JP2555732B2 - 楽音信号合成方式 - Google Patents

楽音信号合成方式

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JP2555732B2 JP1178979A JP17897989A JP2555732B2 JP 2555732 B2 JP2555732 B2 JP 2555732B2 JP 1178979 A JP1178979 A JP 1178979A JP 17897989 A JP17897989 A JP 17897989A JP 2555732 B2 JP2555732 B2 JP 2555732B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電子楽器あるいは音源モジュール、その
他楽音発生装置若しくは設備等で利用することができる
楽音信号合成方式に関し、特に、所望のスペクトル特性
を持つ楽音信号の瞬時値を比較的簡単な演算により算出
する楽音信号合成方式に関し、かつ該スペクトル特性の
制御可能性を向上させたものに関する。
〔従来の技術〕
楽音信号合成方式としては、可聴周波数領域の周波数
変調演算による方式(代表的には特公昭54−33525号公
報に示されたもの)、あるいは各高調波成分波形を加算
することにより所望のスペクトル特性の楽音信号を合成
する方式、あるいは高調波成分を多く含む音源波形をフ
ィルタに通すことにより所望のスペクトル特性の楽音信
号を合成する方式、などが知られている。
1番目の方式は周波数変調演算式を実行することによ
り所望のスペクトル構成の楽音信号を一挙に合成するの
で、演算システムが比較的簡単であるというメリットが
ある。しかし、十分に満足の行くスペクトル構成を実現
するには多重式や多項式等の複雑な演算式が必要であ
り、それに伴い演算システムが複雑になってしまう、と
いう問題がある。また、所望のスペクトル構成を実現す
るための各種演算パラメータの設定が難しい、という問
題もある。また、高域に向かって単調に減衰するような
スペクトルエンベロープを持つスペクトル構成を実現す
るのが難しい、という問題点もあった。2番目の方式
は、級数演算を行うことになるため、演算システムが大
規模になってしまう、という問題がある。3番目の方式
は、得られるスペクトル特性がフィルタ特性に依存する
ので、スペクトル特性の自由な制御ができない、という
問題がある。
一方、特開昭60−83999号公報においては、上述の周
波数変調演算による楽音信号合成方式の改良が示されて
いる。そこにおいては、周波数変調演算または振幅変調
演算によって楽音信号を合成する場合において、変調波
信号または被変調波信号を、〔f(ωt)〕なる指数
関数で与えるようにし、しかも、この指数関数f(ω
t)をlog〔f(ωt)〕なる対数関数で求めるこ
とにより、k乗の演算を「k・logf(ωt)=log〔f
(ωt)〕」という対数の乗算に置き換えて実行し、
これによりkのべき乗演算を簡略化することが示されて
いる。周波数変調演算または振幅変調演算において、変
調波信号または被変調波信号を〔f(ωt)〕なる指
数関数で与えることにより、変調波または被変調波が複
雑な周波数成分を持つものとなり、これにより、比較的
単調な変調演算式であっても、合成される楽音信号は複
雑な周波数成分を持つものとなり、変調演算システムの
簡略化に寄与する、というメリットがある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述の特開昭60−83999号公報に示された〔f(ω
t)〕なる指数関数は、関数f(ωt)を単にk乗し
ただけのものであるため、その指数関数〔f(ωt)〕
に対応する波形それ自体に複雑に可変制御することは
できなかった。(しかし、そうではあっても、そこに示
されるように、〔f(ωt)〕なる指数関数の波形を
周波数変調演算または振幅変調演算における変調波信号
または被変調波信号として用いれば、その変調の結果得
られる楽音信号中の周波数成分は複雑なものとなるの
で、同公報に記載された発明においては十分に効果が期
待できた。) この発明の主たる目的は、〔f(ωt)〕なる関数
に対応する波形をそれ自体を複雑に可変制御することが
できるようにすることである。また、この発明の更なる
目的は、〔f(ωt)〕なる関数に対応する波形それ
自体を複雑に可変制御することができるようにすること
により、〔f(ωt)〕なる関数単独でも、その波形
形状つまりスペクトル特性を様々に制御することが可能
な、良質の楽音信号を合成することができるようにする
ことである。また、この発明のもう1つの目的は、〔f
(ωt)〕を演算項の1つに含む演算式(例えば周波
数変調演算式や振幅変調演算式など)に従って楽音信号
を合成する場合においても、従来のものに増して更に一
層複雑なスペクトル特性を有する楽音信号を比較的簡単
な演算システムによって合成し得るようにすることであ
る。この発明の更なる目的は、従来の変調演算方式によ
る楽音信号合成方式では実現しにくかった単調減少傾向
のスペクトルエンベロープを持つスペクトル特性を容易
に得ることができるようにすることである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る楽音信号合成方式は、繰返し変化する
位相情報ωtに応じて所定の関数f(ωt)を発生する
こと、指数kに応じてこの関数f(ωt)を〔f(ω
t)〕に変更すること、及び前記kの値を前記位相情
