JP2532707B2 - 血液回路及びこれを用いた血液測定装置及び血液測定方法 - Google Patents

血液回路及びこれを用いた血液測定装置及び血液測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は血液回路、並びにこれを用いた血液測定装置
および測定方法に関するものである。
(従来の技術) 血液中の有形成分である赤血球、白血球、血小板の機
能を測定、評価することは、健康管理、疾患の診断と治
療に極めて重要である。そこで、従来、赤血球変形能を
測定する目的でニュークリポア[Nuclepore]フィルタ
ー、ニッケルメッシュフィルター等の微小な孔を持った
膜に対する血液の通過能が調べられてきた。また、血小
板凝集能の測定には凝集に伴う血小板浮遊液の濁度の変
化を測定する方法が行なわれてきた。また、白血球活性
度の測定には、白血球活性のいくつかの側面に対応し
て、ボイデン[Boyden]チャンバー法、粒子貧食試験、
化学発光測定法等が行なわれてきた。この白血球活性度
は感染症、免疫療法、免疫抑制療法等において特に重要
である。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記測定法はいずれも効率の悪さ、再
現性の低さ、定量性の低さ等の問題を持っており、重要
度に相応しい有効な測定法とは成り得ていない。また、
従来の血小板凝集能測定法は試料調整に手間がかかり、
感度も十分なものでない。更に、赤血球変形能測定の上
記従来技術は、孔あるいは溝が計測中に血液試料中の有
形成分により閉塞されてしまうことで、信頼性を欠くも
のであった。
一方、本発明者らは、先にシリコン基板上に加工した
微細な溝から構成される新型血液フィルターを開発し、
かつ、それを用いた赤血球変形能測定装置を開発するこ
とにより、孔の径、形状が不均一である、孔に入る際の
赤血球の向きが一様でない、変形過程を観察できない、
指標の意味が明瞭でない等の従来の赤血球変形能測定法
の諸問題を大幅に解決した(特願昭63−283687号)。
更に、本発明者らが発明したこの血液フィルターを用
いた装置では、個々の赤血球の溝通過速度を直接計測
し、指標としているため、結果自身が目詰まりの影響を
受けることはない。しかしながら、依然として目詰まり
そのものを防ぐことはできていない。そのため、フィル
ターの使用回数が制限され、装置実用化の上で大きな障
害となっている。
また、従来、他種の血球の干渉を防ぐ目的で、血液試
料から単一種類の血球分画だけを分離して測定すること
が行なわれてきたが、斯様な方法は多大な手間を要する
だけでなく、その間の血球の変性あるいは分離処置によ
る変性を防ぐことができず、そのため、結果の生理学的
あるいは診断学的価値を低下せしめるものであった。
また、静水圧差による血球の受動的な運動と生理活性
物質刺激による血球の能動的運動を完全に分離して測定
すること、更に、血球に対する機械的ストレスの影響は
研究及び診断上重要であると考えられるが、現在この種
の問題を定量的に研究し得る方法はない。上記の本発明
者らが発明した装置では、フィルターを多段にすること
により、このような研究を可能にしているが、個々の血
球細胞に対する機械的ストレスの影響を追跡測定すると
ころまではできていない。
また、これまで、流路がネットワークを構成した際の
各血球の流れの状況を測定、研究する有効な手段がなか
った。
したがって、本発明は次に列拳する課題を解決する新
規な血液回路、並びにこれを用いた血液測定装置および
測定方法を提供することを目的とするものである。
1)白血球活性度を有効に定量化し測定すること。
2)血小板凝集能の測定を従来技術に比べてより簡便か
つ高感度に行なうこと。
3)赤血球変形能の測定に際しては、血液試料中の有形
成分による孔あるいは溝の閉塞を防ぎ、それにより測定
の信頼性を高めること。
4)血液試料から各血球分画を分離しない状態でも、赤
血球変形能、白血球活性度、血小板凝集能の計測を可能
ならしめること。
