JP3258985B2 - 白血球活性酸素産生量及び酸化ストレスの測定方法 - Google Patents

白血球活性酸素産生量及び酸化ストレスの測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白血球活性酸素産
生量及び酸化ストレスの測定方法に関し、詳しくは白血
球活性酸素産生量及び酸化ストレスの測定方法、並びに
薬品、食品、或いはそれらの成分からなる物質の白血球
活性酸素産生量及び酸化ストレスの増強効果或いは抑制
効果の評価判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】白血球による活性酸素の産生は、殺菌に
不可欠である。従って、白血球が高い活性酸素産生能を
持つことは、感染を防御する上で極めて重要である。し
かし、同時に、この活性酸素は、組織やDNAを傷害す
ることも知られている。例えば、虚血再灌流傷害は、活
性酸素によるものと考えられており、その発生源として
白血球が有力視されている。従って、白血球が産生する
活性酸素量を測定し、場合によってその量を増加させた
り、抑制したりする方法を開発することは、疾患を予防
していく上で極めて重要である。
【0003】白血球が産生する活性酸素量を測定する目
的で、ルミノール増感発光を用いる方法が研究室レベル
で広く行われている。これは種々の活性酸素種によって
ルミノールが酸化されるときに起こる微弱発光を測定す
るものである。ルミノール以外にも、幾つかの物質がこ
の増感目的に使用されているが、ここではその全ての場
合を含めて、「ルミノール増感発光」と呼ぶことにす
る。
【0004】この方法は簡便であるが、赤血球による光
の吸収を避けるために、白血球と赤血球とを分離するこ
とが必要になる。この分離操作には、手間と時間がかか
るだけでなく、その過程による白血球の状態変化が大き
く、そのため測定結果の信頼性が問題となってきた。こ
の問題を避ける目的で、全血を1%程度に希釈して測定
する方法(高山、江頭、山中:血液試料のルミノール増
感化学発光検出による酸化ストレス測定法の標準化−生
体内酸化ストレスの経時変化追跡を目的とした−、日本
薬理学雑誌第111巻第3号第177−186頁)も試
みられているが、希釈によっても白血球の状態変化は起
きると考えられる。また、この希釈によって大幅な感度
低下は避けられない。これらの問題点のため、従来の方
法は、臨床や検診の場で使用し得る有用な方法にはなり
得ていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、白血球と赤血球との分離を必要としないで、すなわ
ち、全血を用いて、ルミノール増感発光を測定すること
ができる方法を提供することにある。それによって、白
血球と赤血球との分離操作に起因する問題点を解消し、
測定法の信頼性を著しく高めることができ、同時に、測
定の効率も著しく高めることができる。
【0006】さらに、白血球による感染防御や、組織傷
害、すなわち酸化ストレスを問題にする場合、白血球が
産生する活性酸素量だけでなく、どれだけの数の白血
球が感染部位に集まるか、或いはその部位の毛細血管床
にトラップされるか、又は、白血球が毛細血管床をど
れくらいの時間で通過するかなどが問題となる。すなわ
ち、感染防御能や酸化ストレスに対しては、個々の白血
球が産生する活性酸素の量と前記又はとの積が良い
指標になると考えられる。しかしながら、これまで毛細
血管床にトラップされた白血球の数、或いは毛細血管床
に対する白血球の通過時間を測定することができる有用
な方法は提案されていなかった。
【0007】本発明の第2の目的は、個々の白血球が産
生する活性酸素の量と毛細血管床にトラップされた白血
球の数或いは毛細血管床に対する白血球の通過時間との
積を測定することができ、白血球による感染防御能と酸
化ストレスに対する有用な指標を与え得る測定方法を提
供することにある。
【0008】本発明の最終的な目的は、測定の効率を更
に高める工夫をすることで、臨床と検診の場において使
用し得る有用な測定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、表面に微細な溝のアレイを加工した基板に対して透
明基板を圧着させることで形成したマイクロチャネルア
レイに、ヒト又は動物の抗凝固処置した全血を流し、該
マイクロチャネルアレイを通過中の全白血球からの発光
量を該透明基板越しに測定し、測定された発光量を白血
球の活性酸素産生量及び酸化ストレスの指標とすること
を特徴とする白血球活性酸素産生量及び酸化ストレス測
定方法を提供するものである。
【0010】請求項2に係る本発明は、全血の流れを止
めずに、或いは止めてから発光量を測定する請求項1記
載の方法を提供するものである。
【0011】請求項3に係る本発明は、測定された発光
量の時間的積分値を白血球の活性酸素産生量及び酸化ス
トレスの指標とする請求項1又は2記載の方法を提供す
るものである。
【0012】請求項4に係る本発明は、全血に発光量を
増幅する物質を加えてから該全血を流して測定する請求
