JP2550308Y2 - 冷却ノズルヘッダー - Google Patents

冷却ノズルヘッダー

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JP2550308Y2
JP2550308Y2 JP8709192U JP8709192U JP2550308Y2 JP 2550308 Y2 JP2550308 Y2 JP 2550308Y2 JP 8709192 U JP8709192 U JP 8709192U JP 8709192 U JP8709192 U JP 8709192U JP 2550308 Y2 JP2550308 Y2 JP 2550308Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、熱延鋼板等の冷却装置
におけるノズルヘッダーに関する。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、熱間圧延工程において仕上
げ圧延された鋼板等は、冷却ノズルヘッダーからの冷却
水の噴射を連続的に受け冷却された後、巻き取られる。
この冷却は通常、連続的に移動する鋼板の上方であっ
て、かつ鋼板搬送方向に直交する向きに配置されたヘッ
ダーに設けた多数のノズルから冷却水を鋼板面に噴出す
ることにより行われる。
【0003】かかる冷却装置として従来、最も一般的な
ものがいわゆるヘアピン形状のノズルを有するヘッダー
であり、その形状は図12および図13に示すものであ
る。
【0004】両図中、100 は円筒状のヘッダー本体であ
り、この中をその片側から高圧の冷却水が供給される。
101 は前記ヘッダー本体100 内に連通してその上部に両
側に向かって設けられたヘアピン状(換言すればサイホ
ン状)のノズル群であり、その一対のノズルの下端の流
出口は隣接するテーブルローラー102 、102 の天端位置
に設定されている。ヘッダー本体100 からの冷却水Wは
各ノズル101 、101 …を通って下方の鋼板S上面に直交
的に噴射され冷却するように構成されている。
【0005】これらのヘッダー本体100 は、その片側か
ら給水される構造となっているため、ヘッダー本体100
長手方向における給水側の水圧が高く反給水側の水圧が
低くなる。そのため、ノズル101 からの噴出水量もそれ
に応じて長手方向に不均一となる。
【0006】また冷却停止命令が出た時には、長手方向
の各ノズル101 、101 …群からの冷却水の流出が瞬時に
停止する必要があるが、上記ヘッダーの構造では、冷却
水の供給停止後、ある時間はサイフォン現象によりヘッ
ダー本体100 から残留水が吸い上げられ、数本あるいは
それ以上の本数のノズルから水の落下が継続する傾向が
ある。
【0007】この現象は、冷却水の噴射量を不均一と
し、鋼板温度の幅方向および長さ方向のバラツキを招
き、鋼板の材質の不均一をもたらすことになる。
【0008】そこでこれらの問題を解消することを意図
したものとして、例えば実開昭63-27849号公報に記載の
ノズルヘッダーがある。このヘッダーでは、図14のよ
うに、ヘッダー本体201 の長手方向一端から給水するの
ではなく、長手方向に間隔を置いて給水配管200 を複数
設けるとともに、水切り性をよくするためにヘアピン型
ノズルではなく、ストレート型ノズル202 を採用してい
る。
【0009】また、このノズルヘッダーの構造は、図1
5および図16に示したように、ストレート型ノズル20
2 をヘッダー本体201 を貫通させて固定するとともに、
屋根状の上部ヘッダー203 をヘッダー本体201 の上部に
液密に固着させ、さらにヘッダー本体201 の上記上部ヘ
ッダー203 がわに通孔204 を形成させたものである。
【0010】このノズルヘッダーでは、冷却水Wはポン