報ωtに応じて制御することからなる演算アルゴリズム
を実行することにより前記関数〔f(ωt)〕の演算
を行い、この関数〔f(ωt)〕の演算値に基づき楽
音信号を合成することを特徴とするものである。
また、この発明に係る楽音信号合成方式は、前記関数
〔f(ωt)〕を演算項の1つに含む演算式を更に実
行し、この演算式に従い楽音信号を合成することを特徴
とすものである。
〔作 用〕
関数〔f(ωt)〕における指数kの値を位相情報
ωtに応じて可変制御することにより、元の関数f(ω
t)の全位相区間においてkと値が同一値に保持される
のではなく、そのうち適宜の位相区間でkの値を異なる
ものとすることができる。これにより、この関数〔f
(ωt)〕に対応する波形は、単純なf(ωt)のk
乗の波形とはならず、複雑なものとなる。
従って、このような位相情報ωtに応じたkの値の制
御により、〔f(ωt)〕なる指数関数に対応する波
形それ自体を複雑に可変制御することができるようにな
る。また、それに伴い、〔f(ωt)〕なる関数単独
でも、その波形形状つまりスペクトル特性を様々に制御
することが可能な、良質の楽音信号を合成することがで
きるようになる。
更に、このような位相情報ωtに応じたkの値の制御
により得られる関数〔f(ωt)〕を演算項の1つに
含む演算式(例えば周波数変調演算式や振幅変調演算式
など)に従って楽音信号を合成する場合においても、当
該演算項に対応する波形成分のスペクトル構成が複雑に
制御可能であるので、従来のものに増して更に一層複雑
なスペクトル特性を有する楽音信号を比較的簡単な演算
システムによって合成することができるようになる。
なおここで、前記関数f(ωt)を対数表現logf(ω
t)で発生し、この関数f(ωt)の対数表現logf(ω
t)に前記指数kを乗算することにより前記関数〔f
(ωt)〕を対数表現log〔f(ωt)〕で求める
ようにすれば、k乗の演算が「k・logf(ωt)=log
〔f(ωt)〕」という対数の乗算に置き換えられ、
これによりkのべき乗演算を簡略化することができる。
〔実施例〕
以下、添付図面を参照してこの発明の実施例を詳細に
説明しよう。
第1図はこの発明に係る楽音信号合成方式の基本構成
に従う一実施例を示すものである。位相情報発生手段1
は繰返し変化する位相情報ωtを発生するものであり、
例えば、発生すべき楽音の音高に対応して0から2πま
での1周期の位相範囲で繰返し変化する位相情報ωtを
発生する。波形発生手段2はこの位相情報ωtに応じて
所定の関数f(ωt)を発生するものである。べき乗手
段3は、指数指定手段4から与えられる指数kに応じて
この関数f(ωt)をk乗し、〔f(ωt)〕に変更
する。指数指定手段4は、指数kを指定するデータを出
力するものであり、位相情報ωtを入力し、この位相情
報ωtに応じて該指数kの値を可変制御する。
第1図の実施例における波形制御の一例を第2図に示
す。波形発生手段2から発生される関数f(ωt)が第
2図aに示すような正弦波関数sinωtであると仮定
し、指数指定手段4では位相情報ωtに応じて0<ωt
≦πの範囲でk=1/2、π<ωt≦2πの範囲でk=2
となるように制御すると仮定すると、べき乗手段3から
出力される関数〔f(ωt)〕の波形は第2図bのよ
うになる。なお、第2図bでは、π≦ωt≦2πの範囲
では関数値の符号を負(−sin2ωt)とした。
このように、1周期内の適宜の位相区間に応じて指数
kの値が切替制御されることにより、べき乗手段3から
出力される関数〔f(ωt)〕に対応する波形は、単
純なf(ωt)のk乗の波形とはならず、複雑なものと
なる。この複雑な関数〔f(ωt)〕の波形形状は、
kの値の切替制御態様(位相範囲とその値の両方をパラ
メータとする態様)に応じて様々に可変制御することが
できる。
位相に応じたkの値の制御態様を制御するために、適
宜の制御パラメータが指数指定手段4に入力されるよう
になっていてよい。この制御パラメータは、時間デー
タ、発生音の音高または音域データ、発生音の音色デー
タ、発生音を指定するための操作子の操作時に加えられ
たタッチデータ及び所定の設定操作手段によって設定さ
れたデータ等の各種ファクタに対応するデータのうちい
ずれか1または複数により決定されるものであってよ
い。時間データによって決定される制御パラメータと
は、例えば、楽音の発音開始に対応して発生されるエン
ベロープ波形データのようなものであり、楽音の発音期
間中において制御パラメータの内容を時間的に変化さ
せ、これによりべき乗手段3から出力される関数〔f
(ωt)〕の波形形状を時間的に変化させ、音色の時
間変化を実現するものである。発生音の音高または音域
データによって決定される制御パラメータとは、例え
ば、発生音の音高または音域に対応して制御パラメータ
の内容を変化させ、これによりべき乗手段3から出力さ
れる関数〔f(ωt)〕の波形形状を発生音の音高ま
たは音域に対応して変化させ、音色のキースケーリング
を実現するものである。発生音の音色データによって決
定される制御パラメータとは、発生音に付与すべき音色
種類に対応して制御パラメータの内容を設定し、これに
よりべき乗手段3から出力される関数〔f(ωt)〕
の波形形状を発生音のために選定された音色種類に対応
するものに設定するものである。発生音を指定するため
の操作子の操作時に加えられたタッチデータによって決
定される制御パラメータとは、例えば、鍵盤式電子楽器
の場合は発生音を指定するための鍵に加えられた鍵押圧
タッチによって決定される制御パラメータのことであ
