JP2546093Y2 - 二重床の床パネル支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、二重床の床パネル支持
装置に係わり、更に詳しくは二重床を構成する床パネル
の下面適所を選択して載支し得る支持装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の二重床は、周囲及び内方に高さ調
節可能なアジャスターを一体的に多数設けた床パネル
を、該アジャスターを調節して床面に対して所定間隔を
設けて設置するものが提供されている。例えば、実公昭
４９−４２０２３号公報にて開示される如く、床パネル
の周囲及び中央部に透孔を貫通形成し、該透孔の下部に
裏面側から中心に螺孔を有する座金を固定し、該座金の
螺孔にボルトを螺合して下方に突設し、表面側から透孔
を通してボルトの頭部を回転させて床パネルを高さ調節
して、床面との間に所定間隔を設けて設置する構造のア
ジャスター付床パネルが提供されているが、調節すべき
アジャスターが多数あるため、設置作業効率が悪く、し
かも床パネルが高価になるといった欠点があった。

【０００３】そのため、床面に対して所定間隔をおいて
並設した根太に床パネルの両側を載支して構成したもの
が各種提供されるに至ったが、床パネルの中央部は何ら
支持されてなかった。そのため、中央部の撓みを防止す
るため床パネルそのものを強固且つ剛性を高く製造し、
その面積も比較的狭く設定していた。しかし、コスト低
減化の要請により、一枚の床パネルの面積を広くし、根
太の敷設本数を少なくして、材料費及び設置作業時間の
短縮を図る必要が生じ、従来のものでは対応できなかっ
た。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案が前述の状況に
鑑み、解決しようとするところは、従来のように床パネ
ルの両側を根太に載支するとともに、床パネルの裏面内
方の適所を選択して適宜な支持装置で支持することによ
り、中央部の撓みを防止し、それにより一枚の床パネル
の面積を広く且つ根太の本数を少なくして、コスト低減
化を図ることが可能な二重床の床パネル支持装置を提供
する点にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は、前述の課題解
決のために、床面に対して所定間隔をおいて並設した根
太に床パネルの両側を載支して構成してなる二重床の床
パネル支持装置において、表面板の裏面に断面略コ字形
の凸条と凹条とを交互に連続形成した補強部材を固着し
てなる床パネルと、前記床パネルの凸条に外嵌し得る断
面略コ字形の支持部材の底面に、床面に当止し得る支軸
を突設してなる支持具と、よりなり、前記支持具の支持
部材を床パネルの内方適所の凸条に嵌合するとともに、
支軸を床面に当止して床パネルを支持してなる二重床の
床パネル支持装置を構成した。

【０００６】

【作用】以上の如き内容からなる本考案の二重床の床パ
ネル支持装置は、床パネルの表面板裏面に固着した補強
部材の凸条の適所、例えば床パネルの中央部に位置する
凸条部分に支持具の支持部材を下方から嵌合して取付
け、床パネルの両側を床面に対して所定間隔をおいて並
設した根太に載支するとともに、支持具の支軸を床面に
当止して、床パネルの内方適所を支持具にて支持するよ
うになしたものである。

【０００７】

【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本
考案の詳細を説明する。

【０００８】図１は請求項１に対応した二重床の床パネ
ル支持装置であり、図２は複数の床パネルを床面に対し
て所定間隔をおいて設置する一般的な実施例を示し、図
中１は床パネル、２は根太、３は支持具をそれぞれ示し
ている。

【０００９】前記床パネル１は、金属板からなる表面板
４の周囲を下方に折曲した後、側方へ折曲して段部５を
形成し、更に下方へ折曲した後、内方へ折曲して突縁６
を形成し、前記表面板４の裏面には金属板を折曲して断
面略コ字形の凸条７と凹条８とを交互に連続形成した波
板状の補強部材９の該凹条８の上面を固着して形成した
ものである。

【００１０】前記根太２は、床面に対して所定間隔をお
いて多数並設され、その上面に前記床パネル１の両側を
載支するためのビーム状部材であり、図２に詳しく示す
ように、長尺の床パネル１を載支するレール10と床面に
固定する敷設部材11とをアジャスターボルト12，…で上
下に所定間隔を維持して敷設するものである。前記レー
ル10は、中央長さ方向に条溝13を形成し、その両側に一
対の螺孔14，14を形成したものであり、該螺孔14に螺合
した前記アジャスターボルト12，12の下端を、前記敷設
部材11の両側に床面に対して上位になるように段折した
基板15，15に開口した位置決め用孔16，16に落とし込ん
で床面に当止し、該アジャスターボルト12，…を調節し
て、レール10の上面に載置した床パネル１の高さを調節
して設置している。

【００１１】また、前記根太２の上面に隣接する床パネ
ル１，１の両側をそれぞれ載置するとともに、両床パネ
ル１，１間には所定の間隙を設け、その間隙に目地板17
を落とし込み嵌入して該間隙に臨む両段部５，５に載置
し、若しくは両突縁６，６に係合させて、多数の床パネ
ル１，…を設置している。

【００１２】前記支持具３は、前記床パネル１の凸条７
に下方より嵌合装着し得る断面略コ字形の支持部材18
と、該支持部材18の底面に突設した支軸19とより構成し
ている。前記支持部材18は、一条の凸条７若しくは複数
の凸条７，…を同時外嵌し得るように上方に嵌合溝20を
形成している。また、前記支軸19は支持部材18に対して
その突出量を調節できるようにすることが好ましい。

【００１３】しかして、床パネル１の凸条７に、支持具
３の支持部材18に形成した嵌合溝20を嵌合して装着した
状態で、該床パネル１の両側を根太２，２の上面に載置
するとともに、支持具３の支軸19を床面に当止して、該
支持具３にて床パネル１の内方を支持し、中央部の撓み
を防止するのである。前記支持具３の取付位置は、凸条
７と支持部材18の嵌合位置を変えることにより、強度の
弱い適宜位置に選択して装着することができるのであ
る。

