JP2540249B2 - 圧延機の圧下スケジュ―ル決定方法 - Google Patents

圧延機の圧下スケジュ―ル決定方法

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JP2540249B2
JP2540249B2 JP3122467A JP12246791A JP2540249B2 JP 2540249 B2 JP2540249 B2 JP 2540249B2 JP 3122467 A JP3122467 A JP 3122467A JP 12246791 A JP12246791 A JP 12246791A JP 2540249 B2 JP2540249 B2 JP 2540249B2
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公之 岡田
英幸 二階堂
誠 侍留
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、最終スタンドのクラウ
ン偏差の修正のために、タンデム圧延機の各圧延スタン
ドの板厚設定値及びベンダ圧設定値を含む圧延条件を、
該圧延機全体で総合して決定する圧延機の圧下スケジュ
ール決定方法に係り、特に、各圧延スタンドでの板厚の
形状が所定許容形状内となるような各圧延スタンドの
厚設定値及びベンダ圧設定値を決定することが可能な、
圧延機の圧下スケジュール決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タンデム圧延機、例えば冷間連続仕上圧
延機の板厚制御においては、ストリップの先端から目標
通りの板厚を得るためには、圧延機の各箇所に配置され
た各種のセンサからのデータに従って、各スタンドの圧
下位置等を適正な位置に設定する必要がある。
【0003】従来、各スタンドの圧下位置設定は、過去
の圧延データからの類推、作業者の経験等から行われて
いたが、最近では、圧延理論式(圧延荷重式、変形抵抗
式、ゲージメータ式、被圧延材温度式等)を駆使して計
算機により行われることが多くなってきている。
【0004】又、例えば冷間連続圧延機においては、被
圧延材の形状は平坦に圧延されなければならない。
【0005】従って、冷間連続圧延機等のタンデム圧延
機における形状制御方法としては、様々な制御方法が提
案されている。
【0006】例えば、圧延ロールを冷却する方法により
圧延ロールの形状を修正する方法や、圧延ロールの撓み
を制御する方法や、タンデム圧延機において中間圧延ロ
ールを板幅方向に移動させることにより、圧延ロールの
撓みを制御する方法や、圧延ロールに注入する高圧の流
体の量や圧力等により、圧延ロールの形状を制御する方
法等が提案されている。
【0007】又、タンデム圧延機の形状制御方法とし
て、各スタンドの圧下位置等を制御することにより、被
圧延材の形状を平坦にするという制御方法も提案されて
いる。
【0008】更に、被圧延材の板厚制御や形状制御を目
的として、タンデム圧延機の各圧延スタンドの圧延条件
を、該圧延機全体で総合して決定する圧延機の圧下スケ
ジュール決定方法に関する技術も開示されている。
【0009】例えば、このような圧延機の圧下スケジュ
ール決定方法に関する技術として、テーブル法と呼ばれ
る技術が開示されている。
【0010】このテーブル法と呼ばれる圧延機の圧下ス
ケジュール決定方法は、予め予想される板クラウン変化
等に対処するため、予め圧下スケジュールの変化パター
ンをデータテーブルとして準備するという技術である。
【0011】又、圧延機の圧下スケジュール決定方法に
は、線形計画法と呼ばれる圧延機の圧下スケジュール決
定方法に関する技術が開示されている。
【0012】例えば、特開昭59−73108では、被
圧延材と作業ロールの間の幅方向荷重分布が一様である
場合に実現される幅方向板厚偏差と、圧延機入側の被圧
延材の幅方向板厚偏差の一次結合として構成される圧延
機出側の被圧延材の幅方向板厚偏差とを求める計算式を