プ205 によって、給水配管200 に導入され、ヘッダー本
体201 中に入る。この冷却水は通孔204 を介して、上部
ヘッダー203 とヘッダー本体201 との間の空隙に入り、
次いでノズル202 内に圧入され、下方に落下して鋼板面
Sに噴射される構造となっている。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載のノズルヘッダーでは、上部ヘッダー203 の内
壁寸法精度およびノズル202 上端の面取り加工精度等に
バラツキが生じやすく、また上部ヘッダーとヘッダー本
体を溶接する際に、ヘッダー長手方向に変形を生じ冷却
水の噴出を均一にするのが困難になる。しかも図14に
示すように、ヘッダー本体201 に沿う方向に間隔を置い
て給水配管200 、200 …複数設けているため、鋼板Sの
搬送方向のスペースを長く取る必要がある。このため、
鋼板S搬送方向に複数のヘッダーを配列したときに隣り
合うヘッダーとの間隔が開きすぎて、冷却能力の低下を
招く。
【0012】また、水切りの際にも、上部ヘッダー203
中に残留する水が全てノズル202 から排出されるまで水
の落下が止まらないため、停止時の応答性が悪く、鋼板
の冷却終了温度を精度よくコントロールできない。
【0013】上記のスペースの問題点は、実公昭63−44
168 号公報の第1図に示す例では解決されるが、他の上
記の問題点は依然として残る。
【0014】そこで本考案の課題は、設置スペースの問
題がなく、ヘッダー長手方向での冷却水のバラツキがな
く、供給水量が変動したときも水流が安定していて、し
かも水切り応答性が良好な冷却ノズルヘッダーを提供す
ることにある。また、設置スペースにゆとりがある場合
には、水流の安定性および水切り応答性をさらに向上さ
せた冷却ノズルヘッダーを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題は、第1の例と
して、軸芯が実質的に水平になるように配置され、一端
側が液密に閉塞され、他端側から冷却水が供給される構
造の筒状下部ヘッダーと、これと平行して両端が閉塞さ
れた筒形の上部ヘッダーと、上記下部ヘッダーと上部ヘ
ッダーとを連通する軸芯方向に間隔を置いた複数の連通
管と、前記上部ヘッダーにその軸芯方向に間隔を置いた
多数のノズルとを有し、前記各ノズルの一部が上部ヘッ
ダーより立ち上がりかつ冷却水の吐出口が下方を向き、
前記各連通管による連通部分に流れの抵抗手段を有し、
その流れの抵抗が前記冷却水の給水側と閉塞側との間で
給水側ほど大きくされていることで解決できる。また、
第2の例として、前記上部ヘッダー内に上下を仕切って
多数の透孔を有する実質的に水平な整流板を設け、この
整流板の透孔径が給水側を構成する一端側と閉鎖側を構
成する他端側との間で一端側ほど小さくされていること
でもよい。
【0016】さらに、この第2の例においては、前記上
部ヘッダー内でかつ前記整流板の上方位置に、前記上部
ヘッダーの天端と整流板との空間を仕切って均一な径を
有する多数の透孔を有する実質的に水平な他の整流板が
設けられていることが望ましい。第1の例および第2の
例に対して、本考案の第3の例として、前記上部ヘッダ
ーに連通して長手方向に間隔を置いて複数のエア抜き管
が配設され、これら各エア抜き管に連通し、かつ給水水
柱より高位において共通の排気管を設けることができ
る。
【0017】
【作用】本考案の各例において、下部ヘッダーの一方側
から給水するようにしたので、鋼板の流れ方向のスペー
スが問題とならない。しかも、下部ヘッダーの一方側か
ら給水するようにしたとしても、第1の例においては、
上部ヘッダーとの各連通管による連通部分に流れの抵抗
手段を有し、その流れの抵抗が前記冷却水の給水側と閉
塞側との間で給水側ほど大きくしてあるので、その流れ
抵抗を調整または設定することにより、各ノズル群から
