JP2525528Y2 - 背凭れ付きシート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は背凭れ付きシートに係り、特に長距離ツーリ
ング等に適した大型で運転者と同乗者の座面の位置が異
なる背凭れ付きシートに関する。

［従来の技術］ 従来から背凭れ付きシートに関しては、例えば第4A図
で示すように、ボトムプレート41上に、クッション材42
を載置して、ワディング材43を表皮45及び裏打ち材44で
挾持して所望形状に形成した表皮部材46を用いて、クッ
ション材42を被覆して形成している。そして、前席Sfと
後席Frの間に背凭れSbを形成する場合には、部品点数等
の問題からボトムプレート41と一体に背凭れSbの支持部
を形成するために、ボトムプレート41を上方に延出した
延出部41aを、背凭れSbに形成していた。

［考案が解決しようとする課題］ 上記第4A図で示すようなダブルシートＳにおいては、
第4B図で示すように、着座すると、表皮部材46及びクッ
ション材42が荷重に応じて同時に圧縮されることとな
り、シートＳの所定部分に集中した状態となる。このた
め長時間の着座において、疲労感が大きくなるという問
題があった。

また背凭れSbの支持部分をボトムプレート41の延出部
41aによって構成しているために、このボトムプレート4
1で背もたれの荷重を受けることとなり、違和感が生じ
たり、ソフト感の不足が生じたりしていた。

本考案の目的は長時間着座した場合において、疲労感
の少ないシートを提供することにある。

本考案の他の目的は、乗り心地を向上させた背凭れ付
きのシートを提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は上記課題を解決するためになされたものであ
り、本考案に係る背凭れ付きシートは、前席と後席の座
面の位置が異なる背凭れ付きシートであって、メインボ
トムプレート上に前記前席と後席の間に立ち上がり部を
有するメインクッション材を載置して、表皮材で前席と
後席を被覆した背凭れ付きシートにおいて、前記メイン
ボトムプレートの上に載置されたメインクッション材の
上にサブボトムプレートを載置し、該サブボトムプレー
トの上にサブクッション材を載置して前記表皮材で被覆
してなり、前記サブボトムプレートは、前記メインクッ
ション材の立ち上がり部に沿った立設部を備えてなるこ
とを特徴とする。

また前記サブボトムプレートがメインボトムプレート
より軟質に形成すると良い。更にメインクッション材が
サブクッション材より硬質に形成すると良い。

［作用］ 本考案の背凭れ付きシートは、上述のように、メイン
ボトムプレートの上に載置されたメインクッション材の
上にサブボトムプレートを載置し、該サブボトムプレー
トの上にサブクッション材を載置して前記表皮材で被覆
してなり、前記サブボトムプレートは、前記メインクッ
ション材の立ち上がり部に沿った立設部を備えてなるの
で、着座によるサブクッション材にかかる荷重をサブボ
トムプレートで受け、メインクッション材に広い面圧で
与えることができ、メインクッション材の荷重特性を有
効に利用できる。また背凭れ部においては、サブボトム
プレートが若干可撓して可動するので、体の動きに合わ
せて弾力を与えることができ、適度なバネ感を与えるも
のである。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
なお、以下に説明する部材，配置等は本考案を限定する
ものでなく、本考案の趣旨の範囲内で種々改変すること
ができるものである。

第1A図乃至第1E図は本考案の第１実施例を示し、本例
のシートＳは長距離搭乗に適した大型のもので、第1A図
で示すように、前席Srと後席Srの間に段差を設け、段差
を利用した背凭れSbが形成されてなるものである。この
シートＳは、第1B図及び第1C図で示すように、従来から
用いられている樹脂製のメインボトムプレート10の上
に、硬めのメインクッション材11を載設し、その上に上
記メインボトムプレート10より軟らかいサブボトムプレ
ート12を載設して、更にその上に上記メインクッション
材11より軟らかいサブクッション材13を載設し、表皮14
で被覆したものである。第1B図で示すように、メインク
ッション材11は、前席Sfと後席Srの間で立ち上がり部11
aが形成されている。同じく第1B図で示すように、サブ
ボトムプレートは、メインクッション材の立ち上がり部
に沿った立設部12aが形成されている。