介して、各パス出側板厚を求めるという技術が開示され
ている。
【0013】この特開昭59−73108で開示されて
いる技術によれば、タンデム圧延機の圧延単位(各パ
ス)の編成が大きく変化するような操業等、様々な圧下
スケジュールの変化パターンにも対応することが可能で
ある。
【0014】又、線形計画法とされる圧延機の圧下スケ
ジュール決定方法として、特開昭61−42408で
は、次に示すような手順による圧延機の圧下スケジュー
ル決定方法に関する技術が開示されている。
【0015】即ち、まず、負荷配分及びワークロールシ
フトを適用した標準パススケジュールでの各スタンド出
側の予想クラウン又はクラウン比率を求める。最終第n
スタンド出側の予想クラウン又はクラウン比率が目標値
と異なる場合は、最終スタンドの1つ前の第n −1スタ
ンドの、形状変化から定まる許容最大クラウン及び許容
最小クラウンを求める。前記標準パススケジュールでの
該第n −1スタンドの予想クラウン又はクラウン比率が
該許容範囲に入らない場合は、最小の変更で該許容範囲
に入るように該予想クラウン又はクラウン比率を変更す
る。かかる予想クラウン又はクラウン比率の変更を逐
次、初段スタンドまで行う。クラウン変更は、ワークロ
ールのシフト量の変更で行い、前記初段までの予想クラ
ウン比率の変更がワークロールシフト量の能力内の場合
は、前記パススケジュールをそのワークロールシフト量
に前記変更を施しただけで採用する。前記初段までの予
想クラウン又はクラウン比率の変更でワークロールシフ
ト量の能力を超えるスタンドが生じたときは、当該スタ
ンドの圧延荷重も変更し、前記パススケジュールをその
ワークロールシフト量及び圧延荷重に該変更を施して採
用する。
【0016】このような一連の手順による特開昭61−
42408で開示されている技術によれば、計算機で行
われる計算量を増大させることなく、簡易に最適値探索
を行うことが可能である。
【0017】又、線形計画法とされる圧延機の圧下スケ
ジュール決定方法として、特開昭61−42409で
は、以下に述べるような技術が開示されている。
【0018】即ち、まず、負荷配分及びワークロールベ
ンディング力を適用したパススケジュールでの各スタン
ド出側の予想クラウン、又はクラウン比率を求める。最
終第n スタンド出側の予想クラウン又はクラウン比率が
目標値と異なる場合は、最終スタンドの1つ前の第n −
1スタンドの、形状変化から定まる許容最大クラウン及
び許容最小クラウンを求める。前記標準パススケジュー
ルでの該第n −1スタンドの予想クラウン又はクラウン
比率が該許容範囲に入らない場合は、最小の変更で該許
容範囲に入るように該予想クラウン又はクラウン比率を
変更する。かかる予想クラウン又はクラウン比率の変更
を逐次、初段スタンドまで行う。クラウン変更は、ワー
クロールのベンディング力の変更で行う。前記初段まで
の予想クラウン又はクラウン比率の変更がロールベンダ
の能力内の場合は、前記パススケジュールをそのロール
ベンディング力に前記変更を施しただけで採用する。前
記初段までの予想クラウン又はクラウン比率の変更でロ
ールベンダの能力を超えるスタンドが生じたときは、当
該スタンドの圧延荷重も変更し、前記パススケジュール
をそのロールベンディング力及び圧延荷重に該変更を施
して採用する。
【0019】以上説明した特開昭61−42409で開
示されている技術によれば、熱間圧延に要求される出側
板厚及び温度を目標値にする他に、出側クラウンをも目
標値にすることが可能である。
【0020】
【発明が達成しようとする課題】しかしながら、前述の
テーブル法と呼ばれる圧延機の圧下スケジュール決定方
法においては、クラウン形状の厳密な概念を導入してお
らず、ロールチャンスフリー圧延に適さない等の問題が
ある。このため、シフトやベンダ等のクラウン制御機構
の能力を超える場合が生じてしまい、各圧延スタンドで
設定可能な圧延条件を超えてしまう場合がある。
