JP2526927Y2 - 歯車装置 - Google Patents

歯車装置

Info

Publication number
JP2526927Y2
JP2526927Y2 JP1993008998U JP899893U JP2526927Y2 JP 2526927 Y2 JP2526927 Y2 JP 2526927Y2 JP 1993008998 U JP1993008998 U JP 1993008998U JP 899893 U JP899893 U JP 899893U JP 2526927 Y2 JP2526927 Y2 JP 2526927Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
tooth
resin
metal
meshing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1993008998U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0662255U (ja
Inventor
一郎 上村
武美 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP1993008998U priority Critical patent/JP2526927Y2/ja
Publication of JPH0662255U publication Critical patent/JPH0662255U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2526927Y2 publication Critical patent/JP2526927Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gear Transmission (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、主としてエンジンに
使用される歯車装置に関し、詳しくは金属製ギヤと樹脂
製ギヤとからなる歯車装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンにおけるギヤ音の低減、
コストダウンおよび軽量化などの観点から、ギヤの樹脂
化が普及している。こうした樹脂製ギヤは、一般的にナ
イロン樹脂などの熱可塑性樹脂により一体成形で製造さ
れている。
【0003】上記した樹脂製ギヤは、一方の歯面を歯幅
方向に沿って見た歯すじ形状を歯厚方向に拡大した図3
に示すように、成形後の収縮ひけにより、理想的な歯す
じ形状21dに対して歯の中央部分21aが凹状にやや
へこむとともに歯端付近21bが凸状にやや膨らむ傾向
がある。さらに、金型合わせ部においてギヤ21の歯端
縁に沿って、成形圧力によるバリ21cが発生し易い。
【0004】そこで、樹脂製ギヤ21の歯端付近におけ
る凸部やバリの影響を少なくするするため、図5(a)の
ように金属製ギヤ31の歯幅を樹脂製ギヤ21のそれよ
りも狭くすると、噛み合い幅が小さくなるために面圧が
上昇し、図5(b)のように樹脂製ギヤ21の歯面が段状
に摩耗してこの段付き摩耗箇所22が徐々に進行するの
で、耐久性に問題がある。そのため、樹脂製ギヤを金属
製ギヤと組み合わせる場合には、従来は、図4のよう
に、金属製ギヤ31の歯幅を樹脂製ギヤ21のそれより
もやや広くしている。
【0005】なお、その他の先行技術として、特公昭5
9−41056号公報に記載のものがある。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂製
ギヤを歯幅をやや広くした金属製ギヤと組み合わせて歯
車装置を構成する場合(図4)に、以下のような不都合
がある。
【0007】1)樹脂製ギヤの歯幅中央部分にて金属製
ギヤとのバックラッシを適正値に設定すると、歯端部で
はひけによる凸部とバリによりバックラッシがゼロ以下
(マイナス)になるため、特に運転初期にヒューヒュー
というセリ音が発生する。
【0008】2)上記1)のセリ音の発生を避けるた
め、歯端部でバックラッシを適正値に設定すると、摺合
わせ運転後にバリが除去されてバックラッシが増大する
ため、トルク変動によりガタガタというガラ音が発生す
る。
【0009】3)成形後に樹脂製ギヤのバリ取りのた
め、バフがけなどの仕上げ加工を行うと、加工工程が増
えてコストアップとなる。
【0010】4)樹脂製ギヤの成形条件・後処理条件に
より、ひけによる歯端部の凸量およびバリ高さのばらつ
きが大きいため、金属製ギヤとの噛み合いが不安定であ
る。
【0011】この考案は上述の点に鑑みなされたもの
で、樹脂製ギヤの耐久性を損なわすことなく、ひけによ
る歯端部の凸部およびバリに起因する噛み合い不良を回
避し、金属製ギヤとの安定した噛み合いを実現する歯車
装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために本考案の歯車装置は、a)歯幅が歯元部分でほぼ等
しく相互に噛合する金属製ギヤと樹脂製ギヤとを備えた
歯車装置であって、b)前記金属製ギヤの歯幅方向の少な
くとも一方の端部を、歯先から歯元付近にかけて歯の端
面全体にわたって歯丈方向に対し傾斜するように面取り
し、c)前記金属製ギヤの面取りした部分の歯元付近が、
前記樹脂製ギヤの歯先の端部より内側を通るように相互
に噛合させている
【0013】
【作用】上記の構成を有する本考案の歯車装置によれ
ば、金属製ギヤの歯端部が歯の端面全体にわたり歯丈方
向に対し傾斜させて歯元付近まで面取りされているた
め、樹脂製ギヤに対する金属製ギヤの歯端部との噛み合
いを、樹脂製ギヤの歯端部の凸部やバリの影響を受けに
くい箇所に設定することができ、これによりバックラッ
シのばらつきが少なくなる。
【0014】また、金属製ギヤの歯幅を樹脂製ギヤのそ
れよりも狭くした場合(図5(a)参照)に比べて、図2
(b)の斜線部分の噛み合い幅が増加するため、樹脂製ギ
ヤに作用する面圧を低下させることができ、耐久性の向
上が図られる。
【0015】さらに、樹脂製ギヤは成形後の収縮ひけに
より、インボリュート歯形形状に比べて歯先側の歯厚が
薄くなって逃げる傾向があるため、歯元側の面圧が上昇
する傾向にあるが、本考案では金属製ギヤの歯端部を
の端面全体にわたって面取りし歯丈方向に対して傾斜さ
せているから、図2(c)に示すように、歯端部における
樹脂製ギヤとの噛み合い、A点からB点へと変位して
