JP2534688B2 - 調理器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） この発明は、調理器たとえば電子レンジに関する。

（従来の技術） 調理器たとえば電子レンジにあっては、予め設定され
た調理プログラムに基づいて自動調理を行なうものがあ
る。

ただし、調理プログラムは平均的な使用状況を考慮し
てメーカが定めるものであり、必ずしも使用者の満足を
得られるとは言切れないのが実情である。すなわち、食
生活においては我家の味と云われるように好みやスタイ
ルがあるのが当然であり、それを固定の調理プログラム
で満足させようとしても無理である。

これに対処し、調理プログラムに対する修正機能を備
えたものがあるが、その修正は小巾でしかも一時的なも
のであり、不十分であった。

（発明が解決しようとする問題点） この発明は上記のような事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、使用者の食生活に合った
良好な出来具合の調理を可能とする調理器を提供するこ
とにある。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 調理の出来具合に対する満足度を入力するための満足
キー及び不満キーからなる評価キーと、調理の出来具合
が不満足であるときに調理の出来具合に対する要望を入
力するための強めキー及び弱めキーからなる要望キー
と、前記評価キー及び要望キーが操作された場合にその
自動調理に関して過去に評価キーは操作された全回数に
対する不満キーが操作された割合とそのとき操作された
要望キーの種類とに応じて前記調理プログラムを補正す
る補正手段とを設ける。

（作用） 使用者は、自動調理が行われたのち、その出来具合が
満足であれば評価キーの満足キーを操作する。一方、調
理の出来具合が不満足であれば、評価キーの不満キーを
操作すると共に、要望キーのいずれかを操作して要望を
入力する。すると、補正手段は、要望に合う方向に調理
プログラムを補正する。従って、次回の自動調理におい
ては、使用者の要望に沿って補正された調理プログラム
で調理が行われるようになる。この場合、補正手段は、
過去に評価キーが操作された全回数に対する不満キーが
操作された割合に応じて調理プログラムの補正を行うの
で、使用者が同じ不満キーを操作した場合でも、評価キ
ーが操作された履歴を考慮した補正が行われるようにな
り、簡単な入力操作で使用者の好みに合うものへと改良
されていく。

（実施例） 以下、この発明の一実施例について図面を参照して説
明する。

第１図において、１は加熱室で、この加熱室１内には
食品載置用の棚板２が設けられる。加熱室１の側壁外周
には高周波発生装置であるところのマグネトロン３が設
けられ、そのマグネトロン３のアンテナ3aは加熱室１内
に導入される。そして、マグネトロン３は高圧トランス
４およびリレー接点12aを介して商用交流電源５に接続
される。

一方、10はマイクロコンピュータおよびその周辺回路
からなる制御部で、電子レンジ全般にわたる制御を行な
うものである。この制御部10には操作表示部11およびリ
レー12が接続される。また、この制御部10は、後述のよ
うに調理プログラムを補正する補正手段として機能す
る。

操作表示部11は、電子レンジ本体の前面に設けられる
もので、第２図に示すように、表示部21、多数の調理モ
ード設定キー22、評価キーであるところの満足キー23,
不満足キー24、要望キーであるところの“更に強めキ
ー"25,“更に弱めキー"26、スタートキー27を備えてい
る。

つぎに、上記のような構成において第３図のフローチ
ャートを参照しながら作用を説明する。

操作表示部11の調理モード設定キー22で所望の調理モ
ード（調理メニュー）を設定し、かつスタートキー27を
押圧する。すると、制御部10は、設定された調理モード
に対応する調理プログラムをモメリから読出し、それに
基づいて調理を実行する。すなわち、調理プログラムの
設定加熱出力Ｐに応じたオン，オフデューティでリレー
12を動作させ、マグネトロン３を発振動作させる。マグ
ネトロン３が発振動作すると、加熱室１内に高周波電波
が供給され、棚板２上の食品に対する誘電加熱調理が開
始される。

しかして、調理時、制御部10は時間カウントを行な
い、そのカウント値が調理プログラムの設定調理時間に
達すると、そこでリレー12の動作を停止し、マグネトロ
ン３の発振動作を停止する。つまり、誘電加熱調理の終
了となる。

この調理終了時、使用者は加熱室１から食品を取出
し、調理の出来具合を見ることになる。しかして、使用
者は、調理の出来具合が満足であれば満足キー23を押圧
する。満足キー23が押圧されると、制御部10は今まで行
なわれた調理モードに対する満足回数Ａを“1"だけカウ
ントアップする。

