JP2542976Y2 - 引き戸付き間仕切り壁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、間仕切り壁に引き戸を
設ける技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から対向する壁、柱、家具等の縦部
材間を間仕切り壁により間仕切りすることが行われてい
る。この間仕切り壁は壁パネルを複数建て込んで形成し
てあるが、間仕切り壁に出入り口を設ける場合、通常は
天井に下方開口の上レールを取付け、この上レールに間
仕切りパネルを走行自在に吊り下げて間仕切りパネルを
閉じることで間仕切り壁を構成し、必要な時には全体の
間仕切りパネルを上レールに沿って移動させて開放する
ようにしている。

【０００３】ところがこれでは日常的に出入りする際に
間仕切り壁の一部分のみ開閉するには適していないの
で、天井に下向き開口の上レールを２条形成し、一方の
上レールには固定側となる固定壁パネルを取付けると共
に固定壁パネルの側端部と壁、柱、家具等の縦部材との
間に出入り用開口部を設け、他方の上レールには引き戸
となる引き戸用壁パネルを走行自在に取付け、引き戸と
なる引き戸用壁パネルを走行させることで出入り用開口
部を開閉するようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
例においては、上レールの開口部から内部が丸見えであ
って外観が悪いという問題があり、しかも、出入り用開
口部を完全に閉塞して全体を面一の間仕切り壁として仕
切る必要がある場合には対応できなかった。本考案は上
記の従来例の問題点に鑑みて考案したものであって、そ
の目的とするところは、簡単な構成で間仕切りの一部に
出入り用開口部を形成してこの出入り用開口部を開閉す
ることができ、また、上レールの内部が見えず外観も良
く、更に、出入口開口部を完全に閉塞して全体を面一の
間仕切りにすることも可能となる引き戸付き間仕切り壁
を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案の引き戸付き間仕
切り壁は、対向する壁、柱、家具等の縦部材１間を間仕
切りする間仕切り壁２を固定壁パネル３と、引き戸用壁
パネル４とで構成し、上枠５の下面に断面逆Ｔ字状をし
たレール６を設けると共にレール６の下横片７の両端部
にそれぞれ上方に向けて突片６ａを突設し、固定壁パネ
ル３の上端部の引っ掛け片８をレール６の一方の突片６
ａに引っ掛けて固定壁パネル３を建て込み、固定壁パネ
ル３の側端部と縦部材１との間に出入り用開口部１２を
設け、レール６の他方の突片６ａを突出した方の下横片
７の片側半分の上面を走行面１３とし、該走行面１３に
引き戸用壁パネル４の上部に設けた上ランナ１４を走行
自在に載せ、引き戸用壁パネル４を固定壁パネル３に重
複して出入り用開口部１２を開く位置と出入り用開口部
１２を閉じる位置とで走行自在とし、引き戸用壁パネル
４の一側端面部に引き戸用壁パネル４の前後面間の厚み
よりも前後方向の巾が広い方立材２５を着脱自在に取付
け、引き戸用壁パネル４を出入り用開口部１２を閉じた
状態で引き戸用壁パネル４と固定壁パネル３との重複巾
を方立材２５の左右方向の厚みと等しく設定して成るも
のであって、このような構成を採用することで、上記し
た従来例の問題点を解決して本考案の目的を達成したも
のである。

