皮症、老人性白
斑、老人性疣贅、老人性神経線維腫、老人性面疱、老人
性脂腺増殖症等が挙げられる。更には癌前駆症(日光角
化症、皮角、Bowen病、悪性黒子)、皮膚癌、悪性黒色
腫等の悪性腫瘍が発生してくることが知られている。
これらの老化現象の要因は内的要因として、皮脂腺
機能低下、汗腺機能低下、角質層の粗糠化、表皮の菲薄
化、コラーゲン架橋増加、不溶性コラーゲン増加、結合
組織基質減少、毛細血管機能低下、代謝機能低下、色素
代謝異常等、外的要因として、紫外線、低温、低湿条
件等が挙げられる。
老化皮膚の代表的特徴として挙げられる乾燥して滑ら
かさのない荒肌は、角質細胞の機能低下が認められ、老
化による皮脂分泌の低下や表皮内(特に角質層)水分結
合物質の量的減少により水分が不足し誘発される症状で
ある。高齢者の場合は、角質層水分含有量が飽和水分量
の10%程度以下になると生じやすい。この症状は特に冬
期の空気が乾燥した時に悪化し、好適な例としては老人
性乾皮症等が挙げられる。
このような皮膚がカサカサする現象に対処する為に
は、皮膚のターンオーバー(表皮が角質層に変化して剥
離していく速度:老化している皮膚は細胞***の速度が
低下しているのでターンオーバーが遅くなる)を高める
とともに、皮膚機能を正常に維持することが必要であ
り、各種の薬剤が医療面及び化粧品領域において開発さ
れてきた。一般的な方法としては、ビタミンE剤等の毛
細血管拡張剤やプラセンタリキッド等の呼吸促進剤があ
り、皮膚の結構を促進させ代謝を高めることにより改善
を促す。また皮膚表面に皮脂類似組成物あるいは保湿剤
等を塗布し、皮膚を被うことにより乾燥を防止する方法
等もある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前述の毛細血管拡張作用あるいは皮膚
呼吸促進作用による改善作用はいずれも遅効性で、効果
発現までにクリームの場合で速くとも1週間、ローショ
ンの場合では2週間を要し、なかなか十分な満足を得ら
れず改良の余地を残していた。また皮脂類似組成物や保
湿剤は、一時的に角質層中の水分保持に役立つが、その
使用性は悪く油っぽかったりベタベタしていて、しかも
効果の持続性を高めるためには、使用量(塗布量)を多
くしなければならないという欠点があった。又、上述以
外の老化現象(例えば、しわ、たるみ、しみ等)に対処
する為の薬剤は、有効性及び安全性の点で今だ満足すべ
き薬剤が、医療面及び化粧品領域において得られていな
い。
本発明者らは、上記の事情に鑑み、老化現象に対して
有効でかつ安全性の高い薬剤を得るべく鋭意研究を重ね
た結果、シアル酸並びにシアル酸誘導体に優れた老化予
防効果を有することを見いだし、本発明を完成するに至
った。
〔問題点を解決するための手段〕 即ち本発明は、シアル酸及びシアル酸誘導体より成る
群から選択された一種又は二種以上を含有してなる皮膚
老化予防剤を提供するものである。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明に用いられるシアル酸は公知の物質であり、ポ
リヒドロキシモノアミノカルボン酸(イノラミン酸)の
N−アシル及び、N−アシル、O−アシル誘導体の総称
で、シアリン酸ともいわれる。シアル酸は、各種の生物
に含まれ、通常細胞表層糖質を構成して糖タン白質や糖
脂質の末端にグリコシド結合して存在する。特に脳、神
経、血液、顎下腺、ムチン質、初乳に多くは存在する
が、遊離して血清や体液、尿中にも存在する。生物界に
一番多く見いだされる代表的なシアル酸はN−アセチル
ノイラミン酸(NANA:分子量309)で、融点185〜187゜、
▲[α]20 D▼−32゜±2゜の白色粉末である。
シアル酸並びにシアル酸誘導体の生物学的薬理作用は
細胞表面の陰性荷電への寄与、細胞の特異的認識機構へ
の関与、ウイルスによる赤血球凝集反応や血液タン白質
