JP2518102B2 - 光学活性アルコ―ルの製造法並びに光学活性アルコ―ルの分割法 - Google Patents

光学活性アルコ―ルの製造法並びに光学活性アルコ―ルの分割法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はγ位にシリル基又はスタニル基を有すると共
に分子内にエポキシ基を有する光学活性アルコール及び
γ位にシリル基を有する光学活性アリルアルコールの製
造法並びにこれらエポキシ基を有する光学活性アルコー
ル及び光学活性アリルアルコールをそれぞれ光学純度よ
く分離する分割法に関する。
従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 2級アリルアルコールはそれ自体有用な化合物であ
り、また、有用な合成中間体として従来より広く認めら
れている。特に、近年分子構造中に2級アリルアルコー
ルの骨格を含む各種生理活性化合物が広く知られるよう
になっているが、これらの化合物は多くは光学活性体で
あり、2級アリルアルコールの光学活性体の合成は工業
的に重要な課題となっている。
特に、最終目的化合物(多くは光学活性なアリルアル
コールの骨格をその分子構造中に含み、一層複雑な化合
物及びその立体異性体となっている)の合成を考えた場
合、これらのものを有利に合成できる中間体として種々
の反応操作が極めて容易に行なえる光学活性を有するア
リルアルコールが望まれている。
例えば、新しい型の医薬品であるプロスタグランジン
系化合物の合成において、γ位にハロゲン原子を有する
光学活性アリルアルコール〔III c(式中、Halはハロゲン原子を、Rは飽和または不飽和
の炭素数1〜10の置換もしくは未置換のアルキル基、ま
たは置換もしくは未置換のフェニル基を表わす。以下、
同様。) は水酸基の置換した炭素原子上の不斉を光延反応等で反
転させてγ位にハロゲン原子を有する光学活性アリルア
ルコール〔IV cに変えた後、或いはγ位にハロゲン原子を有する光学活
性アリルアルコール〔IV c〕はそのままでω側鎖の原料
として用いられることが良く知られている。(J.W.Patt
erson,Jr.ら、J.Org.Chem.,39,2506(1974))。
また、ω側鎖の原料としてγ−位のスタニル基を有す
る光学活性アリルアルコール〔IV bも用いることもできる。(E.J.Coreyら、Tetrahedron L
etter,27,2199(1986)等)。
また更に、ω側鎖の原料として下記の如き化合物(V
I)も報告されている(J.G.Miller,W,Kurz,J.Am.Chem.S
oc.,96,6774(1974))。
従来、光学活性な2級アリルアルコールの合成法とし
ては下記式に示される共役エノン〔VII〕の不斉還元に
よる方法(野依ら、J.Am.Chem.Soc.,101,5843(1979)
等)、 或いは下記式に示される共役イノン〔VIII〕の不斉還
元後、ハイドロアルミ化反応し、更にハロゲン化して得
る方法(C.J.Sihら、J.Am.Chem.Soc.,97 857(1975)
等)、更には共役イノンの不斉還元後、水添する方法
(野依ら、J.Am.Chem.Soc.,106,6717(1984))が良く
知られている。
しかし、これらの方法は不斉源として高価な酵素や高
価な光学活性ビナフトールを用いる必要があり、また得
られる化合物〔IV b〕〔IV c〕の光学純度も95%ee以下
と低く、反応条件も低基質濃度やかなりの低温(例えば
−100℃)を必要とする等、工業的な製法としては問題
点が数多かった。
一方、香月、シャープレスらはアリルアルコールのチ
タンテトラアルコキサイド及び光学活性な酒石酸ジエス
テルを用い、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイ
ドのような過酸化物でエポキシ化反応を行う速度論的光
学分割法が光学活性なアリルアルコール類の合成法とし
て極めて有用であることを示した(特開昭57−122072,U
SP−4471130,USP−4594439)。
この、いわゆる「シャープレス酸化反応」は不斉源と
して酒石酸ジエステルという安価な原料を用いる点で他
の方法よりも優れている。また、最近はこの不斉源の量
も触媒量まで減らせることが明らかとなったため、さら
にその重要性が増している(K.B.Sharplessら、J.Org.C
hem.,51,1922(1986))。
しかしながら、シャープレスらの方法にも種々問題が
ある。
即ち、第1の問題として、シャープレスらの開示して
いる2級アリルアルコールにおける速度論的光学分割で
は、エポキシ化反応を一層速く受ける特定の光学活性ア
リルアルコールと、より遅くエポキシ化反応を受ける対
応する逆の光学活性アリルアルコールとの速度比が多く
の場合十分でなく、例えばシャープレスらのエポキシ化
反応の原料であるラセミ体のアリルアルコールを通常60
%以上エポキシ化しないと純度の極めて高い光学活性な
アリルアルコールが得られない(K.B.Sharplessら、J.A
m.Chem.Soc.,103,6237(1981))。
このことは、有用な光学活性の2級アリルアルコール
を得ようとした場合、原料のラセミ体の2級アリルアル
コールの60%以上を無駄にすることになり、工業的に実
施しようとしてもこの工程では収率が40%以下となって
非常に不利である。更に、多くの場合はこの工程以後に
多くの化学反応操作を実施して一層複雑な最終生成物に
することを考えると、全体の収率が非常に小さくなると
いう問題がある。
第2の問題として、シャープレスらの開示しているア
リルアルコールでは、シス体は極めて光学分割効率が悪
く、シス体のアリルアルコールの光学分割としては実際
的な有用性が低いという問題点を有している。
また、第3の問題として、シャープレスらの開示して
いるアリルアルコールでは電子吸引性のハロゲン原子を
持つ化合物、例えばブロム原子を有する化合物〔IX〕又
は酸化され易い原子、例えば硫黄原子〔X〕や錫原子、
ハロゲン原子を有する化合物〔V b〕のような反応基質
の例がなく、これらはエポキシ化反応自体が進行しない
可能性があり、矢張り有効な光学分割法とはなり得なか
った。
エポキシ化反応自体が進行しない理由としては、ハロ
オレフィンは二重結合の電子密度が低く、一般に酸化反
応が遅いと考えられること及びオレフィンの酸化よりも
錫原子、ハロゲン原子或いは硫黄原子の酸化の方が速い
可能性があること等が挙げられる。その他、反応生成物
として想定されるエポキシアルコール類〔I′〕或いは
〔II′〕が極めて不安定と考えられることもこれらの例
が知られていなかった理由の一つとしてあげられる。
なお、エポキシアルコールは、それ自体有用な化合物
であり、また更に、合成中間体として有用である。即
ち、近年分子構造中に光学活性なエポキシ基を含む生理
活性化合物が増加していること、光学活性エポキシ基を
立体特異的に反応させて得られる化合物、例えば光学活
性2級アリルアルコールや光学活性1,2−ジオールや光
学活性1,3−ジオールも生理活性化合物として有用であ
ること等による。しかし、変換が容易な原子、例えば硅
素、錫、ハロゲン等の原子をγ位にする光学活性なエポ
キシアルコール〔I′〕および〔II′〕はこれまで知ら
れておらず、工業的に大きな障害となっていた。
本発明はこれらシャープレスらの反応の有効性の3つ
の限界という問題点を克服するためになされたものであ
って、本発明はγ位にシリル基又はスタニル基を有する
有用な光学活性アルコールの新規な製造法並びにこれら
光学活性アルコールの分割法を提供することを目的とす
る。
問題点を解決するための手段 本発明者は上記目的を達成するため鋭意研究を進めた
結果、γ位にシリル基又はスタニル基を有するトランス
型アリルアルコール〔V〕 をチタンテトラアルコキサイド及び光学活性な酒石酸ジ
エステルの存在下、ハイドロパーオキサイドで酸化する
ことにより、従来は決して得られなかった光学分割効率
で下記の反応が進行し、アンチ体の光学活性エポキシア
ルコール〔I〕と光学活性アリルアルコール〔III〕或
いは光学活性エポキシアルコール〔II〕と光学活性アリ
ルアルコール〔IV〕が得られることを見い出し、本発明
をなすに至ったものである。
従って、本発明は 一般式[V] [式中、Rは飽和または不飽和の炭素数1〜10の置換も
しくは未置換のアルキル基又は置換もしくは未置換のフ
ェニル基を、Aは で表わされるシリル基又は で表わされるスタニル基を表わす。
ここで、R1,R2,R3は炭素数1〜10の置換もしくは未置
換のアルキル基又は置換もしくは未置換のフェニル基を
