JPS6330149Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パネルに取り付けて使用する型の電
気コネクタに関するものである。

従来、パネルに取り付けて使用する型の電気コ
ネクタでは、パネル取付け部およびケーブル接続
用端子部が一体的であるため、例えば、電気回路
を有する機器に使用する場合には、その機器のパ
ネルにその電気コネクタを取り付けてしまつた状
態で、そのケーブル接続用端子部へケーブルの心
線をハンダ接続したり圧着接続したりしていかね
ばならなかつた。このように機器の外装組立作業
の現場にて端子への結線を行なうのでは、結線ミ
スを生じ易くまた一括結線等の結線治具を使用す
るのが難しく、結線作業の能率化を図る上で支障
があつた。また、ケーブルを接続してしまつた後
にその電気コネクタをパネルに取り付ける場合に
は、機器内部からの取り付けになるため、パネル
の厚さが限定されたり取付け作業がしにくくなる
等の不具合があつた。

本考案の目的は、上述したような従来のパネル
取付け型電気コネクタの欠点を解消し、機器の外
装組立作業および結線作業を能率化しうるパネル
取付け型電気コネクタを提供することである。

本考案によれば、パネル取付け型電気コネクタ
は、パネルに固定される枠体と、パネルに固定さ
れた後の枠体に対して装着されうる端子部とに分
割され、しかも枠体に対して端子部を差し込むだ
けで枠体に対して端子部を装着でき、しかも、相
手コネクタの誤嵌合操作によつても枠体から端子
部が抜け落ちたりしないようなものとされる。

パネル取付け型電気コネクタのこのような構成
によれば、枠体のみをパネルに取り付けておい
て、端子部をパネルとは無関係に別の場所に持つ
ていてそれへのケーブルまたはプリント基板の接
続をなして後、パネルに取り付けた前記枠体へそ
の端子部を装着することによつて、コネクタへの
結線作業を完了することができる。従つて、本考
案のパネル取付け型電気コネクタを用いるなら
ば、電気回路を有する機器の組立作業等におい
て、結線、外装組立作業を分離し、同一作業の集
中化を計り、最終段階で組上げる方式をとること
ができ、ミスの発生をなくし、段取り時間のロス
を少なくすることができ、組立結線作業を能率化
できる。また、端子部へのケーブルまたはプリン
ト基板の接続作業も、パネルとは無関係の別の場
所にて行なうことができるので、一括結線等の結
線治具を使用し易くなり、更に、作業の能率化を
計ることができる。更にまた、同じ枠体に対し
て、雄型の端子部および雌型の端子部のどちらで
も選択的に装着しうるような設計としておくこと
により、同じ枠体を使用して雄型コネクタとした
り雌型コネクタとしたりすることが簡単に行なえ
る。

次に、添付図面に基づいて本考案の実施例につ
いて本考案をより詳細に説明する。

第１図は、本考案の一実施例としてのパネル取
付け型電気コネクタの使用状態を、パネルおよび
コネクタを一部破断して示す斜視図である。本考
案のこのパネル取付け型電気コネクタは、機器の
パネル４０に取付け固定される枠体１０と、パネ
ルに取付け固定された後のこの枠体１０へ装着さ
れるケーブル接続用の端子部２０とからなつてい
る。参照番号３０は、パネル４０の表側からパネ
ル取付け型電気コネクタ１０および２０へ結合さ
れる対となる電気コネクタ、この場合には、雌型
電気コネクタの例を示している。枠体１０は、例
えば、プラスチツク等の絶縁材料で一体的に成形
されたもので、ケーブル接続用の端子部２０およ
び相手コネクタ３０の一部を受け入れる貫通開口
１１を有している。枠体１０は、パネル４０の表
側面に着座する前方部１０Ａと、パネル４０の取
付け開口４１を通してパネル４０の裏側へ延長す
る後方部１０Ｂとを備えている。前方部１０Ａの
両側には締付けナツト１３を有した固定用ネジ１
２が設けられている。パネル４０の取付け開口４
１の両側の対応する位置に、固定用ネジ１２を通
す孔４２が設けられている。従つて、枠体１０の
後方部１０Ｂをパネル４０の取付け開口４１へ通
し、固定用ネジ１２を孔４２へ通すようにして、
枠体１０をパネル４０の表側面へ着座させて、締
付けナツト１３を各固定用ネジ１２へねじ込んで
いくことにより、枠体１０はパネル４０に取付け
固定される。この状態を第１図は示している。枠
体１０の後方部１０Ｂの両側には、ケーブル接続
用の端子部２０の両側面に係合してこれを係止す
るための弾性舌片１４が形成されている。更に、
枠体１０の貫通開口１１の側壁には誤嵌合防止用
のキー１５が形成されている。第１図に示すよう
に、キー１５は、一方の側壁には２個設けられて
いるが、反対側の側壁には中央に１個だけ（図示
していない）が設けられている。