【0021】又、前述の特開昭59−73108で開示
されている技術においては、予め数千〜数万個の中間ス
タンド板厚の組合せを設定しておき、これらの中から所
定の評価関数を最小にする中間スタンド板厚の圧下スケ
ジュールを採用するという方法である。このため、この
特開昭59−73108で開示されている技術によって
も、クラウン形状を全圧延スタンドで満足する最適板厚
とすることはできないという問題がある。又、この特開
昭59−73108で行われる計算量は非常に多く、高
速処理可能なコンピュータ等のハードウェアを必要とす
るという問題や、計算時間が長くなってしまうという問
題等がある。
【0022】なお、前述の特開昭61−42408及び
特開昭61−42409においては、パススケジュール
を順次変更していくため、前述の特開昭59−7310
8で開示されているようなダイナミックプログラミング
法に比べ、計算量は幾分軽減されるものの、やはり大き
な計算量の負荷を有しているという問題がある。
【0023】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、最終スタンドのクラウン偏差の修正
のために、タンデム圧延機の各圧延スタンドの板厚設定
値及びベンダ圧設定値を含む圧延条件を、該圧延機全体
で総合して決定する圧延機の圧下スケジュール決定方法
において、コンピュータで行われる計算等の処理を増加
することなく、最終スタンド出側のクラウン量及び板厚
を目標値にするようにすると共に、各圧延スタンドでの
板材の形状が所定許容形状内となり、且つ、各圧延スタ
ンドのミル能力をも満足するような各圧延スタンドの
厚設定値及びベンダ圧設定値を決定することが可能な、
圧延機の圧下スケジュール決定方法を提供することを目
的とする。
【0024】
【課題を達成するための手段】本発明は、最終スタンド
のクラウン偏差の修正のために、タンデム圧延機の各圧
延スタンドの板厚設定値及びベンダ圧設定値を含む圧延
条件を、該圧延機全体で総合して決定する圧延機の圧下
スケジュール決定方法において、主として設定の増加や
減少が可能な中間値となるような、各圧延スタンドの
厚設定値及びベンダ圧設定値を初期値とし、該板厚設定
値及びベンダ圧設定値の初期値での最終スタンドにおけ
る、目標クラウンに対するクラウン偏差を求め、該クラ
ウン偏差と各圧延スタンドの形状条件とから、各圧延ス
タンドの板厚変更量を同時に求め、各圧延スタンドの板
厚変更量が、それぞれの圧延スタンドのミル能力を満足
するか判定し、板厚変更量がミル能力を満足しない圧延
スタンドがある場合には、まず圧延スタンドのベンダ圧
の変更を行った後、前記板厚変更量を求め直すことによ
り、前記課題を達成したものである。
【0025】又、各圧延スタンドの板厚変更量を求める
ための前記形状条件を、第3スタンド以降の各圧延スタ
ンドの形状条件とすることにより、前記課題を達成した
ものである。
【0026】
【作用】本発明においては、タンデム圧延機の各圧延ス
タンドの板厚設定値及びベンダ圧設定値を含む圧延条件
を、該圧延機全体で総合して決定するに際し、まず、設
定値の増加や減少が可能となるように考慮しながら、各
圧延スタンドの板厚設定値及びベンダ圧設定値の初期値
を求めるようにしている。
【0027】即ち、まず各圧延スタンドの少なくとも板
厚設定値及びベンダ圧設定値を、それぞれの圧延スタン
ドで許される上限や下限に対して余裕をもった値とする
ようにしながら、これら各圧延スタンドの板厚設定値の
初期値や、ベンダ圧設定値の初期値を求める。
【0028】あるいは、これらの初期値がこのような初
期値となるように、他の圧延条件の初期値を決定しても
よい。
【0029】又、本発明においては、最終スタンドのク
ラウン偏差を修正するために、各圧延スタンド(例えば
最終スタンド以前の全ての圧延スタンド)の形状条件を
用いるようにしている。即ち、各圧延スタンドの板厚等
は、所定の許容範囲に収めることも可能である。これに
より、各圧延スタンドの圧延制御の安定度の向上等を図