5)上記4の測定にあたり他種の血球の干渉を最小にす
ること。
6)生理活性物質のみの作用による特定の血球細胞の遊
走も測定し得ること。
7)機械的ストレスによる各血球細胞の上記機能特性の
変化を追跡測定すること。
8)流路網において各血球細胞の流れの分布を測定する
こと。
(課題を解決するための手段) かかる目的を達成するため、本発明は血液試料の全て
が微細な溝を通過する従来の方式に代えて、大きな流路
に対し略直交方向に微細な溝を形成することで、血液試
料の一部のみを大きな流路から微細な溝に導く方式を採
用し、併せて半導体微細加工技術を応用することにより
基板上に赤血球、白血球ないし血小板の形状にそれぞれ
適合した種々の形状、大きさの微細な溝を高精度に作成
したものである。血液試料の一部のみでもそこに含まれ
る血球細胞の数は極めて多数であり、十分の個数の血球
について測定することのできるものである。
尚、このように血液試料を大きな流路から微細な溝に
導くには該溝の入口側と出口側、即ち血液試料を流す大
きな流路となる部位と、この流路と平行しかつ前記溝に
よってこの流路と連通される別の流路(この別の流路に
は通常生理食塩水等の生理的に不活性流体が流され
る。)となる部位との間に静水圧差あるいは生理活性物
質の濃度差を生じさせればよい。
また、更に本発明においては上記溝内に狭隘部を多段
に設けることも示される。
(作用) 白血球の活性は、遊走、食作用、生理活性物質の分泌
等の諸反応を総合したものであり、しかも、いずれの反
応にも細胞内の収縮蛋白質の収縮、運動が関与してい
る。一方白血球の溝閉塞を含めた能動的あるいは受動的
溝通過能は細胞内の収縮蛋白質の収縮、運動状態によっ
て著しく変化する。従って、白血球の能動的あるいは受
動的溝通過能あるいは溝閉塞は白血球の活性度の適切な
指標となる。血小板の凝集も同様に細胞内の収縮蛋白質
の収縮、運動が大本の反応であり、従って、血小板の溝
通過能あるいは血小板凝集塊による溝閉塞がここでも良
い指標となる。また、白血球、血小板に対しては、一定
量の生理活性物質で刺激した後の溝閉塞を含めた溝通過
能の変化量を指標とすることもできる。
血液試料を大きな流路に対し略直交方向に設けられた
微細な溝流路に流す本方式では、試料の大部分を大きな
流路に沿って流し、該血液試料のごく一部のみを微細な
溝に導くことが可能である。そのため、例えば赤血球の
合せた形状の入口を有する微細な溝の場合、白血球ある
いは赤血球より大きい有形成分例えば血球の凝集塊が入
口近傍にきても該溝内に入ることはできず、血液試料の
主流に押し流されて溝入口から遠ざかって行くことにな
る。このようにして白血球あるいは赤血球より大きい有
形成分が該溝を閉塞することが防がれる。その際、赤血
球に比べて小さい血小板の流入は防ぎ得ないが、血小板
が赤血球の通過を障害することはない。同様に、白血球
に合せた形状の入口を有する溝の場合、赤血球、血小板
は自由に通過するが、白血球の通過に影響を及ぼすこと
はない。また、螢光物質で各血球細胞若しくは液体成分
のいずれかを螢光発色させることにより、種類の異なる
血球間及び血球と周囲の液体間の識別が極めて容易にな
る。このように血液試料の流し方、溝入口の形状、測定
方式を工夫することにより、径のより大きい血球あるい
は有形成分の流入を防ぎながら、測定対象血球細胞によ
る溝閉塞を含めた溝通過能を選択的に測定することが可
能になる。また、赤血球、白血球、血小板にそれぞれ適
合した3種類の溝回路網および測定方式を並列配置し、
それぞれに血液試料を上記の方式で流すことにより、該
血液試料中の赤血球、白血球、血小板に対して同時にか
つ迅速に測定することも可能となる。
上記の血液試料の流し方は、他方で生理活性物質の濃
度差のみによる特定の血球細胞の遊走を測定することを
可能にしている。即ち、溝入口側と出口側の間に静水圧
差に代えて生理活性物質の濃度差を設けることにより、
その生理活性物質の濃度差を認識できる血球細胞のみが
溝内に遊走してくる。その個数、通過時間を測定すれば
