JP2534877B2 - ポンプとノズルから成る空気圧縮式内燃機関用の磁気弁制御式噴射装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ポンプとノズルから成る空気圧縮式内燃機
関用の磁気弁制御式噴射装置に関する。

従来の技術 従来のこういつた種類の磁気弁制御式噴射装置につい
ては、英国特許21 31 873Aに示してある。この場合に、
ひとつの構成単位に統合されたポンプとノズル−普通一
般にポンプ・ノズルと呼ばれている−、および磁気弁
は、アフターサービスをしやすくするものではない。な
ぜならば、ノズル交換またはポンプ交換の時に構成単位
全体を分解しなければならないからだ。さらに、カムが
作動している時の分解はもつと困難である。ポンプはノ
ズルの上に固定されている。力学的および水力学的に高
い荷重が生じる。

発明が解決しようとする問題点 本発明の課題は、前述のようなポンプとノズルから成
る磁気弁制御式噴射装置の場合の欠点を取り除き、さら
に、ポンプ、ノズル、磁気弁による特殊装置によつてコ
ンパクトで簡単でアフターサービスがしやすく、耐久性
のあるスムーズな作動を保証してくれる構造を実現する
ことである。

問題点を解決するための手段 前述の課題を解決するために、特許請求の範囲第１項
の説明個所に示されている特徴が用いられる。

本発明の方法によつて、噴射装置に手が入れやすくな
る。ポンプとノズルを構造的に離すことによつて、構造
が簡略になり、ノズルと磁気弁による構成単位あるいは
ポンプと磁気弁による構成単位を単独で簡単に素早く取
り付けたり、取り外したりできるようになる。さらに、
ノズルまたはポンプとは別個に磁気弁を取り付けたり取
り外したりすることができるようになる。また、磁気弁
の特殊な位置によつて、つまりエンジンオイル室の外に
配置することによつて、磁気弁のさらされる熱荷重はず
つと少なくなる。電気接続のための複雑な密閉構造は必
要ない。

ポンプとノズルから成る力学的制御による噴射装置
（ギユンター・エルスベツト、「直接噴射式デイーゼル
エンジンのための総合燃料噴射装置」、第14回フイジタ
国際会議、1982年11月８〜12日、文書82019）はすでに
知られており、この場合、ポンプはノズルから離れた位
置にあるが、力学的な給送開始および量の制御は複雑で
あり、そのために、コントロールロツドをシリンダヘツ
ドの長さ全体にわたらせなければならない。ポンプ用ピ
ストンの往復運動は、給送開始制御の目的でポンプタペ
ツトの長さを変えるためにねじ付挿入口に回転可能な具
合いに配置された中間部品によつて伝達される。調節の
原理は複雑であり、ポンプの駆動装置はカム軸を取り外
した後でしか分解できない。

その他の有利で役立つ実施態様について、従属項に示
してある。

燃料給送装置の高圧側がシリンダヘツドの外側にある
ために、燃料が入り込むことによつてエンジンオイルが
希薄になることはない。圧力波緩衝器として機能する低
圧側の圧力室もシリンダヘツドにあるのではなく、シリ
ンダヘツドの外側のポンプケースにあり、その結果、燃
料温度は比較的低い。低圧室を直接磁気弁に配置するこ
とによつて、磁気弁を開ける時に起こる圧力変動を回避
することができる。

実 施 例 本発明について、図に示された一実施例をもとにして
詳しく説明する。

予燃室のある内燃機関用の噴射装置（１）は、主に、
エツジコントロールのないポンプ用ピストン（３）付き
のポンプ（２）と、ポンプから横側に離れたところに位
置するノズル（４）と、内燃機関の作動パラメータに応
じて作動する磁気弁（５）から成る。

ポンプの軸“a"がノズルの軸“b"に対してほぼ垂直に
なり、磁気弁の軸“c"がポンプの軸“a"に対してほぼ垂
直になるように（第２図）、ポンプ（２）をノズル
（４）に対して配置する（第１図）。

ポンプ（２）は、ポンプの上に位置する磁気弁（５）
とともに一つの構造単位を構成し、差し込み式構造単位
として形成されている。磁気弁（５）は、構造上の理由
から、ノズル（４）と一つの構造単位を形成してもよ
い。ポンプ（２）の駆動装置として用いられているの
は、内燃機関のシリンダヘツド（６）の中に配置されて
いて、ガス交換弁（図には示されていない）を制御する
カム軸（７）で、このカム軸（７）は、ローラ・タペツ
ト（８）を経てタペツト・スプリング（９）に向かつて
ポンプ用ピストン（３）を直接作動させる。