【００１４】更に好ましい実施例として図３〜図４に示
したものは、支持具３を床パネル１の凸条７に弾支して
装着し、床パネル１を根太２に載置する作業中に、該支
持具３が落下することがなく、また床パネル１の上方か
ら支持具３の高さを調節可能となしたものである。即
ち、断面略コ字形の嵌合溝20の両側に、該嵌合溝20が嵌
合する凸条７に隣接した凹条８，８内に位置し、その底
面を支持する載支片21，21を延設するとともに、該載支
片21の下面には、断面略へ字形のバネ片22に一体形成し
た固定片23を適宜手段にて固定し、両バネ片22，22の先
端が前記載支片21，21の端縁より側方へ突出した状態に
設定している。また、前記嵌合溝20の底面24の中央部に
は螺孔25を形成し、該螺孔25には上端に割溝26を形成し
たボルトからなる支軸19を螺合し、支持部材18の底面24
からの突出長さを調節可能となしている。

【００１５】しかして、床パネル１の裏面の中央部の適
所に位置する凸条７に、支持具３の支持部材18を下方よ
り外嵌するとともに、両バネ片22，22を隣接する凸条
７，７の側壁27，27を押圧状態で自己保持し、支軸19の
下端を床面28に当止することで、凸条７の下面を嵌合溝
20の底面24で載支し且つ載支片21，21で凹条８の下面を
載支して支持するのである。また、前記支軸19に対応す
る凸条７の下面には該支軸19を挿通し得る挿入孔29を形
成するとともに、その上方の表面板４には、ドライバー
等の工具を挿入して該支軸19を回転調節するための開口
30を形成している。従って、予め前記挿入孔29と開口30
の一対の床パネル１の適所に複数設けておくことによ
り、前記支持具３の取付位置を選択して最も効果的な位
置に、単又は複数個設けることができる。この支持具３
を設ける個数及び位置は床パネル１にかかる荷重の状態
によって決定する。

【００１６】次に図５は、支持具３の支持部材18の底面
24に螺孔25を形成するにあたり、該底面24に取付孔31を
形成し、該取付孔31に下方よりＴ型ナット32を挿入し、
該底面24に溶接して固定したものである。他の構成は前
述の実施例と同様であるので、同一構成には同一符号を
付して説明を省略する。

【００１７】また、図６は、更に他の実施例を示し、基
本的には前述の各実施例と同様であるが、支持具３の支
持部材18の嵌合溝20の幅を広く設定し、複数の凸条７，
…を同時に外嵌するものである。本実施例では、三条の
凸条７，…を外嵌し、支持部材18の嵌合溝20内であって
底面24に前記バネ片22の固定片23を固着し、該バネ片22
を両側に位置する凸条７，７の内方の側壁27，27に圧接
するようになしたものである。

【００１８】

【考案の効果】以上にしてなる本考案の二重床の床パネ
ル支持装置は、床面に対して所定間隔をおいて並設した
根太に床パネルの両側を載支して構成してなる二重床の
床パネル支持装置において、表面板の裏面に断面略コ字
形の凸条と凹条とを交互に連続形成した補強部材を固着
してなる床パネルと、前記床パネルの凸条に外嵌し得る
断面略コ字形の支持部材の下面に、床面に当止し得る支
軸を突設してなる支持具とよりなるので、床パネルの表
面板裏面に固着した補強部材の凸条の適所、例えば床パ
ネルの中央部に位置する凸条部分に支持具の支持部材を
下方から嵌合して取付け、床パネルの両側を床面に対し
て所定間隔をおいて並設した根太に載支するとともに、
支持具の支軸を床面に当止して、床パネルの内方適所を
支持具にて支持することができ、従来のように床パネル
の両側を根太に載支することで設置作業効率が高く、し
かも床パネルの裏面内方の適所を選択して支持すること
で床パネルの中央部の撓みを防止し、それにより一枚の
床パネルの面積を広く且つ根太の本数を少なくして、コ
スト低減化を図ることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の説明用斜視図

【図２】複数の床パネルを根太で支持する構造を示した
要部分解斜視図

【図３】本考案の代表的実施例を示す支持具の斜視図

【図４】同じく支持具にて床パネルの中央部を支持した
状態の縦断面図

【図５】他の実施例を示す要部の縦断面図

【図６】更に他の実施例を示す要部の縦断面図

【符号の説明】

１ 床パネル ２ 根太 ３ 支持具 ４ 表面板 ５ 段部 ６ 突縁 ７ 凸条 ８ 凹条 ９ 補強部材 10 レール 11 敷設部材 12 アジャスターボ
ルト 13 条溝 14 螺孔 15 基板 16 孔 17 目地板 18 支持部材 19 支軸 20 嵌合溝 21 載支片 22 バネ片 23 固定片 24 底面 25 螺孔 26 割溝 27 側壁 28 床面 29 挿入孔 30 開口 31 取付孔 32 Ｔ型ナット

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床面に対して所定間隔をおいて並設した
   根太に床パネルの両側を載支して構成してなる二重床の
   床パネル支持装置において、 表面板の裏面に断面略コ字形の凸条と凹条とを交互に連
   続形成した補強部材を固着してなる床パネルと、 前記床パネルの凸条に外嵌し得る断面略コ字形の支持部
   材の底面に、床面に当止し得る支軸を突設してなる支持
   具と、 よりなり、前記支持具の支持部材を床パネルの内方適所
   の凸条に嵌合するとともに、支軸を床面に当止して床パ
   ネルを支持してなることを特徴とする二重床の床パネル
   支持装置。