JP2003055519A - 樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

樹脂組成物およびその製造方法

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JP2003055519A
JP2003055519A JP2001249050A JP2001249050A JP2003055519A JP 2003055519 A JP2003055519 A JP 2003055519A JP 2001249050 A JP2001249050 A JP 2001249050A JP 2001249050 A JP2001249050 A JP 2001249050A JP 2003055519 A JP2003055519 A JP 2003055519A
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polymer
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hydroxystyrene
syndiotactic
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JP2001249050A
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English (en)
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Masanao Kawabe
正直 川辺
Masahide Murata
昌英 村田
Hiroyuki Ozaki
裕之 尾崎
Toshio Kase
俊男 加瀬
Yoshifumi Fukui
祥文 福井
Te Ban Hoan
テ・バン ホアン
Hideaki Hagiwara
英昭 萩原
Kenji Tsuchihara
健治 土原
Yasuzo Suzuki
靖三 鈴木
Michihiko Asai
道彦 浅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シンジオタクチック構造を有するヒドロキシ
スチレン系重合体と含窒素芳香族ビニル系重合体からな
る樹脂組成物とその製造方法を提供すること。 【解決手段】 (A)一般式(1) 【化9】 (式中、Arはピリジニル基等の含窒素芳香族残基を示
す。)で表される構造単位を有する含窒素芳香族ビニル
系重合体と、(B)一般式(2) 【化10】 で表わされる構造単位を含む重合体であり、そのタクテ
ィシティが13C−NMRによるラセミペンタッドで30
%以上であるシンジオタクチック構造のヒドロキシスチ
レン系重合体とを必須の配合成分とする樹脂組成物、及
び、必須の配合成分である各樹脂を2.0以上の誘電率
を有する含酸素有機溶媒で溶解・混合し、溶媒を除去す
る樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シンジオタクチッ
ク構造のヒドロキシスチレン系重合体と含窒素芳香族ビ
ニル系重合体からなる配合樹脂組成物及びその製造方法
に関し、特にシンジオタクチックヒドロキシスチレン系
重合体セグメントとシンジオタクチック構造の芳香族ビ
ニル系重合体セグメントとからなるシンジオタクチック
ヒドロキシスチレン系ブロック共重合体と含窒素芳香族
ビニル系重合体からなる配合樹脂組成物とその製造方
法、及び、シンジオタクチック構造の芳香族ビニル系重
合体、含窒素芳香族ビニル系重合体とシンジオタクチッ
クヒドロキシスチレン系ブロックからなる配合樹脂組成
物とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からラジカル重合法などにより製造
されるスチレン系重合体は、種々の成形法によって様々
な形状のものに成形され、家庭電気器具,事務機器,家
庭用品,包装容器,その他産業資材などとして幅広く用
いられているが、その立体構造がアタクチック構造を有
しており、耐熱性,耐薬品性に劣るという欠点があっ
た。このようなアタクチック構造のスチレン系重合体の
欠点を解消したものとして、高度のシンジオタクチック
構造であるスチレン系重合体、さらにこのスチレン系モ
ノマーと他の成分を共重合したスチレン系共重合体が検
討されている(特公平3−7685号公報、特公平1−
37403号公報、特開昭63−241009号公
報)。これらの重合体は、耐熱性、耐薬品性及び電気的
特性に優れ、多方面にわたる応用が期待されている。
【0003】しかしながら、これらの公開特許公報に開
示されている技術によるシンジオタクチックポリスチレ
ン系重合体は、機能付与に必要な極性基を持たない炭化
水素だけからなるスチレン系モノマーの単独重合体もし
くは、少量の極性ビニルモノマーが導入されたランダム
共重合体であるがために、特性を改質できる範囲が狭
く、応用が可能な用途が限定されるという欠点があり、
特に接着剤、樹脂改質剤、相溶化剤、顔料分散剤、耐熱
シーリング剤等の機能性材料としての応用には適さない
樹脂材料であった。殊に、シンジオタクチックポリスチ
レン系重合体は接着剤、樹脂改質剤、顔料分散剤等の機
能性高分子である含窒素芳香族ビニル系重合体との相溶
性が乏しいために、含窒素芳香族ビニル系重合体を用い
て樹脂特性の改質を行なおうとすると、含窒素芳香族ビ
ニル系重合体の改質効果が低く、多量に添加しなくては
ならなかった。このため、機械的強度の低下、外観の悪
化、コストの上昇など工業的に実施する上での問題点を
抱えていた。
【0004】一方、Polymer,1988年、29巻,477〜482
頁、Polymer,J.、1994年,26巻、905〜911頁、Appl.S
urf.Sci.、1997年,119巻,60〜66頁にはヒドロキシス
チレン系重合体と含窒素芳香族ビニル系重合体との樹脂
組成物が開示されている。しかし、上記文献中で使用さ
れているヒドロキシスチレン系重合体の立体構造が立体
規則性を持たないアタクチック構造であるがために、耐
熱性という観点からその改質効果は十分でないという欠
点があった。シンジオタクチックヒドロキシスチレン系
重合体セグメントとシンジオタクチック構造の芳香族ビ
ニル系重合体セグメントとからなるブロック共重合体と
含窒素芳香族ビニル系重合体とをブレンドした樹脂組成
物については従来全く知られておらず、従って、この樹
脂組成物がどのような構造、特性を有しているかについ
ては想像だにできなかった。
【0005】従って、前述のシンジオタクチックポリス
チレン系重合体と含窒素芳香族ビニル系重合体とからな
る樹脂組成物に対して、シンジオタクチックヒドロキシ
スチレン系重合体セグメントとシンジオタクチック構造
の芳香族ビニル系重合体セグメントとからなるシンジオ
タクチックヒドロキシスチレン系ブロック共重合体を添
加したときのブロック共重合体の添加効果が当該樹脂組
成物の欠点を補う技術となり得るかどうかについては全
く知られておらず、想像だにできなかった。このよう
に、従来開示されている技術ではヒドロキシスチレン系
重合体と含窒素芳香族ビニル系重合体からなる樹脂組成
物の耐熱性を改善し、シンジオタクチックヒドロキシス
チレン系重合体セグメントとシンジオタクチック構造の
芳香族ビニル系重合体セグメントとからなるシンジオタ
クチックヒドロキシスチレン系ブロック共重合体と含窒
素芳香族ビニル系重合体とをブレンドすることにより相
溶性、耐熱性に優れた樹脂組成物を製造し、相溶性の乏
しいシンジオタクチックポリスチレン系重合体と含窒素
芳香族ビニル系重合体とからなる樹脂組成物の相溶性を
改善することはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、接着性等に優れ広範な応用分野を持つ機能性樹脂材
料として有用な高度のシンジオタクチック構造を有する
ヒドロキシスチレン系重合体と含窒素芳香族ビニル系重
合体からなる樹脂組成物およびその製造方法を提供する
こと、及びシンジオタクチックヒドロキシスチレン系重
合体セグメントとシンジオタクチック構造の芳香族ビニ
ル系重合体セグメントとからなるシンジオタクチックヒ
ドロキシスチレン系ブロック共重合体と含窒素芳香族ビ
ニル系重合体からなる樹脂組成物およびその製造方法を
提供すること、更には、接着性、顔料分散性等の機能を
付与した耐熱性に優れかつ相溶性の改善されたシンジオ
タクチックスチレン系重合体と含窒素芳香族ビニル系重
合体、及びシンジオタクチックヒドロキシスチレン系ブ
ロック共重合体とからなる樹脂組成物およびその製造方
法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に鋭意検討を行なった結果、本発明者等は、高度のシン
ジオタクチック構造を有するヒドロキシスチレン系重合
体と含窒素芳香族ビニル系重合体からなる樹脂組成物、
シンジオタクチックヒドロキシスチレン系重合体セグメ
ントとシンジオタクチック構造の芳香族ビニル系重合体
セグメントとからなるシンジオタクチックヒドロキシス
チレン系ブロック共重合体と含窒素芳香族ビニル系重合
体からなる樹脂組成物、及び、シンジオタクチックポリ
スチレン系重合体と含窒素芳香族ビニル系重合体、及び
シンジオタクチックヒドロキシスチレン系ブロック共重
合体とからなる樹脂組成物が本発明の課題を解決しうる
ことを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【化5】 (式中、Arはピリジニル基、置換ピリジニル基、ピリ
ミジニル基、置換ピリミジニル基、ピラジニル基、置換
ピラジニル基、トリアジニル基、置換トリアジニル基、
キノリニル基、置換キノリニル基、イソキノリニル基、
置換イソキノリニル基、アクリジニル基、置換アクリジ
ニル基、フタラジニル基、置換フタラジニル基、キノキ
サリニル基、置換キノキサリニル基、フェナンスロリニ
ル基、置換フェナンスロリニル基からなる群から選ばれ
る1種以上の含窒素芳香族残基を示す。)で表される構
造単位を有する含窒素芳香族ビニル系重合体1〜99重
量%と、下記一般式(2)
【化6】 で表わされる構造単位を含む重合度5以上の単独重合体
または共重合体であり、かつそのタクティシティが13
−NMRによるラセミペンタッドで30%以上であるシ
ンジオタクチック構造のヒドロキシスチレン系重合体1
〜99重量%とを必須成分とする樹脂組成物。
【0009】また、前記一般式(1)で表される構造単
位を有する含窒素芳香族ビニル系重合体1〜98重量
%、前記一般式(2)で表わされる構造単位を含む重合
度5以上の単独重合体または共重合体で、かつそのタク
ティシティが13C−NMRによるラセミペンタッドで3
0%以上であるシンジオタクチック構造のヒドロキシス
チレン系重合体1〜98重量%、および(C)下記一般
式(3)
【化7】 (式中、R1は炭素数1〜30の炭化水素基、酸素原子
を含む炭素数1〜6の置換基、または、窒素原子、硫黄
原子、リン原子、セレン原子、ケイ素原子及び錫原子の
いずれか1種以上を含む置換基を示し、pは0〜5の整
数を示す。但し、pが複数のときは、各R1は同一でも
異なるものであってもよい)で表される構造単位を有す
る重合度5以上の重合体であり、かつそのタクティシテ
ィが13C−NMRによるラセミペンタッドで30%以上
であるシンジオタクチック構造の芳香族ビニル系重合体
1〜98重量%を必須成分とする樹脂組成物である。
【0010】さらに本発明は、上記シンジオタクチック
構造のヒドロキシスチレン系重合体が、実質的に前記一
般式(2)で表される構造単位のみからなるヒドロキシ
スチレン系単独重合体であることを特徴とする樹脂組成
物である。さらに、シンジオタクチック構造のヒドロキ
シスチレン系重合体が、1〜99mol%の前記一般式
(2)で表される構造単位と、1〜99mol%の下記
一般式(4)
【化8】 (式中、R2は炭素数1〜30の炭化水素基、酸素原子
を含む炭素数1〜6の置換基、または、窒素原子、硫黄
原子、リン原子、セレン原子、ケイ素原子及び錫原子の
いずれか1種以上を含む置換基を示し、qは0〜5の整
数を示す。但し、qが複数のときは、各R2は同一でも
異なるものであってもよい。)で表される構造単位とで
ブロック重合したシンジオタクチックヒドロキシスチレ
ン系ブロック共重合体であることを特徴とする樹脂組成
物である。
【0011】さらにまた、本発明は、必須の配合成分で
ある樹脂を溶媒に溶解し、その溶液を混合し、その後溶
媒を除去する樹脂組成物の製造方法において、溶媒が
2.0以上の誘電率を有する含酸素有機溶媒であること
を特徴とする上記樹脂組成物の製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の樹脂組成物で使用される
(A)含窒素芳香族ビニル系重合体は前記一般式(1)
で表される含窒素芳香族ビニル系重合体である。これら
の含窒素芳香族ビニル系重合体の内で、耐熱性の改良効
果、コストの点で、Arがピリジニル基、つまり、ポリ
ビニルピリジンが好ましい。さらに好ましいのは、ポリ
(4−ビニルピリジン)及びポリ(2−ビニルピリジ
ン)である。上記の含窒素芳香族ビニル系重合体の立体
構造については、特に制限はなくシンジオタクチック構
造、アイソタクチックもしくはアタクチック構造とこれ
らの立体構造の混合物が重合鎖中に組み込まれたもので
あってもよい。
【0013】さらに、本発明の樹脂組成物で使用される
含窒素芳香族ビニル系重合体の分子量は、数平均分子量
で600以上、好ましくは1000〜200万、より好
ましくは1500〜100万、特に好ましくは2000
〜50万の範囲にあるのが望ましい。分子量が小さすぎ
ると機械的強度が低くなるなど高分子としての物性が不
十分になり、逆に、分子量が大きすぎると成形加工が困
難になるという問題を生じる。なお、分子量分布につい
ては特に制限はないが、本発明の樹脂組成物で使用され
る含窒素芳香族ビニル系重合体の重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)の比である分子量分布(M
w/Mn)の好ましい範囲は、15 以下、より好ましく
は10 以下であり、更に好ましくは3.0以下である。分子
量分布が広すぎると、物性の低下という問題が生じるの
で好ましくない。
【0014】ここでいう含窒素芳香族ビニル系重合体の
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分
子量分布(Mw/Mn)とは、分子量分布が単分散であ
る標準ポリスチレンを標準試料としてキャリブレーショ
ンされたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用