上記目的を達成し得ることになる。
また、狭隘部を同一の溝内に多段に設けることによっ
て、そこを通過して行く血球の追跡が可能になるだけで
なく、その通過過程で生じる変化をも同時に追跡して行
くことができる。
異なる溝回路網の間の血液各有形成分の配分の仕方、
同一回路網内での血液各有形成分の分布状況は従来なか
った新しい指標となる。
血液回路を流れる血液若しくはその成分は出口端で回
収され、必要に応じて元に戻される、あるいは、別の測
定系に運ばれる。
(実施例) 以下、本発明構成を図面に示す実施例に基づいて詳細
に説明する。第1図に本発明の血液測定装置の構成を概
略的に示す。本装置は、血球を通過せしめる3種類の血
液回路1,2,3と、各回路1,2,3の溝を通過する血球の大き
さと通過速度を測定する測定装置26,27,28及びそれら測
定値を信号処理しその度数分布を表示する装置39,40
と、血液試料を各回路1,2,3に供給する給液路31と、給
液路31へ血液試料を注入する装置4と、送液ポンプ5,6
と、給液路31,32内の液圧を測定する圧力測定装置13,1
4,15,16,17,18と、流路抵抗可変装置19,20,21,22,23,24
と、上述の送液ポンプ5,6や圧力測定装置13,…,18、流
路抵抗可変装置19,…,24を制御する制御部25と、血液回
路通過後の血液を回収する回収タンク33,34,35,36,37,3
8、各流路31の途中にあって螢光物質あるいは生理活性
物質を添加混合する装置7,8,9,10,11,12から主に構成さ
れており、赤血球変形能測定、白血球活性度測定及び血
小板凝集能測定を同時に実施できる。尚、本実施例で
は、赤血球変形能測定用、白血球活性度測定用及び血小
板凝集能測定用の3種類の血液回路1,2,3を別個に形成
しているものを使用しているが、これに特に限定される
ものではなく、場合によっては1つの基板に上述の3種
類あるいはその他の測定用の血液回路を形成したものを
使用することも可能である。この場合、給液路31,32
や、圧力測定装置13,…,18、回収タンク33,…,38などの
付属設備を共用できる。
該装置において、血液試料は注入装置4により給液路
31内に入れられ、送液ポンプ5からの液流に乗って各回
路1,2,3まで送られる。給液路31内の液体の圧力は各回
路1,2,3の直前で圧力測定装置13,15,17によって測定さ
れる。血液試料は各回路1,2,3内の血液流路を溝入口面
に沿って流れた後、流路抵抗可変装置19,21,23を通り回
収される。一方、各回路1,2,3内の別の流路には給液路3
2及び送液ポンプ6を経て生理食塩液が送られ、溝出口
面に沿って流される。この給液路32内の液体の圧力も各
回路1,2,3の入口近傍の圧力測定装置14,16,18によって
測定される。そして、回路入口側と出口側の圧力の測定
値を元に送液ポンプ5,6及び流路抵抗可変装置19,20,…,
24が制御部25において制御され、溝入口面と出口面の間
に所定の静水圧差が設定される。それにより血液試料の
一部は溝65を通過し、測定に供されることになる。各回
路1,2,3に至るまでに血液試料には必要に応じて螢光物
質、生理活性物質が加えられる。各回路1,2,3の溝を通
過する血球細胞は測定装置26,27,28の顕微鏡拡大投影面
上に投影され、その大きさおよび溝通過速度が計測され
る。必要に応じて螢光法で観察が行なわれる。また、生
理活性物質の拡散を溝出口側から入口側へも起こし得る
ように、溝出口側を流れる生理食塩液にも必要に応じて
生理活性物質が加えられる。各添加装置7,8,…,12の下
流の螺旋状の流路47,48,49,50,51,52は添加物質の混合
を確実にするためのものである。各回路1,2,3の入口側
と出口側の圧力測定装置13,14,…,18の出力は制御部25
に送られ、その測定値に基づいて流路抵抗可変装置19,2
0,…,24に制御部25から制御信号が出力される。
尚、制御部25としては、一般に公知のコンピュータが
採用が好ましい。
第2図(a)および(b)にそれぞれ本発明の血液回