り、べき乗手段3から出力される関数〔f(ωt)〕
の波形形状を鍵タッチの度合に応じて可変制御し、音色
のタッチコントロールを実現するものである。また、制
御パラメータの内容を設定するために所定の設定操作手
段を設けてもよく、所定の設定操作手段によって設定さ
れたデータによって決定される制御パラメータとは、こ
の設定操作手段によって設定されたデータのことであ
る。
べき乗手段3から出力された関数〔f(ωt)〕
対応する波形信号は、これを単独で楽音信号として使用
してもよい。若しくは、第1図に示す演算回路を、この
関数〔f(ωt)〕を演算項の1つに含む演算式を実
行する演算システムの中に組み込み、この演算式に従い
楽音信号を合成するようにしてもよい。そのような演算
式とは、例えば、周波数変調演算、振幅変調演算、部分
音加算合成演算等任意のものであってよい。
第3図はこの発明に係る楽音信号合成方式の基本構成
に従う別の一実施例を示すものである。位相情報発生手
段1、波形発生手段2、べき乗手段3及び指数指定手段
4は、第1図に示した同一符号のものと同様のものであ
る。ゼロクロス検出手段5は、波形発生手段2から発生
される関数f(ωt)の波形信号のゼロクロス点を検出
するものである。ここで、ゼロクロス点とは、波形の瞬
時振幅値が0の個所(正から負、若しくは負から正に切
り替わる点)である。ゼロクロス検出手段5によるゼロ
クロス検出信号を指数指定手段4に入力する。指数指定
手段4では、位相情報ωtに応じた指数kの値の切替タ
イミングを、このゼロクロス検出手段5で検出したゼロ
クロス点に合わせるようにする。ゼロクロス点に合わせ
る手法としてはどのような手法を採用してもよい。例え
ば、すべてのゼロクロス点に同期してkの値の切替える
ようにしてもよく、その場合は位相情報ωtを指数指定
手段4に入力せずに、ゼロクロス検出信号のみを入力す
るようにしてもよい。あるいは、制御パラメータと位相
情報ωtによって決定されるk値切替タイミングが到来
したとき、すぐにk値を切替えずに、直近のゼロクロス
点が到来するまで待機し、到来したゼロクロス点のタイ
ミングに合わせてk値を切替えるようにしてもよい。
このようにk値切替タミイングをゼロクロス点に合わ
せるようにすることのメリットは、k値の切替えによっ
て関数〔f(ωt)〕の部分波形形状が切り替わる点
において波形の連続性が確保され、波形が滑らかになる
ことである。
次に、この発明に係る楽音信号合成方式のより具体的
な実施例について説明する。
第4図の実施例においては、関数〔f(ωt)〕
対応する楽音信号を算出するための演算アルゴリズムを
実行するハードウェア構成例を示している。この例で
は、或る周期で0から2πまでの位相範囲で繰返し変革
する位相情報ω1tに関して、この2倍の周期の位相情報
ω1t/2を発生し、基本の関数f(ωt)の位相情報ωt
としてこれを使用する、つまりωt=ω1t/2としてい
る。また、基本の関数f(ωt)として正弦関数を使用
している。また、1周期において指数kは、2つの位相
区間で夫々個別に制御可能であるとする。1つの位相区
間を例えば0<ωt≦πの範囲とし、これに対応するk
の値をk=2k1+1とする。もう1つの位相区間を例えば
0<ωt≦πの範囲とし、これに対応するkの値がk=
2k2+1とする。ここでk1及びk2は、それぞれの位相区間
におけるkの値を決定する変数である。
従って、得られる指数関数〔f(ωt)〕は次式に
よって表わされる。
ここで、0<ωt≦πのとき また、0<ωt≦2πのとき 第4図に示された演算部10においては、前記(2)及
び(3)式に従って楽音信号合成のための演算を行な
う。
理解し易くするために、第4図の演算部10を適用した
電子楽器の簡単な一構成例を第5図に示す。鍵盤回路20
は、発生すべき楽音の音高を指定するための複数の鍵に
対応するキースイッチを含む回路であり、押圧された鍵
を示すキーコードKCを出力すると共に、鍵押圧の有無を
示すキーオン信号KONを出力し、更に必要に応じて押圧
鍵のタッチに応じたタッチデータTDを出力するようにな
っていてよい。音色選択回路21は発生すべき楽音に付与
する音色を選択若しくは設定するためのものである。こ
こで選択/設定された音色に応じて音色パラメータ発生
回路22(これは例えばパラメータメモリを含んでいてよ
い)から種々の音色パラメータを発生し、演算部10、制
御パラメータ発生部23及びエンベロープ発生部24に与え
る。操作子25は、制御パラメータの内容を手動設定する
ためのものである。
制御パラメータ発生部23は、位相に応じた前記kの値
の制御態様を制御するための制御パラメータを発生する
ものである。この制御パラメータ発生部23には、キーコ
ードKC、キーオン信号KON、タッチデータTD、操作子25
の出力データ、音色パラメータ等が入力されており、前
述のように、これら各種ファクタに対応するデータのう
ちいずれか1または複数に応じて制御パラメータの内容
を決定し、出力する。また、時間要素としてクロックパ
ルスCPが入力されている。なお、この例では、kの値を
それぞれ独立に制御する位相区間の範囲は固定としてい
るため、位相情報は制御パラメータ発生部23に入力され
ていないが、この位相区間の範囲も可変とする場合は位
相情報も制御パラメータ発生部23に入力するようにす
る。この例では、それぞれの位相区間におけるkの値を
決定する変数であるk1及びk2が制御パラメータとして制
御パラメータ発生部23から出力される。
エンベロープ発生部24は、キーオン信号KONと音色パ
