JP2524462B2

JP2524462B2 - 腰痛防止椅子

Info

Publication number: JP2524462B2
Application number: JP5004017A
Authority: JP
Inventors: 幹夫福永; 幸子福永; 真利福永; 篤福永; 和子福永
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1993-01-13
Filing date: 1993-01-13
Publication date: 1996-08-14
Anticipated expiration: 2011-08-14
Also published as: JPH06209829A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、事務用椅子・車両用座
席椅子・治療用椅子・観客席用椅子等の各種椅子に関
し、特に、長時間使用する際や治療用として最適な腰痛
防止椅子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、事務用椅子・車両用座席椅子・治
療用椅子・観客席用椅子等の様々な用途に使用される各
種椅子にあっては、その殆どが、座部と背凭れとを備
え、人体工学の見地（例えば、体圧分布等）からその目
的に適した形状等に構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如く構成された椅子にあっては、その殆どが、いかに人
体を効率良く保持するか、或は、人体形状に沿わせてリ
ラックスさせるかということに基づいて形状やクッショ
ン性が設計されているため、ある程度の使用時間に対し
ては使用者にしびれや疲れ等の負担を感じさせないよう
にすることができるものの、その負担を抑えるには限界
が生じていた。

【０００４】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、長時間の使用にあってもしびれや疲れ等の違和感
を少なくすることができるばかりでなく、人体の軸芯等
の矯正治療にも役立てることができる腰痛防止椅子を提
供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】その目的を達成するた
め、請求項１に記載の発明は、座部の適宜２箇所に駆動
装置を介して上下駆動又は傾斜駆動する座骨支持部材を
設けたことを要旨とするものである。

【０００６】また、請求項２に記載の発明は、座部の適
宜２箇所に座骨の下端形状に沿う凹部を形成した座骨支
持部材を設けると共に、該座骨支持部材を駆動装置を介
して上下駆動又は傾斜駆動させるようにしたことを要旨
とする。

【０００７】

【作用】このような請求項１に記載の構成においては、
座部の適宜２箇所に設けた座骨支持部材を駆動装置を介
して上下駆動又は傾斜駆動させる。このことにより、座
りながらにして歩行と同じ運動状態を座骨に与えること
ができ、血行の促進を図って長時間の使用に際しても人
体に与える負担を少なくすることができるばかりでな
く、人体の軸芯を矯正治療することができる。

【０００８】また、請求項２に記載の構成においては、
座部の適宜２箇所に座骨の下端形状に沿う凹部を形成し
た座骨支持部材を駆動装置を介して上下駆動又は傾斜駆
動させることにより、凹部が座骨に効率良く適度な刺激
を与えることができ、より一層良好な効果を得ることが
できる。

【０００９】

【実施例】次に、本発明の腰痛防止椅子の実施例を図１
乃至図８に基づいて説明する。

【００１０】図１において、１は脚部２、座部３、背凭
れ４を備えた椅子である。この椅子１は、脚部２を図示
しない伸縮駆動装置（例えば、油圧シリンダ）の伸縮駆
動させることにより座部３が上下動して使用者の体格等
に応じたものとすることができる。

【００１１】座部３は、図２に示すように、脚部２の上
端に連結された所定形状のフレーム５と、ウレタン等の
発泡体からなるパッド６と、パッド６を被覆する表皮７
とを備えている。

【００１２】パッド６の背凭れ４の近傍には図示しない
電源供給部からの電源供給を受けて駆動する駆動装置８
と、この駆動装置８の駆動により制御される左右一対の
座骨支持部材９ａ，９ｂが設けられている。

【００１３】座骨支持部材９ａ，９ｂの上面には、図３
（Ａ），（Ｂ）に示すように、上方に向けて拡開する凹
部１０，１０が形成されている。尚、図３（Ｂ）では、
座骨支持部材９ａ，９ｂの凹部１０，１０を除いた部分
の上面は略水平に設定されているが、座部３の座面に沿
うように形成することにより使用者が座部３に腰掛けた
際の違和感をなくすことができる。

【００１４】この凹部１０，１０は、例えば、前後方向
の長さＬ１が７〜１２ｃｍ、左右方向の長さＬ２が４〜
８ｃｍ、深さＬ３が２〜５ｃｍに設定されている。ま
た、凹部１０，１０の頂点を通る縦軸線Ｐから前方に向
う傾斜面１０ａの傾斜角度は約２０〜４０゜の上昇勾配
に設定され、縦軸線Ｐから後方に向う傾斜面１０ｂの傾
斜角度は約３０〜５５゜の上昇勾配に設定されている。
尚、凹部１０の形状や寸法等は特に限定されるものでは
ない。