示し、互いに同一であっても異なっていてもよい。] で表わされるγ位にシリル基又はスタニル基を有するト
ランス型のアリルアルコールを、チタンテトラアルコキ
サイド及び光学活性酒石酸ジエステルの存在下にハイド
ロパーオキサイドで酸化して、この光学活性酒石酸ジエ
ステルの光学活性に応じて、 一般式[I]で表わされるエポキシ基を有する光学活
性アルコールと一般式[III]で表わされる光学活性ア
リルアルコール、又は一般式[II]で表わされるエポキ
シ基を有する光学活性アルコールと一般式[IV]で表わ
される光学活性アリルアルコールを得ることを特徴とす
る光学活性アルコールの製造法、 [式中、R、Aは上記と同様の意味を示す。]、及び 一般式[III]又は[IV]で表わされるγ位にシリル
基又はスタニル基を有する光学活性アリルアルコール
を、チタンテトラアルコキサイド及び光学活性酒石酸ジ
エステルの存在下にハイドロパーオキサイドで酸化し
て、この光学活性酒石酸ジエステルの光学活性に応じ
て、 一般式[II]又は[I]で表わされるエポキシ基を有
する光学活性アルコールを得ることを特徴とする光学活
性アルコールの製造法、並びに 光学活性アルコールを動力学的に分割するため、 一般式[V]で表わされるγ位にシリル基又はスタニ
ル基を有する一般式[III]及び[IV]で表わされる光
学活性アリルアルコールがラセミ体又は混合物として含
有されるトランス型のアリルアルコールを、 チタンテトラアルコキサイド及び光学活性酒石酸ジエス
テルの存在下にハイドロパーオキサイドで酸化して、こ
の光学活性酒石酸ジエステルの光学活性に応じて、一般
式[III]又は[IV]で表わされる光学活性アリルアル
コールを優先的に反応させ、一般式[II]又は[I]で
表わされるエポキシ基を有する光学活性アルコールを得
ると共に、この反応に未関与の一般式[III]又は[I
V]で表わされる光学活性アリルアルコールを得ること
を特徴とする光学活性アルコールの分割法に関するもの
である。
本発明の一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕で
表わされるアルコール類は、従来シャープレスらのほか
の方法では容易には得られなかった多くの立体規制され
た2級アリルアルコール、エポキシアルコール、1,2−
ジオール、1,3−ジオール等をその骨格に含む複雑な生
理活性物質を合成するために有用である。
本発明の特徴として第1番目に光学分割効率が挙げら
れる。即ち、γ位にシリル基又はスタニル基を有する2
級アリルアルコール(ラセミ又は2種の光学対掌体の混
合物)化合物〔V〕をチタンテトラアルコキサイド及び
光学活性な酒石酸ジエステルを用いてハイドロパーオキ
サイドで酸化すると、用いた酒石酸ジエステルの光学的
構造に対応して、用いた反応基質のラセミな化合物
〔V〕の一方の光学異性体は素速くエポキシ化反応を受
け、逆の光学異性体は極めてゆっくりエポキシ化反応を
受ける。即ち、実用的な反応時間でエポキシ化反応を終
了した場合、例えば約7時間で得られたエポキシ化合物
の光学純度は99%以上であり、一方残ったアリルアルコ
ール光学純度も99%以上である。このような生成物の高
い光学純度は反応時間10時間にしても殆んど変化しな
い。
このことは用いた酒石酸ジエステルの光学的構造に対
応して、エポキシ化反応を素速く受ける化合物〔V〕の
一方の光学異性体が殆んど全てエポキシ化反応を受けた
後、ラセミ化合物〔V〕の他方の光学異性体の逆のもの
がエポキシ化を受け始めるといえる。
従って、このことは両者の反応速度比が無限大に近い
ことを示している。後の実施例で説明するが、下記第1
表は次の反応の場合の光学純度の経緯を示したものであ
る。
この表の意味は実用的な意味を考察すると、一層明確
になる。即ち、この反応はラセミ体化合物に含まれる光
学異性体に対するエポキシ化反応速度比が無限大に近い
ため、反応管理が極めて容易になる。従来のように通常
エポキシ化の反応率を60%(ラセミ反応基質に対して)
程度まで進めて反応を停止させる場合、キラルなアリル
アルコールの収量を一層向上させるために、反応停止点
を判断するためのモニタリングにかなりの大きな労力と
反応物のロス等があった。しかし、今回の発明者の方法
は、先に述べた速度比が極めて大きく、無限大といって
いい程であるため、反応時間をかなりな許容範囲を持っ
て管理するだけで十分である。このことは、用いる酸化
剤の使用量を必要最小限に減らすことも、逆に大過剰に
増すことも可能であるといいかえることもできる。
また、反応温度の管理も容易となり、例えば従来−25
〜−20℃が普通であった反応温度条件が+20℃程度でも
充分可能になった(第7表参照)。この反応条件の穏和
化は工業的には非常に大きな進歩である。
また、第2番目に、高い光学純度のエポキシアルコー
ルが得られるという特徴がある。
本発明方法の反応 で得られる新規な光学活性アルコール〔I〕及び〔II〕
はγ位のシリル基又はスタニル基の効果でいずれも98%
以上の高い光学純度で得られる。また、光学活性アルコ
ール〔I〕及び〔II〕はそのまま或いは立体特異的にさ
らに変換し、有用な光学活性なアリルアルコール、1,2
−ジオール、1,3−ジオールとすることができる。例え
ば、後述するように有用な光学活性アリルアルコールに
変換することができる。いいかえれば今迄の通常のシャ
ープレスらの例では、原料のラセミのアリルアルコール
の約半量(通常60%以上)はエポキシ化合物になるが、
得られるエポキシアルコールの光学純度はせいぜい90%
ee程度と低く、キラルな合成原料としては粗悪なもので
あり、高い光学純度のエポキシアルコールを得るには光
学活性アリルアルコールをさらにエポキシ化(通常シン
体とアンチ体の混合物となる)させる必要があった。
これに対し、本発明で得られるエポキシアルコールの
光学純度は98%ee以上と高く、しかもほぼアンチ体のみ
である。しかも後述するように、得られるエポキシアル
コールは容易に光学活性なアリルアルコールにも変換で
きる。即ち、原料のγ位にシリル基又はスタニル基を有
する化合物〔V〕の半量は光学活性アリルアルコールと
して、また残りの半量は光学活性エポキシアルコールと
して全てを有効に利用できる。このことが本発明の第2
の特徴である。
本発明の第3の特徴は、得られる光学活性アルコール
〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕がγ位にシリル基又
はスタニル基を有した新規化合物(但し〔III〕および
〔IV〕においてはAがスタニル基である場合を除く。)
であることである。これらのヘテロ原子を手懸りにして
各種の誘導が可能になる。例えば後述の参考例、実施例
には多種多様の反応が示されており、有用な化合物、例
えばプロスタグランジン用のω鎖やロイコトリエンB4
(LTB4)等への応用が容易に行えるようになったことが
わかる。
その他の特徴として、化合物〔V〕のエポキシ化が従
来のシャープレス法の場合に比べ速く進むことが挙げら
れる。その上に、第一の特徴として述べたハイドロパー
オキサイドの使用量の増量及び反応温度の昇温により、
さらに10〜20時間程度まで反応時間を短縮できるように
なったが、これは従来のシャープレス法が5〜15日間を
要したのに比べると、大きな進歩であり、工業的なプロ
セスとして非常に重要な点である。
この有用な光学活性アルコール〔I〕,〔II〕,〔II
I〕,〔IV〕を極めて高い光学純度で得るためのポイン
トは、〔V〕で示す化合物 においてAとしてシリル基又はスタニル基を用いること
である。即ち、γ位にシリル基又はスタニル基を持つ2
級アリルアルコールを用いることが本発明の特徴であ
る。
また、今まで述べたことからも判る通り、〔I〕或い
は〔II〕式の化合物は、次式のように〔III〕或いは〔I
V〕の化合物より合成することもできる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の製造方法で得られる光学活性アルコールは、
下記式〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕: で示されるものである。
上記式のRは、上述したように、炭素数1〜10の置換
もしくは未置換のアルキル基又は置換もしくは未置換の
フェニル基を示すが、具体的には、メチル、エチル、n
−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、
t−ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、
ノニル、デシル、2−メチルヘキシル、2−メチル−2