ラメータを入力し、楽音信号の振幅エンベロープ係数E
(t)を設定するエンベロープ波形信号を発生し、出力
するものである。
ディジタル/アナログ変換器26は演算部10で合成した
ディジタル楽音信号をアナログ変換するもので、アナロ
グ変換された楽音信号はサウンドシステム27に与えられ
る。
第4図に戻り、位相情報発生回路11では、発生すべき
楽音の音高を指定する情報(キーコードKC若しくは基本
周波数に対応する周波数情報であってもよい)が与えら
れると、この音高に応じて角周波数ωの2倍の周期で
繰返し変化する位相情報ω1t/2を発生する。また、音色
パラメータとして、この位相情報の初期位相φを設定
するデータと角周波数ωの係数n1を設定するデータ
が、この位相情報発生回路11に与えられる。この角周波
数係数n1は発生すべき楽音の基本周波数に対する係数で
あり、この係数n1と楽音の基本周波数とに応じて前記角
周波数ωが決定される。この角周波数係数n1は、所望
のスペクトル特性に応じて定まるものであり、整数若し
くは非整数であってもよい。初期位相φのデータは、
ω1tに対して加算若しくは減算されるか、ω1t/2に対し
て加算若しくは減算される。従って、位相情報発生回路
11から出力される位相情報は(ω1t+φ)/2またはω
1t/2+φである。以下では(ω1t+φ)/2とする。
第5図の例では、発生すべき楽音の音高を指定する情
報として、キーコードKCが位相情報発生回路11に与えら
れる。また、初期位相φとデータと角周波数係数n
1は、音色パラメータ発生回路22から発生され、位相情
報発生回路11に与えられる。
位相情報発生回路11から出力された位相情報(ω1t+
φ)/2は正弦関数テーブル12のアドレス入力に与えら
れる。正弦関数テーブル12は、正弦関数値を対数表現で
記憶しているものであり、アドレス入力された位相情報
(ω1t+φ)/2に応じて正弦関数値log sin〔(ω1t
+φ)/2〕を読み出す。周知のように、正弦関数テー
ブル12において1周期全部の正弦関数値を記憶しておく
必要はなく、半周期あるいは1/4周期等一部だけ記憶し
ておくものであってもよい。正弦関数テーブル12の出力
はN+1ビットシフタ13に与えられる。
位相情報発生回路11から出力された位相情報(ω1t+
φ)/2のデータのうち最上位ビットMSBがセレクタ14
の制御入力に与えられる。セレクタ14のデータ入力に
は、前記制御パラメータ発生部23から出力された制御パ
ラメータk1,k2がそれぞれ入力される。セレクタ14で
は、最上位ビットMSBが“0"のとき、つまり0<(ω1t
+φ)/2≦πの位相区間のとき、k1を選択し、N+1
ビットシフタ13のN指定入力に与える。また、最上位ビ
ットMSBが“1"のとき、つまりπ<(ω1t+φ)/2≦
2πの位相区間のときは、k2を選択し、n+1ビットシ
フタ13のN指定入力に与える。
N+1ビットシフタ13は、正弦関数テーブル12から与
えられる正弦関数値log sin〔(ω1t+φ)/2〕のデ
ータを、N指定入力に与えられる数値N(すなわちk1ま
たはk2)に応じてN+1ビットシフトするものである。
2進データのN+1ビットシフトは、そのデータに対し
て2N+1の乗算を行うことを意味する。また、対数に対す
る2N+1の乗算は、その対数の真数の2N+1乗を意味する。
従って、次式に示すように、このN+1ビットシフタ13
においては、実質的に、正弦関数sin〔(ω1t+φ)/
2〕の2N+1乗の演算を行う。
0<(ω1t+φ)/2≦πのとき π<(ω1t+φ)/2≦2πのとき N+1ビットシフタ13の出力は加算器15に与えられ、
エベロープ発生部24から与えられる対数表現のエンベロ
ープ係数logE(t)が加算される。周知のように、対数
同士の加算は真数部分同士の乗算に相当するので、上記
(4),(5)式右辺における対数の真数部分とエンベ
ロープ係数E(t)との積の対数表現データが加算器15
から出力される。加算器15の出力を対数/リニア変換テ
ーブル16に与えられ、リニア表現のデータに変換され
る。
対数/リニア変換テーブル16の出力は演算部10の出力
信号としてD/A変換器26(第5図)に与えるようにして
もよいし、必要に応じて他の回路を設け、そこに入力す
るようにしてもよい。
例えば、対数/リニア変換テーブル16の出力側に振幅
補正回路17を設け、この振幅補正回路17により、入力デ
ータを制御信号PSに応じてレベルシフト制御するように
してもよい。この場合、レベルシフト制御信号PSは、音
色パラメータ若しくは操作子による設定操作等に応じて
与えるようにし、入力データをレベルシフトするか否か
を指示する。振幅補正回路17では入力データをレベリシ
フトしない場合は入力データをそのまま通過させるが、
レベルシフトする場合は所定の演算式に従ってレベルシ
フト演算を行う。上記(4)式または(5)式で表わさ
れる波形振幅値の正負極性は、指数2nが偶数であるた
め、常に正であり、そのままではその波形が正領域でし
か振動しないので、正負両極性の領域で対称的に振動さ
せるためにレベルシフト制御を行う。
第6図の実施例は、第4図に示すようなべき関数〔f
(ωt)〕を演算する演算システムを、該べき関数
〔f(ωt)〕を演算項の1つに含む演算式を実行す
る演算システムの中に組み込み、この演算式に従い楽音
信号を合成するようにした例を示すものである。この例
において実行する演算式は下記のようであり、べき関数
〔f(ωt)〕は正弦関数sin(ω2t+φ)を乗算
するようにしたものである。
