JP2531030B2 - 電子楽器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、いわゆるデモ曲の自
動転送機能を備えた電子楽器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より入門者用の電子楽器などにはデ
モストレーション用の自動演奏曲（デモ曲）が記憶され
ているものがある。デモ曲は、一般的には特定のスイッ
チ（デモスイッチ）をオンするのみで演奏を開始させる
ことができる。この自動演奏機能により、利用者は、電
子楽器がどのような機能を備えているかを知ることがで
き、また、販売店などにおいて展示するとき自動演奏を
行い顧客の注意をひくこともできる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電子楽
器は、数分間のデモ曲を一曲記憶しているのみであっ
た。このため、店頭でデモストレーションを行う場合に
は数分毎に同じ曲を繰り返すのみになるため単調であ
り、顧客の注意を充分に喚起することができない欠点が
あった。また、最近の電子楽器には、外付けＲＯＭなど
の外部記憶装置に複数の曲を記憶しておき、これを本体
にセットして自動演奏できるものも実用化されている
が、この電子楽器であっても、選択動作によって指定さ
れた一曲を一回自動演奏するのみの機能であるため店頭
におけるデモストレーションなどに用いることができな
い欠点があった。

【０００４】この発明は、内部記憶手段に記憶されてい
る演奏データおよび外部記憶手段に記憶されている演奏
データの両方を用いてデモ演奏をすることができる電子
楽器を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、演奏データ
がセットされた内部記憶手段と、演奏データが記憶され
た外部記憶手段がセットされるセット手段と、入力され
た演奏データに基づいて楽音信号を形成する楽音信号形
成手段と、前記外部記憶手段がセットされていないとき
には内部記憶手段の演奏データを読み出して前記楽音信
号形成手段に入力し、前記外部記憶手段がセットされて
いるときには内部記憶手段および外部記憶手段両方の演
奏データを読み出して前記楽音信号形成手段に１曲づつ
順次入力して、内部記憶手段の演奏データと外部記憶手
段の演奏データを連続して再生する自動演奏手段と、を
設けたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】この発明の電子楽器では演奏データを記憶する
手段として内部記憶手段および外部記憶手段を備えてい
る。外部記憶手段はセット手段にセットされる。したが
って外部記憶手段はセット手段にセットされている場合
とされていない場合とがある。そこで、自動演奏手段
は、外部記憶手段がセットされていない場合には内部記
憶手段のみの読み出しを行い、外部記憶手段がセットさ
れている場合には内部記憶手段および外部記憶手段両方
の読み出しを１曲ずつ順次行う。読み出された演奏デー
タは楽音信号形成手段に入力され、演奏データに基づく
楽音信号の形成が実行される。これによって外部記憶手
段がセットされいていないときでもデモ演奏が可能にな
るとともに外部記憶手段がセットされているときには複
数種類のデモ演奏が連続して行われるため自動演奏が単
調になることがない。

【０００７】

【実施例】図面を参照してこの発明の実施例を説明す
る。この発明の実施例は鍵盤および音源部，アンプを備
えた所謂オールインワンの一般的な電子楽器であり、特
定スイッチであるデモスイッチをオンすることによって
デモ曲が自動演奏される。デモ曲は内蔵のＲＯＭに記憶
されているとともに、フロッピィディスクドライブにセ
ットされるフロッピィディスクに複数記憶されている。
デモ曲用のフロッピィディスクがセットされていないと
きには内蔵のデモ曲のみを自動演奏し、フロッピィディ
スクがセットされている場合にはフロッピィディスク内
に記憶されているデモ曲および内蔵のデモ曲を連続して
自動演奏する。

【０００８】図１はこの発明の実施例である電子楽器の
ブロック図である。この電子楽器の動作はＣＰＵ１０に
よって制御される。ＣＰＵ１０にはバス１１が接続され
ている。バス１１にはこのほか、ＲＯＭ１２，ＲＡＭ１
３，デモ用ＲＯＭ１４，フロッピィディスク検出回路１
５，フロッピィディスクドライブ２１，押鍵検出回路１
６，スイッチ検出回路１７，表示回路１８および音源回
路１９が接続されている。また、フロッピィディスクド
ライブ２１はフロッピィディスク検出回路１５にも接続
されている。押鍵検出回路１６には鍵盤２２が接続され
ている。スイッチ検出回路１７にはパネルスイッチ２３
が接続されている。さらに、音源回路１９にはアンプ，
スピーカなどを備えたサウンドシステム２４が接続され
ている。