−ヘキシル、2−ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘ
キシル、シクロヘキシルメチル、ヘキサ−4−イン−2
−イル、ヘプタ−4−イン−2−イル、2,6−ジメチル
−ヘプタ−5−エン−1−イル、ペンタ−1−エン−1
−イル、ペンタ−2−エン−1−イル、ヘキサ−1−エ
ン−2−イル、3−エトキシ−2−メチル−プロパン−
2−イル、エトキシエチル、5−メトキシヘキシル、6
−メトキシ−2−ヘキシル、ハロゲン化メチル、ハロゲ
ン化n−ブチル、ハロゲン化n−ペンチル、ハロゲン化
ノニル、フェニル、ベンジル、ハロゲン化フェニル、n
−ペンチルオキシメチル、1−エトキシ−2−メチル−
プロパン−2−イル、フェノキシメチル、ベンジロキシ
メチル、p−クロル−フェノキシメチル、2−フェニル
エチル、ベンジロキシエチル、p−フルオロ−フェノキ
シメチル、フェニルアセチレニル、m−クロル−フェノ
キシメチル、m−トリフルオロメチル−フェノキシメチ
ル、1−ブチル−シクロプロピル、3−エチル−シクロ
ペンチル、ベンゾチオフェン−5−イル、2−オクテニ
ル、3−メトキシカルボニルプロピル、ビニル等を挙げ
ることができる。
また、γ位にあるAは で表わされるシリル基又は で表わされるスタニル基を表わすが、光学活性アルコー
ルが〔III〕又は〔IV〕のアリルアルコールでは、Aが
シリル基の場合は〔III〕又は〔IV〕は新規物質である
が、Aがスタニル基の場合には〔III〕又は〔IV〕は一
部公知化合物である。なお、〔I〕,〔II〕はいずれも
新規物質である。
ここで、R1,R2,R3は炭素数1〜10の置換もしくは未置
換のアルキル基又は置換もしくは未置換のフェニル基
で、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−
プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、アミ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、
フェニル、p−トリル、m−クロロフェニル、p−メト
キシフェニル等を挙げることができる。なお、R1,R2,R3
は互いに同一であっても異なっていても良い。
次に、本発明に係る製造法について説明すると、本発
明に従って化合物〔V〕より〔I〕,〔II〕,〔II
I〕,〔IV〕の光学活性アルコールを得るためには、次
式に示すように、用いる光学活性酒石酸ジエステルを用
いて生成物のアルコールの立体を規制している。ここで
用いる光学活性な酒石酸ジエステルとしては、L−
(+)−酒石酸ジメチル、L−(+)−酒石酸ジエチ
ル、L−(+)−酒石酸ジイソプロピル、L−(+)−
酒石酸ジ−t−ブチル、L−(+)−酒石酸ジステアリ
ル、L−(+)−酒石酸ジフェニル及びこれ等のD−
(−)−体が例として挙げられる。例えば、L−(+)
−酒石酸ジエステルを用いれば、 又は、D−(−)−酒石酸ジエステルを用いれば、 となり、〔I〕或いは〔II〕の立体異性体であるシン体
のエポキアルコールは殆んど生成しない。
この酒石酸ジエステルの使用量は、先に述べたチタン
アルコキサイド1モル当り0.2〜2.0モル、特に1.0〜1.2
モルが望ましい。
本発明では上記反応にチタンテトラアルコキサイドを
使用するが、チタンテトラアルコキサイドとしては、具
体的には、チタンテトラメトキサイド、チタンテトラエ
トキサイド、チタンテトラプロポキサイド、チタンテト
ライソプロポキサイド、チタンテトラブトキサイド、チ
タンテトラt−ブトキサイド等が挙げられ、その1種又
は2種以上を使用することができる。その使用量は、
〔V〕で表わされるアリルアルコール1モル当り0.05〜
1.5モルにすることが望ましい。
また、酸化剤(ハイドロパーオキサイド)としては、
通常、脂肪族のハイドロパーオキサイドが使用され、例
えばt−ブチルハイドロパーオキサイド、α,α−ジメ
チルヘプチルハイドロパーオキサイド、ビス−イソブチ
ル−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1−メチルシク
ロヘキシルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパ
ーオキサイド及びシクロヘキシルハイドロパーオキサイ
ド等を挙げることができる。その使用量は〔V〕のアリ
ルアルコール1モル当り0.5〜3モル、特に0.5〜1.5モ
ルが好ましい。
本発明の製造法においては溶媒を使用することが好ま
しく、溶媒としては不活性溶媒、特にハロゲン化炭化水
素溶媒が好適に用いられる。具体的にはジクロロメタ
ン、ジクロロエタン等を挙げることができる。
反応温度は−80℃〜80℃の範囲が採用され、望ましく
は−30℃〜30℃である。また、反応時間は、反応基質又
は温度等により異なるが、通常10分〜100時間である。
反応系は水分を非常に嫌うので反応溶媒、反応基質及
び反応剤は全て極力脱水する必要がある。また、触媒量
の酒石酸ジエステルを用いる場合は粉末化したモレキュ
ラーシーブ、水素化カルシュウム、シリカゲル等を共存
させて反応させても良い。
なお、本発明に用いられるトランス型のアリルアルコ
ール〔V〕は ラセミ体でも、光学活性体の混合物でも良く、光学活性
エポキシアルコール〔I〕或いは〔II〕を合成する場合
は対応する光学活性アリルアルコール、即ち各々この順
に〔IV〕の化合物或いは〔III〕の化合物を用いても良
い。
ここで、〔V〕の化合物は常法、即ちエノンのケト
ン還元、ビニル金属試薬とアルデヒドの反応、アセ
チレンアルコールのトランス水素化等で合成できる。
次に、本発明の方法で得られる化合物〔I〕,〔I
I〕,〔III〕,〔IV〕の有用性について具体的に説明す
る。
これ等の化合物の有用性の本質は、キラルな化合物で
ある事、同時にビニルシリル基、ビニルスタニル基又は
エポキシシリル基、エポキシスタニル基を持つことであ
る。本発明化合物のシリル基を有する〔I〕,〔II〕,
〔III〕,〔IV〕からビニルシリル基又はエポキシシリ
ル基の良く知られた一般的な反応(E.W.Colvin,“Silic
on in Organic Synthesis,"Butterworths,London,198
1);W.P.Weber,“Silicon Reagents for Organic Synth
esis,"Springer,Verlag,New York(1983))を利用する
ことにより、容易に今迄のシャープレス等の方法では効
率良く得られなかったシス体の光学活性なアリルアルコ
ールが効率良く、容易に得ることができる。
例えば、ハロゲンを持つ、プロスタグランジンのω鎖
として用いられる前出の〔VI〕のようなものも下記反応
式に示すように容易に得ることがでる。
ビニルシリル基又はエポキシシリル基を有する化合物
〔I〕,〔II〕,〔III〕,〔IV〕の有用性の一端を一
般的に示せば、以下の一連の反応がそれを良く示してい
る。
ここで、Nu:は各種求核剤を表わす。例えば、アルキ
ルアニオン、ハロゲンアニオン、メルカプトアニオン等
を挙げることができる。また、(a),(b),
(c),(d)はアリルアルコールの理論的に考えられ
る4種類全ての立体を合成できることを示している。即
ち、本発明の新規な化合物〔I〕,〔II〕,〔III〕,
〔IV〕は多くの種類の2級アリルアルコールの全ての立
体異性体を合成することができる。
より具体的な例を挙げれば以下の反応を示すことがで
きる。
一般式〔I a′〕で表わされるアンチ型エポキシアル
コールの水酸基を保護した化合物とグリニヤール試薬を
反応させ、 (但し、Rは前記と同じ意味を有し、R4は置換もしくは
未置換の炭素数1〜10のアルキル基及びアリール基並び
にその誘導体を表わす。また、OEEは 基を示す。) 一般式〔XI〕で表わされる各種1,2−ジオールを得る
ことができる。
そして、一般式〔XI〕で表わされる化合物を各々塩基
性ピターソン脱離反応、酸性ピターソン脱離反応を行う
と、一般式〔A〕及び一般式〔B〕で表わされる化合物
を得ることができる。
これと同様にして、γ位にスタニル基を有する一般式
〔I b〕で表わされるアンチ型エポキシアルコールと有
機スズリチウム試薬との反応で光学活性アリルアルコー
ル〔IV b〕を得ることができる。
また、シリル基を有する〔I a〕あるいは〔II a〕は
水酸基を保護した後テトラブチルアンモニウムフロリド
で処理し、続いて脱保護することにより、無置換のエポ
キシアルコール〔XII〕に変換できる。
無置換のエポキシアルコール〔XII〕は昆虫フェロモ
ンであるブレビコミン(S.Takano et al.,J.C.S.,Chem.