〔f(ωt)〕・sin(ω2t+φ) …(6) ω2tは正弦関数の位相情報、φは正弦関数の初期位
相である。ここで、べき関数〔f(ωt)〕が前記
(4)式及び(5)式のようであるとすると、演算の結
果得られる楽音信号は下記式で表される。
0<(ω1t+φ)/2≦πのとき π<(ω1t+φ)/2≦2πのとき 第6図に示された演算部10においては、前記(7)及
び(8)式に従って楽音信号合成のための演算を行な
う。
第6図において、第4図に示された回路と同一符号が
付された回路は同一機能の回路である。第6図に示され
た演算部10においては、正弦関数テーブル12の時分割使
用して、べき関数〔f(ωt)〕のための正弦関数と
正弦関数sin(ω2t+φをそれぞれ発生するようにな
っている。
位相情報発生回路30は、正弦関数sin(ω2t+φ
の位相情報を発生するものであり、発生すべき楽音の音
高を指定する情報(キーコードKC若しくは基本周波数に
対応する周波数情報であってもよい)が与えられると、
この音高に応じた角周波数ωで繰返し変化する位相情
報ω2tを発生する。また、音色パラメータとして、この
位相情報の初期位相φを設定するデータと角周波数ω
の係数n2を設定するデータが、この位相情報発生回路
30に与えられる。この角周波数係数n2は発生すべき楽音
の基本周波数に対する係数であり、この係数n2と楽音の
基本周波数とに応じて前記角周波数ωが決定される。
この角周波数係数n2は、所望のスペクトル特性に応じて
定まるものであり、整数若しくは非整数であってよい。
初期位相φのデータは、ω2tに対して加算若しくは減
算される。
位相情報発生回路11から出力された位相情報(ω1t+
φ)/2と位相情報発生回路30から出力された位相情報
ω2t+φがセレクタ31に入力され、時分割タイミング
信号TSに従って時分割的に選択される。セレクタ31の出
力は正弦関数テーブル12に入力され、アドレス入力され
た位相情報(ω1t+φ)/2またはω2t+φに対応す
る対数表現の正弦関数値log sin〔(ω1t+φ)/2〕
またはlog sin(ω2t+φ)が読み出される。正弦関
数テーブル12の出力は、N+1ビットシフタ13及びラッ
チ回路32に与えられる。
ラッチ回路32は、正弦関数値log sin(ω2t+φ
をラッチするためのものであり、信号TSを反転した信号
/TSによってラッチ制御される。
N+1ビットシフタ13では、前述のとおり各位相区間
に応じて、正弦関数sin〔(ω1t+φ)/2〕の2N+1
の演算を行う。この出力はラッチ回路33に与えられ、信
号TSに従ってラッチ制御される。
こうして、ラッチ回路32からは正弦関数値log sin
(ω2t+φ)が、ラッチ回路33からは前記(4)式ま
たは(5)式で示されるべき関数値が、それぞれ出力さ
れ、両者が加算器34で加算される。対数同士の加算は真
数同士の乗算であるため、前記(7)式または(8)式
で示される演算式の演算結果が対数にて得られる。
加算器34の出力は、加算器15に与えられ、エンベロー
プ発生部24から与えられる対数表現のエンベロープ係数
logE(t)が加算される。従って、上記(7),(8)
式右辺における対数の真数部分とエンベロープ係数E
(t)との積の対数表現データが加算器15から出力され
る。加算器15の出力は対数/リニア変数テーブル16に与
えられ、リニア表現のデータに変換される。
次に、第4図または第6図の演算部10によって合成さ
れる楽音信号の波形及びスペクトル構成の実例を第7図
a乃至第7図lを参照して説明する。各図において、上
段に示したものが波形図、下段に示したものがスペクト
ル図である。また、各図には当該波形を得るために設定
した各種パラメータの値に付記している。この演算パラ
メータ値の付記にあたっては、第6図の演算部10によっ
て実行される前記(6)式乃至(8)式の演算式を前提
としているが、第7図a乃至dのように、ω=0,φ
=90゜の場合は、sin(ω2t+φ)=1に固定される
ので、前記(7)式及び(8)式の演算式の演算結果は
前記(1)式乃至(5)式に示されたようなべき関数単
独の演算式による結果と同じになり、第4図の演算部10
によって合成される波形例でもある。
第7図a乃至dは上述のように前記(1)式乃至
(5)式に示されたようなべき関数単独からなる波形の
一例である。これらの場合、ωの間隔で線スペクトル
が発生し、スペクトルエンベロープは高域になるほど減
衰する単調減衰傾向を示す。
第7図a及びbは、指数パラメータk1,k2を同じ値に
設定した例を示す。この場合、スペクトルエンベロープ
の形状は、高域にいくに従って傾きが急になる形状を示
し、k1,k2の値が増すに伴い高域にスペクトルが広が
る。
第7図c及びdは、指数パラメータk1,k2の値を異な
らせた例を示す。この場合、スペクトルエンベロープの
形状は高域にいくに従って傾きが緩くなる形状を示す。
例えば、一方のk2の値を固定し、他方のk1の値を増すに
伴い、スペクトルは高域に広がる。
第7図e乃至1は、前記(6)式乃至(8)式に示す
演算式に基づく楽音信号波形の一例である。
第7図e乃至hは、ω対ωの周波数比を2対1に
した例である。これらの場合、ωの周波数を基本にし
てωの間隔で線スペクトルが発生し、スペクトルエン
ベロープは高域になるほど減衰する単調減衰傾向を示
す。
第7図e及びfは、指数パラメータk1,k2を同じ値に
設定した例を示す。この場合、スペクトルエンベロープ
の形状は、高域にいくに従って傾きが急になる形状を示
し、k1,k2の値が増すに伴い高域にスペクトルが広が