ることができる。
【0030】又、このようにして求められた各圧延スタ
ンドの板厚変更量により、各圧延スタンドの板厚設定値
を変更したとしても、前述のように、各圧延スタンドの
板厚設定値の初期値は設定値の増加や減少が可能となる
ように考慮して決定されているため、このような板厚設
定値の変更による各圧延スタンドの板厚設定値の上限や
下限を超えてしまう恐れは減少されている。
【0031】又、万一このような各圧延スタンドの板厚
設定値の変更により、板厚設定値の上限や下限を超えて
しまう圧延スタンドがあったとしても、本発明において
は、所定の圧延スタンドのベンダ圧を変更することによ
り、対応することが可能である。
【0032】なお、このベンダ圧を変更する圧延スタン
ドは、変更された板厚設定値が上限や下限を超えてしま
った圧延スタンド自身だけであってもよく、あるいは、
他の圧延スタンドであってもよく、又、全ての圧延スタ
ンドであってもよい。
【0033】又、本発明では、このベンダ圧設定値の初
期値についても、以後の設定値の増加や減少が可能とな
るように考慮しながら決定されているので、適切なベン
ダ圧を速やかに決定することが可能である。
【0034】図1は、本発明の要旨を示すフローチャー
トである。
【0035】この図1のステップ102において、ま
ず、最終スタンドのクラウン偏差の修正の際の設定値の
増加や減少が可能となるように考慮しながら、各圧延ス
タンドの板厚設定値及びベンダ圧設定値の初期値を求め
る。即ち、このステップ102では、板厚設定値とベン
ダ圧設定値は、各圧延スタンドにおいて上限や下限に対
して余裕をもった値となるように考慮しながら決定され
る。
【0036】なお、これら板厚設定値やベンダ圧設定値
以外の圧延条件について本発明は限定するものではない
が、他の圧延条件も、板厚設定値やベンダ圧設定値に影
響を与えるものもある。従って、このような他の圧延条
件については、板厚設定値やベンダ圧設定値がそれぞれ
の圧延スタンドにおいて、上限や下限に対して余裕を持
つことができるように考慮しながら決定することが望ま
しい。
【0037】ステップ104では、ステップ102で求
められたタンデム圧延機の各圧延スタンドの圧延条件の
初期値により、最終スタンドにおけるクラウン偏差を求
める。このステップ104で求められるクラウン偏差
は、最終スタンドの出側のクラウン量に対する算出され
た圧延条件によるクラウン量との差(偏差)である。
【0038】なお、本発明の圧延機の圧下スケジュール
決定方法は、最終スタンドの出側のクラウン量を所定の
クラウン偏差に収めるというものである。
【0039】ステップ106では、ステップ104で求
められた最終スタンドの出側クラウン偏差を所定の目標
値に納めるために、各圧延スタンドの形状条件を必要に
応じて用いながら、タンデム圧延機の各圧延スタンドの
板厚変更量を求める。
【0040】又、このステップ106で各圧延スタンド
の板厚変更量を求める際には、以下の条件が満足するよ
うにしている。
【0041】最終スタンドの出側のクラウンを、目標
クラウンと等しくする。最終スタンドの出側の板厚
を、目標板厚にする。必要のある圧延スタンドの形状
条件を用いる。各スタンドのミル能力を満足する。
【0042】なお、後述する本発明の実施例において
は、各圧延スタンドの板厚変更量を求めるための関数
が、所定のスタンドのクラウン偏差やクラウン量を変数
とする、各圧延スタンド毎の(制御対象のスタンド数分
の)一次関数となっている。
【0043】このように、各圧延スタンドの板厚変更量
を各圧延スタンド毎の関数を用いて求めるようにした場
合には、複数の圧延スタンドの板厚変更量を求めること
を並行して同時に行うことが可能である。
【0044】又、このとき用いられる関数を一次関数と
した場合には、所定のスタンドのクラウン偏差やクラウ
ン量から容易に板厚変更量を求めることが可能である。
【0045】なお、前記ステップ106で用いられる形