のホーミング現象等に関することが知られている。最近
では、シアル酸について、去痰活性(特開昭61−6841
8)、抗炎症効果(特開昭62−145015)並びにシアル酸
結合オリゴ糖の栄養効果(特開昭61−152233)等の報告
がなされている。
しかしながら、皮膚老化予防効果をもつことは今だ知
られていない。シアル酸並びにシアル酸誘導体の製造法
は合成法、天然抽出法(原料:卵白、顎下腺ムチン、胎
盤エキス、大腸菌から得られるコロミン酸等)等が挙げ
られるが、安価な点から乳原料抽出法(特許第119121
2、特許第1253988、特開昭59−184197等)の応用が特に
好ましい。
以下に本発明に係る化合物の乳抽出物による製造例を
示す。乳抽出法を用いる乳は牛乳、羊乳、母乳(人)そ
の他適宜選択できる。又、精製の度合いにより、シアル
酸含有濃度を自由にコントロールできるので用法、用
途、剤型、その他目的に応じて精製すれば良い。尚、製
造法は、これにより限定されるものではない。
(製造例1)シアル酸 チーズホエー10tに塩酸28kgを添加してpHを2に調整
した後92℃で60分間加熱して加水分解を行った。得られ
たホエーの加水分解液をスクリューデカンターを用いて
加熱により凝固したタンパク質を除去してシアル酸含有
液を得た。次いで、シアル酸含有液を電気透析装置の脱
塩槽に入れて伝導度2mS/cmまで脱塩した酸、一旦透析を
中止して濃縮槽液を廃棄した。次いで濃縮槽に蒸留水30
を入れて再び伝導度50μS/cmまで透析を行った。透析
終了後、濃縮槽液を濃縮・乾燥して白色粉末600gを得
た。このようにして得られた粉末の遊離シアル酸純度は
約97%であった。
(製造例2)シアル酸塩 前述の遊離シアル酸を苛性ソーダで調整し、シアル酸
Naを得る。この他、目的に応じてMg塩、k塩、リン酸
塩、アミン塩等を製造することができる。
(製造例3)シアル酸結合オリゴ糖 牛乳或いはチーズホエーを限外濾過して調製した濾液
を、全固形20%まで減圧濃縮した。この液25kgを電気伝
導度が20μS/cmになる迄電気透析した後、ダウエックス
1×2(2kg)を充填したカラムに通じてオリゴ糖を吸
着させた。次いでこのカラムに20kgの水を通じて中性糖
を除去した後、0.5M塩酸を通じてカラムに吸着したオリ
ゴ糖を溶出させた。得られた溶出液のpHを30%苛性ソー
ダでpH7.0に調製後、再び電気伝導度が150μS/cmになる
迄電気透析した。得られた透析液を濃縮・乾燥して白色
粉末100gを得た。このようにして得た粉末のシアル酸結
合オリゴ糖純度は90%であった。
(製造例4)シアル酸結合タン白 レンネットガゼインカード廃液300をフォードラタ
ンクで75℃、30分間加熱殺菌した後に、40℃まで冷却
し、濃塩酸でpHを4.6に調整した。約30分間静置し沈殿
を生成させた液をクラリファイヤーに通しpHを7.0に戻
した後、清澄液をRO膜で濃縮・脱塩した。10倍まで濃縮
した後、濃縮液に加えて再び10倍まで濃縮した。得られ
た粉末のシアル酸結合タン白の純度は約80%あった。
(製造例5)シアル酸脂質 バターミルク粉15kgにクロロホルム−メタノール混液
(1:1)を100加え、室温で30分間撹拌し抽出した。次
にクロロホルム−メタノール混液を回収しイオン交換樹
脂(DEAE−Toyopearlアセテート型)1に通じてシア
ル酸結合脂質を吸着させ、次いでクロロホルム−メタノ
ール混液(1:1)2で樹脂を洗浄した後、0.5M酢酸ナ
トリウム−メタノール溶液(1:1)2で樹脂を洗浄し
た後、0.5M酢酸ナトリウム−メタノール溶液4でシア
ル酸結合脂質を溶出した。溶出液を濃縮しメタノールを
除去した後、水5gを加えて限外濾過で脱塩とシアル酸結
合脂質の濃縮を行った。シアル酸結合脂質を含む濃縮液
をエバボレータで乾固した後、シリカゲルカラム(4.0
