JP2540445Y2 - 自動車用カップホルダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、自動車の後部座席に着座した乗員が使用す
る自動車のカップホルダに関する。

［従来の技術］ 車室内のインストルメントパネルに、運転席や助手席
に着座した乗員のためのカップホルダを設けることは従
来より周知であるる。このようなカップホルダは、専ら
運転席と助手席に着座した乗員のためのものであるた
め、後部座席に着座した乗員はこのカップホルダを使用
することはできない。このため、後部座席の乗員は、飲
み物を飲み終わるまで自らの手でコップを、車の振動に
たえ、内容物をこぼさないように保持していなければな
らなかった。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案の目的は、後部座席に着座した乗員の不便さを
解消するとともに、既存のセンターコンソールボックス
に容易に装着することができ、かつ乗員の乗り降りに全
く支障がなく、さらに車室内の美観を損うことのない自
動車のカップホルダを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記目的を達成するため、運転席と助手席
の間に配置されたセンターコンソールボックスの車体幅
方向側部に近接して支持アームを配置し、その先端部に
薄手の箱体を固定すると共に、該箱体が、センターコン
ソールボックスよりも上方で、ほぼ水平姿勢をとる使用
位置と、センターコンソールボックスの後方で、ほぼ垂
直姿勢をとる格納位置との間を旋回できるように、前記
支持アームを車体に対してその前後方向に回動可能に支
持し、前記箱体が前記使用位置を占めた状態で、その箱
体から車体の後方へ向け引き出し可能なカップ保持プレ
ートを当該箱体の内部に装着し、箱体が使用位置にある
ときの支持アームと、箱体が格納位置にあるときの支持
アームをそれぞれの位置に係止する係止手段を設けたこ
とを特徴とする自動車のカップホルダを提案する。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面を参照しながら説明す
る。

第１図はカップホルダの取付け位置を示す説明図で、
乗用車の助手席側から運転席側を見たときの図である。
後部座席２の前方に位置する運転席３と助手席（図示せ
ず）との間の床面には、シフトレバーや、センターパー
キングレバーの取付け部のカバーを兼ねて、小物を入れ
るためのセンターコンソールボックス１が設けられてい
る。本例のカップホルダ５は、このセンターコンソール
ボックス１の後部に設けられている。

第２図はカップホルダ５の使用状態を示す要部側面図
で、支持板22がセンターコンソールボックス１の後部両
側の車体への装着ビス21を利用して、そのセンターコン
ソールボックス１の両側壁を挟んで車体に取付けられて
おり、その支持板22の頂部には軸受け板23が一体に設け
られている。この軸受け板23には、支持アーム11の回転
支点４（第１図）となる長穴31（第４図）が設けられて
いて、その長穴31に支持アーム11の基端側に装着された
回転軸24が挿入されており、支持アーム11の自由端側は
箱体12の裏面に固着されている。

このように本例の自動車のカップホルダ５において
は、運転席３と助手席の間に配置されたセンターコンソ
ールボックス１の車体幅方向側部に近接した位置に支持
アーム11が配置され、その先端部に薄手の箱体12が固定
されている。そして、その箱体12が、第２図に実線で示
すようにセンターコンソールボックス１よりも上方で、
ほぼ水平姿勢をとる使用位置と、第２図に二点鎖線で示
すようにセンターコンソールボックス１の後方で、ほぼ
垂直姿勢をとる格納位置との間を旋回できるように、支
持アーム11が、車体に対してその前後方向に回動可能に
支持されている。

第３図は箱体12が使用位置にあるとき、センターコン
ソールボックス１の後端側から見たときの図である。そ
れぞれの支持板22の頂部の軸受け板23の裏面側には、セ
ンターコンソールボックス１との隙間をつめるパッド25
が取付けられており、これによって支持板22の横ずれを
防止している。支持アーム11の先端部はそれぞれ内側に
曲げられていて、その頂面には長穴26が開けられてい
る。これにより、各種の幅方向寸法の異なるセンターコ
ンソールボックス１にも対応して、支持アーム11に箱体
12を取付け、ビス27で固着することができる。

第４図は、軸受け板23の拡大図であり、中央に上下方
向に拡張された前述の長穴31が設けられている。箱体12
が第２図に鎖線で示したように格納位置にあるときの支
持アーム11の状態を第４図に二点鎖線で示してある。こ
のとき支持アーム11の回転軸24（第２図）は、その長穴
31の上部円弧面に接触していて、支持アーム11の縁は軸
受け板23に設けられた段差面35上に係止される。これに
より箱体12が格納位置に保持される。

箱体12の内部には、第２図に示す如くカップ15の保持
穴16を有するカップ保持プレート13が引き出し可能に配
置されている。すなわち、箱体12が第２図に実線で示す
ように使用位置を占めた状態で、その箱体12から車体の
後方へ向けて引き出し可能なカップ保持プレート13がそ
の箱体12の内部に装着されている。後部座席２に着座し
た乗員は、このカップ保持プレート13を第２図に示すよ
うに後方へ引き出し、このカップ保持プレート13に形成
された保持穴16にカップ15を上から差し入れて、当該カ
ップ15を保持しておくことができる。