路の構成の一例を示す。表面に流路や溝を構成する窪み
や溝を有する第1の基板60と、この第1の基板60の表面
に接合される平面を有する第2の基板61とから少なくと
も構成されている。第2図(a)に示される実施例は、
第1の基板60に互いに平行な2つの縦長な窪み62,63を
設け、それら窪み62,63の間を区画する壁部64に各窪み6
2,63とで形成される流路とほぼ直交する方向の溝65を設
けたものである。窪み62,63はその両端に流入口66と流
出口67を夫々設け、流入口66から流体を導入して窪み62
あるいは63を通し流出口67から排出させるように設けら
れている。流入口66及び流出口67は第1の基板60と厚み
方向に貫通しており、第1図の血液測定装置の給液路31
若しくは32に連結される。例えば、第2図(d)に示す
ように、第1の基板60の下にベース板68を接合ないし圧
着し、該ベース板68に給液路31若しくは32を接続する引
き出し流路69,70を形成している。
また、第2図(b)に示される実施例は第1の基板60
に血液試料を含む液体を流す1本の窪み62と血液試料を
含まない流体を流す2本の窪み63を互いに平行に設けた
ものである。この各窪み62,63を相互に区画する壁部64
には第2図(c)に拡大して示すように、微細な溝65が
窪み62,63における流路と略直交方向に多数設けられて
いる。尚、第2図(a)及び(b)において符号50はこ
れらの血液回路における血液試料の流れを、また符号51
は生理食塩水の流れを示す。
このような形状を有する第1の基板60としては、特に
限定されるものではないが、微細加工が容易でかつ血液
に対し比較的不活性なシリコン単結晶により構成される
ものが好ましく用いられる。このシリコン単結晶板に半
導体製造で使用されるエッチングやホトリソグラフィ等
によって上述の窪み62,63や溝65等が形成される。
この第1の基板60上には当接面が平面となされた第2
の基板61が接合ないし圧着され、この第1の基板60と第
2の基板61の接合部ないし圧着部に上記窪み62,63及び
溝65によって生じる空間で流路が形成されている。尚、
この第2の基板61は流路を通過する血液の光学的な観察
が行ない易いように透明なものであることが望ましく、
例えばパイレックスガラス等が用いられる。
第3図(a)〜(d)に、各血液回路1,2,3の溝65を
通過する血球の大きさと通過速度を顕微鏡拡大投影面上
で計測する方式の一例を示す。この計測方式は、フォト
センサーを用いたもので、顕微鏡拡大投影面上の壁部64
の溝65の入口側及び出口側に相当する部位に貼着ないし
パターンニングされたフォトセルあるいは光電面の開口
部を有するフォトマルティプライヤーなどのフォトセン
サー71,72で検出する光量の変化を利用して血球73の大
きさと通過速度を測定するものである。第3図(a)の
実施例は血球73に取り込まれない螢光物質を加えて液体
成分74を発光させ、血球73を暗部として観測するように
したものである。その時の血球通過に伴うフォトセンサ
ー71,72の出力の変化を第3図(b)に示す。第3図
(c)に示す実施例は血球73に取り込まれる螢光物質を
加えて血球73自体を発光させ、血球を明部として観測す
るようにしたものである。その時の血球通過に伴うフォ
トセンサー71,72の出力の変化を第3図(d)に示す。
いずれの場合もフォトセンサー71,72に流れる電流のピ
ークの高さVが血球の大きさを示し、ピークの間隔Tが
通過時間を示す。フォトセンサー71,72の間隔(距離)
は一定であるため、ピークからピークまでの時間Tから
血球の通過速度を求めることができる。また、溝65の入
口で血球73は変形する。その時間のため溝入口側75では
出口側76と比べてピークの幅が広がることになる。従っ
て、ピークの幅の差D−D′が変形に要する時間を表す
ことになる。このようにして通過時間から血球73の変形
時間を分離して求めることも可能になる。
第4図(a)〜(c)に血液回路の溝の一例を示す。
以下に、これらの特性が如何に分離されて測定されるか
