JP2523272Y2 - ディスクカートリッジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はディスク状記録媒体を収納したディスクカー
トリッジ、特に3.5インチ用のディスクカートリッジに
関する。

〔従来の技術〕

記録再生装置に使用されるディスク状記録媒体は、不
使用時に破損したり、塵埃が付着したりするのを防止す
るために、ディスクカートリッジ内にこのディスク状記
録媒体を収納することによつて保護している。このよう
なディスクカートリッジとして、例えば第８図に示すよ
うなものがあ。第８図において、符号101は上半片101a
および下半片101bからなるケースであり、このケース10
1にはディスク状記録媒体（図示せず）が収納されてい
る。ケース101にはこのディスクカートリッジが記録再
生装置に装着されたときに、ディスク状記録媒体を回転
させるための回転穴（図示せず）や情報の読み書きを行
うために、ヘッドを接近可能なヘッド挿入穴（図示せ
ず）が形成されている。

ここで、前記回転穴やヘッド挿入穴からケース101内
部に塵埃が侵入するのを防止するために、このケース10
1にはシャッタ102が取り付けられている。また、シャッ
タ102はケースは101内に収装されたねじりコイルばね10
4によって常時付勢されて、前記回転穴やヘッド挿入穴
を閉止している。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、このような従来のディスクカートリッ
ジあっては、金属製のシャッタ102がケース101と直に摺
接しているので、このシャッタ102をケース101に対して
スムースに摺動させにくく、またシャッタ102とケース1
01とにこのシャッタ102を摺動方向に案内する案内部が
設けられていないために、シャッタ102を摺動方向へ向
けて確実に案内させることができないという問題があっ
た。

〔課題を解決するための手段〕

このような問題を解決するために、本考案にあっては
ディスクカートリッジを、ディスク状記録媒体が収納さ
れたケースと、このケースに取り付けられ開閉ピンによ
って開閉されるシャッタと、このシャッタに固着された
スライダーと、このシャッタを閉止方向へ付勢し、一端
がこのスライダーに他端がこのケースに係合された付勢
部材とを備え、前記ケースとスライダーとのいずれか一
方にシャッタの摺動方向に向けて案内溝を形成し、いず
れか他方にこの案内溝に嵌入する案内突起を形成すると
ともに、前記付勢部材の前記ケース側係合部近傍に前記
開閉ピンが嵌入可能な凹部を形成するよう誤動作防止壁
を設けた構成とするものである。

〔作用〕

ディスクカートリッジを記録再生装置に装着すると、
この装着の開閉ピンがスライダーを押し、シャッタを右
方向へ摺動させて開放する。このとき、シャッタはケー
スに対して直に摺接しているのではなく、スライダーを
介して摺接している。すなわち、スライダーの摺接面は
ケースに形成された誤動作防止壁の摺接面に滑接してい
る。また、前記ケースとスライダーのいずれか一方に形
成された案内突起は、シャッタの摺動方向に向けて前記
いずれか他方に形成された案内溝に嵌入されている。し
たがって、シャッタを開閉ピンで押せば、このシャッタ
をケースに対してスムーズに摺動させ、かつ摺動方向に
向けて確実に案内させることができる。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に基づいて説明する。

第１図ないし第７図は本考案に係るディスクカートリ
ッジの一実施例を示す図である。

第１図および第２図において符号１はディスクカート
リッジのケースであり、このケース１は合成樹脂製であ
って全体が矩形の平板状筐体の上半片1aと下半片1bとか
らなっている。ケース１内には光学的情報を記録した3.
5インチの光ディスク２（ディスク状記録媒体）が収納
されている。ケース１の下半片1bの中央には、光ディス
ク２が記録再生装置に装着されたときに、ケース１内の
光ディスク２をスピンドルモータ（図示せず）によって
回転させるための回転穴４が形成され、この回転穴４か
ら光ディスク２の中心部に設けられたハブ部2aが露出し
ている。またケース１の上・下半片1a,1bには光ディス
ク２に記録された情報を読み取るための光ヘッド（図示
せず）が接近可能なようにヘッド挿入穴３が形成されて
いる。