項1ないし3のいずれかに記載の方法を提供するもので
ある。
【0013】請求項5に係る本発明は、全血に白血球刺
激物質、白血球刺激細胞、或いは白血球刺激粒子を加え
てから該全血を流して測定する請求項1ないし4のいず
れかに記載の方法を提供するものである。
【0014】請求項6に係る本発明は、発光量の測定
を、光電子増倍管と直流増幅器との組み合わせにより行
う請求項1ないし5のいずれかに記載の方法を提供する
ものである。
【0015】請求項7に係る本発明は、発光量の測定
を、光電子増倍管と光電子計数器との組み合わせにより
行う請求項1ないし5のいずれかに記載の方法を提供す
るものである。
【0016】請求項8に係る本発明は、マイクロチャネ
ルアレイを保持しうるマイクロチャネルアレイホルダー
を複数搭載しうる回転ステージを設け、複数のマイクロ
チャネルアレイについて順番に全血を流して、該回転ス
テージ上に移して発光量を測定していき、最後のマイク
ロチャネルアレイから再び最初のマイクロチャネルアレ
イに戻ってさらに発光量の測定を順番に繰り返していく
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の
方法を提供するものである。
【0017】請求項9に係る本発明は、薬品、食品、或
いはそれらの成分からなる物質の白血球活性酸素産生量
及び酸化ストレスの増強効果或いは抑制効果を評価判定
するにあたり、マイクロチャネルアレイに、ヒト又は動
物の抗凝固処置した全血を流し、該アレイを通過中の全
白血球からの発光量を該透明基板越しに測定すると共
に、全血に該物質を加える処置を施してから該全血を該
アレイに流し、該アレイを通過中の全白血球からの発光
量を該透明基板越しに測定し、該処置を施す前後に測定
された発光量を指標としてそれぞれ得られた白血球活性
酸素産生量及び酸化ストレスを比較することを特徴とす
る薬品、食品、或いはそれらの成分からなる物質の白血
球活性酸素産生量及び酸化ストレスの増強効果或いは抑
制効果の評価判定方法を提供するものである。
【0018】請求項10に係る本発明は、薬品、食品、
或いはそれらの成分からなる物質の白血球活性酸素産生
量及び酸化ストレスの増強効果或いは抑制効果を評価判
定するにあたり、マイクロチャネルアレイに、ヒト又は
動物の抗凝固処置した全血を流し、該アレイを通過中の
全白血球からの発光量を該透明基板越しに測定すると共
に、ヒト又は動物に、薬品、食品、或いはそれらの成分
を投与する処置を施してから該全血を該アレイに流し、
該アレイを通過中の全白血球からの発光量を該透明基板
越しに測定し、該処置を施す前後に測定された発光量を
指標としてそれぞれ得られた白血球活性酸素産生量及び
酸化ストレスを比較することを特徴とする薬品、食品、
或いはそれらの成分からなる物質の白血球活性酸素産生
量及び酸化ストレスの増強効果或いは抑制効果の評価判
定方法を提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
本発明の方法は、基本的には、ルミノール増感発光を用
いて、白血球からの発光を測定するものである。前記し
たように、ルミノール増感発光は、種々の活性酸素種に
よってルミノールが酸化されるときに起こる微弱発光を
測定するものであり、ルミノール以外にも、幾つかの物
質がこの増感目的に使用されているが、本発明ではその
全ての場合を含めて、「ルミノール増感発光」と呼んで
いる。はじめに、請求項1に係る本発明について説明す
る。請求項1に係る本発明は、白血球活性酸素産生量及
び酸化ストレス測定方法に関し、マイクロチャネルアレ
イに、ヒト又は動物の抗凝固処置した全血を流し、該マ
イクロチャネルアレイを通過中の全白血球からの発光量
を該透明基板越しに測定し、測定された発光量を白血球
の活性酸素産生量及び酸化ストレスの指標とすることを
特徴とするものである。
【0020】請求項1に係る本発明におけるマイクロチ
ャネルアレイ、すなわち微細な流路(マイクロチャネ
ル)のアレイは、表面に微細な溝のアレイを加工した基
板表面に対して透明基板を圧着させることで形成され
る。ここで基板の材質としては、特に限定されるもので
はないが、微細な溝のアレイを加工することが容易なこ
とから、シリコン単結晶からなるものが好ましい。この
ようなシリコン単結晶からなる基板の表面に、微細加工
技術により種々のサイズの溝を加工することができる
が、その溝の巾ないし断面積を毛細血管の径ないし断面
積にほぼ等しく作ると良い。例えば、巾7μm、深さ
4.5μmのものとすれば、このようなものを用いて得
られるマイクロチャネルアレイをヒトの毛細血管床のモ
デルとして使用することができる。以下、主にヒトの全
血を対象として述べるが、イヌ、ネコなどの動物の全血
を対象とすることもできる。
【0021】請求項1に係る発明においては、まず上記
したようなマイクロチャネルアレイに、ヒト又は動物の
抗凝固処置した全血を流す。
【0022】次いで、該マイクロチャネルアレイを通過
中の全白血球からのルミノール増感発光を透明基板越し