Comunn.,1985,1759)や、単糖類(D.Seebach et al.,He
lv.Chim.Acta,64,687(1981))の合成などに用いられ
る有用な化合物である。
この他、〔I〕の化合物或いは〔II〕の化合物に類似
した光学活性エポキシアルコールをRed−Al還元するこ
とによって光学活性1,3−ジオールが得られることも知
られている(I.O.Sutherland et al.,Tetrahedron Le
t.,27,3535(1986))ので、この反応も利用できる。
また更に、一般式〔III〕で表わされる立体配置が規
制された水酸基を有するγ位にシリル基又はスタニル基
を有するトランス型のアリルアルコールについて通常の
エポキシ化反応を行なうと、一般式〔C〕で表わされる
シン体のエポキシアルコールもアンチ体のエポキシアル
コールも得ることができる。ここでアンチ体のみを必要
とする場合は適合する光学活性の酒石酸ジエステルを用
いる本発明のエポキシ化反応を行えば良い。
こうして得られた一般式〔C〕で表わされる化合物の
うちAがシリル基の場合は水酸基と保護(エトキシエチ
ル化)した後、R4MgXと反応させ、塩基性ピターソン脱
離反応或いは酸性ビターソン脱離反応を行なうと、一般
式〔C〕の化合物がシン体であってもアンチ体であって
もこの化合物をエトキシエチル化した一般式(C′)の
化合物から一般式〔D〕及び一般式〔E〕の化合物を得
ることができる。
即ち、本発明の化合物を出発物質として使用すること
により、前出の一般式〔A〕及び〔B〕で表される化合
物も上記一般式〔D〕及び〔E〕で表わされる化合物
も、即ち光学活性アリルアルコールの全立体異性体すべ
てを任意に合成することができる。
また、以上の反応は例えば〔I〕に対しては〔II〕,
〔III〕に対しては〔IV〕の様な逆の立体配置の立体配
置が規制された水酸基を有するγ位にシリル基、スタニ
ル基を有するアンチ型エポキシアルコール及びトランス
型のアリルアルコールについても行なうことができ、そ
れぞれ立体規則性のある化合物を得ることができる。
発明の効果 また、本発明の一般式〔I〕,〔II〕,〔III〕及び
〔IV〕で表わされるアルコールの製造法はγ位にシリル
基、スタニル基を有するアリルアルコール及びエポキシ
アルコールを高い光学純度と高い安定性をもって任意
に、選択性よく合成することができ、得られた一般式
〔I〕,〔II〕,〔III〕及び〔IV〕で表わされる光学
活性を有するアルコールは、各種の生理活性物質合成の
中間体として有用であると共に、アルコール自身が生理
活性物質として作用するものである。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は
下記実施例に制限されるものではない。
なお、下記例において、Meはメチル基、Etはエチル
基、Prはプロピル基、Amはアミル基、pHはフェニル基、
Acはアセチル基を示す。
〔実施例1〕 アルゴン雰囲気下、−20℃に冷却したチタンテトライ
ソプロポキサイド(Ti(O−i・Pr))4.48ミリモル
及びL−(+)−酒石酸ジイソプロピルエステル(L−
(+)−DIPT)5.38ミリモルを混合溶解したジクロロメ
タン溶液40mlに化合物1−(1)0.895g(4.48ミリモ
ル)のジクロロメタン溶液3mlを加え、10分間攪拌し
た。
次に、t−ブチルハイドロパーオキサイド(TBHP)6.
72ミリモルを溶解したジクロロメタン溶液2.6mlを加
え、温度−20℃に保ちながら6.7時間攪拌を続けた。ジ
メチルサルファイド1mlを加え、更に30分攪拌した後、
この溶液に10%酒石酸水溶液3ml、ジエチルエーテル40m
l、フッ化ナトリウム3g及びセライト2gを加え、室温で3
0分間攪拌した。反応混合液を濾過し、残渣をジエチル
エーテル10mlで洗浄し、洗浄液を濾液に加えた後、この
濾液を減圧蒸留して溶媒を留去し、粗生成物を得た。粗
生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフにより精製
し、化合物1−(2)387mg(収率40%)及び化合物1
−(3)358mg(収率40%)を得た。化合物1−
(2)、及び1−(3)の光学純度等の結果を第1表に
示す。
また、化合物(2)及び(3)の分析値を下記に示
す。
化合物1−(2)1 H NMR(CCl4(溶媒),PhH(内標),D2O(添加)): IR:3410,2930,1247(cm-1) ▲〔α〕25 D▼:−7.4゜(C 1.05,CHCl3) 化合物1−(3)1 H NMR(CCl4,PhH,D2O): δ 0.07(s,9H,3(CH3)Si),0.94(t,J=6.0Hz,3H,CH
3),1.10〜1.75(m,8H,4CH2),3.93(q,J=4.8Hz,1H,CH
O),5.67(d,J=18.0Hz,1H,SiCH),6.00(dd,J=4.8,1
8.0Hz,1H,C=CHSi)13 C NMR(CDCl3): −1.3,13.9,22.5,25.0,31.8,36.9,74.6,128.8,148.9 IR:3330,2930,1645,1285(cm-1) 沸点:90℃/3mmHg ▲〔α〕25 D▼:−9.5゜(C 1.45,CHCl3) 〔実施例2〕 反応時間を10時間とした以外は実施例1と同様に反応
を行なわせ、化合物−1(2)及び1−(3)を得た。
結果を第1表に示す。
〔実施例3〕 反応時間を18時間とした以外は実施例1と同様に反応
を行なわせ、化合物1−(2)及び1−(3)を得た。
結果を第2表に示す。
第2表の結果より、不斉エポキシ化反応を長時間続け
ても化合物1−(2)及び1−(3)の光学純度に殆ん
ど変化がないことが知見された。
〔実施例4〕 −23℃に冷却したチタンテトライソプロポキサイド
(Ti(OiPr))5.8ml(19.4ミリモル)のジクロロメ
タン(CH2Cl2)170ml溶液にL−(+)−DIPT4.7ml(2
3.3ミリモル)をゆっくり滴下し、10分間攪拌した。こ
れに4−(1)4g(19.4ミリモル)のCH2Cl210ml溶液を
滴下して、更に10分間攪拌した。続いてt−ブチルハイ
ドロパーオキサイド(TBHP)11.9ml(29.1ミリモル)を
CH2Cl2中に2.44モルの濃度になるようにして滴下し、4
時間攪拌した後、−23℃でジメチルサルファイト(Me
2S)2.8ml(38.8ミリモル)を加え、そのままの温度で2
0分間攪拌した。続いて室温にし、酒石酸水溶液(10wt
%)5mlとエチルエーテル20mlを加え、更にNaF8gを加え
30分攪拌した。セライトを通して沈殿を除去し、溶媒を
減圧下に留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフにより精製分離すると、4−(2)の化合物1.
87gと4−(3)の化合物1.72gが得られた。なお、1H N
MRから反応はほぼ定量的に50%進行していることが判っ
た。
また、4−(3)の化合物を上記条件下でエポキシ化
6時間、更に0℃で1時間反応してもTLC上には反応生
成物は現われなかった。
4−(2)及び4−(3)の分析値を下記に示す。
1H NMR(CCl4,CH2Cl2,D2O) IR(neat) 3400,2975,1940,1605,1250,838,695(c
m-113 CNMR(CDCl3) 140.2,128.3,127.9,126.4,72.1,58.
9,47.8,−3.8 ▲〔α〕25 D▼ +25.7゜(C 1.58,CHCl3 1H NMR(CCl4,CH2Cl2,D2O), δ 1.17(s,9H,(CH33Si), 5.05(d,J=4.6Hz,1H,CHO), 5.93(d,J=19.8Hz,1H,SiC=CH), 6.23(dd,J=4.6,19.8Hz,1H,SiCH=C) 7.10〜7.54(m,5H,Ar) IR(neat) 3320,2960,1605,1250,839,695(cm-113 C NMR(CDCl3) 147.3,142.7,129.7,128.4,127.4,12
6.4,76.6,−1.4 ▲〔α〕25 D▼ −10.8゜(1.06,CHCl3) bp.108〜111℃/0.32mmHg 元素分析 C12H18OSi: 計算値 C,69.85;H,8.79 実測値 C,69.71;H,8.90 〔実施例5〜9〕 実施例1と同様に反応を行った結果を第3表に示す。
以下に各化合物の分析値を示す。
1HNMR(CDCl3IR(neat) 3425,2950,1250,840(cm-1) ▲〔α〕25 D▼ −1.07゜(C 1.49,CHCl3)(99%ee) 1HNMR(CCl4,CH2Cl2) δ 0.07(s,9H,(CH33Si),0.98(d,J=7.0Hz,6H,
(C 2CH),1.33〜1.96(m,1H,C(CH32,2.58
(br s,1H,OH),3.74(t,5.0Hz,1H,CHO),5.80(d,J=1
