JP2536181Y2 - 車両用シートにおけるサスペンション装置の組付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は自動車用シートの組付構
造、詳しくは、上下サスペンション機構と前後サスペン
ション機構とを有する車両用シートにおけるサスペンシ
ョン装置の組付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のトラックなどの自動車用シートの
サスペンション装置には、シートクッションを上部に載
置するアッパーフレームと、このアッパーフレームの下
方に上下サスペンション機構を介して連結するロアフレ
ームと、このロアフレームを前後サスペンション機構を
介して載置し車床側に固定する台座とからなり、前記前
後サスペンション機構は台座側に固定した断面コ字状の
ガイドレールと、前記ロアフレーム側に設けてガイドレ
ール内を前後方向に摺動自在に装着するローラと、ロア
フレームとガイドレール間に配設して前後方向の振動を
吸収する発条とからなるものがある。

【０００３】これは図４に示すように、枠状のアッパー
フレーム（１）とロアフレーム（２）との間に上下サス
ペンション機構（Ａ）を組付けた後、そのロアフレーム
（２）に前後サスペンション機構（Ｂ）を装着し、次に
図５に示すように、前後サスペンション機構（Ｂ）を装
着したアッパーフレーム（１）等をロアフレーム（２）
を上向きになるように裏返して前後サスペンション機構
（Ｂ）を構成する左右のガイドレール（４３）（４
３′）に、車床に固定する左、右側材（３１）（３
１′）と、この側材（３１）（３１′）間に架設した
前、後材（３２）（３２′）からなる台座（３）をボル
ト（５）で締結している。

【０００４】なお、前記上下サスペンション機構（Ａ）
は、アッパーフレーム（１）をロアフレーム（２）に対
して上下方向に移動可能に連結するＸ字状のリンク（１
１ａ）（１１ｂ）と、アッパーフレーム（１）を上方に
付勢するばね（１３）、油圧ダンパー（１２）などから
構成されている。

【０００５】また、前記前後サスペンション機構（Ｂ）
は、枠状のロアフレーム（２）を構成する左右側枠材
（２１）（２１′）の外側面に設けた前後一対のローラ
（４１）（４１′）と、このローラ（４１）（４１′）
が前後方向に移動可能に嵌合する断面コ字状のガイドレ
ール（４３）（４３′）と、前記前後のローラ（４１）
（４１′）間に配設した軸に巻装され、一端がロアフレ
ーム（２）側に係止し、他端がガイドレール（４３）
（４３′）内の係止片（４５）（４５′）に係止すると
前後一対のコイルばね（４２）（４２′）とから構成さ
れている。図中（４４）（４４′）はガイドレール（４
３）（４３′）の裏面側に設けた取付片部で、この取付
片部（４４）（４４′）に、前記台座（３）がボルト
（５）…によって締結される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】以上の従来品は、図５
に示すように、台座（３）は重量がある前後サスペンシ
ョン機構（Ｂ）付フレーム構造体を裏返した状態でなけ
れば、ボルト（５）…で組付けることができない。そし
て、台座（３）を取付けた後、再度、アッパーフレーム
（１）が上向きになるように再度裏返して、シートをア
ッパーフレーム（１）に固定する必要がある。そのた
め、サスペンション装置の組付性が頗る悪い不具合があ
った。そこで、本考案はサスペンション装置の組付性を
向上することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本考案の要旨とするところは、前記ガイドレールと
台座に、夫々上下方向に貫通する係止孔を開孔し、前記
ガイドレールと台座とを前記係止孔に挿通した締結ボル
トで一体に組付けてなるものである。

【０００８】

【作用】アッパーフレームに上下サスペンション機構を
介してロアフレームを連結し、そのロアフレームにガイ
ドレールを一体に締結ボルトで締結した後、そのガイド
レールに前後サスペンション機構のローラ、発条を装着
すると、サスペンション装置が組付けられる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の一実施例を第１図乃至第３図
に基づいて説明する。図中、第４図、第５図と同一符号
は同一部材を示し、その説明を省略する。図１は、アッ
パーフレーム（１）に上下サスペンション機構（Ａ）を
介してロアフレーム（２）を連結した状態を示し、その
ロアフレーム（２）には前後サスペンション機構（Ｂ）
のローラ（４１）（４１′）、発条（４２）（４２′）
等が設けてある。一方、台座（３）の左右上面には、前
後サスペンション機構（Ｂ）を構成するガイドレール
（５）（５）が締結ボルト（５）（５）…によって一体
に締結されている。このガイドレール（５）（５）は台
座（３）を構成する左右側材（３１）（３１′）に沿っ
て載置され、前、後材（３２）（３２′）に締結ボルト
（５）…によって固定される。