に測定する。従って、透明基板としては、透明性に優れ
たパイレックスガラスなどよりなるものが好適である。
ヒトの白血球の径ないし断面積は、このマイクロチャネ
ルアレイの巾ないし断面積より大きく、白血球は大きく
変形してマイクロチャネルアレイを通過する。すなわ
ち、マイクロチャネルアレイを通過中の白血球は、透明
基板に強く接しながら通過することになる。そのため、
白血球と透明基板との間に赤血球が存在することは起こ
り得ず、白血球からのルミノール増感発光で透明基板の
方向に出てくる光は、赤血球によって吸収されることが
ない。従って、赤血球と白血球とを分離しなくとも、白
血球からのルミノール増感発光を透明基板越しに測定で
きることになる。マイクロチャネルアレイにトラップさ
れた白血球の場合も同様である。なお、発光量の測定
は、請求項6に記載したように、光電子増倍管(フォト
マルティプライア)と直流増幅器との組み合わせにより
行うこともできるし、或いは請求項7に記載したよう
に、光電子増倍管と光電子計数器との組み合わせにより
行うこともできる。
【0023】全マイクロチャネルアレイから測定された
発光量は、マイクロチャネルアレイを通過中ないしマイ
クロチャネルアレイにトラップされた白血球の総数と、
個々の白血球からの平均発光量との積になるが、この量
が上記の感染防御能或いは酸化ストレスの指標となるこ
とは明瞭である。
【0024】白血球による活性酸素の産生は、白血球の
活性化後、すなわち刺激感知後、次第に増加していき、
最大値に達した後、漸減していく。この時間的変化を測
定することが望ましいが、通常、1測定に2〜3時間を
要することになる。そこで、請求項8に記載したよう
に、マイクロチャネルアレイを保持しうるマイクロチャ
ネルアレイホルダーを複数搭載しうる回転ステージを設
け、複数のマイクロチャネルアレイについて順番に全血
を流して、該回転ステージ上に移して発光量を測定して
いき、最後のマイクロチャネルアレイから再び最初のマ
イクロチャネルアレイに戻ってさらに発光量の測定を順
番に繰り返していくことにより、多数の検体について時
間的変化を測定していくことが可能である。すなわち、
マイクロチャネルアレイをセットしたホルダーを多数用
意し、多数の検体を短時間ずつ順番に測定していき、ま
た最初に戻ってさらに順番に測定していく方法で、多数
の検体について時間的変化を測定していくことができ
る。多数のホルダーを載せ得る回転ステージを組み込む
ことで、このような測定を効率良く行うことができる。
それによって、測定の効率を大幅に高めることができ
る。
【0025】また、請求項9に記載したように、薬品、
食品、或いはそれらの成分からなる物質の白血球活性酸
素産生量及び酸化ストレスの増強効果或いは抑制効果を
評価判定するにあたり、マイクロチャネルアレイに、ヒ
ト又は動物の抗凝固処置した全血を流し、該アレイを通
過中の全白血球からの発光量を該透明基板越しに測定す
ると共に、全血に該物質を加える処置を施してから該全
血を該アレイに流し、該アレイを通過中の全白血球から
の発光量を該透明基板越しに測定し、該処置を施す前後
に測定された発光量を指標としてそれぞれ得られた白血
球活性酸素産生量及び酸化ストレスを比較する。これに
より、薬品、食品、或いはそれらの成分からなる物質を
全血に加える処置を施した場合の白血球活性酸素産生量
及び酸化ストレスの増強効果或いは抑制効果を評価判定
することができる。ここで薬品としては、例えばステロ
イド剤などを挙げることができる。また、食品として
は、例えばくろず、赤ワインなどを挙げることができ
る。さらに、薬品又は食品の成分からなる物質として
は、例えば酢酸、エタノールなどを挙げることができ
る。
【0026】さらに、請求項10に記載したように、マ
イクロチャネルアレイに、ヒト又は動物の抗凝固処置し
た全血を流し、該アレイを通過中の全白血球からの発光
量を該透明基板越しに測定すると共に、ヒト又は動物
に、薬品、食品、或いはそれらの成分からなる物質を投
与する処置を施してから該全血を該アレイに流し、該ア
レイを通過中の全白血球からの発光量を該透明基板越し
に測定し、該処置を施す前後に測定された発光量を指標
としてそれぞれ得られた白血球活性酸素産生量及び酸化
ストレスを比較する。これにより、薬品、食品、或いは
それらの成分からなる物質をヒトに投与する処置を施し
た場合の白血球活性酸素産生量及び酸化ストレスの増強
効果或いは抑制効果を評価判定することができる。薬
品、食品、或いはそれらの成分からなる物質としては、
前記した通りである。
【0027】以下、本発明を図面に示す実施例に基づい
て説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【実施例】図1は、毛細血管床のモデルとなるマイクロ
チャネルアレイの構造を示す断面説明図であって、符号
11は、表面に微細な溝のアレイを加工した、シリコン
単結晶基板からなる基板であり、符号12は透明基板で
あり、符号15は赤血球である。図2は、図1に示す基
板11を透明基板12側からみたときの状態を示す平面