いて、示差屈折率計を検出器として測定することにより
求められる分子量及び分子量分布のことである。本発明
の樹脂組成物で使用される含窒素芳香族ビニル系重合体
の、樹脂組成物中の含有量は、(A)及び(B)の二成
分を必須成分とする樹脂組成物では1〜99重量%であ
り、(A)、(B)及び(C)の三成分を必須成分とす
る樹脂組成物では1〜98重量%である。好ましくは、
5〜95重量%であり、更に好ましくは10〜90重量
%である。特に、好ましくは30〜70重量%の範囲で
ある。含窒素芳香族ビニル系重合体の樹脂組成物中の含
有量が上記の範囲から外れると、耐熱性の改善効果が小
さくなるので好ましくない。
【0015】本発明の樹脂組成物で使用される(B)シ
ンジオタクチック構造を有するヒドロキシスチレン系重
合体は、前記一般式(2)で表わされる構造単位を含む
重合度5以上の単独重合体または共重合体であり、かつ
そのタクティシティが13C−NMRによるラセミペンタ
ッドで30%以上であるシンジオタクチックヒドロキシ
スチレン系重合体である。上記のシンジオタクチックヒ
ドロキシスチレン系重合体は、高度のシンジオタクチッ
ク構造を有するが、ここでいうシンジオタクチック構造
とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭
素?炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフ
ェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する
立体構造を有するものであり、そのタクティシティーは
同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)によ
り定量される。
【0016】13C−NMR法により測定されるタクティ
シティーは、連続する複数個の構造単位の存在割合、例
えば2個の場合はダイアッド,3個の場合はトリアッ
ド,5個の場合はペンダッドによって示すことができ
る。本発明のシンジオタクチックヒドロキシスチレン系
重合体のシンジオタクティシティーは、13C−NMRに
よるフェニル基のC1炭素のタクティシティーにより表
わされ、ラセミダイアッドで75%以上、より好ましく
は85%以上、最も好ましくは90%以上、若しくはラ
セミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上、
より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上
のシンジオタクティシティーを有するものを示す。しか
しながら、置換基の種類などによってシンジオタクティ
シティーの度合いは若干変動する。
【0017】本発明の樹脂組成物で使用されるシンジオ
タクチックヒドロキシスチレン系重合体では、結合して
いる繰り返し単位は、1種類の構造単位相互間のみなら
ず、2種類以上の両構造単位の相互間がそれぞれシンジ
オタクチック構造(コシンジオタクチック構造)となっ
ている。また、これらの構造単位で構成される共重合体
は、ブロック共重合、ランダム共重合あるいは交互共重
合等の種々の態様のものがある。本発明のシンジオタク
チックヒドロキシスチレン系重合体は、実質的に前記一
般式(2)で表される構造単位のみからなるヒドロキシ
スチレン系単独重合体、または、シンジオタクチックヒ
ドロキシスチレン系ブロック共重合体であることが好ま
しい。
【0018】ここで、ヒドロキシスチレン系単独重合体
とは、実質的に前記一般式(2)で表される構造単位の
みからなり、かつ、そのタクティシティが13C−NMR
によるラセミペンタッドで30%以上であるシンジオタ
クチック構造を有するヒドロキシスチレン系重合体であ
る。ヒドロキシスチレン系単独重合体の分子量は、数平
均分子量で好ましくは1200〜2000万、より好ま
しくは3000〜1000万、特に好ましくは8000
〜200万の範囲にあるのが望ましい。分子量が小さす
ぎると機械的強度が低いなど高分子としての物性が不十
分になり、逆に、分子量が大きすぎると成形が困難にな
るという問題を生じる。なお、分子量分布については、
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で
ある分子量分布(Mw/Mn)の好ましい範囲は、15以
下であり、好ましくは3.5以下、より好ましくは2.5以
下、最も好ましくは1.5以下である。分子量分布が広す
ぎると、物性の低下という問題が生じるので好ましくな
い。
【0019】シンジオタクチックヒドロキシスチレン系
ブロック共重合体は、前記一般式(2)で表わされる構
造単位からなる重合度5以上の重合体セグメントを有
し、その重合体セグメント中のフェニル基のC1炭素の
タクティシティが13C-NMRによるラセミペンタッド
で30%以上であるシンジオタクチック構造のヒドロキ
シスチレン系重合体セグメント(I)と、前記一般式
(4)で表される1種以上の構造単位を有するシンジオ
タクチック構造の芳香族ビニル系重合体セグメント(I
I)とが直列に連結した構造を有するシンジオタクチッ
クヒドロキシスチレン系ブロック共重合体であり、重合
体セグメント(II)中のフェニル基のC1炭素のタクテ
ィシティが13C-NMRによるラセミペンタッドで30
%以上であり、前記重合体セグメント(I)の含有量が
1〜99モル%の範囲の間にあることを特徴とするシン
ジオタクチックヒドロキシスチレン系ブロック共重合体
である。
【0020】一方、前記一般式(4)で表わされる構造
セグメント(II)を形成する単量体の具体例としては、
スチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、o
-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-
ジメチルスチレン、3,4-ジメチルスチレン、3,5-
ジメチルスチレン、p-ターシャリーブチルスチレンな
どのアルキルスチレン類;p-クロロスチレン、m-クロ
ロスチレン、o-クロロスチレン、p-ブロモスチレン、
m-ブロモスチレン、o-ブロモスチレン、p-フルオロ
スチレン、m-フルオロスチレン、o-フルオロスチレ
ン、o-メチル-p-フルオロスチレンなどのハロゲン化
スチレン
【0021】4-ビニルビフェニル、3-ビニルビフェニ
ル、2-ビニルビフェニルなどのビニルビフェニル類;
1-(4-ビニルフェニル)ナフタレン、2-(4-ビニル
フェニル)ナフタレン、1-(3-ビニルフェニル)ナフ
タレン、2-(3-ビニルフェニル)ナフタレン、1-
(2-ビニルフェニル)ナフタレン、2-(2-ビニルフ
ェニル)ナフタレンなどのビニルフェニルナフタレン
類;1-(4-ビニルフェニル)アントラセン、2-(4-
ビニルフェニル)アントラセン、9-(4-ビニルフェニ
ル)アントラセン、1-(3-ビニルフェニル)アントラ
セン、2-(3-ビニルフェニル)アントラセン、9-
(3-ビニルフェニル)アントラセン、1-(2-ビニル
フェニル)アントラセン、2-(2-ビニルフェニル)ア
ントラセン、9-(2-ビニルフェニル)アントラセンな
どのビニルアントラセン類;
【0022】1-(4-ビニルフェニル)フェナントレ
ン、2-(4-ビニルフェニル)フェナントレン、3-
(4-ビニルフェニル)フェナントレン、4-(4-ビニ
ルフェニル)フェナントレン、9-(4-ビニルフェニ
ル)フェナントレン、1-(3-ビニルフェニル)フェナ
ントレン、2-(3-ビニルフェニル)フェナントレン、
3-(3-ビニルフェニル)フェナントレン、4-(3-ビ
ニルフェニル)フェナントレン、9-(3-ビニルフェニ
ル)フェナントレン、1-(2-ビニルフェニル)フェナ
ントレン、2-(2-ビニルフェニル)フェナントレン、
3-(2-ビニルフェニル)フェナントレン、4-(2-ビ
ニルフェニル)フェナントレン、9-(2-ビニルフェニ
ル)フェナントレンなどのビニルフェニルフェナントレ
ン類;1-(4-ビニルフェニル)ピレン、2-(4-ビニ
ルフェニル)ピレン、1-(3-ビニルフェニル)ピレ
ン、2-(3-ビニルフェニル)ピレン、1-(2-ビニル
フェニル)ピレン、2-(2-ビニルフェニル)ピレンな
どのビニルフェニルピレン類;
【0023】4-ビニル-p-ターフェニル、4-ビニル-
m-ターフェニル、4-ビニル-o-ターフェニル、3-ビ
ニル-p-ターフェニル、3-ビニル-m-ターフェニル、
3-ビニル-o-ターフェニル、2-ビニル-p-ターフェニ
ル、2-ビニル-m-ターフェニル、2-ビニル-o-ターフ
ェニルなどのビニルターフェニル類;4-(4-ビニルフ
ェニル)-p-ターフェニルなどのビニルフェニルターフ
ェニル類;4-ビニル-4'-メチルビフェニル、4-ビニ
ル-3'-メチルビフェニル、4-ビニル-2'-メチルビフ
ェニル、2-メチル-4-ビニルビフェニル、3-メチル-
4-ビニルビフェニルなどのビニルアルキルビフェニル
類;4-ビニル-4'-メトキシビフェニル、4-ビニル-
3'-メトキシビフェニル、4-ビニル-2'-メトキシビフ
ェニル、4-ビニル-2-メトキシビフェニル、4-ビニル
-3-メトキシビフェニル、4-ビニル-4'-エトキシビフ
ェニル、4-ビニル-3'-エトキシビフェニル、4-ビニ
ル-2'-エトキシビフェニル、4-ビニル-2-エトキシビ
フェニル、4-ビニル-3-エトキシビフェニルなどのア
ルコキシビフェニル類;
【0024】4-ビニル-4'-メトキシカルボニルビフェ
ニル、4-ビニル-4'-エトキシカルボニルビフェニルな
どのアルコキシカルボニルビニルビフェニル類;4-ビ
ニル-4'-メトキシメチルビフェニルなどのアルコキシ
アルキルビニルビフェニル類;4-ビニル-4'-トリメチ
ルシリルビフェニルなどのトリアルキルシリルビニルビ
フェニル類;4-ビニル-4'-メチルスタンニルビフェニ
ル、4-ビニル-4'-トリブチルスタンニルビフェニルな
どのトリアルキルスタンニルビニルビフェニル類;4-
ビニル-4'-トリメチルシリルメチルビフェニルなどの
トリアルキルシリルメチルビニルビフェニル類;4-ビ
ニル-4'-トリメチルスタンニルメチルビフェニル、4-
ビニル-4'-トリブチルスタンニルメチルビフェニルな
どのトリアルキルスタンニルメチルビニルビフェニル類
などのアリールスチレン類;
【0025】p-メトキシスチレン、m-メトキシスチレ
ン、o-メトキシスチレン、p-エトキシスチレン、m-
エトキシスチレン、o-エトキシスチレンなどのアルコ
キシスチレン;p-メトキシカルボニルスチレン、m-メ
トキシカルボニルスチレンなどのアルコキシカルボニル
スチレン;アセチルオキシスチレン、エタノイルオキシ
スチレン、ベンゾイルオキシスチレンなどのアシルオキ
シスチレン;p-ビニルベンジルプロピルエーテルなど
のアルキルエーテルスチレン;p-トリメチルシリルス
チレンなどのアルキルシリルスチレン;p-トリメチル
スタンニルスチレン、p-トリブチルスタンニルスチレ
ン、 p-トリフェニルスタンニルスチレンなどのアルキ
ルスタンニルスチレン;ビニルベンゼンスルホン酸エチ
ル、ビニルベンジルジメトキシホスファイド、p-ビニ
ルスチレンなどのビニルスチレン等が挙げられる。これ
らの中で、経済性、重合反応性及び耐熱性の点で好適な
のは、スチレン、アルキルスチレン類、ビニルビフェニ
ルである。特に好適なのは、スチレン、炭素数1〜6の
アルキルを有するアルキルスチレン類である。
【0026】本発明の樹脂組成物で使用されるシンジオ
タクチックヒドロキシスチレン系ブロック共重合体は、
前記一般式(2)で表される構造単位からなる重合体セ
グメント(I)と一般式(4)で表される構造単位から
なる重合体セグメント(II)が直列に連結した構造を有
しているものである。従って、前記一般式(2)及び
(4)で表される重合体セグメントは各々1種あるいは
異なる2種以上の任意の単量体の組み合わせからなる重
合体または共重合体セグメントであっても構わない。つ
まり、本発明のシンジオタクチックスチレン系ブロック
共重合体を構成する前記一般式(2)及び(4)で表さ
れる各重合体セグメントは、必ずしも1種のみを示すも
のではなく、2種類以上の構造単位をも含むことから、
本発明のシンジオタクチックヒドロキシスチレン系ブロ
ック共重合体を構成する重合体セグメントは、ホモポリ
マー及び2次元共重合体のほか、3元共重合体、4元共
重合体等の多元共重合体をも包含する。
【0027】本発明で使用されるシンジオタクチックヒ
ドロキシスチレン系ブロック共重合体のシンジオタクテ
ィシティーは、13C−NMRによるフェニル基のC1
素のタクティシティーにより表わされ、重合体セグメン
ト(I),(II)においてそれぞれ、ラセミダイアッド
で75%以上、より好ましくは85%以上、最も好まし
くは90%以上、若しくはラセミペンタッドで30%以
上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以
上、特に好ましくは80%以上のシンジオタクティシテ
ィーを有するものを示す。しかしながら、置換基の種類
などによってシンジオタクティシティーの度合いは若干
変動する。
【0028】本発明のシンジオタクチックヒドロキシス
チレン系ブロック共重合体では、前記一般式(2)及び
(4)で表される構造単位からなる重合体セグメント
(I)および(II)の結合している繰り返し単位は、1
種類の構造単位相互間のみならず、2種類以上の両構造
単位の相互間がそれぞれシンジオタクチック構造(コシ
ンジオタクチック構造)となっている。また、これらの
構造単位で構成される共重合体は、ブロック共重合、ラ
ンダム共重合あるいは交互共重合等の種々の態様のもの
がある。
【0029】なお、前記一般式(2)で表される構造単
位からなる重合体セグメントと前記一般式(4)で表さ
れる構造単位からなる重合体セグメントが直列に連結し
た構造を有している本発明の請求項4で示した樹脂組成
物で使用されるシンジオタクチックヒドロキシスチレン
系ブロック共重合体の各重合体セグメント(I)及び
(II)は、必ずしも単一の重合体である必要はない。シ
ンジオタクティシティーが上記範囲に存する限り、アイ
ソタクチックもしくはアタクチック構造のスチレン系重
合体との混合物やアタクチック構造のスチレン系重合体
が重合鎖中に組み込まれたものであってもよい。
【0030】また、本発明シンジオタクチックヒドロキ
シスチレン系ブロック共重合体中に含まれる前記重合体
セグメント(I)の含有量は1〜99モル%の範囲の間
にあることが好ましい。好ましくは15〜85モル%で
ある。特に好ましくは、30〜70モル%である。前記