いくので、インボリュート歯形形状に沿った理想の噛み
合わせに近付き、樹脂製ギヤの歯元側の面圧上昇が緩和
される。
【0016】
【実施例】以下、本考案の歯車装置の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0017】図1は本実施例にかかる歯車装置の一部を
示す斜視図で、同図において、本実施例の歯車装置1
は、ナイロン66樹脂などの熱可塑性樹脂により一体形
成されたはすば歯車からなる樹脂製ギヤ2に対し、はす
ば歯車からなる金属製ギヤ3を噛合させた、2つのギヤ
2・3により構成されている。なお各ギヤ2・3は、は
すば歯車でなく、たとえば平歯車であってもよい。
【0018】金属製ギヤ3は、図2(a)に示すように樹
脂製ギヤ2と歯幅が歯元部分でほぼ等しく(正確には、
金属製ギヤ3の方がやや広い)、歯の両端部3a・3a
を、歯先円径3sに対して約45゜の傾斜角度で面取り
している。図2(a)中の符号4は樹脂製ギヤ2により駆
動される回転軸のフランジで、これと補強部材4bで樹
脂製ギヤ2のリム部2bが挟持され、止具4aで一体に
結合されている。
【0019】金属製ギヤ3の歯端部3aの面取線(歯元
付近)が、樹脂製ギヤ2の歯先の端部よりわずか内側寄
りを通るように、各ギヤ2・3を相互に噛合させて組み
合わせている。つまり、樹脂製ギヤ2の歯端の凸部およ
びバリの影響を受けにくい箇所に、金属製ギヤ3の歯端
部(面取部)3aを噛合させている。そして、両ギヤ2
・3の歯端部付近で、バックラッシを適正値に設定して
る。
【0020】図2(b)は両ギヤ2・3の噛合部分の一端
部を示すもので、図2(c)は図2(b)の樹脂製ギヤ2
のX−X線断面とY−Y線断面とにおける金属製ギヤ3
の噛み合い状態を表している。図2(c)に示すよう
に、金属製ギヤ3との噛み合いは、相対的に樹脂製ギヤ
2のA点からB点へと進行するので、インボリュート歯
形同士の噛み合い状態に近くなる。したがって、樹脂製
ギヤ2の歯元側の面圧上昇が緩和され、金属製ギヤ3と
の円滑かつ安定した噛み合いが得られる。
【0021】上記実施例では、歯車装置1の使用箇所を
具体的に示していないが、たとえばエンジンのクランク
シャフトギヤに金属製ギヤ3が用いられ、このクランク
シャフトギヤと噛合されるカムシャフトギヤに樹脂製ギ
ヤ2が用いられる。とくに限定するものではないが、通
常は金属製ギヤ3が駆動側のギヤに用いられ、従動側の
ギヤに樹脂製ギヤ2が用いられる。また、樹脂製ギヤ2
は、エンジンでは、バランスシャフトギヤやガバナギヤ
などに使用されることが多い。
【0022】ところで、上記実施例では、金属製ギヤ3
の歯の両端部を面取りする場合を示したが、効果はやや
低下するが歯の一方の端部を面取りしても有効である。
【0023】また、金属製ギヤ3の端部を面取りする際
には、歯先より歯元付近まで面取りする必要があるが、
その面取りの角度は、樹脂製ギヤ2の歯端部のひけやバ
リなどの発生状況に応じて適宜設定される。
【0024】さらに、金属製ギヤ3に対し複数の樹脂製
ギヤ2を同時に噛み合わせた歯車装置とすることもでき
る。
【0025】
【考案の効果】以上説明したことから明らかなように、
本考案の歯車装置には、次のような効果がある。
【0026】(1) 樹脂製ギヤの成形後の収縮ひけによる
歯端部の凸部およびバリに起因する噛み合い不良が回避
され、金属製ギヤとの円滑かつ安定した噛み合いが達成
される。
【0027】(2) 金属製ギヤの端部を面取りするだけの
簡単な加工を施すだけで済むから、樹脂製ギヤにバリ取
り等の仕上げ加工を施すのに比べ製造コストが安く、経
済的である。
【0028】(3) 金属製ギヤの端部を面取りしたことに
よる、樹脂製ギヤに対する噛み合い幅の減少は小さいの
で、耐久性にはほとんど影響がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の歯車装置の実施例を示す一部を省略し
た斜視図である。
【図2】図2(a)は図1の歯車装置の一部を拡大して示
す断面図、図2(b)は図1の2つのギヤの噛合部分の一
端部をさらに拡大して示す断面図、図2(c)は図2(b)
の樹脂製ギヤのX−X線断面とY−Y線断面とにおける
金属製ギヤの噛み合い状態の進行過程を拡大して表す、
図2(b)のZ方向矢視図である。
【図3】樹脂製ギヤの一方の歯面を歯幅方向に沿って見
た歯すじ形状を、歯幅方向に対し歯厚方向に100倍程
度拡大して示す平面図である。
【図4】歯幅をやや広くした金属製ギヤと樹脂製ギヤと
の噛み合わせ部分を拡大して示す断面図である。
【図5】図5(a)は歯幅を狭くした金属製ギヤと樹脂製
ギヤとの噛み合わせ部分を拡大して示す断面図、図5
(b)は樹脂製ギヤの歯面に生じた段付き摩耗部分および
それを拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 歯車装置 2 樹脂製ギヤ 3 金属製ギヤ 3a 歯端部(面取部)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯幅が歯元部分でほぼ等しく相互に噛合
    する金属製ギヤと樹脂製ギヤとを備えた歯車装置であっ
    て、 前記金属製ギヤの歯幅方向の少なくとも一方の端部を、
    歯先から歯元付近にかけて歯の端面全体にわたって歯丈
    方向に対し傾斜するように面取りし、前記金属製ギヤの面取りした部分の歯元付近が、前記樹
    脂製ギヤの歯先の端部より内側を通るように相互に噛合
    させた ことを特徴とする歯車装置。
JP1993008998U 1993-02-08 1993-02-08 歯車装置 Expired - Lifetime JP2526927Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1993008998U JP2526927Y2 (ja) 1993-02-08 1993-02-08 歯車装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1993008998U JP2526927Y2 (ja) 1993-02-08 1993-02-08 歯車装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0662255U JPH0662255U (ja) 1994-09-02
JP2526927Y2 true JP2526927Y2 (ja) 1997-02-26