説明図であり、符号16が微細な溝のアレイである。ま
た、符号17は、シリコン単結晶基板に形成されている
小さな土手であり、符号18はテラス部であり、符号1
9は大きな土手である。この表面に微細な溝のアレイを
加工した、シリコン単結晶基板からなる基板11の表面
に、透明基板12を圧着させることにより密着させて、
微細な溝のアレイ16を微細な流路、つまりマイクロチ
ャネルアレイとしたものである。このようにして形成さ
れるマイクロチャネルアレイの断面形状は、逆台形状が
一般的であるが、これに限定されずV字状、その他の形
状であってもよい。マイクロチャネルアレイ以外の部分
を掘り下げて逆台形状などにする理由は、これらのマイ
クロチャネルアレイ以外の部分の流路抵抗を最小限に抑
えるためである。
【0028】図3は、毛細血管床のモデルとなるマイク
ロチャネルアレイの構造と、白血球からの発光を赤血球
の吸収を避けて測定することができる原理とを示す説明
図である。図3中、符号13は光電子増倍管(マルティ
フォトプライア)であり、符号14は白血球である。
【0029】表面に微細な溝のアレイを加工した基板1
1として、シリコン単結晶からなる基板を用い、これに
圧着させる透明基板12として、ガラス基板、特に光学
研磨したガラス基板を用いることで、精度の高いマイク
ロチャネルアレイを得ることができる。すなわち、フォ
トリソグラフィーとエッチングの技法を用いることで、
シリコン単結晶基板からなる基板11表面に、ミクロン
サイズの微細な溝のアレイ16をサブミクロン精度で加
工することができるので、そのようにして得られるもの
を用いる。
【0030】例えば、15mm×15mm×0.5mm
のシリコン単結晶基板表面に、フォトリソグラフィーと
エッチングの技法を用いることで、7ミクロン巾の微細
な溝のアレイ16をサブミクロン精度で加工した基板、
つまり表面に微細な溝のアレイを加工した基板11に対
して、ガラス基板のような透明基板12を圧着させるこ
とにより、マイクロチャネルアレイ(微細な流路)を形
成することができる。このようなマイクロチャネルアレ
イとしては、基本的には、先に本発明者が開発した、表
面に微細な溝を加工したシリコン基板とガラス基板とか
らなるもの(特公平2‐130471号公報、米国特許
第5,023,054号明細書、特許第2532707
号)を用いることができる。
【0031】表面に微細な溝のアレイを加工した、シリ
コン単結晶基板からなる基板として、特に図1、2に示
すような構造のものとすると、実用性の高い、すなわち
流路抵抗の比較的小さいマイクロチャネルアレイを構成
することができる。この構造では、微細な溝のアレイ1
6を加工後、それ以外の部分を深く掘り下げている。結
果的には、大きな土手19とその下面の長手方向に並列
に配列された多数の小さな土手17が加工されることに
なる。このシリコン単結晶基板からなる基板11に対し
て、透明基板12、好ましくは光学研磨したガラス基板
を圧着させることにより密着させる。並列に配列された
小さな土手17の上面は、エッチングにより掘られてい
ない元々のシリコン単結晶基板からなる基板11の表面
であり、ガラス基板からなる透明基板12に密着する。
それによって、小さな土手17同士の間の空間が、ガラ
ス基板からなる透明基板12のガラス面で覆われて、微
細な流路、すなわちマイクロチャネルを形成することに
なる。並列配置した小さな土手17の前後の平面部は、
各流路の入口、出口に共通なテラス部18を構成する。
それにつながる大きな土手19同士の間の空間20は、
大きな流路を構成し、マイクロチャネルアレイへの輸入
路及び輸出路になる。
【0032】シリコン単結晶基板からなる基板11とガ
ラス基板からなる透明基板12とは、陽極接合法で溶着
することもできるが、両者が光学研磨面であるため、本
発明のように圧着するだけでも十分に密着性が高く、水
の漏れを防ぐことができる。気泡の障害を防ぐことや洗
浄などのためには、溶着などよりも分解が可能な圧着の
方が優れている。
【0033】血液試料は、このようにして形成されたマ
イクロチャネルアレイに、圧力差をかけて流される。透
明基板12のガラス面から各流路の底面及び前記テラス
部18の面までの距離Dを、4.5μmにとれば、白血
球の径が8μm前後であるので、白血球がテラス部18
を通過するときには、縦方向につぶれた形で通過する。
また、微細流路部分の巾Wを7μmとすれば、マイクロ
チャネルアレイ(微細な流路)部分を通過するときに
は、白血球はさらに横方向にもつぶれた形で通過してい
く。白血球がどちらにある場合も、透明基板12のガラ
ス面に強く接触して通過することになり、赤血球が入り
込み得るような隙間は、白血球と透明基板12のガラス
面との間には存在しない。従って、白血球からの発光で
透明基板12のガラス面の方向に出る光は、直ちに透明
基板12を通過し、赤血球によって吸収されることがな
い。このような白血球の流れのあり方が、全血を流した
場合でも、白血球からの化学発光を測定することができ
る理由である。マイクロチャネルアレイ部分以外にある
白血球からの発光は、赤血球によって吸収されて測定さ