【００１５】この傾斜面１０ａ，１０ｂの傾斜角度の設
定は、図４に示す使用者の座骨Ｓの下端部分の傾斜角度
に沿うように設定されている。なお、図４で示す角度θ
１は傾斜面１０ａに対応し、角度θ２は傾斜面１０ｂに
対応していて、使用者が腰掛けた場合には、この使用者
の座骨Ｓが凹部１０，１０内に収まるように設定されて
いる。

【００１６】また、凹部１０，１０の縦軸線Ｐの位置
は、座部３並びに背凭れ４に使用者の身体を沿わせた正
常な姿勢を基準とした場合に後方から６ｃｍ程度、作業
姿勢で後方から１１ｃｍ程度の位置が良い。このため、
凹部１０，１０は図示しない前後駆動装置により前後方
向に射程範囲内で調節できるように設定されている。

【００１７】一方、駆動装置８は、座骨支持部材９ａ，
９ｂを所定範囲内で水平上下動、傾斜上下動、傾斜動さ
せたりする。また、上述した前後駆動装置を兼ねて座骨
支持部材９ａ，９ｂを所定範囲内で前後動させることも
可能である。

【００１８】この時、座骨支持部材９ａ，９ｂを水平状
態に保ちつつ上下に変位させる水平上下動の場合には、
上下共に定位置（図５（Ａ）の状態）から約１〜３ｃｍ
の範囲で上方変位（図５（Ｂ）の状態）、或は下方変位
（図５（Ｃ）の状態）する。尚、この上下変位は座骨支
持部材９ａ，９ｂを単独或は同時に駆動させて行うこと
ができる。

【００１９】また、座骨支持部材９ａ，９ｂの先端を上
下方向に傾けつつ上下に変位させる傾斜上下動の場合に
は、同じく定位置から１〜３ｃｍ程度に上方変位させな
がら前端を５〜２０゜の範囲内で上方傾斜（図６（Ａ）
の状態）、或は定位置から１〜３ｃｍ程度に下方変位さ
せながら前端を５〜２０゜の範囲内で下方傾斜（図６
（Ｂ）の状態）する。

【００２０】尚、この上下変位並びに上下傾斜は座骨支
持部材９ａ，９ｂを単独或は同時に駆動させて行うこと
ができる。

【００２１】さらに、座骨支持部材９ａ，９ｂの先端を
上下方向に傾斜させる傾斜動の場合には、同じく定位置
から前端を１０〜２５゜の範囲内で上方傾斜（図７
（Ａ）の状態）、或は定位置から前端を１０〜２５゜の
範囲内で下方傾斜（図７（Ｂ）の状態）する。尚、この
上下傾斜は座骨支持部材９ａ，９ｂを単独或は同時に駆
動させて行うことができ、しかも、上方傾斜と下方傾斜
の傾斜角度は同じでなくてもよい。

【００２２】また、これらの駆動は、例えば、座圧検出
スイッチやタイマー手段を設け、使用者が座部３に腰掛
けてから所定時間経過後に所定時間内で駆動したり、使
用者が腰掛けている間中駆動したりする。また、上下動
の速度を可変したりする。

【００２３】このことにより、使用者は、椅子１に腰掛
けていながらにして歩行と同じ状態に座骨Ｓを動かして
いることになり、長時間の使用にあっても、血行不良等
に伴うしびれや疲れ等を感じることが少ないものとする
ことができる。

【００２４】以下、この駆動装置８の駆動パターンを例
示する。なお、ここでは、左右の各座骨支持部材９ａ，
９ｂを単に右及び左で表現すると共に、座骨支持部材９
ａ，９ｂが上方変位（又は先端が上方傾斜）にあるとき
をＵＰ、同じく下方変位（又は先端が下方傾斜）にある
ときをＤＯＷＮ、初期状態にあるときを定位置と表現し
て、この座骨支持部材９ａ，９ｂがどの様な順序で上下
（又は傾斜）するかを簡略的に述べる。

