JP2532479B2 - コ−ティング組成物 - Google Patents

コ−ティング組成物

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JP2532479B2 JP62160415A JP16041587A JP2532479B2 JP 2532479 B2 JP2532479 B2 JP 2532479B2 JP 62160415 A JP62160415 A JP 62160415A JP 16041587 A JP16041587 A JP 16041587A JP 2532479 B2 JP2532479 B2 JP 2532479B2
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重雄 松丸
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は合成樹脂成形品の表面硬度、耐摩耗性などの
表面特性を向上させるための密着性、耐候性、外観性等
に優れたコーティング組成物に関するものである。
(従来の技術) 現在、ガラス、金属、木等の従来の木質製の成形品に
代わり、多くの合成樹脂成形品が市販されており、これ
らは多くの優れた性質を有している。しかしながら、合
成樹脂成形品は、一般に耐摩耗性が充分ではなく、この
点が改良されれば更に多くの発展が期待される。
さて、これらの合成樹脂成形品の耐摩耗性向上法とし
ては、種々のものが開発されているが、その表面に他の
硬い凹凸のない平滑な耐摩耗性薄膜を何らかの方法で付
着させることが、合成樹脂の本来有する優れた諸性質を
損うことなく改良できる最も有効な方法であると考えら
れている。
このような方法の1つとして、製造工程の簡略化もあ
わせて行なうことを目的として、鋳型にアリルメタクリ
レート、エチレンジメタクリレート等の架橋性単量体と
その重合開始剤との混合物を塗布した後、これにあらか
じめ製造された基材樹脂を密着させ加熱する方法(特公
昭37−9,827号)があるが、基材樹脂を架橋材と重合開
始剤との混合物に密着させる際に気泡が入り易く、その
気泡を除去することが困難であり、工業化するには操作
上難しい問題を含んでいる。また、アルカンジオールの
ジメタクリレートあるいはジエチレングリコールジメタ
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート
等の架橋性単量体とその重合開始剤の混合物を鋳型に塗
布し乾燥して薄膜を形成させ、その後基材樹脂原料をそ
の鋳型に注入して重合を行なう方法(特公昭35−17,487
号)があるが、この方法では薄膜が充分に重合していな
いために、薄膜が樹脂原料に膨潤または溶解しやすく、
そのため表面薄膜と基材との界面に線材のクラックが生
じやすい。このため薄膜と親和性のないフィルムを密着
させ酸素遮断下で薄膜を重合硬化させた後フィルムのみ
を剥離し、その後基材樹脂原料を注入する方法(特公昭
47−13,417号、特公昭49−36,829号)が提唱され、さら
に架橋性重合物に1分子中に少なくとも3個のアクリロ
イルオキシ基および/またはメタアクリロイルオキシ基
を有しかつ各アクリロイルオキシ基および/またはメタ
アクリロイルオキシ基間が飽和炭化水素基で結合された
化合物単独または該化合物を30%以上含有する他の重合
可能な化合物との混合物へと変更し(特公昭49−22,951
号)、また薄膜の重合硬化がある程度進行した後は、フ
ィルムを剥離し(あるいは不活性基体雰囲気下を解除
し)て重合硬化する(特公昭54−14,617号、特公昭54−
14,618号)などの改良が加えられている。しかしなが
ら、これらの方法は、操作が煩雑であるばかりでなく、
薄膜の素材が満足できるものではないために、曝露後の
耐擦傷性の低下、密着性の低下は避けがたく、得られる
合成樹脂の最終製品は、耐摩耗性にムラのあるものとな
りやすい欠点を有している。
一方、耐候性に優れているといわれるオルガノポリシ
ロキサン系コーティング組成物での同様な方法において
も、耐擦傷性および耐候性の優れた表面を有する合成樹
脂成形品は得られていない。これは白化、ヒケなどの表
面欠点のない外観良好で密着性が十分な耐摩耗性のすぐ
れた表面を有する合成樹脂成形品が得られないためであ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 従って、本発明の目的は、簡便な処理工程により耐擦
傷性、耐候性、密着性および外観性等に優れた表面を有
する合成樹脂成形品を与え得る新規なコーティング組成
物を提供することであり、更に詳しくは暴露後の耐擦傷
性の低下、密着性の低下がなく耐候性に優れた耐摩耗性
にムラのない合成樹脂成形品を与え得る新規な型塗布用
コーティング組成物を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記諸目的は、型内面に塗布されあらかじめ加熱乾燥
されて薄膜を形成したのち、型内で基材樹脂原料を重合
することにより合成樹脂成形品表面に被膜形成される型