れない。前記したように、図3には、毛細血管床のモデ
ルとなるマイクロチャネルアレイの構造と、白血球から
の発光を赤血球の吸収を避けて測定することができる原
理とが示されている。それ故、マイクロチャネルアレイ
全体から測定された発光量は、マイクロチャネルアレイ
を通過中ないしマイクロチャネルアレイにトラップされ
た白血球の総数と、個々の白血球の発光量の平均値の積
になる。マイクロチャネルアレイは、組織の毛細血管床
のモデルと考えることができるので、測定された発光量
は、感染防御能及び酸化ストレスの良い指標になる。さ
らに、請求項3に記載したように、測定された発光量の
時間的積分値を求めることにより、白血球の活性酸素産
生量及び酸化ストレスのより良い指標とすることができ
る。マイクロチャネルアレイ全体からの発光量を指標と
する方法は、これまで誰も行っていなかったことであ
る。
【0034】マイクロチャネルアレイ全体からの発光量
は、光電子増倍管(フォトマルティプライア)13、例
えば浜松ホトニクス社製のR269等を用いることで、
容易に測定される。マイクロチャネルアレイを配置した
シリコンチップの大きさは、通常、15mm角程度であ
るので、この場合にはその大きさに対応して、受光面の
径が例えば25mm程度以上の光電子増倍管(フォトマ
ルティプライア)13を近接して配置することにより、
マイクロチャネルアレイ全体からの発光を漏れなくとら
えることができる。必要な場合は、レンズによって集光
することも可能である。
【0035】図4に測定系の一構成例を示す。この例で
は、基本的にはシリコン単結晶基板11、この基板をセ
ットしてマイクロチャネルアレイを作成し得るマイクロ
チャネルアレイホルダー21、前記マイクロチャネルア
レイを入れて測定するための暗箱ケース22、光電子増
倍管(フォトマルティプライア)24、フォトマルティ
プライア高圧電源を含む直流増幅器26、及びレコーダ
ー27で構成される。図4中、符号23はシャッター、
符号25は磁気シールドである。暗箱ケース22の中に
フォトマルティプライア24がセットされている。マイ
クロチャネルアレイホルダー21を置く部分の蓋ないし
キャップは、フォトマルティプライア24の受光面の前
に置かれたシャッター23が閉じた状態でないと、開け
られないように構成されている。この機構によって、フ
ォトマルティプライア24に強い光が当たることを防
ぎ、フォトマルティプライア24の劣化を防止すること
ができる。
【0036】なお、発光量を測定するにあたっては、請
求項4に記載したように、全血に発光量を増幅する物
質、例えばルミノールなどを加えてから該全血を流して
測定すると良い。
【0037】通常、白血球からの発光は、増感物質を加
えても極微弱であり、その測定には光電子計数法が用い
られる。マイクロチャネルアレイ全体からの発光を測定
するここでの方法では、それだけ総発光量が増大するの
で、直流増幅器26を用いても測定が可能である。すな
わち、実時間での計測が可能である。このように発光量
の測定を、フォトマルティプライア24、つまり光電子
増倍管と、直流増幅器26との組み合わせにより行うこ
ととしたのが、請求項6に係る本発明である。従って、
この場合には、マイクロチャネルアレイに試料を流して
いる状態でも測定することができる。すなわち、発光量
の測定を、フォトマルティプライア24と直流増幅器2
6との組み合わせにより行うときには、請求項2に記載
したように、試料である全血の流れを止めてからは勿
論、全血の流れを止めることなく、発光量を測定するこ
とができる。
【0038】また、試料である全血の流れを止めた状態
においては、請求項7に記載したように、フォトマルテ
ィプライア24、つまり光電子増倍管と、光電子計数器
(図示しない)との組み合わせにより行うことが好まし
い。試料である全血の流れを止めた状態で、このような
光電子計数法で測定すれば、感度がそれだけ高まり、白
血球刺激物質、白血球刺激細胞、或いは白血球刺激粒子
を加えなくとも、白血球からの発光を測定することがで
きるからである。但し、通常は、請求項5に記載したよ
うに、これらを加えてから全血を流して測定する。ここ
で白血球刺激物質は、白血球を活性化するための物質で
あって、具体的には例えばリポポリサッカライド(LP
S)、フォルボルミリステートアセテート(PMA)など
を挙げることができる。また、白血球刺激細胞として
は、例えば種々のバクテリアなどが挙げられ、また白血
球刺激粒子としては、例えばブラッシュハイト結晶など
が挙げられる。
【0039】さらに、光電子計数法で計数時間を増加さ
せれば、増感物質を加えなくとも、白血球からの発光を
測定することが可能である。臨床と検診の場において
は、このような白血球刺激物質、白血球刺激細胞、或い
は白血球刺激粒子(以下、白血球を活性化させる物質と
称することがある。)や増感物質を加えない測定も重要
になると考えられる。
【0040】図5は、多数の検体を測定するための方法
に好適な装置を示す説明図である。以下に示すように、
白血球の活性酸素産生は長時間継続する。その時間変化