状条件は、タンデム圧延機の全圧延スタンドに対するも
のでなくてもよく、最終スタンドの出側のクラウン量の
変動や圧延制御の安定性等への影響を考慮して、必要な
圧延スタンドの形状条件を用いればよい。
【0046】例えば、後述する本発明の実施例では、各
圧延スタンドの板厚変更量を求めるための前記形状条件
が、第3スタンド以降の各圧延スタンドの形状条件とな
っている。
【0047】ステップ108では、ステップ106で求
められた板厚変更量がミル能力を満足するものである
か、少なくとも板厚変更を行う圧延スタンドに関して判
定を行う。このステップ108におけるミル能力を満足
するか否かの判定は、例えば板厚変更によって圧延機に
加わる圧延荷重が、圧延機の設備強度から決まる許容荷
重以下であるか否かによって行うことができる。即ち、
板厚変更によって生じる圧延荷重が、許容荷重以下であ
れば、ミル能力を満足し、許容荷重を超えていれば、ミ
ル能力を満足していないと判定する。
【0048】ステップ108でミル能力を満足すること
ができないと判定された場合には、ステップ110で所
定の圧延スタンドのベンダ圧を変更した後、前述のステ
ップ104及び106とステップ108の処理を再び実
行する。前記ベンダ圧の変更に際しては、圧延荷重を許
容荷重に抑えるように、板厚変更量を制限する代わり
に、その分の板クラウンの減少量を補充する意味で、ベ
ンダ圧を弱める。ベンダ圧の弱め量は、図1でステップ
104〜110がループになっていることからも明らか
なように、例えば、ベンダ圧の弱め量を所定量とし、そ
れでも許容荷重を超えるようならば、更に、ループを戻
って板厚変更量を抑制し、且つ更にベンダ圧を前記所定
量だけ積算して弱めるという手順で決定していくことが
できる。
【0049】一方、ステップ108でミル能力を満足す
ることができると判定された場合には、続くステップ1
12で、これまでの各ステップの処理の実行により得ら
れた各圧延スタンドの板厚変更量及びベンダ圧に従っ
て、各圧延スタンドの最適板厚及びベンダ圧を決定す
る。
【0050】以上説明したように、本発明によれば、圧
延スタンドでの被圧延材である板材の形状が所定許容形
状内となるようにしながら、コンピュータ等で行われる
計算等の処理(繰返しループ回数等)を増加することな
く、各圧延スタンドの圧延条件の決定を行うことが可能
である。
【0051】
【実施例】以下、図を用いて本発明の実施例を詳細に説
明する。
【0052】図2は、本発明の実施例のフローチャート
である。
【0053】この図2のステップ202においては、前
述の図1のステップ102と同様に、設定値の増加や減
少が可能となるように考慮しながら、各圧延スタンド
板厚設定値及びベンダ圧設定値の初期値を求める。
【0054】
【0055】ステップ204では、第i 番目の各圧延ス
タンドの入側クラウン量Crs(i −1)と、ロールクラ
ウン量φs (i )と、次式とにより、当該第i 番目の圧
延スタンドのクラウン量Crs(i )を求める。
【0056】
【数1】
【0057】なお、この(1)式において、i は1〜7
である。
【0058】ステップ206では、第7番目である最終
スタンドにおいて、目標クラウン量Cro(7)と、算出
されたクラウン量Crs(7)と、次式とにより、クラウ
ン偏差ΔCr (7)を求める。
【0059】
【数2】
【0060】続いて、ステップ208では、各圧延スタ
ンドの形状条件を用いながら、最終スタンドのクラウン
偏差ΔCr (7)を修正する(0とする)ための、各圧
延スタンドの板厚変更量Δh (1)〜Δh (7)を求め
る。
【0061】この図2のステップ208は、前述の図1
のステップ106に対応するものであり、後述する(1
8)式を用いて演算を行うものである。
【0062】なお、これ以降の図2のステップ212、
214、216は、それぞれ前述の図1のステップ10
8、110、112に対応するものであり、同様の処理
が行われる。
【0063】以下、前述のステップ208で用いられる