【００１０】この台座（３）に対するガイドレール
（５）（５）の取付けは、ガイドレール（５）（５）内
に、ロアフレーム（２）に設けたローラ（４１）（４
１′）、発条（４２）（４２′）等を装着して、前後サ
スペンション機構（Ｂ）を組付後、前述の如く、ガイド
レール（５）（５）を締結ボルト（５）…をガイドレー
ル（５）側より台座（３）に挿込んで、台座（３）側に
固定する。図中、（４６ａ）（４６ｂ）（４６ａ′）
（４６ｂ′）はガイドレール（５）（５′）の前後に設
けた締結ボルト（５）（５′）挿通用の係止孔である。

【００１１】図２はアッパーフレーム（１）、ロアフレ
ーム（２）、台座（３）を組付けた状態を示し、ガイド
レール（５）と台座（３）とは、ガイドレール（５）側
より挿し込んだ締結ボルト（５）（５′）によって一体
に連結されている。なお、前、後材（３２）（３２′）
には、締結ボルト（５）…締結用のナット付係止孔が、
ガイドレール（５）（５）の係止孔（４６）…に対応す
る位置に設けてある。

【００１２】図３は台座（３）に締結ボルト（５）
（５）によって締結する前の状態のガイドレール（４
３）を示す。このガイドレール（４３）は断面コ字状で
形成され、その上下部に、上下方向に貫通する係止孔
（４６ａ）（４６）（４６ｂ）が前後に設けてある。そ
して、このガイドレール（４３）の長手方向中央には前
記従来品と同様に前後サスペンション機構（Ｂ）を構成
する発条（４２）（４２）巻装用軸を挿通し、且つ発条
（４２）（４２）の一端側に設けた可動片（４７）（４
７′）が突き当たる係止片（４５）が設けてある。

【００１３】

【効果】本考案によれば、前後サスペンション機構を構
成するガイドレールと台座に上下方向に貫通する係止孔
が設けてあるため、ガイドレールの上方より締結ボルト
をガイドレールの係止孔から台座の係止孔に挿込み、台
座側に締結することにより、ガイドレールが台座に固定
される。従って、アッパーフレームに上下サスペンショ
ン機構を介して前後サスペンション機構のローラ等を有
するロアフレームを連結した後、そのロアフレームの前
後サスペンション機構を構成するローラ等をガイドレー
ルに装着し、このガイドレールに台座を当て上方から締
結ボルトでガイドレールを台座に固定することにより、
サスペンション装置が組付けられる。従って、前記従来
品の如く、サスペンション装置の組付時に、アッパーフ
レーム、ロアフレーム等を裏返して台座に固定する必要
がないため、組付の作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のサスペンション装置の組付ける前の状
態を示す斜視図である。

【図２】同組付後の状態を要部を切欠して示す正面図で
ある。

【図３】本考案に使用するガイドレールの斜視図であ
る。

【図４】従来品におけるサスペンション装置における前
後サスペンション機構の組付け状態を示す斜視図であ
る。

【図５】同前後サスペンション装置に対する台座の組付
け状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ アッパーフレーム ２ ロアフレーム ３ 台座 ５ 締結ボルト Ａ 上下サスペンション機構 Ｂ 前後サスペンション機構 ４３ ４３′ 前後サスペンション機構のガイドレ
ール ４６ａ ４６ｂ ４６ａ′ ４６ｂ′ ガイドレール
に設けた係止孔

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートクッションを上部に載置するアッ
   パーフレームと、このアッパーフレームの下方に上下サ
   スペンション機構を介して連結するロアフレームと、こ
   のロアフレームを前後サスペンション機構を介して載置
   し車床側に固定する台座とからなり、前記前後サスペン
   ション機構は台座側に固定した断面コ字状のガイドレー
   ルと、前記ロアフレーム側に設けてガイドレール内を前
   後方向に摺動自在に装着するローラと、ロアフレームと
   ガイドレール間に配設して前後方向の振動を吸収する発
   条とからなる車両用シートのサスペンション装置におい
   て、前記ガイドレールと台座に、夫々上下方向に貫通す
   る係止孔を開孔し、前記ガイドレールと台座とを前記係
   止孔に挿通した締結ボルトで一体に組付けてなる車両用
   シートのサスペンション装置の組付構造。