る。
第7図g及びhは、指数パラメータk1,k2の値を異な
らせた例を示す。この場合、スペクトルエンベロープの
形状は高域にいくに従って傾きが緩くなる形状を示す。
例えば、一方のk2の値を固定し、他方のk1の値を増すに
伴い、スペクトルは高域に広がる。
第7図i乃至1は、ω対ωの周波数比を1対20に
した例である。これらの場合、ωの周波数を中心にし
てその両側にωの間隔で線スペクトルが発生し、中心
周波数ωのレベルが最も高く、そこから離れるに従っ
てレベルが低下する山型のフォルマント特性を示す。
第7図i及びjは、指数パラメータk1,k2を同じ値に
設定した例を示す。この場合、スペクトルエンベロープ
の形状は、丸みのある山型形状を示し、k1,k2の値が増
すに伴いスペクトルが広がる。
第7図k及びlは、指数パラメータk1,k2の値を異な
らせた例を示す。この場合、スペクトルエンベロープの
形状は先の尖った山型形状を示す。例えば、一方のk2の
値を固定し、他方のk1の値を増すに伴い、スペクトルは
高域に広がる。
次に、前記(1)式乃至(8)式に従って合成するこ
とが可能な楽音信号を、パラメータを適宜異ならせて複
数個合成し、これらを加算的または減算的に合成するこ
とにより1つの楽音信号を合成することもできる。これ
により、より一層複雑かつ制御性に富んだスペクトル構
成を持つ楽音信号を合成することができる。第8図はそ
のための回路構成の一例を示すものである。第8図は第
5図の構成をnチャンネル時分割処理可能な構成に変更
したものである。演算部10としては第4図または第6図
に示すものを用いてよい。
押鍵情報発生回路35は、鍵盤で押圧された鍵を示すキ
ーコードKCを出力すると共に、該キーコードKCに対応す
る鍵の押圧が持続しているか否かを示すキーオン信号KO
Nを出力するものであり、複音同時発音可能な構成にす
る場合は、周知のキーアサイナを含むものである。
演算部10、音色選択回路21、音色パラメータ発生回路
22、制御パラメータ発生回路23、エンペロープ発生部2
4、操作子25、ディジタル/アナログ変換器26、サウン
ドシステム27等は第5図に示されたものと同じであって
よい。ただし、この第8図の実施例ではnチャンネルで
n個の楽音信号若しくは部分音信号を時分割的に同時発
生可能な構成であるため、演算部10では、1つの楽音信
号若しくは部分音信号を合成するための複数のタイムス
ロット(第6図の例では2タイムスロット)から成る処
理時間帯を1チャンネル分の時間として、nチャンネル
時分割動作を行なう。第9図(a)は演算部10における
1〜2タイムスロットと1〜nチャンネル時間との関係
を例示したものである。
タイミングコントローラ36は、1チャンネル時間内の
複数タイムスロットから成る時分割動作を制御すると共
に各チャンネル単位の時分割動作をも制御するためのも
のである。
演算部10の出力は加算器37に入力される。加算器37の
出力はラッチ回路38に与えられ、このラッチ回路38の出
力が加算器37の他の入力に与えられる。これらの加算器
37及びラッチ回路38は、演算部10で合成した部分音信号
を合算して1つの楽音信号にするためのアキュムレータ
である。加算器37の出力はアキュムレータ39に与えられ
る。このアキュムレータ39は1サンプル時間内で時分割
的に合成された複数の楽音信号を合計し、複数の楽音信
号サンプル値を合計した1サンプル点分の合成楽音信号
振幅値を提供するためのものである。アキュムレータ39
の出力はディジタル/アナログ変換器36に与えられる。
なお、nチャンネルすべてを部分音信号の合成のために
使用する場合は、部分音信号合計用のアキュムレータ
(加算器37及びラッチ回路38)があればよく、複音合計
用のアキュムレータ39は単なるラッチ回路であってよ
い。
タイミングコントローラ36から適切なタイミング信号
が、演算部10、音色パラメータ発生回路22、制御パラメ
ータ発生回路23、エンペロープ発生部24、ラッチ回路3
8、アキュムレータ39等に与えられ、時分割動作が適正
に行なわれるよう制御される。
時分割動作タイミングの一例を示すと、nチャンネル
すべてを部分音信号の合成のために使用する場合は、第
9図(b)に示すように2〜n番目のチャンネル時間の
各々の立上りに同期してラッチ回路38のラッチパルスを
発生し、1番目のチャンネル時間の立上りでアキュムレ
ータ39のロードパルスを発生し、その後でラッチ回路38
のクリアパルスを発生する。これにより、1〜n−1番
目のチャンネルに関する演算部10の出力信号が加算器37
及びラッチ回路38において逐次アキュムレートされ、こ
の1〜n−1番目のチャンネルに関するアキュムレート
値とn番目のチャンネルに関する演算部10の出力信号が
加算器37で加算されたとき、その加算結果、つまり全n
チャンネルに関するアキュムレート値がアキュムレータ
39に取り込まれる。アキュムレータ39では取り込んだア
キュムレート値を次のロードパルスが与えられるまでの
間、つまり1サンプル時間の間、保持する。また、ラッ
チ回路38は次のサンプル点に関するアキュムレーション
のためにクリアされる。
時分割動作タイミングの別の例を示すと、1〜7番目
のチャンネルを部分音信号の合成のために使用し、残り
の8〜n番目のチャンネルは夫々別々の楽音信号のため
に使用する場合は、第9図(c)に示すように2〜7番
目のチャンネル時間の各々の立上りに同期してラッチ回
路38のラッチパルスを発生し、8番目のチャンネル時間
の立上りでアキュムレータ39の加算パルスを発生し、そ