重合体セグメント(I)の含有量がこの範囲から外れる
と、重合体セグメント(I)と重合体セグメント(II)
からなるシンジオタクチックヒドロキシスチレン系ブロ
ック共重合体が本来有している非常に極性の異なる重合
体セグメントを一つの分子中に併せ持っているという機
能性高分子としての特徴を生かした機能発現の効果が低
下するので好ましくない。
【0031】さらに、本発明シンジオタクチックヒドロ
キシスチレン系ブロック共重合体の分子量は、数平均分
子量で好ましくは1200〜2000万、より好ましく
は3000〜1000万、特に好ましくは8000〜2
00万の範囲にあるのが望ましい。分子量が小さすぎる
と機械的強度が低いなど高分子としての物性が不十分に
なり、逆に、分子量が大きすぎると成形が困難になると
いう問題を生じる。なお、分子量分布については、重量
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比である
分子量分布(Mw/Mn)の好ましい範囲は、15以下で
ある。好ましくは3.5以下、より好ましくは2.5以下、最
も好ましくは1.5以下である。分子量分布が広すぎる
と、物性の低下という問題が生じるので好ましくない。
【0032】また、本発明の樹脂組成物で使用されるシ
ンジオタクチックヒドロキシスチレン系重合体は、必要
に応じて本発明の効果を損なわない範囲内での前記一般
式(2)または(4)で表される構造単位の他にこれと
共重合可能なスチレン系単量体以外のその他の単量体を
共重合させたものであっても構わない。この場合の共重
合可能なスチレン系単量体以外のその他の単量体として
は、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどのオレフイ
ン、シクロペンテン、2−ノルボルネンなどの環状オレ
フイン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブ
タジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン,2
−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエンなどの共役ジエン、1,5−
ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタ
ジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−
ノルボルネンなどの非共役ジエン、メチルメタクリレー
ト、メチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エス
テルなどが含まれる。これらの、スチレン系単量体以外
のその他の単量体の使用量は、本発明の重合体の用途に
よっても異なり、一義的には定められないが、全単量体
中、好ましくは45モル%以下、特に好ましくは0.0
5〜30モル%の範囲である。
【0033】本発明の樹脂組成物で(C)成分として使
用されるシンジオタクチック構造の芳香族ビニル系重合
体は、前記一般式(3)で表される1種以上の構造単位
を有する重合度5以上の重合体であり、かつそのタクテ
ィシティが13C−NMRによるラセミペンタッドで30
%以上であるシンジオタクチック構造の芳香族ビニル系
重合体である。本発明のシンジオタクチック構造の芳香
族ビニル系重合体のシンジオタクティシティーは、13
−NMRによるフェニル基のC1炭素のタクティシティ
ーにより表わされ、ラセミダイアッドで75%以上、よ
り好ましくは85%以上、最も好ましくは90%以上、
若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは5
0%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは
80%以上のシンジオタクティシティーを有するものを
示す。しかしながら、置換基の種類などによってシンジ
オタクティシティーの度合いは若干変動する。
【0034】さらに、上記の本発明の樹脂組成物で使用
される前記一般式(3)で表わされる構造単位からなる
シンジオタクチック構造の芳香族ビニル系重合体で用い
られるスチレン系単量体の具体例としては、スチレン、
p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、o-メチルス
チレン、2,4-ジメチルスチレン、2,5-ジメチルス
チレン、3,4-ジメチルスチレン、3,5-ジメチルス
チレン、p-ターシャリーブチルスチレンなどのアルキ
ルスチレン類;p-クロロスチレン、m-クロロスチレ
ン、o-クロロスチレン、p-ブロモスチレン、m-ブロ
モスチレン、o-ブロモスチレン、p-フルオロスチレ
ン、m-フルオロスチレン、o-フルオロスチレン、o-
メチル-p-フルオロスチレンなどのハロゲン化スチレン
【0035】4-ビニルビフェニル、3-ビニルビフェニ
ル、2-ビニルビフェニルなどのビニルビフェニル類;
1-(4-ビニルフェニル)ナフタレン、2-(4-ビニル
フェニル)ナフタレン、1-(3-ビニルフェニル)ナフ
タレン、2-(3-ビニルフェニル)ナフタレン、1-
(2-ビニルフェニル)ナフタレン、2-(2-ビニルフ
ェニル)ナフタレンなどのビニルフェニルナフタレン
類;1-(4-ビニルフェニル)アントラセン、2-(4-
ビニルフェニル)アントラセン、9-(4-ビニルフェニ
ル)アントラセン、1-(3-ビニルフェニル)アントラ
セン、2-(3-ビニルフェニル)アントラセン、9-
(3-ビニルフェニル)アントラセン、1-(2-ビニル
フェニル)アントラセン、2-(2-ビニルフェニル)ア
ントラセン、9-(2-ビニルフェニル)アントラセンな
どのビニルアントラセン類;
【0036】1-(4-ビニルフェニル)フェナントレ
ン、2-(4-ビニルフェニル)フェナントレン、3-
(4-ビニルフェニル)フェナントレン、4-(4-ビニ
ルフェニル)フェナントレン、9-(4-ビニルフェニ
ル)フェナントレン、1-(3-ビニルフェニル)フェナ
ントレン、2-(3-ビニルフェニル)フェナントレン、
3-(3-ビニルフェニル)フェナントレン、4-(3-ビ
ニルフェニル)フェナントレン、9-(3-ビニルフェニ
ル)フェナントレン、1-(2-ビニルフェニル)フェナ
ントレン、2-(2-ビニルフェニル)フェナントレン、
3-(2-ビニルフェニル)フェナントレン、4-(2-ビ
ニルフェニル)フェナントレン、9-(2-ビニルフェニ
ル)フェナントレンなどのビニルフェニルフェナントレ
ン類;1-(4-ビニルフェニル)ピレン、2-(4-ビニ
ルフェニル)ピレン、1-(3-ビニルフェニル)ピレ
ン、2-(3-ビニルフェニル)ピレン、1-(2-ビニル
フェニル)ピレン、2-(2-ビニルフェニル)ピレンな
どのビニルフェニルピレン類;
【0037】4-ビニル-p-ターフェニル、4-ビニル-
m-ターフェニル、4-ビニル-o-ターフェニル、3-ビ
ニル-p-ターフェニル、3-ビニル-m-ターフェニル、
3-ビニル-o-ターフェニル、2-ビニル-p-ターフェニ
ル、2-ビニル-m-ターフェニル、2-ビニル-o-ターフ
ェニルなどのビニルターフェニル類;4-(4-ビニルフ
ェニル)-p-ターフェニルなどのビニルフェニルターフ
ェニル類;4-ビニル-4'-メチルビフェニル、4-ビニ
ル-3'-メチルビフェニル、4-ビニル-2'-メチルビフ
ェニル、2-メチル-4-ビニルビフェニル、3-メチル-
4-ビニルビフェニルなどのビニルアルキルビフェニル
類;4-ビニル-4'-メトキシビフェニル、4-ビニル-
3'-メトキシビフェニル、4-ビニル-2'-メトキシビフ
ェニル、4-ビニル-2-メトキシビフェニル、4-ビニル
-3-メトキシビフェニル、4-ビニル-4'-エトキシビフ
ェニル、4-ビニル-3'-エトキシビフェニル、4-ビニ
ル-2'-エトキシビフェニル、4-ビニル-2-エトキシビ
フェニル、4-ビニル-3-エトキシビフェニルなどのア
ルコキシビフェニル類;
【0038】4-ビニル-4'-メトキシカルボニルビフェ
ニル、4-ビニル-4'-エトキシカルボニルビフェニルな
どのアルコキシカルボニルビニルビフェニル類;4-ビ
ニル-4'-メトキシメチルビフェニルなどのアルコキシ
アルキルビニルビフェニル類;4-ビニル-4'-トリメチ
ルシリルビフェニルなどのトリアルキルシリルビニルビ
フェニル類;4-ビニル-4'-メチルスタンニルビフェニ
ル、4-ビニル-4'-トリブチルスタンニルビフェニルな
どのトリアルキルスタンニルビニルビフェニル類;4-
ビニル-4'-トリメチルシリルメチルビフェニルなどの
トリアルキルシリルメチルビニルビフェニル類;4-ビ
ニル-4'-トリメチルスタンニルメチルビフェニル、4-
ビニル-4'-トリブチルスタンニルメチルビフェニルな
どのトリアルキルスタンニルメチルビニルビフェニル類
などのアリールスチレン類;
【0039】p-メトキシスチレン、m-メトキシスチレ
ン、o-メトキシスチレン、p-エトキシスチレン、m-
エトキシスチレン、o-エトキシスチレンなどのアルコ
キシスチレン;p-メトキシカルボニルスチレン、m-メ
トキシカルボニルスチレンなどのアルコキシカルボニル
スチレン;アセチルオキシスチレン、エタノイルオキシ
スチレン、ベンゾイルオキシスチレンなどのアシルオキ
シスチレン;p-ビニルベンジルプロピルエーテルなど
のアルキルエーテルスチレン;p-トリメチルシリルス
チレンなどのアルキルシリルスチレン;p-トリメチル
スタンニルスチレン、p-トリブチルスタンニルスチレ
ン、 p-トリフェニルスタンニルスチレンなどのアルキ
ルスタンニルスチレン;ビニルベンゼンスルホン酸エチ
ル、ビニルベンジルジメトキシホスファイド、p-ビニ
ルスチレンなどのビニルスチレン等とこれらの混合物が
挙げられる。これらの中で、経済性、重合反応性及び耐
熱性の点で好適なのは、スチレン、アルキルスチレン
類、ビニルビフェニルである。特に好適なのは、スチレ
ン、炭素数1〜6のアルキルを有するアルキルスチレン
類である。
【0040】また、本発明のシンジオタクチック構造の
芳香族ビニル系重合体は、必要に応じて本発明の効果を
損なわない範囲内での前記一般式(3)で表される構造
単位の他にこれと共重合可能なスチレン系単量体以外の
その他の単量体を共重合させたものであっても構わな
い。この場合の共重合可能なスチレン系単量体以外のそ
の他の単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブ
テンなどのオレフイン、シクロペンテン、2−ノルボル
ネンなどの環状オレフイン、1,3−ブタジエン、2−
メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン,2−クロロ−1,3−ブタジエン、
1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどの共
役ジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエ
ン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5
−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン、
メチルメタクリレート、メチルアクリレートなどの(メ
タ)アクリル酸エステルなどが含まれる。これらの、ス
チレン系単量体以外のその他の単量体の使用量は、本発
明の重合体の用途によっても異なり、一義的には定めら
れないが、全単量体中、好ましくは45モル%以下、特
に好ましくは0.05〜30モル%の範囲である。
【0041】本発明のシンジオタクチック構造の芳香族
ビニル系重合体は、前記一般式(3)で表される構造単
位が直列に連結した構造を有しているものである。従っ
て、前記一般式(3)で表される構造単位は各々1種あ
るいは異なる2種以上の任意の単量体の組み合わせから
なる単独重合体または共重合体であっても構わない。つ
まり、本発明の樹脂組成物で使用されるシンジオタクチ
ックヒドロキシスチレン系重合体を構成する前記一般式
(3)で表される構造単位は、必ずしも1種のみを示す
ものではなく、2種類以上の構造単位をも含むことか
ら、本発明の樹脂組成物で使用されるシンジオタクチッ
ク構造の芳香族ビニル系重合体は、ホモポリマー及び2
次元共重合体のほか、3元共重合体、4元共重合体等の
多元共重合体をも包含する。
【0042】本発明のシンジオタクチック構造の芳香族
ビニル系重合体では、結合している繰り返し単位は、1
種類の構造単位相互間のみならず、2種類以上の両構造
単位の相互間がそれぞれシンジオタクチック構造(コシ
ンジオタクチック構造)となっている。また、これらの
構造単位で構成される共重合体は、ブロック共重合、ラ
ンダム共重合あるいは交互共重合等の種々の態様のもの
がある。なお、本発明にいう主としてシンジオタクチッ
ク構造の芳香族ビニル系重合体は、必ずしも単一の重合
体である必要はない。シンジオタクティシティーが上記
範囲に存する限り、アイソタクチックもしくはアタクチ
ック構造のスチレン系重合体との混合物やアタクチック
構造の芳香族ビニル系重合体が重合鎖中に組み込まれた
ものであってもよい。
【0043】さらに、本発明のシンジオタクチック構造
の芳香族ビニル系重合体の分子量は、数平均分子量で6
00以上、好ましくは1000〜200万、より好まし
くは1500〜100万、特に好ましくは2000〜5
0万の範囲にあるのが望ましい。分子量が小さすぎると
機械的強度が低い、耐熱性が低下するなど高分子として
の物性が不十分になり、逆に、分子量が大きすぎると成
形加工が困難になるという問題を生じる。
【0044】なお、分子量分布については特に制限はな
いが、本発明のシンジオタクチック構造の芳香族ビニル
系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比である分子量分布(Mw/Mn)の好ましい範
囲は、15 以下、より好ましくは10 以下であり、更に好
ましくは3.0以下、特に好ましくは2.0以下、最も好まし
くは1.5以下である。分子量分布が広すぎると、耐熱性
や物性の低下という問題が生じるので好ましくない。本
発明のシンジオタクチック構造の芳香族ビニル系重合体
の、樹脂組成物中の含有量1〜98重量%である。好ま
しくは、5〜95重量%であり、更に好ましくは10〜
90重量%である。特に、好ましくは20〜80重量%
の範囲である。シンジオタクチック構造の芳香族ビニル
系重合体の樹脂組成物に対する添加量が上記の範囲から
外れると、耐熱性の改善効果が小さくなるので好ましく
ない。