×50cm)に通じシアル酸結合脂質を吸着させ、次いでク
ロロホルム1、クロロホルム−メタノール混液(4:
1)1で順次洗浄した後、クロロホルム−メタノール
(2:8)の混液2でシアル酸結合脂質を溶出した。溶
出液をエバポレータで蒸発乾固し白色粉末15gを得た。
このようにして得られた粉末のシアル酸結合脂質の純
度は薄層クロマトグラフィーで90%以上(レゾルシノー
ル法)であった。
次にシアル酸及びシアル酸誘導体の安全性試験を実施
したので、その結果を示す。
急性毒性試験 製造例1〜5で製造したシアル酸、シアル酸Na、シア
ル酸結合オリゴ糖、シアル酸結合タン白及びシアル酸結
合脂質各々を被験物質として、ICR系雌性マウス(6週
齢、1群5匹)を用い、腹腔内投与は、0.5%カルボキ
シメチルセルロースナトリウム/生理食塩液に各被験物
質2重量%となるように懸濁させたものを22 1/2Gの注
射針を使用して、又、経口投与はオリーブ油に各被験物
質5重量%となるように懸濁させたものを経口針を使用
して、腹腔内投与(60ml/kg)、経口投与(30ml/kg)を
与えた。その結果、全部の被験物質について7日間の観
察期間中に死亡例、体重の減少および特記すべき中毒症
上は認められず、また7日目に行った剖検においても何
等以上は認められなかった。
この結果から明らかなように、シアル酸及びシアル酸
誘導体の急性毒性値(LD50)は、腹腔内投与で、1200mg
/kg以上、経口投与で1500mg/kg以上であり、安全性が高
いことが判明した。
次にシアル酸並びにシアル酸誘導体を皮膚老化予防剤
として適用するための製剤化について述べる。
本発明の皮膚老化予防剤は、シアル酸、シアル酸誘導
体の他に製薬上、許容することのできる添加剤及び他の
薬剤を加えた混合物の形で使用できる。但し、シアル酸
は、光、酸、アルカリに対する安定性が悪いため、長期
保存性に問題があり、安定性の点から、シアル酸誘導体
を使用する方が望ましい。
本発明の皮膚老化予防剤には上記した必須成分の他に
通常化粧品や医薬品等に用いられる他の成分、例えばア
ボガド油、パーム油、ピーナッツ油、牛脂、コメヌカ
油、ホホバ油、カルナバロウ、ラノリン、流動パラフィ
ン、オキシステアリン酸、パルミチン酸イソステアリ
ル、イソステアリルアルコール等の油分、グリセリン、
ソルビトール、ポリエチレングリコール、コラーゲン、
ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の保湿剤、パラジ
メチルアミノ安息香酸アミル、ウロカニン酸、ジイソプ
ロピルケイヒ酸エチル等の紫外線吸収剤、エリソルビン
酸ナトリウム、セージエキス、ビタミンE、パラヒドロ
キシアニソール等の酸化防止剤、ステアリル硫酸ナトリ
ウム、セチル硫酸ジエタノールアミン、セチルトリメチ
ルアンモニウムサッカリン、イソステアリン酸ポリエチ
レングリコール、アラキン酸グリセリル等の界面活性
剤、エチルパラベン、ブチルパラベン等の防腐剤、オウ
バク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バー
チ、ビワ等の抽出物、グリチルリチン酸誘導体、グリチ
ルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオー
ル、酸化亜鉛、、アラントイン等の消炎剤、胎盤抽出
物、グルタチオン、ユキノシタ抽出物、アスコルビン酸
誘導体等の美白剤、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、ア
イリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ等の抽出
物、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、
各種アミノ酸類、ビオチン、パントテン酸誘導体等各種