各圧延スタンドの板厚変更量Δh (1)〜Δh (7)を
求めるための計算式(関数)について、数式を用いなが
ら説明を行う。
【0064】この各圧延スタンドの板厚変更量Δh
(1)〜Δh (7)を求めるための関数は、最終スタン
ドにおけるクラウン偏差ΔCr (7)を0に修正するた
めの計算式(前述の(2)式に該当)と、形状条件式、
即ち、タンデム圧延機の各圧延スタンドにおける被圧延
材である板厚の形状が所定許容形状内となるための形状
条件式(後述する(6)式に相当)とを連立して求めら
れる関数である。
【0065】なお、本実施例の実際の運用にあたって
は、タンデム圧延機の入側から第1番目と第2番目の圧
延スタンドの形状変化係数が小さく、形状の乱れが無視
できる点に着目し、第3番目から第7番目の圧延スタン
ドの形状条件のみを考慮するようにしている。
【0066】このように、各圧延スタンドの板厚変更量
を求める際には、タンデム圧延機を構成する全圧延スタ
ンドの形状条件を用いることは必要ではなく、対象とな
るタンデム圧延機の特性に従って、必要な圧延スタンド
の形状条件のみ考慮すればよい。
【0067】最終スタンドのクラウン偏差を修正するた
めの、各圧延スタンドの板厚変更量Δh (1)〜Δh
(7)を求めるための関数を得るために、まず、前述の
(1)式を用いて、タンデム圧延機の前段(入側から第
1番目)から後段(最終段)へ代入を繰返すことによ
り、次式を得ることができる。
【0068】
【数3】
【0069】なお、この(3)式におけるD1(i )と
D1(o )は、次式の通りである。
【0070】
【数4】
【0071】又、ロールクラウン量φs (i )は、該当
圧延スタンドの板厚設定値h (i )と、この該当圧延ス
タンドの入側の隣の圧延スタンドの板厚設定値h (i −
1)の関数であるので、Crs(7)は h(1)〜 h
(7)の関係となることが判る。従って、最終スタンド
におけるクラウン偏差ΔCr (7)は、次式のように表
わすことができる。
【0072】
【数5】
【0073】又、この(4)式に前述の(3)式を代入
すると、次式のように表わすことができる。
【0074】
【数6】
【0075】なお、この(5)式において、i は1から
6の整数であり、F1(i )は、次式の通りである。
【0076】
【数7】
【0077】一方、各圧延スタンドの形状条件式は、次
式で表わされる。
【0078】
【数8】
【0079】なお、L(i )は、第i 番目の圧延スタン
ドにおける許容クラウン比率変化量であり、又、前述の
ように本実施例においては、第3番目から第7番目の圧
延スタンドにおける形状条件のみを考慮するので、この
(6)式におけるi は3から7の整数である。
【0080】なお、この(6)式は第i 番目の圧延スタ
ンドにおける入側のクラウン比率と出側のクラウン比率
との相対差に着目した式であるが、本実施例において
は、タンデム圧延機の各圧延スタンドを被圧延材である
板材が通過するに従って、目標クラウン比率に近付ける
ようにしているため、少なくとも第3番目から第7番目
の圧延スタンドにおいては、出側クラウン比率の方が入
側クラウン比率よりも大きくなっている。従って、前述
の(6)式の形状条件は、次式のような形状条件式とす
ることができる。
【0081】
【数9】
【0082】なお、この(6)式においても、i は3か
ら7の整数である。
【0083】この(6)式のi に7を代入すると共に、
出側のクラウン量を目標クラウン量とし、出側の板厚設
定値を目標板厚設定値とすると、最終段である第7番目
の圧延スタンドにおいては、形状条件は次式の通りとな
る。
【0084】
【数10】
【0085】又、この(8)式の左辺は、次式のように
表わすことができる。
【0086】
【数11】
【0087】更に、この(9a )式は、更に次式に変形
することができる。
【0088】
【数12】
【0089】又、この(9b )式の第6番目の圧延スタ
ンドの、計算により求められるクラウン量Crs(6)
