JP2540586Y2 - 自動車用マフラー - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、排気ガスを拡散させる
ことにより消音する自動車用マフラーの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の自動車用マフラーにおいて、排気
ガスを拡散させて消音する手段によると、マフラー内に
入った排気ガスは、体積が増大して圧力が下がり、熱
は、マフラーの外壁部を伝導し外気に放散される。そし
て、上記排気ガスは、低圧、低温となって外気に放出さ
れ、同時に消音されるものである。

【０００３】 上記排気ガスを拡散させて消音するマフラ
ーの具体的な例をみてみると、排気ガスの、マフラーの
入口側開口部から出口側開口部への流れを排気ガスの流
れ方向としたとき、上記排気ガスの流れ方向に沿って円
筒形状の排気ガス通過穴が設けられていて、しかも上記
排気ガス通過穴と排気ガス通過穴の外との間を連絡する
複数の小孔が形成されたものがマフラーの外壁部内部に
配設されているものがあり、上記排気ガス通過穴が複数
設けられた部分は、セラミック等の材料を用いて一体的
に成形されている。

【０００４】 上記排気ガスは、マフラーの入口側開口部
からマフラー内部に入り、上記排気ガス通過穴を通過し
てマフラーの出口側開口部からマフラー外部へ導かれ
る。上記排気ガス通過穴を通過する一部の排気ガスは、
その通過過程で排気ガス通過穴と排気ガス通過穴との外
との間を連絡する複数の小孔から排気ガス通過穴の外へ
放出される。即ち、上記排気ガスは、上記排気ガス通過
穴を通過し、通過過程でその一部が上記複数の小孔より
排気ガス通過穴外へ放出されることで、拡散され消音さ
れるものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】上記従来の技術による
と、確かに排気ガスを消音する効果が期待できるもの
の、上記複数の排気ガス通過穴及び複数の小孔を一体成
形しようとした場合、製造工程が複雑になるとともに、
用いられる材質も限られてくる。特に、上記セラミック
等の材料を用いた場合、強固であるもののもろいところ
があり、マフラー内における温度変化による熱衝撃、い
わゆるサーマルショックで徐々に崩れてくる危険性があ
った。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案の自動車用マフラ
ーは、排気ガスの流れ方向に沿って延びる排気ガス通過
穴７を形成した中空円筒部材８の外周壁９に、排気ガス
通過穴７と排気ガス通過穴７の外との間を連絡する複数
の小孔１０を有し、中空円筒部材８を複数束ねた中空円
筒部材８群を、上記マフラー３の外壁部４内部に配設
し、中空円筒部材８群の中心部に、排気ガスの流れに沿
った貫通孔１１を設けたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】上記構成によると、マフラー３内部に入った排
気ガス１は、上記中空円筒部材８群によって複数形成さ
れた排気ガス通過穴７を通過し、マフラー３外部へ導か
れる。同時に、排気ガス１は、排気ガス通過穴７の通過
過程で上記複数の小孔１０からその一部が排気ガス通過
穴７の外に放出される。即ち、排気ガス１は、複数の排
気ガス通過穴７の各々に分割されて排気ガス通過穴７内
を通過するとともに、上記各々の排気ガス通過穴７の通
過過程で複数の小孔１０の各々から、通過している排気
ガス通過穴の外へ放出されていることにより、拡散さ
れ、消音されるものである。

【０００８】

【実施例】添付図面に従い本考案の一実施例を詳述す
る。

【０００９】 図１は、本考案の自動車用マフラーの斜視
図、図２は、中空円筒部材を複数束ねた状態を示した
図、図３は、上記複数束ねた中空円筒部材の断面を示し
た図である。

【００１０】 上記マフラー３は、エンジンからの排気ガ
ス１が流れ込む入口側開口部５と出口側開口部６と、排
気ガス通過穴７が形成された中空円筒部材８を複数束
ね、マフラー３の外壁部４内部に固定された中空円筒部
材８群と、中空円筒部材８の外周壁９に排気ガス通過穴
７と排気ガス通過穴７の外との間を連絡する複数の小孔
１０と、上記中空円筒部材８群の中心部に排気ガスの流
れ方向に沿って設けた貫通孔１１とから構成されてい
る。