について述べる。血液試料中の赤血球、白血球、血小板
は一様に各溝の入口面に到達するが、溝入口の所で溝に
入れるものと入れないものが分けられる。第4図(a)
に赤血球変形能測定用の溝65の一例を示す。この溝65
は、狭隘なV字型の溝77Aの前後に深さ4μm、幅10μ
mの矩形状の溝から成る入口側溝75A,出口側溝76Aが設
けられている。そのため、直径が8μm、厚さが2μm
の円盤状の赤血球73Aはこの入口側溝75Aに入れるが、直
径が6〜10μmの球状の白血球73Bはこの溝75Aに入るこ
とができない。したがって、白血球73Bは溝と直交する
血液試料の主流に流されて溝75Aから遠ざかり詰ること
がない。矩形状の入口側溝75Aに入ることにより配向し
た赤血球73Aは次に変形してV字型の溝77Aを通過する。
その通過速度は赤血球73Aの変形能に比例すると考えて
良く、前者は後者の適切な指標となる。また、赤血球の
大きさは矩形状の入口側溝75A、出口側溝76Aを通過中の
配向した赤血球の円盤面の投影像から正確に求められ
る。個々の赤血球73Aについて得られるこれらの測定値
から、赤血球73Aの大きさ、通過速度をそれぞれX,Y軸に
取り、それらに対する頻度をZ軸に取ることによって、
赤血球の機能特性およびその分布が3次元的に表示され
る。第7図はこのような血球細胞の大きさと、溝通過時
間のヒストグラムの3次元表示例である。このように血
球細胞の大きさと速度のヒストグラムが3次元化される
ことによって、従来形態の異常のみを2次元的に検出し
ていた場合と比較して、より高度な判定が可能となる。
通常の照明、顕微鏡観察では赤血球73Aと周囲の液体74
との区別が明瞭にならない場合、螢光法での観察が行な
われる。その際、赤血球73Aを螢光物質で標識するのは
手間がかかり、赤血球変形能にも悪影響が及ぶので、第
3図(a)に示すように、液体成分74を螢光発色させ、
赤血球73Aは影あるいは暗部として観察する方法を用い
る。
第4図(b)に、白血球活性度を測定するための溝の
一実施例を示す。この白血球活性度測定用溝ではV字型
の溝77B及びその前後の台形状の入口側溝75B、出口側溝
76Bの寸法が大きく、例えば溝の深さは10μmとなって
いる。白血球73Bは入口側溝75Bに入り、次に変形してV
形溝77Bを通過する。白血球73Bの大きさ、通過速度の測
定表示方法は赤血球73Aの場合と同様である。赤血球73A
はこの溝75B,77B,76Bを自由に通過するが、白血球の通
過を障害することはない。白血球73Bと赤血球73Aの識別
は容易であるが、さらに区別を明瞭にする目的で、螢光
法での観察が行なわれる。白血球73Bはアクリジンオレ
ンジ、アクリジンレッド等の色素で容易に螢光染色さ
れ、第3図(c)のように明部として観察される。白血
球73Bが生理活性物質により刺激を受け、能動的な細胞
運動を開始するようになると、溝通過速度は著しく低下
する。これは外力と細胞内力が拮抗するようになるため
である。第5図(a)及び(b)は、この白血球73Bの
溝通過能の変化を模式的に示す。この溝通過能およびそ
の変化で白血球の活性度が定量化される。溝65の入口側
と出口側の間に静水圧差を設けず、代りに生理活性物質
の濃度差を設けると、白血球73Bは遊走を開始し、溝65
を能動的に通過するようになる。このような条件下での
溝65を通過する白血球の数、通過速度も白血球活性度の
指標となる。
第4図(c)に血小板凝集能測定用の溝の一実施例を
示す。この溝では血小板の直径約3μmに合った寸法の
入口側溝75C、V形溝77C、出口側溝76Cが設けられてい
る。入口側溝75C内に赤血球73A、白血球73Bは入ること
ができず、血小板73Cのみが通過していく[第5図
(c)]。生理活性物質により血小板73Cの凝集が引き
起こされると、第5図(d)に示されるように溝通過が
困難になる。血小板凝集塊の大きさと溝通過速度が血小
板凝集能の良い指標となる。
第6図は同一溝内にV字型の溝77D,77Eを多段に設け
