JP2538737Y2 - プリント基板の取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は電子機器におけるプリ
ント基板の取付構造に係り、特に入出力ジャック等を固
定したプリント基板をケース底面と平行に取付けるのに
好適なプリント基板の取付構造に関する。

【０００２】

【従来技術】従来は図３及び図４に示すようなプリント
基板の取付構造が提供されていた。

【０００３】図３は従来例のプリント基板の取付構造に
おける第１の例を示す分解斜視図、図４は同他の例を示
す分解斜視図である。

【０００４】図において、２はプリント基板、2aはプリ
ント基板の部品面、2bはプリント基板２の後部両側に設
けた２つの孔、2cはプリント基板の前部両側に設けた２
つの孔である。４はコネクタ部品の一種である入出力ジ
ャックであり、プラグ挿入部が取付部材から突出した状
態で取付けられている。

【０００５】11は電子機器のケースの一部である下ケー
ス、11aは下ケース11の底面、11bはプリント基板を取付け
るための底面11a の後部両側部に各１つ設けたボス、11c
は下ケース11の前部に曲げ加工により形成した立上り
部、11dは入出力ジャックを挿通する２つの孔、11eはネジ
を挿通する２つの孔である。

【０００６】12は入出力ジャック４が２つ固定された取
付金具であり、プリント基板２の前部端縁に面して取付
けられている。12aは立上り部11c の孔11e に対向しネジ
５を螺合する１対の孔である。

【０００７】13は下ケース11と略同形状の下ケース、13a
は下ケース13の底面、13bはプリント基板２を取付けるた
めプリント基板２の孔2b及び2cに対向して設けられた４
つのボス、13cは立上り部11c と同様に形成された立上り
部、13dは入出力ジャック４を挿通する２つの孔である。

【０００８】14は入出力ジャック４が２つ固定された取
付金具であり、プリント基板２の前部端縁に面して取付
けられている。

【０００９】以上のように構成されたプリント基板の取
付構造について、その組付けを説明する。

【００１０】図３に示す第１の例では、取付金具12が取
付けられたプリント基板２を、下ケース11に組付ける場
合、プリント基板２の入出力ジャック4,4 を立上り部11
c の孔11d,11d な嵌め込み、プリント基板２の孔2b,2b
部を、底面11a のボス11b,11b 上に載置させ、底面11a
から直角に曲げられた立上り部11c の孔11d,11d にネジ
５を挿通し、この孔11d、11d と対向して設けられた取付
金具12の孔12a,12a に取付ける。次にプリント基板２の
後部に設けた孔2b,2b にネジ５を挿通し、底面11a のボ
ス11b,11b に取付けていた。

【００１１】図４に示す他の例では、取付金具14が取付
けられたプリント基板２を、下ケース13に組付ける場
合、前記第１の例と同様にプリント基板２の入出力ジャ
ック4,4 を立上り部13c の孔13d,13d に嵌め込み、プリ
ント基板２の４隅に設けた孔2b,2b 及び孔2c,2c 部を下
ケース13の底面13a に設けた４つのボス13b,13b,…上に
載置し、 孔2b,2b 及び孔2c,2c にネジ５を挿通して、ボ
ス13a,13a,…に取付けていた。

【００１２】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のプリント基板の取付構造は、プリント基板を下ケース
に取付けるのに、先ず立上り部とプリント基板の取付金
具を横方向からネジで取付け、次にプリント基板の後部
を上方からネジでボスに取付けるので、ネジ締め作業が
二方向となり作業性が非常に悪かった。

【００１３】また、プリント基板のネジ止め用の孔と下
ケースのボスとの位置が出にくく、ある程度無理に合せ
て取付けるため、プリント基板に歪が生じ、パターン切
れや半田クラックを生じることがあった。

【００１４】また、図４に示す他の例では、ネジ締めは
一方向のため作業性は良いが、入出力ジャックにプラグ
を抜き差しする度に、取付金具が下ケースに固定されて
いないため、プリント基板にストレスが加わって歪を生
じ、パターン切れが発生していた。