の吐出流量を均一にすることができる。
【0018】本考案においては、各ノズルの一部が上部
ヘッダーより立ち上がりかつ冷却水の吐出口が下方を向
く、たとえばヘアピン型ノズルを用いるのが望ましい。
このヘアピン型ノズルを用いる場合には、後記第1の例
に沿って説明するように、上部ヘッダーに連通して長手
方向に複数の給気口を形成し、これら給気口に共通の送
気管を接続し、給水の停止時点において、同時的に送気
管を介して圧空を供給することにより、各ノズルの残留
水を一気に流出させることができ、水切り性に優れたも
のとなる。
【0019】第1の例において、上部ノズルヘッダー内
に上下を仕切って多数の透孔を有する整流板を設ける
と、各ノズルからの吐出流量を一層均一にする効果があ
り、しかも当該整流板を上部ヘッダーの中間に設けるこ
とで実質的に上部ヘッダー内を仕切ると、その上部空間
が小さくなり、結果として、前記のように、送気管から
圧空を供給した場合、小容積の水に対して圧空を作用さ
せることになるので、水切り性が一層良好となる。
【0020】一方で、この第1の例は、連通管の個所で
の抵抗の大小により、給水圧力の分布を相殺しようとす
るものである。しかし、連通管の本数が多い場合におい
てのみ有効であり、したがって少ない場合には、必ずし
も有効でない。しかも、給水圧力の変更などにより連通
管の抵抗手段を変更する場合には、全体を分解する必要
がある。
【0021】この問題を解決するためには、本考案の第
2の例に従って、前記上部ヘッダー内に上下を仕切って
多数の透孔を有する実質的に水平な整流板を設け、この
整流板の透孔径が給水側を構成する一端側と閉鎖側を構
成する他端側との間で一端側ほど小さくされる。
【0022】この第2の例においては、整流板の透孔径
を調整する、または整流板の上部ヘッダー内での設置位
置を調整することにより、各ノズル群からの吐出流量を
均一にすることができる。
【0023】この第2の例においては、上記整流板のほ
か、その上方位置に径が均一なかつ分布的にも均一であ
る多数の透孔を有する第2の整流板を設けることによ
り、各各ノズル群からの吐出流量をより一層均一にする
ことができる利点がある。
【0024】他方で、第2の例においても、前述のヘア
ピン型ノズルとすることができ、かつ共通の送気管を付
設することができる。
【0025】いずれにしても、ヘアピン型ノズルを用い
る場合には、解決すべき問題が残っている。すなわち、
後述の第2の例として図示されているように、ノズルの
立ち上がり高さを極力抑えて上部ヘッダー天端部の若干
高め(具体的には、20〜30mm程度)とすると、水切り性
は向上するが、供給水量が変動したときに、ノズルから
の注水が途絶えるという問題もあり、ノズルからの水流
が安定しない。
【0026】そこで、ノズルの立ち上がり高さを上部ヘ
ッダー天端部のより高い(具体的には、200 〜300 mm程
度)位置とすると水流は安定するものの、サイフォン効
果が大きく働き、水切り性が極端に悪化する。
【0027】そこで、本考案の第3の例に従って、上部
ヘッダーに連通して長手方向に間隔を置いて複数のエア
抜き管が配設され、これら各エア抜き管に連通し、かつ
給水水柱より高位において共通の大気開放の排気管を設
けることが好適である。
【0028】これによって、給水を停止したとき、ノズ
ル端からの侵入空気がエア抜き管を介して排気管に抜け
て、サイフォン現象を打ち消し、その結果水切り性が良
好となる。
【0029】
【実施例】次に実施例により本考案を具体的に説明す
る。図1は本考案にかかる第1の例の冷却ノズルヘッダ
ーを示す正面図、図2はその側面図、図3はその3−3
線矢視図である。
【0030】一方、図4は本考案にかかる第2の例の冷
却ノズルヘッダーを示す正面図、図5はその側面図、図
6はその6−6線矢視図であり、図10は水量分布調整
用の第1パンチングメタルを示す平面図、図11は整流