9.0Hz,1H,SiC=CH),5.95(dd,J=5.0,19.0Hz,1H,SiC
H=C), IR(neat) 3340,2870,1615,1240,985,840(cm-1) ▲〔α〕25 D▼ −21.8゜(C 1.14,CHCl3), bp,42〜48゜/0.1mmHg 1HNMR(CCl4,CH2Cl2) δ 0.19(s,9H,(CH33Si) 2.36(d,J=3.7Hz,1H,SiCH(O)) 2.80(br s,1H,OH), 2.95〜3.12(m,1H,SiCHC(O)), 3.73〜4.37(m,3H,CHO及びCH2OPh), 6.74〜7.45(m,5H,Ph),13 CNMR(CDCl3) δ 158.6,129.5,121.3,114.7,69.8,69.5,55.7,48.8,−
3.7 mp. 61.5〜62.5℃(ペンタン−エーテルから再結晶) IR(nujol) 3400,1598,1585(cm-1) ▲〔α〕25 D▼ −17.0゜(C 0.978,CHCl3), 1H NMR(CCl4,CH2Cl2) δ 0.25(s,9H,(CH33Si) 2.83(brs,1H,OH) 3.93及び4.04(2dd,J=7.8,10.2Hz及び4.0,10.2Hz,2H,C
2OPh) 4.48〜4.82(m,1H,COH) 6.21(s,2H,HC=CH), 6.85〜7.48(m,5H,Ph)13 C NMR(CDCl3) δ 158.5,143.4,131.9,129.3,121.0,114.6,72.3,71.7,
−1.4 IR(nujol) 3430,1598,1585(cm-1) mp. 49.0〜50.0℃(ペンタン−エーテルから再結晶) ▲〔α〕25 D▼ +8.0゜(C 1.55,CHCl3), 参 考 bp 150〜160℃(0.15mmHg) NMRデータは6−(3)と同じ 1H NMR(CCl4,CH2Cl2,D2O) IR(neat) 3400,1240,1100,730,690(cm-1) ▲〔α〕25 D▼ −2.2゜(CHCl3,C 1.2) Rf値:0.28(ヘキサン:エーテル=1:1) 1H NMR(CCl4,CH2Cl2,D2O), δ 0.15(s,9H,3CH3),3.32(dd,J=7.8Hz,10.3Hz,1H,
CHO),3.42(dd,J=4.1Hz,10.3Hz,1H,CHO),4.15〜
4.36(m,1H,CHO),4.50(s,2H,CH2Ph),5.95〜6.10(m,
2H,HC=CH),7.23〜7.40(m,5H,Aromatic) IR(neat) 3400,1245,630,730,690(cm-1) ▲〔α〕25 D▼ −1.9゜(CHCl3,C 1.06) Rf値:0.38(ヘキサン・エーテル=1:1) 1H NMR(CCl4,PhH) IR(neat) 3420,2850,1243,840(cm-1) ▲〔α〕25 D▼ +4.2゜(C 1.13,CHCl3 1H NMR(CCl4,PhH) δ 0.10(s,9H,Si(CH3),0.90(t,3H,CH2CH3 ),
1.32(m,6H,(CH2 −CH3),2.03(m,2H,CH=CH−C
−CH3),2.22(t,2H,J=6Hz,CH(OH)C ),2.4
0(brs.1H,OH),3.88(dt,Jd=4Hz,Jt=6Hz),5.38(m,
2H,C−CH=CH−C),5.74(d,1H,J=19Hz,Si−CH=
C),6.02(d=19Hz,4Hz,Me3SiC=CH−)13 C NMR(CDCl3) δ 148.0,133.3,129.2,124.5,73.8,35.1,31.5,29.3,2
9.0,27.4,22.4,13.9,1.3 IR(neat) 3340,2850,1610,1240,830(cm-1) ▲〔α〕25 D▼ +7.6゜(C 1.37,CHCl3 1H NMR(CCl4,CH2Cl2,D2O) IR(neat) 3400,1240,1080,835,730,690(cm-1) ▲〔α〕25 D▼ −10.1゜(C 0.97,CHCl3) Rf値:0.23(ヘキサン:エーテル=1:1) 1H NMR(CCl4,CH2Cl2,D2O), δ 0.08(s,9H,3CH3),1.60〜1.90(m,2H,C 2CH2O),
3.53(dt,J=2.5Hz,6.1Hz,2H,CH2O),4.04〜4.26(m,1
H,CHO),4.42(s,2H,CH2OBz),5.80(d,J=19.9Hz,
=CHC),5.91(dd,J=4.0Hz,19.9Hz,1H,HC=CC),
7.08〜7.30(m,5H,Aromatic) IR(neat) 3380,1090,835,730,690(cm-1) ▲〔α〕25 D▼ −3.2゜(C 1.00,CHCl3) Rf値:0.32(ヘキサン:エーテル=1:1) 〔実施例10〕 L−(+)−酒石酸ジイソプロピルのかわりにD−
(−)−酒石酸ジイソプロピルを使用した他は、実施例
1と同様に反応を行なった結果を第4表に示す。
以下に分析値を示す。
1H NMR(CCl4,PhH) δ 5.97(dd,J=18.3,3.6Hz,1H),5.77(d,J=18.3Hz,
1H),4.08〜3.86(m,1H),3.58(s,3H),3.02(brs,1
H),2.26(t,J=7Hz,2H),2.05(〜1.25(m,4H),0.07
(s,9H)13 C−NMR(CDCl3) δ 174.0,148.3,129.4,74.0,51.4,36.2,33.8,20.8,−
1.4 IR(neat) 3400,1727,842(cm-1) ▲〔α〕25 D▼ +6.74゜(C 1.75,CHCl3 1H NMR(CDCl3,CH2Cl2) δ −0.08(s,9H),1.2〜1.8(m,4H),2.08〜2.29(m,
3H),2.62(t,J=5.1Hz,1H),2.82(br d,J=2.4Hz,1
H),3.46(s,3H),3.40〜3.62(m,1H)13 C−NMR(CDCl3) δ 173.4,69.5,58.1,50.9,47.5,33.6,33.0,20.5,−4.1 IR(neat) 3410,1726,1248,843(cm-1) ▲〔α〕25 D▼ +6.78゜(C 1.15,CHCl3) 〔実施例11〕 −20℃に冷却したチタンテトライソプロポキサイド0.
72mlのCH2Cl218ml溶液にL−(+)−酒石酸ジイソプロ
ピル〔DIPT〕0.61mlを滴下し、10分攪拌した。これに11
−(1)1.01gのCH2Cl23ml溶液を滴下して、さらに10分
攪拌した。続いて、t−ブチルハイドロパーオキサイド
〔TBHP〕の3.40M CH2Cl2溶液1.07mlを滴下し4時間攪拌
した。薄層クロマトグラフィーで11−(2)と11−
(3)がほぼ1:1であることを確認後、−20℃でジメチ
ルサルファイド0.71mlを加え、そのままの温度で40分攪
拌した。つづいてエーテル25mlと10重量%酒石酸水溶液
1ml、NaF3g、セライト10gを室温で加え、1時間攪拌し
た。混合物を吸引濾過して沈澱を除去し、溶媒を減圧下
除去した。得られた粗製物をシリカゲルクロマトグラフ
により精製し、11−(3)を433mg、11−(2)を450mg
それぞれ油状物として得た。
化合物11−(2),11−(3)の分析値を下記に示
す。
1H NMR(CCl4,TMS) 13C NMR(CDCl3) 69.6,58.4,48.2,33.8,32.0,29.0,27.3,25.1,22.5,13.9,
13.6,8.8 ▲〔α〕25 D▼ −34.5゜(C 1.10,CHCl3,88%ee) IR(neat) 3425,2920,2850,1460,1380,1250,1070,102
0,862(cm-1 1H NMR(CCl4) δ 0.76〜1.71(m,39H,4CH3,13CH3,OH),3.79〜4.10
(m,1H,CHOH),5.54〜6.40(m,2H,CH=OH) ▲〔α〕25 D▼ −3.09゜(C 1.10,クロロホルム) このものの光学純度は参考例17の結果から100%eeに
非常に近いと判断できる。
〔実施例12〜13〕 L−(+)−酒石酸ジイソプロピルのかわりにD−
(−)−酒石酸ジイソプロピルを用いた他は実施例11と
同様に反応を行った結果を第5表に示す。
以下に各化合物の分析値を示す。
1H NMR(CCl4,TMS) δ 0.72〜2.00(m,38H,3CH3,14CH2及びCH),2.36(br
s,1H,OH),3.69(t,J=4.8Hz,1H,CHO),5.95(m,2H,CH
=CH), IR(neat) 3330,2920,2865,1455,997(cm-1 1H NMR(CCl4,TMS) δ 0.73〜1.06(m,9H,3CH3),1.08〜1.99(m,18H,9C
H2),2.48〜2.61(m,1H,0H),3.72及び3.89(2dd,J=7.