塗布用として用いられるコーティング組成物であって、
固形分換算で(A)(メタ)アクリロキシ基含有アルコ
キシシランの加水分解物2〜40重量%、(B)その他の
アルコキシシランの加水分解物10〜88重量%、(C)シ
リカゾル10〜70重量%および(D)アルコール可溶性ア
クリル樹脂0.1〜15重量%よりなることを特徴とするコ
ーティング組成物により達成される。
(作用) 以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のコーティング組成物を構成する(A)成分で
ある(メタ)アクリロキシ基含有アルコキシシランの加
水分解物としては、一般式I、 (但し、式中R1はアクリロキシ基またはメタクリロキシ
基で置換された炭素数1〜4、好ましくは3〜4の同じ
または異なるアルキルであり、R2は炭素数1〜8、好ま
しくは1〜6の同じまたは異なるアルキル、アルケニ
ル、フェニルであり、R3は炭素数1〜5、好ましくは1
〜4の同じまたは異なるアルキル、アルコキシアルキル
であり、またnは0〜2、好ましくは0〜1の整数、m
は1〜3、好ましくは1〜2の整数でありかつm+n≦
3である。)で表わされる化合物の加水分解物などであ
る。一般式(I)で表わされる化合物としては、メタク
リロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメ
チル(メチル)ジメトキシシラン、β−メタクリロキシ
エチルトリメトキシシラン、β−メタクリロキシエチル
(メチル)ジメトキシシラン、β−メタクリロキシエチ
ル(エチル)ジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ル(メチル)ジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピル(ビニル)ジメトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリ(メトキシエトキシ)シラン、δ−メタ
クリロキシブチルトリメトキシシラン、δ−メタクリロ
キシブチル(ジメチル)メトキシシラン、並びに「メタ
クリロキシ基」がアクリロキシ基である上記化合物など
があげられる。これらの化合物のうち次の一般式(II)
で示される化合物が本発明において好ましく使用され
る。
(但し、式中Xは水素またはメチル基であり、R3は炭素
数1〜5、好ましくは1〜4の同じまたは異なるアルキ
ル基またはアルコキシアルキル基である。) (メタ)アクリロキシ基含有アルコキシシランの加水
分解物は、上記のような(メタ)アクリロキシ基含有ア
ルコキシシランのアルコキシ基あるいはアルコキシアル
コキシ基の一部または全部が水酸基に置換されたものお
よび置換された水酸基同志が一部結合したものを含んで
いる。これらの加水分解物は、公知のように、例えば純
水または塩酸などの酸性水溶液を添加、攪拌することに
よって製造される。
このような(メタ)アクリロキシ基含有アルコキシシ
ランの加水分解物は、単独であるいは2種以上を組合せ
て用いてもよい。しかして(メタ)アクロキシ基含有ア
ルコキシシランは、通常コーティング組成物中に固形分
換算で2〜40重量%、好ましくは3〜35重量%含まれ
る。すなわち、2重量%未満であると、得られる合成樹
脂成形品において硬化膜と基材樹脂との密着性が十分と
ならず、一方、40重量%を超える場合には、製造時に基
材樹脂と鋳型との剥離不良が発生し外観の良好な合成樹
脂成形品が得られない虞れがある。
また(B)成分であるその他のアルコキシシランの加
水分解物としては、例えば一般式(III) R4 l−Si−(OR54-l (III) (但し式中R4は、炭素数1〜6の同じまたは異なるアル
キル、シクロアルキル、アルケニル、フェニルあるいは
これらのハロゲン、アミノ、エポキシ、グリシド、グリ
シジル、メルカプトなどの置換体であり、R5は炭素数1
〜5、好ましくは1〜4の同じまたは異なるアルキル、
アルコキシアルキルであり、またlは0〜3の整数であ
る。)で表わされる化合物の加水分解物がある。一般式
(III)で表わされる化合物としては、具体的には、ト
リメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テ
トラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラ
ブトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチル
ジエトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、フェニ
ルトリエトキシシラン、シフェニルジエトキシシラン、
フェニル(メチル)ジエトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、ビニル(メチル)トリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、γ,γ,γ−トリフル
オロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−ビス(β−ヒドロキシ
エチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル(メチ
ル)ジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピル(メトキシエトキ
シ)シラン、γ−グリシジルプロピルトリエトキシシラ
ン、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピルトリメトキ
シシランなどが含まれる。
(B)成分であるその他のアルコキシシランの加水分
解物は(A)成分の場合と同様上記のごときアルコキシ
シランのアルコキシ基あるいはアルコキシアルコキシ基
の一部または全部が水酸基に置換されたものおよび置換
された水酸基同志が一部縮合したものを含んでいる。こ
れらの加水分解物は公知のように、例えば純水または塩
酸などの酸性水溶性を添加、攪拌することによって製造
される。
このようなその他のアルコキシシランの加水分解物
は、単独であるいは2種以上を組合せて用いてもよい。
しかしてその他のアルコキシシランの加水分解物は、固
形分換算で本発明のコーティング組成物の10〜88重量
%、好ましくは15〜70重量%含まれる。すなわち、10重
量%未満であると、基材樹脂と鋳型との剥離不良が発生
し、外観の良好な成形品が得られず、一方、88重量%を
越えると表面薄膜と基材樹脂原料との密着性が十分なも
のとはならない虞れがある。
また(C)成分であるシリカゾルとは、分散媒、たと
えば水またはアルコールなどの勇気分散媒に無水ケイ酸
の微粒子、好ましくは粒径1〜100ミリミクロンの微粒
子を分散させたコロイド溶液であり、周知の方法で製造
され市販されているものである。なおシリカゾルにおけ
る固形分は、全重量の20〜40%程度である。しかしてシ
リカゾルは固形分換算で本発明のコーティング組成物の
10〜70重量%、好ましくは20〜65重量%含有される。す
なわち10重量%未満では、耐摩耗性(特にテーバー摩
耗)の向上が十分ではなく、耐候性もよくなく、一方、
70重量%を越える場合は、成膜が十分になされない虞れ
がある。
(D)成分であるアルコール可溶性アルカリ樹脂とし
ては、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル
重合体および/またはヒドロキシル基含有(メタ)アク
リル酸エステルと他のビニル化合物との共重合体が挙げ
られる。
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルとし
ては、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタ
クリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、
グロセロールジメタクリレート、グリセロールモノニメ
タクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシプロピルアクリレート、ポリプロピレングリコール
アクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、
グリセロールジアクリレート、グリセロールモノアクリ
レートなどがある。また他のビニル化合物としては、メ
タクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、イソブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリ
シジルメタクリレート、アクリル酸、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、
クロルスチレン、ヒドロキシスチレン、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、一般
式(I)で表わされるアクリロイル基含有アルコキシシ
ランなどがある。
このアルコール可溶性アクリル樹脂は、数平均分子量
500〜100,000、好ましくは1,000〜30,000であり、固形
分換算で本発明のコーティング組成物の0.1〜15重量
%、特に0.3〜5重量%含まれていることが好ましい。
すなわち、該アクリル樹脂が0.1重量%未満の場合は、
型と表面薄膜との密着性が十分でなく、塗膜の乾燥条件
が狭い範囲に制限されるばかりでなく、成形品にヒケあ
るいは表面にあるべき擦傷性表面薄膜が基材樹脂内部に
とり込まれる等の外観欠点が発生しやすい。一方、15重
量%を越える場合には耐候性試験における表面薄膜と基
材との密着性低下のおそれがある。
本発明のコーティング組成物は上記のような(A)
(メタ)アクリロキシ基含有アルコキシシランノ加水分
解物、(B)その他のアルコキシシランの加水分解物、
(C)シリカゾルおよび(D)アルコール可溶性アクリ
ル樹脂をそれぞれ所定量ずつ混合して得ることができる