用の第2パンチングメタルを示す平面図である。
【0031】他方、図7は、本考案にかかる冷却ノズル
ヘッダーの別の例を示す正面図、図8はその側面図、図
9は9−9矢視図である。
【0032】まず、第1の例について説明すると、本考
案にかかるノズルヘッダーは、基本的には、両端を閉鎖
した長筒形状の水平配置の上部ヘッダー1と、これに複
数の連通管2によって連通状態で接続された上部ヘッダ
ー1と平行の長筒形状の下部ヘッダー3とを備えたもの
で、冷却水Wは下部ヘッダー3の片側(図1の矢印方
向)からのみ給水するよう構成されている。
【0033】上部ヘッダー1の上部にはヘアピン形状
(逆J字状)のノズル管10、10…が連通状態の両側に張
り出して設けられ、これらノズル管10が鋼板の幅方向に
多数設けられている。また、この配置は、図12に示す
例と同様である。
【0034】下部ヘッダー3の一方端には閉塞板30がボ
ルト締結により液密に閉塞されている。かかる構成とし
て、閉塞板30を取り外して下部ヘッダー3内部の清掃が
容易となるようにしたものである。また下部ヘッダー3
の他端は図示しない給水用の配管と結合され、ここから
冷却水Wが下部ヘッダー3内に供給される。
【0035】前述のように、下部ヘッダー3と上部ヘッ
ダー1とは鋼板の幅方向に間隔を置いて複数の連通管2
によって接続されており、下部ヘッダー3内に供給され
た冷却水Wを上部ヘッダー1に給水できるようになって
いる。連通管2の本数としては6本程度が好適である。
これらの連通管2は、その中間部で相対向する2つのフ
ランジ20をボルト締結してなる結合部を有し、そのフラ
ンジ部分にオリフィスプレート21が挿入されている。
【0036】オリフィスプレート21は下部ヘッダー3の
長手方向給水側に近いものになるほど、その絞り量が大
きくなる(オリフィス径が小さくなる)ように選定され
て設置されている。給水側に近いほど水圧が大であるた
め、流量調整用オリフィスを設置しないと、このままで
は給水側に近いほど上部ヘッダーへの流量が多くなり、
ノズル管から噴出される水量にバラツキが生じ、均一な
冷却が不可能になるからである。
【0037】次に、上部ヘッダー1の具体的構造につい
て説明すると、前述のように上部ヘッダーの両端側は下
部ヘッダー3の閉塞端と同様、フランジを設けここに閉
塞板31をボルト締結して液密に閉塞されている。また上
部ヘッダー1の上端近傍の長手方向左右対象位置にはヘ
アピン型のノズル管10が設けられている。ノズル管10の
立ち上がり箇所は、例えば上部ヘッダー1天端部より10
〜20mm程度高位とし、下へ300mm 程度の直管部を設けて
層流の形成を良くするのがよい。従って、下部ヘッダー
3は2つのヘアピン型ノズルの直管部の間の空間に設置
できるため、ヘッダーを上下二段構造としたわりには、
ノズルヘッダー全体の設置スペースをコンパクトにでき
る。
【0038】またこの上部ヘッダー1内には長手方向全
長にわたって水平にパンチングメタル(多孔性整流板)
11が装着されている。パンチングメタル11の具体例とし
ては図11に示すような様態のものを挙げることができ
る。このパンチングメタル11を装着したことにより、下
部ヘッダー3からの給水がさらに均圧された状態でヘア
ピン型ノズル管10に供給され層流が発生する。従ってヘ
ッダー長手方向における各ノズル管10間の流量に差異が
なくなり、流量分布が均一化され、前述のオリフィスの
設置と相まって、より均一な冷却が可能となる。
【0039】さらに、この上部ヘッダー1上端には給気
口13を複数(たとえば、10〜12箇所)設け、この各給気
口には圧縮空気を送るための送気管12を接続する。送気
管12の元には図示しないバルブを取り付けてある。この
バルブはヘッダー給水弁を閉にするとそれに連動して同
時的に開になるように構成されている。したがってこれ
