JPH0227071Y2

JPH0227071Y2 -

Info

Publication number: JPH0227071Y2
Application number: JP454484U
Authority: JP
Priority date: 1984-01-19
Filing date: 1984-01-19
Publication date: 1990-07-23
Also published as: JPS60117943U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は建物の床を支持する床下支持装置に関
する。

一般に、キーストンプレートを用いる床構造と
して、例えば、第１図に示すように、Ｈ鋼で組成
した梁１上に波形状のキーストンプレート２を張
設し、このキーストンプレート２上にコンクリー
トを流し込んで床スラブ３を形成すると共に、こ
の床スラブ３上に床下支持装置４を複数固定し、
この床下支持装置４上に根太５を張設し、更に、
この根太５上に床板６を貼設するようにした工法
がある。

尚、第１図においては上下階の境界部の構造が
示されており、符号７はキーストンプレート２か
ら下階側に垂下する吊ボルト、符号８は上記吊ボ
ルト７に螺合する野縁受金具、符号９は該野縁受
金具８に止着される天井板である。

然しながら、このような床構造にあつては、コ
ンクリートを流し込み床スラブ３を形成している
ので、床が重くなり、その分、梁１の剛性を大き
なものにしなければならないし、床スラブ３の厚
み分部屋のスペースが狭いものとなり、また、施
工期間も長くなるので、簡単な建物にあつてはコ
ンクリートを流し込むことなく直接キーストンプ
レート２に床下支持装置を配設することが要請さ
れる。しかし、この場合、キーストンプレート２
は波形状であるためそのまま従来の床下支持装置
を設置できないという問題があつた。

本考案は以上の問題点に鑑み為されたものであ
つて、その目的とするところは、キーストンプレ
ートに直接配設できる床下支持装置を提供し、も
つて、床の重さを軽減すると共に、部屋のスペー
スを広くし、更に施工期間を短縮できるようにす
ることにある。

そして本考案の要旨とするところは、上面で床
板を支持する床支持部と、断面波形状のキースト
ンプレートに固定され、かつ、高さ調節可能なボ
ルトを介して上記床支持部を下方から支持する基
部とを有した床下支持装置であつて、上記基部
は、上記キーストンプレートの谷部に嵌合する突
出部と、該突出部の両側に設けられ上記キースト
ンプレートの山部に載置される翼部とを備えた床
下支持装置にある。

以下添付図面に示す実施例に基づいて本考案を
詳細に説明する。

第２図は第一の実施例に係る床下支持装置が設
置された床構造を示す説明図である。この床構造
において、従来と同様に、キーストンプレート２
はＨ鋼の梁１上に張設される一方、床下支持装置
S₁は根太５を介して床板６を支持しており、従来
と異なつて、上記床下支持装置S₁は直接キースト
ンプレート２上に載置されている。

この実施例において、上記キーストンプレート
２は、第２図乃至第４図に示すように、波形状の
板材であつて、その山部１０及び谷部１１は夫々
対称な断面台形状に形成されている。

床下支持装置S₁は、第３図及び第４図に示すよ
うに、根太５を介して床板６を支持する床支持部
１２と該床支持部１２を下方から支持する基部１
３とから構成される。

上記床支持部１２は上面にパツキン１４が貼着
されたプレート１５を備え、該プレート１５の略
中央下面にボルト１６の一端部を溶接固定したも
のである。

また、上記基部１３は略矩形状の板材からなる
受プレート１７と防振用のクツシヨン１８とから
構成される。上記受プレート１７の中央部には上
記床支持部１２のボルト１６が螺合する雌ネジ部
１９が形成されていると共に、前後両側部にはキ
ーストンプレート２の谷部１１に嵌合する突出部
２０が形成されている。該突出部２０は上記両側
端部よりやや内側を上記キーストンプレート２の
長手方向に沿う線と直交して約キーストンプレー
ト２の谷部１１の幅だけ切込み、該切込み線より
外側の帯状部を下方に突出して断面台形状に折曲
形成したものである。一方、受プレート１７の左
右両側部は上記キーストンプレート２の山部１０
の上面に載置される翼部２１として形成されてい
る。更に、上記クツシヨン１８は、ゴム等の弾性
体からなり、上記翼部２１及び突出部２０の形状
に対応して焼付等により受プレート１７裏面側に
貼着されている。

そして、上記床支持部１２のボルト１６が予め
上記基部１３の雌ネジ部１９にネジ込まれてお
り、該雌ネジ部１９において床支持部１２は基部
に支持されるようになつている。また、床支持部
１２のプレート１５と基部１３の受プレート１７
との間にあつて上記ボルト１６にはロツクナツト
２２がネジ込まれている。

従つて、第一の実施例に係る床下支持装置S₁を
キーストンプレート２に設置しようとするときに
は、第３図に示すように、予め床支持部１２が取
付けられた基部１３の突出部２０をキーストンプ
レート２の谷部１１に嵌合止着させつつ、翼部２
１を山部１０に載置すれば良い。この場合上記突
出部２０の両側壁はキーストンプレート２の谷部
１１によつて拘束されるので、横方向にずれるこ
とはなく、位置決めが容易に行なわれる。また、
上記キーストンプレート２とクツシヨン１８とを
接着剤やビスで固定すれば床下支持装置S₁はより
強固にキーストンプレート２に固定される。