光ディスク２を使用しない場合には、前記回転穴４や
ヘッド挿入穴３から塵埃がケース１内に侵入するのを防
止するために、このケース１にはシャッタ５が取付けら
れている。シャッタ５はステンレス鋼等の金属薄板を略
中央から断面略コの字形に折り曲げて形成され、前記回
転穴４及びヘッド挿入穴３を開閉するための開閉板部６
と、この開閉板部６よりも折り曲げ長さが短い補助開閉
板部７とを有している。

ケース１の記録再生装置挿入先端部分に形成されたガ
イド部Ｇは、第３図に示すように、図上左側に形成され
ケース１の上端面から落込んだ位置に水平方向に伸びる
ガイド表面８を有している。ガイド表面８の同図中右側
には、シャッタ５を開閉するための開閉ピンＰがこのシ
ャッタ５を開放したときに落込むための逃げ凹み９が形
成されている。前記開閉ピンＰは第３図中シャッタ５を
右側に移動せしめ、ヘッド挿入穴３を開放する。

ところで、記録再生装置にこのディスクカートリッジ
の表裏を誤って逆に装着すると、記録再生装置の開閉ピ
ンＰはケース１の反対側（第３図中右方側）に位置して
しまうことになる。このようにケース１の右方側に開閉
ピンＰが位置すると、この開閉ピンＰはシャッタ５を開
放しようとして左方へ誤って動作してしまう。そうする
と、開閉ピンＰによってシャッタ５やケース１が損壊し
てしまう虞が生じる。そこで、開閉ピンＰが誤動作して
しまうのを防止するために、第４図および第５図に示す
ように上・下半片1a,1bにはこの開閉ピンＰが嵌入可能
なノッチ10a,10bを形成するとともに、これに隣接して
一対の誤動作防止壁11a,11bを突出形成している。第４
図に示すように一方の誤動作防止壁11aはシャッタ５の
折曲部分5aの内壁面に近接するほど高く突出形成されて
いるが、他方の誤動作防止壁11bは一方の誤動作防止壁1
1aより低く突出形成されている。

断面略コの字形シャッタ５の折曲部分5aの内面側には
ガイド部Ｇに摺接するポリアセタール等の合成樹脂製の
スライダー12が取り付けられており、このスライダー12
は第６図中略右半分が前記折曲部分5aの内面側にタッピ
ングねじ17によって固着されている。スライダー12は第
４図に示すように一方の誤動作防止壁11aに対しては並
列に位置しているが、他方の誤動作防止壁11bに対して
はこの上方に位置するように部分的に突出形成され、誤
動作防止壁11bの頂面と前記突出形成された部分の下面
とにはそれぞれ第１、第２摺接面11c,12aが設けられ、
この第１、第２摺動面11c,12aは十分確保されている。
スライダー12と誤動作防止壁11bとはポリカーボネー
ト、ポリアセータル等の合成樹脂からなっているので、
これらの第１、第２摺接面11c,12aは相互に滑性を有し
ている。

また、第４図および第７図に示すようにスライダー12
の摺動方向一方端（第７図中右方端）には嵌合突起部13
が下方に向けて形成され、この嵌合突起部13の両側には
一対の案内突起13a,13bが形成され、この一対の案内突
起13a,13bは上・下半片1a,1bの内壁面に形成された一対
の案内溝1c,1dに嵌入している。上・下半片1a,1bの内壁
面に形成された一対の案内溝1c,1dはシャッタ５の摺動
方向に向けて形成されている。なお、嵌合突起部13に案
内溝を形成し、上・下半片1a,1bに前記案内溝に嵌入す
る案内突起を形成してもよい。また、一対の案内溝1c,1
dに一対の案内突起13a,13bを嵌入させることによって、
シャッタ５をスライダー12を介してケース１に確実に取
り付けている。

