JPS6217467Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、鋼板冷却装置に係り、例えば熱延ホ
ツトランアウトテーブル冷却装置や厚板冷却装置
等の鋼板冷却装置に関する。

周知の如く、仕上圧延機を出た鋼板は、成分、
用途等により決定されている所定の温度から所定
の温度まで鋼板冷却装置により、その上・下部か
ら冷却される。この場合、熱延、厚板鋼板の板巾
は広いため、板巾方向での均一な冷却が要求され
る。

この鋼板冷却の均一性を確保するため、鋼板の
上部からの冷却に関し、従来種々の鋼板冷却装置
が採用されている。この従来装置に例を第１図に
従い説明すると、第１図ａ，ｂでは、冷却水供給
用ヘツダー１が高温帯状鋼板２の上方で板巾方向
に長手として設けられ、このヘツダー１の長手方
向両端が閉塞され、その一端が供給管３を介して
冷却水源に連結され、該ヘツダー１に鋼板２上面
に対しヘツダー１内の冷却水を供給する倒立Ｕ字
状給水管４が長手方向に２列として複数並列され
各列の給水管４の同形同大で相互に等間隔の千鳥
状に配設されている。

また、第１図ｂは、第１図ａ，ｄと略同構成で
あるが、供給管３がヘツダー１の長手方向略中央
に連結されている。

また、第１図ｃは、これも第１図ａ，ｄと略同
構成であるが、供給管３一端が冷却水源に連結さ
れ、その他端が分岐して夫々ヘツダー１の長手方
向両端部に連結されている。

上記各構成、即ち第１図ａ，ｄ、第１図ｂ及び
第１図ｃに夫々対応する板巾方向の水量分布を第
２図ａ、第２図ｂ及び第２図ｃに示すと、第２図
ａでは、ヘツダー１内に供給される冷却水の慣性
力の関係から、ヘツダー１への冷却水の供給部よ
りも閉塞部に近づくにつれて給水管４を通過する
冷却水の量、即ち鋼板２上面への供給水量が増大
する。

また、第２図ｂ及びｃでは、矢張り、ヘツダー
１の閉塞部若しくは、両供給部の中央に近づくに
つれて供給水量が増大するが、対象的な水量分布
が実現されている。

然し乍ら、第１図ａ，ｄの構成では、水量分布
が板巾方向に偏することとなり好ましくなく、ま
た第１図ｂ，ｃの各構成では、鋼板２上、即ちラ
イン上にまで供給管３を配管する必要があり、ヘ
ツダー１の密なる配置ができない等好ましくな
い。また、同図に示したヘツダー１への配管も考
慮されているが、この場合、鋼板２の通板中のは
ね上りやそりに対する対策上、ヘツダー１をより
高い位置にする必要があり、冷却効果上問題があ
る。

本考案はかかる従来の問題点に鑑み創成された
もので、簡単な構造で、鋼板の板巾方向に均一に
冷却水を供給することを目的とし、従つて、その
特徴とするところは、鋼板の上方で該鋼板の板巾
方向に長手の冷却水供給用ヘツダーが設けられ、
該ヘツダーの長手方向両端開口部が閉塞され、該
ヘツダーの内部室を分割すべく該ヘツダー内に長
手方向に沿う仕切部材が設けられ、該仕切部材に
より分割された室の一方受水室に、冷却水源に連
結される受水口が形成され、他方給水室に鋼板上
面に対し同室内の冷却水を供給する給水管が長手
方向に多数並設され、上記仕切部材に、受水室と
給水室とを連通する通水孔群が貫設され、これら
通水孔の開口面積分布が受水口側に多く、ヘツダ
ー端閉塞部側に少くなるよう構成された点にあ
る。

以下、本考案の実施例を第３図、第４図に従い
説明すると、冷却水供給用ヘツダー５が、例えば
仕上圧延機を出た高温帯状鋼板６の上方で板巾方
向に長手として設けられている。該ヘツダー５は
その本体７が円筒体とされ、その長手方向一端開
口部が閉止部材８で閉塞され、該閉止部材８に、
図外冷却水源に供給管９を介して連結される円形
の受水口１０が形成され、他端にはフランジ１１
が設けられると共に、該フランジ１１にボルト１
２等を介して盲蓋１３が着脱自在に固着され、本
体７の同端開口部１４が閉塞されている。図例で
は、ヘツダー５への供給管９の連結部は、該ヘツ
ダー５の軸心に略平行とされている。