【0045】本発明の樹脂組成物には樹脂の改質を行な
う目的で、必要に応じて通常の添加剤、例えば、帯電防
止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、表面改質
剤、分散剤、可塑剤、有機錫化合物、光安定剤、加工助
剤、発泡剤や硝子繊維、タルクなどの無機充填剤などを
添加することができる。また、本発明の樹脂組成物には
所望により本発明の効果を損なわない範囲で前記以外の
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を添加することができる。
【0046】本発明の樹脂組成物は、必須の配合成分で
ある各樹脂を2.0以上の誘電率を有する含酸素有機溶
媒に溶解し、その溶液を混合し、その後溶媒を除去する
ことにより製造することができる。2.0以上の誘電率
を有する含酸素有機溶媒としては、炭素数1〜6の脂肪
族アルコール、炭素数1〜12の脂肪族エーテル、炭素
数1〜6の脂肪族ケトン、炭素数1〜12の脂肪族エス
テル、炭素数1〜12のN,N−ジアルキルアミド、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)が好適に使用できる。
具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジメチ
ルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(D
MAc)、乳酸エチル、2−メトキシエチルエーテル
(ジグライム)、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、アセトン、メチルエ
チルケトン、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−
ジオキサン及び3−エトキシエチルプロピオネートから
なる群から1種以上の溶媒を選ぶことができる。
【0047】これらの溶剤の内で、耐熱性の改良効果の
点でメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、ペンタノール、ヘキサノール、ジメチルホルムアミ
ド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)が好
適に使用される。特に、好適な溶媒はエタノール、プロ
パノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチル
アセトアミド(DMAc)であり、より好適にはエタノ
ール、ジメチルホルムアミド(DMF)が使用される。
最も好適な溶媒はエタノールである。これらの溶媒に前
記樹脂を溶解する。溶解する際攪拌、過熱、超音波処理
等の操作をしても差し支えない。溶液濃度は特に制限は
ないが、通常0.05重量%以上、好ましくは0.1重量
%以上である。この範囲より小さいと溶媒使用量が大き
くなり好ましくない。
【0048】得られた樹脂溶液を通常は攪拌下に混合さ
せる。析出した沈殿物を遠心分離、濾過等の公知方法で
分離、もしくは減圧溜去、蒸留等公知方法で溶媒を除去
することにより本発明の樹脂組成物を得られる。また、
本発明の効果をさらに高めるために、得られた樹脂組成
物を上記の溶媒を使用して、特に耐熱性に優れた成分の
みを抽出することもできる。このようにして得られた本
発明の組成物を例えば、溶剤キャスト成形、射出成形、
押出成形又は圧縮成形することにより、耐熱性、機械的
性質に優れたフィルム、塗膜、その他の成形品が得られ
る。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。まず、
本発明の実施例で使用した各評価、測定方法について以
下述べる。
【0050】1)ポリマーの分子量、及び分子量分布 センシュー科学社製SSC-7100型ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーを用いて、示差屈折率計を検
出器として装着して測定を行った。 2)%シンジオタクティシティ 日本電子製JNM-LA600型核磁気共鳴分光装置を
用い、13C-NMR分析により、ペンタッド(ラセミペ
ンタッド)を測定することによって決定した。
【0051】3)ブロック共重合体組成 日本電子製JNM-LA600型核磁気共鳴分光装置を
用い、1H-NMR分析により決定した。 4)ガラス転移温度(Tg) Tg測定には(株)マックサイエンス製、DSC320
0Sを使用し、アルゴン気流下、昇温速度10℃/mi
nで測定を行った。
【0052】5)モルフォロジー観察 樹脂組成物のモルフォロジー観察は(株)日立製作所製
H-8100型透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、加速電圧
100kVで観察を行った。 6)組成分析 ポリ(p-ヒドロキシスチレン)とポリ(4−ビニルピ
リジン)とからなるポリマーコンプレックスの組成分析
は元素分析により行った。
【0053】参考例1(p-(t−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)スチレン単独重合体の製造) 乾燥し、窒素置換した内容積 200 mlのガラス製三ツ口
フラスコを用い、窒素雰囲気下で重合反応を行った。ト
ルエン 68.1 mlとトリオクチルアルミニウム 0.1 mmol
を仕込み室温で 10 分間エージングを行った。続いてペ
ンタメチルシクロペンタジエニルチタニウム 0.1 mmo
l、及び、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン 0.
09 mmolを仕込んで、10 分間室温でエージングを行っ
た。次に、-25 ℃の恒温とし、10 分間エージングを行
った。
【0054】ここに、p-tert-ブチルジメチルシリルオ
キシスチレン0.1mmolのトルエン溶液を仕込んで。さら
に-25 ℃の温度で60分間エージングを行った。最後に、
p-tert-ブチルジメチルシリルオキシスチレン2.0mmolの
トルエン溶液を仕込んで、-25 ℃にて 30分間重合反応
を行った。少量のメタノールを添加して重合反応を停止
し、重合溶液を大量のメタノールに注ぎ込み重合体を析
出させた。得られた重合体をトルエンに再溶解させ、濾
過後、再度溶液を大量のメタノールに注ぎ込み重合体を
析出させた。洗浄、濾別、乾燥、秤量して、重合体 0.4
44g(収率:90.2 wt%)を得た。重合活性は 8.88
(g of polymer)/(mmolTi)×hr)であった。得られ
た重合体の重量平均分子量(Mw)は 92600、数平均分
子量(Mn)は 80800、分子量分布(Mw/Mn)は1.1
5 であった。また、13C-NMR測定により求められる
シンジオタクティシティーは、ラセミペンタッドで 95
%以上であった。
【0055】参考例2((p-(t−ブチルジメチルシ
リルオキシ)スチレン)-b-(p-メチルスチレン))
ブロック共重合体の製造) 乾燥し、窒素置換した内容積 200mlのガラス製三ツ口フ
ラスコを用い、窒素雰囲気下で重合反応を行った。トル
エン 69.6 mlとトリオクチルアルミニウム 0.1mmolを三
ツ口フラスコに仕込み、10 分間室温でエージングを行
った。ここに、(トリメチル)ペンタメチルシクロペン
タジエニルチタニウム 0.1 mmol、続いてトリス(ペン
タフルオロフェニル)ボロン 0.09 mmolを仕込み室温で
10 分間エージングを行った。次に、-25 ℃の恒温と
し、10分間エージングを行った後、p-t−ブチルジメ
チルシリルオキシスチレン 0.1 mmol のトルエン溶液を
仕込んで、さらに60分間エージングを行った。
【0056】次いで、p-t−ブチルジメチルシリルオ
キシスチレン2.0 mmol のトルエン溶液 20 mlを仕込ん
で、-25℃にて 30分間重合反応を行った。その後、p−
メチルスチレン 4.0 mmolのトルエン溶液を添加して、
そのままの温度で15分間重合を行った後、少量のメタノ
ールを添加して反応を停止し、重合溶液を大量の塩酸メ
タノール溶液に注ぎ込み重合体を析出させた。得られた
重合体を洗浄、濾別、乾燥後、さらにトルエンに溶解、
濾別後、大量のメタノール中で重合体を再度析出させ、
得られた重合体を洗浄、濾別、乾燥後、秤量して、重合
体 0.759gを得た。得られた重合体の重量平均分子量
(Mw)は 193000 、数平均分子量(Mn)は 166000
、分子量分布(Mw/Mn)は 1.17であった。さら
に、本ブロック共重合体中に含まれるp−t−ブチルジ
メチルシリルオキシスチレン重合体セグメント(I)の
平均分子量及び分子量分布は参考例1の結果より、重量
平均分子量(Mw)は 92600、数平均分子量(Mn)は
80800、分子量分布(Mw/Mn)は1.15と考えられる。
また、13C-NMR測定により求められるシンジオタク
ティシティーは、p-t−ブチルジメチルシリルオキシ
スチレン重合体セグメント及びp-メチルスチレン重合
体セグメント共にラセミペンタッドで 95 %以上であっ
た。さらに、1H-NMR測定より求められるブロック共
重合体の組成はp-t−ブチルジメチルシリルオキシス
チレン37.1モル%、 p−メチルスチレン62.9
モル%であった。
【0057】参考例3((p-ヒドロキシスチレン)-b
-(p-メチルスチレン)ブロック共重合体の製造) 乾燥し、窒素置換した内容積 30 mlのガラス製シュレン
クボトルを用い、窒素雰囲気下で反応を行った。参考例
2で得られた(p-(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)スチレン)-b-(p-メチルスチレン))ブロック
共重合体:0.205 gをガラス製三ツ口フラスコに仕込
み、続いてテトラヒドロフラン30 mlを仕込んで、ポリ
マーを溶解させる。その後、37 %塩酸を1.0ml仕込んで
加熱を行い、テトラヒドロフランが還流する温度で300
分間撹拌を行った。加熱を停止した後、水中に上記ポリ
マー溶液を注ぎ込み重合体を析出させた。得られた重合
体を良く水洗し、濾別、乾燥、秤量して、重合体 0.158
gを得た。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)
は 256000、数平均分子量(Mn)は188000、分子量分布
(Mw/Mn)は 1.36であった。また、1H−NMR
測定により、t−ブチルジメチルシリル基に起因するピ
ークが完全に消失し、目的の(p-ヒドロキシスチレ
ン)-b-(p-メチルスチレン)ブロック共重合体が得
られていることを確認した。さらに、13C-NMR測定
により求められるシンジオタクティシティーは、ラセミ
ペンタッドで 95 %以上であった。さらに、1H-NMR
測定より求められるブロック共重合体の組成はヒドロキ
シスチレン34.7モル%、 p−メチルスチレン6
5.3モル%であった。
【0058】参考例4 (p-(t−ブチルジメチルシ
リルオキシ)スチレン単独重合体の製造) 乾燥し、窒素置換した内容積 1000 mlのガラス製三ツ口
フラスコを用い、窒素雰囲気下で重合反応を行った。ト
ルエン 631 mlとトリオクチルアルミニウム 0.7 mmolを
仕込み室温で 10 分間エージングを行った。続いてペン
タメチルシクロペンタジエニルチタニウム 0.7 mmol、
及び、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン 0.63
mmolを仕込んで、10 分間室温でエージングを行った。
次に、-25℃の恒温とし、10 分間エージングを行った。
【0059】ここに、p-tert-ブチルジメチルシリルオ
キシスチレン0.7mmolのトルエン溶液を仕込んで。さら
に-25 ℃の温度で60分間エージングを行った。最後に、
p-tert-ブチルジメチルシリルオキシスチレン14.0 mmol
のトルエン溶液を仕込んで、-25 ℃にて 20分間重合反
応を行った。少量のメタノールを添加して重合反応を停
止し、重合溶液を大量のメタノールに注ぎ込み重合体を
析出させた。得られた重合体をトルエンに再溶解させ、
濾過後、再度溶液を大量のメタノールに注ぎ込み重合体
を析出させた。洗浄、濾別、乾燥、秤量して、重合体
1.750g(収率:50.8 wt%)を得た。重合活性は 7.5
1 (g of polymer)/(mmol Ti)×hr)であった。得ら
れた重合体の重量平均分子量(Mw)は 77100、数平均
分子量(Mn)は 61300、分子量分布(Mw/Mn)は
1.26 であった。また、13C-NMR測定により求められ
るシンジオタクティシティーは、ラセミペンタッドで 9
5 %以上であった。
【0060】参考例5 p-ヒドロキシスチレン単独重
合体の製造 乾燥し、窒素置換した内容積 100 mlのガラス製シュレ
ンクボトルを用い、窒素雰囲気下で反応を行った。参考
例6で得られたp-(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)スチレン重合体:1.608 gをガラス製三ツ口フラス
コに仕込み、続いてテトラヒドロフラン50 mlを仕込ん
で、ポリマーを溶解させる。その後、37%塩酸を10.0ml
仕込んで加熱を行い、テトラヒドロフランが還流する温
度で180分間撹拌を行った。加熱を停止した後、水中に
上記ポリマー溶液を注ぎ込み重合体を析出させた。得ら
れた重合体を良く水洗し、濾別、乾燥、秤量して、重合
体 0.817 gを得た。
【0061】得られた重合体の重量平均分子量(Mw)
は 155000、数平均分子量(Mn)は111000、分子量分布
(Mw/Mn)は 1.40であった。また、1H−NMR
測定により、t−ブチルジメチルシリル基に起因するピ
ークが完全に消失し、目的のp-ヒドロキシスチレン重
合体が得られていることを確認した。さらに、13C-N
MR測定により求められるシンジオタクティシティー
は、ラセミペンタッドで 95 %以上であった。また、得
られたポリ(p-ヒドロキシスチレン)のTgは185
℃であった。
【0062】参考例6 (p-メチルスチレン単独重合
体の製造) 乾燥し、窒素置換した内容積 100 mlのガラス製三ツ口
フラスコを用い、窒素雰囲気下で重合反応を行った。ト
ルエン 69.2 mlとトリオクチルアルミニウム 0.1 mmol
を仕込み室温で 10 分間エージングを行った。続いてペ
ンタメチルシクロペンタジエニルチタニウム 0.1 mmo
l、及び、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン 0.