【０００６】

【作用】しかして、上記のような構成の本考案によれ
ば、上枠５の下面に断面逆Ｔ字状をしたレール６を設け
ると共にレール６の下横片７の両端部にそれぞれ上方に
向けて突片６ａを突設し、固定壁パネル３の上端部の引
っ掛け片８をレール６の一方の突片６ａに引っ掛けて固
定壁パネル３を建て込み、レール６の他方の突片６ａを
突出した方の下横片７の片側半分の上面を走行面１３と
し、該走行面１３に引き戸用壁パネル４の上部に設けた
上ランナ１４を走行自在に載せる構成とすることで、レ
ール６の開口から内部が外部から見えないようにできる
ものであり、また、引き戸用壁パネル４を固定壁パネル
３に重複して出入り用開口部１２を開く位置と出入り用
開口部１２を閉じる位置とで走行自在とし、引き戸用壁
パネル４の一側端面部に引き戸用壁パネル４の前後面間
の厚みよりも前後方向の巾が広い方立材２５を取付けて
あることで、方立材２５をつかんで引き戸用壁パネル４
の開閉操作をスムーズに行えるものであり、しかも引き
戸用壁パネル１２を開いた際に方立材２５を固定壁パネ
ル４の側端面に当ててストッパーとすることも可能であ
り、また、方立材２５を引き戸用壁パネル４に着脱自在
に取付け、引き戸用壁パネル４を出入り用開口部１２を
閉じた状態で引き戸用壁パネル４と固定壁パネル３との
重複巾を方立材２５の左右方向の厚みと等しく設定して
あることで、上ランナー１４を走行面１３に載置しない
と共に方立材２５を引き戸用壁パネル４から取外した状
態で、出入り用開口部１２の上に位置するレール６の固
定壁パネル３の上端部の引っ掛け片８を引っ掛けている
方の下横片７の片側半分に相当する部分に引き戸用壁パ
ネル４の上ランナー１４を引っ掛け載置することで、引
き戸用壁パネル４を固定壁パネル３と面一となるように
出入り用開口部１２にピッタリとはめ込むことが可能と
なったものである。

【０００７】

【実施例】本考案を以下添付図面に示す実施例に基づい
て詳述する。対向する壁、柱、家具等の縦部材１の上端
部間には上枠５が取付けてある。添付図面には本考案の
一実施例が示してあり、この添付図面に示す実施例にお
いては対向する壁よりなる縦部材１の上端間に上枠５を
配置して天井１７に固着具１８により固着してある。こ
の上枠５の下面部には図２、図３、図４に示すように、
断面逆Ｔ字状をしたレール６が固着具１８により固着し
てある。レール６の下横片７の両端部にはそれぞれ上方
に向けて突片６ａが突設してある。

【０００８】対向する壁、柱、家具等の縦部材１間を間
仕切りする間仕切り壁２は固定壁パネル３と、引き戸用
壁パネル４とで構成してある。そして、固定壁パネル３
の上端部には長手方向の全長にわたり略逆Ｌ字状をした
引っ掛け片８が突出してありこの引っ掛け片８が上記一
方の突片６ａの先端と上枠５の下面との間のわずかな隙
間から挿入されて一方の突片６ａに引っ掛けて吊り下げ
てある。そして、固定壁パネル３の下面部からは落とし
棒９が下方に突出自在に設けてあり、操作部２０を操作
することで落とし棒９を下方に突出させて床１０に設け
た受け部１１にはめ込んで固定壁パネル３の下部が振れ
ないように支持してある。また、この場合、接床部材２
３も落とし棒９と共に下働して床１０に圧接するように
なっている。上記のようにして１乃至複数の固定壁パネ
ル３を建て込むのであるが、このようにして１乃至複数
の固定壁パネル３を建て込んだ場合、一方の縦部材１で
ある壁１ａに沿設した縦枠１ｂに固定壁パネル３の一方
の側端部が当接するが、他方の縦部材１である壁１ａに
設けた縦枠１ｂと固定壁パネル３の他側端部と他方の縦
部材１との間に出入り用開口部１２が形成されるように
建て込むものである。出入り用開口部１２側の固定壁パ
ネル３には出入り用開口部１２側の下部の側端面にＬ状
金具２１の縦片を固着してあり、Ｌ状金具２１の横片に
軸を突設して軸にガイドローラ１５を回転自在に取付け
てある。