を測定することが重要となるが、1測定に2〜3時間を
要することとなる。時間変化が比較的緩やかなものであ
るため、多数のマイクロチャネルアレイホルダー、つま
り試料を出し入れしながら、それぞれ短時間ずつ測定す
ることでも、時間変化を求めることができる。
【0041】しかし、図5に示すような装置を用いれ
ば、試料を出し入れすることなく、多数のマイクロチャ
ネルアレイホルダーについて、順番に短時間ずつ測定し
ていくことができる。すなわち、請求項8に記載したよ
うに、マイクロチャネルアレイを保持しうるマイクロチ
ャネルアレイホルダー34を複数搭載しうる回転ステー
ジ31を設け、複数のマイクロチャネルアレイについて
順番に全血を流して、該回転ステージ上に移して発光量
を測定していき、最後のマイクロチャネルアレイから再
び最初のマイクロチャネルアレイに戻ってさらに発光量
の測定を順番に繰り返していくことにより、多数の検体
について時間的変化を測定していくことが可能である。
多数のホルダーを載せ得る回転ステージ31を組み込む
ことで、このような測定を効率良く行うことが可能とな
り、それによって、測定の効率を大幅に高めることがで
きる。なお、図5では、マイクロチャネルアレイホルダ
ー34を7つ搭載した回転ステージ31を示したが、複
数搭載したものであればよく、これに限定されるもので
ないことは、言うまでもない。図5中、符号32はパル
スモーター、符号33は暗箱ケース、符号35は光電子
増倍管(フォトマルティプライア)、符号36はパルス
モーターコントローラ、符号37は増幅器である。
【0042】図6に測定例を示す。図6は、発光量の時
間的変化を示したものである。請求項3に記載したよう
に、本発明の方法に従って、図6に示すような発光量の
時間的変化の積分値を求め、これを白血球の活性酸素産
生量及び酸化ストレスの指標とすることができる。
【0043】具体的には、健常者からヘパリン採血(ヘ
パリン溶液1000単位/mlを血液量の5%量使用)
した全血試料に、白血球を活性化させる物質としてLP
Sを100ng/ml及び増感物質としてルミノール2
00μM加えた後、マイクロチャネルアレイに20cm
水柱差で流し、100μl流れた時点で流れを止めて、
マイクロチャネルアレイホルダーを図4に示す如き暗箱
ケースに移して測定した。LPS等の白血球を活性化さ
せる物質に暴露されてからの白血球の活性酸素産生量、
すなわち発光量は、図6に示すように、時間と共にゆっ
くりと増大し、1時間から2時間の間でピークに達し、
その後ゆっくりと減少する。そのため、ピーク値を測定
するとすると、2時間以上、時間的変化を測定しなくて
はならない。1検体に2時間以上かけて測定し、その後
に次の検体を測定するのでは、著しく測定効率が悪くな
る。
【0044】そこで、時間的変化がゆっくりしているの
で、上記したように、図5に示すような2個以上のマイ
クロチャネルアレイホルダーを用いて、出し入れするこ
となく、交互に測定していくことができる。図6は、2
個のマイクロチャネルアレイホルダーを有する回転ステ
ージを組み込んだ装置を用いて、交互に測定していった
結果を示したものである。2番目の検体は、くろず約1
0mlを摂取した同一被験者から、摂取30分後に採血
した全血試料である。この2番目の検体で、活性酸素産
生の増加が見られている。
【0045】この結果から、図5に示すような回転ステ
ージを組み込んだ装置を用いることにより、マイクロチ
ャネルアレイホルダー上の多数の検体について、数分間
隔で順番に測定していき、それを繰り返すことで、精度
を損なうことなく、多数の検体についての発光量の時間
的変化を求めることができることが分かる。
【0046】図7は、くろずを摂取した場合、或いはく
ろずを全血試料に加えた場合のそれぞれ測定開始100
分後での発光量の比較を示すグラフである。図7中、
「in vivo」と記載されているデータのうち、「くろ
ず」と表記されているデータは、くろずを約10ml摂
取した健常者からヘパリン採血(ヘパリン溶液1000
単位/mlを血液量の5%量使用)した全血試料に、白
血球を活性化させる物質としてLPSを100ng/m
l及び増感物質としてルミノール200μM加えた後、
マイクロチャネルアレイに20cm水柱差で流し、10
0μl流れた時点で流れを止めて、マイクロチャネルア
レイホルダーを図4に示す如き暗箱ケースに移して測定
したデータである。一方、この場合において、「contro
l」と表記されているデータは、くろずを摂取する前の
同一の健常者から同様に採血した全血試料について同様
にして測定したデータである。また、図7中、「in vit
ro」と記載されているデータのうち、「くろず」と表記
されているデータは、健常者からヘパリン採血(ヘパリ
ン溶液1000単位/mlを血液量の5%量使用)した
全血試料に、白血球を活性化させる物質としてLPSを
100ng/ml及び増感物質としてルミノール200
μM加え、さらにくろずを全血試料に対し2000分の
1量加えた後、マイクロチャネルアレイに20cm水柱