09 mmolを仕込んで、10 分間室温でエージングを行っ
た。次に、-25 ℃の恒温とし、10 分間エージングを行
った。
【0063】ここに、p-tert-ブチルジメチルシリルオ
キシスチレン0.1 mmolのトルエン溶液を仕込んで。さら
に-25 ℃の温度で60分間エージングを行った。最後に、
p-tert-ブチルジメチルシリルオキシスチレン15.0 mmol
のトルエン溶液を仕込んで、-25 ℃にて 20分間重合反
応を行った。少量のメタノールを添加して重合反応を停
止し、重合溶液を大量のメタノールに注ぎ込み重合体を
析出させた。得られた重合体をトルエンに再溶解させ、
濾過後、再度溶液を大量のメタノールに注ぎ込み重合体
を析出させた。洗浄、濾別、乾燥、秤量して、重合体
1.715 g(収率:96.1wt%)を得た。重合活性は 17.
2 (g of polymer)/(mmol Ti)×hr)であった。得ら
れた重合体の重量平均分子量(Mw)は 630000、数平均
分子量(Mn)は 470000、分子量分布(Mw/Mn)は
1.34 であった。また、13C-NMR測定により求められ
るシンジオタクティシティーは、ラセミペンタッドで 9
5 %以上であった。
【0064】実施例1 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
25gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-Al
drich社より購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.02
5gをそれぞれ別々にエタノール(誘電率:25.3)
に1.0重量%の濃度で溶解させ、これらのエタノール
溶液を攪拌下混合させる。シンジオタクチックポリ(p
-ヒドロキシスチレン)とポリ(4−ビニルピリジン)
とからなるポリマーコンプレックスが沈殿として析出し
た後、さらに1時間攪拌を継続する。析出したポリマー
コンプレックスは遠心分離機を用いて回収する。エタノ
ール洗浄、遠心分離を2回繰り返す。得られた樹脂組成
物は減圧下、85 ℃で24時間以上乾燥させた。樹脂組成
物の収量は0.047g(収率:94.8重量%)であ
った。分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを用い
て行った。得られた樹脂組成物の組成を元素分析により
調べたところ、シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキ
シスチレン):51.3モル%、ポリ(4−ビニルピリ
ジン):48.7モル%であった。この樹脂組成物のT
gは208℃であった。
【0065】比較例1 市販のアタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。市販のアタクチックポリ
(p-ヒドロキシスチレン)(Sigma-Aldrich社より購
入、Mw:20000、Tg:165℃)0.025gと市販
のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-Aldrich社より
購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.025gをそれ
ぞれ別々にエタノール(誘電率:25.3)に1.0重
量%の濃度で溶解させ、これらのエタノール溶液を攪拌
下混合させる。シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキ
シスチレン)とポリ(4−ビニルピリジン)とからなる
ポリマーコンプレックスが沈殿として析出した後、さら
に1時間攪拌を継続する。析出したポリマーコンプレッ
クスは遠心分離機を用いて回収する。エタノール洗浄、
遠心分離を2回繰り返す。得られた樹脂組成物は減圧
下、85 ℃で24時間以上乾燥させた。樹脂組成物の収量
は0.046g(収率:92.6重量%)であった。分
析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを用いて行っ
た。得られた樹脂組成物のTgは201℃であった。
【0066】実施例2 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
425gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-
Aldrich社より購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.0
075gをそれぞれ別々にエタノール(誘電率:25.
3)に1.0重量%の濃度で溶解させ、これらのエタノ
ール溶液を攪拌下混合させる。シンジオタクチックポリ
(p-ヒドロキシスチレン)とポリ(4−ビニルピリジ
ン)とからなるポリマーコンプレックスが沈殿として析
出した後、さらに1時間攪拌を継続する。析出したポリ
マーコンプレックスは遠心分離機を用いて回収する。エ
タノール洗浄、遠心分離を2回繰り返す。得られた樹脂
組成物は減圧下、85℃で24時間以上乾燥させた。樹脂組
成物の収量は0.017g(収率:33.2重量%)で
あった。分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを用
いて行った。得られた樹脂組成物の組成を元素分析によ
り調べたところ、シンジオタクチックポリ(p-ヒドロ
キシスチレン):57.4モル%、ポリ(4−ビニルピ
リジン):42.6モル%であった。この樹脂組成物の
Tgは210℃であった。
【0067】実施例3 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
375gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-
Aldrich社より購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.0
125gをそれぞれ別々にエタノール(誘電率:25.
3)に1.0重量%の濃度で溶解させ、これらのエタノ
ール溶液を攪拌下混合させる。シンジオタクチックポリ
(p-ヒドロキシスチレン)とポリ(4−ビニルピリジ
ン)とからなるポリマーコンプレックスが沈殿として析
出した後、さらに1時間攪拌を継続する。析出したポリ
マーコンプレックスは遠心分離機を用いて回収する。エ
タノール洗浄、遠心分離を2回繰り返す。得られた樹脂
組成物は減圧下、85℃で24時間以上乾燥させた。樹脂組
成物の収量は0.028g(収率:56.0重量%)で
あった。分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを用
いて行った。得られた樹脂組成物の組成を元素分析によ
り調べたところ、シンジオタクチックポリ(p-ヒドロ
キシスチレン):58.4モル%、ポリ(4−ビニルピ
リジン):41.6モル%であった。この樹脂組成物の
Tgは214℃であった。
【0068】実施例4 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
325gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-
Aldrich社より購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.0
175gをそれぞれ別々にエタノール(誘電率:25.
3)に1.0重量%の濃度で溶解させ、これらのエタノ
ール溶液を攪拌下混合させる。シンジオタクチックポリ
(p-ヒドロキシスチレン)とポリ(4−ビニルピリジ
ン)とからなるポリマーコンプレックスが沈殿として析
出した後、さらに1時間攪拌を継続する。析出したポリ
マーコンプレックスは遠心分離機を用いて回収する。エ
タノール洗浄、遠心分離を2回繰り返す。得られた樹脂
組成物は減圧下、85 ℃で24時間以上乾燥させた。樹脂
組成物の収量は0.038g(収率:76.6重量%)
であった。分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを
用いて行った。得られた樹脂組成物の組成を元素分析に
より調べたところ、シンジオタクチックポリ(p-ヒド
ロキシスチレン):57.8モル%、ポリ(4−ビニル
ピリジン):42.2モル%であった。この樹脂組成物
のTgは210℃であった。
【0069】実施例5 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
125gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-
Aldrich社より購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.0
375gをそれぞれ別々にエタノール(誘電率:25.
3)に1.0重量%の濃度で溶解させ、これらのエタノ
ール溶液を攪拌下混合させる。シンジオタクチックポリ
(p-ヒドロキシスチレン)とポリ(4−ビニルピリジ
ン)とからなるポリマーコンプレックスが沈殿として析
出した後、さらに1時間攪拌を継続する。析出したポリ
マーコンプレックスは遠心分離機を用いて回収する。エ
タノール洗浄、遠心分離を2回繰り返す。得られた樹脂
組成物は減圧下、85 ℃で24時間以上乾燥させた。樹脂
組成物の収量は0.030g(収率:59.6重量%)
であった。分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを
用いて行った。得られた樹脂組成物の組成を元素分析に
より調べたところ、シンジオタクチックポリ(p-ヒド
ロキシスチレン):38.7モル%、ポリ(4−ビニル
ピリジン):61.3モル%であった。この樹脂組成物
のTgは193℃であった。
【0070】実施例6 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
50gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-Al
drich社より購入、Mw:60000、Tg:136℃)0.05
0gをそれぞれ別々にDMF(誘電率:38.25)に
1.0重量%の濃度で溶解させ、これらのDMF溶液を
攪拌下混合させる。混合させた樹脂組成物のDMF溶液
を140℃の温度のホットプレート上のテフロン(登録
商標)製の板の上に滴下し、溶媒を留去させ、樹脂組成
物のフィルムを得る。得られた樹脂組成物は減圧下、85
℃で48時間以上乾燥させた。分析は直前まで真空乾燥
を行ったサンプルを用いて行った。この樹脂組成物のT
gは201℃であった。また、この樹脂組成物をDMF
に溶解し、ガラス基板上に塗布し、加熱下真空乾燥を行
った。得られたガラス基板上の樹脂組成物の塗膜をカッ
ターで1mm間隔、10本、90度のクロスカットを行
い、さらにセロテープ(登録商標)の密着・剥離試験を
行い、塗膜の剥離状況を目視にて確認した。樹脂組成物
の塗膜とガラス基板との間の接着性は良好で、塗膜の剥
離は観察されなかった。
【0071】実施例7 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
40gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-Al
drich社より購入、Mw:60000、Tg:136℃)0.06
0gをそれぞれ別々にDMF(誘電率:38.25)に
1.0重量%の濃度で溶解させ、これらのDMF溶液を
攪拌下混合させる。混合させた樹脂組成物のDMF溶液
を140℃の温度のホットプレート上のテフロン(登録
商標)製の板の上に滴下し、溶媒を留去させ、樹脂組成
物のフィルムを得る。得られた樹脂組成物は減圧下、85
℃で48 時間以上乾燥させた。分析は直前まで真空乾燥
を行ったサンプルを用いて行った。この樹脂組成物のT
gは194℃であった。また、この樹脂組成物をDMF
に溶解し、ガラス基板上に塗布し、加熱下真空乾燥を行
った。得られたガラス基板上の樹脂組成物の塗膜をカッ
ターで1mm間隔、10本、90度のクロスカットを行
い、さらにセロテープ(登録商標)の密着・剥離試験を
行い、塗膜の剥離状況を目視にて確認した。樹脂組成物
の塗膜とガラス基板との間の接着性は良好で、塗膜の剥
離は観察されなかった。
【0072】実施例8 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
60gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-Al
drich社より購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.04
0gをそれぞれ別々にDMF(誘電率:38.25)に
1.0重量%の濃度で溶解させ、これらのDMF溶液を
攪拌下混合させる。混合させた樹脂組成物のDMF溶液
を140℃の温度のホットプレート上のテフロン(登録
商標)製の板の上に滴下し、溶媒を留去させ、樹脂組成
物のフィルムを得る。得られた樹脂組成物は減圧下、85
℃で48時間以上乾燥させた。分析は直前まで真空乾燥
を行ったサンプルを用いて行った。この樹脂組成物のT
gは196℃であった。また、この樹脂組成物をDMF
に溶解し、ガラス基板上に塗布し、加熱下真空乾燥を行
った。得られたガラス基板上の樹脂組成物の塗膜をカッ
ターで1mm間隔、10本、90度のクロスカットを行
い、さらにセロテープ(登録商標)の密着・剥離試験を
行い、塗膜の剥離状況を目視にて確認した。樹脂組成物
の塗膜とガラス基板との間の接着性は良好で、塗膜の剥
離は観察されなかった。
【0073】実施例9 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(2−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