【００１５】この考案は上記した点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは従来例の欠点を解消
し、作業性がよくプリント基板に歪を生じないプリント
基板の取付構造を提供するところにある。

【００１６】

【課題を解決するための手段】この考案のプリント基板
の取付構造は、コネクタ部品を取付部材の平面部から突
出させて固定し、前記平面部がプリント基板の端縁に面
するようにして取付部材をプリント基板に固定し、下ケ
ースの立上り部に設けた孔に前記コネクタ部品を挿通す
ると共に前記プリント基板を前記下ケースの底面に平行
に取付けるように構成した電子機器におけるプリント基
板の取付構造において、前記下ケースに設けた立上り部
の頂部に内側を向き前記底面と平行で且つ第１の孔を備
えた少なくとも１つの舌片を突設し、この舌片と嵌合す
る嵌合孔とこの舌片が内側に入り込むように第２の孔を
備え且つ前記プリント基板と平行な平板状の突出部とを
前記取付部材に設け、前記舌片と嵌合孔とを嵌合させ、
第２の孔に挿通したネジを第１の孔に螺合し、前記取付
金具を介してプリント基板を前記下ケースに取付けるよ
うに構成したものである。

【００１７】また、前記舌片の両側部は基底部が平行で
先端部が先細に形成されたものである。

【００１８】

【作用】この考案によれば、ケースの立上り部に設けた
少なくとも１つの舌片を、プリント基板の取付部材に設
けた嵌合孔に嵌め込むようにして、プリント基板をケー
スの底面と平行にすると、取付部材の平板状突出部に備
えた第２の孔と、この下側で舌片に備えた第１の孔とが
対向するので、上方からネジで締着できる。

【００１９】また、舌片の両側部は基底部が平行で、先
端部が先細に形成されているので、舌片が嵌合孔に嵌め
込まれるとき、先細部の斜面がガイドとなり、基底部の
平行部により横方向の位置決めが行われる。

【００２０】

【実施例】この考案に係るプリント基板の取付構造の実
施例を図１及び図２に基づき説明する。なお、従来例と
同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。

【００２１】図１は本考案を示す分解斜視図である。図
２(A) は舌片が嵌合孔に嵌合されつつある状態を示す平
面図、図２(B) は舌片が嵌合孔に嵌合された状態を示す
平面図である。

【００２２】図において、１は電子機器のケースの一部
である下ケース、1aは下ケース１の底面、1bはプリント
基板２を取付けるため底面1aの後部両側部に各１つ設け
たボス、1cは下ケース１の前部に曲げ加工により形成し
た立上り部、1dは入出力ジャック４を挿通する３つの孔
である。

【００２３】1eは立上り部1cの頂部に２つ設けられた舌
片であり、基底部1fの両側部1gは平行で、先端部は先細
のテーパ1h形状になっている。このテーパ1h部の中央に
はネジ５が螺合される第１の孔1iが設けられている。

【００２４】３は平面部3aに入出力ジャック４が３つ突
出して固定された部材で取付金具であり、プリント基板
２に対し入出力ジャック４は外方向を向け平面部3aは略
垂直に且つ端縁に面して取付けられている。

【００２５】3bは舌片1eを嵌合するように２つ設けられ
た嵌合孔である。3cは平面部3aの頂部に曲げ加工により
設けた平板状の突出部であり、３つの入出力ジャック４
を孔1dに、そして２つの舌片1eを嵌合孔3bに夫々嵌合
し、プリント基板２の２つの孔2b部を２つのボス1b上に
載置したとき、舌片1eはこの突出部3cの下部（内側）に
近接して位置し、舌片1eの第１の孔1iとこの突出部に設
けた２つの第２の孔3dとは対向する。

【００２６】以上のように構成されたプリント基板の取
付構造についてその組付けを説明する。

【００２７】プリント基板２に設けられた入出力ジャッ
ク4,4,…を下ケース１の孔1d,1d,…に、そして下ケース
に設けられた舌片1e,1e を取付金具３の嵌合孔3b,3b に
夫々嵌合する。このとき図２(A) に示すように、舌片1e
のテーパ1h部がガイドとなりスムーズに嵌合孔3bと嵌合
し、図２(B) に示すように所定位置まで嵌合すると基底
部1fの両側部1g,1g は嵌合孔3bの両側部により横方向の
位置規制がなされる。