Family

ID=11708362

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1993008998U Expired - Lifetime JP2526927Y2 (ja) 1993-02-08 1993-02-08 歯車装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2526927Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100394072C (zh) * 2001-09-06 2008-06-11 大发工业株式会社 无级变速器

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0262704A (ja) * 1988-08-29 1990-03-02 Nec Kansai Ltd コアブロックの曲面研磨方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0662255U (ja) 1994-09-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7698964B2 (en) Gear
JP4010551B2 (ja) ハス歯ベルト伝動装置
KR101207884B1 (ko) 기어의 제조방법
US5848948A (en) Roller chain timing drive having reduced noise
JP2526927Y2 (ja) 歯車装置
JP2001271912A (ja) 歯車及び歯車装置
JPH05340463A (ja) 平歯車の歯形修正方法および歯形修正平歯車対
JPH06341508A (ja) まがり歯傘歯車の歯形構造
EP0427361A2 (en) Hourglass worm gear
US8033196B2 (en) Resin double helical gear pair
JPH1194052A (ja) 歯 車
JP2002349674A (ja) 樹脂製ウォームホイールの製造法、樹脂製ウォームホイール用素形体
JPH06101718A (ja) スプライン結合構造
JPH08105515A (ja) 歯 車
JP7327835B2 (ja) 歯車部材
JP2570039Y2 (ja) ギ ヤ
JPH08219257A (ja) 歯車並びに歯切り工具
JP4137858B2 (ja) ノンバックラッシュ機構
JPH0596564A (ja) 無機材質歯車
JP2607136Y2 (ja) 樹脂ギヤ
US20230184315A1 (en) Gear drive and longitudinal seat adjustment for a motor vehicle
JP4282339B2 (ja) 歯車の加工方法
JPS6042220Y2 (ja) 自動2輪車におけるキツク始動装置
JPH08103846A (ja) ギアの製造方法
JP2004019673A (ja) 防音スプロケット