25gとアニオン重合により合成を行ったポリ(2−ビ
ニルピリジン)(Mn:16400、Tg:71℃)0.025
gをそれぞれ別々にエタノール(誘電率:25.3)に
1.0重量%の濃度で溶解させ、これらのエタノール溶
液を攪拌下混合させる。シンジオタクチックポリ(p-
ヒドロキシスチレン)とポリ(2−ビニルピリジン)と
からなるポリマーコンプレックスが沈殿として析出した
後、さらに1時間攪拌を継続する。析出したポリマーコ
ンプレックスは遠心分離機を用いて回収する。エタノー
ル洗浄、遠心分離を2回繰り返す。得られた樹脂組成物
は減圧下、85 ℃で24時間以上乾燥させた。樹脂組成物
の収量は0.045g(収率:90.1重量%)であっ
た。分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを用いて
行った。得られた樹脂組成物の組成を元素分析により調
べたところ、シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシ
スチレン):47.4モル%、ポリ(4−ビニルピリジ
ン):52.6モル%であった。この樹脂組成物のTg
は174℃であった。
【0074】比較例2 市販のアタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。市販のアタクチックポリ
(p-ヒドロキシスチレン)(Sigma-Aldrich社より購
入、Mw:20000、Tg:165℃)0.025gとアニ
オン重合により合成を行ったポリ(2−ビニルピリジ
ン)(Mn:16400、Tg:71 ℃)0.025gをそれ
ぞれ別々にエタノール(誘電率:25.3)に1.0重
量%の濃度で溶解させ、これらのエタノール溶液を攪拌
下混合させる。アタクチックポリ(p-ヒドロキシスチ
レン)とポリ(2−ビニルピリジン)とからなるポリマ
ーコンプレックスが沈殿として析出した後、さらに1時
間攪拌を継続する。析出したポリマーコンプレックスは
遠心分離機を用いて回収する。エタノール洗浄、遠心分
離を2回繰り返す。得られた樹脂組成物は減圧下、85
℃で24時間以上乾燥させた。樹脂組成物の収量は0.0
43g(収率:86.3重量%)であった。分析は直前
まで真空乾燥を行ったサンプルを用いて行った。得られ
た樹脂組成物の組成を元素分析により調べたところ、シ
ンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン):4
6.8モル%、ポリ(4−ビニルピリジン):53.2
モル%であった。この樹脂組成物のTgは165℃であ
った。
【0075】実施例10 シンジオタクチック(p-ヒドロキシスチレン)-b-
(p-メチルスチレン)ブロック共重合体とポリ(4−
ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製造は以下の
手順により行った。参考例3で得られたシンジオタクチ
ック(p-ヒドロキシスチレン)-b-(p-メチルスチレ
ン)ブロック共重合体0.067gと市販のポリ(4−
ビニルピリジン)(Sigma-Aldrich社より購入、Mw:600
00、Tg:136 ℃)0.033gをそれぞれ別々にDM
F(誘電率:38.25)に1.0重量%の濃度で溶解
させ、これらのDMF溶液を攪拌下混合させる。混合さ
せた樹脂組成物のDMF溶液を140℃の温度のホット
プレート上のテフロン(登録商標)製の板の上に滴下
し、溶媒を留去させ、樹脂組成物のフィルムを得る。得
られた樹脂組成物は減圧下、85 ℃で48時間以上乾燥さ
せた。分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを用い
て行った。得られた樹脂組成物のフィルムはRuO4
用いて染色を行い、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い
てモルフォロジー観察を行った。樹脂組成物のTEM写
真を図1に示す。図1中には比較のため、参考例3で得
られたシンジオタクチック(p-ヒドロキシスチレン)-
b-(p-メチルスチレン)ブロック共重合体のTEM写
真も併せて示す。図1を見ると、シンジオタクチック
(p-ヒドロキシスチレン)-b-(p-メチルスチレン)
ブロック共重合体のTEM写真ではブロック共重合体中の
各セグメントが交互に配列した交互ラメラ構造が観察さ
れた(図1(a)、図1(b))。この写真中でシンジ
オタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)相がより
濃い色で染色されていた。ラメラ層の厚さはシンジオタ
クチック(p-ヒドロキシスチレン)-b-(p-メチルス
チレン)ブロック共重合体では、シンジオタクチックポ
リ(p-ヒドロキシスチレン)セグメント相が30 nm、ポ
リ(p−メチルスチレン)セグメント相が70 nmであっ
た。一方、シンジオタクチック(p-ヒドロキシスチレ
ン)-b-(p-メチルスチレン)ブロック共重合体とポ
リ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物ではポ
リ(4−ビニルピリジン)が染色されないことに起因し
て、逆にポリ(p−メチルスチレン)セグメント相の方
が濃い色で染色されていた(図1(c)、図1
(d))。そして、ポリ(p−メチルスチレン)セグメ
ント相のラメラ構造の間隔が広がっているのが観察され
た。このことは、ポリ(4−ビニルピリジン)がブロッ
ク共重合体中のシンジオタクチックポリ(p-ヒドロキ
シスチレン)セグメント相と相溶化することによって、
シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)セ
グメント相の体積分率が大きくなっていることを示して
いるものと考えられる。そこで、この樹脂組成物をDM
Fに溶解し、ガラス基板上に塗布し、加熱下真空乾燥を
行った。得られたガラス基板上の樹脂組成物の塗膜をカ
ッターで1mm間隔、10本、90度のクロスカットを
行い、さらにセロテープ(登録商標)の密着・剥離試験
を行い、塗膜の剥離状況を目視にて確認した。樹脂組成
物の塗膜とガラス基板との間の接着性は良好で、塗膜の
剥離は観察されなかった。
【0076】実施例11 シンジオタクチック(p-ヒドロキシスチレン)-b-
(p-メチルスチレン)ブロック共重合体、ポリ(p−
メチルスチレン)とポリ(4−ビニルピリジン)とから
なる樹脂組成物の製造は以下の手順により行った。参考
例3で得られたシンジオタクチック(p-ヒドロキシス
チレン)-b-(p-メチルスチレン)ブロック共重合体
0.010gと参考例6で得られたポリ(p−メチルス
チレン)0.070g、及び市販のポリ(4−ビニルピ
リジン)(Sigma-Aldrich社より購入、Mw:60000、T
g:136 ℃)0.020gをDMF(誘電率:38.2
5)に1.0重量%の濃度で、攪拌下、溶解、混合させ
る。混合させた樹脂組成物のDMF溶液を140℃の温
度のホットプレート上のテフロン(登録商標)製の板の
上に滴下し、溶媒を留去させ、樹脂組成物のフィルムを
得る。得られた樹脂組成物は減圧下、85℃で48時間以上
乾燥させた。分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプル
を用いて行った。
【0077】得られた樹脂組成物のフィルムはRuO4
を用いて染色を行い、透過型電子顕微鏡(TEM)を用
いてモルフォロジー観察を行った。樹脂組成物のTEM
写真を図2に示す。図2を見ると、図2(a)の上側に
はシンジオタクチックポリ(p−メチルスチレン)相を
マトリックスとする相が存在しているのが観察された。
このポリ(p−メチルスチレン)相中には分散粒子とし
て約100〜200 nmのポリ(4−ビニルピリジン)相が球
形の分散相として分散していた(図2(b))。さらに
このポリ(4−ビニルピリジン)相を拡大して観察する
と、ポリ(4−ビニルピリジン)相にブロック共重合体
が内包されることによって生成したポリ(p−メチルス
チレン)ドメインと考えられる約40 nmの内包粒子が存
在しているのが観察された(図2(d))。また、この
分散ポリ(4−ビニルピリジン)粒子とマトリック樹脂
の界面には両相の中間色の界面相が存在していた。この
ことは、マトリックポリマーと分散粒子内のポリマーと
が相互に浸入することにより、相溶性を改善しているこ
と示している。
【0078】一方、図2(a)の下側にはポリ(p−メ
チルスチレン)相が約40nmの大きさの微細な球状ドメイ
ンで分散しているのが観察された。図1(a)及び図1
(b)に示したブレンド物に添加したブロック共重合体
のモルフォロジーを考慮すると、シンジオタクチック
(p-ヒドロキシスチレン)-b-(p-メチルスチレン)
ブロック共重合体が単独の相を形成していれば、その相
の内部モルフォロジーは交互ラメラ構造をとるはずであ
る。しかし、球状ドメイン構造を示したのはブロック共
重合体が単独で存在しているのではなく、ブロック共重
合体中のシンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチ
レン)セグメント相にポリ(4−ビニルピリジン)が可
溶化することにより体積分率が増大していることを示し
ているものと考えられる。また、ポリ(p−メチルスチ
レン)分散粒子の界面のコントラストは低く、この場合
にもマトリックスポリマーと分散粒子ポリマー間の相溶
性を改善していることを示していた。そこで、この樹脂
組成物をDMFに溶解し、ガラス基板上に塗布し、加熱
下真空乾燥を行った。得られたガラス基板上の樹脂組成
物の塗膜とガラス基板との間の接着性は良好で、塗膜の
剥離やひび割れは観察されなかった。
【0079】比較例3 シンジオタクチックポリ(p−メチルスチレン)とポリ
(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製造は
以下の手順により行った。参考例6で得られたポリ(p
−メチルスチレン)0.080g、及び市販のポリ(4
−ビニルピリジン)(Sigma-Aldrich社より購入、Mw:6
0000、Tg:136 ℃)0.020gをDMFに1.0重
量%の濃度で、攪拌下、溶解、混合させる。混合させた
樹脂組成物のDMF溶液を140℃の温度のホットプレ
ート上のテフロン(登録商標)製の板の上に滴下し、溶
媒を留去させ、樹脂組成物のフィルムを得る。得られた
樹脂組成物は減圧下、85 ℃で48時間以上乾燥させた。
分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを用いて行っ
た。得られた樹脂組成物のフィルムはRuO4を用いて
染色を行い、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてモル
フォロジー観察を行った。
【0080】樹脂組成物のTEM写真を図3に示す。図
3を見ると、Figure 1.2.4-7ではポリ(4−ビニルピリ
ジン)の相が白く見えているのがわかる。そして、シン
ジオタクチックポリ(p−メチルスチレン)とポリ(4
−ビニルピリジン)の単純ブレンド物では直径が数μm
に及ぶポリ(4−ビニルピリジン)分散粒子が存在して
いるのが観察された(図3(a))。分散相であるポリ
(4−ビニルピリジン)粒子を拡大して観察を行った
が、ポリ(4−ビニルピリジン)粒子内部にはシンジオ
タクチックポリ(p−メチルスチレン)相と考えられる
内包粒子の存在は確認されなかった。このことは、DMF
溶液からシンジオタクチックポリ(p−メチルスチレ
ン)とポリ(4−ビニルピリジン)の単純ブレンド物を
キャストする際、かなり初期の段階でシンジオタクチッ
クポリ(p−メチルスチレン)相とポリ(4−ビニルピ
リジン)相との相分離が起きていることを示唆している
ものと考えられる。また、このような巨視的な相分離構
造を形成するのは、シンジオタクチックポリ(p−メチ
ルスチレン)とポリ(4−ビニルピリジン)は極性が大
きく異なることに起因して、相溶性が低いことが原因と
なっているものと考えられる。そこで、この樹脂組成物
をDMFに溶解し、ガラス基板上に塗布し、加熱下真空
乾燥を行った。得られたガラス基板上の樹脂組成物の塗
膜とガラス基板との間の接着性が乏しく、塗膜の剥離及
びひび割れが観察された。
【0081】参考例7((p-(t−ブチルジメチルシ
リルオキシ)スチレン)-b-(スチレン))ブロック共
重合体の製造) 乾燥し、窒素置換した内容積 200 mlのガラス製三ツ口
フラスコを用い、窒素雰囲気下で重合反応を行った。ト
ルエン 69.6 mlとトリオクチルアルミニウム 0.1 mmol
を三ツ口フラスコに仕込み、10 分間室温でエージング
を行った。ここに、(トリメチル)ペンタメチルシクロ
ペンタジエニルチタニウム 0.1 mmol、続いてトリス
(ペンタフルオロフェニル)ボロン 0.09 mmolを仕込み
室温で 10 分間エージングを行った。次に、-25 ℃の恒
温とし、10 分間エージングを行った後、p-t−ブチル
ジメチルシリルオキシスチレン 0.1 mmol のトルエン溶
液を仕込んで、さらに60分間エージングを行った。次い
で、p-t−ブチルジメチルシリルオキシスチレン2.0 m
mol のトルエン溶液 20 mlを仕込んで、-25 ℃にて 30
分間重合反応を行った。その後、スチレン20.0 mmolの
トルエン溶液を添加して、そのままの温度で30分間重合
を行った後、少量のメタノールを添加して反応を停止
し、重合溶液を大量の塩酸メタノール溶液に注ぎ込み重
合体を析出させた。
【0082】得られた重合体を洗浄、濾別、乾燥後、さ
らにトルエンに溶解、濾別後、大量のメタノール中で重
合体を再度析出させ、得られた重合体を洗浄、濾別、乾
燥後、秤量して、重合体 0.835 gを得た。得られた重
合体の重量平均分子量(Mw)は 249000 、数平均分子
量(Mn)は 174000 、分子量分布(Mw/Mn)は1.