2,9.6Hz及び4.4,9.6Hz,2H,OCH2),4.25〜4.52(m,1H,CH
O),5.94(dd,J=4.4,20.4Hz,1H,SnCH=C),6.30
(d,J=20.4Hz,1H,SnCH),6.71〜7.27(m,5H,Ph) Rf値:0.45(ヘキサン:エーテル=2:1) 実施例14 酒石酸ジエステルを触媒量使用し光学活性アリルアル
コールをエポキシ化する例 Ar雰囲気下粉末化した3Aモレキュラーシーブ(1g),C
H2Cl2(15ml)、チタンテトライソプロポキサイド(1.4
ml,4.7mmol)を−20℃に冷却した。D−(−)−酒石酸
ジイソプロピルエステル(1.2ml,5.7mmol)を加え、10
分攪拌後、8−(3)(3.65g 15.2mmol)のCH2Cl2
液(8ml)を加えた。混合液を−40℃に冷却後、t−ブ
チルハイドロパーオキサイド(4.09M/CH2Cl2)(7.5ml,
30.6mmol)を滴下した。混合液を−21℃で4時間攪拌
後、ジメチルサルファイド(4ml),10%酒石酸水溶液
(4ml)を加えセライト濾過した。溶媒を減圧下留去
し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフ(ヘキ
サン:エーテル=10:1→3:1,0.5%トリエチルアミン)
により精製し、8−(2)′(3.3g,85%)を得た。
▲〔α〕25 D▼ +4.25゜(C 1.15,CHCl31H NMR,IRは化合物8−(2)(実施例8参照)と同
じであった。
次に実施例において使用した原料化合物の製造方法及
び得られた光学活性アルコールを使用した種々の化合物
の合成例を参考例に示す。
〔参考例1〕 メチルリチウム(MeLi)167ミリモルのエチルエーテ
ル溶液220mlに0℃でトリメチルシリルアセチレン24g
(218ミリモル)をゆっくりと滴下した。室温で1時間
攪拌した後、−30℃に冷却し、ヘキサナール(AmCHO)2
0.1ml(167ミリモル)を滴下した。室温へゆっくりと昇
温した後、5℃に冷却したNH4Cl飽和水溶液中に注ぎ入
れた。有機層を分離後、水槽をヘキサン100ml/1回を用
いて2回抽出処理した。抽出液を有機層に加え、有機層
をMgSO4を用いて乾燥させた後、濾過し、濾液より減圧
下に溶媒を留去して化合物(i)31.7g(収量96%)を
得た。分析値を下記に示す。
化合物(i)1 H NMR(CCl4,PhH): δ 0.16(s,9H,3(CH3)Si),0.92(t,J=6.0Hz,3H,CH
2),1.11〜1.90(m,8H,4CH2),2.96(brs,1H,OH),4.22
(q,J=5.8Hz,1H,CHO) IR(neat):3330,2850,2180,1255(cm-1) 〔参考例2〕 実施例1−(1) 化合物の合成 i−ブチルマグネシウムブロマイド(i−BuMgBr)60
7ミリモルのエチルエーテル溶液460mlに0℃でシクロペ
ンタジエニルチタンクロライド(Cp2TiCl2)2.0g(8ミ
リモル)を加えた。0℃で30分間攪拌した後、化合物
(i)30.9g(156ミリモル)をゆっくり滴下した。27℃
に昇温した後、同温度で7時間攪拌を続け、その後5℃
に冷却した稀HCl400ml中に注ぎ入れた。生成物をヘキサ
ン−エチルエーテル混合溶媒(1/1)で数回抽出し、得
られた有機層をMgSO4を用いて乾燥させた後濾過し、濾
液より減圧下に溶媒を留去して粗生成物を得た。粗生成
物をシリカゲルカラムクロマトグラフにより精製し、化
合物(1)29.96g(収率96%)を得た。分析値を下記に
示す。
化合物1−(1)1 H NMR(CCl4,PhH,D2O): δ 0.07(s,9H,3(CH3)Si),0.94(t,J=6.0Hz,3H,CH
2),1.10〜1.75(m,8H,4CH2),3.93(q,J=4.8Hz,1H,CH
O),5.67(d,J=18.0Hz,1H,SiCH),6.00(dd,J=4.8,1
8.0Hz,1H,C=CHSi)13 C NMR(CDCl3): −1.3,13.9,22.5,25.0,31.8,36.9 74.6,128.8,148.9 IR(neat):3330,2930,1645,1285(cm-1) 沸点:90℃/3mmHg 〔参考例3〕 (但し、OEEは 基を表わす。) 化合物1−(2)0.90g(4.16ミリモル)、エチルビ
ニルエーテル(CH2=CHOC2H5)1.2ml(12.5ミリモル)
及びp−トルエンスルホン酸26.8mgからなるジクロロメ
タン溶液20mlを0℃で5分間攪拌した。反応液をNaHCO3
飽和水溶液50ml中に注ぎ入れ、水層をヘキサンで数回抽
出した。有機層と抽出ヘキサンとを併せ、MgSO4を用い
て乾燥させた後濾過し、濾液より減圧下に溶媒を留去し
て粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフにより精製し、化合物1−(2)a1.13g(収率
95%)を得た。分析値を下記に示す。
化合物1−(2)a1 H NMR(CCl4,PhH): 〔参考例4〕 (但し、OEEは前記と同じ意味を有する) 沃化銅(CuI)98mgのTHF懸濁液25mlにジメチルサルフ
ァイド(Me2S)0.7mlを加えて均一系とした後、−78℃
でn−プロピルマグネシウムブロマイド(n−PrMgBr3.
96ミリモル)のエチルエーテル溶液(3ml)をゆっくり
滴下し、30分間攪拌した。その後、そのままの温度で化
合物1−(2)a745mg(2.59ミリモル)のTHF溶液5mlを
加え、−30℃で2時間攪拌した。1時間かけてゆっくり
と室温まで昇温し、NH4Cl飽和水溶液10mlと15%NH4OH水
溶液50mlを加えて有機層を分離した後、有機層を15%NH
4OH水溶液で洗浄し、MgSO4を用いて乾燥させた後濾過
し、濾液より減圧下に溶媒を留去して粗生成物を得た。
この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフにより
精製し、化合物(ii)756mg(収率88%)を得た。分析
値を下記に示す。
化合物(ii)1 H NMR(CCl4,PhH,D2O): δ 0.00(s,9H,3(CH3)Si),0.48〜1.69(m,25H,4C
H3,6CH2,CHSi),3.19〜3.86(m,4H,OCH2,2CHO),4.40〜
4.80(m,1H,OCHO) 〔参考例5〕 (但し、OEEは前記と同じ意味を有する)。
水素化カリウム(KH)120mgのTHF溶液10mlに−72℃で
化合物(ii)430mg(1.30ミリモル)のTHF溶液5mlをゆ
っくり滴下した。徐々に5℃まで昇温し、更に1.5時間
攪拌した。NH2Cl飽和水溶液3ml及び稀HCl(3N)3mlを加
え、室温で1時間攪拌した。エチルエーテル15ml/1回を
用いて3回抽出し、得られた有機層をMgSO4を用いて乾
燥した後濾過し、濾液より減圧下に溶媒を留去して粗生
成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマト
グラフにより精製し、化合物(a′)205mg(収率93
%)を得た。分析値を下記に示す。
化合物(a′)1 H NMR(CCl4,(CH34Si): δ 0.84〜1.08(m,6H,2CH3),1.10〜1.74(m,10H,5C
H2),1.82〜2.14(m,2H,C 2CH=C),2.40(brs,1H,O
H),3.72〜4.05(m,1H,CHO),5.17〜5.69(m,2H,CH=C
H)13 C NMR(CDCl3): 13.5,13.9,22.3,22.5,25.1,31.8,34.2,37.3,73.0,131.
4,133.4 IR(neat):3340,2930,2865,965(cm-1) ▲〔α〕25 D▼:−5.1゜(C 1.26,CHCl3) 〔参考例6〕 (但し、OEEは前記と同じ意味を有する) 化合物(ii)290mg(0.87ミリモル)のメタノール溶
液5mlに−50℃で濃H2SO4130μを加え、室温で2時間
攪拌した。反応液をNaHCO3飽和水溶液50ml中に注ぎ入
れ、エチルエーテル−ヘキサン(1/1)15ml/1回の量で
3回抽出した。有機層をMgSO3を用いて乾燥した後濾過
し、濾液より減圧下に溶媒を留去し、粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフにより精製して化合物
(b′)215mg(収率63%)を得た。分析値を下記に示
す。
化合物(b′)1 H NMR(CCl4,TMS,D2O): δ 0.72〜1.12(m,6H,2CH3),1.12〜1.70(m,10H,5C
H2),1.86〜2.33(m,2H,C 2CH=CH),4.10〜4.46(m,1
H,CHO),5.12〜5.53(m,2H,CH=CH)13 C NMR(CDCl3): 13.6,13.9,22.5,22.8,25.0,29.6,31.8,37.5,67.5,131.