によりヘッダー給水停止と同時に、上部ヘッダー1内の
上記パンチングメタルから上半分の空間内に圧縮空気が
送りこまれることになる。この場合、パンチングメタル
11が装着されているため、圧縮空気がそのパンチングメ
タル11上面に衝突し、その反作用により、空気の圧力が
ヘアピン型のノズル管10内の残留水を強制的に排出する
方向に働き、水切り応答性をよくすることができる。
【0040】なお、その際、ヘアピン型ノズル管10の前
記立ち上がり部を低くするか、パンチングメタル11の装
着箇所をより上方位置とすることにより、空気消費量を
少なくしコスト低減を図ってもよい。
【0041】上記例においては、連通管にオリフィスプ
レートを設けて、流れの抵抗を調整してあるが、たとえ
ば流量調整弁を設けて、各流量調整弁の開度を予めまた
はその都度調整することにより、流れの抵抗を調整する
ようにしてもよい。また流れの抵抗手段は、下部ヘッダ
ー3から上部ヘッダー1への途中または入出口に設けて
もよい。
【0042】続いて、連通管2の少ないノズルヘッダー
に有効である第2の考案について説明すると、上部ヘッ
ダー1内に上下を仕切って多数の透孔を有する実質的に
水平なパンチングメタル11Aを設けている。すなわち、
上部ヘッダー1内の、たとえば1/4 下方位置には、長手
方向全長にわたって水平に水量分布調整用の第1のパン
チングメタル11Aが装着され、さらにこの第1パンチン
グメタル11Aに平行してその上方位置のたとえば中央位
置に整流用の第2パンチングメタル11Bが装着されてい
る。
【0043】第1パンチングメタル11Aは図10に示す
ように、多数の透孔11aを有し、その透孔11a径は、給
水側(図4および図10において右方向)に近いものに
なるほど小さくされている。これは、給水側に近いほど
水圧が大であるため、仮に透孔の径が長手方向に均一で
あるとすると、給水側に近い側のノズル管10ほど、そこ
から噴出される水量が多くなり、各ノズル管10,10…か
ら噴出される水量にバラツキが生じ、鋼板の幅方向に均
一な冷却が不可能になる。これに対して、図10に示す
ように、各透孔11a径を,給水側に近いものになるほど
小さくすると、小さい透孔径の場合には抵抗が大きく、
透過流量が少なくなり、大きい透孔径の場合には抵抗が
小さく、透過流量が大きくなるために、給水側に近いほ
ど水圧が大きいことが相殺されて、結果として各ノズル
管10,10…から噴出される水量を均一にすることができ
る。
【0044】一方、第2パンチングメタル11Bは、図1
1に示すように均一な径の透孔11bを多数有している。
この第2パンチングメタル11Bは、第1パンチングメタ
ル11Aとともに、両端の閉鎖板31, 31の内面の取付座31
aに挟んで取り付けることができる。この第2パンチン
グメタル11Bを設けることにより、下部ヘッダー3から
の給水圧がさらに均圧化された状態でヘアピン型の各ノ
ズル管10間の流量に差異がなくなり、流量分布が均一化
され、第1パンチングメタル11Aと相まって、より均一
な冷却ができるようになる。
【0045】このとき、各パンチングメタル11Aおよび
Bは、上部ヘッダー1の両端にボルト締結により設けた
閉鎖板31,31を取り外して、容易に取り出すことができ
る。
【0046】よって、各パンチングメタル11Aおよび11
Bの清掃、さらには上部ヘッダー内部の清掃を容易に行
うことができる。
【0047】続いて、第3の例について説明すると、上
記第1,第2の例で問題となっている水流の安定性を得
るため、ノズル管10の立ち上がり位置を上部ヘッダー1
の天端部の200 〜300 mm程度上方とした。このときの水
切り性向上を図るため、上部ヘッダー1にエア抜き管1
4,14…を配設し、これらのエア抜き管に連通し、かつ
給水水柱より高位において、共通の大気開放の排気管15
を設けた。これにより、後に示す実施例のように、水切