【０００９】引き戸用壁パネル４は上端部に長手方向の
全長にわたり上記引っ掛け片８とほぼ同じ形状をした略
逆Ｌ字状をした金具が取付けてあり、この金具の先端に
設けた垂下片に軸を直角に取付け、該軸に上ランナ１４
が回転自在に取付けてある。また、引き戸用壁パネル４
の下面部には全長にわたりガイド溝１６が設けてある。
引き戸用壁パネル４の一側端面には上下方向の全長にわ
たり方立材２５がねじ２６により着脱自在に取付けてあ
る。この方立材２５は引き戸用壁パネル４の前後面間の
厚みよりも前後方向の巾が広いものであり、この方立材
２の前面部及び後面部が引き戸用壁パネル４の前面及び
後面よりもそれぞれ突出するように取付けてある。そし
て、レール６の他方の突片６ａを突出した方の下横片７
の片側半分の上面が走行面１３となっていて、この走行
面１３に引き戸用壁パネル４の上部に設けた上ランナ１
４が走行自在に載せてあり、また、ガイドローラ１５が
引き戸用壁パネル４の下面部に設けたガイド溝１６に走
行転動自在にはめ込んである。ここで、引き戸用壁パネ
ル４は出入り用開口部１２を閉じた状態で図１において
示す引き戸用壁パネル４と固定壁パネル３との重複巾を
ｎとし、方立材２５の左右方向の厚みをｍとすると、ｎ
＝ｍとなるように設定してある。

【００１０】しかして、引き戸用壁パネル４を走行させ
て引き戸用壁パネル４を固定壁パネル３に重複させて出
入り用開口部１２を開くことで、図５のように間仕切り
壁２の一部を出入り口として開口した状態とすることが
できて、出入り用開口部１２から出入りすることができ
るものであり、また、引き戸用壁パネル４を逆方向に走
行させて引き戸用壁パネル４で出入り用開口部１２を閉
じることで図１のように出入り用開口部１２が閉じられ
た間仕切り壁２とすることができる。上記のようにして
引き戸用壁パネル４を開閉操作するに当たっては引き戸
用壁パネル４の側端面部に取付けた方立材２５を手でつ
かんで開閉操作をするものであり、このことにより開閉
操作が容易に行えるものである。また、引き戸用壁パネ
ル４を開いた際に方立材２５が固定壁パネル３の側端面
に当たってストッパーとなるものである。そして、本考
案によれば、上記の出入り用開口部１２が開いた状態、
閉じた状態のいずれの場合もレール６の内部が外から見
えず、また、ガイドローラ１５が外部に露出しないよう
になっている。

【００１１】ところで、対向する壁、柱、家具等の縦部
材１間を間仕切りする間仕切り壁２を全体として面一の
開閉できない間仕切り壁とした場合には、上ランナー１
４を走行面１３に載置しないと共に引き戸用壁パネル４
の下面部に設けたガイド溝１６をガイドローラ１５には
め込まず、更に方立材２５を引き戸用壁パネル４から取
外し、この状態で、出入り用開口部１２の上に位置する
レール６の固定壁パネル３の上端部の引っ掛け片８を引
っ掛けている方の下横片７の片側半分に相当する部分に
引き戸用壁パネル４の上ランナー１４を引っ掛け載置す
るものであり、このことにより、図６に示すように引き
戸用壁パネル４を固定壁パネル３と面一となるように出
入り用開口部１２にピッタリとはめ込むことが可能とな
るものである。