ビタミン類及び誘導体等の賦活剤、サフラン、センキュ
ウ、ショウキョウ、オトギリソウ、オノニス、ローズマ
リー、ニンニク等の抽出物、γ−オリザノール、デキス
トラン硫酸ナトリウム、ビタミンE誘導体、ニコチン酸
誘導体、ニコチン酸誘導体等の血行促進剤、硫黄、チア
ントール等の抗脂漏剤、香料、水、アルコール、カルボ
キシビニルポリマー等の増粘剤、チタンイエロー、カー
サミン、ベニバナ赤等の色剤等を必要に応じて適宜配合
することができる。
本発明の剤型は、薬効を得るに適したものであれば、
任意の形で使用でき、例えば使用剤、粉末、顆粒、散
剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、注射剤等が
挙げられる。この中では外用剤が用法上簡便で予防、治
療の両面で好ましく、外用できるものであれば、任意の
形態でよい。
例えばローション、リニメント、乳液等の外用液剤、
クリーム、軟膏、パスタ、ゼリー、スプレー等の外用半
固型剤等を挙げることができ、皮膚に直接塗布または散
布する経皮投与による投与方法をとる。
本発明の皮膚老化予防剤には、有効成分であるシアル
酸及びシアル酸誘導体の一種または二種以上の配合量
は、組成物全重量に対して0.0001〜50重量%、好ましく
は0.001〜5重量%である。0.0001重量%未満では効果
が乏しくなる傾向にあり、50重量%を越えて配合しても
効果の大きな増大を望むことは難しい。
本発明の皮膚老化予防剤の投与量は、年齢、個人差、
症状等によって下記範囲外の量を通することもあり得る
ので、明確には規定できないが、一般にシアル酸及びシ
アル酸誘導体の一種または二種以上の内服及び経皮投与
量は体重1Kg及び1日あたり0.0001〜2000mg、好ましく
は0.001〜200mgでありこの量を1日に1回または数回に
分けて投与することができる。
又、シアル酸並びにシアル酸誘導体の配合濃度及び目
的とする効果の度合いにより、医薬品、医薬部外品、化
粧品類更には老化の予防の目的に食品としても応用でき
る。
[実施例] 以下、本発明の優れた効果を明らかにするため、実施
例および比較例を用いて評価試験を行った。尚、本発明
はこれにより限定されるものではない。
(試験方法) (1) モルモット皮膚を用いた表皮のターンオーバー
速度測定方法 アルビノモルモットを1群5匹とした6群に分けて評
価に用いた。モルモットの腹部皮膚を剃毛後、螢光色素
であるダンシルクロライドを5重量%配合した白色ワセ
リン軟膏を0.1ml/cm2、24時間、閉塞塗布した。被験物
質は実施例1〜5および比較例1を1日1回0.3mlずつ
ダンシルクロライド塗布部に重ね塗りし、皮膚の角質層
ターンオーバー速度はダンシルクロライドが消失するま
での日数をもって評価した。
(2) 乾燥性疾患の治療効果測定方法 40〜60才の老人性乾皮症患者女性30名を被験者とし、
1群5名で6群にわけ、右頬に薬剤配合の実施例1〜5
あるいは比較例1に塗布し、左頬には対照として薬剤無
配合の比較例2を塗布させた。試験期間は冬期の1カ月
とし、被験物質をそれぞれ1日2回2mlずつ朝晩塗布し
た。30日間の塗布が終了した時点で、左頬に比べて右頬
の改善効果を医者に判定してもらった。
(3) 疲労したヒト皮膚の賦活効果の測定方法 睡眠不足により肌あれ、色の黒ずみ、皮膚のつや、は
りの消失等が生じる。特にこれらの症状が顕著に生じる
冬期において、疲労した皮膚に対する被験物質の即効的
皮膚賦活効果を評価した。30代の女性30名を被験者とし
て、1群5名で、6群に分け、右頬に実施例1〜5或い
は比較例1を塗布し、左頬は無塗布とした。試験期間は
冬期の2日間とし、被験物質をそれぞれ2mlずつ1日2
回2日間朝及び寝る前に、塗布し、試験終了後に、試験
前の肌に比べて、試験後の肌の状態について被験者に自