43であった。さらに、本ブロック共重合体中に含まれる
p−t−ブチルジメチルシリルオキシスチレン重合体セ
グメント(I)の平均分子量及び分子量分布は参考例1
の結果より、重量平均分子量(Mw)は 92600、数平均
分子量(Mn)は 80800、分子量分布(Mw/Mn)は
1.15と考えられる。また、13C-NMR測定により求め
られるシンジオタクティシティーは、p-t−ブチルジ
メチルシリルオキシスチレン重合体セグメント及びスチ
レン重合体セグメント共にラセミペンタッドで 95 %以
上であった。さらに、1H-NMR測定より求められるブ
ロック共重合体の組成はp-t−ブチルジメチルシリル
オキシスチレン34.5モル%、 スチレン65.5モ
ル%であった。
【0083】参考例8((p-ヒドロキシスチレン)-b
-(スチレン)ブロック共重合体の製造) 乾燥し、窒素置換した内容積 30 mlのガラス製シュレン
クボトルを用い、窒素雰囲気下で反応を行った。参考例
2で得られた(p-(t−ブチルジメチルシリルオキ
シ)スチレン)-b-(スチレン))ブロック共重合体:
0.203gをガラス製三ツ口フラスコに仕込み、続いてテト
ラヒドロフラン30mlを仕込んで、ポリマーを溶解させ
る。その後、37 %塩酸を1.0ml仕込んで加熱を行い、テ
トラヒドロフランが還流する温度で300 分間撹拌を行っ
た。加熱を停止した後、水中に上記ポリマー溶液を注ぎ
込み重合体を析出させた。得られた重合体を良く水洗
し、濾別、乾燥、秤量して、重合体 0.167 gを得た。
また、1H−NMR測定により、t−ブチルジメチルシ
リル基に起因するピークが完全に消失し、目的の(p-
ヒドロキシスチレン)-b-(スチレン)ブロック共重合
体が得られていることを確認した。さらに、13C-NM
R測定により求められるシンジオタクティシティーは、
ラセミペンタッドで 95 %以上であった。さらに、1H-
NMR測定より求められるブロック共重合体の組成はヒ
ドロキシスチレン34.0モル%、 p−メチルスチレ
ン66.0モル%であった。
【0084】参考例9 (シンジオタクチックスチレン
単独重合体の製造) 乾燥し、窒素置換した内容積100mlのガラス製三ツ
口フラスコを用い、窒素雰囲気下で重合反応を行った。
2−フルオロトルエン(誘電率:4.23)24.3m
lと脱溶媒した固体のメチルアルミノキサン5.0mm
ol(Al換算)を仕込み、23℃の恒温とした。ここ
にスチレン2.5mlを仕込んで、10分間エージング
した後、シクロペンタジエニルチタチタントリクロリド
(CpTiCl 3)0.0025mmolの2−フルオロトル
エン溶液を添加し、23℃にて10分間重合反応を行っ
た。少量のメタノールを添加して重合反応を停止し、重
合溶液を大量の酸性メタノールに注ぎ込み重合体を析出
させた。
【0085】得られた重合体を洗浄、濾別、乾燥、秤量
して、重合体の収量0.114g(収率は4.7%)を
得た。重合活性は274(g of PS)/(mmol
Ti)×hr)であった。次に、この重合体をソック
スレー抽出器を用いてメチルエチルケトンで5時間抽出
したところ、抽出残(MIP)94%を得た。得られた
重合体の重量平均分子量(Mw)は308000、数平
均分子量(Mn)は157000、分子量分布(Mw/
Mn)は2.0であった。また、13C−NMR測定によ
り求められるシンジオタクティシティは、ラセミペンタ
ッドで95%以上であった。
【0086】実施例12 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
25gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-Al
drich社より購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.02
5gをそれぞれ別々にエタノール(誘電率:25.3)
及び1−プロパノール(誘電率:20.1)からなる混
合溶媒(エタノール/1−プロパノール=70/30容
量%/容量%)に1.0重量%の濃度で溶解させ、これ
らの溶液を攪拌下混合させる。シンジオタクチックポリ
(p-ヒドロキシスチレン)とポリ(4−ビニルピリジ
ン)とからなるポリマーコンプレックスが沈殿として析
出した後、さらに1時間攪拌を継続する。析出したポリ
マーコンプレックスは遠心分離機を用いて回収する。エ
タノール洗浄、遠心分離を2回繰り返す。得られた樹脂
組成物は減圧下、85℃で24時間以上乾燥させた。樹脂組
成物の収量は0.045g(収率:90.0重量%)で
あった。分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを用
いて行った。得られた樹脂組成物の組成を元素分析によ
り調べたところ、シンジオタクチックポリ(p-ヒドロ
キシスチレン):51.0モル%、ポリ(4−ビニルピ
リジン):49.0モル%であった。この樹脂組成物の
Tgは207℃であった。
【0087】実施例13 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
25gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-Al
drich社より購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.02
5gをそれぞれ別々にエタノール(誘電率:25.3)
及び2−プロパノール(誘電率:20.18)からなる
混合溶媒(エタノール/2−プロパノール=80/20
容量%/容量%)に1.0重量%の濃度で溶解させ、こ
れらの溶液を攪拌下混合させる。シンジオタクチックポ
リ(p-ヒドロキシスチレン)とポリ(4−ビニルピリ
ジン)とからなるポリマーコンプレックスが沈殿として
析出した後、さらに1時間攪拌を継続する。析出したポ
リマーコンプレックスは遠心分離機を用いて回収する。
エタノール洗浄、遠心分離を2回繰り返す。得られた樹
脂組成物は減圧下、85 ℃で24時間以上乾燥させた。樹
脂組成物の収量は0.046g(収率:92.0重量
%)であった。分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプ
ルを用いて行った。得られた樹脂組成物の組成を元素分
析により調べたところ、シンジオタクチックポリ(p-
ヒドロキシスチレン):51.3モル%、ポリ(4−ビ
ニルピリジン):48.7モル%であった。この樹脂組
成物のTgは207℃であった。
【0088】実施例14 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
50gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-Al
drich社より購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.05
0gをそれぞれ別々にDMF(誘電率:38.25)及
びTHF(誘電率:7.52)からなる混合溶媒(DM
F/THF=70/30容量%/容量%)に1.0重量
%の濃度で溶解させ、これらの溶液を攪拌下混合させ
る。混合させた樹脂組成物の溶液を140℃の温度のホ
ットプレート上のテフロン(登録商標)製の板の上に滴
下し、溶媒を留去させ、樹脂組成物のフィルムを得る。
得られた樹脂組成物は減圧下、85℃で48時間以上乾燥さ
せた。分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを用い
て行った。この樹脂組成物のTgは200℃であった。
また、この樹脂組成物をDMF及びTHFからなる混合
溶媒(DMF/THF=70/30容量%/容量%)に
溶解し、ガラス基板上に塗布し、加熱下真空乾燥を行っ
た。得られたガラス基板上の樹脂組成物の塗膜をカッタ
ーで1mm間隔、10本、90度のクロスカットを行
い、さらにセロテープ(登録商標)の密着・剥離試験を
行い、塗膜の剥離状況を目視にて確認した。樹脂組成物
の塗膜とガラス基板との間の接着性は良好で、塗膜の剥
離は観察されなかった。
【0089】実施例15 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
50gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-Al
drich社より購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.05
0gをそれぞれ別々にDMF(誘電率:38.25)及
びアセトン(誘電率:21.01)からなる混合溶媒
(DMF/アセトン=80/20容量%/容量%)に
1.0重量%の濃度で溶解させ、これらの溶液を攪拌下
混合させる。混合させた樹脂組成物の溶液を140℃の
温度のホットプレート上のテフロン(登録商標)製の板
の上に滴下し、溶媒を留去させ、樹脂組成物のフィルム
を得る。得られた樹脂組成物は減圧下、85 ℃で48時間
以上乾燥させた。分析は直前まで真空乾燥を行ったサン
プルを用いて行った。この樹脂組成物のTgは199℃
であった。また、この樹脂組成物をDMF及びアセトン
からなる混合溶媒(DMF/アセトン=80/20容量
%/容量%)に溶解し、ガラス基板上に塗布し、加熱下
真空乾燥を行った。得られたガラス基板上の樹脂組成物
の塗膜をカッターで1mm間隔、10本、90度のクロ
スカットを行い、さらにセロテープ(登録商標)の密着
・剥離試験を行い、塗膜の剥離状況を目視にて確認し
た。樹脂組成物の塗膜とガラス基板との間の接着性は良
好で、塗膜の剥離は観察されなかった。
【0090】実施例16 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
50gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-Al
drich社より購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.05
0gをそれぞれ別々にDMF(誘電率:38.25)及
びN,N−ジエチルホルムアミド(誘電率:29.6)
からなる混合溶媒(DMF/N,N−ジエチルホルムア
ミド=80/20容量%/容量%)に1.0重量%の濃
度で溶解させ、これらの溶液を攪拌下混合させる。混合
させた樹脂組成物の溶液を140℃の温度のホットプレ
ート上のテフロン(登録商標)製の板の上に滴下し、溶
媒を留去させ、樹脂組成物のフィルムを得る。得られた
樹脂組成物は減圧下、85℃で48時間以上乾燥させた。分
析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを用いて行っ
た。この樹脂組成物のTgは199℃であった。また、
この樹脂組成物をDMF及びN,N−ジエチルホルムア
ミドからなる混合溶媒(DMF/N,N−ジエチルホル
ムアミド=80/20容量%/容量%)に溶解し、ガラ
ス基板上に塗布し、加熱下真空乾燥を行った。得られた
ガラス基板上の樹脂組成物の塗膜をカッターで1mm間
隔、10本、90度のクロスカットを行い、さらにセロ
テープ(登録商標)の密着・剥離試験を行い、塗膜の剥
離状況を目視にて確認した。樹脂組成物の塗膜とガラス
基板との間の接着性は良好で、塗膜の剥離は観察されな
かった。
【0091】実施例17 シンジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)と
ポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製
造は以下の手順により行った。参考例5で得られたシン
ジオタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)0.0
50gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)(Sigma-Al
drich社より購入、Mw:60000、Tg:136 ℃)0.05
0gをそれぞれ別々にDMF(誘電率:38.25)及
び乳酸エチル(誘電率:15.4)からなる混合溶媒
(DMF/乳酸エチル=80/20容量%/容量%)に
1.0重量%の濃度で溶解させ、これらの溶液を攪拌下
混合させる。混合させた樹脂組成物の溶液を140℃の
温度のホットプレート上のテフロン(登録商標)製の板
の上に滴下し、溶媒を留去させ、樹脂組成物のフィルム
を得る。得られた樹脂組成物は減圧下、85 ℃で48時間
以上乾燥させた。分析は直前まで真空乾燥を行ったサン
プルを用いて行った。この樹脂組成物のTgは198℃
であった。また、この樹脂組成物をDMF及び乳酸エチ
ルからなる混合溶媒(DMF/乳酸エチル=80/20
容量%/容量%)に溶解し、ガラス基板上に塗布し、加
熱下真空乾燥を行った。得られたガラス基板上の樹脂組
成物の塗膜をカッターで1mm間隔、10本、90度の
クロスカットを行い、さらにセロテープ(登録商標)の
密着・剥離試験を行い、塗膜の剥離状況を目視にて確認
した。樹脂組成物の塗膜とガラス基板との間の接着性は
良好で、塗膜の剥離は観察されなかった。
【0092】実施例18 シンジオタクチック(p-ヒドロキシスチレン)-b-
(スチレン)ブロック共重合体とポリ(4−ビニルピリ
ジン)とからなる樹脂組成物の製造は以下の手順により
行った。参考例X2で得られたシンジオタクチック(p
-ヒドロキシスチレン)-b-(スチレン)ブロック共重
合体0.067gと市販のポリ(4−ビニルピリジン)
(Sigma-Aldrich社より購入、Mw:60000、Tg:136
℃)0.033gをそれぞれ別々にDMF(誘電率:3
8.25)、THF(誘電率:7.52)及び1,2−
ジクロロベンゼンからなる混合溶媒(DMF/THF/
1,2−ジクロロベンゼン=60/20/20容量%/
容量%/容量%)に1.0重量%の濃度で溶解させ、こ
れらの溶液を攪拌下混合させる。混合させた樹脂組成物
の溶液を140℃の温度のホットプレート上のテフロン
(登録商標)製の板の上に滴下し、溶媒を留去させ、樹
脂組成物のフィルムを得る。得られた樹脂組成物は減圧
下、85℃で48時間以上乾燥させた。分析は直前まで真空
乾燥を行ったサンプルを用いて行った。得られた樹脂組
成物のフィルムはRuO4を用いて染色を行い、透過型
電子顕微鏡(TEM)を用いてモルフォロジー観察を行
った。参考例X2で得られたシンジオタクチック(p-
ヒドロキシスチレン)-b-(スチレン)ブロック共重合
体のTEM写真では実施例10と同様にブロック共重合体
中の各セグメントが交互に配列した交互ラメラ構造が観
察された。このときのシンジオタクチックポリ(p-ヒ
ドロキシスチレン)セグメント相が30 nm、ポリ(スチ