【０００９】ＲＯＭ１２はこの電子楽器の動作を制御す
るプログラムなどを記憶しており、ＲＡＭ１３には各種
レジスタなどが設定される。デモ用ＲＯＭ１４にはデモ
ンストレーション用の自動演奏データが記憶されてい
る。フロッピィディスク検出回路１５はフロッピィディ
スクドライブ２１にフロッピィディスクがセットされて
いるか否かを検出するための回路である。鍵盤２２は５
オクターブの音域のキーを備えている。押鍵検出回路１
６は鍵盤２２の各キーがオンされているか否かを検出す
る回路である。スイッチ検出回路１７はパネルスイッチ
２３の各スイッチのオン／オフを検出する。パネルスイ
ッチ２３にはデモスイッチ２３ａが含まれている。デモ
スイッチ２３ａはデモ演奏をスタート／ストップさせる
ためのスイッチである。音源回路１９は複数の発音チャ
ンネルを備えており、ＣＰＵ１０から送られてくる演奏
データに基づいて所定の楽音信号を形成する。形成され
た信号はサウンドシステム２４に入力され、音響として
出力される。

【００１０】図２〜図６は同電子楽器の動作を示すフロ
ーチャートである。

【００１１】図２はメインルーチンを示している。メイ
ンルーチンの最初には先ずイニシャライズ動作が実行さ
れる。イニシャライズ動作とはレジスタのリセットやリ
セットデータの読み込みなどの動作である。この動作は
この電子楽器の電源スイッチがオンされたときに実行さ
れる。こののち、押鍵処理（ｎ２），ＦＤ処理（ｎ
３），デモ演奏処理（ｎ４），その他の処理（ｎ５）を
繰り返し実行する。押鍵処理（ｎ２）は通常のキーオン
／オフに対応してそのデータをＣＰＵ１０が音源回路１
９に送信する動作であり、音源回路１９はこれに基づい
て楽音信号のオン／オフ動作を行う。ＦＤ処理（ｎ３）
はフロッピィディスクドライブ２１にフロッピィディス
クが挿入されているか否かを検出する動作であり、詳細
は図４に示す。デモ演奏処理（ｎ４）はデモスイッチ２
３ａのオン／オフに対応する動作であり、一回目のオン
が行われた時にはデモ用ＲＯＭ１４またはフロッピィデ
ィスクドライブ２１に挿入されているフロッピィディス
クの演奏データを読み出して自動演奏（デモ演奏）を開
始し、２回目のスイッチオンが行われたときにこの演奏
動作を停止する。その他の処理（ｎ５）は、メインボリ
ュームの制御動作や音色パラメータの送信動作などであ
る。

【００１２】図３はタイマインタラプト動作である。こ
の動作は１０ミリセカンドに１回の間隔で実行されテン
ポクロックカウンタＴＣを１づつ加算していく動作であ
る。

【００１３】テンポクロックカウンタＴＣは自動演奏動
作が開始されるときリセットされる。

【００１４】図４はＦＤ処理を示すフローチャートであ
る。この動作においては、ｎ１０，ｎ１５でフロッピィ
ディスクの挿入または取出動作があったか否かを判断す
る。

【００１５】ディスクの挿入があった場合にはｎ１０の
判断でｎ１１〜ｎ１４の動作を行う。

【００１６】ｎ１１では挿入されたフロッピィディスク
のインデックスデータを読み込む。読み込まれたインデ
ックスデータ中にデモ曲の自動演奏データがあるか否か
を判断する（ｎ１２）。デモ曲のデータがある場合には
ディスクデモフラグＤＤＥＭＯに１をセットする（ｎ１
３）。デモ曲の演奏データがない場合にはこの動作をス
キップする。こののちディスクデータを読み出すための
その他の処理を実行して（ｎ１４）リターンする。一
方、セットされていたフロッピィディスクの取出があっ
た場合にはＤＤＥＭＯに０をセットして（ｎ１６）リタ
ーンする。