た構造を示す。溝65を通過していく個々の血球に対して
各段のV字型の溝77D,75Eの通過速度が計測される。入
口側溝75Dと中間溝78Dとに夫々配置されたフォトセンサ
ー(図示省略)によって求められる1段目の溝77Dの通
過速度を基準に取ることにより、中間溝78Dと出口側溝7
6Dのフォトセンサー(図示省略)によって求められる次
段のV形溝77Eの通過速度との関係から各段の通過速度
の変化が求まる。この変化はそれまでの溝通過即ち変形
が血球の機能特性に及ぼす影響を反映する。
尚、上記各実施例においては、赤血球、白血球および
血小板に対する溝の形状、深さ、大きさに関してそれぞ
れ1つずつ具体例を提示したにすぎないが、これらの溝
の形状は各血球細胞の形状、測定目的等に応じて種々変
更可能である。また、複数種の血液回路をそれぞれ別々
の基板に構成することも、1つの基板の中に構成するこ
とも可能である。
(発明の効果) 本発明は、以上説明したように構成されるために、 (1)血液試料から各血球分画を分離することなく、迅
速に赤血球の大きさと変形能の度数分布、白血球の大き
さと活性度あるいは刺激に対する応答の度合の度数分
布、血小板の大きさと凝集能あるいは凝集塊の度数分布
を測定することができ、 (2)また、従来の血液像は、血液中の各血球の数とそ
の大きさの分布の計測値に基づく、形態学的な血液像で
あるのに対し、本発明の装置は、各血球の機能即ち血液
の機能像を与えるものであり、各種の疾患で血液の形態
学的な像が変化するのは症状がかなり進行した後である
のに対して、血液の機能的変化は早期に出現する可能性
が高い。また、血液の機能的変化は病態の差を強く反映
するものと予想される。
従って、本発明の装置は各種疾患の早期診断、精密診
断に貢献する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の装置の構成を示す図である。 第2図(a),(b)は本発明の血液回路を構成する第
1の基板の構成の一例を示す図、第2図(c)は第2図
(a),(b)のA部を拡大した図、第2図(d)は血
液回路として組立てた実施例を示す縦断面図である。 第3図(a)〜(d)は溝を通過する血球の大きさと通
過時間を求める方式を示す図、第3図(a)は血液回路
内の溝を通過していく血球を周囲の液体を螢光発光させ
て観測した図、第3図(b)はその時のフォトセンサー
の出力の変化を示す図、第3図(c)は血液回路内の溝
を通過していく血球を血球を螢光発光させて観測した
図、第3図(d)はその時のフォトセンサーの出力の変
化を示す図である。 第4図(a)は赤血球変形能測定用溝の形状の一例を示
す図、第4図(b)は白血球活性度測定用溝の形状の一
例を示す図、第4図(c)は血小板凝集能測定用溝を示
す図である。 第5図(a)及び(b)は白血球の活性と溝通過能の関
係を模式的に示す図、第5図(c)及び(d)は血小板
の凝集と溝通過能の関係を模式的に示す図である。 第6図は同一溝内に多段に狭隘部を設けた溝を示す図で
ある。 第7図は各血球の大きさと溝通過時間のヒストグラムの
表示例を示す図である。 1……赤血球変形能測定用血液回路、 2……白血球活性度測定用血液回路、 3……血小板凝集能測定用血液回路、 60……第1の基板、 61……第2の基板、 62,63……窪み、 64……壁部、 65……溝、 75A,75B,75C,75D……入口側溝、 76A,76B,76C,76D……出口側溝、 77A,77B,77C,77D,77E……V字型溝、 78E……中間溝、 73……血球、 73A……赤血球、 73B……白血球、 73C……血小板、 74……液体成分。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端部に流入口を有し、他端部に流出口を
    有する窪みを複数個並列配置し、且つこの窪み相互を区
    画する壁部に、前記流入口と流出口とを結ぶ直線に対し
    ほぼ直交する方向において、窪み相互を連通する微小な
    溝を有してなる第1の基板と上記第1の基板の表面に接