ポンプ（２）は、カム軸（７）の方を向いた前方のポ
ンプケース部では差し込みスリーブ管（10）となつてお
り、差し込みスリーブ管はシリンダヘツド（６）の中の
取り付け孔（11）に密閉状態で填め込まれている。実際
の支持および固定は、構造単位をシリンダヘツド（６）
の横側（固定面ｄ）にフランジ接合することによつて行
われる。第１図では、差し込みスリーブ管（10）の右に
位置するケース部（12）が、シリンダヘツド（６）とシ
リンダヘツドケース（13）とに囲まれた個所の隣に位置
することとなる。

ローラ・タペツト（８）は、差し込みスリーブ管（1
0）の中で縦方向に移動できるように配置されており、
スリーブ管（10）の中心線上に位置するポンプ用ピスト
ンのスプリング側の末端と直接接続している。ポンプ用
ピストンの反対側の末端は、ポンプ作動部（14）を制限
しており、燃料流入側で圧力室と接続している制御孔
（16）がこのポンプ作動部に達している。圧力室（15）
は、圧力波緩衝器として用いられている。

圧力管（17）は、ポンプ作動部（14）から磁気弁
（５）まで至つており、磁気弁は、ここには示されてい
ない燃料タンクと還流部（19）によつて接続している低
圧室（18）との接続を制御している。その他に、圧力管
（20）がポンプ作動部（14）からノズル（４）まで達し
ている。圧力管（20）は２つの部分（20a,20b）に分か
れ、そのうち、導管状部分（20a）は後方のポンプケー
ス部の中央にあり、カバー（22）の中に入つていてカー
ブした導管状部分（20b）がこれに接続している。圧力
管部分（20b）には、ポンプ（２）をノズル（４）と結
びつけている比較的短い剥き出しの噴射管（20c）（第
２図）が接続している。ノズル（４）は、シリンダヘツ
ド（６）にねじつて入れてあり、予燃室（24）に突き出
ている。

低圧室（15）は、環状空間として形成されており、圧
力管部分（20a）と中心が同じになつており、供給管（2
6）によつて給送側の低圧供給部（25）と接続してい
る。この供給管（26）から制御孔（16）が分岐してい
る。

ローラ・タペツト（８）を回転から防ぐために、ピン
（27）とタペツト・スロツト（28）から成る回転防止ロ
ツクがポンプケースに配置されている。

場合によつては、シリンダヘツド（６）の外側の剥き
出しの磁気弁（５）、およびノズル（４）とポンプ
（２）の部分を、騒音低下のために簡単に取り外しでき
るカバーフード（32）で覆うことができる（第１図にの
み示してある）。

第３図では、場所上の理由から給送ポンプ（図には示
されていない）の長さを変える必要がある場合、燃料供
給が反対方向で行われる。そうすることによつて、第１
図の還流部（19）が給送部になり、給送側の低圧供給部
（25）が還流部となる。カバー側の圧力室（15）は、接
続管（29）によつて低圧室（18）とのみ接続する。その
他、管の配置に変化はない。

第４図では、駆動エレメントとして用いられているの
は、ローラ・タペツト（８）ではなく、カム軸（７）と
直接一緒に作用するローラ・ロツカアーム（30）とタペ
ツト（31）である。タペツト（31）は、作用方向でロー
ラ・ロツカアーム（30）に固定されている。このような
構造の場合、回転防止ロツク（27,28）はない。

噴射装置の作動方法は以下の通りである。燃料が絶え
ず給送ポンプから供給され、制御孔（16）が開いている
時にポンプ作動部に入り、圧力管（20）と噴射管（20
c）を経てノズル（４）に達し、圧力管（17）と開いた
磁気弁（５）を経て低圧室（18）に達し、最後には還流
部（19）に至る。ポンプ用ピストン（３）が制御孔（1
6）を遮断し、続いて電子制御式磁気弁（５）が燃料の
流れを遮断するとすぐに、給送開始となる。給送終了
は、磁気弁（５）が開くことによる。