【００２５】（パターン１）このパターン１では、右Ｕ
Ｐ・左定位置／右定位置・左定位置／右ＤＯＷＮ・左定
位置／右定位置・左定位置／左ＵＰ・右定位置／左定位
置・右定位置／左ＤＯＷＮ・右定位置／左定位置・右定
位置の順で繰り返して駆動する。

【００２６】（パターン２）また、パターン２では、右
ＵＰ・左定位置／右定位置・左定位置／右定位置・左Ｕ
Ｐ／右定位置・左定位置／右ＤＯＷＮ・左定位置／右定
位置・左定位置／右定位置・左ＤＯＷＮ／右定位置・左
定位置の順で繰り返して駆動する。

【００２７】（パターン３）さらに、パターン３では、
右ＵＰ・左ＤＯＷＮ／左定位置・右定位置／右ＤＯＷＮ
・左ＵＰ／右定位置・左定位置の順で繰り返して駆動す
る。

【００２８】（パターン４）さらに、パターン３では、
右ＵＰ・左定位置／右定位置・左定位置／左ＵＰ・右定
位置／左定位置・右定位置の順で繰り返して駆動する。

【００２９】尚、これら各パターン１乃至パターン４に
おいて、左右及びＵＰ・ＤＯＷＮの駆動順序は逆でも良
い。また、左右の座骨支持部材９ａ，９ｂが一端定位置
で停止した後、次の駆動に移る場合と、定位置は単なる
通過点とした連続駆動をする等、上記実施例のパターン
に限定されるものではない。

【００３０】ところで、この椅子１は、上記実施例で
は、ごく一般的な事務用椅子に適用して説明したが、例
えば、車両用座席椅子・車椅子、或は映画館や競技場な
どで使用される観客席用の椅子等に適用することができ
る。

【００３１】また、図８に示すように、座部１３を左右
に２分割し、分割された各左右座部１３ａ，１３ｂの上
面適宜箇所に凹部１０が形成された座骨支持部材９ａ，
９ｂを設けると共に、左右座部１３ａ，１３ｂの底面側
後部と中途部とにボールジョイントを介して脚部１２
ａ，１２ｂをそれぞれ設け、この脚部，１２ａ，１２ｂ
の何れか一方を伸縮させることにより、図８（Ａ），
（Ｂ）に示した正規状態から図８（Ｃ）に示したよう
に、左右座部１３ａ，１３ｂの何れか一方（図示例では
座部１３ｂ）の先端が上下に傾斜（図示例では脚部１２
ｂの収縮により下方傾斜）するように構成する等、人体
の軸線等を矯正治療する装置とする等上記実施例に限定
されるものではない。

【００３２】なお、この座部１３ａ，１３ｂは前後方向
又は左右方向に変位固定可能に構成して使用者の体格等
に合わせた調節式とすることも可能である。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の腰痛防止
椅子にあっては、座部の適宜２箇所に駆動装置を介して
上下駆動又は傾斜駆動する座骨支持部材を設けたことに
より、長時間の使用にあってもしびれや疲れ等の違和感
を少なくすることができるばかりでなく、人体の軸芯等
の矯正治療にも役立てることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本発明の腰痛防止椅子の外観を示す斜
視図、（Ｂ）は同じく側面図である。

【図２】座部の断面図である。

【図３】（Ａ）は座骨支持部材の平面図、（Ｂ）は同じ
く断面図である。

【図４】座骨の概略側面図である。

【図５】座骨支持部材の水平上下動を示す説明図であ
る。

【図６】座骨支持部材の傾斜上下動を示す説明図であ
る。

【図７】座骨支持部材の傾斜動を示す説明図である。

【図８】本発明の腰痛防止椅子の他例を示し、（Ａ）は
座部の平面図、（Ｂ）は座部の側面図、（Ｃ）は座部の
一方を傾斜させた状態の座部の側面図である。

【符号の説明】

１…椅子３…座部８…駆動装置９ａ…座骨支持部材９ｂ…座骨支持部材１０…凹部

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも、座部の適宜２箇所に駆動装
置を介して上下駆動しながら傾斜駆動、又は傾斜駆動す
る座骨支持部材を設けたことを特徴とする、腰痛防止椅
子
【請求項２】座部の適宜２箇所に座骨の下端形状に沿
う凹部を形成した座骨支持部材を設けると共に、該座骨
支持部材を駆動装置を介して上下駆動又は傾斜駆動させ
ることを特徴とする腰痛防止椅子。