【００１１】 上記マフラー３の排気系を流れる排気ガス
１の拡散効果を向上させるために、図１に示されたとお
り、上記貫通孔１１と、入口側開口部５及び出口側開口
部６とが連通するマフラー３の外壁部４内部において、
空洞室１２がそれぞれ配設されている。

【００１２】 上記複数の中空円筒部材を束ねたとき、上
記中空円筒部材８に形成された複数の小孔１０の向き
と、隣接した中空円筒部材８の小孔１０の向きの位置
は、相互 に関連なく配設されている。即ち、上記一つの
中空円筒部材８に形成された小孔１０は、その形成位置
及び形成数を排気ガスの種類、湿度、圧力等を考慮して
自由に設定し形成してよい。

【００１３】 エンジンからの 排気ガス１は、マフラー３
の入口側開口部５からマフラー３内部の開口部側５の空
洞室１２に流入して拡散する。さらに排気ガス１は、マ
フラー３内部に配設された複数の中空円筒部材８の排気
ガス通過穴７内を通過して、マフラー３の出口側開口部
６の空洞室１２へ達し出口側開口部６から放出される。
排気ガス１は、排気ガス通過穴７の通過過程で複数の小
孔１０から通過穴７の外へ放出される。これらの排気の
流れの過程において、湿度及び圧力が下がり、同時に消
音されるのである。

【００１４】 中空円筒部材８群の中心部に、排気ガスの
流れ方向に沿った貫通孔１１が設けられている。貫通孔
１１は、排気効率を上げるために設けたものであり、マ
フラー３の空間面積、中空円筒部材８の長さ、排気ガス
通過穴７の径の大きさ、小孔の径の大きさ、数等々を考
慮して排気効率がよりよくなるよう、その径を設定し形
成するものである。

【００１５】 複数中空円筒部材８各々の外周面若しくは
内周面又はその双方に触媒物質、具体的には、白金、パ
ラジウム、コバルト、ニッケル、クロム、鉄、銅、マン
ガン、亜鉛、鉛等を塗布して膜を形成し、触媒作用を生
じせるようにしてもよい。

【００１６】

【考案の効果】以上詳述したように、本考案は、排気ガ
ス通過穴及び複数の小孔を形成した中空円筒部材を複数
束ねた中空円筒部材群をマフラーの外壁部内部に固定配
設し、かつ中空円筒部群の中心部に上記貫通孔を設けた
ことにより、排気ガスを拡散させて消音する効果を向上
させ、また排気ガスがマフラー内を通過しやすく、排気
効率を引き上げる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】自動車用マフラーの斜視図である。

【図２】中空円筒部材を複数束ねた状態を示した図であ
る。

【図３】複数束ねた中空円筒部材の断面を示した図であ
る。

【符号の説明】

１ 排気ガス ２ 排気管 ３ マフラー ４ 外壁部 ５ マフラーの入口側開口部 ６ マフラーの出口側開口部 ７ 排気ガス通過穴 ８ 中空円筒部材 ９ 外周壁 １０ 小孔 １１ 貫通孔１２ 空洞室

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】マフラー３の外壁部内部に排気ガスの流れ
   方向に沿って延びる排気ガス通過穴７及び、排気ガス通
   過穴７と排気ガス通過穴７の外との間を連絡する複数の
   小孔１０を有し、マフラー３内で排気ガス１を拡散させ
   て消音する自動車用マフラーにおいて；上記排気ガスの
   流れ方向に沿って延びる排気ガス通過穴７を形成した中
   空円筒部材８の外周壁９に、排気ガス通過穴７と排気ガ
   ス通過穴７の外との間を連絡する複数の小孔１０を有
   し、中空円筒部材８を複数束ねた中空円筒部材８群を、
   上記マフラーの外壁部４内部に配設し、上記中空円筒部
   材８群の中心部に、排気ガスの流れ方向に沿った貫通孔
   １１を設けたことを特徴とする自動車用マフラー。