また、使用者は、調理の出来具合が不満足である場
合、不満キー24を押圧するとともに、出来具合に対する
要望として、“更に強めキー"25または“更に弱めキー"
26を適宜に押圧する。不満キー24が押圧されると、制御
部10は今まで行なわれた調理モードに対する不満足回数
Ｂを“1"だけカウントアップするとともに、今まで行な
われた調理モードに対応する出力レベル変換係数Ｌを用
い、下式の演算を行なう。

なお、この場合、“更に強めキー"25が押圧されれば
出力レベル変換係数Ｌを正の係数とする。“更に弱めキ
ー"26が押圧されれば出力レベル変換係数Ｌを負の係数
とする。“更に強めキー"25および“更に弱めキー"26の
どちらも押圧されなければ（不満キー24の押圧から所定
時間内にキー25,26が押圧されなければ）、出力レベル
変換係数Ｌを“0"とする。

すなわち、実行した調理プログラムの設定加熱出力Ｐ
に対し、不満回数Ｂの率と出力レベル変換係数Ｌに応じ
た補正値を加え、新たな設定加熱出力Ｐを決定するもの
である。しかして、制御部10は、演算値に基づき、メモ
リ内の調理プログラムの設定加熱出力Ｐの更新を行な
う。

したがって、たとえば、不満キー24が押圧され、かつ
“更に強めキー"25が押圧されると、設定加熱出力Ｐが
増大方向に更新され、以後の調理における加熱出力が増
大する。なお、この場合、過去に評価キーが操作された
全体の回数（Ａ＋Ｂ）に対する不満回数Ｂが大きいほ
ど、設定加熱出力Ｐの更新幅が大となる。

不満キー24が押圧され、かつ“更に弱めキー"25が押
圧された場合には、設定加熱出力Ｐが減少方向に更新さ
れ、以後の調理における加熱出力が低下する。なお、こ
の場合、過去に評価キーが操作された全体の回数（Ａ＋
Ｂ）に対する不満回数Ｂが大きいほど、設定加熱出力Ｐ
の更新幅が大となる。

不満キー24の押圧後、“更に強めキー"25および“更
に弱めキー"26のどちらも押圧されない場合には、出力
レベル変換係数Ｌが“0"なので、実質的な更新はなされ
ない。ところで、上記のように、過去に評価キーが操作
された全回数（Ａ＋Ｂ）に対する不満キー24が操作され
た回数Ｂの割合｛B/（Ａ＋Ｂ）｝に出力レベル変換係数
Ｌを乗じた値を、加熱出力Ｐの補正値としているので、
使用者が同じ不満キー24を操作した場合でも、評価キー
が操作された過去の履歴を考慮した補正がなされること
になり、より適切な補正が行われるのである。

このように、調理の出来具合に対する使用者の満足度
を入力できるようにし、その入力される満足度に応じて
調理プログラムを更新するようにしたので、調理プログ
ラムは使用者の食生活に合うものへと改良されていき、
使用者の好みに合った良好な出来具合の調理が可能とな
る。

なお、上記実施例では、調理プログラムの設定加熱出
力を更新するようにしたが、設定調理時間や設定加熱温
度に対する更新を行なうようにしてもよい。その他、こ
の発明は上記実施例に限定されるものではなく、要旨を
変えない範囲で種々変形実施可能である。

［発明の効果］ 以上述べたようにこの発明によれば、調理の出来具合
に対する満足度を入力するための手段と、この入力内容
に応じて調理プログラムを更新する手段とを設けたの
で、使用者の食生活に合った良好な出来具合の調理を可
能とする調理器を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の概略的な構成を示す図、
第２図は同実施例における操作表示部の構成を示す図、
第３図は同実施例の作用を説明するためのフローチャー
トである。 ３…マグネトロン、10…制御部、11…操作表示部、22…
調理モード設定キー、23…満足キー（評価キー）、24…
不満キー（評価キー）、25…更に強めキー（要望キ
ー）、26…更に弱めキー（要望キー）。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】調理メニューに対応した調理プログラムに
   基づいて自動調理を行なう調理器において、前記自動調
   理に係る調理の出来具合に対する満足度を入力するため
   の満足キー及び不満キーからなる評価キーと、調理の出
   来具合が不満足であるときに調理の出来具合に対する要
   望を入力するための強めキー及び弱めキーからなる要望
   キーと、前記評価キー及び要望キーが操作された場合に
   その自動調理に関して過去に評価キーが操作された全回
   数に対する不満キーが操作された割合とそのとき操作さ
   れた要望キーの種類とに応じて前記調理プログラムを補
   正する補正手段とを具備したことを特徴とする調理器。