差で流し、100μl流れた時点で流れを止めて、マイ
クロチャネルアレイホルダーを図4に示す如き暗箱ケー
スに移して測定したデータである。一方、この場合にお
いて、「control」と表記されているデータは、くろず
を全血試料に加えなかったこと以外は、上記と同様にし
た全血試料について同様にして測定したデータである。
図7によれば、くろずを約10ml摂取した場合( in
vivo )と、くろずを全血試料に2000分の1量加え
た場合( in vitro )のいずれとも発光量が増加してい
ることが分かる。くろずは、赤血球変形能を向上させ、
血流改善機能を有する食品とされるが、本発明の方法に
従って、このような食品をヒト又は動物に投与する前後
の発光量を測定することにより、該食品の白血球活性酸
素産生量及び酸化ストレスの増強効果或いは抑制効果を
評価判定することができることが分かる。くろずの場合
で言えば、くろずには白血球活性酸素産生量及び酸化ス
トレスの増強効果があることを評価判定することができ
る。このような白血球活性酸素産生量及び酸化ストレス
の増強効果或いは抑制効果の評価判定は、くろずのよう
な食品のみならず、各種薬品、さらにはそれらの成分に
ついても行うことができる。また、このような白血球活
性酸素産生量及び酸化ストレスの増強効果或いは抑制効
果の評価判定は、請求項9に記載したように、全血にこ
れら物質を加える処置を施す前後の発光量を測定するこ
とによるばかりでなく、請求項10に記載したように、
ヒト又は動物に、薬品、食品、或いはそれらの成分から
なる物質を投与する前後の発光量を測定することによっ
ても行うことができる。
【0047】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によれば、白血球
からの微弱発光を、白血球と赤血球とを分離することな
く、すなわち、全血を用いて測定することができる。こ
れによって、白血球と赤血球との分離操作に起因する問
題点を解消し、測定法の信頼性を著しく高めることがで
き、同時に、測定の効率も著しく高めることができる。
【0048】請求項1に係る本発明によれば、毛細血管
床にトラップされた白血球の数、或いは毛細血管床に対
する白血球の通過時間を測定することができ、その結
果、感染防御能と酸化ストレスに対する有用な指標を提
供することができる。
【0049】請求項1に係る本発明によれば、マイクロ
チャネルアレイ全体からの発光を測定するものであるた
め、総発光量が増大し、直流増幅器を用いての測定が可
能であり、実時間での測定ができる。従って、全血試料
の流れを止めずに、マイクロチャネルアレイに全血試料
を流している状態で測定することができるという利点が
ある。
【0050】さらに、このため、全血試料の流れを止め
た状態で、光電子計数法で測定した場合には、それだけ
感度が高まり、白血球刺激物質、白血球刺激細胞、或い
は白血球刺激粒子を加えなくとも、白血球からの発光を
測定することができる。また、このように光電子計数法
で測定する場合、その計数時間を増加させることによ
り、増感物質を加えなくとも白血球からの発光を測定す
ることができるというメリットがある。
【0051】また、請求項8に係る本発明によれば、多
数の検体について時間的変化を測定していくことが可能
であり、測定の効率を大幅に高めることができる。
【0052】次に、請求項9に係る本発明によれば、薬
品、食品、或いはそれらの成分からなる物質の白血球活
性酸素産生量及び酸化ストレスの増強効果或いは抑制効
果を評価判定することができる。
【0053】さらに、請求項10に係る本発明によれ
ば、薬品、食品、或いはそれらの成分からなる物質の白
血球活性酸素産生量及び酸化ストレスの増強効果或いは
抑制効果を評価判定することができる。
【0054】従って、本発明の方法は、臨床と検診の場
において有効に使用し得るものであり、さらに測定の効
率を高める工夫をすることで、臨床と検診の場において
極めて有効に使用し得るものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 毛細血管床のモデルとなるマイクロチャネル
アレイの構造を示す断面説明図である。
【図2】 図1に示す基板を透明基板側からみたときの
状態を示す平面説明図である。
【図3】 毛細血管床のモデルとなるマイクロチャネル
アレイの構造と、白血球からの発光を赤血球の吸収を避
けて測定することができる原理とを示す説明図である。
【図4】 測定系の一構成例を示す説明図である。
【図5】 多数の検体を測定するための方法に好適な装
置を示す説明図である。
【図6】 実施例における発光量の時間的変化の例を示
したグラフである。縦軸は発光量、横軸は時間である。
【図7】 くろずを摂取した場合、或いはくろずを全血
試料に加えた場合のそれぞれ測定開始100分後での発
光量の比較を示すグラフである。
【符号の説明】
11 基板 12 透明基板 13 光電子増倍管(マルティフォトプライア) 14 白血球 15 赤血球 16 微細な溝のアレイ(マイクロチャネルアレイにな