箱体12を格納位置から使用位置に移動させるには、第
２図の矢印Ａで示したように、箱体12の先端から突出し
ているカップ保持プレート13の先端を手前に引きながら
旋回させる。箱体12が水平状態の使用位置に達すると、
支持アーム11の面40（第４図）が軸受け板23に形成され
たストップ面41に当り箱体12は停止する。このときカッ
プ保持プレート13から手を離すと、箱体12は第２図の矢
印Ｂで示したように下降する。この旋回時に、支持アー
ム11の回転軸24は、軸受け板23の長穴31の上部円弧面に
摺接しながら回転し、箱体12が水平姿勢をとったとき手
を離すと、回転軸24は長穴31の下方に移動する。このと
き軸受け板23の突起34が支持アーム11の凹部33に嵌入す
る。このようにして、箱体12が使用位置に確実に係止さ
れる。

箱体12の奥とカップ保持プレート13の基端縁には互い
に嵌合する図示していない二段式ラッチが取付けられて
いるので、箱体12からカップ保持プレート13を引き出す
には、一旦、そのプレート13を押し込んだのち引っ張れ
ばよい。

カップ保持プレート13には、前述のようにカップ15や
缶を挿入するための保持穴16が設けられているほか、カ
ップ15等の底を支えるサポータ14が、カップ保持プレー
ト13に回動可能に枢着され、該サポータ14は、箱体12を
水平な位置に保持させた状態でカップ保持プレート13を
引き出したときに重力やばねの作用により自動的に降下
し、カップ保持プレート13を押し込むときにはサポータ
14が箱体12に当り、その反力で自動的に収納されるよう
に、カップ保持プレート13の下面に組み込まれている。
このように、カップ15のサポータ14がカップ保持プレー
ト13の引き出し操作で自動的に降下するから、後部座席
２に着座した乗員は、カップ15を一方の手で持っていて
も、他方の手でカップ保持プレート13を引き出せば、そ
のままそのプレート13にカップを保持させることができ
る。

上記実施例では、軸受け板23の段差面35と、同じく軸
受け板23に形成された突起34及び支持アーム11の凹部33
によって、箱体が使用位置にあるときの支持アームと、
箱体が格納位置にあるときの支持アームを、それぞれそ
の位置に係止する係止手段が構成されているが、他の適
宜な係止手段を採用することもできる。

また図示した実施例では、回転支点４が支持板22の頂
部に設けた軸受け板23の長穴31と支持アーム11の回転軸
24とからなるが、支持板22側に回転軸を、支持アーム11
側に長穴を設けてもよい。

また、上記実施例では支持板22がセンターコンソール
ボックス１を両側から挟み込んでいるが、支持板を車体
に強固に結合することができるならば、片側のみでもよ
い。

さらに別の実施例として、軸受け板23を、支持板22を
使用せずに直接センターコンソールボックス１の側面に
固定しても良い。

［考案の効果］ 本考案に係る自動車のカップホルダによれば、箱体が
格納位置を占めたとき、センターコンソールボックスの
後端面に沿って垂直姿勢をとって位置するので、後部座
席の乗員の乗り降り等の移動時に、カップホルダが邪魔
にならず、かつ車室内の美観を損うことはない。またカ
ップ保持プレートは、その非使用時に箱体内に収納され
ているから衛生的である。また本考案に係るカップホル
ダは、既存のセンターコンソールボックスに容易に装着
することができる。さらに、後部座席の乗員はシートベ
ルトを着用していても、カップホルダを簡単な操作で利
用でき、座席に座ったままで、カップ保持プレートにカ
ップを保持し、又はこれを取り出すことができる。また
使用位置にある箱体の上面を小荷物置きとして利用する
こともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は乗用車の助手席側から運転席側を見たときのカ
ップホルダの取付け状態を示す説明図、第２図はカップ
ホルダの使用状態を示す要部側面図、第３図は箱体が使
用位置にあるとき、これをセンターコンソールボックス
の後端側から見た状態を示す図、第４図は軸受け板の拡
大図である。 １……センターコンソールボックス、３……運転席 ５……カップホルダ、11……支持アーム 12……箱体、13……カップ保持プレート

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】運転席と助手席の間に配置されたセンター
   コンソールボックスの車体幅方向側部に近接して支持ア
   ームを配置し、その先端部に薄手の箱体を固定すると共
   に、該箱体が、センターコンソールボックスよりも上方
   で、ほぼ水平姿勢をとる使用位置と、センターコンソー
   ルボックスの後方で、ほぼ垂直姿勢をとる格納位置との
   間を旋回できるように、前記支持アームを車体に対して
   その前後方向に回動可能に支持し、前記箱体が前記使用
   位置を占めた状態で、その箱体から車体の後方へ向け引
   き出し可能なカップ保持プレートを当該箱体の内部に装
   着し、箱体が使用位置にあるときの支持アームと、箱体
   が格納位置にあるときの支持アームをそれぞれその位置
   に係止する係止手段を設けたことを特徴とする自動車の
   カップホルダ。