5,133.0 IR(neat):3320,2930,727(cm-1) ▲〔α〕25 D▼:−24.3゜(C 0.99,CHCl3) 〔参考例7〕 (但し、TBHPはt−ブチルハイドロパーオキサイド、VO
(acac)はビスアセチルアセトン参加バナジルを表わ
す)。
0℃に冷却した化合物1−(3)1.69g(8.45ミリモ
ル)のジクロロメタン溶液30mlにt−ブチルハイドロパ
ーオキサイド21.1ミリモルを溶解したジクロロメタン溶
液8.2mlとビスアセチルアセトン酸化バナジル(VO(aca
c))110mgとを加え、1晩攪拌した後、ジメチルサル
ファイド2mlを加えさらに30分間攪拌した。この溶液をN
aHCO3飽和水溶液30ml中に注ぎ入れた。室温で1時間攪
拌した後、ヘキサン−エチルエーテル(1/1)混合液60m
l/1回を用い2回抽出した。得られた有機層をNa2SO4
用いて乾燥した後濾過し、濾液より減圧下で溶媒を留去
して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフにより精製し、化合物(iii)1.53g(収
率85%,アンチ/シン=3/1)を得た。分析値を下記に
示す。
化合物(iii)1 H NMR(CCl4,PhH): 〔参考例8〕 (但し、OEEは前記と同じ意味を有する) 化合物(iii)1.53g(8.4ミリモル)、エチルビニル
エーテル(CH2=CHOC2H5)2.4ml(25.1ミリモル)及び
ビリジニウム−p−トルエンスルホン酸(p−TsOH)25
0mgのジクロロメタン溶液15mlを混合し、室温で1晩攪
拌した。反応液をNaHCO3飽和水曜液30ml中に注ぎ入れ、
ヘキサンを用いて数回抽出した。得られた有機層をNa2S
O4を用いて乾燥した後濾過し、濾液より減圧下で溶媒を
留去して化合物(iii)a2.32(収率86%)を得た。分析
値を下記に示す。
化合物(iii)a1 H NMR(CCl4,PhH): 〔参考例9〕 (但し、OEEは前記と同じ意味を有する) 沃化銅(CuI)800mg(4.2ミリモル)のエチルエーテ
ル溶液40mlに−40℃でn−プロピルリチウム(n−PrL
i)6.96ミリモルのペンタン溶液10.7mlをゆっくり滴下
し、−20℃で1時間攪拌した。その後−50℃に冷却し、
この液に化合物(iii)a500mg(1.7ミリモル)のエチル
エーテル溶液10mlを加え、1晩かけて−15℃迄ゆっくり
と昇温した。この反応液にNa4Cl飽和水溶液10ml及びNH4
OH水溶液(10%)70mlを加えて攪拌し、有機層を分離し
た。有機層をNH4OH水溶液(10%)を用いて数回洗浄
し、Na2SO4を用いて乾燥した。この液を濾過し、濾液よ
り減圧下に溶媒を留去して粗生成物(iv)を得た。
次に、この粗生成物を精製することなしに下記の反応
に用いた。
水素化カリウム200mgのTHF懸濁液10mlに前記の化合物
(iv)のTHF溶液25mlを−78℃でゆっくり加えた。10℃
に昇温し、10℃で1時間攪拌後、NH4Cl飽和水溶液0.5ml
及び稀HCl(3N)20mlをこの溶液に加え、室温で更に1
時間攪拌した。
次に反応液よりエチルエーテルを用いた15ml/1回で3
回抽出し、得られた有機層をMgSO4を用いて乾燥した後
濾過し、濾液より減圧下で溶媒を留去して粗生成物を得
た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフに
より精製して化合物(c′)213mg(収率74%)を得
た。分析値を下記に示す。
化合物(c′) ▲〔α〕25 D▼:+4.9゜(C 1.27,CHCl3) なお、1H NMR,13C NMR及びIRの測定結果は化合物
(a′)と同じである。
〔参考例10〕 (但し、OEEは前記と同じ意味を有する) 参考例9と同様の方法で化合物(iv)を合成した。即
ち、沃化銅(CuI)2.25g(11.8ミリモル)のエチルエー
テル溶液60ml、n−プロピルリチウム(n−PrLi)21.2
mgのエチルエーテル溶液33ml及び化合物(iii)a1.56g
(5.4ミリモル)を用いて、化合物(iv)の粗生成物を
得た。次に、濃H2SO40.58mlのMeOH溶液35mlに、前記粗
生成物(iv)のメタノール溶液7mlを−60℃でゆっくり
滴下した。液を室温に昇温した後、2.5時間攪拌を続
け、反応液をNaHCO3飽和水溶液150ml中に注ぎ入れた。
ヘキサンを用いて数回抽出した後、得られた有機層をMg
SO4を用いて乾燥した後濾過し、濾液より減圧下に溶媒
を留去して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフにより精製し、化合物(d′)39
0mg(収率43%)を得た。分析値を下記に示す。
化合物(d′) ▲〔α〕25 D▼:+24.9゜(C 1.06,CHCl3) なお、1H NMR,13C NMR及びIRの測定結果は化合物
(b′)と同じである。
〔参考例11〕 化合物1−(2)3.20g(14.8ミリモル)のピリジン
溶液20mlに無水酢酸4ml(42.5ミリモル)を加え、室温
で4時間攪拌した。この液を0℃にて冷却し、ヘキサン
30mlを加えた後、NaHCO3飽和水溶液30mlをゆっくり加
え、そのまま15分間攪拌し、更にヘキサン30mlを加えて
抽出した後、このヘキサン有機層を水30mlで洗浄した。
有機層をMgSO4を用いて乾燥した後濾過し、濾液より減
圧下に溶媒を留去して粗生成物を得た。この粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフにより精製し、化合物
1−(2)b3.30g(12.8ミリモル、収率86%)を得た。
分析値を下記に示す。
化合物1−(2)b1 H NMR(CCl4,PhH): IR(neat):1755,1245,860(cm-1) 〔参考例12〕 ブロム化マグネシウムエチラート(MgBr2・O(C
2H5)827mg(3.20mmol)をジエチルエーテル(15m
l)に加え、均一になるまで室温で攪拌した。この溶液
を−10℃に冷却した後、化合物1−2(b)413mg(1.6
0mmol)のエーテル溶液5mlを加え−10℃〜−5℃で30分
間攪拌した。別に用意した稀HCl(3N)10ml−ヘキサン1
0ml混合液を−1℃に冷却し、よく攪拌しておき、この
液に上記反応液にゆっくり加えた。ヘキサン中に抽出
後、有機層をMgSO4を用いて乾燥し、次いで濾過し、濾
液より減圧下に溶媒を留去し、化合物(v)の粗生成物
514mgを得た。粗生成物をそのまま次の反応に用いた。
上記反応で得られた化合物(v)の粗生成物231mg
(0.681mmol)のヘキサン溶液5mlにトリエチルアミン0.
285ml(2.04mmol)を加え0℃に冷却した。これに、メ
チルスルホニルクロリド0.10ml(1.36mmol)を加え、0
℃で1時間攪拌した。飽和食塩水15mlを加え、ヘキサン
中に抽出して有機層をMgSO4を用いて乾燥した。濾過
後、濾液を減圧下濃縮して、化合物(v)のメタスルホ
ニルエステルの粗生成物を得た。この粗生成物のTHF溶
液5mlを0℃に冷却し、n−テトラブチルアンモニウム
フロリドのTHF溶液1.55ml(1.02mmol,0.66M THF中)を
加えた。0℃で15分間攪拌後、飽和食塩水20mlを加え、
ヘキサン中に抽出した。有機層をMgSO4を用いて乾燥し
た後、濾過後濾液を減圧下濃縮して、化合物(b′)b
の粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフにより精製して、化合物(b′)b134mgを収率
79%(用いた(v)の粗生成物より計算)で得た。
化合物(b′)b1 H NMR(CCl4,TMS): δ 0.90(t,J=6.0Hz,3H,CH3),1.11〜1.90(m,8H,C
H2),1.98(s,3H,H3CC(=0)0),5.53(dt,J=8.4,
6.6Hz,1H,OCH),5.92〜6.35(m,2H,CH=CH) IR(neat):1735,1613,1230(cm-1) 〔参考例13〕 化合物(b′)b2.11g(8.48ミリモル)のヘキサン溶
液25mlに室温で50重量%KOH水溶液20ml及びn−テトラ
ブチルアンモニウムアイオダイド((n−Bu)4HI)155
mg(0.42ミリモル)を加え、50℃で10時間攪拌した後、
室温に冷却した。次に、水30mlを加え、ヘキサン−エー
テル(1:1)20mlで抽出した。得られた有機層をNa2SO4
を用いて乾燥し、濾過後、濾液の溶媒を減圧下に留去し
て粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフにより精製し、化合物(vi)1.05g(8.33
ミリモル、収率98%を得た。分析値を下記に示す。
化合物(vi)1 H NMR(CCl4,(CH34Si,D2O): δ 0.90(t,J=6.3Hz,3H,CH3),1.10〜1.95(m,8H,C
H2),2.32(d,J=2.3Hz,1H,HC≡C),4.28(dt,J=2.3,
7.0Hz,OCH)13 C NMR(CDCl3): δ 85.2,72.7,62.3,37.7,31.4,24.7,22.5,13.9 IR(neat):3350(s),3300,2120(ω),1020(cm-1) 沸点:120〜130℃/20mmHg 〔参考例14〕 化合物1−(3)1.77g(8.85ミリモル)のジクロロ
メタン溶液15mlを−15℃に冷却し、攪拌しながらBr20.4
54ml(8.85ミリモル)をゆっくり滴下した。そのまま5
分間攪拌した後、ヘキサン40mlを加えた。Na2S2O3飽和
水溶液15ml、続いて水40mlで洗浄し、得られた有機層を
MgSO4を用いて乾燥し、濾過した。濾液の溶媒を減圧下
に留去して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲル
カラムクロマトグラフにより精製し、化合物(vii)及
び(viii)合計2.98g(8.28ミリモル,収率94%)を得
た。
〔参考例15〕 化合物(vii)及び(viii)の合計2.97g(8.25ミリモ
ル)のTHF溶液15mlを0℃に冷却し、攪拌しながらn−
テトラブチルアンモニウムフルオライドのTHF溶液(9.9