り性が向上することとなる。
【0048】なお、ノズル管10としては、ヘアピン型が
好適であるが、ノズルの一部が上部ヘッダーより立ち上
がりかつ冷却水の吐出口が下方を向く態様であれば、ヘ
アピン型に限定されない。各ヘッダーは円筒であること
にも限定されない。
【0049】(実施例1) 以下本考案の効果を実施例により明らかにする。本考案
の図4に示す冷却ノズルヘッダー(実施例1)と、従来
より一般に使用されている図17に示す立ち上がり箇所
を上部ヘッダー天端部のより高い位置とした2重管タイ
プのノズルヘッダー(比較例1)の流量分布、および冷
却水の供給および停止に伴うオンオフの応答性を比較し
た。図17に示すノズルヘッダーは、内管300 と外管30
1 とからなる2重管構造とされ、内管300 と外管301 と
の間にはそれぞれ120 °ずつ離間した位置に仕切り部材
302,302 …が配設されて、内管300 と外管301 との間に
供給される高圧の冷却水をヘアピン形状のノズル303,30
3 を通して流出するものである。
【0050】実施例1の流量分布を図18に示し、比較
例1の流量分布を図19に示す。図18および図19か
ら明らかなように、比較例1では、最大約4 l/minの流
量差が確認されたのに対し、実施例1では、比較例1の
1/3以下程度に流量のバラツキを抑えることができ、
鋼板の幅方向の流量分布の均一化に有効であることがわ
かった。
【0051】また、オンオフ応答性についても、表1に
示すように、実施例1では、応答時間が比較例1の1/2
となり、応答性の高速度化が達成できた。
【0052】
【表1】
【0053】(実施例2) 次に、本考案に係る整流板の効果を明らかにする。図4
の上部ヘッダーに前記パンチングメタル11Aのみを装着
し、ヘッダー長手方向にける流量分布を調査した。その
結果を図20に示す。図20と図18の流量分布を比較
すると、本考案に係る整流板を設置することによる効果
が顕著であることが明らかである。
【0054】(実施例3) 次に、本考案にかかる第3の例の効果を明らかにする。
本考案による図7に示すノズルヘッダーと、比較例とし
て本考案の第2の例である図4に示すノズル立ち上がり
高さが20〜30mm程度のノズルヘッダーについて比較し
た。
【0055】比較例のノズルヘッダーの圧力−流量特性
を、図21に示す。図21からわかるように、比較例の
ノズルヘッダーにおいては、水膜切れが所々発生し、水
流安定性に欠けるものである。一方、本考案の第3の例
によるノズルヘッダーの圧力−流量特性を図22に示す
が、この図からわかるように、流量が低下しても膜切れ
が発生することなく、水流が安定していることがわか
る。また、水切り応答性についても、図23に示すよう
に、上部ノズルヘッダー内の圧力を調整することで、従
来のヘッダーより優れていることが判る。
【0056】
【考案の効果】以上の通り、本考案によれば、設置スペ
ースの問題がなく、ヘッダー長手方向での冷却水のバラ
ツキがなく、換言すれば各ノズルからの吐出流量が均一
であり、しかも水切り応答性の良好となるなどの利点が
ある。さらにスペースにゆとりがある場合は、上記の効
果をより一層高めたノズルヘッダーを提供することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかる第1の例のノズルヘッダーの一
部切欠正面図である。
【図2】その右側面図である。
【図3】その3−3線矢視図である。
【図4】本考案にかかる第2の例のノズルヘッダーの一
部切欠正面図である。
【図5】その右側面図である。
【図6】その6−6線矢視図である。
【図7】本考案にかかる第3の例のノズルヘッダーの一
部切欠正面図である。
【図8】その右側面図である。
【図9】その9−9線矢視図である。
【図10】パンチングメタルの平面図である。