が、(メタ)アクリロキシ基含有アルコキシシランとそ
の他のアルコキシシランおよびシリカゾルとを混合した
後、同時に共加水分解し、さらにアルコール可溶性アル
コール樹脂を加えて得ることもできる。
本発明ののコーティング組成物の硬化にあっては、硬
化を促進する目的で各種の硬化剤が使用できる。これら
の硬化剤としては、例えば、過塩素酸アンモニウム、過
塩素酸、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、スルホン酸、パラ
トルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素及びその電子供与
体との錯体、SnC|4、ZnC|3、FeC|3、A|C|3、SbC|5、TiC
|4などのルイス酸およびその錯体、酢酸ナトリウム、ナ
フテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸亜鉛、
オクチル酸スズ等の有機酸金属塩、ホウフッ化亜鉛、ホ
ウフッ化スズ等のホウフッ化金属塩類、ホウ酸エチル、
ホウ酸メチル等のホウ酸有機エステル類、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ類、テトラブトキシ
チタン、テトライソプロポキシチタン等のチタネートエ
ステル類、グロムアセチルアセトネート、チタニルアセ
チルアセテート、アルミニウムアセチルアセトネート、
コバルトアセチルアセトネート、ニッケルアセチルアセ
トネート、銅アセチルアセトネート、マンガンアセチル
アセトネート等の金属アセチルアセトネート類、n−ブ
チルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチル
アミン、グアニジン、ピグアニド、イミダゾール等のア
ミン類等が挙げられる。これらの硬化剤のうち好ましく
は、トリ−n−ブチルアミンなどのようなアミン系硬化
剤であり、型の温度が高い場合には、アミン系硬化剤と
金属アセチルアセトネート類との組み合せが特に好まし
い。
また本発明のコーティング組成物は、使用に際して、
通常は塗布に適した温度に希釈される。用いられる溶剤
としては、アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロ
ソルブ類、エステル類、ハロゲン化物、カルボン酸類、
芳香族化合物類、脂肪族炭化水素類などを挙げることが
でき、これらは1種または2種以上の混合物として用い
ることができる。これらは溶剤のうち特に好ましくは、
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロ
パノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−
ブタノール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコー
ル、イソブチルメチルケトン、ジプロピルケトン、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、
酢酸メチルセロソルブ、酢酸セロソルブ、メチルジアセ
トンエーテル、シクロヘキサノン、ギ酸、酢酸、酪酸、
トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢
酸アミル、ペンタアセテート、、乳酸メチル、乳酸エチ
ル等である。
本発明において、型温が常温または比較的低温の場合
には低沸点の溶剤を単独もしくは混合してまたは高沸点
溶剤と混合して用いられるが、型温が65〜110℃のよう
な高温に保たれる場合には、上記組成では耐擦傷性被膜
が発泡外観を示すので、この発泡をさけるため、沸点が
90〜180℃で酢酸n−ブチルの蒸発速度を100としたとき
蒸発速度が25℃において5〜150である溶剤を溶媒分換
算で20〜98重量%、好ましくは40〜85重量%配合するこ
とが必要である。ここで蒸発速度とは、酢酸n−ブチル
の蒸発時間を試料溶剤の蒸発時間で除し、100をかけた
ものをいう。
また本発明において、コーティング組成物の反応性を
コントロールする目的のため溶媒分換算で5〜30重量
%、好ましくは10〜20重量%の水を添加することもでき
る。
さらに本発明のコーティング組成物中には、必要に応
じて、塗膜表面の摩擦係数向上のためにレベリング剤を
添加することができる。レベリング剤としては、市販
の、例えば住友スリーエム製FC−431(商品名)のよう
なフッ素系界面活性剤や、トーレシリコーン社製SH−28
(商品名)のようなシリコーン系界面活性剤などを用い
ることができる。これらのレベリング剤の添加量は少量
で十分であり、組成物全体に対し0.01〜5重量%程度で
よい。
また、本発明のコーティング組成物中に、紫外線吸収
剤や酸化防止剤などの劣化防止剤、顔料や試料などの着
色剤、アルミナゾル、グラファイト、ガラス繊維、炭素
繊維などの充填剤を含有させることは任意である。
本発明のコーティング組成物は、アクリル系樹脂、ア