る) 17 小さな土手 18 テラス部 19 大きな土手 20 空間(マイクロチャネルアレイに対する輸入路・
輸出路) 21 マイクロチャネルアレイホルダー 22 暗箱ケース 23 シャッター 24 光電子増倍管(フォトマルティプライア) 25 磁気シールド 26 直流増幅器 27 レコーダー 31 回転ステージ 32 パルスモーター 33 暗箱ケース 34 マイクロチャネルアレイホルダー 35 光電子増倍管(フォトマルティプライア) 36 パルスモーターコントローラ 37 増幅器

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に微細な溝のアレイを加工した基板
    に対して透明基板を圧着させることで形成したマイクロ
    チャネルアレイに、ヒト又は動物の抗凝固処置した全血
    を流し、該マイクロチャネルアレイを通過中の全白血球
    からの発光量を該透明基板越しに測定し、測定された発
    光量を白血球の活性酸素産生量及び酸化ストレスの指標
    とすることを特徴とする白血球活性酸素産生量及び酸化
    ストレス測定方法。
  2. 【請求項2】 全血の流れを止めずに、或いは止めてか
    ら発光量を測定する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 測定された発光量の時間的積分値を白血
    球の活性酸素産生量及び酸化ストレスの指標とする請求
    項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 全血に発光量を増幅する物質を加えてか
    ら該全血を流して測定する請求項1ないし3のいずれか
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】 全血に白血球刺激物質、白血球刺激細
    胞、或いは白血球刺激粒子を加えてから該全血を流して
    測定する請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 発光量の測定を、光電子増倍管と直流増
    幅器との組み合わせにより行う請求項1ないし5のいず
    れかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 発光量の測定を、光電子増倍管と光電子
    計数器との組み合わせにより行う請求項1ないし5のい
    ずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 マイクロチャネルアレイを保持しうるマ
    イクロチャネルアレイホルダーを複数搭載しうる回転ス
    テージを設け、複数のマイクロチャネルアレイについて
    順番に全血を流して、該回転ステージ上に移して発光量
    を測定していき、最後のマイクロチャネルアレイから再
    び最初のマイクロチャネルアレイに戻ってさらに発光量
    の測定を順番に繰り返していくことを特徴とする請求項
    1ないし7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 薬品、食品、或いはそれらの成分からな
    る物質の白血球活性酸素産生量及び酸化ストレスの増強
    効果或いは抑制効果を評価判定するにあたり、マイクロ
    チャネルアレイに、ヒト又は動物の抗凝固処置した全血
    を流し、該アレイを通過中の全白血球からの発光量を該
    透明基板越しに測定すると共に、全血に該物質を加える
    処置を施してから該全血を該アレイに流し、該アレイを
    通過中の全白血球からの発光量を該透明基板越しに測定
    し、該処置を施す前後に測定された発光量を指標として
    それぞれ得られた白血球活性酸素産生量及び酸化ストレ
    スを比較することを特徴とする薬品、食品、或いはそれ
    らの成分からなる物質の白血球活性酸素産生量及び酸化
    ストレスの増強効果或いは抑制効果の評価判定方法。
  10. 【請求項10】 薬品、食品、或いはそれらの成分から
    なる物質の白血球活性酸素産生量及び酸化ストレスの増
    強効果或いは抑制効果を評価判定するにあたり、マイク
    ロチャネルアレイに、ヒト又は動物の抗凝固処置した全
    血を流し、該アレイを通過中の全白血球からの発光量を
    該透明基板越しに測定すると共に、ヒト又は動物に、薬
    品、食品、或いはそれらの成分を投与する処置を施して
    から該全血を該アレイに流し、該アレイを通過中の全白
    血球からの発光量を該透明基板越しに測定し、該処置を
    施す前後に測定された発光量を指標としてそれぞれ得ら
    れた白血球活性酸素産生量及び酸化ストレスを比較する
    ことを特徴とする薬品、食品、或いはそれらの成分から
    なる物質の白血球活性酸素産生量及び酸化ストレスの増
    強効果或いは抑制効果の評価判定方法。
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