は、次式の通りである。
【0090】
【数13】
【0091】なお、この(10)式において、D2(i
)及びD2(o)は、次式の通りである。
【0092】
【数14】
【0093】この(10)式を前述の(9b )式に代入
すると、左辺は次式のようになる。
【0094】
【数15】
【0095】なお、この(11)式のF2(i )は、次
式の通りである。即ち、i が1から5の整数である場合
には、このF2(i )は次の(11a )式であり、i が
6である場合は、次の(11b )式となる。
【0096】
【数16】
【0097】更に、この(11)式を前述の(8)式に
代入して、行列形式で整理すると、タンデム圧延機の入
側から第7番目の圧延スタンドの形状条件式は、次式の
ようになる。
【0098】
【数17】
【0099】第3番目の圧延スタンドの形状条件式は、
同様に次式のように表わすことができる。
【0100】
【数18】
【0101】なお、この(13)式において、i が1か
ら4の整数であるF3(i )と、F3(5)と、F3
(6)とは、次式の通りである。
【0102】
【数19】
【0103】更に、タンデム圧延機の入側から第4番目
の圧延スタンドの形状条件式は、次式のように表わすこ
とができる。
【0104】
【数20】
【0105】なお、この(14)式において、i が1か
ら3の整数であるF4(i )と、F4(4)と、F4
(5)と、F4(6)とは、次式の通りである。
【0106】
【数21】
【0107】又、第5番目の圧延スタンドの形状条件式
は、同様に次式の通り表わすことができる。
【0108】
【数22】
【0109】なお、この(15)式において、i が1又
は2であるF5(i )と、F5(3)と、F5(4)
と、F5(5)とは、次式の通りである。
【0110】
【数23】
【0111】又、タンデム圧延機の入側から第6番目の
圧延スタンドの形状条件式は、同様に次式のように表わ
すことができる。
【0112】
【数24】
【0113】なお、この(16)式において、F6
(1)と、F6(2)と、F6(3)と、F6(4)と
は、次式の通りである。
【0114】
【数25】
【0115】以上の結果をまとめると、前述の(5)式
及び、(12)、(13)、(14)、(15)、(1
6)式から、次式を得ることができる。
【0116】
【数26】
【0117】又、この(17)式において、左辺の6×
6行列をFとし、この行列Fの逆行列をF-1とし、右辺
の6×1行列をGとすると、Δh(1)〜Δh (6)
は、次式により求めることができる。
【0118】
【数27】
【0119】このようにして板厚変更量Δh (1)〜Δ
h (6)が求められると、前回の板厚設定値hs(1)〜
hs(6)と、次の6つの式から、最適板厚設定値h
(1)〜h (6)を求めることができる。
【0120】
【数28】
【0121】以上説明したように、本発明の実施例によ
れば、コンピュータで行われる計算等の処理を増加する
ことなく、最終スタンド出側のクラウン量及び板厚を目
標値にするようにすると共に、各圧延スタンドでの板材
の形状が所定許容形状内となり、且つ、各圧延スタンド
のミル能力をも満足するような、各圧延スタンドの板厚
設定値及びベンダ圧設定値を決定することが可能であ
る。
【0122】なお、一例として、図3に示される操業条
件と、図4に示される各圧延スタンドにおける板厚範囲
の許容範囲の条件で、前述の本発明の実施例の圧延機の
圧下スケジュール決定方法により、発明者等は各種の計
算を実際に行っている。
【0123】この計算結果は、図5に示される計算によ
り求められる最適板厚h (i )と、図6に示される計算
により求められるクラウン量Crs(i )と、図7に示さ
れるクラウン比率(最適板厚h (i )と計算により求め
られるクラウン量Crs(i )とにより、求められる)
と、図8に示される被圧延材である板材の平坦度とを得
ることができる。
【0124】図5に示される各圧延スタンドにおける最