【００１７】図５，図６はデモ演奏処理を示すフローチ
ャートである。まずｎ２０でデモスイッチ２３ａのオン
があったか否かを判断する。オンがあった場合にはｎ２
１〜ｎ２６の動作を実行する。ｎ２１ではデモ演奏フラ
グＤＥＭＯの１／０を反転する。この動作の結果ＤＥＭ
Ｏが１になった場合には自動演奏（デモ演奏）動作の開
始であるため、準備動作を実行する。テンポクロックレ
ジスタＴＣをクリアし（ｎ２３）、デモ曲ポインタＮに
１をセットする（ｎ２４）。次にデモ曲の演奏データを
バッファリングするデモ用バッファをクリアし（ｎ２
５）、曲番号Ｎのデモデータの先頭アドレスを指示する
（ｎ２６）。つぎに、ＤＥＭＯが１か否かを判断し（ｎ
２７）、１の場合にはｎ２８以下の自動演奏処理を実行
する。

【００１８】ｎ２８ではＤＤＥＭＯが１であるか否かを
判断し、１の場合にはディスク内に記憶されているデモ
データをデモ用バッファに書き込む（ｎ２９）。この動
作は、バッファにデータがない場合およびバッファから
のデータの読み出しがある程度以上進んでいるときに続
きのデータをフロッピィディスクから読み出してバッフ
ァに書き込む動作である。次にデモ曲ポインタＮおよび
テンポクロックに基づきデモ用バッファおよびデモ用Ｒ
ＯＭに記憶されているデモ演奏データを音源へ出力す
る。読み出された演奏データにエンドデータがあるか否
かを判断し（ｎ３１）、エンドデータであれはＤＤＥＭ
Ｏを判断する。ＤＤＥＭＯが１であればフロッピィディ
スクとデモ用ＲＯＭ１４とで複数のデモ曲が記憶されて
いるためデモ曲ポインタＮに１を加算する（ｎ３３）。
加算の結果Ｎが６になれば全デモ曲の演奏を終了したた
め、Ｎを１に戻す（ｎ３４，ｎ３５）。すなわち、この
電子楽器ではデモ用ＲＯＭ１４に記憶されているデモ曲
をＮ＝１で識別し、フロッピィディスクに記憶される４
曲のデモ曲はＮ＝２〜５で識別するようにしている。

【００１９】以上の動作の結果Ｎで識別されるデモ曲の
演奏データの先頭アドレスを指示し（ｎ３６）、テンポ
クロックレジスタＴＣをリセットして（ｎ３７）リター
ンする。

【００２０】以上の動作によりフロッピィディスクが挿
入されているときにはデモ用ＲＯＭ１４に記憶されてい
る演奏データに続いてフロッピィディスクに記憶されて
いる最大４曲の演奏データを自動的に再生することがで
きる。デモ用の曲の長さを２分〜３分としても、全曲を
演奏するのに１０分〜１５分の時間を要するため、店頭
のデモストレーションに用いても単調になることがなく
顧客の関心をひくことができる。

【００２１】なお、この実施例では外部記憶媒体として
フロッピィディスクを用いたが、半導体メモリなどを用
いて演奏データを供給するようにしてもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上のようにこの発明の電子楽器では、
外部記憶媒体がセットされているときには外部記憶媒体
および内部記憶媒体に記憶されている演奏データの双方
を読み出して各々の演奏データを順次自動再生すること
により長時間の自動再生が可能になり、短い曲を繰り返
し演奏することによる単調さを無くすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】はこの発明の実施例である電子楽器のブロック
図

【図２】は同電子楽器の動作を示すフローチャート

【図３】は同電子楽器の動作を示すフローチャート

【図４】は同電子楽器の動作を示すフローチャート

【図５】は同電子楽器の動作を示すフローチャート

【図６】は同電子楽器の動作を示すフローチャートであ
る。

【符号の説明】

１４−デモ用ＲＯＭ、２１−フロッピィディスクドライ
ブ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】演奏データがセットされた内部記憶手段
   と、 演奏データが記憶された外部記憶手段がセットされるセ
   ット手段と、 入力された演奏データに基づいて楽音信号を形成する楽
   音信号形成手段と、 前記外部記憶手段がセットされていないときには内部記
   憶手段の演奏データを読み出して前記楽音信号形成手段
   に入力し、前記外部記憶手段がセットされているときに
   は内部記憶手段および外部記憶手段両方の演奏データを
   読み出して前記楽音信号形成手段に１曲づつ順次入力し
   て、内部記憶手段の演奏データと外部記憶手段の演奏デ
   ータを連続して再生する自動演奏手段と、 を設けたことを特徴とする電子楽器。