リルジグリコールカーボネートおよびスチレン系樹脂等
の合成樹脂成形品に適用でき、特にメチルメタクリレー
ト単独重合体、メチルメタクリレートを主成分とする他
の共重合し得る単量体との共重合身体および「CR−39」
として知られるジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネートなどのような合成樹脂成形品の表面特性を改良す
るために好ましく用いられる。
本発明のコーティング組成物による薄膜には、例えば
以下のようにして合成樹脂成形品の表面に付与される。
まず上記のごときコーティング組成物は、例えばステ
ンレス鋼、無機ガラス板などにより組立てられる通常用
いられる鋳型の内面となる部位へ刷毛塗り、スプレー、
ロールコーターなどの適当な手段で、泡やムラのないよ
うに均一に塗布され、100゜〜140℃で2〜15分間程度加
熱乾燥させ鋳型の内面となる部位に0.003〜0.1mmの厚さ
の薄膜を形成する。また型温が65〜110℃のような高温
に保たれる場合にも、溶媒および硬化剤を上述の如く選
定することによって、塗布後5〜15分程度放置して同様
に薄膜を形成できる。次に、鋳型を組立て、その間に基
材樹脂原料と重合開始剤との混合物を注入する。なお基
材樹脂原料としては、上記のごとき合成樹脂の常圧で液
状の鋳込重合可能な単量体または部分重合体が挙げられ
る。重合開始剤としては、油溶性の過酸化物、アゾ化合
物のような公知のラジカル重合開始剤が一般に使用可能
である。また、必要に応じて、可塑剤、難燃化剤、着色
剤、紫外線吸収剤などの助剤または添加剤を基材樹脂原
料中に添加することも可能である。基材樹脂原料を注入
後、常法により重合させた後、鋳型から成形品を剥離す
ると表面に耐擦傷性を有する表面薄膜が付着している樹
脂成形品が得られる、この表面は、小皺、凹凸などの外
観不良がなく、鋳型の表面を完全に写しとることがで
き、鋳型からの取外しも容易である。
また片面のみ表面薄膜を付与した鋳型を使用すること
によって片面のみ高い耐摩耗性を有する樹脂成形品を製
造することも可能である。
(実施例) 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン14重
量部(固形分換算5.1重量部)、メチルトリエトキシシ
ラン233重量部(固形分換算44.3重量部)、メタノール
シリカゾル325重量部(固形物換算49.1重量部)および
イソプロピルアルコール125重量部を混合し、20〜25℃
の温度下に攪拌しながら0.02N−塩酸150重量部を滴下す
る。滴下終了後1時間室温に放置し熟成する。これにヒ
ドロキシプロピルメタクリレート0.7重量部、メチルメ
タクリレート0.7重量部、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン0.1重量部、アゾビスイソブチロニ
トリル0.01重量部およびイソプロピルアルコール5重量
部を混合溶解し、90℃、30分間重合させた溶液を加え
る。さらに酢酸6重量部、ブチルセロソルブ140重量
部、シリコーン系界面活性剤(トーレシリコーン製;SH
−28)1.5重量部、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウン
デセン−7 0.5重量部を加えて調製した。得られたコ
ーティング組成物は、固形分濃度20重量%、粘度6セン
チポイズ(20℃)の青白色半透明液であった。
このコーティング組成物をガラス板の片面にアプリケ
ータで表面薄膜の厚みが0.005mmになるように均一に塗
布し、オーブン中で120℃で5分間加熱乾燥の後、2枚
のガラスを表面塗膜が内側となるように対向させ、樹脂
板が5mm厚になるように塩化ビニルガスケットで組み立
てられたセルにアゾイソブチルロニトリル0.5重量%を
含むメタクリル酸メチル部分重合体を注入し、60℃で8
時間、次いで120℃で2時間加熱重合させた。冷却後ガ
ラス板から得られた重合樹脂板を剥離すると、表面薄膜
は完全にメタクリル樹脂板の方に移行し、かつ表面に凹
凸がなく光学歪のないきれいな表面を有する樹脂板が得
られた。このコーティング物はスチールウールで強く摩
擦しても傷がつかず、紫外線暴露試験機(東洋精機製、
ALTAS−UVCON)湿潤50℃4時間→70℃紫外線暴露のみ8
時間のサイクルで700時間の耐候性試験後においても密
着性、耐擦傷性ともに暴露前と変わらず全く変化が認め
られなかった。これらの結果を第1表に示す。
なお、密着性は碁盤目試験により行ない、剥離しない
部分の割合を%で示した。耐擦傷性は、試験片の表面に
#000のスチールウールの治具を一定荷重(100g/cm2
下で押し付け一定速度で50回往復させ擦傷前後の曇価の
差を摩耗値とした。なお曇価は次の式によって表わされ
る。
実施例2〜4および比較例1〜3 実施例1と同様にして第1表で示す配合のコーティン
グ組成物を調製し、樹脂板を製造した。得られた樹脂板
の性能を実施例1と同様に調べた。実施例2〜4では、
表面薄膜は完全にメタクリル樹脂板の方に移行し、かつ