【００２８】したがって、プリント基板２を所定位置ま
で押し込み、孔2b,2b 部を底面1a側に押圧すると、プリ
ント基板２の前後左右の位置は決まり、舌片1eに設けた
第１の孔1i,1i と突出部3cに設けた第２の孔3d,3d 及び
底面1aに設けたボズ1b,1b とプリント基板２に設けた孔
2b,2b とは夫々重なり合う。

【００２９】次に、ネジ５を第２の孔3d,3d 及び孔2b,2
b に順次挿通し、夫々第１の孔1i,1i 及びボス1b,1b に
螺合し取付ける。

【００３０】取付金具３は合成樹脂を用いて形成しても
よい。

【００３１】またプリント基板２に設けられた取付用の
２つの孔2bはネジ５の径より充分大きくすることより、
ボス1bとの位置合せは、更に容易になる。

【００３２】また、取付金具３はネジ５により舌片1eに
取付けているが、取付金具３の突出部3cと舌片1eの形状
を変えることにより、舌片1eを曲げやすくして、舌片1e
を曲げて取付金具３を係止するようにしてもよい。

【００３３】また、舌片1eに係止爪を設け、嵌合孔3bに
嵌め込むことにより、嵌合孔3bを有した取付金具３を係
止するようにしてもよい。

【００３４】

【考案の効果】この考案に係るプリント基板の取付構造
によれば、上述のように構成したので、プリント基板取
付け時のネジ締め作業が、総べて上からの一方向にな
り、作業性が非常によくなる。

【００３５】また、プリント基板を下ケースの所定位置
まで嵌め込むことにより、取付位置が合うので、取付け
時にも無理な力が加わらず、歪を生じない。

【００３６】更に、入出力ジャックにプラグを抜き差し
ても外力は舌片に吸収され、プリント基板にはストレス
が加わら無いため、歪を生じずパターン切れは発生しな
い。

【００３７】しかも、構造が簡単であるため実施も容易
であるなどの優れた特長を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案におけるプリント基板の取付構造を示す
分解斜視図である。

【図２】(A) 同構造において舌片が嵌合孔に嵌合されつ
つある状態を示す平面図である。(B) 同構造において舌
片が嵌合孔に嵌合された状態を示す平面図である。

【図３】従来例におけるプリント基板の取付構造の第１
の例を示す分解斜視図である。

【図４】同構造の他の例を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 下ケース 1a 底面 1b ボス 1c 立上り部 1d 孔 1e 舌片 1f 基底部 1g 側部 1h テーパ 1i 第１の孔 ２ プリント基板 2b 孔 ３ 取付金具 3a 平面部 3b 嵌合孔 3c 突出部 3d 第２の孔 ４ 入出力ジャック ５ ネジ

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コネクタ部品を取付部材の平面部から突
   出させて固定し、前記平面部がプリント基板の端縁に面
   するようにして取付部材をプリント基板に固定し、ケー
   スの立上り部に設けた孔に前記コネクタ部品を挿通する
   と共に前記プリント基板を前記ケースの底面に平行に取
   付けるように構成した電子機器におけるプリント基板の
   取付構造において、 前記ケースに設けた立上り部の頂部に内側を向き前記底
   面と平行で且つ第１の孔を備えた少なくとも１つの舌片
   を突設し、この舌片と嵌合する嵌合孔とこの舌片が内側
   に入り込むように第２の孔を備え且つ前記プリント基板
   と平行な平板状の突出部とを前記取付部材に設け、前記
   舌片と嵌合孔とを嵌合させ、第２の孔に挿通したネジを
   第１の孔に螺合し、前記取付部材を介してプリント基板
   を前記ケースに取付けるように構成したことを特徴とす
   るプリント基板の取付構造。
2. 【請求項２】 前記舌片の両側部は基底部が平行で先端
   部が先細に形成されていることを特徴とする請求項１記
   載のプリント基板の取付構造。