ケーブル接続用の端子部２０は、この場合に
は、雄型接続端子を配設したプラスチツク等の絶
縁材料で形成された端子配列ブロツク２１と、こ
の端子配列ブロツク２１と組み合つて間にフラツ
トケーブル５０の先端をはさみ込むようにして端
子配列ブロツク２１に配列された接続端子とフラ
ツトケーブル５０の心線とが接続されるようにす
るプラスチツク等の絶縁材料で形成されたプロテ
クタ２５と、これら端子配列ブロツク２１および
プロテクタ２５と組み合わさつてフラツトケーブ
ル５０をクランプするプラスチツク等の絶縁材料
で形成されたケーブルクランプ２８とからなつて
いる。端子配列ブロツク２１の両側には、ケーブ
ル接続用の端子部２０を枠体１０の貫通開口１１
へ挿入するとき、弾性舌片１４を外方へ弾性的に
偏倚させていつて挿入完了時に弾性舌片１４の先
端が弾性力により偏倚前の状態に戻ることで枠体
１０に対してケーブル接続用の端子部２０を係止
する係止突出部２２が形成されている。更に、端
子配列ブロツク２１の側壁には、枠体１０のキー
１５に対応する位置にキー溝２３が形成されてい
る。ケーブルクランプ２８の両端には、プロテク
タ２５および端子配列ブロツク２１の両側対応す
る位置に形成された組合せ孔２６へ挿入されて係
止を行なう係止脚２９が形成されている。

このように、ケーブル接続用の端子部２０は、
枠体１０から分離されているので、パネル４０と
は全く別の場所で、このケーブル接続用の端子部
２０へ、適当な結線治具を用いて、例えばフラツ
トケーブル５０を接続した後に、パネル４０に取
り付け固定された枠体１０に対して、キー１５と
キー溝２３とが整列するようにして、ケーブル接
続用の端子部２０を押し込む、すなわち差し込む
だけで、パネルに取付けた電気コネクタへのケー
ブルの結線を完了することができる。このフラツ
トケーブル５０の他端は、機器内の電気回路の所
定部へ結合されるものである。

このパネル４０に取り付けられフラツトケーブ
ル５０を結線された雄型電気コネクタに対して
は、例えば、ジヤケツト付フラツトケーブル６０
を接続した雌型電気コネクタ３０がパネル４０の
表側から結合される。この時、コネクタ３０に設
けられた誤嵌合防止用キー３１がパネル取付け型
電気コネクタのケーブル接続用の端子部２０のキ
ー溝２３と整列するようにして結合すべきであ
り、そうすることにより、雄端子と雌端子との正
しい接触が得られる。雌型電気コネクタ３０の両
側には、ロツクネジ３２が設けられている。パネ
ル取付け型電気コネクタ１０および２０に対する
電気コネクタ３０の結合完了後、これらのロツク
ネジ３２を、枠体１０に設けられた固定用ネジ１
２の頭部１２Ａの中心に設けられた雌ネジ１２Ｂ
へねじ込むことによつてこれらコネクタ同志の結
合をロツクすることができる。このロツク状態を
第２図に示している。

ここで、枠体１０に設けられた誤嵌合防止用キ
ー１５は、その本来の機能の外、電気コネクタ３
０を反対向きに挿入しようとしたときに、この電
気コネクタ３０の押入力を枠体１０とこれが取り
付けられたパネル４０とですべて受け止めて、ケ
ーブル接続用の端子部２０へは全くかゝらないよ
うにする作用も果すので、枠体１０からケーブル
接続用の端子部２０が抜け落ちるようなことを防
止するという効果も発揮する。

上述した実施例では、ケーブル接続用の端子部
２０が雄型のものとして説明したが、これは雌型
に置き換えることも容易である。また、フラツト
ケーブル用のコネクタとして説明したのである
が、他の型のケーブルにも本考案は容易に適用し
うるものである。また、パネルに取り付けた後の
枠体に対して、端子部を着脱自在として、枠体に
対して端子部を挿着した後でも枠体から端子部を
容易に取り外せるようにしておくこともできる。
更にまた、上述の実施例では、端子部をケーブル
接続用のものとして構成したが、この端子部は、
プリント基板を接続しうるものとしても構成する
ことができ、こうすることにより、プリント基板
とパネル間を接続するための両側にコネクタの付
いたケーブルを省略することができる。

【図面の簡単な説明】

添付図面の第１図は本考案の一実施例のパネル
取付け型電気コネクタをパネル、ケーブルおよび
相手側コネクタと共に示す一部破断部品配列斜視
図、第２図は第１図の電気コネクタの結合ロツク
状態を示す図である。 １０……枠体、１１……貫通開口、１２……固
定用ネジ、１４……弾性舌片、１５……誤嵌合防
止用キー、２０……ケーブル接続用端子部、２２
……係止突出部、２３……キー溝、３０……相手
側電気コネクタ、３１……誤嵌合防止用キー、３
２……ロツクネジ、４０……パネル、４１……取
付け開口、５０……フラツトケーブル、６０……
ジヤケツト付フラツトケーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パネル４０に取り付けて使用する型の電気コネ
   クタにおいて、パネル４０に固定される枠体１０
   と、パネル４０に固定された後の前記枠体１０に
   対して差し込むだけで装着されうる端子部２０と
   に分割されており、前記枠体１０には、前記端子
   部２０及び相手コネクタ３０の一部を受け入れる
   貫通開口１１が設けられており、前記枠体１０及
   び端子部２０の各対応する個所には、前記枠体１
   ０の前記貫通開口１１へ前記端子部２０を差し込
   んだとき互いに係合して前記枠体１０に対する前
   記端子部２０の装着状態を保持するための弾性係
   止部材１４，２２が設けられており、更に、前記
   枠体１０の前記貫通開口１１の側壁には、少なく
   とも１つの誤嵌合防止用キー１５が設けられてお
   り、前記端子部２０の外周には、前記誤嵌合防止
   用キー１５を受け入れうる誤嵌合防止用キー溝２
   ３が設けられており、前記誤嵌合防止用キー溝２
   ３には、前記誤嵌合防止用キー１５が整列し、し
   かも相手コネクタ３０の誤嵌合防止用キー３１が
   整列しうることを特徴とするパネル取付け型電気
   コネクタ。