己採点してもらった。
但し、試験2日間中、被験者は、明け方4時に床につ
き朝7時に気象(睡眠時間3時間)し、それ以外の仮眠
はとらないものとする。
−評価項目− 肌荒れ度合、肌のくすみ、肌のきめ、 化粧のり、肌のつや、はり、たるみ −採点− 5点:試験前と比べて顕著に改善された。
4点: 〃 やや改善された。
3点: 〃 変化なし。
2点: 〃 やや悪化した。
1点: 〃 顕著に悪化した。
(4) ヒト皮膚による老化予防効果の測定方法 25〜50才の女性30名を被験者として、1群5名で6群
に分け、右頬に実施例1〜5、比較例1を使用、左頬に
は薬剤無配合の比較例2を使用させた。試験期間は冬期
2カ月間、1日2回朝及び夜の連続塗布とし、下記
(a)〜(e)にて効果を評価した。
(a) 皮膚表面形態の評価 下記の基準に従って皮膚乾燥度を肉眼的に判定するこ
とにより皮膚表面形態を評価した。
−判定方法− 著効:比較例2と比べて乾燥、落せつがほとんどない。
有効:比較例2と比べて乾燥、落せつが少ない。
やや有効:比較例2と比べて乾燥は同程度であるが、落
せつがない。
無効:比較例2と比べて乾燥、落せつに差がない。
悪化:比較例2と比べて乾燥、落せつが著しい。
(b) 皮膚外観の観察 外観の美しさを、上記被験者について皮膚レプリカを
シリコン樹脂を用いて採取し、実体顕微鏡で観察するこ
とにより評価した。
−判定方法− 著効:比較例2と比べて皮溝や皮丘が著しく鮮明で整っ
ている。
有効:比較例2と比べて皮溝や皮丘がやや明瞭に整って
いる。
無効:比較例2と比べて差が認められない。
悪化:比較例2と比べて皮溝が皮丘が不鮮明。
(c) 角質層の機能の評価 TWL(Trans−epidermal Water Loss:経表皮性水分損
失)を測定することにより、角質層の機能を評価した。
TULはエバポリメーターEPL(スウェーデンservo Med.社
製)を用いて測定した。
−判定方法− 著効:比較例2と比べてTWLが30%以上減少。
有効:比較例2と比べてTWLが10%以上減少。
無効:比較例2と比べてTWLが10%未満。
悪化:比較例2と比べてTWLが10%以上増大。
(d) 剥離角質細胞の評価 評価試験前後の被験部皮膚にスコッチテープ(ニチバ
ンメンディングテープ)を接着し、これを剥離した後、
テープについた角質細胞をHE染色し細胞内の核の有無を
顕微鏡にて判定した。
−判定方法− 正常:核がまったく認められず正常な角質化が起こって
いる。
以上:核が認められ異常な角質化が起きている。
(e) 官能評価 試験終了後、左頬(比較例2)に比べて右頬の肌状態
について被験者に自己採点してもらった。
−評価項目− 小じわ、肌のきめ、肌のくすみ、 肌のたるみ、つや、はり、化粧のり −採点− 5点:比較例2に比べて顕著に改善された。
4点: 〃 やや改善された。
3点: 〃 変化なし。
2点: 〃 やや悪化した。
1点: 〃 顕著に悪化した。
比較例2は、比較例1からビタミンEアセテートを精
製水におきかえた薬剤無配合の処方とする。
(試験結果) (1) 表−2の結果から明らかなように、モルモット
を用いた評価により、シアル酸又はシアル酸誘導体を含
有する実施例1〜5は比較例1と比べて表皮のターンオ
ーバーを2〜3日間速めていることが認められ、更には
二種類以上組み合せることにより、相乗効果が得られる
ことがわかった。
(2) 表−3の結果から実施例1〜5は比較例1に比
べて老人性乾皮症に有効であることが認められた。更に
は、シアル酸及びシアル酸誘導体から二種以上を組合せ
ることによって相乗的効果が得られることも認められ
た。
(3) 表−4の結果から、実施例1〜5は、比較例1
に比べて疲労した皮膚に対して即効的皮膚賦活効果があ
ること並びにシアル酸及びシアル酸誘導体の2種以上の
組合せにより相乗効果が得られることが認められた。
(4) 表−5の結果から、肉眼的、レプリカ、TWL、