上記ヘツダー５内には、ヘツダー５の内部室を
分割すべく、長手方向に沿う平板帯状の仕切部材
１５が上記開口部１４から挿抜自在に内挿されて
いる。図例では、ヘツダー１の内部室は仕切部材
１５により上下に分割され、これら分割された一
方の下部室が受水室１６とされてその長手方向端
に上記受水口１０が形成され、他方の上部室が給
水室１７とされ該給水室１７に、鋼板６上面に対
し同室１７内の冷却水を供給する倒立Ｕ字状給水
管１８（ヘアピンノズル）が長手方向に２列とし
て複数列設され、各列の給水管１８は同形同大で
相互に等間隔の千鳥状に配設されている。

上記仕切部材１５には受水室１６と給水室１７
とを連通する断面円形の通水孔１９が複数貫設さ
れ、受水口１０とヘツダー５の閉塞部の中途部
が、通水孔１９の開口面積分布が受水口１０側に
多く、ヘツダー５の閉塞部側に少くなるように構
成されている。

図例では、通水孔１９は仕切部材１５の長手方
向に沿つて２列配設され、各列の通水孔１９の配
設ピツチは略同一であるが、受水口１０側から閉
塞部側に進むに従い段階的に径小化せしめられて
いる。また、最も受水口１０側に設けられた給水
管１８と通水孔１９は相互にほぼ対向する位置と
されている。一方、最も閉塞部側に設けられた給
水管１８に対向する位置の仕切部材１５には通水
孔１９は設けられていない。

また、上記仕切部材１５はヘツダー５軸心の上
部に位置され、即ち、受水室１６の断面積が給水
室１７の断面積よりも大なる構成とされ、仕切部
材１５は例えば本体７内面に突設された支持突起
２０，２０に、本体７の軸方向摺動自在に支持さ
れている。

然して、仕切部材１５の通水孔１９の開口位置
や、各開口面積を種々変化させて開口面積分布を
変化させることにより、板巾方向に対し均一な流
量分布を得ることができ、この場合、開口面積分
布の変更は、各種通水孔１９を有する仕切部材１
５を開口部１４から挿抜自在に交換することで達
成される。また、仕切部材１５のヘツダー５内へ
の支持は、仕切部材１５に支持脚を設けなくても
よい。

そして、上記構成の結果として、第４図示の如
く、ヘツダー５長手位置、即ち板巾方向に対し、
給水管１８１本当りの流量が均一化され、種々の
冷却水量にて板巾方向に均一に冷却水を供給し得
るのである。

尚、仕切部材１５は図示した如き平板に限定さ
れるものではなく、ヘツダー５に断面円形等の内
挿管を２重管式に挿入し、該内挿管自身を仕切部
材１５とし、内挿管内を受水室１６に、ヘツダー
５と内挿管とで囲繞される空間を給水室１７と
し、内挿管に通水孔１９を設ける構成であつても
よい。また、通水孔１９も円形に限定されるもの
ではなく矩形孔等であつてもよい。更に、前述し
た操業上の問題がなければ、供給管９をヘツダー
５の中間部に連結する構成としてもよい。

本考案によれば、受水口１０を通過して受水室
１６に供給された冷却水は、各通水孔１９を通過
することによつて、各給水管１８を流れる量が均
一化され従つて、特にラミナー流たる冷却水を鋼
板６の板巾方向に均一に供給することができ、品
質の一定した鋼板が得られることとなつて有益で
ある。しかも、簡単な構造で上記作用効果が達成
されることも相俟つて実用的効果の大なる考案で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂ，ｃは従来の各例を示す正面概略
図、第１図ｄは第１図ａの側面断面図、第２図
ａ，ｂ，ｃは第１図ａ，ｄ，ｂ，ｃの各図に夫々
対応する水量分布図、第３図ａは本考案の実施例
を示す正面断面図、第３図ｂは第３図ａのＡ−Ａ
線矢視部分図、第３図ｃは第３図ａのＢ−Ｂ線矢
視部分断面図、第４図は流量分布図である。 ５…ヘツダー、６…鋼板、９…供給管、１０…
受水口、１４…開口部、１５…仕切板、１６…受
水室、１７…給水室、１８…給水管、１９…通水
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼板の上方で該鋼板の板巾方向に長手の冷却水
   供給用ヘツダーが設けられ、該ヘツダーの長手方
   向両端開口部が閉塞され、該ヘツダーの内部室を
   分割すべく該ヘツダー内に長手方向に沿う仕切部
   材が設けられ、該仕切部材により分割された室の
   一方受水室に、冷却水源に連結される受水口が形
   成され、他方給水室に、鋼板上面に対し同室内の
   冷却水を供給する給水管が長手方向に多数並設さ
   れ、上記仕切部材に、受水室と給水室とを連通す
   る通水孔群が貫設され、これらの通水孔の開口面
   積分布が受水口側に多く、ヘツダー端閉塞部側に
   少くなるよう構成されたことを特徴とする鋼板冷
   却装置。