の後でラッチ回路38のクリアパルスを発生し、更に9〜
n番目のチャンネル時間の各々の立上りに同期してアキ
ュムレータ39の加算パルスを発生する。これにより、1
〜6番目のチャンネルに関する演算部10の出力信号が加
算器37及びラッチ回路38において逐次アキュムレートさ
れ、この1〜6番目のチャンネルに関するアキュムレー
ト値と7番目のチャンネルに関する演算部10の出力信号
が加算器37で加算されたとき、その加算結果、つまり1
〜7番目のチャンネルに関するアキュムレート値がアキ
ュムレータ39に取り込まれ、アキュムレートされる。更
に8〜n番目のチャンネルに関する演算部10の出力楽音
信号が加算器37を経由してアキュムレータ39に入力され
るとき、アキュムレータ39ではこれらを逐次アキュムレ
ートする。こうして、1〜7番目のチャンネルで合成し
た7つの部分音信号を合計した楽音信号と8〜n番目の
チャンネルで合成した各楽音信号とがアキュムレータ39
で合計される。アキュムレータ39では図示しない適切な
タイミング信号に従って1サンプル点分の合計楽音信号
を1サンプル時間の間、保持する。また、ラッチ回路38
は次のサンプル点に関するアキュムレーションのために
クリアされる。
各チャンネルの時分割利用の仕方は上述の2例に限ら
ず、更に様々なバリエーションが可能であることは勿論
である。例えば、1つの楽音信号のために使用するチャ
ンネル数(部分音数)は7に限らず幾つであってもよい
し、更に別の複数のチャンネルを別の楽音信号のための
複数の部分音信号の合成のために使用するようにしても
よく、また反対に、nチャンネルのすべてを異なるn音
の楽音信号の合成のために使用するようにしてもよい。
第8図の実施例における動作例を第10図a乃至dに示
す。第10図a乃至cは第8図の演算部10で3つのチャン
ネルを使用して合成される楽音信号(部分音信号)のス
ペクトル例をそれぞれ示し、第10図dはこれらの3つの
楽音信号(部分音信号)を加算合成して得られる1つの
楽音信号のスペクトル例を示す。加算合成に限らず、減
算であってもよい。このように、複雑なスペクトル特性
の楽音信号の合成も可能である。
前記(1)式乃至(8)式は本発明に従って楽音信号
を合成する場合の演算式の一例であるが、本発明は1つ
の楽音信号をこれらの演算式のみによって合成すること
に限定されるものではない。
まず、べき関数〔f(ωt)〕は、(1)式乃至
(5)式のような正弦波関数を基本とするものに限ら
ず、どのようなものであってもよい。
また、指数kの値を切替える位相区間は上記実施例に
示したものに限らず、どのように定めてもよい。
また、べき関数〔f(ωt)〕を演算項の1つとし
て含む楽音合成用演算式は、前記(6)式乃至(8)式
に示すようなものに限らず、どのようなものでもよい。
例えば、周波数変調型楽音合成用演算式の場合は、べき
関数〔f(ωt)〕を搬送波関数として使用してもよ
いし、変調波関数として使用してもよい。振幅変調型楽
音合成用演算式の場合も同様である。また、パラメータ
を独立に制御した複数のべき関数〔f(ωt)〕を加
算若しくは減算又は乗算あるいは除算するようにしても
よい。また、単独のまたは複数のべき関数〔f(ω
t)〕を、他の適宜の関数と加算若しくは減算又は乗
算あるいは除算するようにしてもよい。
なお、複数チャンネルで楽音信号若しくは部分音信号
を発生するための構成は、第8図のように1つの演算部
10を時分割使用して発生する構成に限らず、ハード的に
複数系列の演算部10を並列的に設け、各系列の演算部10
の出力を加減乗除算するようにしてもよい。
なお、第6図の演算部10においては、1つの正弦関数
テーブルを時分割共用しているが、このような時分割処
理方式に限らず、個別ハードウェアによりパラレル処理
するようにしてもよい。
また、第4図、第6図の例においては波形データや係
数データを対数表現で与え、演算処理の後リニア表現に
変換するようにしているが、これは始めからリニア表現
で与えるようにしてもよい。
勿論、べき乗演算のための手段は第4図、第6図に示
すようなN+1ビットシフタに限らず、その他の演算手
段またはテーブル等を用いてよい。
また、上記各式において正弦関数は余弦関数であって
も実質的に変わりないことは言うまでもなく、また、正
弦関数テーブル12は余弦関数テーブルに置き換えてもよ
い。更に、正弦関数テーブル12は他の任意の形状の波形
(低温成分を含む波形)を記憶したテーブルに置き換え
ることも可能である。
また、第4図の例において、正弦関数テーブル12の正
弦波の2乗の関数(sin2)を記憶したテーブルに置き換
えてもよく、その場合はN+1ビットシフタ13はNビッ
トシフタに置き換える。
勿論、演算部10のハード構成は第4図,第6図に示し
た例に限らず、適宜に設計変更することができる。ま
た、汎用演算回路ハードウェアを使用して、ソフトウェ
ア処理によって任意の演算アルゴリズムを実行するよう
にしてもよい。
勿論、べき関数の位相情報は、(1)式乃至(5)式
のような2で除したものに限られるわけではなく、発生
すべき楽音の音高等に応じて任意に定めてよい。また、
べき関数の指数部も、(1)式乃至(5)式に示された
ものに限られるわけではなく、任意に定めてよい。
なお、位相情報ωtを発生させるための構成として
は、周波数ナンバを繰り返しアキュムレート(加算若し
くは減算)する方式やノートクロックを分周する方式や
その他公知の種々の方式を任意に用いてよいのは勿論で
ある。
明らかなように、この発明に従って発生される楽音信