    合ないし圧着される平面を有する第2の基板とからな
    り、上記第1の基板と第2の基板の接合部ないし圧着部
    に上記窪みおよび溝によって形成される空間を流路とし
    て有することを特徴とする血液回路。
  2. 【請求項2】前記溝の幅、深さあるいは形状のいずれか
    あるいは全てを赤血球、白血球あるいは血小板のいずれ
    かの大きさと形状に合わせることにより、この溝により
    形成される流路の各血球に対する通過抵抗を異ならしめ
    る、もしくはこの溝により形成される流路を通過できる
    血球を限定することを特徴とする請求項1記載の血液回
    路。
  3. 【請求項3】赤血球、白血球および血小板にそれぞれ適
    合した3種類の溝のうち複数種が配置されているもので
    ある請求項1記載の血液回路。
  4. 【請求項4】溝内には狭隘部が多段に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の血
    液回路。
  5. 【請求項5】上記第2の基板が透明であることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の血液回路。
  6. 【請求項6】上記第1の基板がシリコン単結晶からなる
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の
    血液回路。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかに記載の血液
    回路の1つの窪みの流入口に血液試料注入装置を接続
    し、この窪みと並列配置された窪みの流入口に生理食塩
    水注入装置を接続し、さらに各窪みの流入口近傍、流出
    口近傍あるいはその両方に制御装置を有する圧力発生源
    を設けたことを特徴とする血液測定装置。
  8. 【請求項8】並列配置された窪み間を連通する溝により
    形成される流路部に光を照射する光学系と、該流路部か
    ら反射される光ないし該流路部から発射される光の変量
    を測定する計測系とを有するものである請求項7記載の
    血液測定装置。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずれかに記載の血液
    回路あるいは血液測定装置において、血液回路の並列す
    る窪みの間に静水圧差を設けることにより、上記並列す
    る窪みの間を繋ぐ溝により形成される流路に血液の流れ
    を起こらしめ、その後の各窪みでの血液の各有形成分の
    数の増減あるいは血液の各有形成分による溝流路の閉塞
    状況を測定し、それにより血液の各有形成分の流れ特性
    あるいは活性度を求めることを特徴とする血液測定装
    置。
  10. 【請求項10】請求項1ないし8のいずれかに記載の血
    液回路あるいは血液測定装置において、血液回路の並列
    する窪みの間に生理活性物質の濃度差を設けることによ
    り、上記並列する窪みの間を繋ぐ溝により形成される流
    路を介して白血球の移動を起こらしめ、その後の各窪み
    での白血球各分画の数の増減あるいは白血球による溝流
    路の閉塞状況を測定し、それにより白血球各分画の遊走
    能、粘着能を求めることを特徴とする血液測定装置。
  11. 【請求項11】請求項1ないし8のいずれかに記載の血
    液回路あるいは血液測定装置において、請求項9または
    10に記載の血液測定を、生理活性物質に暴露後の血液試
    料に対して行なうことを特徴とする血液測定方法。
  12. 【請求項12】請求項9または10に記載の血液測定を、
    螢光物質で各血球細胞もしくは液体成分のいずれかを螢
    光発色させて行なうことを特徴とする血液測定方法。
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