【図面の簡単な説明】

第１図は部分的に断面で示されており、ポンプ用ピスト
ンのための駆動エレメントとしてローラ・タペツトを装
備したポンプとノズルから成る噴射装置を示した図。 第２図は噴射装置を横から見た図。 第３図は駆動エレメントとしてローラ・ロツカアームを
用いた噴射装置を示した図。 第４図は第１図と比べて低圧側の給送装置が異なる噴射
装置を示した図。 １……噴射装置、２……ポンプ、 ３……ポンプ用ピストン、４……ノズル、 ５……磁気弁、６……シリンダヘツド、 ７……カム軸、 ８……駆動エレメント（ローラ・タペツト）、 ９……タペツト・スプリング、 10……差し込みスリーブ管、 11……取り付け孔、12……ケース部、 13……シリンダヘツドカバー、 14……ポンプ作動部、15……圧力室、 16……制御孔、17……圧力管、 18……低圧室、19……還流部、 20……圧力管、20a,20b……圧力管の部分、 22……カバー、 20c……噴射管、24……予燃室、 25……低圧供給部、26……供給管、 27……ピン、28……タペツト・スロツト、 29……接続管、30……ローラ・ロツカアーム、 31……タペツト、32……カバーフード

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランク トーマ ドイツ連邦共和国7000 シユツツトガル ト １、エーレンハルデ 35番 (72)発明者 カールハインツ ホフマン ドイツ連邦共和国7000 シユツツトガル ト １、ゾンマーハルデンシユトラーセ ３番 (56)参考文献 特開 昭58−204962（ＪＰ，Ａ)

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダヘッド装着されカム軸により駆動
   されるポンプと、シリンダヘッドに装着され燃料を噴射
   するノズルと、内燃機関の作動パラメータに応じて給送
   開始及び給送終了を制御する磁気弁とを具えた空気圧縮
   式内燃機関用の磁気弁制御式噴射装置において、 磁気弁（５）がポンプ（２）またはノズル（４）ととも
   に一つの構造単位を形成し、ポンプ（２）とノズル
   （４）はそれぞれ別個に取り外せるように離れてシリン
   ダヘッド（６）に外側から固定され、且つ比較的短い剥
   き出しの圧力管（20c）により接続され、カム軸（７）
   と反対側のポンプ（２）のケース部及び磁気弁（５）が
   シリンダヘッド（６）とシリンダヘッドカバー（13）と
   に囲まれた空間の外側にあることを特徴とするポンプと
   ノズルからなる空気圧縮式内燃機関用の磁気弁制御式噴
   射装置。
2. 【請求項２】ポンプ（２）が、ノズル（４）の横側に、
   ノズル（４）の長さによって決まる高さの範囲内に配置
   されていることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記
   載の噴射装置。
3. 【請求項３】カム軸（７）とポンプ用ピストン（３）の
   間のポンプ（２）の駆動エレメント（８）が、縦方向に
   移動可能なローラ・タペットとして形成されていること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項のいず
   れかに記載の噴射装置。
4. 【請求項４】ポンプ（２）の駆動エレメント（８）が、
   ローラ・ロッカアーム（30）と、ポンプ用ピストン
   （３）に作用する縦方向に移動可能なタペット（31）と
   から構成されることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   または第２項のいずれかに記載の噴射装置。
5. 【請求項５】ポンプ（２）と磁気弁（５）とから成る構
   造単位が、差し込み式に形成されており、シリンダヘッ
   ド（６）の取り付け孔（11）に差し込み固定されること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項〜第４項までのいず
   れかに記載の噴射装置。
6. 【請求項６】カム軸（７）と反対側のポンプ（２）のケ
   ース部が、低圧側圧力室（15）の隔壁として用いられて
   いるカバー（22）によって密閉されていることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項〜第５項のいずれかに記載の
   噴射装置。
7. 【請求項７】ノズル（４）および磁気弁（５）に至る圧
   力管（17、20）、および制御孔（16）が、圧力給送装置
   の一部であり、圧力室（15）の中間切り換え装置によっ
   て一方では燃料給送、他方では燃料帰還を行うことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項〜第６項のいずれかに記
   載の噴射装置。
8. 【請求項８】低圧室（18）が、磁気弁（５）に至る圧力
   管（17）と接続して設置され、低圧室（18）と圧力管
   （17）との間の接続が磁気弁（５）によって中断可能で
   あることを特徴とする特許請求の範囲第１項〜第７項の
   いずれかに記載の噴射装置。