号若しくは部分音信号は、最終的な楽音信号若しくはそ
の一部として使用するだけに限らず、周波数変調演算や
振幅変調演算等による楽音合成方式における変調波信号
や被変調波信号(搬送波信号)等として使用するように
してもよい。
この発明は、音階音に限らず、リズム音や人間の音声
音等その他種々の音信号の発生のために適用することが
できるのは勿論である。
〔発明の効果〕
以上の通り、この発明によれば、べき関数〔f(ω
t)〕における指数kの値を位相情報ωtに応じて制
御するようにしたため、〔f(ωt)〕なる指数関数
に対応する波形それ自体を複雑に可変制御することがで
きるようになる。また、それに伴い、〔f(ωt)〕
なる関数単独でも、その波形形状つまりスペクトル特性
を様々に制御することが可能な、良質の楽音信号を合成
することができるようになる。例えば、周波数変調演算
式や振幅変調演算式などによる楽音信号合成方式におい
ては実現するのが面倒であった、スペクトルエンベロー
プが単調に変化する特徴を持つスペクトル特性の楽音信
号を比較的簡単な演算構成により合成することができ
る。
更に、このような位相情報ωtに応じたkの値の制御
により得られる関数〔f(ωt)〕を演算項の1つに
含む適宜の演算式に従って楽音信号を合成する場合にお
いても、当該演算項に対応する波形成分のスペクトル構
成が複雑に制御可能であるので、従来のものに増して更
に多様なスペクトル特性を有する楽音信号を比較的簡単
な演算システムによって合成することができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る楽音信号合成方式の基本構成に
従う一実施例を示すブロック図、 第2図a,bは第1図の実施例における波形制御の一例を
示す図、 第3図はこの発明に係る楽音信号合成方式の基本構成に
従う別の一実施例を示すブロック図、 第4図はこの発明の具体的な一実施例である楽音信号合
成用の演算部の一例を示すブロック図、 第5図は第4図の演算部を適用した電子楽器の簡単な一
構成例を示すブロック図、 第6図はこの発明の具体的実施例である楽音信号合成用
の演算部の別の例を示すブロック、 第7図a乃至1は第4図または第6図の演算部によって
合成される楽音信号の波形及びスペクトル構成の実例を
夫々示す図、 第8図は第4図または第6図の演算部を適用した電子楽
器の別の簡単な構成例を示すブロック図であり、nチャ
ンネル時分割処理可能な構成としたもの、 第9図は第8図における時分割動作タイミングの一例を
示すタイミングチャート、 第10図a乃至dは第8図における波形合成動作例を示す
スペクトル図、である。 1……位相情報発生手段、2……波形発生手段、3……
べき乗手段、4……指数指定手段、5……ゼロクロス検
出手段、10……演算部、11……位相情報発生回路、12…
…正弦関数テーブル、13……N+1ビットシフタ、16…
…対数/リニア変換テーブル、20……鍵盤回路、21……
音色選択回路、22……音色パラメータ発生回路、23……
制御パラメータ発生回路、24……エンベロープ発生部、
25……操作子、26……ディジタル/アナログ変換器、27
……サウンドシステム。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰返し変化する位相情報ωtに応じて所定
    の関数f(ωt)を発生すること、 指数kに応じてこの関数f(ωt)を〔f(ωt)〕
    に変更すること、及び 前記kの値を前記位相情報ωtに応じて制御すること からなる演算アルゴリズムを実行することにより前記関
    数〔f(ωt)〕の演算を行い、この関数〔f(ω
    t)〕の演算値に基づき楽音信号を合成することを特
    徴とする楽音信号合成方式。
  2. 【請求項2】前記演算アルゴリズムにおいて、前記関数
    f(ωt)を対数表現logf(ωt)で発生し、この関数
    f(ωt)の対数表現logf(ωt)に前記指数kを乗算
    することにより前記関数〔f(ωt)〕に対数表現lo
    g〔f(ωt)〕で求めるようにした請求項1に記載
    の楽音信号合成方式。
  3. 【請求項3】前記位相情報ωtに応じた前記kの値の制
    御態様を、制御パラメータに応じて制御するようにした
    請求項1または2に記載の楽音信号合成方式。
  4. 【請求項4】前記制御パラメータは、時間データ、発生
    音の音高または音域データ、発生音の音色データ、発生
    音を指定するための操作子の操作時に加えられたタッチ
    データ及び所定の設定操作手段によって設定されたデー
    タ等の各種ファクタに対応するデータのうちいずれか1
    または複数により決定されるものである請求項3に記載
    の楽音信号合成方式。
  5. 【請求項5】前記kの値を切替えるタイミングを、前記
    関数f(ωt)で表現される波形のゼロクロス点に合わ
    せることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    の楽音信号合成方式。
  6. 【請求項6】前記関数〔f(ωt)〕を演算項の1つ
    に含む演算式を更に実行し、この演算式に従い楽音信号
    を合成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    に記載の楽音信号合成方式。
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