ミリモル、n=0.67)14.8mlを滴下した。5分間攪拌し
た後、水30mlを加え、ヘキサン30mlで抽出した。有機層
をMgSO4を用いて乾燥した後濾過した。濾液の溶媒を減
圧下に留去して化合物(d″)の粗生成物を得た。この
粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフにより精製
して化合物(d″)1.55g(7.49ミリモル,収率91%)
を得た。分析値を下記に示す。
化合物(d″)1 H NMR(CCl4,(CH34Si,D2O): δ 0.90(t,J=6.0Hz,3H,CH3),1.05〜1.90(m,8H,C
H2),4.29〜4.71(m,1H,OCH),6.08(dd,J=6.6,7.8Hz,
1H,BrCH=C),6.21(d,J=6.6Hz,1H,BrHC=C) IR(neat):3350,1620(ω)(cm-1) ▲〔α〕25 D▼:+40.8゜(C 1.79,CHCl3) 以上の合成フローを下記に示す。
〔参考例16〕 化合物11−(3)543mgのエーテル溶液7mlを0℃に冷
却し、この中にヨウ素363mgを加えた。0℃で1時間攪
拌後、Na2S2O3水溶液を加えた。生成物をヘキサンで抽
出し、抽出液をMgSO4で乾燥後濃縮し、得られた油状物
をシリカゲルカラムクロマトグラフにより精製して14−
(3)を油状物として304mg得た。収率92%1 H NMR(CDCl3) δ 0.87(t,J=6.0Hz,3H,CH3),1.06〜1.76(m,8H,C
H2),2.45(brs,1H,OH),4.03(q,J=6.0Hz,1H,CHO),
5.26(d,J=15.6Hz,1H,HCI),5.55(dd,J=15.6Hz,6.0H
z,1H,IC=CH) ▲〔α〕24 D▼−9.86゜(C 1.48,メタノール) 12−(3)のエナンチオマーの文献値(R.Noyoriet a
l.,J.Am.Chem.Soc.,106(1979))は、 ▲〔α〕24 D▼−9.87゜(C 1.57,メタノール) であり、良く一致している。
この14−(3)を光学活性なα−メトキシ−α−トリ
フロロメチルフェニル酢酸のエステル(Mosherエステ
ル)に誘導してNMRを測定する方法によっても光学純度
が99.5%ee以上であった。
〔参考例17〜18〕 参考例16と同様に反応を行った結果、第6表に示す。
以下に各化合物の分析値を示す。
1H NMR(CCl4,Me4Si) δ 0.70〜2.04(m,11H,5CH2及びCH),2.86(brs,1H,O
H),3.72(t,J=6.4Hz,1H,CHO),6.16(d,J=15.6Hz,1
H,IC=CH),6.46(dd,J=15.6Hz,6.4Hz,C=CHI)13 C NMR(CDCl3) δ 147.6,79.0,77.0,43.6,28.8,28.3,26.5,26.1 ▲〔α〕25 D▼+11.8゜(C 1.17,CHCl3) IR(neat)3320,2910,2850,1605(cm-1 1H NMR(CCl4,Me4Si) δ 3.03(brs,1H,OH),3.56〜3.98(m,2H,CH2),4.30
(dt,J=7.0,4.0Hz,1H,CHO),6.38(d,J=16.0Hz,1H,IC
H),6.46〜6.67(m,1H,IC=C),6.57〜7.28(m,5H,O
Ph) ▲〔α〕25 D▼−8.8゜(C 1.41,CHCl3) IR(neat)3400,3080,3050,1600,1590,1500,1080,1050,
950,760,700(cm-113 C NMR(CDCl3) 158.2,143.7,129.5,121.3,114.7,79.8,72.5,70.6
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07M 7:00 C07M 7:00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[V] [式中、Rは飽和または不飽和の炭素数1〜10の置換も
    しくは未置換のアルキル基又は置換もしくは未置換のフ
    ェニル基を、Aは で表わされるシリル基又は で表わされるスタニル基を表わす。 ここで、R1,R2,R3は炭素数1〜10の置換もしくは未置換
    のアルキル基又は置換もしくは未置換のフェニル基を示
    し、互いに同一であっても異なっていてもよい。] で表わされるγ位にシリル基又はスタニル基を有するト
    ランス型のアリルアルコールを、チタンテトラアルコキ
    サイド及び光学活性酒石酸ジエステルの存在下にハイド
    ロパーオキサイドで酸化して、この光学活性酒石酸ジエ
    ステルの光学活性に応じて、 一般式[I]で表わされるエポキシ基を有する光学活性
    アルコールと一般式[III]で表わされる光学活性アリ
    ルアルコール、又は一般式[II]で表わされるエポキシ
    基を有する光学活性アルコールと一般式[IV]で表わさ
    れる光学活性アリルアルコールを得ることを特徴とする
    光学活性アルコールの製造法。 [式中、R、Aは上記と同様の意味を示す。]
  2. 【請求項2】一般式[III]又は[IV] [式中、Rは飽和または不飽和の炭素数1〜10の置換も
    しくは未置換のアルキル基又は置換もしくは未置換のフ
    ェニル基を、Aは で表わされるシリル基又は で表わされるスタニル基を表わす。 ここで、R1,R2,R3は炭素数1〜10の置換もしくは未置換
    のアルキル基又は置換もしくは未置換のフェニル基を示
    し、互いに同一であっても異なっていてもよい。] で表わされるγ位にシリル基又はスタニル基を有する光
    学活性アリルアルコールを、チタンテトラアルコキサイ
    ド及び光学活性酒石酸ジエステルの存在下にハイドロパ
    ーオキサイドで酸化して、この光学活性酒石酸ジエステ
    ルの光学活性に応じて、 一般式[II]又は[I]で表わされるエポキシ基を有す
    る光学活性アルコールを得ることを特徴とする光学活性
    アルコールの製造法。 [式中、R、Aは上記と同様の意味を示す。]
  3. 【請求項3】チタンテトラアルコキサイドとしてチタン
    テトラメトキサイド、チタンテトラエトキサイド、チタ
    ンテトラプロポキサイド、チタンテトライソプロポキサ
    イド、チタンテトラブトキサイド及びチタンテトラt−
    ブトキサイドから選ばれる1種又は2種以上を使用する
    特許請求の範囲第1項又は第2項記載の製造法。
  4. 【請求項4】チタンテトラアルコキサイドの使用量が一
    般式[V]で表わされるトランス型アリルアルコール1
    モル当り0.05〜1.5モルの範囲である特許請求の範囲第
    1項乃至第3項のいずれか1項に記載の製造法。
  5. 【請求項5】光学活性酒石酸ジエステルとしてL−
    (+)−酒石酸ジt−ブチル、L−(+)−酒石酸ジメ
    チル、L−(+)−酒石酸ジイソプロピル、L−(+)
    −酒石酸ジステアリル、L−(+)−酒石酸ジフェニル
    及びこれ等のD−(−)−体から選ばれる1種を使用す
    る特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれか1項に記
    載の製造法。
  6. 【請求項6】光学活性酒石酸ジエステルの使用量がチタ
    ンテトラアルコキサイド1モル当り0.2〜2モルである
    特許請求の範囲第1項乃至第5項のいずれか1項に記載
    の製造法。
  7. 【請求項7】ハイドロパーオキサイドとしてt−ブチル
    ハイドロパーオキサイド、α,α−ジメチルヘプチルハ
    イドロパーオキサイド、ビス−イソブチル−2,5−ジハ
    イドロパーオキサイド、1−メチルシクロヘキシルハイ
    ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド及
    びシクロヘキシルハイドロパーオキサイドから選ばれる
    1種又は2種以上を使用する特許請求の範囲第1項乃至
    第6項のいずれか1項に記載の製造法。
  8. 【請求項8】ハイドロパーオキサイドの使用量が一般式
    [V]で表わされるトランス型アリルアルコール1モル
    当り0.5〜3モルの範囲である特許請求の範囲第1項乃
    至第7項のいずれか1項に記載の製造法。
  9. 【請求項9】反応温度が−80℃〜80℃である特許請求の
    範囲第1項乃至第8項のいずれか1項に記載の製造法。
  10. 【請求項10】溶媒としてハロゲン化炭化水素を使用す
    る特許請求の範囲第1項乃至第9項のいずれか1項に記
    載の製造法。
  11. 【請求項11】光学活性アルコールを動力学的に分割す
    るため、 一般式[V] [式中、Rは飽和または不飽和の炭素数1〜10の置換も
    しくは未置換のアルキル基又は置換もしくは未置換のフ
    ェニル基を、Aは で表わされるシリル基又は で表わされるスタニル基を表わす。 ここで、R1,R2,R3は炭素数1〜10の置換もしくは未置換
    のアルキル基又は置換もしくは未置換のフェニル基を示
    し、互いに同一であっても異なっていてもよい。] で表わされるγ位にシリル基又はスタニル基を有する一
    般式[III]及び[IV]で表わされる光学活性アリルア
    ルコールがラセミ体又は混合物として含有されるトラン
    ス型のアリルアルコールを、 チタンテトラアルコキサイド及び光学活性酒石酸ジエス
    テルの存在下にハイドロパーオキサイドで酸化して、こ
    の光学活性酒石酸ジエステルの光学活性に応じて、一般
    式[III]又は[IV]で表わされる光学活性アリルアル
    コールを優先的に反応させ、一般式[II]又は[I]で
    表わされるエポキシ基を有する光学活性アルコールを得
    ると共に、この反応に未関与の一般式[III]又は[I
    V]で表わされる光学活性アリルアルコールを得ること
    を特徴とする光学活性アルコールの分割法。 [式中、R、Aは上記と同様の意味を示す。]
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