適板厚h (i )は、図4に示される板厚の許容範囲に収
まっている。又、図6に示される通り、第7圧延スタン
ドである最終圧延スタンド出側のクラウン量Crs(7)
は、目標クラウン量となっている。又、図7に示される
通り、最終圧延スタンドのクラウン比率も目標クラウン
比率となっている。又、図8からは全スタンドでの板材
の平坦度が0.3%以内になっていることが判る。
【0125】このように、本発明の実施例によれば、ク
ラウン偏差σが半減し、クラウン量の制御精度の向上
や、通板性の安定化を図ることができるという優れた効
果を得ることができる。
【0126】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、最
終スタンドのクラウン偏差の修正のために、タンデム圧
延機の各圧延スタンドの板厚設定値及びベンダ圧設定値
を含む圧延条件を、該圧延機全体で総合して決定する圧
延機の圧下スケジュール決定方法において、コンピュー
タで行われる計算等の処理を増加することなく、最終ス
タンド出側のクラウン量及び板厚を目標値にすると共
に、各圧延スタンドでの板材の形状が所定許容形状内と
なり、且つ、各圧延スタンドのミル能力をも満足するよ
うな各圧延スタンドの板厚設定値及びベンダ圧設定値を
決定することができるという優れた効果を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の要旨を示すフローチャートで
ある。
【図2】図2は、本発明の実施例のフローチャートであ
る。
【図3】図3は、前記実施例において、操業条件の1つ
を示す線図である。
【図4】図4は、前記実施例において、各圧延スタンド
における板厚設定値の許容設定範囲(上限と下限)の一
例を示すグラフである。
【図5】図5は、前記実施例による計算結果の各圧延ス
タンドにおける最適板厚を示すグラフである。
【図6】図6は、前記実施例で得られた各圧延スタンド
におけるクラウン量を示すグラフである。
【図7】図7は、前記実施例で得られた各圧延スタンド
におけるクラウン比率を示すグラフである。
【図8】図8は、前記実施例で得られた各圧延スタンド
における平坦度を示すグラフである。
【符号の説明】
i …タンデム圧延機の圧延スタンドの番号、 h (i )…最適板厚設定値、 Crs(i )…計算により求められた各圧延スタンドのク
ラウン量。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】最終スタンドのクラウン偏差の修正のため
    に、タンデム圧延機の各圧延スタンドの板厚設定値及び
    ベンダ圧設定値を含む圧延条件を、該圧延機全体で総合
    して決定する圧延機の圧下スケジュール決定方法におい
    て、 主として設定の増加や減少が可能な中間値となるよう
    な、各圧延スタンドの板厚設定値及びベンダ圧設定値
    初期値とし、 該板厚設定値及びベンダ圧設定値の初期値での最終スタ
    ンドにおける、目標クラウンに対するクラウン偏差を求
    め、 該クラウン偏差と各圧延スタンドの形状条件とから、各
    圧延スタンドの板厚変更量を同時に求め、 各圧延スタンドの板厚変更量が、それぞれの圧延スタン
    ドのミル能力を満足するか判定し、 板厚変更量がミル能力を満足しない圧延スタンドがある
    場合には、まず圧延スタンドのベンダ圧の変更を行った
    後、前記板厚変更量を求め直すことを特徴とする圧延機
    の圧下スケジュール決定方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、各圧延スタンドの板厚
    変更量を求めるための前記形状条件が、第3スタンド以
    降の各圧延スタンドの形状条件であることを特徴とする
    圧延機の圧下スケジュール決定方法。
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