また上記サブボトムプレート12のシート側部（第1C図
において左右側）は、第1D図で示すように、着座したと
きに違和感が生じないようにするため内側へ湾曲して形
成されている。なお、符号15,16は取付けステーであ
る。

上記構成からなるシートＳは、第1D図で示すように、
着座して、荷重がかかると、この荷重をサブボトムプレ
ート12により広い面で受け、この面圧を拡散した状態で
メインクッション材11へ略均等に与えることができるた
め、メインクッション材11の荷重特性を十分発揮させる
ことができる。また背凭れ部の荷重に関しては、第1E図
で示すように、サブボトムプレート12の立設部12aが若
干可撓して、矢印Ｘ方向へ可動し、体の動きに合わせて
弾力を与えることができるので、適度なバネ感を得て、
座り心地を良好にすることができる。

第２図は本考案の第２実施例を示すもので、上記第一
実施例と同一部材，材質等には同一符号を付してその説
明を省略する。

本例では、サブクッション材13を、サブボトムプレー
ト12と表皮材14で挾持し、表皮材14とサブボトムプレー
ト12とをウエルダ加工部15でウエルダ加工したものであ
る。本例のように構成すると、表面にパターン状の模様
を付加することができ、商品性の向上を図ることができ
る。

第3A図及び第3B図は本考案の第３実施例を示すもの
で、本例においても、上記第一実施例と同一部材等には
同一符号を付してその説明を省略する。

本例では、サブボトムプレート30の両側30a,30aをサ
イドサポートのように張出して、形成したものであり、
外観形状が複雑な形状においても、外観の保持ができる
ものである。

［考案の効果］ 本考案は上記のように構成されているので、サブクッ
ション材で受けた荷重を、面圧が集中しないように、サ
ブボトムプレートで拡散することができるので、メイン
クッションの荷重特性を有効に利用することができ、乗
り心地を良好にすることができる。また背凭れ部の荷重
についても、サブボトムプレートで受けるために、適度
なバネ感が得られて乗り心地の向上を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第1A図乃至第1E図は本考案の第１実施例を示すもので、
第1A図はシートの斜視図、第1B図は第1A図の縦断面図、
第1C図は第1A図のＩ−Ｉ線断面図、第1D図は荷重状態の
説明断面図、第1E図は作用説明図、第２図は第２実施例
を示す断面図、第3A図及び第3B図は第３実施例を示すも
ので、第3A図はサブボトムプレートの概略斜視図、第3B
図はシートの概略斜視図、第4A図及び第4B図は従来例を
示すもので第4A図は断面図、第4B図は第1D図と同様な説
明断面図である。 10,30…メインボトムプレート、11…メインクッション
材、11a…立ち上がり部、12…サブボトムプレート、12a
…立設部、13…サブクッション材、14…表皮材、Ｓ…シ
ート、Sf…前席、Sr…後席、Sb…背凭れ。

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前席と後席の座面の位置が異なる背凭れ付
   きシートであって、メインボトムプレート上に前記前席
   と後席の間に立ち上がり部を有するメインクッション材
   を載置して、表皮材で前席と後席を被覆した背凭れ付き
   シートにおいて、 前記メインボトムプレートの上に載置されたメインクッ
   ション材の上にサブボトムプレートを載置し、該サブボ
   トムプレートの上にサブクッション材を載置して前記表
   皮材で被覆してなり、前記サブボトムプレートは、前記
   メインクッション材の立ち上がり部に沿った立設部を備
   えてなることを特徴とする背凭れ付きシート。
2. 【請求項２】前記サブボトムプレートは、前記メインボ
   トムプレートより軟質である請求項１記載の背凭れ付き
   シート。
3. 【請求項３】前記メインクッション材は、前記サブクッ
   ション材より硬質であることを特徴とする請求項1,2記
   載の背凭れ付きシート。