レン)セグメント相が60 nmであった。
【0093】一方、本発明のシンジオタクチック(p-
ヒドロキシスチレン)-b-(スチレン)ブロック共重合
体とポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹脂組成物
では、ポリ(スチレン)セグメント相のラメラ構造の間
隔が広がっているのが観察された。このことは、ポリ
(4−ビニルピリジン)がブロック共重合体中のシンジ
オタクチックポリ(p-ヒドロキシスチレン)セグメン
ト相と相溶化することによって、シンジオタクチックポ
リ(p-ヒドロキシスチレン)セグメント相の体積分率
が大きくなっていることを示している。そこで、この樹
脂組成物をDMF、THF及び1,2−ジクロロベンゼ
ンからなる混合溶媒(DMF/THF/1,2−ジクロ
ロベンゼン=60/20/20容量%/容量%/容量
%)に溶解し、ガラス基板上に塗布し、加熱下真空乾燥
を行った。得られたガラス基板上の樹脂組成物の塗膜を
カッターで1mm間隔、10本、90度のクロスカット
を行い、さらにセロテープ(登録商標)の密着・剥離試
験を行い、塗膜の剥離状況を目視にて確認した。樹脂組
成物の塗膜とガラス基板との間の接着性は良好で、塗膜
の剥離は観察されなかった。
【0094】実施例19 シンジオタクチック(p-ヒドロキシスチレン)-b-
(スチレン)ブロック共重合体、シンジオタクチックポ
リスチレンとポリ(4−ビニルピリジン)とからなる樹
脂組成物の製造は以下の手順により行った。参考例X2
で得られたシンジオタクチック(p-ヒドロキシスチレ
ン)-b-(スチレン)ブロック共重合体0.010gと
参考例X3で得られたシンジオタクチックポリスチレン
0.070g、及び市販のポリ(4−ビニルピリジン)
(Sigma-Aldrich社より購入、Mw:60000、Tg:136
℃)0.020gをDMF(誘電率:38.25)、T
HF(誘電率:7.52)及び1,2−ジクロロベンゼ
ンからなる混合溶媒(DMF/THF/1,2−ジクロ
ロベンゼン=60/20/20容量%/容量%/容量
%)に1.0重量%の濃度で、攪拌下、溶解、混合させ
る。混合させた樹脂組成物の溶液を140℃の温度のホ
ットプレート上のテフロン(登録商標)製の板の上に滴
下し、溶媒を留去させ、樹脂組成物のフィルムを得る。
得られた樹脂組成物は減圧下、85 ℃で48時間以上乾燥
させた。分析は直前まで真空乾燥を行ったサンプルを用
いて行った。得られた樹脂組成物のフィルムはRuO4
を用いて染色を行い、透過型電子顕微鏡(TEM)を用
いてモルフォロジー観察を行った。樹脂組成物のTEM
写真を見ると、シンジオタクチックポリスチレン相をマ
トリックスとする相中に分散粒子として約100〜200 nm
のポリ(4−ビニルピリジン)相が球形の分散相として
分散していた。さらにこのポリ(4−ビニルピリジン)
相を拡大して観察すると、ポリ(4−ビニルピリジン)
相にブロック共重合体が内包されることによって生成し
たシンジオタクチックポリスチレンドメインと考えられ
る約40 nmの内包粒子が存在しているのが観察された。
また、この分散ポリ(4−ビニルピリジン)粒子とマト
リック樹脂の界面には両相の中間色の界面相が存在して
いた。このことは、マトリックポリマーと分散粒子内の
ポリマーとが相互に浸入することにより、相溶性を改善
していること示している。そこで、この樹脂組成物をD
MF(誘電率:38.25)、THF(誘電率:7.5
2)及び1,2−ジクロロベンゼンからなる混合溶媒に
溶解し、ガラス基板上に塗布し、加熱下真空乾燥を行っ
た。得られたガラス基板上の樹脂組成物の塗膜とガラス
基板との間の接着性は良好で、塗膜の剥離やひび割れは
観察されなかった。
【0095】比較例4 シンジオタクチックポリメチルスチレンとポリ(4−ビ
ニルピリジン)とからなる樹脂組成物の製造は以下の手
順により行った。参考例X3で得られたシンジオタクチ
ックポリスチレン0.080g、及び市販のポリ(4−
ビニルピリジン)(Sigma-Aldrich社より購入、Mw:600
00、Tg:136 ℃)0.020gをDMF(誘電率:3
8.25)、THF(誘電率:7.52)及び1,2−
ジクロロベンゼンからなる混合溶媒(DMF/THF/
1,2−ジクロロベンゼン=60/20/20容量%/
容量%/容量%)に1.0重量%の濃度で、攪拌下、溶
解、混合させる。混合させた樹脂組成物の溶液を140
℃の温度のホットプレート上のテフロン(登録商標)製
の板の上に滴下し、溶媒を留去させ、樹脂組成物のフィ
ルムを得る。得られた樹脂組成物は減圧下、85 ℃で48
時間以上乾燥させた。分析は直前まで真空乾燥を行った
サンプルを用いて行った。得られた樹脂組成物のフィル
ムはRuO4を用いて染色を行い、透過型電子顕微鏡
(TEM)を用いてモルフォロジー観察を行った。
【0096】樹脂組成物のTEM写真を見ると、シンジ
オタクチックポリスチレンとポリ(4−ビニルピリジ
ン)の単純ブレンド物である本比較例の組成物では直径
が数μmに及ぶポリ(4−ビニルピリジン)分散粒子が
存在しているのが観察された。分散相であるポリ(4−
ビニルピリジン)粒子を拡大して観察を行ったが、ポリ
(4−ビニルピリジン)粒子内部にはシンジオタクチッ
クポリ(p−メチルスチレン)相と考えられる内包粒子
の存在は確認されなかった。このことは、相溶性が低い
ことが原因となっているものと考えられる。そこで、こ
の樹脂組成物をDMF(誘電率:38.25)、THF
(誘電率:7.52)及び1,2−ジクロロベンゼンか
らなる混合溶媒(DMF/THF/1,2−ジクロロベ
ンゼン=60/20/20容量%/容量%/容量%)に
溶解し、ガラス基板上に塗布し、加熱下真空乾燥を行っ
た。得られたガラス基板上の樹脂組成物の塗膜とガラス
基板との間の接着性が乏しく、塗膜の剥離及びひび割れ
が観察された。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、シンジオタクチック構
造のヒドロキシスチレン系重合体と含窒素芳香族ビニル
系重合体からなる樹脂組成物、シンジオタクチックヒド
ロキシスチレン系重合体セグメントとシンジオタクチッ
ク構造の芳香族ビニル系重合体セグメントとからなるシ
ンジオタクチックヒドロキシスチレン系ブロック共重合
体と含窒素芳香族ビニル系重合体からなる樹脂組成物、
及び、シンジオタクチック構造の芳香族ビニル系重合
体、含窒素芳香族ビニル系重合体とシンジオタクチック
ヒドロキシスチレン系ブロックからなる樹脂組成物を得
ることができる。ここで製造された樹脂組成物では高度
のシンジオタクチック構造を有するヒドロキシスチレン
系重合体及びブロック共重合体を含むことに起因して、
含窒素芳香族ビニル系重合体との間で良好な相溶性を示
す。従って、本発明の樹脂組成物は、良好な耐熱性、接
着性、及び改善された相溶性を示すことから種々の高性
能樹脂、機能性材料及び機能性樹脂原料に用いることが
でき、その工業的有用性は広汎にわたるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川辺 正直 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 村田 昌英 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 尾崎 裕之 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 加瀬 俊男 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 福井 祥文 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 ホアン テ・バン 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 萩原 英昭 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 (72)発明者 土原 健治 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 (72)発明者 鈴木 靖三 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 (72)発明者 浅井 道彦 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 Fターム(参考) 4F070 AA18 AA38 AB11 AC36 AC38 AC39 AC43 AC47 AE28 FA04 FA17 4J002 BC10Y BC12X BJ00W GG00 GJ01 GJ02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1) 【化1】 (式中、Arはピリジニル基、置換ピリジニル基、ピリ
    ミジニル基、置換ピリミジニル基、ピラジニル基、置換
    ピラジニル基、トリアジニル基、置換トリアジニル基、
    キノリニル基、置換キノリニル基、イソキノリニル基、
    置換イソキノリニル基、アクリジニル基、置換アクリジ
    ニル基、フタラジニル基、置換フタラジニル基、キノキ
    サリニル基、置換キノキサリニル基、フェナンスロリニ
    ル基、置換フェナンスロリニル基からなる群から選ばれ
    る1種以上の含窒素芳香族残基を示す。)で表される構
    造単位を有する含窒素芳香族ビニル系重合体1〜99重
    量%と、(B)下記一般式(2) 【化2】 で表わされる構造単位を含む重合度5以上の単独重合体
    または共重合体であり、かつそのタクティシティが13
    −NMRによるラセミペンタッドで30%以上であるシ
    ンジオタクチック構造のヒドロキシスチレン系重合体1
    〜99重量%とを必須の配合成分とする樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した(A)一般式(1)
    で表わされる構造単位を有する含窒素芳香族ビニル系重
    合体1〜98重量%、請求項1に記載した(B)一般式
    (2)で表わされる構造単位を含む重合度5以上の単独
    重合体または共重合体であるシンジオタクチック構造の
    ヒドロキシスチレン系重合体1〜98重量%、および
    (C)下記一般式(3) 【化3】 (式中、R1は炭素数1〜30の炭化水素基、酸素原子
    を含む炭素数1〜6の置換基、または、窒素原子、硫黄
    原子、リン原子、セレン原子、ケイ素原子及び錫原子の
    いずれか1種以上を含む置換基を示し、pは0〜5の整
    数を示す。但し、pが複数のときは、各R1は同一でも
    異なるものであってもよい)で表される構造単位を有す
    る重合度5以上の重合体であり、かつそのタクティシテ
    ィが13C−NMRによるラセミペンタッドで30%以上
    であるシンジオタクチック構造の芳香族ビニル系重合体
    1〜98重量%を必須の配合成分とする樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 シンジオタクチック構造のヒドロキシス
    チレン系重合体が、実質的に前記一般式(2)で表され
    る構造単位のみからなるヒドロキシスチレン系単独重合
    体であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 シンジオタクチック構造のヒドロキシス
    チレン系重合体が、1〜99mol%の前記一般式
    (2)で表される構造単位と、1〜99mol%の下記
    一般式(4) 【化4】 (式中、R2は炭素数1〜30の炭化水素基、酸素原子
    を含む炭素数1〜6の置換基、または、窒素原子、硫黄
    原子、リン原子、セレン原子、ケイ素原子及び錫原子の
    いずれか1種以上を含む置換基を示し、qは0〜5の整
    数を示す。但し、qが複数のときは、各R2は同一でも
    異なるものであってもよい。)で表される構造単位とで
    ブロック重合したシンジオタクチックヒドロキシスチレ
    ン系ブロック共重合体であることを特徴とする請求項1
    または2記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記一般式(1)におけるArがピリジ
    ニル基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記一般式(3)におけるR1が炭素数
    1〜6のアルキル基であることを特徴とする請求項2に
    記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記一般式(4)におけるR2が炭素数
    1〜6のアルキル基であることを特徴とする請求項4に
    記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 必須の配合成分とする各樹脂を溶媒に溶
    解し、その溶液を混合し、その後溶媒を除去する樹脂組
    成物の製造方法において、溶媒が2.0以上の誘電率を
    有する含酸素有機溶媒であることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 溶媒が、炭素数1〜6の脂肪族アルコー
    ル、炭素数1〜12の脂肪族エーテル、炭素数1〜6の
    脂肪族ケトン、炭素数1〜12の脂肪族エステル、炭素
    数1〜12のN,N−ジアルキルアミドからなる群から
    選ばれる1種以上の溶媒であることを特徴とする請求項
    8記載の樹脂組成物の製造方法。
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Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6081253A (ja) * 1983-10-08 1985-05-09 Kansai Paint Co Ltd 水性顔料分散液
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WO2001058964A1 (fr) * 2000-02-10 2001-08-16 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Polymeres de styrene syndiotactiques et leur procede de production

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