また、床支持部１２に根太５を張設しようとす
るときには、先ず床支持部１２のボルト１６を上
下させてその高さを適宜調節し、所定の高さにお
いてロツクナツト２２を基部１３の受プレート１
７に締付け、上記床支持部１２を基部１３に対し
て固定する。この場合、ロツクナツト２２をスパ
ナ等で締付けるに際しても上記基部１３はキース
トンプレート２に対して横ずれしないので、作業
性が非常に良いものとなつている。次に、根太５
を床支持部１２のプレート１５に載置しビス等で
固定する。この場合においても上記床支持部１２
はネジ部１９においてロツクナツト２２により強
固に基部１３に固定され、且つ、該基部１３もず
れたり傾きにくくなつているので床下支持装置S₁
が倒れる虞れはなく、確実に根太５が固定され
る。

次に、第５図に示す第二の実施例について説明
する。この実施例において、床下支持装置S₂は第
一の実施例と略同様に形成されるが第一の実施例
と異つて受けプレート２８の下面全体にクツシヨ
ン２９が貼着され、該クツシヨン２９にキースト
ンプレート２の谷部１１と嵌合する突出部３０が
形成されている。そのため、第一の実施例に比較
して、受けプレート２８に突出部を形成しなくて
も良いので、製作が簡単に行なわれる。他の作用
効果については第一の実施例と同様である。

また、第６図には第三の実施例に係る床下支持
装置S₃が示されており、これは、第一の実施例と
略同様に形成されるが、第一の実施例と異なつ
て、雌ネジ部１９の形成された受プレート３３の
中央部が突出部３４として折曲形成されている。
そのため、第一の実施例に比較して、上記突出部
３４の上面側に凹部３６が形成されるので床支持
部１２のプレートが受プレート３３に接近した場
合でもスパナ等の工具を上記凹部３６に挿入して
ロツクナツト２２を締めつけることができ、その
分、上記床支持部の高さ寸法の調整代が大きくと
れるようになつている。

尚、上記各実施例において、ボルト１６をプレ
ート１５に固定し、雌ネジ部１９を基部１３の受
プレートに形成して床支持部１２の高さ調整を行
つているが、必ずしもこれに限定されるものでは
なく、例えば受プレートにボルト１６を固定し、
床支持部１２のプレート１５に雌ネジ部１９を形
成してプレート１５を上下動させるようにしても
良く、適宜設計変更して差支えない。また、上記
各実施例において、上記床支持部１２は根太５を
介して床板６を支持しているが、必ずしもこれに
限定されるものではなく、直接支持するようにし
ても良い。更に上記第一の実施例及び第三の実施
例においては受けプレート７，３３の下側にクツ
シヨン１８，３５を貼着しているが、クツシヨン
１８，３５がなくても差支えない。更にまた、上
記各実施例においては、キーストンプレート２の
山部１０と谷部１１とが断面台形状に形成された
ものについて説明したが、必ずしもこれに限定さ
れるものではなく、例えば、正弦波状のキースト
ンプレートであれば、キーストンプレートと接触
する基部の形状をキーストンプレートの形状に対
応させて形成するようにすれば良く、波形状であ
れば種々のキーストンプレートに本考案を適用で
きることは勿論である。

以上説明してきたように、本考案に係る床下支
持装置によれば、従来のようにコンクリートを流
し込んで床スラブを形成することなく該床下支持
装置をキーストンプレートに直接設置できるの
で、床の重さつまり躯体自体の重さが減り、それ
に伴つて梁に対する荷重も軽減されると共に、コ
ンクリートを流し込まないだけ施工期間を短縮で
きる。更に、上記床下支持装置はキーストンプレ
ートの谷部に嵌合する突出部と山部に載置する翼
部を備えているので、該床下支持装置の位置決め
が容易であり、また、設置されると振動等による
横ずれが防止されて安定すると共に、安定してい
るだけ倒れにくいので、床支持部の高さ調整や根
太の取付における作業性が極めて良好なものとな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の床支持構造の一例を示す断面
図、第２図は本案に係る床下支持装置が適用され
る床支持構造の一例を示す断面図、第３図は本考
案の第一の実施例に係る床下支持装置及びその取
付状態を示す第２図中部拡大図、第４図は第一
の実施例に係る基部の構造及び取付状態を示す斜
視図、第５図は第二の実施例に係る基部の構造及
び取付状態を示す斜視図、第６図は第三の実施例
に係る基部の構造及び取付状態を示す斜視図であ
る。１……梁、２……キーストンプレート、４……
S₁，S₂，S₃……床下支持装置、５……根太、１０
……山部、１１……谷部、１２……床支持部、１
３……基部、２０，３０，３４……突出部、２１
……翼部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

上面で床板を支持する床支持部と、断面波形状
のキーストンプレートに固定され、かつ、高さ調
節可能なボルトを介して上記床支持部を下方から
支持する基部とを有した床下支持装置であつて、
上記基部は、上記キーストンプレートの谷部に嵌
合する突出部と、該突出部の両側に設けられ上記
キーストンプレートの山部に載置される翼部とを
備えていることを特徴とする床下支持装置。