【図11】他のパンチングメタルの平面図である。
【図12】従来のノズルヘッダーの概要を示す側面図で
ある。
【図13】図12のノズルヘッダーの正面図である。
【図14】従来の他のノズルヘッダーを示す斜視図であ
る。
【図15】図14のノズルヘッダーの横断面図である。
【図16】図14のノズルヘッダーの縦断面図である。
【図17】従来の他のノズルヘッダーの横断面図であ
る。
【図18】本考案のノズルヘッダーの流量分布を示す図
である。
【図19】従来のノズルヘッダーの流量分布を示す図で
ある。
【図20】図4のノズルヘッダーに整流板11Bを装着
しなかった場合の流量分布を示す図である。
【図21】図4におけるノズルヘッダーの圧力−流量特
性を示す図である。
【図22】本考案の第3の例のノズルヘッダーの圧力−
流量特性を示す図である。
【図23】本考案の第3の例のノズルヘッダーの水切り
性を示す図である。
【符号の説明】
1…上部ヘッダー、2…連通管、3…下部ヘッダー、10
…ノズル管、11…パンチングメタル( 多孔性整流板) 、
12…送気管、13…給気口、14…エア抜き管、15…排気
管、21…オリフィス、W…冷却水、30…閉塞板。

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸芯が実質的に水平になるように配置さ
    れ、一端側が液密に閉塞され、他端側から冷却水が供給
    される構造の筒状下部ヘッダーと、これと平行して両端
    が閉塞された筒形の上部ヘッダーと、上記下部ヘッダー
    と上部ヘッダーとを連通する軸芯方向に間隔を置いた複
    数の連通管と、前記上部ヘッダーにその軸芯方向に間隔
    を置いた多数のノズルとを有し、 前記各ノズルの一部が上部ヘッダーより立ち上がりかつ
    冷却水の吐出口が下方を向き、前記各連通管による連通
    部分に流れの抵抗手段を有し、その流れの抵抗が前記冷
    却水の給水側と閉塞側との間で給水側ほど大きくされて
    いることを特徴とする冷却ノズルヘッダー。
  2. 【請求項2】軸芯が実質的に水平になるように配置さ
    れ、一端側が液密に閉塞され、他端側から冷却水が供給
    される構造の筒状下部ヘッダーと、これと平行して両端
    が閉塞された筒形の上部ヘッダーと、上記下部ヘッダー
    と上部ヘッダーとを連通する軸芯方向に間隔を置いた複
    数の連通管と、前記上部ヘッダーにその軸芯方向に間隔
    を置いた多数のノズルとを有し、 前記各ノズルの一部が上部ヘッダーより立ち上がりかつ
    冷却水の吐出口が下方を向き、前記上部ヘッダー内に上
    下を仕切って多数の透孔を有する実質的に水平な整流板
    を設け、この整流板の透孔径が給水側を構成する一端側
    と閉鎖側を構成する他端側との間で一端側ほど小さくさ
    れていることを特徴とする冷却ノズルヘッダー。
  3. 【請求項3】前記上部ヘッダー内でかつ前記整流板の上
    方位置に、前記上部ヘッダーの天端と整流板との空間を
    仕切って均一な径を有する多数の透孔を有する実質的に
    水平な他の整流板が設けられている請求項2記載の冷却
    ノズルヘッダー。
  4. 【請求項4】前記上部ヘッダーに連通して長手方向に複
    数の給気口が形成され、この給気口に共通の送気管が接
    続されている請求項1,請求項2または請求項3記載の
    冷却ノズルヘッダー。
  5. 【請求項5】前記上部ヘッダーに連通して長手方向に間
    隔を置いて複数のエア抜き管が配設され、これら各エア
    抜き管に連通し、かつ給水水柱より高位において共通の
    排気管を設けた請求項1または請求項2記載の冷却ノズ
    ルヘッダー。
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