官能のいずれの評価においても、実施例が比較例1に比
べて有効であること並びにシアル酸及びシアル酸誘導体
の組合せが相乗効果を有することが認められた。(d)
の結果は、表皮のターンオーバの促進作用が異常な角質
化により起こるものではないことがわかる。
次に各種実施態様を示す。以下、配合量は重量%とす
る。
実施例6 乳液 次の処方に従い、常法により乳液を製造した。
ステアリン酸 2.0(%) セタノール 1.0 ワセリン 3.0 ラノリンアルコール 2.0 流動パラフィン 8.0 スクワラン 3.0 エスカロール507 2.0 シアル酸ナトリウム 0.001 POE(10)モノオレート 2.5 トリエタノールアミン 1.0 プロピレングリコール 5.0 防腐剤 適量 香 料 適量 蒸留水 残余 実施例7 栄養クリーム 次の処方に従い、常法により栄養クリームを製造し
た。
ステアリン酸 2.0(%) ステアリンアルコール 7.0 還元ラノリン 2.0 スクワラン 5.0 オクチルドデカノール 6.0 POE(25)セチルエーテル 3.0 グリセリルモノステアレート 2.0 プロピレングリコール 5.0 シアル酸結合オリゴ糖 1.0 シアル酸結合タン白 1.0 防腐剤 適量 香 料 適量 蒸留水 残余 実施例8 パック 次の処方に従い、常法によりパックを製造した。
カオリン 67.5(%) タルク 19.0 プロピレングリコール 7.5 酢酸カルシウム0.01 尿 素 0.5 シアル酸結合脂質 5.0 香 料 0.49 実施例9 リップトリートメント 常法に従って以下の処方のリップトリートメントを製
造した。
キャンデリラロウ 9.0(%) 固形パラフィン 8.0 ミツロウ 5.0 カルナバロウ 5.0 ラノリン 11.0 シアル酸結合オリゴ糖 0.2 イソプロピルミリステート 10.0 香 料 適量 酸化防止剤 適量 ヒマシ油 残余 実施例10 軟膏 常法に従って以下の処方を軟膏を製造した。
ステアリルアルコール 18.0 モクロウ 20.0 シアル酸結合タン白 0.5 ポリオキシエチレンモロオレイン酸エステル 0.25 グリセリンモノステアリン酸エステル 0.25 ワセリン 4.0 精製水 残余 〔発明の効果〕 本発明の皮膚老化予防剤は皮膚老化予防効果(荒肌改
善、角質改善、表皮のターンオーバー促進、皮膚のくす
み、たるみ、はり、つや、硬化の改善、皮膚賦活硬化、
保湿効果)に優れ、安定性、安全性及び使用性に優れた
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 十河 幸夫 神奈川県横浜市南区井土ケ谷中町157 ダイヤパレス井土ヶ谷703号 (72)発明者 阿彦 健吉 東京都小平市花小金井2―688―18 (72)発明者 出家 栄記 埼玉県狭山市入間川2丁目23番5号102 (56)参考文献 特開 昭62−145015(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シアル酸及びシアル酸誘導体より成る群か
    ら選択された一種又は二種以上を含有してなる皮膚老化
    予防剤。
  2. 【請求項2】シアル酸誘導体がシアル酸結合オリゴ糖、
    シアル酸結合タン白、シアル酸結合脂質並びにシアル酸
    塩である特許請求の範囲第(1)項記載の皮膚老化予防
    剤。
  3. 【請求項3】乳より抽出して得られるシアル酸又はシア
    ル酸誘導体を用いる特許請求の範囲第(1)項又は第
    (2)項記載の皮膚老化予防剤。
  4. 【請求項4】シアル酸がN−アセチルノイラミン酸であ
    る特許請求の範囲第(1)項、第(2)項又は第(3)
    項記載の皮膚老化予防剤。
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