表面に凹凸がなく、光学歪のないきれいな表面を有する
樹脂板が得られ、また第1表に示す結果からも明らかな
ように、密着性も良く、スチールウールで強く摩擦して
も傷がつかなかった。これに対し比較例1では薄膜の密
着性が得られず、比較例2ではガラス板上での表面薄膜
を形成できず、比較例3では表面薄膜は樹脂板に移行す
るもののテーバー摩耗値が高く、コーティング効果が十
分でないなどの結果であった。
実施例5 実施例1で得たコーティング組成物1,000重量部にエ
チルセロソルブ517重量部を加えた後、35℃以下にて系
中より低沸点溶媒をエチルセロソルブに相当する量減圧
回収する。得られた組成物は固形分濃度20重量%で高沸
点溶媒/低沸点溶剤の割合がほぼ85/15の高温タイプ用
組成物である。このコーティング組成物を、100℃に一
定加温中のステンレス板5mm厚にスプレー法で表面薄膜
の厚味が0.02mmになるように均一に塗布し、10分間放置
乾燥の後、加温をやめ2枚のステンレス板を表面薄膜が
内側となるように対向させ樹脂板が5mm厚になるように
塩化ビニル樹脂製のガスケットで組立てられたセルに、
アゾイソブチロニトリル0.5重量%を含むメタクリル酸
メチル部分重合体を注入し、60℃で8時間、次いで120
℃で2時間加熱重合させた。冷却後ガラス板から得られ
た重合樹脂板を剥離すると、表面薄膜は完全にメタクリ
ル樹脂板の方に移行し、かつ表面に凹凸がなく光学歪の
ないきれいな面を有する樹脂板が得られた。これらの結
果を実施例1と同様の方法で評価し、その結果を第1表
に示す。
実施例6,比較例6 実施例1のコーティング剤およびアルコール可溶性ア
クリル樹脂を含まない他は実施例1と同様の組成・方法
で調製したコーティング剤を250×200×10mm厚のガラス
板に乾燥後の膜厚が5μm程度になるようにスプレー塗
装し、出力3Kwの遠赤外線乾燥機でヒータ面板温度380
℃、雰囲気温度130℃、照射距離70mmおよび加熱時間10
分の条件下で加熱したところ、後者のコーティング剤を
塗布したものでは表面薄膜にクラックが発生しガラスが
冷却するにしたがって表面薄膜片が剥離したのに対し
て、前者のコーティングを塗布したものではクラックは
発生せず冷却後においてもガラスと表面薄膜との密着性
は十分であった。
実施例7,比較例7 (a)実施例1のコーティング剤、(b)アルコール
可溶性アクリル樹脂を固形分換算で0.4重量%含む他は
実施例1と同様の組成・方法で調製したコーティング剤
および(c)アルコール可溶性アクリル樹脂を含まない
他は実施例1と同様の組成・方法で調製したコーティン
グ剤を一定温度に加温されているクロムメッキした金属
型に乾燥後の膜厚が20μm程度になるようにスプレー塗
布し、放置時間に対する表面薄膜と型との密着性を調べ
た。その結果を第2表に示す。
(発明の効果) 以上述べたように本発明は、(A)(メタ)アクリロ
キシ基含有アルコキシシランの加水分解物、(B)その
他のアルコキシシランの加水分解物、(C)シリカゾル
および(D)アルコール可溶性アクリル樹脂よりなるコ
ーティング組成物であるから、表面薄膜と型との密着性
が向上し、膜形成条件を広範囲にとることができるた
め、生産条件安定化とヒケあるいは膜のとり込まれなど
の製品欠点発生を防止でき、耐摩耗性にムラがなく暴露
後の耐擦性、密着性低下もない、耐擦傷性、外観性およ
び耐候性に優れた成形品を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石垣 勝 大阪市東区備後町2丁目45番地 日本精 化株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−92846(JP,A) 特開 昭60−135465(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】型内面に塗布されあらかじめ加熱乾燥され
    て薄膜を形成したのち、型内で基材樹脂原料を重合する
    ことにより合成樹脂成型品表面に被膜形成される型塗布
    用として用いられるコーティング組成物であって、固形
    分換算で(A)(メタ)アクリロキシ基含有アルコキシ
    シランの加水分解物2〜40重量%、(B)その他のアル
    コキシシランの加水分解物10〜88重量%、(C)シリカ
    ゾル10〜70重量%および(D)アルコール可溶性アクリ
    ル樹脂0.1〜15重量%よりなることを特徴とするコーテ
    ィング組成物。
  2. 【請求項2】アルコール可溶性アクリル樹脂がヒドロキ
    シ基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体および/ま
    たはヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルと他
    のビニル化合物との共重合体である特許請求の範囲第1
    項に記載のコーティング組成物。
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