【００１２】なお、添付図面に示す実施例では引き戸用
壁パネル４は固定壁パネル３と同じ長さのものとしてあ
るが、必ずしも同じ長さである必要はない。

【００１３】

【考案の効果】本考案にあっては、上述のように、対向
する壁、柱、家具等の縦部材間を間仕切りする間仕切り
壁を固定壁パネルと、引き戸用壁パネルとで構成し、上
枠の下面に断面逆Ｔ字状をしたレールを設けると共にレ
ールの下横片の両端部にそれぞれ上方に向けて突片を突
設し、固定壁パネルの上端部の引っ掛け片をレールの一
方の突片に引っ掛けて固定壁パネルを建て込み、固定壁
パネルの側端部と縦部材との間に出入り用開口部を設
け、レールの他方の突片を突出した方の下横片の片側半
分の上面を走行面とし、該走行面に引き戸用壁パネルの
上部に設けた上ランナを走行自在に載せてあるので、引
き戸用壁パネルを吊り下げ走行させ且つ固定壁パネルを
吊り下げるためのレールの内部が外部から見えないよう
にできるものであり、また、引き戸用壁パネルを固定壁
パネルに重複して出入り用開口部を開く位置と出入り用
開口部を閉じる位置とで走行自在とし、引き戸用壁パネ
ルの一側端面部に引き戸用壁パネルの前後面間の厚みよ
りも前後方向の巾が広い方立材を取付けてあるので、引
き戸用壁パネルを開閉操作するに当たり、方立材をつか
んで引き戸用壁パネルの開閉操作ができて開閉操作がス
ムーズに行えるものであり、しかも、引き戸用壁パネル
を開いた際に方立材を固定壁パネルの側端面に当ててス
トッパーとすることも可能となるものであり、また、引
き戸用壁パネルを出入り用開口部を閉じた状態で引き戸
用壁パネルと固定壁パネルとの重複巾を方立材の左右方
向の厚みと等しく設定してあるので、上ランナーを走行
面に載置しないと共に方立材を引き戸用壁パネルから取
外した状態で、出入り用開口部の上に位置するレールの
固定壁パネルの上端部の引っ掛け片を引っ掛けている方
の下横片の片側半分に相当する部分に引き戸用壁パネル
の上ランナーを引っ掛け載置することにより、引き戸用
壁パネルを固定壁パネルと面一となるように出入り用開
口部にピッタリとはめ込むことが可能となるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の出入り用開口部を閉じた場合の平面図
である。

【図２】同上の断面図である。

【図３】同上の分解斜視図である。

【図４】同上の上枠とレールとを下方から見た斜視図で
ある。

【図５】同上の出入り用開口部を開いた場合の平面図で
ある。

【図６】同上の引き戸用壁パネルと固定壁パネルと面一
になるようにした例を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 縦部材 ２ 間仕切り壁 ３ 固定壁パネル ４ 引き戸用壁パネル ５ 上枠 ６ レール ６ａ 突片 ７ 下横片 ８ 引っ掛け片 １２ 出入り用開口部 １３ 走行面 １４ 上ランナ ２５ 方立材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 対向する壁、柱、家具等の縦部材間を間
   仕切りする間仕切り壁を固定壁パネルと、引き戸用壁パ
   ネルとで構成し、上枠の下面に断面逆Ｔ字状をしたレー
   ルを設けると共にレールの下横片の両端部にそれぞれ上
   方に向けて突片を突設し、固定壁パネルの上端部の引っ
   掛け片をレールの一方の突片に引っ掛けて固定壁パネル
   を建て込み、固定壁パネルの側端部と縦部材との間に出
   入り用開口部を設け、レールの他方の突片を突出した方
   の下横片の片側半分の上面を走行面とし、該走行面に引
   き戸用壁パネルの上部に設けた上ランナを走行自在に載
   せ、引き戸用壁パネルを固定壁パネルに重複して出入り
   用開口部を開く位置と出入り用開口部を閉じる位置とで
   走行自在とし、引き戸用壁パネルの一側端面部に引き戸
   用壁パネルの前後面間の厚みよりも前後方向の巾が広い
   方立材を着脱自在に取付け、引き戸用壁パネルを出入り
   用開口部を閉じた状態で引き戸用壁パネルと固定壁パネ
   ルとの重複巾を方立材の左右方向の厚みと等しく設定し
   て成る引き戸付き間仕切り壁。