嵌合突起部13が形成されたスライダー12にはねじりコ
イルばね14の一端14aが係合される第１ばね受部15が形
成されている。第１ばね受部15は前記スライダー12の前
記突出形成された部分にも形成されており、このためこ
れに係合される前記一端14aの折り曲げ長さは十分にと
れる。ケース１の第７図中右上方端部にはねじりコイル
ばね14の他端14bが係合される第２ばね受部16が形成さ
れ、ねじりコイルばね14の付勢力によってスライダー12
を第７図中左方へ付勢している。また、嵌合突起部13に
はねじりコイルばね14が嵌入可能な割り溝13cが形成さ
れている。一方、スライダー12の摺動方向他方端（第３
図中左方端）にも同様の嵌合突起部16が形成され、この
案内突起（図示せず）も上・下半片1a,1bの案内溝（図
示せず）に嵌入している。

ここで、ディスクカートリッジを記録再生装置に装着
すると、回転穴４やヘッド挿入穴３を開口するためにこ
の装置の開閉ピンＰがスライダー12の第３図中左上端部
を押し、シャッタ５を右方向へ摺動させる。このとき、
シャッタ５はケース１に対して直に摺接してるいのでは
なく、スライダー12を介して摺接している。すなわち、
スライダー12の第２摺接面12aは誤動作防止壁11bの第１
摺接面11cに滑接している。また、案内突起13a,13bはシ
ャッタ５の摺動方向に向けて形成された案内溝1c,1dに
嵌入され、加えてこの案内突起13a,13bと案内溝1c,1dも
相互に滑性を有している。したがって、シャッタ５を開
閉ピンＰで押せば、このシャッタ５をケース１に対して
スムーズに摺動させ、かつ摺動方向に向けて確実に案内
させることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によればスライダーと誤
動作防止壁とのそれぞれに相互に滑接する摺接面を設け
るとともにこのケースとスライダーとのいずれか一方に
シャッタの摺動方向に向けて案内溝を形成し、いずれか
他方にこの案内溝に嵌入する案内突起を形成したので、
シャッタを開閉ピンで押せば、このシャッタをケースに
対してスムーズに摺動させ、かつ摺動方向に向けて確実
に案内させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第７図は本考案に係るディスクカートリッ
ジの一実施例を示す図であり、第１図はこのディスクカ
ートリッジの表側の斜視図、第２図は同裏側の斜視図、
第３図はこのディスクカートリッジの正面図、第４図は
この部分拡大断面図（第５図におけるIV-IV線断面
図）、第５図はこのディスクカートリッジの部分拡大斜
視図、第６図はこのディスクカートリッジの平面図、第
７図は第４図におけるVII-VII線断面図、第８図は従来
のディスクカートリッジの裏側の斜視図である。 １……ケース、1c,1d……案内溝、５……シャッタ、11
a,11b……誤動作防止壁、11c……第１摺動面、12a……
第２摺動面、13a,13b……案内突起、Ｐ……開閉ピン。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ディスク状記録媒体が収納されたケース
   と、このケースに取り付けられ開閉ピンによって開閉さ
   れるシャッタと、このシャッタに固着されたスライダー
   と、このシャッタを閉止方向へ付勢し、一端がこのスラ
   イダーに他端がこのケースに係合された付勢部材とを備
   え、前記ケースとスライダーとのいずれか一方にシャッ
   タの摺動方向に向けて案内溝を形成し、いずれか他方に
   この案内溝に嵌入する案内突起を形成するとともに、前
   記付勢部材の前記ケース側係合部近傍に前記開閉ピンが
   嵌入可能な凹部を形成するよう誤動作防止壁を設けるこ
   とを特徴とするディスクカートリッジ。